News Release No.0603001 2006 年 3 月 13 日 株式会社 明 電 舎 広 報 部 長 電気二重層キャパシタの増産・拡販体制を整備 ∼クリーンルームをもつ専門工場が操業開始∼ 株式会社明電舎(取締役社長 片岡啓治)は、当社沼津事業所内(静岡県沼津市)に電気二重 層キャパシタの生産専門の工場を新設し、本年 3 月 9 日から操業を開始しました。本年 4 月か らは生産設備フル稼働による生産を行う予定です。 新工場は、最新鋭の生産設備を配した組立ラインを有し、電気二重層キャパシタの生産能力を 従来の年産 1,000 個から年産 10,000 個(セル数換算:700,000 セル※)まで引き上げます。また、 同工場では延べ床面積約 500 ㎡の広いクリーンルーム内で高品質なキャパシタの生産を行いま す。 現在、当社は瞬時電圧低下補償装置など電気二重層キャパシタ応用製品についてお客様から多 数のお引き合いを頂戴しております。今後は、新工場の稼働により好調な販売活動に対応すると ともに、全社横断プロジェクト体制により、公共分野、産業分野を問わず広い市場で拡販活動を 展開し、2008 年度に売上高約 40 億円、2010 年度に同約 80 億円を目指します。 ※セルは 2 枚の電極とセパレータから構成され、このセルを複数積層することで 1 個のキャパシタを構成します。 直列で接続するセルの数を調整することで任意の電圧を得ることができます。 1.新工場の概要 (1)場 所 (2)設置目的 (3)設備投資 (4)竣 工 (5)面 積 (6)人 員 (7)生産能力 静岡県沼津市(当社沼津事業所内) 電気二重層キャパシタの量産 約 10 億円 2006 年 3 月 9 日(操業開始) 敷地 1,440 ㎡ 建屋延べ床面積 1,800 ㎡(内、クリーンルーム約 500 ㎡) 約 30 名 電気二重層キャパシタ 年産 10,000 個 (700,000 セル、2,000kVA 瞬時電圧低下補償装置 25 台相当) 2.電気二重層キャパシタについて キャパシタとは、きわめて短い距離だけ離れた 2 枚の電極(通常は活性炭)間に電解質イ オンを充填した蓄電デバイスで、電極表面にイオンを物理的に吸脱着させることで充電・放電 を行うものです。化学反応を伴わないため、鉛蓄電池と比較して、寿命が長く、応答性に優れ、 瞬時に大電力を放出することができます。また、電極材料は比表面積の大きな活性炭で、電解 質に重金属を含まないため、環境に優しく、アルミ電解コンデンサより静電容量が大きいとい う特色を持ちます。反面、キャパシタには、不純物の混入により長所を引き出しきれない、あ るいは自己放電によるセルごとの電圧降下のバラツキにより高電圧に対応すべくセルを直列 接続すると電圧を制御できなくなるなどの問題がありました。 当社は、従来のキャパシタが抱えていたこうした欠点を克服し、セル数によって任意の電圧 を得られ、本キャパシタ内部では電圧調整回路が不要なバイポーラ積層型電気二重層キャパ シタ 「M−CAP」(エムキャップ)の開発に成功しました。 1 電気二重層キャパシタ「M−CAP」 3.当社の電気二重層キャパシタ応用製品について (1)瞬時電圧低下補償装置「Meipos(メイポス)-MCP」 瞬時電圧低下(以下、瞬低)とは、雷などによる送電線事故の除去までに生じる電圧低 下です。瞬低が発生すると、設備の制御異常により、不良品が大量に発生したり、データ 異常などが発生します。本装置の導入により、設備稼働率を向上させる瞬低・停電対策(数 秒以下)を低コストで実現でき、突然の瞬低から機器やデータを守ることができます。 昨今、燃料費高騰などの理由から、生産設備など重要負荷への電力供給手段を、自家発 電システムから商用電源(電力会社の電気)に切り替える事業者様が増える中、瞬低から 設備を守る手段として多数のお引き合いを頂戴しております。 瞬時電圧低下補償装置 Meipos-MCP 高圧タイプ(2,000kVA) (2)回生電力貯蔵装置「キャパポスト」(回生エネルギー有効利用システム) 電気二重層キャパシタを当社の得意とする鉄道分野に適用させた製品です。 電車がブレーキをかけた時に発生するエネルギーを電気二重層キャパシタに貯蔵し、大 きなエネルギーが必要となる電車の発進時に瞬時に電気を放出することで、電力の有効利 用による省エネを図かります。 回生電力貯蔵装置「キャパポスト」 *本資料のお問い合わせ先 株式会社 明 電 舎 広報部 2 電話:03-5641-7140 以 上
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