基本計画/行政施策計画 第5節 国際交流の推進 現況と課題 1 本格的な国際化時代を迎えた今日、政治、経済、文化、環境等のあら ゆる分野においてさまざまな活動が地球規模で展開されており、市民生 活のあらゆるところまで、世界との相互依存関係が深まっています。と りわけ関西国際空港の開港や明石海峡大橋の開通は、国内のみならず、 国外からも人、もの、情報などの交流の拡大をもたらしています。本市 においても、市民が世界の人々や文化などと接する機会は、今後ますま す増えていくものと思われます。さらに、国際化の進展とともに、外国 人居住者も年々増加しており、外国人居住者にとっても、住みよいまち づくりが、求められています。 こうした状況のなか、これまで本市では、市民の国際理解や国際感覚 の醸成を図るため、庁内組織の見直しをはじめ、国際交流の推進体制や 交流の基盤づくりを進めてきましたが、今後国際化がさらに進展するな かで、民間団体とも連携を図りながら、より一層国際化に対応したまち づくりを進めていく必要があります。また、外国人居住者に対しては、 市内小中学校での日本語指導や外国語の刊行物の作成などに努めてきま したが、今後も、きめ細かいサービスに取り組む必要があります。 2 本市では、昭和43(1968)年に米国・バレホ市と姉妹都市の提携を行い、 また、昭和56(1981)年には中国・無錫市と友好都市の提携を結びました。 これら両市とは、以降、文化、スポーツ、教育、経済など、幅広い分野 で、市民間の交流が展開されてきました。今後も本市の国際交流の基軸 として、民間団体との連携・協力のもとに、より一層、交流活動を推進 していく必要があります。 北京● ●バレホ市 太 平 洋 黄河 サンフランシスコ ●ロサンゼルス ● ● 長江 上海 ● 無錫市 第 6 章 第4節 地域交流の推進 第5節 国際交流の推進 225 3 姉妹都市・友好都市の来訪団の受入にあたっては、通訳ボランティア やホストファミリーなど市民の協力を得ながら、その交流活動を積極的 に展開しています。また、市民の任意団体として、明石姉妹都市協会と 明石市日中友好協会などが組織され、交流が活発に進められています。 市民の活発な参加による国際交流は、異文化との交流によって自らの地 域の特性や価値を見直すなど、地域コミュニティの活性化にもつながる ことから、今後とも、より一層幅広い市民各層の参加と協力のもとに、 草の根的な交流活動を展開していくことが必要です。 4 国際化が、市民の日常生活に大きくかかわるなかで、市民一人ひとり が、もの、情報のみならず、意識や心の面でも国際性を身につけていく 第 6 ことが大切です。本市では、国際感覚を養い、国際化時代にふさわしい 人材の育成を図るために、中学校全学年と養護学校中学部において外国 人英語指導助手による外国語教育を実施するとともに、姉妹都市バレホ 市へ高校生の親善訪問団を派遣してきました。また、コミュニティ・セ 章 ンターでは、講座や料理教室の開催など国際理解教育への取り組みがな されています。 今後とも、市民が国際性を身につけるために、交流機会の創造や情報 の提供などに努めることが必要です。 国際化対応に向けて「必要だと思う」施策 平成10年度市民全世帯アンケート 0 5 10 15 20 25 30 36.4 小・中学校における外国語教育の充実 世界の国々を理解するため、自然環境、文化歴史など情報提供 34.9 外国人が生活情報を得たり、暮らしの相談ができる窓口を設ける 34.6 32.1 道路や駅、公共施設における外国語表示の充実 27.1 市民が中心になった文化交流 その他 国際化に対する取り組みは特に必要ない 1.3 5.2 9.8 わからない 無記入 6.9 施策方針 姉妹都市・友好都市との交流を基軸とし、教育や文化、スポーツ、さら には経済など、より幅広い分野の交流を推進することにより、国際平和に 寄与するとともに、これまで進めてきた国際交流を、さらに実効的な交流 226 (%) 40 35 基本計画/行政施策計画 へと発展させます。 また、市民の国際化時代への認識を高めるため、国際感覚の醸成を図る とともに、外国人居住者の増加に対応して、外国人が安心して暮らせる環 境の整備に努めます。 施策体系 国際交流の推進 交流活動の推進 姉妹都市・友好都市との 交流の推進 民間交流の支援・推進 推進体制の整備 産業活動の国際化の推進 地域の国際化の推進 学習機会の充実 市民意識の国際化 共生環境の整備 国際協力の推進 計 画 1 交流活動の推進 (1)姉妹都市・友好都市との交流の推進 ◇ バレホ市及び無錫市との交流をさらに発展させるために、これま で培ってきた経験を基本としながら、本市の特性を生かした質の 高い交流を展開していきます。 (2)民間交流の支援・推進 ◇ 市民参加の国際交流をさらに促進するために、情報の提供はもと より、民間団体をはじめ、市民の交流活動への積極的な支援を行 うとともに、在住外国人との交流の機会の提供などを通じて異文 化との交流による地域コミュニティの活性化を図ります。 (3)推進体制の整備 ◇ 国際交流活動を推進するため、市民ニーズなどの動向を踏まえな がら、国際交流協会や交流基金の創設など、活動推進体制の検討 を進めます。 (4)産業活動の国際化の推進 ◇ 市内企業や各種団体との連携のもと、経済的・技術的効果をもた らす取り組みを進めます。 第 6 章 第5節 国際交流の推進 227 2 地域の国際化の推進 (1)学習機会の充実 * ◇ 次代を担う子どもたちの国際性を育み、グローバルな視野を持っ た人材を育成するために、学校教育において、外国語指導助手派 遣事業を拡大し、語学教育はもとより、生活、文化などへの国際 理解の教育を推進します。 (2)市民意識の国際化 ◇ 市内に居住する外国人が増えるなかで、市民が異文化を理解し、 同じ地域住民としての意識を高めるよう、諸外国の文化や生活習 慣に対する正しい認識を深める講座の開催などを通じて、国際意 識の醸成を図ります。 第 6 (3)共生環境の整備 ◇ 外国人居住者が戸惑いなく日常生活を送ることができるように、 ニーズを的確に把握したきめ細かいサービスの提供など、外国人 の視点にたった施策の推進に努めます。 章 3 国際協力の推進 ◇ 「交流から協力へ」の視点が重視されるなかで、民間団体とも連 携を図りながら、市民参加型の国際協力を推進します。 姉妹都市バレホ市との市民交流 228 グローバル 世界規模の。地球規 模の。
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