2016年4⽉25⽇ ⽇本株ファンドマネージャーの視点 『株価が上がる呪⽂!』 ※このレポートでは、⽇本株ファンドマネージャーが注⽬しているトピックなどを毎週お届けします。 平成28年熊本地震で被災された⽅々に⼼よりお⾒舞い申し上げますとともに、被災地の⼀⽇も早い復旧・ 復興を⼼からお祈り申し上げます。 ⽇銀のマイナス⾦利政策による今後の収益悪化懸念によって低迷する銀⾏株は、先週末こそ《⽇銀が⾦融機 関への貸し出しにもマイナス⾦利を検討する》との報道で⼤きく反発したものの、依然⼤きく低迷した状態 が継続しています。株価が低迷している最⼤の原因は、多くの銀⾏がマイナス⾦利の悪影響を受けて、新年 度は増益が⾒込めない、従って減配の可能性もあると市場が懸念しているからだと思います。 仮にそうであれば、株価を反転させることは意外と簡単かもしれません。経営者が以下の⾔葉を決算説明会 等で情報発信するだけで良いと思います。 “マイナス⾦利の収益への悪影響はあるものの、それほど⼤きくはない。確かに減益予想ではあるが、配当 は維持する。さらに持ち合い解消も加速させ、増益の可能性も諦めていない。中⻑期的には当然増配も検討 していくし、仮に減配するようなことがあれば、私の経営責任と考えてもらってもいい。” この様な呪⽂を唱えるだけで、なぜ株価は反転するのでしょうか?そこには配当が⼤きく関係してくると思 われます。配当を給与所得者の給与と同じと考えれば理解しやすいと思います。配当が減るということは、 即ち給与が減ることを意味し、その会社を辞めたくなる(株を売りたくなる)のです。 花王を例にあげて説明すると、この会社の配当利回りは先週末時点で1.55%と決して⾼くはありませんが、 26年連続で増配している超優良企業です。決して無理をした配当ではなく、配当の裏付けとなるキャッ シュフローが安定していることも評価されている理由の1つとなっています。過去に⼦会社のカネボウが⽩ 斑問題を起こした時でも花王の株価下落は⼀時的で、その後は持続的な上昇トレンドを維持しています。も し退職⾦を過去からこの会社に投資していた場合を想定すると、単に株価上昇による評価益だけではなく毎 年増加する配当⾦(毎年増加する給与)まで⼿にすることができるのです。さらに魅⼒的な株(会社)が無 い限り、この株を⼿放す(会社を辞める)理由はないことになります。配当(給与)を増やしていくことが 持続的な時価総額の拡⼤にいかに重要かという良い例だと思います。 これから本格化する企業の3⽉本決算発表では、おそらく製造業中⼼に減益⾒通しの企業が多くなってくる ことが予想されます。そこでの経営者の重要な役割は市場の不安を取り除くことだと思います。減益⾒通し の銘柄は既に⼤幅な株価調整がされており配当利回りでは⼤変魅⼒的な⽔準まできています。銀⾏株だけで はなく、⾃動⾞株なども円⾼が嫌気されたことでかなり魅了的な配当利回り⽔準になっています。仮に減益 でも配当は減らさない、または増加させていくという⼒強いメッセージが経営者から発信されれば株価はそ れを好感し、上昇基調に転じることになるでしょう。 今こそ、経営者は市場が何を⾃分の会社に求めているのかをよく理解し、決算発表(決算説明会)という場 を通して市場の不安を取り除くメッセージを発信するべきだと思います。 株式運⽤部 ⼩出 修 ■当資料は情報提供を⽬的として⼤和住銀投信投資顧問が作成したものであ り、特定の投資信託・⽣命保険・株式・債券等の売買を推奨・勧誘するもの ではありません。■当資料は各種の信頼できると考えられる情報源から作成 しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。■当 資料に記載されている今後の⾒通し・コメントは、作成⽇現在におけるレ ポート作成者の判断に基づくものであり、事前の予告なしに将来変更される 場合があります。■当資料内の運⽤実績等に関するグラフ、数値等は過去の ものであり、将来の運⽤成果等を約束するものではありません。■当資料内 のいかなる内容も、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。 大和住銀投信投資顧問株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第353号 加入協会 一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会
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