公開授業② 場所 多目的室 外国語活動指導案 6年2組 山本 吉彦 1.単元 「オリジナル昔話を創ろう」 2.研究主題との関連 (1) 単元について 〈児童観〉 子どもたちは 6 年生になり、自己紹介やプロモーションビデオの作成を行ってきた。これは、思春期に さしかかっている子どもたちの、自己肯定感を高めるためと、自己表現力をつけるために行ってきた。 2 学期に入り、大きな行事を通して子どもたちは積極的に友だちや先生たちと関わろうとしてきた。も ちろん、発達の段階から関わることを恥ずかしいと感じている子どもたちも少なくない。しかし、その関 わりの中で自分と他人を比べ「○○君は〜〜だからいいよなぁ」や、「どうせ自分にはできやしない」な どといった自己否定の考え方や「こんなことを言ったら自慢していると言われるから、できるけど言わな いでおこう」「手を挙げて目立つことはやめておこう」と言ったが思いが あった1学期に比べると、少し 変わってきたように思われる。具体的には、10 月最後に行われたハロウィーンパーティーで、クラスの出 し物として劇をすることになり、企画から練習、当日の運営と見事にやりきった。その中で、自分と比較 してできることは一緒にできるようになろうと「共有」しようとする姿が見え、できないことは、諦める のではなく素直にどうしたらできるのかを「共有」しようとする姿が見えるようになってきた。そして、 一人ではできないことも、友だちと一緒に創り上げていくことの楽しさや、面白さをより一層感じること ができるようになった。 3学期になり、子どもたちは今までに学習してきたことを最大限に活用できる昔話劇 の発表を心待ちに していた。昨年は、レストランでお客と店員、コックとそれぞれの役割に応じて、適切な言葉と表現を使 って演じてきた。今年は題材としても昨年より全体の文章が多くなり、それぞれの役割やタイミングなど 難易度はあがるだろう。しかし、今まで培ってきたチームワークを活かし、子どもたちの積極性や自己表 現力、自己肯定感をもっと高めたり、持続させたりする方法として昔話創りに挑戦することとした。 〈教材観〉 本単元を選んだ理由は、昔話創りを通して今まで外国語活動の4つの観点(興味・関心、人間関係、表 現力、ことば)で培ってきた態度や力を発揮するのに最適だと考えたからである。昨年に引き続き、劇を 通して子どもたちに自分らしさを表現してほしい。 2学期には、4 コマ漫画を創り相手に言葉なしで伝える難しさを学んだ。顔の表情や体を最大限使って相 手に状況を伝えることは、なかなか難しかったが、他のグループとの交流を通して少しずつそのコツをつ かんでいった。そしてこの教材では、自分を表現することの楽しさや相手に伝えることの面白さを身につ けた子どもたちがオリジナルの昔話を創りながら、自己の成長や友だちとの関わりの大切さに改めて気づ いてもらいたいと考えた。 〈指導観〉 本単元では、最初に Hi,Friends の挿絵からどんな物語がかくれているのかを探させ、それがどこの国の お話かも子どもたちに尋ねながら進めていく。そして、今までに出会ったことのないお話「手袋:ウクラ イナ」や「三年峠:韓国」にも出合い、世界には知らないお話もあるのだということに気づかせたい。そ して、その中でも馴染みのある『桃太郎』を学習するにあたり、どんなお話か確認をする。子どもによっ てストーリーに若干の違いがあるかもしれないし、本学級には、韓国籍の子どももいるためである。 次に、劇に使用する基本のフレーズとして『桃太郎』を聞かせ、今まで学習したことを想起しながら難 なく使えるようにさせたい。そこで、Can-Do List を用い、ストーリーを少しずつ級にしてわけ、最終的 には全部を言えるようにさせたい。そして、自分は言えるようになったんだという自己満足感や、自己肯 定感につなげたい。その上で、それらをもとに自分たちのグループのオリジナル昔話に使える表現はない か気づかせたい。 さらに、グループで活動することで一人ではできなくても友だちとならできたり、教えてもらったりし てできる喜びや楽しさにつなげたい。また、今まで外国語活動で学習してきた『アイスグッジェ』を大い に活用し、相手に伝えることを意識して取り組ませたい。 (2) 単元の目標 ○積極的に英語で物語を創ろうとし、伝えようとする。 ○友だちと協力し、オリジナル昔話を創る。 ○世界の物語に興味をもつ。 3. 学びを創り続ける授業づくりの具体的な視点 『視点1』子どもが学びを創り続ける中で自己肯定感を高める【昔話し創り】の学習授業モデル 要素 未知への 好奇心 昔話創りにおける子どもの意識 「日本の昔話しだけじゃないね」「このお話知らないなぁ」 「昔話を英語でやってみたいな!」 「オリジナル昔話し創りに挑戦してみよう!」 出合う(a) 働きかける(b) 「まずは桃太郎が言えるようになりたい!」 課題への 探究心 自ら問題とする(c) 「この言葉は、英語でなんて言えばいいのかな?」 「あの時の言い方を使ったらできるかな?」 「もっとジェスチャーを使ったらうまく伝わるかもしれない!」 「(みんなで)オリジナル昔話しができた(言えた)よ!」 体験での 「長い文でも言えるようになったよ!」 達成感 「難しかったけど、たくさん練習したからできたんだ!」 「次は、もっと長い文でも言えるようになりたい!」 試行錯誤する(d) 解決する(e) 成長を実感する(f) 学び続ける楽しさに気付く(g) 新たな問題を発見する(h) 『視点2』自己肯定感を高めるための、ルーブリックや Can-Do List の活用 ルーブリックや Can-Do List を活用することで、自分の目標がはっきりし、取り組もうとする姿 につながっていく。友だちと比べるのではなく、今の自分のできることやできていないことを明確 にする。つまり、自分を認めるということは自己肯定感に結びつくと考える。そのために、自分で どうしたらうまく友だちに自分の良さを伝えられるかを試行錯誤し、アイデアを練り、自分だけの ルーブリックや Can-Do List を完成させていくことで、より具体的な姿が示され、学ぶ意欲につな がると考える。また、小中で統一された Can-Do List を作成し、小学校5年生から中学生まで使用 できるものにした。自己の成長を確認しながら様々な単元で活用することができると考える。 4.指導計画(全 10 時間) 《本時第6時》 次・時 主な活動 評価 第1時 ・世界の物語、日本の物語を知ろう。 ・積極的に物語を発表しようとしている。(興味・関心) ・桃太郎を英語で聞いてみよう。 ・桃太郎の内容を聞いて、どんな英語が使われていたかわかる。 第2時 第3時 第4時 ・桃太郎のお話を聞きながら言ってみよう1。 (ことば) ・何度も聞いたものを言って、基本的フレーズ ・桃太郎のお話を口ずさみながら、実際にグループごとで演 の練習をする。 じることができる。(人間関係、表現力、ことば) ・桃太郎のお話を聞きながら言ってみよう2。 ・何度も聞いたものを言って、基本的フレーズ ・桃太郎のお話を口ずさみながら、実際にグループごとで演 の練習をする。 じることができる。(人間関係、表現力、ことば) ・ルーブリックをつくろう。 ・自分にあったゴールを設定し、以後の活動へ意欲的に取り 組もうとする(興味・関心) 第5時 ・オリジナル昔話を創ろう1。 ・桃太郎をベースに、自分たちのグループでオリジナルの昔 第6時 ・オリジナル昔話を創ろう2。 話をつくることができる。(興味・関心、人間関係) 第7時 ・オリジナル昔話を創ろう3。 ・恥ずかしがらずに、友だちに伝えることができる。 (表現力) 第8時 ・オリジナル昔話を創ろう4。 第9時 ・最終発表会1。 ・発表会から、自分たちの成長や感じたことを発表、ワーク シートにのこすことができる。(興味・関心) 第 10 時 ・最終発表会2。交流会 ・自分たちのグループや友だちのグループについて交流をし、 次への意欲につなげることができる(興味関心)
© Copyright 2024 Paperzz