Block 7 実習スケジュール 臨床実習スケジュール 月 週 数 4 2 5 6 5 5 5 6 週 数 3 4 3 6 年生 (2015 年) 10 11 12 5 4 4 3 冬休 7/20∼8/31 (6 週) 9/1 ∼ 12/20 臨床実習(16 週) 1 4 2 1 3 5 春休 1/5∼ 2/9∼ 2/7 3/14 選択科 臨床 実習 実習 (5 週) (5 週)[1 週× 5 科] 3 週 4 夏休み 9 臨床統合試験 月 2 8 2 週 初期 4/21 ∼ 7/19 臨床 5 年生 臨床実習 実習 (2014 年) (12 週) (2 週) 4/7 ∼ 19 7 4/6 ∼ 6/19 自主選択実習 (10 週) [3∼4週×3科] 臨床実習は、初期臨床実習、臨床実習(コア診療科実習) 、選択科実習、自主選択実習および病 院実習総論より構成される(合計 50 週) 。臨床実習に先立って 4 月 5 日(土)に白衣授与式を行う。 ・初期臨床実習では、ブロック 6 までに学んだ知識、技能、態度を臨床において応用できるよ うに学習する。 ・臨床実習では医学教育モデル・コア・カリキュラムの“全ての医師に必要な臨床能力を身に つける”ことに重点をおき、内科系、外科系、小児科、産婦人科、精神科、救命救急科のコ ア診療科において学ぶ。 ・一部のコアカリキュラム実習においては看護学部学生と同じ症例を受けもち、合同カンファ レンスを行う(21 ∼ 22 ページ Block7 実習表に*で示す) 。今年度は 16 グループで実施する。 ・選択科実習では、コア・カリキュラムの内容を十分に修得した後に、全ての臨床系の科の中 から学生の希望により 5 科を選択し、1 週間ずつ実習を行う(うち 1 週間は東医療センター か八千代医療センターを選択する) 。 ・自主選択実習では、臨床医学、社会医学、基礎医学の中から学生の希望により 3 科を選択し、 3 ないし 4 週間かけて、より深く、より広く学ぶ。3 科のうち 1 科は一定の基準を満たす学 外施設(医学教育機関としての機能を有する施設)で実習を行っても良い。 なお、臨床実習において学生に許可される医行為に関しては、医行為水準表(49 ページ)に 準じることとする。 ・臨床実習期間中の第 3 週土曜日午前中に講義または実習が行われる(23 ページ) 。 医学教育モデル・コア・カリキュラムについて ブロック 7 に関わる臨床実習の内容としては、症例として、①発生頻度が高い症候・疾患、 ②緊急を要する症候・疾患、③死亡原因として頻度の高い症候・疾患、を経験するのに最低 限必要とされるものが設定されている。さらに、コア・カリキュラム履修後に、学生各自の 興味ある分野の科目を積極的により深く、広く学ぶために、選択科実習および自主選択実習 において履修する。 実習においては、患者や医療チームの職員とのコミュニケーションを保って医療の現場に溶 け込むように努力する。詳細は、医学教育モデル・コア・カリキュラム準備教育モデル・コア・ カリキュラム̶教育内容ガイドライン̶ (平成 13 年 3 月 医学における教育プログラム研究・ 開発事業委員会 編)を参照されたい。 臨床統合試験 6 学年の自主選択実習に入るために必要な知識・技能・態度などについて評価する目的で行う。 − 13 − 白 衣 授 与 式 Block 教務委員長 Block7 教育委員長 新 田 孝 作 人間関係教育委員会委員長 齋 藤 加代子 2014 年 4 月 5 日 土曜日 13 時 30 分∼ 15 時 00 分 於:弥生記念講堂 あなた方は、 「良い医師になりたい」 「優れた研究者になりたい」そう切望して本学に入学し、 研鑽を積んできました。4 年間の教室中心での学習を集大成し、全国共通の computer based test を無事合格し、臨床実習に出ても良いという資格を与えられました。いよいよ臨床実習が始まり ます。 臨床実習では、あなた方は白衣を着用します。今までも白衣を着用したことはあります。基礎 医学の実験でも白衣を着用してきました。しかし臨床実習で着る白衣はそれらとは意味が異なり ます。来院された方から臨床実践の基礎を学ばさせて頂くと同時にあなたには医療者としての サービスを開始する第一歩を踏み出すことになるのです。医師は、学問としての医学を学びます が、実践する相手は人であり、実践過程を通して「ある人の唯一度しかない人生」に関わること となります。その医師が「どのように関わろうとするか」 、 「どのように関われるか」がその人の 人生に影響を与えうるのです。譬え学生でも、それは同じです。献体をして下さった方々、教師、 友人、書物から医学を学んできました。書物ではたった半頁しか書いていないことが、来院され た方の中では病や医療従事者との関係が何十年とその方の人生に影響していることもあることに 気付くでしょう。病と闘っている方にも臨床実習であなた方を積極的に支援して下さる方もおら れるでしょう。人間関係の基本は、相手の立場に立って振舞えることです。その方たちお一人お 一人に感謝し、体験を通して感性を磨き他者に共感できる能力・態度を修得できることを切望し ます。職業人の卵として白衣を着用し臨床実習に臨んでいる時は医療人としての責任が更に更に 増して行く過程です。 その白衣の意味を深く考え感じとることができるように白衣授与式を行います。 − 14 − 臨床実習期間配分 コア診療科 コ ア 科 診 療 科 実習期間 外科系(10 週) 第二外科/消化器外科/東医療センター外科・乳腺科 整形外科(本院/東医療センター) 呼吸器外科 泌尿器科 耳鼻咽喉科(本院/東医療センター) 眼科(本院/東医療センター) 麻酔科(本院/東医療センター) 4週 1週 1週 1週 1週 1週 1週 内科系(15 週) 消化器内科 循環器内科〈循環器小児疾患を含む〉 神経内科 血液内科 呼吸器内科 内分泌内科 腎臓内科〈腎小児疾患を含む〉 糖尿病・代謝内科 東医療センター内科 八千代医療センター内科 リウマチ科・膠原病リウマチ痛風センター 皮膚科(本院/東医療センター) 放射線腫瘍科、画像診断・核医学科(本院/東医療センター放射線科) 2週 2週 2週 1週 1週 1週 1週 1週 1週 1週 1週 1週 1週 小児科(本院/東医療センター) 産婦人科〈新生児医療を含む〉 神経精神科 救命救急科 3週 2週 2週 1週 選択診療科としてのみ実習を担当する科 選択診療科としての実習は下記を含めた全ての診療科が担当する。 1 週ずつ 5 科を選択。各科・教室の 1 期あたりの受け入れ可能人数は次ページ参照。 心臓血管外科(本院/東医療センター) 脳神経外科(本院/東医療センター/八千代医療センター) 形成外科(本院/東医療センター/八千代医療センター) 腎臓外科 内分泌外科 歯科口腔外科(本院/東医療センター) 総合診療科 化学療法・緩和ケア科 リハビリテーション科 中央検査部(臨床検査科、輸血・細胞プロセシング、病理診断科、感染症科) 東医療センター産婦人科 泌尿器科(東医療センター/八千代医療センター) 東医療センター精神科 衛生学公衆衛生学(一) 衛生学公衆衛生学(二) (保健所実習) 八千代医療センター総合周産期母子医療センター新生児科 八千代医療センター小児科 八千代医療センター救急科・集中治療部 八千代医療センター眼科 八千代医療センター母体胎児科・婦人科 八千代医療センター麻酔科 八千代医療センター整形外科 八千代医療センター皮膚科 東洋医学研究所 女性生涯健康センター 青山女性・自然医療研究所 遺伝子医療センター − 16 − いずれも 1 週 病院実習総論講義日程 日 時 使用教室 講義担当者 講義 形式 講義タイトル 1時限 臨床講堂1 /菊池 講義 安全管理と危機管理/院内感染 2時限 臨床講堂1 佐藤(麻) 講義 検体検査の進め方(一般検体) 臨床講堂1 齋藤/浦野 WS 臨床講堂2 服部/矢口/近本 WS 生命倫理─脳死と臓器移植 早稲田大学 矢口/岡田(み) WS 臨床倫理─倫理的判断 佐藤(紀)/吉田 1 B7 4月19日 2 人 5月17日 1・2時限 1時限 3 人 6月21日 2時限 B7 4 1時限 臨床講堂1 柴田 講義 検体検査の進め方(病理検体) 9月20日 人 生命倫理─発症前診断・出生前 診断・生殖医療 2時限 臨床講堂1・2 林/徳重 WS 患者医師関係─末期医療に臨む 医師のあり方 1時限 臨床講堂1・2 岩 WS 患者医師関係─インフォームド コンセント /平澤 5 人 10月18日 2時限 臨床講堂1・2 亀岡/岩 WS 患者医師関係─ Bad news の告知 1時限 臨床講堂1・2 木林 講義 医療における法医学的課題への 対応 2時限 臨床講堂1・2 呂 実習 死体検案実習・死亡診断書作成 実習 6 B7 11月15日 *人:人間関係教育 具体的な内容は 48 ページおよび 57 ∼ 70 ページを参照のこと − 23 − 到 達 目 標 包 括 的 到 達 目 標 Ⅰ 問題解決の基本的プロセスを説明できる。 1. 知識の活用 内科系・外科系初期臨床実習 2. 理解力、判断力 〃 3. 問題解決能力 〃 Ⅱ 患者および家族などの関係者と良好な人間関係を確立し、適切な情報を集めることができる。 1. 医療面接技法 内科系・外科系初期臨床実習 臨床各科 2. 病歴聴取法 〃 〃 〃 Ⅲ 患者の医学的、心理的、社会的問題点を明確にして全人的に解釈することができる。 1. 系統的診察により精神身体的所見を得る 臨床各科 2. 収集した情報から問題点の抽出 〃 3. 個々の情報を意味づけられる 〃 4. 相互関係を明らかにできる 〃 Ⅳ 問題解決に向けて検査、診断、治療、教育などの計画を自分の力で順序立てて立案する能力、 態度、習慣を身につけることができる。 1. 基本的身体診察法 内科系・外科系初期臨床実習、臨床各科 2. 一般臨床検査法 〃 3. 問題指向型診療記録(POMR)の作成 中検、 放射線 内科系実習 4. 治療計画および手技 臨床各科 5. 疾病の予防 臨床各科、保健所実習 6. シミュレーション、ロールプレイなどの活用 臨床各科 7. 医療資源の利用、指導医へのコンサルテーション 臨床各科、図書館 8. 症例の要約と提示 症例検討会、 回診、 他科・他病院依頼 Ⅴ 全人的医療に根ざした診療態度、習慣を身につけ良好な医師・患者関係の確立方法を体験できる。 1. インフォームドコンセントについて理解 臨床各科 2. 医師の守秘義務 法医学、臨床各科 3. 医の倫理・死の臨床、QOL の説明 〃 〃 4. 医療上、必要な法的手続きの説明 臨床各科・法医学、保健所実習 5. 患者の人格を尊重し、患者の立場にいられる 臨床各科 6. 医師として望ましい日常のマナー、習慣を身につける 〃 7. 自己学習、生涯学習の態度、習慣を身につける 自己学習、臨床各科 Ⅵ 良好な医師・医師関係、医師・医療従事者関係を通して医療の仕組みを学び、医療における 医師の立場を理解する。 1. 医療チーム内における相互協調の精神 臨床各科、他科コンサルテーション チーム医療 − 27 − 2. 医師の使命感、責任感、価値感 臨床各科 3. 良質で、効率良い医療システムの構築 臨床各科、病院機構 4. 地域医療の理解と医師の役割り 選択実習、保健所実習、病院機構 Ⅶ 自己の臨床能力を評価できる。 1. 到達度を自己評価し、自らの向上にフィードバック チェックリストの作成 2. 他からの能力評価を受け入れられる 指導医評価 3. クリニカルクラークシップについての理解 自己評価、指導医評価 − 28 − 初期臨床実習 ─到達目標─ 内 科 系 [一般目標] 東京女子医科大学における臨床実習の目標は、学生がどの専門分野に進んでも、医師として患 者の診療に必要な基本的な知識・技能(医行為) ・態度を身につけることである。すなわち、 ① 患者および家族など関係者からできるだけ多くの情報を集める。 ② 健康に関する身体的、精神的および社会的問題点を抽出・解釈する。 ③ 問題解決のための検査・診断・治療・教育計画を優先順位を考慮して全人的診療の計画を独 自で立案する態度・習慣を体得する。 ④ よい医師患者関係確立の方法を体験する。 内科系初期臨床実習では、その後の各専門分野の臨床実習をより効果的に行うために必要な、 最も基本的な技能(医行為)および態度を修得することを目標とする。 [行動目標] 内科的初期臨床実習が終了すると、下記の項目に関して、基本的技能・態度を体得し、また、 その理論と意義を述べることができる。具体的評価目標を下記に示す。 Ⅰ 基本的技能 1)自分の行う医行為について、患者に説明して同意を得ることができる。 2)医行為終了まで患者に対して配慮できる。 3)医療面接技法を実践できる。 4)病歴聴取法(成人)を実践できる。 5)身体診察法を実践できる。 6)臨床検査法を実践でき(心電図 12 誘導) 、 基本的な読影・解釈ができる(心電図 12 誘導、 胸部エックス線撮影、CT、超音波(腹部・胎児) ) 。 7)尿検査、血液検査、生化学検査の基本的な解釈ができる 8)問題指向型診療記録(POMR)を作成できる。 Ⅱ 基本的態度 1) 患者が健康について持っている問題を、身体的、医学的のみでなく、社会的、心理的問 題をあわせ、全人的にみることができる。 2) 患者・家族との関係 a. 患者・家族と良好な人間関係を作り、問題を解決できる。 b. インフォームド・コンセントについて理解し、説明できる。 c. プライバシーを保護を実践できる。 3)医療メンバー a. 医療チームの一員として、様々な医療従事者と協調、協力し、的確に情報を交換 して問題に対処できる。 b. 問題、疑問点について、まず自分で考え、指導医の監査と指導を受けることができる。 c. 問題点について相談すべき専門科を判断でき、専門医の指導を受けることができる。 4)文書記録 a. 情報と行動をすべて記録し、整理、要約、報告することができる。 − 29 − 初期臨床実習 ─到達目標─ 外 科 系 [一般目標] 外科的初期臨床実習では、その後の各専門分野の臨床実習をより効果的に行うために必要な、 最も基本的な外科的技能および態度を修得することを目標とする。 [行動目標] 外科的初期臨床実習が修了すると、下記の項目に関して外科的な基本的技能・態度を体得し、 またその理論と意義を述べることができる。内科系・外科系共通の基本的診察技能・態度につい ては、内科系初期臨床実習―到達目標―を適用する。具体的到達目標を下記に示す。 すべての医行為について患者に十分説明し、その行為中も配慮を怠らないことができる。 Ⅰ 外科的基本的技能 1)救急蘇生法(人工呼吸法、心マッサージなど) 2)滅菌法および消毒法 a. 清潔・不潔の概念を理解し、実行できる b. 手洗いおよびガウンテクニックができ、皮膚、術野の消毒ができる。 Ⅱ 基本的外科手技 1)手術または外科処置用器具の名称および使用法について説明できる。 2)創傷治癒機転について理解し、説明できる。 3)創傷処置(包帯交換)や抜糸ができる。 4)止血法、縫合法(埋没縫合を含む)などについて説明できる。 5)切開法(皮膚切開、膿瘍切開、気管切開など)について説明できる。 6)麻酔法について理解し説明できる。 7)術前術後管理を理解する。 8)AED を正しく使用できる。 Ⅲ 外科的基本的態度 清潔・不潔の概念をよく理解し、手術室におけるマナーを守ることができる。手術室におけ るチームワークを理解できる。 * 器具とは、持針器(ヘガール式、マチュー式) 、有鈎鑷子、無鈎鑷子、クーパー剪刀、メッツェ ンバウム剪刀、コッヘル鉗子、ペアン鉗子、角針、丸針などである。 − 30 − コア診療科実習到達目標 1. 全期間を通じて身につけるべき事項 (1)診療の基本 一般目標: 受持ち患者の情報を収集し、診断して治療計画を立てることを学ぶ。 【問題志向型システム・科学的根拠にもとづいた医療】 到達目標: 1)基本的診療知識にもとづき、情報を収集・分析できる。 2)得られた情報をもとに、問題点を抽出できる。 3)病歴と身体所見等の情報を統合して、鑑別診断ができる。 4)診断・治療計画を立てられる。 5)科学的根拠にもとづいた医療(EBM)を実践できる。 【医療面接】 到達目標: 1)礼儀正しく患者(家族)に接することができる。 2)プライバシーへの配慮をし、患者(家族)との信頼関係を形成できる。 3)医療面接における基本的コミュニケーション技法を実践できる。 4)病歴聴取(主訴、現病歴、既往歴、家族歴、社会歴、システムレビュー)を実施できる。 【診療記録とプレゼンテーション】 到達目標: 1)診療録を POMR 形式で記載できる。 2)毎日の所見と治療方針を SOAP 形式で記載できる。 3)受持ち患者の情報を診療チームに簡潔に説明できる。 (2)身体診察 一般目標: 受け持ち患者の基本的な身体診察ができる。 【全身状態とバイタルサイン】 到達目標: 1)身長・体重を測定し、栄養状態を評価できる。 2)血圧・脈拍を測定できる。 3)呼吸数を測定し、呼吸パターンを観察できる。 4)体温を測定できる。 【頭頸部】 到達目標: 1)頭部の診察ができる。 2)眼(視野、瞳孔、眼球運動、結膜、眼底)の診察ができる。 − 31 − 3)耳(外耳道、鼓膜、聴力)の診察ができる。 4)口腔・鼻腔の診察ができる。 5)甲状腺を含めた頸部の診察ができる。 【胸部】 到達目標: 1)胸部の視診、打診、触診、聴診ができる。 2)呼吸音を正しく聴診できる。 3)心音と心雑音を正しく聴診できる。 4)乳房を診察できる。 【腹部と泌尿生殖器】 到達目標: 1)腹部の視診、聴診、打診と触診ができる。 2)反跳痛と筋性防御の有無を判断できる。 3)直腸(前立腺を含む)指診ができる。 【神経】 到達目標: 1)意識状態を判定できる。 2)脳神経を診察できる。 3)腱反射、病的反射、筋トーヌスを診察できる。 4)小脳・運動機能を診察できる。 5)感覚系の診察ができる。 6)髄膜刺激所見がとれる。 【四肢と脊柱】 到達目標: 1)四肢と脊柱を診察できる。 2)関節(関節可動域を含む)を診察できる。 3)筋骨格系の診察ができる。 【小児と高齢者の診察】 到達目標: 1)新生児と小児の全身診察ができる(発達状況の評価も含む) 。 2)高齢者を診察でき、総合機能評価(CGA)ができる。 (3)基本的臨床手技 一般目標: 基本的臨床手技を学ぶ。 【一般手技】 到達目標: − 32 − 1)静脈採血の手順、部位と合併症を列挙し、正しく採血できる 2)末梢静脈の血管確保を見学し、介助ができる。 3)中心静脈カテーテル挿入を見学し、介助ができる。 4)動脈血採血・動脈ラインの確保を見学し、介助ができる。 5)腰椎穿刺を見学し、介助できる。 6)胃管の挿入と抜去ができる。 7)尿道カテーテルの挿入と抜去ができる。 8)ドレーンの挿入と抜去を見学し、介助ができる。 9)注射の種類、各々の特徴と刺入部位を説明できる。 【外科手技】 到達目標: 1)手術や手技のための手洗いができる。 2)手術室におけるガウンテクニックができる。 3)基本的な縫合ができる。 4)創の消毒やガーゼ交換ができる。 5)骨折時の良肢位と外固定を見学し、介助できる。 【検査手技】 到達目標: 1)12 誘導心電図を適切に記録できる。 2)尿検査(尿沈渣を含む)を施行し、観察できる。 3)末梢血塗沫標本を作成し、観察できる。 4)微生物学検査の検体の採取と保存ができ、グラム染色を行い、観察できる。 5)妊娠反応検査を施行できる。 2. 内科系臨床実習 (1)内科 一般目標: 基本的内科疾患を受け持ち、病態、症候、診断、治療と予後を学ぶ。 到達目標: 1)主要な疾患、症候や病態を診察し、診断と治療計画の立案・実施に参加できる。 2)他科へのコンサルテーションが必要かどうか判断できる。 3)複数の疾患をかかえる患者を診察し、診断と治療計画の立案・実施に参加できる。 実習形態: 内科系病棟・外来 症 例: 頻度の高い悪性新生物(肺癌、肝癌、悪性リンパ腫、白血病) 脳血管障害 パーキンソン病 肺炎 気管支喘息・慢性閉塞性肺疾患(COPD) 狭心症・急性心筋梗塞 心不全 − 33 − 高血圧症 消化性潰瘍 肝疾患(急性肝炎・慢性肝炎・肝硬変) 腎不全 尿路感染症 甲状腺機能亢進症 糖尿病 脂質異常症 関節リウマチ 鉄欠乏性貧血 (2)精神科 一般目標: 基本的な精神症状の評価の仕方、面接法を学ぶ。 到達目標: 1) 精神科以外の一般診療科においても診療機会が多い精神障害に対する診断と治療の初期対 応ができる。 2) 精神症状をもつ患者の診療を行う上での、法と倫理の必須項目を列挙できる。 3) 精神症状・精神障害の初期症状と、どのような場合に専門医へのコンサルテーションが必 要か判断できる。 実 習 形 態: 精神科外来・病棟 (一般診療科においても診療機会が多い精神障害を学ぶために、外来、ある いは他科からのリエゾン・コンサルテーションを中心とするなど、実習形 態を考慮することが望ましい) 症例 (症候) : 気分障害 ストレス関連・身体表現性障害 症状性・器質性精神障害 精神分裂病 抑うつ・不安 睡眠障害(不眠) せん妄 (3)小児科 一般目標: 基本的小児科疾患を受け持ち、症候、診断、初期治療を学ぶ。 到達目標: 1) 新生児、乳・幼児期、学童期、思春期の患者およびその家族と良好な関係を築いて、漏れ のない正確な情報を取ることができる。 2) 小児身体診察を適切に実施できる。 実習形態: 小児科病棟・外来 症 例: てんかん・けいれん − 34 − 発疹性疾患 上気道感染・肺炎 気管支喘息 先天性心疾患 白血病・悪性腫瘍 運動・精神発達の遅れ 成長障害・低身長 脱水・下痢・嘔吐 3. 外科系臨床実習 (1)外科 一般目標: 基本的外科疾患を受け持ち、病態と、治療としての外科処置を学ぶ。 到達目標: 1)外科的処置の適応を判断し、リスク評価ができる。 2)外科の基本的診療手技を実施できる。 3)基本的な術前術後管理ができる。 実習形態: 外科系病棟・外科系外来・手術室 症 例: 外科的適応のある悪性腫瘍(胃癌、大腸癌、肺癌、乳癌) 急性虫垂炎 腸閉塞 腹膜炎 鼠径ヘルニア 痔疾患 胆石症・胆嚢炎 脊髄損傷 関節痛・関節腫脹 自然気胸 前立腺肥大 (2)産婦人科 一般目標: 基本的産婦人科疾患を受け持ち、女性の健康問題、疫学、予防、病態、診断、治療と予後 を学ぶ。 到達目標: 1)正常の妊娠、出産と産褥の基本的な管理ができる。 2)主な疾患、症候や病態を診察し、診断と治療計画の立案・実施に参加できる。 実習形態: 産科婦人科病棟・外来・手術室・分娩室 症 例:【産科】 正常妊娠・分娩・産褥 流産 早産 異常分娩 − 35 − 妊娠中毒症 【婦人科】 子宮・卵巣の腫瘍 骨盤内炎症性疾患 性行為感染症 子宮内膜症 子宮筋腫 更年期障害・不正性器出血 月経異常 不妊症 避妊指導 4. 救急医療臨床実習 一般目標: 緊急に対応すべき疾患の病態、診断を学ぶ。 到達目標: 1)救急病態の救命治療を介助できる。 2)初期救急病態を鑑別し、初期治療を介助できる。 3)外傷の処置を介助できる。 4)救急医療体制を説明できる。 実習形態: 救急系外来・病棟、集中治療室など 症 例:(重症救急病態)救命治療に参加する。 心肺停止 ショック 急性中毒 広範囲熱傷 多発外傷 (初期救急病態)鑑別ができ初期治療に参加する。 (E 参照) 発熱 脱水 けいれん 意識障害 頭痛 めまい 動悸 胸痛 呼吸困難 喀血 腹痛 嘔吐 吐血・下血 下痢 血尿 − 36 − 選択診療科到達目標 コア・カリキュラムのガイドラインには、全ての医学生が共通して修得すべき必須の学習内容 が提示されているに過ぎない。コア・カリキュラムの内容を確実に修得した上で、学生の学習ニー ズや将来の進路により、さらに高度な専門的あるいは広範囲な関連する領域の科を選択し、より 深く、より広く学ぶことを目標とする。従って 1 週間の実習内容は学生の希望に応じて個々に設 定することにより前述の目標が達成できるようになる。 − 37 − 自主選択実習(臨床系)到達目標 [一般目標] 臨床系クラークシップでは、診療に必要な技能および態度を習得するために、医療チームの一 員として、実際に患者の診療に従事する。指導医の指導・監視の下に、許容された一定範囲の医 行為を行い、責任を分担することにより、医師となるために必要な知識・技能・態度・価値観を 身に付けることを目標としている。 内科系クラークシップ [行動目標] 内科系クラークシップを終了すると、下記の項目に関して、基本的技能・態度を体得し、また、 その理論と意義を述べることができる。具体的評価目標を表 1 に示す。 Ⅰ . 基本的技能 1) 医療面接技法 2) 病歴聴取法(成人) 3) 身体診察法 一般診察(視診、打診、聴診、触診、計測法) 4) 臨床検査法 一般検査(血液、尿、便、血液生化学、血液ガスなど)のデータの解釈・評価 生理機能検査、内視鏡検査、画像診断・放射線学的検査の解釈・評価 5) 問題指向型診療記録(POMR)の作成 6) 治療計画および手技 a. 安静 b. 食事療法 c. 精神療法 d. 輸液、輸血療法 e. 救急処置法 7) 疾病の予防 a. 健康相談 b. 院内感染の予防対策 c. 放射線障害の予防 Ⅱ . 基本的態度 1) 患者が健康について持っている問題を、身体的、医学的のみでなく、社会的、心理的問題 を合わせ、全人的にみることができる。 2) 患者・家族との関係 a. 患者・家族と良好な人間関係を作り、問題を解決できる。 b. インフォームドコンセントについて理解している。 c. プライバシーを保護する。 3)医療メンバー a. 医療チームの一員として、様々な医療従事者と協調、協力し、的確に情報を交換して − 38 − 問題に対処できる。 b. 問題、疑問点について、まず自分で考え、指導医の監査と指導を受けることができる。 c. 問題点について相談すべき専門科を判断でき、専門医の指導を受けることができる。 4) 文書記録 a. 情報と行動をすべて記録し、整理、要約、報告することができる。 表 1 内科系クラークシップ到達目標自己評価表 Ⅰ . 基本的技能 (1)医療面接技法 1)挨拶と自己紹介 ( ) 2)対人空間 ( ) 3)eye contact ( ) 4)話の進め方(質問法、要約) ( ) 5)共感的態度 ( ) (2)病歴聴取法 1)主訴 ( ) 2)現病歴 ( ) 3)既往歴 ( ) 4)家族歴 ( ) 5)社会歴、生活環境、薬剤服用歴、習慣、性格、睡眠、食欲、排便、排尿 ( ) (3)身体診察法 1)全身の観察: ( ) 第一印象(表情、体位、栄養状態、精神状態) ( ) バイタルサイン(意識、呼吸、脈拍、血圧、体温) ( ) 皮膚、爪の観察 ( ) 2)頭部・顔面の診察: 対称性、毛髪 ( ) チアノーゼ、浮腫、腫張 ( ) 眼球・眼瞼結膜の観察 ( ) 口腔、咽頭の観察 ( ) 3)頚部の診察: 可動性、硬直 ( ) リンパ節の触診 ( ) 甲状線の触診 ( ) 頚動・静脈の観察、聴診 ( ) 4)胸部の診察: 胸郭の形態 ( ) 心音、心雑音・呼吸音、副雑音の聴診(部位、性状) ( ) 乳房の視診、触診 ( ) − 39 − 5) 腹部の診察: 腹壁の観察、打診(腹水など) ( ) 聴診(グル音、血管音) ( ) 肝臓・脾臓・腎臓の触診、圧痛 ( ) 直腸肛門診 ( ) 6) 骨・関節・筋肉系の観察: 腫脹、変形、萎縮、把握痛、浮腫 ( ) 7) 神経学的診察: 知能・言語の観察 ( ) 起立・歩行の観察、運動麻痺、筋トーヌス ( ) 視野、眼球運動、瞳孔の観察 ( ) 腱反射(二頭筋、三頭筋、腕橈骨筋、膝蓋腱、アキレス腱) ( ) 足底反射(Babinski の手技、Chaddock の手法) ( ) (4)基本的臨床検査法―1(自ら検査を実施し、意義を理解し、結果を解釈できる。 ) 1)検尿 ( ) 2)検便 ( ) 3)血液一般 ( ) 4)血液生化学検査 ( ) (5)基本的臨床検査法―2 (自ら検査を実施あるいは見学し、 意義を理解し、結果を解釈できる。 ) 1)単純エックス線検査(胸部、腹部) ( ) 2)心電図 ( ) 3)血液ガス ( ) 4)超音波検査(心臓、腹部) ( ) 5)放射線学的検査 ( ) (6)問題指向型診療記録(POMR) (意義と有用性を理解する) 1)プロブレムリストの作成 ( ) 2)初期計画(診断、治療、教育)の立案 ( ) 3)病歴、経過の記載 ( ) 4)サマリーの作成 ( ) (7)基本的治療法―1(自ら実施し、意義を理解している。 ) 1)安静 ( ) 2)体位交換 ( ) 3)移送 ( ) (8)基本的治療法―2(見学あるいは模型により実習する。 ) 1)患者、家族への説明、教育、予防 ( ) 2)食事療法 ( ) 3)注射(皮下、皮内、静脈) ( ) 4)静脈確保(輸液、輸血) ( ) 5)酸素投与 ( ) 6)導尿 ( ) − 40 − Ⅱ . 基本的態度 (1)全人的診療 ( ) (2)患者・家族との関係 1)患者・家族と良好な人間関係と問題解決 ( ) 2)インフォームドコンセント ( ) 3)プライバシーの保護 ( ) (3)医療メンバー 1)医療チームの一員として、問題に対処 ( ) 2)問題、疑問点の抽出・解釈と指導医の監査と指導 ( ) 3)問題点について相談すべき専門科の判断と専門医の指導 ( ) (4)文書記録 1)情報と行動の記録し、それらの整理、要約および報告 − 41 − ( ) 外科系クラークシップ [行動目標] 外科系クラークシップを終了すると、下記の項目に関して、基本的技能・態度を体得し、また その理論と意義を述べることができる。具体的到達目標を表 2 に示す。 Ⅰ . 外科的基本的技能 1)病歴を適切に聴取することができる。 (成人、小児) 2) 正しい身体診察法(視診、打診、聴診、触診、計測法)により、身体的所見をとることが できる。 3) 病歴および身体的所見を正しく診察録に記載できる。 4) 臨床検査法 a. ベッドサイドでの簡単な検査(ヘマトクリット、検尿、血液ガス、心電図など)ができ、 一般臨床検査(血液、尿、便、血液生化学、血液ガス、腫瘍マーカーなど)のデータの解析・ 評価ができる。 b. 単純 X 線、エコー、CT、MRI、血管造影などの読影および評価ができる。 5)滅菌法および消毒法 a. 清潔・不潔の概念を理解し、実行できる。 b. 手洗いおよびガウンテクニックができ、皮膚、術野の消毒ができる。 c. 手術用および外科処置用器具の消毒法について理解し説明できる。 6)患者の病態を毎日把握し、診療記録に記載することができる。 7)手術記録の書きかたを理解し、記載することができる。 8)基本的外科手技 a. 手術または外科処置用器具の名称および使用法について説明できる。 b. 創傷治癒機転について理解し説明できる。 c. 創傷処置(包帯交換)や抜糸ができる。 d. 止血法、縫合法、包帯法、副木法について説明でき、実施できる。 e. 切開法(皮膚切開、静脈切開、膿瘍切開、気管切開)について説明することができ、行 うことができる。 f. 麻酔法(局所麻酔、静脈麻酔、腰椎麻酔、硬膜外麻酔、吸入麻酔)について理解し説明 できる。 g. 挿管法(胃管、尿道カテーテル、イレウス管、浣腸、栄養補給チューブ、気管内チューブ) について説明できる。 h. 注射(皮内、皮下、筋肉)ができ、静脈採血ができる。 i. 穿刺法(胸腔穿刺、心嚢穿刺、腹腔穿刺、血管の穿刺 - 動脈穿刺、深部静脈穿刺、IVH、 Swangantz カテーテル)について説明できる。 j. 救急蘇生法(気道確保、人工呼吸、心マッサージなど)について理解し、実施すること ができる。 9)術前術後管理と術後合併症 1. 術前管理 a. 全身的条件の評価(年令、栄養状態、水分・電解質・酸塩基平衡)ができる。 − 42 − b. 個々の臓器系機能の評価(心機能、 肺機能、 肝機能、 腎機能、 止血機能、 内分泌機能、 免疫能、 精神機能など)ができる。 c. 手術の直接的準備(排尿訓練、呼吸訓練、尿量と尿比重の測定、清拭、剃毛)を行うこ とができる。 2. 術後管理 手術の一般臨床的処置(体位および体位変換、バイタルサインのチェック、胃管よりの胃 液量、尿量の測定、酸素療法、鎮痛剤による疼痛管理、清潔の維持、体液および栄養の管理、 感染予防、精神面のケア)について理解し、説明できる。 10)術後合併症の種類とその対策について理解し説明できる。 a. 循環器系 b. 呼吸器系 c. 泌尿器系 d. 消化器系 e. 中枢神経系 f. 内分泌系 g. 血管および血液凝固因子に関する合併症 h. 創傷治癒遷延 11)輸液と栄養法 a. 輸液について i)目的と適応、ii)種類を説明できる。 b. 中心静脈栄養法(TPN)について理解し説明できる。 c. 経腸栄養法 12)術後の機能回復(リハビリテーション)について理解し説明できる。 13) 手術患者やがん患者のインフォームド・コンセントについて考え、意見を述べることがで きる。 Ⅱ . 基本的態度 1) 患者の問題を身体的、医学的のみでなく、社会的、心理的問題を合わせ、全人的にみるこ とができる。 2) 患者・家族との関係 a. 患者・家族との良好な人間関係をつくり、問題を解決できる。 b. インフォームド・コンセントについて理解している。 c. プライバシーを保護する。 3)医療メンバーとの関係 a. 医療チームの一員として、種々の医療従事者と協調、協力し、的確に情報を交換して問 題に対処できる。 b. 問題、疑問点につき、まず自分で考え、指導医の監査と指導を受けることができる。 c. 問題点について相談すべき専門科を判断でき、専門医の指導を受けることができる。 4) 文書記録病歴や身体所見はじめ患者の問題点、状態の変化、問題解決のプロセスなど情報 と行動をすべて診療録に記録し、整理、要約、報告することができる。 5)清潔・不潔の概念をよく理解し、手術室におけるマナーを守ることができる。 − 43 − 表 2 外科系クラークシップ到達目標自己評価表 Ⅰ . 基本的技能 水 準 1 水 準 2 指導医の指導・監視のもとに実習するもの 状況によって指導医のもとに 実施できるもの(20 番台) 見学にとどめるもの(30 番台) 1 1)病歴を聴取することができる 成人( )小児( ) 2)身体診察ができる 1. 視診( ) 2. 打診( ) 3. 聴診(胸部、腹部、血管) ( ) 4. 触診(頚部、 胸部、 腹部、 腋窩、 鼡径部、 大腿部) ( ) 5. 全身所見(一般状態、 体温、 脈拍、 血圧、 皮膚) ( ) 6. 局所所見(腫脹、膨隆、腫瘤、皮膚の変化) ( ) 3) 生検について理解している 1. 細胞診( ) 21. 乳房、22. 肛門管( ) 31. 針生検( ) 、 32. 切除生検( ) 4) 血液検査について理解している 1. 一般血液検査、腫瘍マーカー[理解] ( ) 2. 採血:耳朶、指先など毛細血管、静脈(末梢) ( ) 21. 動脈(末梢) ( ) 5) 画像診断ができる 31. 小児からの採血( ) 1. 超音波(腹部) [手技、読影] ( ) 2. 単純 X 線、CT、MRI、血管造影[読影] ( ) 21. 胃腸管透視[手技、読影] ( ) 31. 内視鏡( ) 2 滅菌法および消毒法 1) 清潔・不潔の概念を理解している ・清潔器具の取り扱い( ) 2) 手術室実習 1. 手術室におけるマナーを理解し、守ることができる ( ) 2. 手術者の消毒(手洗い) ( ) 3. 術衣の着用法( ) 4. 手術野の消毒法( ) 3 基本的外科手技について理解し、行うことができる 1)手術用または外科処置用器具の名称 ・使用法[理解] ( ) 2)外科的処置 1. 創傷処置( ) 2. 包帯交換( ) − 44 − 21. 糸結び( ) 22. 縫合( ) 水 準 1 水 準 2 3. 包帯法( ) 4. 抜糸( ) 5. 止血( ) 6. 手術助手( ) 3)注射 1. 注射法[理解] ( ) 23. 切開・排膿(静脈、膿瘍) 31. 気管切開( ) 32. 穿刺(胸腔、腹腔、骨髄、 心嚢、腰椎) ( ) 21. 皮内、皮下、筋肉、 静脈(末梢) ( ) 31. 静脈(中心:IVH) ( ) 32. 動脈( ) 33. 局所麻酔( ) 34. 全身麻酔( ) 21. 胃管、イレウス管( ) 22. 膀胱留置カテーテル( ) 23. 気管内挿管( ) 24. 注腸( ) 2. 麻酔法[理解] ( ) 4)挿管 1. 浣腸( ) 2. 導尿( ) 5)救急蘇生 4 術前・術後管理について理解している 1)術前管理について理解している 1. 全身的条件の評価ができる( ) 年齢、栄養状態、水分・電解質、酸−塩基平衡 2. 臓器系機能の評価ができる( ) 心、 肺、 肝、 腎、 止血、 内分泌、 免疫および精神機能 3. 手術の直接的準備を行うことができる( ) 31. 前投薬( ) 排尿訓練、呼吸訓練、清拭、剃毛 2)術後管理について理解している 1. 術後の一般的処置について理解し、行うことができ 31. 人工呼吸器の取り扱い る( ) ( ) バイタルサイン呼吸管理、疼痛管理、排液量、 尿量の測定、栄養管理、体位変換、感染予防 精神面のケア 2. 術後合併症の種類について理解し、その対策を述べ ることができる a)循環器系( ) ⅰ)種類:循環量不足あるいは過剰による循環不 全、出血、心筋梗塞、各種の不整脈、 血圧の異常上昇、血圧低下 ⅱ)対策:輸液、輸血、体液管理、冠拡張剤、 ジキタリス、降圧剤、鎮痛剤、 酸素療法、昇圧剤、副腎皮質ホルモン b)呼吸器系( ) ⅰ)種類:無気肺、気管支炎、気管支肺炎、 肺水腫、気胸 − 45 − 水 準 1 水 準 2 ⅱ)対策:酸素療法、タッピング、気管内吸引、 気管洗浄、気管支鏡による吸引、 気管切開 c)泌尿器系( ) ⅰ)種類:術後急性腎不全、尿路感染症 ⅱ)対策:水と電解質の管理、利尿剤の投与、 イオン交換樹脂の注腸によるカリウム の除去、血液透析、 腹膜透析、 膀胱洗浄 d)消化器系( ) ⅰ)種類:術後耳下腺炎、急性肝障害、急性膵炎、 急性胃拡張、術後 (早期) イレウス、 縫合不全、消化管瘻 ⅱ)対策:口腔内清潔、抗生物質の投与、肝庇護 剤、蛋白分解、阻害剤の投与、胃管に る胃液の吸引、イレウス管の挿入、 高カロリー輸液の施行 e)中枢神経系( ) ⅰ)種類:脳出血、脳梗塞、脳血栓、クモ膜下出 血などの脳血管障害や譫妄、興奮など の意識障害 ⅱ)対策:降圧剤、酸素療法、脳圧降下剤、水分 と電解質の管理、止血剤の投与、手術 f)内分泌系( ) ⅰ)種類:急性副腎機能不全 ⅱ)対策:副腎皮質ホルモン、昇圧剤 g)血管および血液凝固因子に関する合併症( ) ⅰ)種類:術後出血、静脈炎、血栓、塞栓 ⅱ)対策:輸血、副腎皮質ホルモン、昇圧剤、 抗凝固剤、Fogerty カテーテルなどに 観血的血栓除去術 h)創傷治癒遷延( ) ⅰ)種類:術後皮下膿瘍、創し開 ⅱ)対策:抗生物質の投与、ドレナージ、再手術、 高カロリー輸液の施行 5 診療記録および手術記録を書くことができる 診療記録( )手術記録( ) 6 輸液と栄養法について理解している 1)輸液・輸血 1. 目的と適応( ) 2. 種類: 電解質輸液、栄養輸液 全血輸血と成分輸血( ) − 46 − 水 準 1 水 準 2 2)中心静脈栄養法(TPN) 1. 適応( ) 2. 実施法と管理( ) 3. 輸液の種類と投与量( ) 4. 合併症と対策 ・カテーテル挿入、留置に伴うもの( ) ・代謝上のもの( ) 3)経腸栄養法 1. 適応( ) 2. 栄養法と管理( ) 3. 種類と特長( ) 4. 合併症と対策( ) 7 手術後患者のリハビリテーションおよび予後について理解 している( ) Ⅱ . 基本的態度 1) 患者の問題を身体的、医学的のみでなく、社会的、心理的問題を合わせ、全人的にみるこ とができる。 ( ) 2) 患者・家族との関係 a. 患者・家族と良好な人間関係をつくり、問題を解決できる。 ( ) b. インフォームド・コンセントについて理解している。 ( ) c. プライバシーを保護する。 ( ) 3)医療メンバーとの関係 a. 医療チームの一員として、種々の医療従事者と協調、協力し、的確に情報を交換して問 題に対処できる。 ( ) b. 問題、疑問点につき、まず自分で考え、指導医の監査と指導を受けることができる。 ( ) c. 問題点について相談すべき専門科を判断でき、 専門医の指導を受けることができる。 ( ) 4) 文書記録 情報と行動をすべて記録し、整理、要約、報告することができる。 ( ) 5) 清潔・不潔の概念をよく理解し、手術室におけるマナーを守ることができる。 ( ) − 47 − 病院実習総論(講義)到達目標 〔一般目標〕 病院実習総論では、臨床実習(初期臨床実習、コア診療科、選択診療科)をより効果的に行い、 医師となるために必要な実践的な知識・技能・態度を学ぶことを目標とする(Block7 領域) 。 〔行動目標〕 病院実習総論(講義)を終了すると、下記の項目に関し、理解し説明することができる。 1)検体検査と病理検査の意義と進め方を理解し説明できる。 2)院内感染の予防と対処法について理解し説明できる。 3)安全管理とリスクマネージメントについて理解し説明できる。 4)死に関わる法的問題、死亡診断書と死体検案書の書き方について理解し説明できる。 5)インフォームドコンセントについて理解し、説明できる。 *講義日程は 23 ページを参照のこと。 **人間関係教育領域については 57 ∼ 70 ページを参照のこと。 − 48 − 医 行 為 水 準 表 医 行 為 水 準 表 医行為水準表について 臨床実習における医学生の医行為に関しては、 「医行為の水準」が「厚生省健康政策局臨床実 習検討委員会最終報告(1991) 」において以下のように示されている。 水準Ⅰ:指導医の指導・監視のもとに実施が許容されるもの 水準Ⅱ:状況によって指導医の指導・監視のもとに実施が許容されるもの 水準Ⅲ:原則として指導医の実施の介助または見学にとどめるもの この臨床実習検討委員会最終報告に準じて、本学の実情に沿った水準表を作成した(2003 年 4 月より) 。 臨床実習では、各科の教授および指導担当医の判断に従い、かつ以下の水準表を参考に医行為 を行う事が望ましい。 − 49 − 水 準 Ⅰ 水 準 Ⅱ 水 準 Ⅲ 指導医の指導・監視のもとに 状況によって指導医の指導・監視 原則として指導医の介助また 実施が許容されるもの のもとに実施が許容されるもの は見学にとどめるもの 1 診察 ・全身の視診、打診、触診、聴診、 運動診 ・簡単な器具 (聴診器、 打鍵器、 血 圧計など) を用いる全身の診察 ・直腸診 ・耳鏡、鼻鏡、検眼鏡による診察 ・内診 ・産科的診察 ・カルテ記載 2 検査 (生理学的検査) ・心電図、心音図、心機図 ・脳波 ・筋電図 ・呼吸機能(肺活量等) ・聴力、平衡、味覚、嗅覚 ・視野、視力、非接触眼圧測定 ・眼球に直接触れる検査 (尿検査) ・定性、沈渣 (消化管検査) ・直腸鏡、肛門鏡 (画像診断) ・超音波 ・MRI(介助) (放射線学的検査) ・単純 X 線撮影(介助) ・RI(介助) ・食道、胃、大腸、気管、気管 支などの内視鏡検査 ・エコーガイド下経皮的腎生検 ・胃腸管透視 (採血) ・耳朶、指先など毛細血管、静脈 ・動脈(末梢) (末梢) ・気管支造影など造影剤注入 による検査 ・小児からの採血 (穿刺) ・胸、腹腔、骨髄 ・腰椎、バイオプシー ・嚢胞(体表)、腫瘍(体表) (産婦人科) ・膣分泌物採取 ・経膣超音波検査 (その他) ・アレルギーテスト ・発達テスト ・子宮内操作 ・コルポスコピー ・腹腔鏡 ・知能テスト、心理テスト ・ギプスカット ・心臓カテーテル助手 − 50 − 水 準 Ⅰ 水 準 Ⅱ 水 準 Ⅲ 3 治療 (看護的業務) ・ 体位交換、おむつ交換、移送 (処置) ・ 皮膚消毒、包帯交換 ・ 外用薬貼付・塗布 ・ ギプス巻 ・ 創傷処置 ・ 関節穿刺 ・ 胃管挿入 ・ 導尿、浣腸 (注射) ・ 皮内、皮下、筋肉 ・ 静脈(末梢) (外科的処置) ・ 抜糸、止血 ・ 手術助手 ・ 膿瘍切開、排膿 ・縫合 (その他) ・ 作業療法(介助) ・ 鼡径ヘルニア用手還納 ・ 気道内吸引、ネブライザー ・ 静脈(中心)、動脈 ・ 全身麻酔、局所麻酔 ・ 輸血 ・ 関節注入 ・ 分娩介助 ・ 精神療法 ・ 眼球に直接触れる治療 4 救急 ・ バイタルサインチェック ・ 気道確保(エアウェイによ ・ 心マッサージ る)、人工呼吸 ・ 患者への病状説明 − 51 − ・ 家族への病状説明 ・ 気管挿管 客観的臨床能力試験 OSCE 客観的臨床能力試験(OSCE) objective structured clinical examination Ⅱ . 後期 OSCE 目的:各科臨床実習およびクラークシップを終了した時点で、医師として臨床診療に必要な基本 的な技能、態度および検査所見の判読についての習得度を総括的に評価することを目的と している。したがって前期 OSCE の時より高度の能力を身につけていることが期待される。 1. 実施日 臨床実習(クラークシップ)終了後の 2015 年 6 月 20 日(第 3 土曜日) 2. 午前 8 時 30 分∼午後 1 時の予定 評価者 1)全診療科スタッフ 2)標準模擬患者(医療面接) 3. 模擬患者 1)身体診察:研修医、学生 2)医療面接:標準模擬患者、OSCE 評価担当医師 4. 評価項目および課題 臨床実習で習得すべき診察技能および態度ならびに、画像所見や検査所見の判読を含めた advanced OSCE として実臨床に近い課題で行い、診断名や治療方針も言及する。 評価項目の選択および課題作成は OSCE 委員会があたる。 5. 実施場所 総合外来センターの診察室 6. 課題数 3 ∼ 4 課題を作成し、いくつかの診察項目と検査を融合した課題とする。 総括的評価であり、成績は委員会に提出し、Block7 に含める。 7. OSCE の運営にあたっての実務は、OSCE 委員会が担当する。 OSCE 委員 委 員 長 長 原 光 教 授(青山病院内科) 副委員長 肥 塚 直 美 教 授(内科学(第二) ) 委 員 川 名 正 敏 教 授(循環器内科学) 田 邉 一 成 教 授(泌尿器科学) 内 田 啓 子 教 授(学生健康管理センター) 石 田 英 樹 臨床教授(泌尿器科学) 飯 嶋 睦 准 教 授(神経内科学) 岩 直 子 准 教 授(内科学(第三) ) 板 橋 道 朗 准 教 授(外科学(第二) 清 水 京 子 准 教 授(消化器内科学) 羽 鳥 隆 准 教 授(消化器外科学) 近 藤 光 子 准 教 授(内科学(第一) ) − 53 − 志 関 雅 幸 講 師(血液内科学) 大久保 由美子 講 師(医学教育学) 高 木 厚 講 師(循環器内科学) 原 田 知 幸 講 師(救急医学) 山 村 幸 江 講 師(耳鼻咽喉科学) 菅 沼 太 陽 助 教(医学教育学) 【評価担当】 呼吸器内科 ★ ★ 多賀谷悦子 ★ 田窪 敏夫 ★ 中田 潤子 八木 理充 ★ 山田 武 ★ 武山 廉 落合 克則 高血圧・内分泌内科 代謝内科 ★ 安藤 孝 ★ 磯崎 収 ★ 小野 昌美 ★ 田辺 晶代 ★ 福田いずみ ★ 森本 聡 ★ 渡辺 大輔 ★ 石澤 香野 ★ 大屋 純子 ★ 尾形真規子 ★ 滝澤 美保 ★ 田中 伸枝 ★ 中神 朋子 ★ 井出 理沙 ★ 三浦順之助 ★ 菅野 宙子 東谷紀和子 糖尿病眼科 ★ 関本 香織 ★ 中村 新子 ★ 廣瀬 晶 腎臓内科 ★ 板橋美津世 ★ 武井 卓 ★ 土谷 健 ★ 荒井 純子 ★ 芦原 京美 ★ 新井光太郎 ★ 上野 敦子 ★ 江島浩一郎 ★ 小川 洋司 ★ 佐藤加代子 ★ 志賀 剛 ★ 庄田 守男 ★ 鈴木 敦 ★ 鈴木 豪 ★ 村崎かがり ★ 山口 淳一 ★ 清水 優子 ★ 中村 智実 ★ 長尾 毅彦 ★ 丸山 健二 ★ 堀場 恵 ★ 吉澤 浩志 ★ 飯塚 文瑛 ★ 大森 鉄平 ★ 岸野真衣子 ★ 小木曽智美 ★ 児玉 和久 ★ 高山 敬子 ★ 谷合麻紀子 ★ 田原 純子 ★ 鳥居 信之 ★ 米澤麻利亜 循環器内科 神経内科 消化器内科 ★ 徳重 克年 消化器内視鏡科 ★ 中村 真一 血液内科 ★ 今井 陽一 ★ 森 直樹 ★ 吉永健太郎 神経精神科 ★ 内出 容子 ★ 高橋 一志 ★ 辻 かをる ★ 長谷川大輔 ★ 石垣 景子 ★ 小峯 真紀 ★ 平澤 恭子 ★ 舟塚 真 腎臓小児科 ★ 秋岡 祐子 循環器小児科 ★ 石井 徹子 ★ 稲井 慶 皮膚科 ★ 石黒 直子 小児科学 − 54 − 常深祐一郎 放射線腫瘍科 ★ 泉 佐和子 ★ ★ 中村 香織 ★ 橋本弥一郎 前林 勝也 ★ 河野 真理 ★ ★ 近藤 千里 ★ 福島 賢慈 百瀬 満 呼吸器外科 ★ 神崎 正人 ★ 小山 邦広 ★ 村杉 雅秀 一般外科 ★ 天野久仁彦 ★ 大地 哲也 ★ ★ 橋本 拓造 ★ 廣澤知一郎 番場 嘉子 ★ 三宅 邦智 救急医学科 ★ 武田 宗和 ★ 並木みずほ 秋月 登 北島久視子 甲斐耕太郎 画像診断・核医学科 小川 真平 野口英一郎 総合診療科 ★ 齋藤 洋 腎臓外科 ★ 岩藤 和広 心臓血管外科 ★ 青見 茂之 ★ 梅原 伸大 ★ 齋藤 聡 ★ 冨岡 秀行 ★ 津久井宏行 ★ 西中 知博 ★ 平松 健司 ★ 松村 剛毅 ★ 有泉 俊一 ★ 大木 岳志 ★ 太田 正穂 ★ 片桐 聡 ★ 小寺 由人 ★ 武市 智志 ★ 谷口 清章 ★ 樋口 亮太 ★ 佐々木寿之 ★ 川島 明次 ★ 谷 茂 ★ 丸山 隆志 形成外科 ★ 此枝 央人 ★ 八巻 隆 整形外科 ★ 谷口 浩人 ★ 村田 泰章 ★ 森田 裕司 眼科 ★ 篠崎 和美 ★ 豊口 光子 耳鼻咽喉科 ★ 鯨井 桂子 ★ 坂林美喜子 ★ 野中 学 産婦人科 ★ 石谷 健 ★ 小川 正樹 ★ 橋本 和法 ★ 平井 康生 ★ 牧野 康男 ★ 三谷 穣 ★ 中西 秀彦 立石 実 石井 光 消化器外科 脳神経外科 木原 真紀 母子総合医療センター 麻酔科 泌尿器科 ★ 内山 温 ★ 戸津 五月 ★ 増本 健一 ★ 杉田 依里 ★ 岩出 宗代 ★ 方山 真朱 ★ 木下 真帆 ★ 宮 裕也 ★ 森岡 宣伊 ★ 山縣 克之 ★ 飯塚 淳平 ★ 乾 政志 ★ 尾本 和也 ★ 小林 博人 ★ 清水 朋一 ★ 小内友紀子 ★ 片岡 利之 土岐 大介 野 大司 歯科口腔外科 ★ 岡本 俊宏 ★ 深田 健治 化学療法・緩和ケア科 ★ 兼村 俊範 ★ 林 和彦 成人医学センター ★ 石塚 尚子 ★ 松村美由起 膠原病リウマチ痛風センター ★ 石田 治 ★ ★ 古谷 武文 ★ 島本 健 ★ 橋本 恭伸 青山病院 − 55 − 長谷美智代 中島亜矢子 ★ 花岡 成典 ★ 巽 藤緒 ★ 坂井理映子 ★ 前田 佳子 東医療センター/内科 ★ 大森 久子 ★ 佐倉 宏 ★ 柴田 興一 ★ 下倉 和修 ★ 柳澤 慶香 ★ 山中 学 石川 元直 東医療センター/外科 木村 綾子 ★ 浅香 晋一 ★ 碓井 健文 ★ 臼田 敦子 ★ 塩澤 俊一 ★ 島川 武 ★ 平野 明 ★ 横溝 肇 ★ 吉松 和彦 ★ 鬼澤 俊輔 ★ 山口健太郎 東医療センター/呼吸器外科 ★ 清水 俊榮 日暮里クリニック/性差医療部 ★ 片井みゆき 八千代医療センター/呼吸器内科 ★ 桂 秀樹 八千代医療センター/消化器内科 ★ 西野 隆義 八千代医療センター/消化器外科 ★ 中村 努 八千代医療センター/形成外科 ★ 竹内 正樹 八千代医療センター/心臓血管外科 ★ 齋藤 博之 八千代医療センター/救急科 ★ 貞廣 智仁 八千代医療センター/皮膚科 ★ 三石 剛 ★…OSCE 推進委員 − 56 − 人 間 関 係 教 育 〔人間関係教育〕 科目責任者:齋藤加代子(遺伝子医療センター) 教育理念 本学は百年余に亘り、医学の知識・技能の修得の上に「至誠と愛」を実践する女性医師の育成 を行ってきた。医学の進歩の一方で、患者の抱える問題を包括して解決する医学・医療の必要性 が重視されている。今後さらに心の重要性が問われることは必定である 。 医師は温かい心をもっ て医療に臨み、患者だけでなく家族・医療チームとも心を通わせ問題を解決していく資質を高め なくてはならない。 「人間関係教育」 では、 全人的医人を育成するために、 体験の中から感性を磨き、 他者・患者と共感できる能力・態度を修得する教育を行う。 具体的には人間関係教育の理念には下記の表のような 5 本の柱がある。各講義 ・ ワークショッ プ、実習はこの 5 本の柱の下に構成されている。 【5 本の柱】 (1)専門職としての態度、マナー、コミュニケーション能力(患者を理解する力、支持する力、 意志を通わす力、患者医師関係) (2)専門職としての使命感(医学と社会に奉仕する力) (3)医療におけるリーダーシップ・パートナーシップ (4)医療人としての倫理─解釈と判断(法と倫理に基づく実践力) (5)女性医師のキャリア・ライフサイクル(医師として、女性医師として生涯研鑽する姿勢) 評価方法 出席および、各講義・WS・実習における小テスト、提出物、自己診断カードなどを総合して 評価する。やむを得ない欠席の場合は、届け出ること。 − 57 − 人間関係教育到達目標 医学生の人間関係(態度・習慣・マナー・コミュニケーションおよび人間関係に関連する技能) の到達目標を示す。 卒前教育の中で卒後の目標として俯瞰すべき到達目標は、*印を付して示す。 Ⅰ 習慣・マナー・こころ A 人として・医学生として 1. 人間性 (自分) 1) 生きていることの意味・ありがたさを表現できる。 2) 人生における今の自分の立場を認識できる。 3) 自分の特性や価値観を認識し伸ばすことができる。 (他者の受け入れ) 4) 他の人の話を聴き理解することができる。 5) 他の人の特性や価値観を受け入れることができる。 6) 他の人の喜びや苦しみを理解できる。 7) 温かいこころをもって人に接することができる。 8) 人の死の意味を理解できる。 (自分と周囲との調和) 9) 自分の振る舞い・言動の他者への影響を考えることができる。 10) 他の人に適切な共感的態度が取れる。 11) 他の人と心を開いて話し合うことができる。 12) 他の人の苦しみ・悲しみを癒すように行動できる。 13) 他の人に役立つことを実践することができる。 2. 態度 (人・社会人として) 1) 場に即した礼儀作法で振舞える。 2) 自分の行動に適切な自己評価ができ、改善のための具体的方策を立てることがで きる。 3) 自分の振る舞いに示唆・注意を受けたとき、受け入れることができる。 4) 自分の考えを論理的に整理し、分かりやすく表現し主張できる。 5) 話し合いにより相反する意見に対処し、解決することができる。 (医学を学ぶものとして) 6) 人間に関して興味と関心を持てる。 7) 自然現象・科学に興味と好奇心を持てる。 8) 学習目的・学習方法・評価法を認識して学習できる。 9) 動機・目標を持って自己研鑽できる。 10) 要点を踏まえて他の人に説明できる。 11) 社会に奉仕・貢献する姿勢を示すことができる。 − 58 − 3. 人間関係 (人・社会人として) 1) 人間関係の大切さを認識し、積極的に対話ができる。 2) 学生生活・社会において良好な人間関係を築くことができる。 3) 信頼に基づく人間関係を確立できる。 4) 対立する考えの中で冷静に振舞える。 (医学を学ぶものとして) 5) 共通の目的を達成するために協調できる。 6) 対立する考えの中で歩み寄ることができる。 4. 一般社会・科学に於ける倫理 (社会倫理) 1) 社会人としての常識・マナーを理解し実践できる。 2) 法を遵守する意義について説明できる。 3) 自分の行動の倫理性について評価できる。 4) 自分の行動を倫理的に律することができる。 5) 個人情報保護を実践できる。 6) 他の人・社会の倫理性について評価できる。 (科学倫理) 7) 科学研究の重要性と問題点を倫理面から考え評価できる。 8) 科学研究上の倫理を説明し実践できる。 9) 動物を用いた実習・研究の倫理を説明し実践できる。 10) 個々の科学研究の倫理性について評価できる。 B 医師(医人)として 1. 医人としての人間性 (自己) 1) 健康と病気の概念を説明できる。 2) 医療・公衆衛生における医師の役割を説明できる。 3) 自己の医の実践のロールモデルを挙げることができる。 4) 患者/家族のニーズを説明できる。 5) 生の喜びを感じることができる。 6) 誕生の喜びを感じることができる。 7) 死を含む Bad news の受容過程を説明できる。 8) 個人・宗教・民族間の死生観・価値観の違いを理解できる。 (患者・家族) 9) 診療を受ける患者の心理を理解できる。 10) 患者医師関係の特殊性について説明できる。 11) 患者の個人的、社会的背景が異なってもわけへだてなく対応できる。 12) 医師には能力と環境により診断と治療の限界があることを認識して医療を実践で きる。 13) 病者を癒すことの喜びを感じることができる。 − 59 − 14) 家族の絆を理解できる。 15) 親が子供を思う気持ちが理解できる。 16) 死を含む Bad news を受けた患者・家族の心理を理解できる。 17) 患者を見捨てない気持ちを維持できる。 (チーム医療、社会) 18) 医行為は社会に説明されるものであることを理解できる。 19) 医の実践が、さまざまな社会現象(国際情勢・自然災害・社会の風潮など)のな かで行われることを理解できる。 2. 医人としての態度 (自己) 1) 医療行為が患者と医師の契約的な関係に基づいていることを説明できる。 2) 臨床能力を構成する要素を説明できる。 3) チーム医療を説明できる。 4) 患者の自己決定権を説明できる。 5) 患者による医療の評価の重要性を説明できる。 6) 多様な価値観を理解することができる。 (患者・家族) 7) 傾聴することができる。 8) 共感を持って接することができる。 9) 自己決定を支援することができる。 10) 心理的社会的背景を把握し、抱える問題点を抽出・整理できる。 (Narrative − based medicine, NBM) 11) 患者から学ぶことができる。 12) 患者の人権と尊厳を守りながら診療を行える。 13) 終末期の患者の自己決定権を理解することができる。* 14) 患者が自己決定権を行使できない場合を判断できる。 15) 患者満足度を判断しながら医療を行える。* (チーム医療、社会) 16) 医療チームの一員として医療を行える。 17) 必要に応じて医療チームを主導できる。* 18) クリニカル・パスを説明できる。 19) 医療行為を評価しチーム内の他者に示唆できる。* 20) トリアージが実践できる。 21) 不測の状況・事故の際の適切な態度を説明できる。 22) 事故・医療ミスがおきたときに適切な行動をとることができる。* 23) 社会的な奉仕の気持ちを持つことができる。 24) 特殊な状況(僻地、国際医療) 、困難な環境(災害、戦争、テロ)でチーム医療を 実践できる。* 3. 医人としての人間関係 (自己) 1) 患者医師関係の歴史的変遷を概説できる。 − 60 − 2) 患者とのラポールについて説明できる。 3) 医療チームにおける共(協)働(コラボレーション)について説明できる。 (患者・家族) 4) 医療におけるラポールの形成ができる。 5) 患者や家族と信頼関係を築くことができる。 6) 患者解釈モデルを実践できる。 (チーム医療、社会) 7) 患者医師関係を評価できる。 8) 医療チームメンバーの役割を理解して医療を行うことができる。 9) 360 度評価を実践できる。* 4. 医療の実践における倫理 (自己) 1) 医の倫理について概説し、基本的な規範を説明できる。 2) 患者の基本的権利について説明できる。 3) 患者の個人情報を守秘することができる。 4) 生命倫理について概説できる。 5) 生命倫理の歴史的変遷を概説できる。 6) 臨床研究の倫理を説明できる。 (患者・家族) 7) 医学的適応・患者の希望・QOL・患者背景を考慮した臨床判断を実践できる。 8) 事前指示・DNR 指示に配慮した臨床判断を実践できる。* (チーム医療、社会) 9) 自分の持つ理念と医療倫理・生命倫理・社会倫理との矛盾を認識できる。 10) 自己が行った医療の倫理的配慮を社会に説明できる。 11) 臨床研究の倫理に基づく臨床試験を計画・実施できる。* 12) 医療および臨床試験の倫理を評価できる。* 5. 女性医師の資質・特徴 (自己) 1) 東京女子医科大学創立の精神を述べることができる。 2) 女性と男性の心理・社会的相違点を説明できる。 3) 女性のライフ・サイクルの特徴を説明できる。 4) 女性のライフ・サイクルのなかで医師のキャリア開発を計画できる。 (患者・家族) 5) 同性の医師に診療を受けることの女性の気持ちを理解する。 6) 異性の医師の診療を受ける患者心理(恐怖心・羞恥心・葛藤)を説明できる。 7) 女性が同性の患者教育をする意義を説明できる。 (チーム医療、社会) 8) 保健・公衆衛生における女性の役割を述べることができる。 9) 女性組織のなかでリーダーシップ・パートナーシップをとることができる。 10) 男女混合組織の中でリーダーシップ・パートナーシップをとることができる。 11) 女性医師としての保健・公衆衛生の役割を実践できる。* − 61 − Ⅱ 技能・工夫・努力 A 人と人との信頼 1. 人としての基本的コミュニケーション (自己表現) 1) 挨拶、自己紹介ができる。 2) コミュニケーションの概念・技能(スキル)を説明できる。 3) 言語的、準言語的、および非言語的コミュニケーションについて説明できる。 4) 自分の考え、意見、気持ちを話すことができる。 5) 様々な情報交換の手段(文書・電話・e メールなど)の特性を理解し適切に活用が できる。 (対同僚・友人・教員) 6) 年齢・職業など立場の異なる人と適切な会話ができる。 7) 相手の考え、意見、気持ちを聞くことができる。 8) 同僚に正確に情報を伝達できる。 9) 他の人からの情報を、第 3 者に説明することができる。 2. 医人として基本的コミュニケーション (対患者・家族) 1) 患者に分かりやすい言葉で説明できる。 2) 患者と話すときに非言語的コミュニケーション能力を活用できる。 3) 患者の状態・気持ちに合わせた対話が行える。 4) 患者の非言語的コミュニケーションがわかる。 5) 小児・高齢の患者の話を聞きくことができる。 6) 障害を持つ人(知的・身体的・精神的)の話を聞くことができる。 7) 家族の話を聞くことができる。 8) 患者・家族の不安を理解し拒否的反応の理由を聞き出すことができる。 (対医療チーム・社会) 9) チーム医療のなかで、自分と相手の立場を理解して情報交換(報告、連絡、相談) ができる。 10) 医療連携のなかで情報交換ができる。 11) 救急・事故・災害時の医療連携で情報交換が行える。* 12) 社会あるいは患者関係者から照会があったとき、患者の個人情報保護に配慮した 適切な対応ができる。 3. 医療面接におけるコミュニケーション (基本的技能) 1) 自己紹介を含む挨拶を励行できる。 2) 基本的医療面接法を具体的に説明し、実践できる。 3) 患者の人間性(尊厳)に配慮した医療面接が行える。 4) 患者の不安な気持ちに配慮した医療面接を行える。 5) 共感的声かけができる。 6) 診察終了時に、適切な送り出しの気持ちを表現できる。 7) 適切な環境を設定できる。 − 62 − (高次的技能) 8) 小児の医療面接を行える。 9) 高齢者の医療面接を行える。 10) 患者とのコミュニケーションに配慮しながら診療録を記載できる。* 4. 身体診察・検査におけるコミュニケーション (基本的技能) 1) 身体診察・検査の必要性とそれに伴う苦痛・不快感を理解して患者と接すること ができる。 2) 身体診察・検査の目的と方法を患者に説明できる。 3) 説明しながら診察・検査を行うことができる。 4) 患者の安楽に配慮しながら診察・検査ができる。 5) 診察・検査結果を患者に説明できる。 (高次的技能) 6) 患者の抵抗感、プライバシー、羞恥心に配慮した声かけと診察・検査の実践がで きる。 7) 検査の目的・方法・危険性について口頭で説明し、書面で同意を得ることができる。 5. 医療における説明・情報提供 (基本的技能) 1) 医療における説明義務の意味と必要性を説明できる。 2) インフォームド・コンセントの定義と必要性を説明できる。 3) 患者にとって必要な情報を整理し、分かりやすい言葉で表現できる。 4) 説明を行うための適切な時期、場所と機会に配慮できる。 5) 説明を受ける患者の心理状態や理解度について配慮できる。 6) 患者に診断過程の説明を行うことができる。 7) 患者に治療計画について説明を行い、相談して、同意を得ることができる。 8) 患者に医療の不確実性について説明することができる。 9) 患者に EBM(Evidence Based Medicine)に基づく情報を説明できる。 10) セカンドオピニオンの目的と意義を説明できる。 (高次的技能) 11) 患者の行動変容に沿った説明・情報提供ができる。 12) 患者の質問に適切に答え、拒否的反応にも柔軟に対応できる。 13) 患者の不安を理解し拒否的反応の理由を聞き出すことができる。* 14) 患者の受容に配慮した Bad news の告知ができる。* 15) 家族の気持ちに配慮した死亡宣告を行うことができる。* 16) 家族の気持ちに配慮した脳死宣告を行うことができる。* 17) 特殊な背景を持つ患者・家族への説明・情報提供ができる。* 18) セカンドオピニオンを求められたときに適切に対応できる。* 19) 先進医療・臓器移植について説明を行い、同意を得ることができる。* 20) 臨床試験・治験の説明を行い、同意を得ることができる。* − 63 − B 信頼できる情報の発信と交換 1. 診療情報 (基本的技能) 1) POMR に基づく診療録を作成できる。 2) 診療録の開示を適切に行える。 3) 処方箋の正しい書き方を理解している。 4) 診療情報の守秘を実践できる。 (高次的技能) 5) 病歴要約を作成できる。 6) 紹介状・診療情報提供書を作成できる。 7) 医療連携のため適切に情報を伝達できる。 8) 診療情報の守秘義務が破綻する場合を説明できる。 2. 医療安全管理 (基本的技能) 1) 医療安全管理について概説できる。 2) 医療事故はどのような状況で起こりやすいか説明できる。 3) 医療安全管理に配慮した行動ができる。 4) 医薬品・医療機器の添付資料や安全情報を活用できる。 (高次的技能) 5) 医療事故発生時の対応を説明できる。 6) 災害発生時の医療対応を説明できる。 − 64 − 人間関係教育の概要 【5 本の柱】 (1)専門職としての態度、マナー、コミュニケーション能力(患者を理解する力、支持する力、 意志を通わす力、患者医師関係) (2)専門職としての使命感(医学と社会に奉仕する力) (3)医療におけるリーダーシップ・パートナーシップ (4)医療人としての倫理─解釈と判断(法と倫理に基づく実践力) (5)女性医師のキャリア・ライフサイクル(医師として、女性医師として生涯研鑽する姿勢) 人間関係教育 6:生命倫理、患者医師関係の実際 人間関係教育 講義・WS ・患者医師関係 1:困難な状況:バッドニュー スの告知 ・患者医師関係 2:共同作業:インフォームド・ コンセント ・患者医師関係 3:末期医療に臨む医師のあ り方 ・臨床倫理:倫理的判断 ・生命倫理 1:脳死と臓器移植 ・生命倫理 2:発症前診断、出生前診断、生 殖補助医療 − 65 − 5本の柱 (1)(2)(3)(4)(5) ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 病院実習を有効なものにするために! B7 教育委員長 新田 孝作 人間関係教育委員長 齋藤加代子 [目 的] B1 において教養を深め、科学への飽くなき探求心を養い、また、解剖学実習を通して、医学 徒であるあなた方のためこの上ない贈り物として献体をして下さった方々のお心に触れ、その限 りない恵の豊かさに謝し、人としての自分を振り返り、決意を新たにしたことであろう。B2 ∼ B5 において、器官別の統合カリキュラムによって医学を学び、B6 では、小児・成人・高齢者な どいろいろな年齢層特徴について、生物学的な側面のみならず、社会的、心理的背景を含み包括 的に考え問題解決するべき事を学んできた。また、病院実習に臨む準備としての人間関係教育の 集大成の時期と心得て、知識としての医学、技術としての医療面接・診断法を習得してきた。 5 学年からの病院実習においては、あなた方はチーム医療を行う一員として、生物学的疾病の みならず様々な問題を抱えて来院した方々と直接触れ合う。その時、 あなた方の行動の仕方によっ ては、悩みを抱えて来院した方の気持ちを温かく受け止め支援する事にもなるし、逆に不愉快な 思いをもたらす事にもなりうる。 医療はチームで実践されている。医療がどのように分担されどのような仕組みで実践されてい るかを知り、皆が気持ちよく最大限の効果を発揮できるためには、お互いの密なる報告・連絡・ 相談(ほうれんそう)が重要である。チーム医療におけるパートナーシップ・リーダーシップの あり方についても体得する事が重要である。現実の実習場面では、机上の理論とは異なった新た な発見、悩みがあるはずである。その考えを整理し、あなた方の思考過程を助けるために、ある いはより感性を磨き、より適切に気軽に動けるようになるためにワークショップが用意されている。 あなた方が、病院実習で遭遇し、触れ合う人々が、あなた方との交流を通し、心に温かさを感 ずる事ができれば最高であろう……。 臨床実習が有効なものとなる事を切望する。相手の立場に立って考え、尽くすことが全ての原 点である。 − 66 − 人間関係教育 6:生命倫理、患者医師関係の実際 患者医師関係 1:困難な状況:バッドニュースの告知 亀岡信悟(第二外科) 、岩 直子(第三内科) 佐藤 梓(化学) Bad news の直訳は「悪い知らせ」となるが、その意味するところは「患者の将来への見通し を根底から変えてしまうような知らせ」であり、例えば癌や生涯にわたり治療が必要な慢性疾患 などの告知が該当する。 「Bad news の告知」は医療従事者の重要な職務のひとつで、専門的な知 識、技術、経験を要する。一方、患者にとり告知を受けることは大きな心理的葛藤をもたらすため、 告知の方法はその後の患者医師間の信頼関係に極めて重要である。ワークショップは、概論―患 者の立場―医療従事者の立場の 3 部構成からなる。ワークショップでは、 患者さんに体験談を語っ て頂く。続いて医療現場における癌の告知の実際について講義が行われる(亀岡) 。そのあとで グループに分かれてディスカッションし、 プロダクトを発表する。最後に基本的事項のレクチャー (岩 )を行う。本ワークショップを通し自分なりに「Bad news の告知」につき考え、自己研鑽 における目的意識を自覚する契機としてほしい。 患者医師関係 2:共同作業:インフォームド・コンセント 岩 直子(第三内科) 、平澤恭子(小児科) インフォームド・コンセントのロールプレイを 2 人一組で 2 回行う(医師役 1 回、患者役 1 回) 。 引き続き、医学倫理規範の歴史(我が国と海外の比較) 、インフォームド・コンセントの意義(診 療と研究) 、成立の 4 要件、患者の権利と義務、インフォームド・コンセントにおけるコミュニケー ションと記録について学習する。 応用編として、患者の判断能力に問題がある場合のインフォームド・コンセント、インフォー ムド・コンセントに問題があった場合について考え、最後に利益相反について触れる。 患者医師関係 3:末期医療に臨む医師のあり方 林 和彦(化学療法・緩和ケア) 、徳重克年(消化器内科) 末期医療(ターミナルケア)では、現代の医療技術では治癒しえない疾病を有する患者さんが 対象である。末期状態にある患者さんの苦痛を身体面、精神面、心理面、社会面から理解し、全 人的苦痛としてとらえなくてはならない。末期医療では心理・精神面でのケア(心のケア)と疼 痛緩和ケアが中心となるが、最も重要なのは患者さんとの対話である。人生の最後を迎える患者 さんの心境と身体的苦痛を心から理解し、患者さんの立場にたった対話が求められる。癌疼痛に は積極的な緩和治療を行うことが原則である。ここでは、実際の末期癌患者さんの手記などを輪 読し、患者さんやその家族のかかえる苦痛や心理を理解し、このような患者さんにどのように向 き合うべきか、医療従事者に何ができるのかなどを自ら考えることを期待する。 − 67 − 臨床倫理:倫理的判断 矢口有乃 (救急医学) 、岡田みどり (化学) 、土田友章 (早稲田大学人間科学学術院) 佐藤紀子 (看護学部) 、吉田澄惠 (看護学部) 、草柳かほる (看護学部) 、山内英樹 (看護学部) 看護学部・早稲田大学人間科学部大学院学生との合同授業で、3 学部の学生がグループにわかれ、 生命倫理教材についてのビデオを供覧後、倫理的判断に関してグループ討論を行い、その後にク ラス全体で討議する。グループ討論の結果、個人それぞれの倫理的判断とその根拠について各自 が提出するレポートにより評価する。 生命倫理 1:脳死と臓器移植 服部元史(腎臓小児科) 、矢口有乃(救命救急センター) 、近本裕子(腎臓小児科) 死体臓器移植は身を尽くして見知らぬ人に命を繋ぐ生命の連携である。移植臓器の種類によっ ては(例えば、腎や膵)心停止死体からの臓器提供も可能ではあるが、心・肺・肝・小腸の場合 には脳死体からの提供が必要である。そのため臓器移植は、 「何をもって人の死とするか」とい う医療と社会のつながりを浮き彫りにしてきたともいえる。 本ワークショップでは、脳死、臓器の移植に関する法律、そして臓器医療のしくみ(日本臓器 移植ネットワークや意思表示カード)を理解したうえで、先端医療技術の一つである臓器移植と 社会との調和について考えてみたい。 生命倫理 2:発症前診断、出生前診断、生殖補助医療 齋藤加代子、松尾真理、浦野真理(遺伝子医療センター) 染色体や遺伝子の解析、生殖補助医療に関する高度な医療技術の進歩によって、発症前診断、 出生前診断、不妊医療など、生命倫理的考察と判断を求められる状況が出てきた。それぞれの技 術を理解し、正しい知識を有し、医の倫理原則に基づいて、相談に来た人々に対応できる情報提 供能力が必要とされる。一方、人として、医師として、女性として、自分の生命倫理感を養って いくことは大切なことである。この授業では、これらの技術を理解したうえで、いくつかの事例 に基づき、各人の考えを論議して、考察を深めることを目的とする。 参考資料 伏木信次、樫 則章、霜田 求(編)生命倫理と医療倫理 金芳堂 2004 − 68 − 到達目標 大 項 目 中 項 目 小 項 目 1) 患者の権利 2) 患者にとって必要な情報の整理と説明 3) 患者の心理社会的背景の把握と抱える 問題点の抽出、整理 1) 説明を行うための適切な時期、場所と 機会 3. 患者および家族の立場、 1)患者・家族との信頼関係の構築 2) 医学的適応・患者の希望・QOL・患者 心理 背景を考慮した臨床判断の実践 3) 患者・家族の不安の理解と拒否的反応 の理由を聞き出すこと 4) 傾聴 5) 共感 6) 患者からの学び 1) 死を含む Bad news の受容過程 4. Bad news の告知 2)死を含む Bad news を受けた患者・家族 の心理の理解 Ⅰ. 患者医師関係 1: 1. インフォームド・コンセ ント :困難な状況: バッドニュース の告知 2. 患者のプライバシー 1) 患者の権利と義務 2) 自己決定権 3) インフォームド・コンセント 4) 情報開示 5) 個人情報の保護 1) リスボン宣言 2) 患者の意向の尊重 3) 患者・家族に医療への参加 Ⅱ. 患者医師関係 2: 1. 患者の権利と義務 共同作業:イン フォームド・コ ンセント 2. 患者医師関係 1) 傾聴 2)家族への配慮 1) 疼痛緩和治療薬の使用方法 Ⅲ. 患者医師関係 3: 1. 心のケアー 末期医療に臨む 2. 疼痛緩和 医師のあり方 Ⅳ. 臨床倫理: 倫理的判断 1. Autonomy と Paternalism 1) 患者、家族の立場 2) Jonsen による医療者の対応 1) 治療方針の決定 2. Decision Making 2) Beauchamp による 4 原則 1) 脳死判定 1) 改正臓器移植法 2) 臓器提供意思表示カード 1. 脳死 Ⅴ. 生命倫理 1: 脳死と臓器移植 2. 臓器移植 − 69 − 大 項 目 Ⅵ. 生命倫理 2: 発症前診断、 出生前診断 中 項 目 小 項 目 1. 発症前診断の理解 1) 発症前診断の倫理的問題 2 遺伝カウンセリングの実際 1) 出生前診断の倫理的問題 2) 遺伝カウンセリングの実際 2. 出生前診断の理解 − 70 − 実習内容(各科別) 呼吸器センター内科 1. 一般到達目標 呼吸器疾患の病態を理解し診断技術を学習し、さらに呼吸器病診療の基本的知識と技能を習得 する。 2. 実習に必要な知識 1)呼吸器系の構造、機能、基本病態と検査法 2)胸部の診察法 3)呼吸器疾患の病態と治療法(酸素療法、吸入療法、人工呼吸、内視鏡インターベンションを 含む)についての基本的知識 3. 内容 実習は 1 週間とし別表の時間割に沿って行う。学生 1 名に対し呼吸器疾患患者 1 名を割り当てる。 患者の訴えや客観的情報を収集する。情報を整理して検査、診断、および治療(薬物療法、手術 療法、その他)について考察し、POS に即して記録する。実習期間中、毎日受け持ち患者と指導 医に面接し、直接指導を受け新しい情報を収集する。 4. 具体的到達目標 1)指導医の指導・監督のもとに学生が実施する項目 a)呼吸器疾患診察法(呼吸数、呼吸パターン、脈拍、呼吸音、チアノーゼ、バチ状指) b) 胸部 X 線・CT・MRI・PET 読影 c)治療計画 2)状況によっては学生が実施できる項目 a)呼吸機能検査 b)気管支鏡のための口腔内麻酔 c)皮膚縫合 3)介助、見学 a)気管支鏡検査−気管支鏡:経気管支肺生検(TBLB) 、経気管支擦過細胞診、経気管支針 吸引生検、気管支肺胞洗浄(BAL) 、超音波気管支鏡(EBUS) b)CT ガイド下肺生検 c) 胸腔鏡下生検 d)気管支鏡による治療:吸痰、気道出血対策、気管支鏡的薬物注入療法 5. 評価方法 指導医による実習態度、知識、技能の評価。試験担当者による受け持ち症例に関する口頭試問 を行うことがある。教授回診時のプレゼンテーション。 6. 参考図書 内科系 Murray & Nadel Textbook of Respiratary Medicine vol.1, 2 Elsevier 2005 高久史麿編 新臨床内科学 医学書院 2009 鈴木、永井編 呼吸機能の臨床(第 2 版) 中外医学社 2002 永井、金沢編 X 線パターンからの呼吸器診断 中外医学社 1999 泉 孝英 標準呼吸器病学 医学書院 2000 Fraser et al. Diagnosis of Diseases of the Chest Sanders 1999 − 71 − 呼吸器科実習表(内科系) 実 習 係 玉置 淳(37310) 連 絡 係 切士 紗織(39333 ∼ 4) 集合場所 医局図書室 8 9 12 ・経気管支肺生検見学 ・オリエンテーション(切士) 月 担当患者に学生を紹介 プロブレムリストの作成 ・胸部レントゲンクルズス(山田) 火 肺組織所見・BAL 所見から、呼吸器疾 患の知識を広げる。 ・肺癌クルズス(武田) ・病棟実習 ・胸部 CT クルズス(落合) ・結核クルズス(八木) 水 入院症例報告 木 ・気管支鏡見学(切士) 気管支鏡検査・所見の理解と、知 識を確認。 ・新患外来見学(近藤) 新患外来の見学で症状から疾患の 鑑別と理解を深める。 ・病棟実習 ・教授回診(玉置) ・経気管支肺生検見学 気管支肺胞洗浄 受け持ち患者の problem list など を回診で報告する。 問診、診察、検査所見などから、到達目 標の解決を行う。 ・閉塞性肺疾患クルズス(切士) ・肺機能クルズス(田窪) ・肺機能実習 ・気管支鏡見学 (切士) ・病棟実習 金 気管支鏡検査・所見の理解と、知 識を確認。 ・病棟実習 各指導医 受け持ち患者の problem list について、 指導医と discussion し、解決する。 土 − 72 − 気管支鏡回診 ・病棟実習 各指導医 プロブレムリストより到達目標を指 導医に報告。 ・気管支鏡見学(山田) 気管支鏡検査・所見の理解と、知識 を確認。 ・新患外来見学(多賀谷) 新患外来の見学で症状から疾患の鑑 別と理解を深める。 17 13 試験日程 内 科 時 間 場 所 担 当 者 1 週目金曜日 16:30 ∼ 18:00 医局図書室 玉 置 淳 指導医一覧表(内科) 所 属 職 名 第 1 内 科 主 任 教 授 〃 准 教 授 〃 講 師 〃 〃 〃 〃 氏 名 所 属 職 名 氏 名 玉 置 淳 第 1 内 科 助 教 八 木 理 充 近 藤 光 子 〃 〃 山 田 武 田 窪 敏 夫 〃 〃 切 士 紗 織 多賀谷 悦 子 〃 〃 落 合 克 律 武 山 廉 − 73 − 呼吸器センター外科 1. 一般到達目標 呼吸器病診療の基本的知識と技能を修得し呼吸器疾患の特徴を把握する。 2. 実習に必要な知識 1) 肺、縦隔の解剖:気管・気管支の形態、肺動脈・静脈の位置、肺葉の名称、気管支動脈の走行、 横隔神経・迷走神経の走行など。 2) 呼吸生理:基本的な肺機能、血液ガス分析、肺循環、胸腔内圧など。 3) 手術に関連して:分離肺腔気のしくみ、体位、胸腔鏡、肺切除後の病態生理など。 3. 内容 実習は 1 週間とし別表のごとき時間割で行う。学生 1 名に対し呼吸器疾患患者 1 名を割り当てる。 患者の訴えや客観的情報を収集する。情報を整理して検査、診断、および治療(薬物療法、手術 療法、その他)について考察し、POS に即して記録する。実習期間中、毎日受け持ち患者と指導 医に面接し、検査結果など疑問点を解明し、新しい情報を収集する。 4. 具体的到達目標 コア診療科として 1)指導医の指導・監督のもとに学生が実施する項目 a) 呼吸器疾患の診察法(呼吸パターン、呼吸音、チアノーゼ、ばち状指など) b) 胸部 X 線・CT・MRI・PET 読影 c) 手術手洗い 2)状況によっては学生が実施できる項目 a) 動脈血ガス分析 b) 呼吸機能検査 c) 気管支鏡のための口腔内麻酔 d) 皮膚縫合 3)介助、見学 a) 気管支鏡検査:気管支鏡、経気管支肺生検(TBLB) 、経気管支擦過細胞診、経気管支針 吸引生検、気管支肺胞洗浄(BAL) b) 縦隔鏡下生検 c) 胸腔鏡下生検 d) 心臓・血管カテーテル:右心カテーテル(肺動脈圧、肺動脈楔入圧、混合静脈血ガス分析、 心拍出量など) 、肺動脈造影、気管支動脈造影、一側肺動脈閉塞試験 e) 気管支鏡による治療:吸痰、気道出血対策、気管支鏡的薬物注入療法、気管・気管支ス テント f) 心臓・血管カテーテルによる治療:気管支動脈薬物注入療法、気管支動脈塞栓術 g) 呼吸器外科手術:開胸肺切除術、胸腔鏡下肺切除術、縦隔腫瘍摘出術、気胸・肺嚢胞に 対する手術、漏斗胸手術、胸腔鏡下手術 − 74 − 選択診療科として 1)指導医の指導・監督のもとに学生が実施する項目 a) 呼吸器疾患の診察法(呼吸パターン、呼吸音、チアノーゼ、ばち状指など) b) 胸部 X 線・CT・MRI・PET を読影し、肺癌症例の TNM 分類、手術法などを理解する c) 手術手洗い 2)状況によっては学生が実施できる項目 a) 動脈血ガス分析 b) 呼吸機能検査 c) 気管支鏡のための口腔内麻酔 d) 皮膚縫合 3)介助、見学 a) 気管支鏡検査:気管支鏡、経気管支肺生検(TBLB) 、経気管支擦過細胞診、経気管支針 吸引生検、気管支肺胞洗浄(BAL) b) 縦隔鏡下生検 c) 胸腔鏡下生検 d) 心臓・血管カテーテル:右心カテーテル(肺動脈圧、肺動脈楔入圧、混合静脈血ガス分析、 心拍出量など) 、肺動脈造影、気管支動脈造影、一側肺動脈閉塞試験 e) 気管支鏡による治療:吸痰、気道出血対策、気管支鏡的薬物注入療法、気管・気管支ス テント f) 血管カテーテルによる治療:気管支動脈薬物注入療法、気管支動脈塞栓術 g) 呼吸器外科手術:開胸肺切除術、胸腔鏡下肺切除術、縦隔腫瘍摘出術、気胸・肺嚢胞に 対する手術、漏斗胸手術、その他胸腔鏡下手術 自主選択診療科として 1)指導医の指導・監督のもとに学生が実施する項目 a) 呼吸器疾患の診察法(呼吸パターン、呼吸音、チアノーゼ、ばち状指など) b)胸部 X 線・CT・MRI・PET を読影し、 肺癌症例の TNM 分類、 手術法などを理解する。また、 術前検討会で症例概要を説明する。 c) 手術手洗い、皮膚縫合 d)肺切除後の術後管理の要点を理解し説明する (Vital Sign のチェック、疼痛管理、ドレーン管理、酸素療法など) e) 気管支鏡のための口腔内麻酔 2)状況によっては学生が実施できる項目 a) 動脈血ガス分析 b) 呼吸機能検査 3)介助、見学 a) 気管支鏡検査:気管支鏡、経気管支肺生検(TBLB) 、経気管支擦過細胞診、経気管支針 吸引生検、気管支肺胞洗浄(BAL) b) 縦隔鏡下生検 c) 胸腔鏡下生検 d) 心臓・血管カテーテル:右心カテーテル(肺動脈圧、肺動脈楔入圧、混合静脈血ガス分析、 心拍出量など) 、肺動脈造影、気管支動脈造影、一側肺動脈閉塞試験 − 75 − e) 気管支鏡による治療:吸痰、気道出血対策、気管支鏡的薬物注入療法、気管・気管支ス テント f) 血管カテーテルによる治療:気管支動脈薬物注入療法、気管支動脈塞栓術 g) 呼吸器外科手術:開胸肺切除術、胸腔鏡下肺切除術、縦隔腫瘍摘出術、気胸・肺嚢胞に 対する手術、漏斗胸手術、その他胸腔鏡下手術 5. 評価方法 指導医による実習態度、知識、技能の評価。実習最終日の試験担当者による受け持ち症例に関 する口頭試問。 6. 参考図書 外科系 正岡 昭 呼吸器外科学 第 4 版 南山堂 2009 日本肺癌学会編 肺癌取扱い規約 第 7 版 金原出版 2009 肺癌ガイドライン 金原出版 2003 日本呼吸器内視鏡学会編 気管支鏡 医学書院 2008 − 76 − 呼吸器科実習表(外科系) 実 習 係 小山 邦広(31125、39331) 連 絡 係 井坂 珠子(31125) 集合場所 中央 5 階 BST 8:00 8:30 12 13 16:00∼17:00 水 担当患者により手洗い、手術への参加。 担当患者診察し、Problem list 作成。 手術室(神崎) 手術室実習(村杉) 担当患者により手洗い、手 術参加。 手術見学。 担当患者により手洗い、手術への参加。 Problem list に応じ学習項目の設定、病歴 の記載。 病棟実習(神崎) 病棟、検査室(村杉) 病棟 回診 気管支鏡見学(吉川) 病棟 回診 連絡事項 木 担当患者の設定と紹介。 手術室でのガイダンス。 新患紹介 火 手術室、病室(神崎) 術前検討 病棟BST 入退院報告 月 病棟 回診 病室、手術室(小山) 病棟 回診 学生同志の症例検討。 カテーテル見学・病棟実習 (吉川) 肺循環、気管支動脈につい て学ぶ。 回診後に問題点を整理する。 考察を考える。 レクチャー 金 手術室(神崎) 手術(小山) 担当患者により手洗い、手 術への参加。 症例レポートの完成。 担当患者により手洗い、手術への参加。 担当患者の問題点リストアップ。 指導医によるレポートチェック。 病棟回診(大貫) 土 症例プレゼンテーションと 討論、口答試問。 レポート提出。 − 77 − 病棟 回診 試験日程 外 科 時 間 場 所 担 当 者 土曜日 10:30 ∼ 12:00 中央 5F BST 大 貫 恭 正 指導医一覧表(外科) 所 属 職 名 第 一 外 科 主 任 教 授 〃 准 教 授 〃 講 師 〃 〃 氏 名 所 属 職 名 氏 名 大 貫 恭 正 第 一 外 科 助 教 井 坂 珠 子 村 杉 雅 秀 〃 〃 吉 川 拓 磨 小 山 邦 広 〃 〃 和 知 尚 子 神 崎 正 人 〃 〃 前 田 英 之 − 78 − 高血圧・内分泌内科(第二内科) 1. 一般目標:実習を楽しみましょう 高血圧・内分泌内科(第二内科)における臨床実習の一般目標は、医師として要求される最も 基本的な知識、技能、態度を習得し、全人的診療を行う習慣を身につけることです。まず、患者 さんおよび家族などの関係者からできるだけ多くの情報を収集し、問題点を抽出、分析、統合し ます。次に、問題解決のための診断、治療計画を、優先順位を考慮して自力で立案する習慣をつ けます。そして、医療チームの一員として患者や医療関係者との良き人間関係を作るよう努力し ましょう。 第二の目標は、高血圧および内分泌疾患に慣れ親しんでもらうことです。高血圧や内分泌疾患 は多臓器疾患であり、複雑で難しいという印象があるかもしれません。しかし反対に、多彩で面 白い疾患であるともいえます。ホルモンの作用を理解し、ホルモン欠乏症、過剰症を対比的に学 習すると、それら疾患の病態が意外に簡単に理解できます。第三の目標は、液性調節の異常によ る高血圧症について病態を理解し、症例を診て学習します。異常は全身性に顕在化します。 2. 実習に必要な知識 実習を始める前にブロック 3 で学んだ講義ノートをおさらいすることを勧めます。高血圧およ び内分泌疾患は生活習慣病に潜むことが多いので、肥満、糖尿病、脂質異常症などの臨床症候に は特に注意して学習してください。 ①下垂体 (1)前葉機能亢進症(下垂体腫瘍) 、低下症 (2)後葉機能異常症(尿崩症、ADH 不適合分泌症候群) ②甲状腺 (1)甲状腺の視診、触診、聴診の仕方 (2)機能亢進症(バセドウ病、プランマー病など) 、低下症(橋本病) ③副甲状腺 (1)Ca 調節ホルモン(PTH − rP、ビタミン D を含む) (2)副甲状腺機能亢進症、低下症 ④副腎 (1)副腎ホルモン産生腫瘍 (2)副腎不全の概略(原発性、続発性機能低下症) ⑤性腺 (1)中枢性性腺機能低下症(後天性、先天性) ⑥画像診断 (1)下垂体 MRI (2)原発性性腺機能低下症の概略 (2)甲状腺エコー (3)副腎 CT ⑦高血圧症 (1)全身の血管柔軟性評価 (2)高血圧の原因検索 (3)腎交感神経アブレーション治療 3. 実習内容:患者さんに立脚した自学自習が基本です。 第二内科における臨床実習は診療問題解決型方式で行います。実習期間は 1 週間と短いので、 単なるレポート提出で終わらないよう注意してください。以下に述べる、各科共通の基本的臨床 技能、技術を磨き、かつ内分泌疾患の臨床を実践的に学習します。 選択科実習では、できるだけ学生の皆さんが希望する疾患を受け持っていただく予定です。自 − 79 − 主選択実習では、以前から、完全なクリニカル・クラークシップ方式に従って症例を担当し、医 療チームの一員として研修医と同じレベルの診療ができるよう配慮しています。 ①情報の収集:すべては情報収集から始まります (1)一般面接:自己紹介と毎日の挨拶から始まります。毎日繰り返し接触することにより、 患者さんは次第に学生に協力的になり、家族、家庭、会社などの社会的情報も提供して くれるようになってきます。個人的な悩みもうち明けてくれることがあります。 (2)医療面接:以前は問診と言われたように、極めて重要な情報収集の手段です。現病歴、 既往歴、家族歴からなります。質問の仕方によって得られる情報量が飛躍的に増加しま す。陽性所見とともに陰性所見を聴取すると、鑑別診断に役立ちます。生活歴(生活ス タイル、嗜好など)にも質問をひろげ、疾病の社会的背景を探ります。各臓器に特有の 症候を頭部から順番に臓器別にチェックすると聞き漏らしを少なくできます。 (3)身体診察法:まず、生命徴候(vital signs) 、すなわち体温、脈拍、呼吸、血圧を正確に観察、 測定します。血圧は、最初の診察時に四肢の血圧を測定し、左右差、上下肢差を調べる よう習慣づけましょう。次に、全身の診察、すなわち視診、打診、聴診、触診に移ります。 上から下に、頭部、頚部、胸部、腹部、背部、四肢の順に行い、最後に神経学的所見を とる方法が確実です。 (4)一般検査:診療各科共通の検査、すなわち血算、尿一般、生化学、心電図、胸部 X 線が 該当します。血算、尿一般、生化学については、それぞれの検査に含まれる個々の項目 の診断学的意義の概略を学びます。異常検査項目が複数の場合には、どの所見が重要で あるかをランクづけできるるよう努力しましょう。6 年生の病院実習が終了する時までに 習得できれば十分です。 ②診断計画:患者さんにとって早く、楽に診断できれば最高です 面接に始まる病歴聴取、身体診察、および一般検査から得られた情報は、確定診断を下す ために十分である場合が少なくありません。確定診断にいたらない時でも、ある種の特定な いしは複数の疾患に診断を絞り込むことができます(推定診断) 。推定診断を確定診断なら しめる場合に要求されるのが、 特殊検査です。特殊検査はまた、 確定診断された疾患の重症度、 侵襲度、合併症の判定や、適切な治療法の選択、治療効果の判定にも必要となります。 高血圧および内分泌疾患は、病態診断と局在診断に大別されます。特に内分泌疾患は極め て多彩であり、これは内分泌疾患が多数の内分泌臓器に由来するからです。しかし、その病 態は、通常ホルモン過剰症または低下症のいずれかに属します。この病態診断に必要な血中、 尿中ホルモンの測定、内分泌負荷試験の原理、意義を理解して下さい。局在診断は通常画像 診断で行います。視床下部−下垂体疾患の MRI、甲状腺、副甲状腺の超音波エコー検査、頚 動脈の超音波エコー検査、副腎の CT、血管柔軟性評価検査などに習熟しましょう。 ③治療計画:第一選択の治療とその限界を学習しましょう 治療方法は、一般に内科的疾患では多岐にわたることが少なくありません。しかし、単に 複数の治療法を並列的に網羅して記憶するだけでは不十分です。患者の、年齢、性、社会的 背景、および疾患の重症度、特殊性、予後などにもとづいて、最も有効と考えられる治療法 を第一選択します。同時に、その治療の限界、副作用による中断の基準を理解し、第二、第 三の治療法を学習しておくことが臨床に強くなる秘訣です。 ④問題指向型診療録(POMR) :考える習慣をつけるのに格好のカルテです この POMR カルテは、卒前・卒後医学教育のみならず日常臨床の現場で用いられている − 80 − 診療録である。自学、自習の精神に基づく累進型テュートリアル教育の総仕上げとして、こ の診療録に慣れ親しんでいただきたい。この診療録は、誰が閲覧しても理解しやすい、診療 漏れが起こりにくい、日常的に考察する習慣がつく、などの特徴があります。まず患者から 得られた情報を整理して問題点を抽出、列挙します(problem list) 。それぞれの問題につい て、活動性(active)か、非活動性(inactive)か、記載します。次に、問題点(通常は複数) を評価、分析し有機的に関連づけます(A:assessment) 。そして、問題解決のための診断、 治療計画を立案します(P:planning) 。単なる患者の訴え(S:subjective)と診察所見(O: objective)を記載した無味乾燥なカルテ記載に終わらぬよう、実習期間中は毎日この A と P を自分自身で行い、指導医のチェックを受けることを勧めます。 4. 具体的到達目標:技術よりも技能を重視して実習してください 1)コア診療科としての到達目標 (1) 医療面接で病歴を詳細に聴取することができる (2) バイタル・サインを含む全身の診察をおこなえる (3) 毎日 POMR チャートを記載する (4) コア診療科共通の一般検査を解釈できる (5) 特殊検査を選択し、できれば診断を確定できる (6) 適切な治療法を選択することができる (7) 簡潔な患者サマリーを作成できる 2)選択診療科としての到達目標 (1) コア診療科としての到達目標に加えて (2) 苦手な科では類縁または対立的な疾患と比較しながら包括的に学習する (3) 得意な科では興味のある疾患を最新情報まで踏み込んで深く学習する 3)自主選択実習としての到達目標 (1) 医療チームの一員として実際の診療に完全参加する (2) 許容された一定の医療行為を行い、責任を分担する (3) 実習を通して自分自身が成長したか内省する (4) 公文書としての正確なサマリーを作成できる 5. 評価方法: 指導医による実習態度、知識、技能の評価と、実習最終日の症例発表と教授または准教授によ る口頭試問で評価します。レポート自体は評価の対象にしませんので、できるだけ簡潔に記載し、 余った時間は自学自習にあてるのが賢明です。 6. 参考図書 杉本恒明・他編 内科学(第 9 版) 朝倉書店 2007 Kronenberg HM. 他編 Williams Textbook of Endocrinology SAUNDERS 2008 Fauci AS. 他編 Principles of Internal Medicine McGraw − Hill 2008 髙野加寿恵監修 最新内分泌検査マニュアル(第 3 版) 日本医事新報社 2010 中尾一和編 最新内分泌代謝学 診断と治療社 2013 高久史麿・他監修 新臨床内科学(第 9 版) 医学書院 2009 日本高血圧学会編 高血圧治療ガイドライン 2014 日本高血圧学会 2014 − 81 − 臨床実習表(高血圧・内分泌内科) 集合場所と日時:第二別館 4 階大会議室、月曜午前 7 時 50 分(月曜が休日の場合は火曜日午前 9 時第一病棟 4 階) 実習期間は 1 週間ですが、月・木曜日の回診と土曜日のまとめを除くと、実質的には 4.5 日間し かありません。したがって、受持患者さんの面接、診察に始まり、検査、診断、治療を経て、ま とめに至る学習計画をきちんと立てて実習してください。POMR チャートは学生のホームページ、 または電子カルテのレポート→経過記録→学生診療録からダウンロードできます。 7:50 8:00 9:00 12:00 13:00 月 〈病棟オリエンテーション〉 抄読会、 研究会 担当患者メモで患者を紹 (第二 介する。挨拶と自己紹介 別館 に続き、医療面接、全身 4 階) 診察を行う。 病棟長回診 (13:30 ∼ 16:30) 福田 渡辺 16:00 17:00 18:00 〈病棟実習〉 内科合 病歴と診察 同カン 所見から問 ファレ 題リストを ンス 作成する。 (第4週 のみ) 火 水 〈病棟実習〉 一般検査所見をもらう。 医療面接、診察を仕上げ る。問題リストを再検討 する。 〈病棟実習〉 自分で必要と判断した情報(特殊検査)を 指導医から得る(内分泌負荷試験、画像な ど)。特殊検査の解釈、判定、画像読影を 学習する。 〈病棟実習〉 それまでの医学情報を統合 し診断を推定、確定するよ う学習する。診断が確定で きない場合は、どんな追加 情報が必要か学習する。 〈病棟実習〉 必要な追加情報がわかれば指導医に要求す る。どんな病態や疾患が考えられるか整理 する。翌朝のプレゼンテーションの準備を する。2 ∼ 3 分で担当症例の中間報告を行う、 診断や治療方針が確定していなくてもよい。 金 〈病棟実習〉 担当症例の治療法を学習 する(内科的治療と外科 的治療) 。第一選択の治 療は?その有効性の判定 は?第二選択は? 昼 食 会 木 主任教授回診(8:30∼12:00) 学生プレゼンテーション 市原 肥塚 磯崎 小野 福田 田辺 森本 安藤 森 渡辺 クルズス: 症例 〈病棟実習〉 回診で指摘された事項、問題 担 当 は 回 診 検討会 点を整理し、当日中に学習し、 時 の 教 授 以(第二 できれば解決する。余裕があ 下 8 名 の ス 別館 タ ッ フ( 会 れば、類似疾患(鑑別診断) 場、 時 刻 は 4 階) を学習する。 当日発表) 〈病棟実習〉 担当症例の POMR チャートのサマリーを 簡潔に記載する。自学自習の時間を確保す るため、レポートの記載義務はありません。 ハウツー物でない教科書を入念に読んで下 さい。 土 症例検討、口頭試問 (9:00∼11:00) または (金曜午後) 担当患者の POMR のサマ リーをプレゼンテーショ ンして試問を受けます。 市原 − 82 − 選択診療科実習表(高血圧・内分泌内科) 集合場所と日時:第二別館 4 階大会議室、月曜午前 7 時 50 分(月曜が休日の場合は火曜日午前 9 時第一病棟 4 階) 実習期間はわずか 1 週間、回診と試問を除くと 4.5 日間しかありません。学習計画をきちんと立 てて実習しましょう。 7:45 8:00 9:00 12:00 13:00 16:00 17:00 18:00 病棟長回診 (13:30∼16:30) 〈病棟実習〉 内科合 福田 渡辺 問題リスト 同カン を完成する。 ファレ ンス (第4週 のみ) 月 〈病棟オリエンテーション〉 抄読会、 研究会 担当患者の紹介。 全身診察を行う。 (第二 医療面接、 カルテに診察所見記載。 別館 4 階) 問題リストの作成に着手。 火 水 〈病棟実習〉 問題リストを再検討する。 一般検査所見をもらい判 読する。 必要なら医療面接、診察 を再実行する。 〈病棟実習〉 内分泌負荷試験、画像などの特殊検査結果を もらい、結果の解釈、判定、読影を学習する。 必要な追加情報があれば指導医に要求する。 〈病棟実習〉 得られた医学情報を統合し 診断を推定、確定するよう 学習する。診断が確定でき ない場合は、どんな追加検 査、情報が必要か学習する。 〈病棟実習〉 どんな病態や疾患が考えられるか整理する。 翌朝のプレゼンテーションの準備をする: 2 ∼ 3 分で担当症例の中間報告を行う。 事実と推測は区別して報告するのがよい。 診断や治療方針が未確定でもよい。 金 〈病棟実習〉 担当症例の治療法を学習 する。 (内科的治療と外科 的治療)第一選択の治療 は?、その治療効果の判 定は?、無効な場合には? 昼 食 会 木 主任教授回診 (8:30∼12:00) 学生プレゼンテーション 市原 肥塚 磯崎 小野 福田 田辺 森本 安藤 森 渡辺 〈病棟実習〉 回診で指摘された問題点を整 理し、当日中に学習し、でき れば解決する。 鑑別診断を学習することによ り医学知識をひろめる。 クルズス: 症例 担 当 は 回 診 検討会 時 の 教 授 以(第二 下8 名 の ス 別館 タ ッ フ( 会 場、 時 刻 は 4階) 当日発表) 〈病棟実習〉 担当症例のまとめを行う。 レポートを作成するよりも、POMR の Flow chart(病態の流れ図)を記載して下さい。 レポートは、作成しなくても成績には無関 係です。全科共通の病歴要約用紙が準備し てあります。 土 症例検討、口頭試問 (9:00∼11:00) または (金曜午後) 担当患者から学んだこと を 5 分以内で発表し、試 問を受けます。 市原 − 83 − 実習のオプション:希望者は指導医に相談して下さい。 甲状腺および頚動脈超音波見学(新外来棟 4 階:木 pm) :一回につき学生 3 名まで。 基本的身体診察法のビデオ 1. 面接と神経の評価マニュアル(37 分) 8. バイタルサインの診察(25 分) 2. 全身、Vital、上肢(36 分) 9. 頭頚部の診察(20 分) 3. 頭頚部(27 分) 10. 胸部の診察(20 分) 4. 胸部(26 分) 11. 腹部の診察(20 分) 5. 腹部と下肢(40 分) 12. 四肢の診察(20 分) 6. 神経(45 分) 13. 神経系の診察(20 分) 7. 医療面接(18 分) 上記ビデオが医局(仮研究棟 3 階)に常備されています。診察の仕方で不明なところ、再確認 したいところがあれば、医局秘書に申し出て、医局のビデオ室で閲覧してください(持ち出し禁 です) 。 口頭試問日程 内 科 時 間 場 所 担 当 者 土曜日* 9:00 ∼ 11:00 * 第 1 病棟会議室(変更時通知) 教授または准教授 *他の曜日、時刻に変更になることもある。 指導医一覧表(高血圧・内分泌内科) 所 属 職 名 高血圧・ 内分泌内科 〃 〃 〃 主任教授 教 授 准 教 授 講 師 〃 氏 名 所 属 職 名 氏 名 市 原 淳 弘 高血圧・ 講 師 田 辺 晶 代 肥 塚 直 美 内分泌内科 〃 森 本 聡 磯 崎 収 〃 助 教 安 藤 孝 小 野 昌 美 〃 〃 森 典 子 福 田 いずみ 〃 〃 渡 辺 大 輔 − 84 − 糖尿病センター 糖尿病・代謝内科、糖尿病眼科 1. 一般目標 糖尿病ならびにその多岐にわたる合併症や肥満・脂質異常症等の代謝性疾患の病態の理解を深 め、 その治療法を学ぶことを目標とする。とくに糖尿病が全身疾患であることを学び、 患者を診断、 治療、支援するチームアプローチの重要性を理解し、医療チームの一員として行動する態度を習 得する。 2. 実習に必要な知識 以下の項目に対し、知識の整理と確認を行っておくこと。 1)糖尿病の分類 ・1 型糖尿病、2 型糖尿病の特徴 ・その他のタイプ(特に単一遺伝子異常(MODY、MIDD) 、内分泌性) 、妊娠糖尿病 2)糖尿病の診断 ・臨床診断の手順 ・GTT の判定区分 3)糖尿病の治療 ・食事療法の意義、原則 ・運動療法の意義、注意点 ・薬物療法:経口血糖降下薬の種類、作用機序と副作用 4)糖尿病昏睡 5)糖尿病の合併症 ・3 大合併症(神経障害、網膜症、腎症) ・大血管障害 6)メタボリックシンドローム、脂質異常症、肥満 3. 実習内容 学生は 1 週間の実習期間中、病棟長、実習担当指導医および患者主治医の指導のもと、学生 2 名で 1 名の入院患者を担当する。学生が能動的に問題解決に向けて思考過程を積み上げられるよ うに、段階的にフィードバックを行い、支援する。そのために、症例について 1 日 1 ∼ 2 回は学 生と discussion する場を設ける。検査成績などの情報は学生からの要求に応じて提示する。糖尿 病あるいはその他の代謝疾患患者の医療面接の進め方、身体所見のとり方、診療録の書き方を習 得する。検査計画を立て、指導医の指導のもと実施可能な検査を自ら施行する。さらに基本的な 治療である食事療法について「食品交換表」を用いた栄養指導や病棟で行われている患者教育の ための糖尿病教室に参加し、その方法について学ぶ。 教授初診外来の見学を行い、新患患者を対象とした診療の仕方を習得する。75g 経口ブドウ糖 負荷試験や脂質検査などを学生相互に行い、その診断的意義とともに、生活習慣チェックリスト を用いて生活習慣病を理解するとともに、 被験者として自ら体験する。教授回診、 病棟長回診、 モー ニングレクチャー、入退院報告、抄読会、CPC、症例検討会、症例報告会に参加し、実習担当指 導医によるクルズスを受ける。さらに糖尿病眼科スタッフによる眼科手術を見学する。 最後に、担当症例について簡潔に発表を行い、レポートを提出するとともに、口頭または筆記 − 85 − による試験を受ける。 4. 具体的到達目標 コア診療科としての到達目標 糖尿病・脂質異常症を含む代謝疾患について理解できていること。受け持ち患者の情報を収 集し、診断して治療計画を立てることを学ぶ。具体的には、下記に列挙する。 ①代謝に関連したホルモンの作用機序と分泌調節機構を説明できる。 ②糖尿病の原因、病態生理、分類、症候と診断を説明できる。 ③糖尿病の急性合併症を説明できる。 ④糖尿病の慢性合併症を列挙し、概説できる。 ⑤糖尿病の治療(食事療法、運動療法、薬物療法)を概説できる。 ⑥生活習慣と肥満・脂質異常症・動脈硬化の関係を説明できる。 ⑦生活習慣と糖尿病の関係を説明できる。 ⑧脂質異常症の分類、原因と病態を説明できる。 ⑨(できれば)糖質・タンパク質・脂質の代謝経路と相互作用を説明できる。 ⑩(できれば)低血糖症を概説できる。 選択診療科としての到達目標 既に終えたコア診療科としての実習を踏まえ、さらに深い内容の実習を行う事を目標とする。 コア診療科としての到達目標で理解が不十分な目標を達成することのほか、具体的には学生の 希望を考慮して個々の学生の目標に応じた内容の実習とする。例えば 1 症例について深く学習 する、あるいは特殊な合併症の症例を多数学習する、糖尿病センターで行われている検査の見 学を主体に実習する(心臓超音波検査、腹部超音波検査、心電図、脈波、末梢神経伝導速度など) 。 指導医の判断によっては見学に留まらず、学生が手技を行う場合もある(医行為水準表を参照 のこと) 。 1 週間の基本的な実習はコア診療科としての実習に準ずる(75g ブドウ糖負荷試験は省略) 。 自主選択実習としての到達目標 一人で患者を受け持ち、医療チームの一員として診療に参加し、チームワーク医療を体験す る。他科コンサルトや検査に同行し、回診ではプレゼンテーションを行う。学生が行う医行為 の範囲は、大学で定めた水準表に準じて指導医がその都度判断する。 ①診療録を POMR 形式で記載できる。 (診療録は臨床実習用のものを用いる) ②毎日の所見と治療方針を SOAP 形式で記載できる。 ③受け持ち患者の情報を診療チームに簡潔に説明できる。 ④基本的診療知識にもとづき、情報を収集・分析できる。 ⑤得られた情報をもとに問題点を抽出できる。 ⑥鑑別診断を行い、治療計画をたてる。 ⑦複数の疾患を抱える患者を診察し、診断と治療計画の立案・実施に参加する。 ⑧科学的根拠にもとづいた医療(EBM)を実践できる。 実習期間(3 または 4 週)中の実習スケジュールはコア診療科としての実習に準ずるが、外 来診療の見学も積極的に行い、症例検討会、内科合同カンファランスに出席する。 − 86 − 5. 評価方法 1)臨床実習 2)症例検討、講義 3)試験(口頭または筆記) 6. 参考図書 アメリカ糖尿病協会編 糖尿病教育の到達目標(チェックリスト) 医歯薬出版 1990 Pickup & Williams Textbook of Diabetes 3rd Rev edition 2003 Alberti, DeFronzo, International Textbook of Diabetes John Wiley Keen & Zimmet Mellitus(Volume 2)3rd edition & Sons Wilson & Foster Williams Textbook of Endocrinology. W.B. Saunders Co. 2002 大森安恵訳 Blackwell Scientific Publishing 2004 10th edition 平田幸正 糖尿病の治療(第 2 版) 文光堂 2003 Kahn and Weir ジョスリン糖尿病学(14 版) 医学書院 MYW 2007 講談社サイエン 1996 監修金澤康徳、春日雅人、河盛隆造、佐々木英夫 葛谷 健編 インスリン─分子メカニズムから臨床へ 岩本安彦編 プラクティカル内科シリーズ 6 糖尿病 南江堂 1999 東京女子医大 糖尿病治療マニュアル(第 6 版) 医歯薬出版 2012 岩本安彦監修 糖尿病診療の実際 メジカルビュー 2006 糖尿病センター編 ─症例から学ぶ治療最前線─ 岩本安彦監修 糖尿病合併症診療の実際 メジカルビュー 2009 糖尿病センター編 ─症例から学ぶ治療最前線─ 日本糖尿病学会編 糖尿病治療ガイド 2012−2013 文光堂 2012 日本糖尿病学会編 科学的根拠に基づく糖尿病 南江堂 2010 内潟安子 小児・ヤング糖尿病 CBR 社 2005 瀧井正人 糖尿病の心療内科的アプローチ 金剛出版 2011 大森安恵 糖尿病と妊娠の医学 文光堂 2008 ティフィク 糖尿病センター編 診療ガイドライン 2010 ─糖尿病妊婦治療の歴史と展望 − 87 − 糖尿病センター実習表 実 習 係 馬場園哲也(28770)、廣瀬 晶(28814) 連 絡 係 馬場園哲也(28770)、廣瀬 晶(28814) 集合場所 糖尿病センター 3F カンファレンスルーム 8:30 9:00 12:00 13:00 病棟実習(馬場園・岩 ) 月 担当患者に学生を紹介。医療 面接を行い、Problem list 作 製にとりかかる。 17:30 医局抄読会 ミニレクチャ 教 授 回 診 で、 担 当 患 者 の Problem ー、症例検討 list・解決方法などを報告する。回診 会 な ど が 週 後に、問題点を整理する。 によって行 われる 教授回診 病棟実習(中神・尾形・福嶋) 実習を通じて糖尿病の診断、 検査などについての知識を確 認。 午前中の実習から、必要と考えられ る情報を指導医に伝え、検査結果な どを収集する。 火 75gOGTT 実習(尾形・三浦) 水 木 入退院報告/モーニングレクチャー ポリクリ 病棟実習(柳澤・馬場園) 金 半分の学生は初診外来の見学。 作製した Problem list、到達 目標を指導医に報告。目標達 成の段取りを相談。身体診察。 臨床所見、病態、必要な情報につい て再検討。解決方法について指導医 と discussion。追加の情報が必要なら ば、要求する。 ポリクリ(内潟) 病棟長回診 半分の学生は初診外来の見 学。 追 加 情 報 の 収 集 に よ り Problem list と解決方法を再 検討。レポート作成。 回診終了後に Problem list を仕上げ る。自分で到達目標を設定する。 病棟実習(三浦・大屋) 眼科手術見学(廣瀬・関本) 追加情報の収集により Problem list と解決方法を再検討。 糖尿病眼科スタッフに担当患者の眼 合併症について報告、議論する。眼 科手術見学に先立って、手術に関す る疑問点を整理しておく。 症例検討・試問 土 レポートを提出し、担当患者 について報告。グループ討論。 主任教授による口頭試問。 − 88 − 試験日程 内 科 時 間 場 所 土曜日 10:30 ∼ 12:00 糖尿病センター 3F 担 当 者 指導医一覧表 所 属 職 名 第 三 内 科 学 主任教授 〃 (兼) 教 授 〃 〃 〃 〃 〃 准 教 授 〃 (兼) 〃 第 三 内 科 学 講 師 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 (兼) 助 教 第 三 内 科 学 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 氏 名 所 属 職 名 氏 名 内 潟 安 子 第 三 内 科 学 助 教 藤 巻 理 沙 高 橋 良 当 〃 〃 大 屋 純 子 佐 倉 宏 〃 〃 滝 澤 美 保 佐 藤 麻 子 〃 〃 入 村 泉 岩 直 子 〃 〃 東 谷 紀和子 宇治原 典 子 〃 〃 岡 本 香 弥 馬場園 哲 也 〃 〃 保 科 早 里 中 神 朋 子 〃 〃 井 倉 和 紀 尾 形 真規子 三 浦 順之助 糖 尿 病 眼 科 教 授 北 野 滋 彦 菅 野 宙 子 〃 講 師 廣 瀬 晶 小 林 浩 子 〃 〃 福 嶋 はるみ 田 中 伸 枝 〃 助 教 関 本 香 織 石 澤 香 野 〃 〃 中 村 新 子 花 井 豪 〃 〃 多 島 朋 子 松 河 敬 子 − 89 − 腎臓病総合医療センター 腎臓内科・腎臓小児科・血液浄化療法科・泌尿器科 1. 一般目標 腎臓病総合医療センター(以下腎センター)における臨床実習の目標は、腎臓病、泌尿器科疾 患についてブロック 6 までに学んできた知識を系統的に整理、理解し、受け持ち患者を通して、 病態の把握に際しそれらをどのように応用するかを実践的に学ぶ。患者の全人的把握とともに、 医療チームの一員として行動する態度、習慣を身につける。 2. 実習に必要な知識 腎臓内科 1. 臨床診断学総論 1) 問診(主訴、病歴、出生・発達歴、既往歴、社会歴、家族歴、生活歴) 2) 全身の身体診察 3) 腎・尿路系の身体診察 4) 心・脈管系の身体診察 2. 腎尿路系Ⅰ 構造、機能、病態 1) 腎臓の解剖 2) 尿の生成とネフロン 3) 腎臓の機能(腎循環の調節、酸−塩基平衡、細胞外液量の調節、腎臓の内分泌機能) 4) 検体検査(尿検査、血液生化学検査、免疫学的検査、微生物学的検査) 5) 腎生検(方法、標本、染色法、所見) 6) 腎機能検査(糸球体濾過値、腎血漿流量、尿細管機能) 7) 腎画像診断(KUB、腎盂造影、超音波検査、核医学検査、CT・MRI 検査) 3. 腎尿路系Ⅱ 疾患と治療 1) 血圧と腎疾患 2) 糸球体疾患の臨床症候分類(ネフローゼ症候群を含む) 3) 原発性糸球体疾患(微小変化型、巣状糸球体硬化症、膜性腎症、膜性増殖性腎炎、IgA 腎症、管内増殖性糸球体腎炎、半月体形成性腎炎) 4) 続発性糸球体疾患(糖尿病、SLE、関節リウマチ、アミロイドーシス、多発性骨髄腫、 痛風腎、血管炎、肝疾患と腎、感染症と腎、悪性腫瘍と腎、電解質異常と腎) 5) 妊娠と腎 6) 医原性腎疾患 7) 尿細管間質性疾患 8) 尿細管機能異常 9) 急性腎障害(AKI) 10) 慢性腎障害(CKD) 11) 腎疾患の治療(一般療法、食事栄養指導、薬物療法、輸液) 12) 血液浄化療法 13) 先天性疾患(多発性嚢胞腎、アルポート症候群、基底膜菲薄化症候群) − 90 − 腎臓小児科 1. 正常小児の身体発育と発達 2. 小児における電解質代謝の特徴 3. 小児における腎機能の発達 血液浄化療法科 1. 血液浄化法の特徴と適応 2. 血液浄化法の実際 泌尿器科 1. 医療面接方法、胸腹部の聴診や触診方法、前立腺触診法及び所見の表現方法 2. 尿路悪性腫瘍(腎癌、前立腺癌、膀胱癌、尿路移行上皮癌、精巣癌)についての疫学や疾患 の病態、診断方法、治療の基本的知識 3. 尿路結石、前立腺肥大症、先天性尿路疾患、女性泌尿器科疾患に関しての基本的知識 4. 腎移植に関する免疫学的検査及び手術手技や社会的背景についての基本的知識 5. 泌尿器科的検査方法についてその検査の適応、目的、具体的方法、検査結果の判断方法(膀 胱尿道鏡、膀胱機能検査、膀胱造影、経直腸的前立腺超音波検査、前立腺生検等) 3. 実習内容 腎センターにおいては腎臓内科、泌尿器科、腎臓小児科、血液浄化療法科が一体となって、テュー トリアル方式により病院臨床実習の教育にあたる。実習では腎・泌尿器疾患のみならず、 人工臓器、 臓器移植などの診療に必要な基本的知識と技能を習得すると共に、病像、病態の全人的把握、問 題点の整理と評価ならびに患者および家族との人間関係の形成などに関する学習を基本とする。 実習期間は内科系 1 週間、泌尿器科 1 週間とし、別表の時間割に従って行う。学生各人がそれ ぞれ 1 名以上の患者を担当し、患者の主観的情報と客観的情報(主訴、病歴、理学所見および検 査所見)を収集する。情報を整理して検査、診断および治療について考察し、POS に則って記録 する。実習期間中、毎日担当患者と指導医に面接し、遂次新しい情報を収集すると共に、積極的 に検査、診断、治療の実際に参加する。臨床の場で指導医の指導に基づき、それぞれの症例につ いて互いに討論、検討する。指導医の日常診察に陪席し、さらに回診、講義、セミナーなどに参 加し、診察法と検査法を見学あるいは実施する。 外科的手技に関しては、見学および直接参加して基本的技法を体得する。 4. 具体的到達目標 1) 指導医の指導・監視のもと 2)状況によっては学生が実 に学生に実施させるもの 施できるもの 1. 診察 ・血圧測定 ・ 胸部診察(打診聴診) ・ 腹部診察 (腎触診、 打聴診) ・ 四肢および頚動脈触診 ・ 全身リンパ節触診 ・直腸指診、双手診 ・性器診察法 − 91 − 3)介助、見学させるもの 1) 指導医の指導・監視のもと 2)状況によっては学生が実 に学生に実施させるもの 3)介助、見学させるもの 施できるもの 2. 検査 (尿検査) ・採尿法 ・ 尿蛋白、 潜血、 尿糖、 膿尿、 混濁尿 ・ 尿沈渣検査法(鏡検) ・ 細菌検査 (腎機能検査法) ・ クレアチニンクリアランス ・ Fishberg 濃縮試験 ・ 標準クリアランス 酸・塩基負荷試験 ・ HLA 検査 ・ リンパ球クロスマッチ ・ フローサイトメトリー (尿流動態検査) ・ 尿流測定、膀胱内圧測定 尿道内圧測定 etc. (放射線学的検査) ・ 単純 X 線撮影(胸部、 ・ 排泄性腎盂造影(IVP) KUB) (介助) ・ 尿道造影、膀胱造影 (排尿時) ・ 逆行性腎盂造影 ・ 血管造影検査(大動脈、腎 動脈) ・ 腹部 CT ・ レノグラム、レノシンチ (画像診断) ・ 腹部超音波検査(副腎、 ・ 経直腸的前立腺超音波検査 腎、尿路、膀胱、前立腺、 ・ MRI(介助) 移植腎) ・ 超音波ドップラー検査 (内視鏡検査) ・尿路内視鏡検査(膀胱鏡、 (生検) ・腎、膀胱、前立腺、睾丸 尿管鏡) ・ 移植腎 (その他) ・導尿法 ・ 尿管カテーテル法 ・ 組織適合性検査 ・ 動脈穿刺術 ・ 深部静脈穿刺およびカテー テル挿入術 − 92 − 1) 指導医の指導・監視のもと 2)状況によっては学生が実 に学生に実施させるもの 3. 治療 (食事療法) (薬物療法) (血液浄化療法) 3)介助、見学させるもの 施できるもの ・ 血管アクセスの触診 聴診 ・ 透析器・回路の組みたて ・ 透析患者の身体所見のとり 方と問診法 ・ 病態に応じた食事の処方 ・ 降圧薬、利尿薬、ステロイド およびその他の免疫抑制剤 の使用法 ・ 急性、 慢性腎不全に対する血 液透析、 腹膜透析、 血液濾過、 血液濾過透析(原理、適応、 実際) ・ その他の血液浄化法(血漿 交換、免疫吸着、LDL 吸着 など) (原理、適応、実際) (手術療法) 皮膚縫合、抜糸、創処置 手洗実習 ・ 血管アクセスの選択と 診断 ・ 泌尿器疾患の外科 ・ 血管アクセス (臓器移植) (再生医療) 4. 救急処置 ・ 腎移植 ・ 急性腎不全、高 K 血症、 肺水腫に対する処置 ・ 緊急ブラッドアクセス、緊 急透析 ・ 血尿、 尿閉、 外傷(腎・骨盤 ・ 尿道など)に対する処置 選択実習ではコア実習での実践を再度確認し、さらに高度な技術が習得できるよう病棟実習を 組む。 5. 評価方法 受け持ち患者に関し、担当医との討論を通じて、問題点の抽出、解釈、対策の立て方などの一 般的な strategy についての理解度、診療態度、グループ医療の一員としての態度について担当医 による評価を行う。さらに内科系、泌尿器科ともに最終日に主任教授により集団口頭試問を行う。 これらをあわせて最終評価とする。 6. 参考図書 東京女子医大第 4 内科 図説腎臓病学第 3 版 日本医事新報社 2005 小川 聡編 内科学書改訂第 7 版 中山書店 2009 杉本恒明、 矢崎義雄総編集 内科学第 9 版 朝倉書店 2007 高久史麿ほか監修 新臨床内科学第 9 版 医学書院 2009 佐中 孜、秋葉 隆編 血液浄化療法スタッフマニュアル 太田和夫監修、阿岸鉄三、 腎不全の外科 東間 紘、寺岡 慧編 − 93 − 医学書院 2005 南江堂 2000 Brenner and Rector Seldin and Giebisch's The Kidney 9th ed. Saunders 2012 The Kidney 5th ed. Lippincott 2007 Lippincott 2006 (Physiology & pathophysiology) Schreier R. W., Diseases of the Kidney and Urinary Tract(Diseases of the Kidney(Schrier) ) J. Charles Jannette Heptinstall's Pathology of the Kidney Lippincott 2006 set 2(Pathology of the Kidney(Heptinstall's) )6th ed. 日本腎臓学会・腎病理診断 腎生検病理アトラス 標準化委員会(編集) 、 日本腎病理協会(編集) 秋沢忠男、太田和夫 人工腎臓の実際 改訂版 南江堂 2005 東間 紘、高橋公太編 腎移植ハンドブック 中外医学社 2000 藤原大美編 新移植免疫学 中外医学社 2000 新臨床泌尿器科全書 金原出版 Poitt, Brostoff ほか 免疫学イラストレイテッド(第 7 版) 南江堂 2009 Paul, WE. Fundamental Immunology Lippincott 2003 D. R. Smith. Smith’ s General Urology(18th ed.) LANGE Med. Pub. 2012 Gillenwater, Grayhack, Adult and Paediatric Urology Year Book pub. 2002 Howards, Duckett Walsh, Retik, Stamey (4th ed.) Campbell's Urology(10th ed.) W. B. Saunders Co. 2011 Operative Urology: Williams & Wilkins 2010 Ming Zhou MD PhD (ed.) Uropathology Churchill 2012 A. R. Mundy(ed.) Churchill Vaughan Novick, Streem, Pontes, At the creveland Clinic Livingstone Scientific Basis of Urology(3th ed.) 2010 Livingstone 赤座英之、並木幹夫(編) 標準泌尿器科学(第 8 版) 医学書院 2010 吉田 修(編) ベッドサイド泌尿器科学(第 3 版) 南江堂 2000 Abhinav Humar et Atlas of organ Transplantation Gower 2009 寺本民生、秋葉 隆編 診察の技法と考え方 中外医学社 2001 伊藤克己監修 小児急性血液浄化療法マニュアル 医学図書出版 2002 東間 紘、中沢速和編 腎癌のすべて メディカルビュー 2003 吉田 修、東間 紘、 先端医療シリーズ 先端医療技術研究所 2003 村井 勝編 泌尿器疾患 Avner, Harmon Pediatric Nephrology Springer 2009 五十嵐 隆 小児腎疾患の臨床(第 5 版) 診断と治療社 2012 Geary DF, Schaefer F Comprehensive Pediatric Nephrology Mosby inc. 2008 日本小児腎臓病学会 小児腎臓病学 診断と治療社 2012 五十嵐隆編 小児科学 文光堂 2011 − 94 − 腎臓内科・腎臓小児科・血液浄化療法科(1 週間) 目的 1)少なくとも、受け持つ症例の医学的な状況の理解を自らきちんと行えるようにする 2)その上で、患者の問題点を要領よく抽出し、解決法を自分で探せるようにする 3)さらに、患者の社会的心理的背景まできちんと考慮することは診療の重要な部分を占め ており、指導医とともにその把握に努める。 4)腎臓内科学の知識、考え方、検査法や解釈などを自発的に学習する。医療面接や身体診 察法についてさらに研鑽を深めてもらう。 方法 1) (腎臓内科)1 学生ずつ 1 症例を担当し、病棟の指導医のもとに病棟での問診や診察な どを行う。さらに 2 ∼ 3 人の学生を担当する 1 人の上級指導医により目標設定やその解 決法、進捗状況の確認、自主的学習についての指導を受ける。 2) (腎臓小児科・血液浄化療法科)時間的制約もあるため、クルズスを併用する。 AM PM 8:45∼ 実習オリエンテーション (腎内:望月、東病 13:00∼ 腎臓内科病棟実習 (望月、 板橋) 棟4階腎センター医局) 月 午前中に自分で得た情報をもとに「POMR」 腎臓内科病棟実習(清水、片岡、越智、佐藤) 「問題リスト」を作成し、夕方に指導医と 紹介された担当患者に対し、指導医のもと 実習の目標について討論する。 に医療面接、身体診察などを行う。 火 8:30∼ 腎臓小児科病棟実習 13:00∼ 腎臓小児科病棟実習(秋岡、近本、石塚、菅原) (服部、 秋岡、 近本、 石塚、 菅原) 腎臓小児科クルズス(秋岡、近本、石塚) 8:30∼ 腎臓内科病棟実習 水 13:00∼ 腎臓内科病棟実習 (腎生検見学) 病棟回診 (新田、 土谷、 森山) 水曜日、 木曜日の午後に腎生検を見学する。 会議室での新患などの症例報告を聞き、そ 腎臓内科病棟実習 (望月、 板橋) の後、ベッドサイドでの教授回診につく。 腎臓内科症例検討会 (新田、 土谷、 片岡) 担当症例だけでなく、多くの腎疾患につい 抄読会、症例検討会、腎生検病理検討会、 て学ぶ機会であり、積極的に参加する。 研究カンファレンスなどを毎週行ってい る。腎疾患について議論されるので、積 極的に参加する。 木 金 9:00∼ 腎臓内科病棟実習 13:00∼ 腎臓内科病棟実習 (望月、 板橋) 症例についてのまとめていく。 8:20∼ 腎臓内科朝回診 14:00∼ 腎臓小児科教授試問 (服部) 11:00∼ 血液浄化法クルズス (秋葉、 木全) 15:00 血液透析の実際を学ぶ。 13:00∼ 腎臓内科病棟実習 (望月、 板橋) 症例の最終的なまとめを指導医とともに 行う。 9:30∼ 腎臓内科教授評価試問 (新田、 土谷) 担当した症例について 10 分間で報告でき 土 るようにまとめておく。その後グループ討 議を行い、同時に主任教授による口頭試問 をうける。 − 95 − 泌尿器系(1 週間) AM PM 7:30∼ 実習オリエンテーション (医局奥会議室) 7:45∼ 病棟カンファ カンファ後(田邉、石田、家後、近藤、橋本、 小林、尾本、小内、野崎、飯塚、 土岐、高木、奥見、大前) 月 病棟実習 手術、処置見学 (田邉、石田、家後、近藤、橋本、 小林、尾本、小内、野崎、飯塚、 土岐、高木、奥見、大前) 病棟実習 (田邉、石田、家後、近藤、小林、 尾本、小内、野崎、飯塚、土岐、 高木、奥見、大前) 手術、検査、処置見学 (田邉、石田、家後、小林、尾本、 小内、野崎、飯塚、土岐、高木、 奥見、大前) 火 7:00∼ 外来カンファ (田邉、石田、家後、近藤) 9:00∼ 病棟 手術見学 (田邉、石田、家後、近藤、小林、 尾本、小内、野崎、飯塚、土岐、 高木、奥見、大前) 水 7:00∼ 手術カンファ(泌尿器科) 9:30∼ 外来実習 (田邉、石田、家後、近藤、小林、 尾本、小内、野崎、飯塚、土岐、 高木、奥見、大前) 病棟実習 木 9:00∼ 処置見学 (田邉、石田、家後、近藤、小林、 尾本、小内、野崎、飯塚、土岐、 高木、奥見、大前) 病棟実習 金 7:40∼ 病棟カンファ(田邉) 9:00∼ 外来実習 (田邉、石田、家後、近藤、小林、 尾本、小内、野崎、飯塚、土岐、 高木、奥見、大前) 土 10:00∼ 評価試問(担当指導医) 病棟症例実習 (田邉、石田、家後、近藤、小林、 尾本、小内、野崎、飯塚、土岐、 高木、奥見、大前) 病棟実習 ☆月曜日が休日の場合は火曜日 AM7:30 ∼実習オリエンテーション(医局奥会議室) − 96 − 検査、処置 AM 月 手術:泌尿器科(内視鏡手術) 火 水 手術:泌尿器科 (腎移植、腎・尿路腫瘍) PM * DJ、RP(泌尿器科) ☆経直腸的前立腺エコー、 ☆前立腺生検(泌尿器科) #2 ESWL(泌尿器科) *膀胱機能検査(泌尿器科) 木 手術:泌尿器科(腎・尿路腫瘍) 隔週で前立腺生検(泌尿器科) 手術:泌尿器科(腎移植、他) 金 *小児膀胱造影(泌尿器科) * IVP(泌尿器科) 土 外来処置 *:総合外来センター地下 1 階 レントゲン透視室 ☆:総合外来センター 3 階南ブロック 内視鏡室 #1 腹部エコー: 月∼金 9:00∼17:00、土 9:00∼13:00 総合外来センター 3 階南ブロック H6 ルーム #2 ESWL:水曜日 9:00∼12:00 (泌尿器科)総合外来センター地下 3 階 〈クルズス〉 血液浄化療法科 ・血液浄化 (秋葉、木全、三和) 腎臓小児科 ・小児腎疾患 (服部、秋岡、近本、石塚、菅原) 〈学生実習担当〉 腎 臓 内 科→望月、板橋、森山、清水、片岡、越智、佐藤 腎臓小児科→服部、秋岡、近本、石塚、菅原 泌 尿 器 科→土岐 血液浄化療法科→秋葉、木全、三和 〈オリエンテーション〉 各科担当 − 97 − 試問日程 泌尿器科 金曜日 時 間 場 所 担 当 者 8:45 ∼ 10:00 教授室 田 邉 一 成 時 間 場 所 担 当 者 試問日程 腎臓小児科 金曜日 14:00 ∼ 15:00 腎臓内科 土曜日 9:30 ∼ 11:00 東病棟 5F BST 服 部 元 史 東病棟 4F 医局会議室 新 田 孝 作 指導医一覧表 所 属 職 名 氏 名 第 四 内 科 学 主任教授 (腎臓内科) 臨 床 教 授 〃 講 師 〃 〃 〃 准 講 師 〃 〃 〃 助 教 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 所 属 新 田 孝 作 泌 尿 器 科 学 土 谷 健 〃 望 月 俊 雄 〃 武 井 卓 〃 板 橋 美津世 〃 森 山 能 仁 〃 塚 田 三佐緒 〃 清 水 阿 里 〃 片 岡 浩 史 〃 越 智 文 美 〃 佐 藤 尚 代 東医療センター 腎 臓 小 児 科 教 授 服 部 元 史 泌尿器科 〃 講 師 秋 岡 祐 子 〃 准 講 師 近 本 裕 子 〃 非常勤講師 甲 能 深 雪 骨盤底機能再建 〃 助 教 石 塚 喜世伸 診療部 〃 〃 菅 原 典 子 血液浄化療法科 泌 尿 器 科 学 主 任 教 授 田 邉 一 成 〃 〃 臨 床 教 授 石 田 英 樹 〃 〃 准 教 授 近 藤 恒 徳 〃 〃 〃 乾 政 志 〃 〃 講 師 橋 本 恭 伸 〃 − 98 − 職 名 氏 名 准 講 師 〃 助 教 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 家 後 理 枝 小 林 博 人 小 内 友紀子 野 崎 大 司 飯 塚 淳 平 高 木 敏 男 尾 本 和 也 大 前 憲 史 土 岐 大 介 奥 見 雅 由 臨 床 教 授 中 沢 速 和 講 師 伊 藤 文 夫 非常勤講師 合 谷 信 行 教 授 巴 ひかる 教 授 〃 講 師 准 講 師 〃 助 教 秋 葉 隆 峰 島 三千男 木 全 直 樹 岡 野 一 祥 三 和 奈穂子 塚 田 三佐緒 循環器内科、循環器小児科 1. 一般目標 循環器内科・循環器小児科における臨床実習の目標は、第一に学生が卒後どの専門分野に進ん でも、医師として患者の診療に必要な基本的な技能・態度を身につけることである。患者および 家族など関係者からできるだけ多くの情報をとり、問題点を抽出・解釈し、問題解決のための診断・ 治療・教育計画を優先順位を考慮して、自学で立案する態度・習慣を習得し、医療チームの中に 入り、受持患者の診察に際し約束を確実に実行して良い医師患者関係確立の方法を体験すること である。第二に循環器病診療のために必要な基本的知識と技能を習得し、系統的に整理し、全人 的診療を行う習慣を身につけることである。 2. 学習に必要な知識(事前に復習すべき必要最低限の知識)循環器内科・循環器小児科 コアカリキュラム ○ 主な症候(動悸・失神・息切れ・胸痛・浮腫・チアノーゼ)の病態を説明できる。 ○ 12 誘導心電図のとり方を確認し実行できる。 ○ 心雑音の種類を確認する。 (収縮期雑音、拡張期雑音、連続性雑音) ○ 右心カテ、左心カテでは何を評価するかを説明できる。 ○ 心エコーの B、M モード、カラードプラでは何を評価できるかを説明できる。 ○ 刺激伝導系についてについて説明できる。 ○ 主な不整脈についてその機序を説明できる。 ○ 急性冠症候群の診断(心電図、酵素…)について説明できる。 ○ 冠動脈造影検査で評価できる病態は? ○ Sellers の分類とは何か? ○ Forrester 分類と Killip 分類について説明できる。 ○ 主な先天性心疾患(心房中隔欠損、心室中隔欠損、房室中隔欠損、動脈管開存、ファロー四 徴症、完全大血管転換症、総肺静脈還流異常症、エプスタイン奇形、肺動脈閉鎖)の解剖が 説明できる。 ○ 心房中隔欠損、心室中隔欠損、ファロー四徴症の血行動態を説明できる ○ 代表的な先天性心疾患(心房中隔欠損、心室中隔欠損、ファロー四徴症、完全大血管転換症、 総肺静脈還流異常症、エプスタイン奇形)の胸部レントゲン写真の所見を説明でき、肺血流 増加、減少の意味が説明できる。 3. 実習内容 循環器内科・循環器小児科ではテュートリアル方式により病院実習の教育にあたる。実習では、 POMR を記録することにより、循環器疾患のみならず、病像の全人的把握、問題点の整理、評価 を行い、患者および家族との人間関係の形成などについての学習を基本とする。 毎日時刻を約束し担当した患者の愁訴をよく聞き、vital sign を測定する。さらに視診、触診、 打診、聴診の基本を実施し、循環器系に関して、小児から老人までのライフサイクルに応じた診 療に必要な技能と、臨床における患者の健康に関する問題の全人的把握と評価の技能を身につけ、 健康問題の整理から診断へのアプローチを試みる。 実習期間は 2 週間とし、別表の如き時間割で実施する。学生各人が、それぞれ 1 名以上の患者 − 99 − の主観的情報と客観的情報(主訴、病歴、身体所見および検査所見)を収集する。情報を整理し て、検査、診断および治療について考慮し、POS に則って記録する。実習期間中毎日受け持ちの 患者と指導医とに面接し、逐次新しい情報を収集する。聴診に関しては、イチローを用いたシミュ レーターによる実習の後に、実際の雑音を有する患者の聴診をベッドサイドにて指導医のもとで 行う。実習後期にはテュートリアルで集まり、それぞれの症例について互いに検討する。また 12 誘導心電図を多数例判読することにより、臨床心電図の基本を身につける。指導医の日常診察に 陪席し、さらに回診、講義およびテュートリアルを通じて、診療法と検査法を見学あるいは実施し、 ティーチングファイルを通覧し、循環器系の基本的技能を習得する。 4. 具体的目標 コアカリキュラムの具体的到達目標(循環器内科・循環器小児科) 循環器学臨床実習が終了すると、下記の項目に関して、基本的技能・態度を体得し、また、そ の理論と意義を述べることができる。 a. 基本的技能 1)面接技法 2)病歴聴取法(成人および小児) 3)身体診察法…一般診察(視診、 打診、 聴診、 触診、 計測法) 4)臨床検査法…一般検査(血液、 尿、 便、 血液生化学、 血液ガスなどの検査デー タの解釈) 5)問題指向型患者記録(POPR)の作成 6)治療計画および手技…a)安静 b) 食事療法 c)輸液、輸血療法 d)人工呼吸(用手、口−口、レスピレーター)挿管、人工 呼吸器 8)疾病の予防…a)健康相談 b)院内感染の予防対策 c)放射線障害の予防 d) 労働医学、医療保障、社会保障に関する実務 9)診断書の書き方 b. 循環器系基本的技能 1)循環診察法…a)脈拍 b)心音・心雑音 c)血管観察 2)一般検査…a)心電図:解釈 と評価 b)レントゲン写真:解釈と評価 c)超音波(心エコー図) :解釈と評価 3)特殊検査…a)心臓カテーテル検査:見学、解釈と評価 b)心臓血管造影検査:見学、 解釈と評価 c)心臓電気生理学的検査:見学、解釈と評価 d)負荷試験(運動・薬剤) :見学、 解釈と評価 e)静脈圧測定:見学、解釈と評価 f)断層撮影、CT(心血管) :解釈と評価 g) 核医学(心プールスキャン、心筋シンチ) :解釈と評価 h)長時間連続記録心電図:記録と 解析 5)循環器系各種病態および疾患の診断 6)治療計画および手技…a)安静 b)食事療 法 c)薬物療法 d)緊急症の処置…蘇生法、除細動器、ペースメーカー、モニターと集中 治療 e)社会復帰、リハビリテーション 7)入院適応の決定 8)手術適応の決定 9)疾 病の予防…a)栄養指導 b)遺伝相談 c. 学生が指導医の指導・監視のもとに行える医療行為の範囲 1) 指導医の指導・監視のもとに学生に実施させるもの 血圧測定、心電図検査 2) 学生に介助、見学させるもの 超音波エコー検査、心臓カテーテル検査、トレッドミル検査、中心静脈圧測定、ICU、 CCU での人工呼吸器、モニター、大動脈内バルーンパンピング装置 選択診療科(1W)としての到達目標(循環器内科) コア・カリキュラムで学んだ基本的な臨床実習の到達目標の中で、自分でまだ不十分と思った 点、見たいと思っていたが、そのチャンスがなく見られていないもの、担当となった症例とは別 − 100 − の疾患につき掘り下げて勉強したいことなどを中心に行う。 CCU、カテ室、外来・救急をそれぞれ 2 日ずつローテイトする。 A:CCU CCU 入院症例の申し送りに参加し、新規入院例の Problem list 抽出を行う。bed side monitor の意義について理解する。重症例の処置を見学、または手伝う。 (清潔、不潔の観念を理 解する)人工呼吸器や IABP 管理の症例の観察点を学ぶ。家族への IC に立会い、重症患者 の家族への説明を知る。 B:カテ室 カテ室 Dr とともにカテ前に回診を行い、症例ごとのカテメニューについて、自分で具体的 に立案できるようにする。患者さんの身体所見をとる。カテに手洗いして入り、具体的な手 技について理解する。造影結果の判読会に参加し、各症例の最終診断へのプロセスを理解す る。カテ後の回診を行い診察し合併症の有無などを評価する。 C:外来・救急 新患担当の外来にて、病歴聴取や診察法、検査のプランについて見学する。血圧測定などを 手伝いながら、異常所見を有する患者の診察を行う。救急外来では、循環器救急症例に対す る病歴聴取、検査、救急の治療を見学し、チームの一員としてその処置に参加する。 自主選択実習(3W)としての到達目標(循環器内科) コアカリキュラムで学んだ基本的な臨床実習の上に、さらに循環器内科として専門的な分野に ついて学習する。医療チームの一員として参加し、問題抽出、解決のために何が必要かを考え、 基本的技能、循環器系の基本的技能を身につけ、指導医の指導・監視のもとに学生が行える医療 行為の実践を行う。 選択診療科(循環器小児科)実習の内容(1 週間) 一般到達目標 1)コア診療科での実習を通して身につけるべき診療の基本、身体診察、基本的臨床手技におけ る到達目標の再確認と不足の補充。 2)コアカリキュラムで実習した小児循環器疾患について、実際に患者と接することによりその 知識を深め、必要な技術を学びその御両親、家族に共感をもって接するような態度、マナー を身につけることを目標とする。 実習内容:入院症例を中心とした実習とする 1)病棟担当医(グループ)指導のもとに病棟実習する。そのことにより患者の診察、心エコー 検査、心臓カテーテル造影検査を学ぶ。 2)水曜日の教授回診につき、病棟の患者について学ぶ。 3)毎日の朝、夕方のカンファランス、火曜日の循環器小児科、小児外科合同カンファランス、 水曜日のエコーカンファランス、金曜日の循環器小児科のカンファランスに参加する(スケ ジュール表) 。 5)一度は外来診療を見学する。 6)外来主治医、病棟担当医が行う患者、家族への説明に同席する。 − 101 − 自主選択実習(循環器小児科)の内容(3 週間) 到達目標 一般到達目標:循環器小児科を自主選択実習として選択した学生が、先天性心疾患を代表と した小児循環器疾患について、知識を深め、必要な技術を学び、同時に患者もしくはその御両親、 家族に共感をもって接するような態度、マナーを身につけることを目標とする。 行動目標: 1)主な先天性心疾患について、その臨床像、病態を理解し、検査、治療の進め方の基本を学習 し、発表することができる。 2)患者さんの有する医学的問題点について、情報を収集し、対応を考察、意見を述べることが できる。 3)視診、触診、聴診などから理学所見をとることができ、心電図、胸部 X 線写真などの基本 検査の取り方を学び、判読ができる。 4)心エコー検査、カテーテル造影検査などの特殊検査を見学し、その検査を理解できる。 5)医師として、適切な態度、マナーを習得し、患者もしくはその御両親、家族、またコメディ カルと好ましい関係を築くことができる。 6)小児循環疾患の緊急の対応について見学、体験する。 実習計画:入院症例を中心とした実習とする 1)3 週間のクラークシップの期間を 1.5 週間毎にわけ、二人の病棟担当医(別々のグループ) 指導のもとに病棟実習する。 2)水曜日の回診につき、病棟の患者について学ぶ。 3)毎日朝、夕、火曜日の心臓血管外科・循環器小児科合同カンファランス、水曜日のエコーカ ンファランス、金曜日の循環器小児科カンファランスに参加する。 4)病棟研修の時間に病棟の入院患者、受け持ち患者の診療を、また許容範囲内で特殊検査を含 めた医療行為を病棟担当医の指導のもとに行う。 5)3 週間の間に 1 回は病棟担当医とともに当直を経験する。 6)3 週間のうち一度は外来診療を見学する。 7)外来主治医、病棟担当医が行う患者、家族への説明に同席する。 8)担当した受け持ち患者のサマリーを作成し、3 週目の金曜日カンファランスに発表する。 5. 評価方法 指導医が 5 段階で評価する。 6. 参考図書 島田 馨 中山書店 2002 杉本恒明、 小俣政男、 水野美邦 内科学(8 版) 内科学書(循環器疾患) (6 版) 朝倉書店 2003 阿部正和他 新臨床内科学(8 版) 医学書院 2002 Harrison Principles of Internal Medicine McGraw−Hill 1991 医学書院 1986 Cardiology:Fundamentals Year Book 1987 and Practice Medical Publ. (12 版) 村田和彦、細田瑳一 Brandenburg et al. 循環器病学 − 102 − Netter(榊原 仟訳) CIBA Collection:Heart 丸善 Anderson et al. Cardiac Anatomy Gower Hurst et al. Atlas of the HEART Gower Weed(紀伊国ら訳) 診療記録、医学教育、医療革新 医学書院 1980 (POMR の試み) 水野美淳、木全心一 診断学提要 医学図書出版 Constant Bedside Cardiology Little, Brown 高尾篤良、門間和夫編 臨床発達心臓病学(改訂 3 版) 中外医学社 Hugh D Allen MD ほか編 MOSS & Adams Heart Disease in Williams and Wilkins 黒沢博身、Becker 先天性心疾患の刺激伝導系 2001 Infants, Children and Adolescents(8 版) Springer−Verlag Goldman(吉利、宮下訳) 図解心電図学 金芳堂 小柳 仁、門間和夫他 新心臓カテーテル法 南江堂 木全心一、門間和夫他 心臓大血管造影 医学書院 早川弘一、比江嶋一昌 臨床心臓電気生理学 南江堂 Cooley (小柳、 今井、 橋本訳) 心血管外科手術手技アトラス 医学書院 今井康晴、堂本 実 新小児医学体系(小児心臓外科学) 中山書店 Stark and de Leval Surgery for congenital heart defects Grune & Stratton 遠藤真弘編 Coronary Intervention 南江堂 門間和夫、 鈴木 伸、 小柳 仁 心臓カテーテル法ハンドブック 南江堂 日野原重明、高久史麿監訳 メディカルサイエンス 1984 患者診断学 1988 インターナショナル 細田瑳一、杉本恒明 心臓病学 南江堂 1991 Wilcox, Anderson Surgical anatomy of the heart 南江堂 1985 中外医学社 1988 小柳仁、 木全心一、 遠藤真弘、 心不全の治療 西田 博 新薬から補助心臓まで J. A. Routh Thoracic Oncology W. B. Saunders Co. 1989 中沢 誠編 目でみる循環器病シリーズ 5 MEDICAL VIEW 1999 医学書院 1993 先天性心疾患 広沢弘七郎監 心臓病の自然歴 笠貫 宏編 心臓カテーテルアブレーション 医学書院 1994 山口 徹編 冠動脈インターベンション 南江堂 1995 南江堂 1993 循環器 Now 11 高野照夫編 急性心筋梗塞 循環器 Now 2 村山正博、笠貫 宏編 心臓性突然死 医学書院 1997 笠貫 宏編 不整脈 メディカルビュー 2000 笠貫 宏編 心疾患の薬物治療を考える 文光堂 1997 笠貫 宏、坂東重信 不整脈心電図の診かた 医薬ジャーナル社 1997 小柳 仁、黒澤博身編 心臓血管外科手術のための解剖学 メジカルビュー社 1998 Braunwald Heart Disease(6 版) SAUNDERS 2001 − 103 − 吉川純一編 臨床心エコー図学(第 2 版) 文光堂 2001 小室一成編 講義録 循環器学 メディカルビュー 2004 福井次矢、奈良信雄編 内科診断学 医学書院 2000 高久史麿、尾形悦郎、 新臨床内科学 医学書院 2002 石川恭三編 心臓病学 医学書院 1995 早川弘一、笠貫 宏編 心房細動・粗動・頻拍 医学書院 1999 笠貫 宏編 心電図で解く 文光堂 1995 笠貫 宏、松崎益徳編 心不全と不整脈 南江堂 2005 黒川 清、矢崎義雄(監修) ─慢性心不全の生命予後改善のために─ 田中茂夫、笠貫 宏編 ガイドラインに基づいた 南江堂 2005 最新ペースメーカー・ICD 植込みと管理 Leonard S. Lilly(原著) 心臓病の病態生理(第 2 版) 川名正敏、川名陽子(翻訳) ─ハーバード大学テキスト − 104 − メディカル・サイエンス 2004 インターナショナル 循環器内科・小児科実習表 実 習 係 循環器内科 上野敦子(28387)、循環器小児科 篠原徳子(23111) 連 絡 係 医局事務 鶴野晃代(23111) 集合場所 西病棟 B 棟 1F 小会議室 第1週 8 9 10 11 12 月 8:30 病棟実習(指導医) 担当症例を紹介し、 オリエ 医療面接を行う。 ンテー ション ② 火 7:50∼ 8:20∼ 病棟 8:10 心電図 実習 朝の (指田) カン ⑧ ファ ① 循環器系 病棟 検査 カ テ ー テ ル 実習 (山口) カテーテル 室で行われ ている症例 の 手 技・診 断・治療につ いて学ぶ。 ⑦ 14 13 15 病棟実習(指導医) 循環器系 Problem list を抽出す 検査 る。 自 分 で 到 達 目 標 心エコー (芦原) を設定する。 検査基本 の復習を 行う。① 16 17 18 16:30∼ イチロー実習 (高木) シミュレーター を用いて身体所 見のとり方、聴 診について学習 する。⑥ 病棟実習 小児科・小児 外科カンファ レンス(中西) 手術適応、方 法 に つ い て、 実例をみて discussion に 参加する。 ① 病棟実習 急性冠症 先天性疾患 心不全 (志賀) 候群と動 (富松・中西) 代 表 的 な 心 心不全症例 脈硬化 疾患の video の 病 態 を (佐藤(加)) を み て 所 見 理解し、診 ② を 記 載 し、断法、治療 診 断 ま で の 法について プ ロ セ ス を discussion 学ぶ。① する。② 病棟実習 木 7:50∼ 病棟 教授回診(萩原) 8:10 実習 担当患者の Problem list 朝の を解決するために何を カン すべきか、報告し、問 ファ 題点の整理をする。 ① (各病棟) 循環器系 (小川) 虚血性心 疾患の診 かた 薬物治療 について ② 病棟実習 金 7:50∼ 病棟実習 8:10 朝の カン ファ ① 水 7:50∼ 先天性心疾患の学生回診 8:10 (中西) 朝の 実際に診察を行い、レントゲ カン ン、心電図などの資料をもと ファ にテュートリアル形式で、患 ① 者さんの診断、治療に関する 問題点を discussion する。 (6F 病棟) 病棟実習 内科・外科検討会 手術治療・カテーテル 治療の適応について実 例をみて discussion に 参加する。 ① 土 場所 ①:カンファレンスルーム (西病棟 B 1F) ②:1F ベンチルーム (会議室) (西病棟 B 1F) ③:1F エコー室 (西病棟 B 1F) ④:3F エコー検査室 (西病棟 B 3F) ⑤:臨床技能センター (1 号館 3F) ⑥:6F の BST (西病棟 B 6F) ⑦:カテーテル検査室 (西病棟 B 2F) ⑧:心電図室 (西病棟 B 1F) − 105 − 循環器内科・小児科実習表 実 習 係 循環器内科 上野敦子(28387)、循環器小児科 篠原徳子(23111) 連 絡 係 医局事務 鶴野晃代(23111) 集合場所 西病棟 B 棟 1F 小会議室 第2週 8 9 月 7:50∼ 病棟実習 8:10 朝の カン ファ ① 火 7:50∼ 8:10 朝の カン ファ ① 10 11 12 経食 病棟実習 道心 エコ ー見 学 ④ 14 13 15 17 18 16:30∼18:00 身体所見の取り 方 (高木) (病棟) 病棟実習 小児科・小児 外科カンファ レンス(中西) 手術適応、方 法 に つ い て、 実例をみて discussion に 参加する。 ① 病棟実習 7:50∼ 病棟 教授回診(萩原) 8:10 実習 担当患者の Problem list 朝の を解決するために何を カン すべきか、報告し、問 ファ 題点の整理をする。 ① (各病棟) 病棟実習 病棟 13:15∼14:30 実習 心臓リハビリ テーション (上野) 心臓リハビリテ ーションに関す る知識を整理し 問題点を理解す る。② 病棟実習 金 7:50∼ 病棟実習 8:10 朝の カン ファ ① 水 病棟実習 木 14:30∼16:00 薬物治療 循環器系 検査 先天性疾患 (村崎) (篠原) 抗 凝 固 療 心電図 代表的先天性心疾 法 に 関 す (真中) 基本的な見 患の病態、臨床所 る 知 識 を 方 に つ い て 見、治療について 整 理 し 問 実 例 を も と 問題抽出、discus- 題 点 を 理 に discussion sion し知識を整理 解する。 する。② ② する。② 7:50∼ 先天性心疾患の学生回診 8:10 (中西) 朝の 実際に診察を行い、レントゲ カン ン、心電図などの資料をもと ファ にテュートリアル形式で、患 ① 者さんの診断、治療に関する 問題点を discussion する。 (6F 病棟) 病棟実習 16 まとめ (萩原) 循環器系検査 不整脈(庄田) 実際の心電図 診 断 を 行 い、 カテーテル 治療に関し discussion す る。② 内科・外科検討会 手術治療・カテーテル 治療の適応について実 例をみて discussion に 参加する。 ① 病棟実習 土 場所 ①:カンファレンスルーム (西病棟 B 1F) ②:1F ベンチルーム (会議室) (西病棟 B 1F) ③:1F エコー室 (西病棟 B 1F) ④:3F エコー検査室 (西病棟 B 3F) ⑤:臨床技能センター (1 号館 3F) ⑥:6F の BST (西病棟 B 6F) ⑦:カテーテル検査室 (西病棟 B 2F) ⑧:心電図室 (西病棟 B 1F) 第 3 土曜日については総括のスケジュールは変更となります。 − 106 − 選択診療科のスケジュール(循環器内科) 月 火 水 木 金 土 学生① CCU CCU カテ室 カテ室 外来 外来 学生② CCU CCU カテ室 カテ室 外来 外来 学生③ 外来 外来 CCU CCU カテ室 カテ室 学生④ 外来 外来 CCU CCU カテ室 カテ室 学生⑤ カテ室 カテ室 外来 外来 CCU CCU 学生⑥ カテ室 カテ室 外来 外来 CCU CCU − 107 − 選択科としての循環器小児科実習表 月 火 水 木 富松 (AM PM) 中西 (AM PM) 清水 (AM PM) 竹内 (AM) 石井 (PM) 篠原 (AM PM) 稲井 (AM PM) 外来 石井 (胎児心エコーAM) 金 土 中西 (AM) 富松 (AM PM) 中西 (特診) 篠原 (PM) 石井 (胎児心エコーAM) 竹内、 石井 稲井 (AM) 稲井 (遺伝AM) 豊原 (PM) 篠原 (PM) 病棟 7:50 8:00 10:00 オリエン 病棟研修 テーショ ン 9:00 (6F. BST 篠原) 水 病棟研修 Evening Conference (6F. BST、 申し送り) 中西、富松、 石井、杉山 Echo Conference 富松 (1F. 会議室) 病棟実習 Evening Conference (6F. BST、 申し送り) 中西、石井、 篠原、稲井 病棟研修 Evening Conference (6F. BST、 申し送り) 土 Morning 病棟研修 Conference 回診(富松/杉山) (6F. BST, 9:30 中西、富松、 稲井、篠原) Conference (6F. BST、 申し送り) 富松、杉山、 篠原 カテ会議 循環器小児科、外科合同 Conference 1F. 会議室 病棟会議 Evening Conference (6F. BST、 申し送り) 中西、富松、 篠原、杉山 昼休み 金 Morning 病棟研修 Conference (6F. BST, 中西、富松、 稲井、篠原) 19:00 20:00 20:30 病棟研修もしくは外来見学 昼休み 木 病棟研修 担当患者さ んの問題点 の整理 18:00 Evening Conference (6F. BST、 申し送り) 富松、 杉山、 篠原、 石井 昼休み Morning 中西教授 Conference 回診 9:45 (6F. BST, 中西、富松、 稲井) 17:00 病棟研修 昼休み 病棟研修もしくは 外来見学 Morning 山崎教授 Conference 回診 (6F. BST, 中西、富松、 稲井、篠原) 16:30 12:00 12:30 13:00 火 Morning Conference (6F. BST, 中西、富松、 篠原) 9:00 昼休み 月 Morning Conference (6F. BST) 循環器小児科 Conference 1F. 会議室 中西、富松、 篠原、稲井、 石井、杉山 *学生教育担当:篠原徳子(オリエンテーション) − 108 − 指導医一覧表 所 属 職 名 氏 名 所 属 循 環 器 内 科 主 任 教 授 萩 原 誠 久 循 環 器 内 科 〃 教 授 上 塚 芳 郎 〃 〃 臨 床 教 授 庄 田 守 男 〃 〃 准 教 授 志 賀 剛 〃 〃 〃 小 川 洋 司 〃 〃 特任准教授 村 崎 かがり 〃 〃 講 師 高 木 厚 〃 〃 〃 山 口 淳 一 〃 〃 特 任 講 師 松 浦 勝 久 〃 〃 准 講 師 佐 藤 加代子 〃 〃 〃 上 野 敦 子 〃 助 教 芦 原 京 美 循 環 器 小 児 科 〃 〃 真 中 哲 之 〃 〃 〃 江 島 浩一郎 〃 〃 〃 鈴 木 豪 〃 〃 〃 水 野 雅 之 〃 〃 〃 指 田 由紀子 〃 〃 〃 新 井 光太郎 − 109 − 職 名 氏 名 助 教 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 南 雄一郎 嵐 弘 之 芹 澤 直 紀 山 田 典 弘 鈴 木 敦 神 島 一 帆 岡 山 大 喜多村 一 孝 中 尾 優 吉 田 健太郎 教 授 講 師 〃 〃 准 講 師 助 教 中 西 敏 雄 稲 井 慶 杉 山 央 石 井 徹 子 富 松 宏 文 篠 原 徳 子 消化器病センター内科 1. 一般目標: 消化器病センターでの臨床実習の目標は以下の 2 つの点に集約できる。第一に、医師として患 者とそのご家族への愛情を持った真摯な対応、チーム医療における豊かな協調性、社会人として の礼儀。第二には、現在の医療水準に基づいた、医師として必要な消化器疾患の基本的知識、技 能の理解。 以上の目標に対して受け身の臨床実習ではなく学生が自分で患者の持つ問題を発見し解決する 機会を設けるように実習予定が組んである。 第一の目標に向けては、担当患者への訪問、診察、患者とそのご家族への病状説明に可能な限 り立ち会い、愛情を持って礼儀正しく接し、新たな疑問点を見つける。患者へは全人的なアプロー チをし問題解決を自分で考える。 第二の目標に向けて、消化器内科は以下に述べる予定で実習計画を作成している。具体的には、 学生は各班に所属し、班回診等への参加する。担当患者だけでなくその班の全症例の把握に努める。 そして、担当患者からの必要な情報(病歴、診察所見、検査結果)の収集に努め、病態の把握、診 断の進め方を学習し、必要な検査の適応と診断、治療計画と治療へ参加することで、その疾患に対 する一連の流れ(全体像)を理解する。また、各治療法の基礎的な理解に基づく、治療の適応、選 択を学び、予想される治療効果及びその副作用、合併症についても考察を行う。これらのことすべ てに関して担当医師、班回診でディスカッションし、知識の整理と疑問の解決を行う。総括として 教授回診で症例をプレゼンテーションし、教授・准教授から担当患者に対する口頭試問を受ける。 また、学生同士で担当症例についてのディスカッションを行い、実習グループでの知識の共有を目 指す。さらに臓器別回診、消化器内科症例検討会、ミニレクチャー、専門医とのディスカッション にも参加する。 2. 実習に必要な知識 学生は既に患者の問題を解決する学習を修了したことを前提とするので実習前に下記の点に関 して復習をすることが必要である。 ① 基本的診療技能 ② 症候(黄疸、貧血、出血傾向、リンパ節腫脹、腹痛、腹部腫瘤、腹水、肝性昏睡など)に対 する診療知識と診断技能 ③ 消化器疾患の基礎知識 3. 実習内容: 2 週間の予定のうち、担当患者を受け持ち、実際の診療実習を行うことで、問題を発見し自分 で解決する。つまり病態を理解し、診断治療に必要な検査と治療のプランニングを行う。また、 消化器疾患の診断に対する検査の目的、実施におけるポイント、その際に患者が受ける苦痛等を 十分理解し説明できるようにする。そして治療に関しては適応効果、副作用を十分に理解したう えで開始する。医学的問題だけでなく全人的なアプローチをし温かい心を持った医師となること を目指す。 病棟実習:各班へ 1 ∼ 2 名所属し、担当の患者一名を受け持ち以下の実習を行う。 − 110 − 疾患に関する情報の収集 病歴の聴取 (医療面接):挨拶と自己紹介に始まる対患者への基本的な対応を学ぶ。 身体所見(理学所見) :Vital Sign に始まり、神経所見を含め全身の所見を調べる。 一般検査 :血算、血液生化学、尿一般、心電図、単純 X 線検査が含まれる。 診断計画 上記の方法で得られた情報を基に、診断確定へ至る段階で、消化器疾患に特徴的な特殊検 査(消化管内視鏡検査、 画像診断など)が含まれる。その特殊検査の適応を考え、 その意義、 問題点を理解し説明できるようにする。 治療計画 確定診断がつき次第 (時には、それに優先して)患者の治療計画を考える。その際には、入 院の原因となった主要疾患だけでなく、合併症の有無を確認し治療計画を慎重に行う。 診療記録の記入 基本的には、POMR(問題指向型診療記録)に準じて行う。医師の電子カルテを見ること なく自分ですでに学習した POMR を復習し記載し、それに対して担当医がチェックしコ メントする。 症例の呈示 教授回診・班回診で症例の呈示を行う。担当症例に対して、 問題を自分で発見し解決した後、 症例呈示できるようにする。 4. 具体的到達目標 1)消化器スタッフの指導、監督のもとに学生が実際に行えるもの: 病歴の聴取、全身の診察、回診における患者の Presentation、POMR チャート作成 2)状況により学生が実施できるもの: 一部の検査(尿検査、血糖測定、ECG、単純 X 線検査、腹部エコー検査) 3)介助、見学できるもの: 上記以外の検査や治療手技(消化管内視鏡検査・X 線造影検査・画像診断など) 4)実践に基づいたレベルの高い消化器疾患の理解 5. 評価方法:教授、准教授による口頭試問と担当症例のレポート提出 6. 参考図書: 1)Bockus Gastroenterology(Second edition) WB Saunders Company 1995年 2)Schiff 編集 Disease of tne Liver(Ⅷ) JB Lippincoot Company 2003年 3)森岡恭彦、鎌田武信、消化器疾患の最新医療 先端生命医科学研究所 2001年 戸田剛太郎編集 4)日本臨床 ウイルス性肝炎(上) (下) 日本臨床社 2004年 5)日本消化器病学会 消化器病診療 医学書院 2004年 6)石井裕正他 臨床消化器病学 朝倉書店 2005年 7)長廻 紘他 消化管内視鏡テキストⅡ 文光堂 2005年 8)井廻道夫 消化器内科学テキスト 中外医学社 2006年 小腸・大腸(第 3 版) − 111 − 9)竹井謙之 消化器疾患 医歯薬出版 2006年 10)日本肝臓学会 慢性肝炎の治療ガイド 文光堂 2006年 11)菅野健太郎 消化器疾患の最新の治療 南江堂 2007年 12)跡見 裕 肝胆膵疾患の治療のエビデンス 文江堂 2007年 13)芳野純治他 内視鏡所見のよみ方と鑑別診断 医学書院 2007年 文光堂 2008年 日本臨床 2009年 ─上部消化管 14)長廻紘他 消化管内視鏡テキストⅠ 食道・胃・十二指腸 (第 3版) 15)幕内雅敏他 肝癌 16)日本消化器病学会 消化性潰瘍診療ガイドライン 南江堂 2009年 17)日本消化器病学会 慢性膵炎診療ガイドライン 南江堂 2009年 18)日本消化器病学会 胃食道逆流症診療ガイドライン 南江堂 2009年 19)日本消化器病学会 胆石症診療ガイドライン 南江堂 2009年 20)日本膵臓学会 急性膵炎診療ガイドライン 金原出版 2009年 21)日本胆道学会 急性胆管炎・胆囊炎の診療ガイドライン 医学図書出版 2009年 22)日本肝胆膵外科学会 胆道癌診療ガイドライン 医学図書出版 2009年 23)日本膵臓学会 膵癌ガイドライン 金原出版 2009年 24)日本消化器病学会 クローン病診療ガイドライン 南江堂 2010年 25)日本消化器病学会 肝硬変診療ガイドライン 南江堂 2010年 26)日本消化器病学会 肥満と消化器疾患 金原出版 2010年 27)白鳥敬子他 消化器研修ノート 診断と治療社 2010年 28)岡上 武他 NASH・NAFLDの診療ガイド 文光堂 2010年 29)日本消化器内視鏡学 消化器内視鏡ハンドブック 日本メディカルセンター 2012年 30)肝胆膵 C型肝炎のすべて 2012 アークメディア 31)肝胆膵 B型肝炎:克服へのロードマップ アークメディア 2012年 32)清澤研道他 肝移植診療ガイドブック アークメディア 2007年 33)日本肝臓学会 肝癌診療マニュアル 医学書院 2007年 34)工藤正俊他 肝・胆・膵癌 画像診断アトラス 羊土社 2010年 35)花田敬士 症状・画像から見抜く 羊土社 2011年 先端医療技術研究所 2011年 2012年 肝胆道系の鑑別診断 36)戸田剛太郎他 消化器疾患の最新医療 先端医療シリーズ 42 − 112 − 消化器内科実習表(西 A 病棟) 実 習 係 徳重克年(28509)、米沢麻利亜(29523) 連 絡 係 井上麻衣子(25212) 集合場所 消化器病歴室 8:45 火 病棟実習 朝、主治医と面談しその日 の到達目標を述べるととも に前日のチェックを受ける 水 病棟実習 朝、主治医と面談しその日 の到達目標を述べるととも に前日のチェックを受ける 木 病棟実習 朝、主治医と面談しその日 の到達目標を述べるととも に前日のチェックを受ける 金 8:30∼ 10:00 入院症例 検討会※ 10:00∼ 橋本教授回診 担当患者の診察から問題 を抽出し学習項目到達目 標を設定する 病棟実習 病棟実習 その日 に学ん だこと を主治 医とデ ィスカ ッショ ンする 専門医との ディス カッション 胆膵疾患に ついて (白鳥・清水) 病棟実習 下部 翌日の教授回診のプレゼンテーショ 消化管 ンの予演を副班長とする。新たな問 回診 題を抽出し解決するよう目標を設定 する 15:00∼ 超音波 病棟実習 病棟実習 検査の 実際 (斎藤) 病棟実習 土 学生同士で担当患者をプ レゼンテーションし互い に評価する (徳重、米沢) ※ 金曜日が休日の場合は月曜日の 8:30 から入院症例検討会を行う。 − 113 − 19:00 症例検討会 月 胆膵肝 オリエ 回診 ンテー ション (徳重) (米沢) 17:00∼ 18:00 下部消化管回診 16:00 12:00 13:00 ︵カンファレンスルーム︶ 9:30∼ 上部消化管回診 第一週 8:30 8:45 その日に学ん だことを主治 医とディスカ ッションする 消化器内科実習表(西 A 病棟) 実 習 係 徳重克年(28509)、米沢麻利亜(29523) 連 絡 係 井上麻衣子(25212) 火 水 病棟実習 朝主治医と面談しその日の 到達目標を述べる 木 病棟実習 朝主治医と面談しその日の 到達目標を述べる 金 8:30∼ 10:00 入院症例 検討会※ 病棟実習 専門医とのデ ィスカッション 腹部画像 診断 (鳥居) その日 に学ん だこと を主治 医とデ ィスカ ッショ ンする 専門医とのデ 専門医との ィスカッション ディスカッシ 肝疾患につ ョン 下部消化管 いて 疾患につい (徳重、谷合) て(飯塚) 16:30∼ 病棟実習 その日 に学ん だこと を主治 医とデ ィスカ ッショ ンする 専門医との ディスカッシ ョン 消化器内視 鏡の見方に ついて (中村真) 病棟実習 病棟実習 病棟実習 翌日の教授回診 のプレゼンテーシ ョンの予演を副 班長とする。新 たな問題を抽出 し解決するよう 目標を設定する 病棟実習 橋本教授回診 土 口頭試問(総括) (橋本・清水・徳重) 作成したレポートをもとに 消化器内科における学習態 度知識に関して評価を受け る ミニレクチャー 月 病棟実習 朝主治医と面談しその日の 到達目標を述べる 緩和医 療の実 際 (高山) 16:00∼ 17:00∼ 18:00 19:00 ︵カンファレンスルーム︶ 胆膵肝回診 15:00∼ 下部消化管回診 12:00 13:00 上部消化管回診 第二週 8:00 9:30∼ 翌日の教授、助教授による口頭試問に対して担当 医とディスカッションする。 また、腹部診察に関して副班長にチェックをうけ る ※ 金曜日が休日の場合は月曜日の 8:30 から入院症例検討会を行う。 − 114 − 試験日程 内 科 2 週目土曜日 時 間 場 所 担 当 者 9:00 ∼ 12:00 消化器病歴室または カンファレンスルーム 橋 本 悦 子 清 水 京 子 徳 重 克 年 指導医一覧表 所 属 職 名 氏 名 所 属 職 名 消 化 器 内 科 主 任 教 授 立元(白鳥)敬子 消 化 器 内 科 助 教 〃 教 授 橋 本 悦 子 〃 〃 〃 臨 床 教 授 斎 藤 明 子 〃 〃 〃 准 教 授 清 水 京 子 〃 〃 〃 〃 徳 重 克 年 〃 〃 〃 講 師 鳥 居 信 之 〃 〃 〃 〃 谷 合 麻紀子 〃 〃 〃 准 講 師 飯 塚 文 瑛 〃 〃 〃 助 教 岸 野 真衣子 〃 〃 高 山 敬 子 消化器内視鏡科 教 授 〃 〃 小木曽 智 美 〃 助 教 − 115 − 氏 名 米 沢 麻利亜 田 原 純 子 大 森 鉄 平 児 玉 和 久 長 尾 健 太 門 前 正 憲 伊 藤 亜由美 橋 本 果 奈 中 村 真 一 石 川 一 郎 消化器病センター外科 1. 一般到達目標: 消化器病センターによる臨床実習の目標は以下の 2 つの点に集約できる。 第一に、医師として患者、その家族への真摯な対応、チーム医療における豊かな協調性。 第二には、現在の医療水準に基づいた、医師として必要な消化器疾患の基本的知識、技能の習得。 以上の目標に対して、消化器病センターでの実習期間を有意義におくることができるよう、以 下に述べる実習予定を組んである。学生は、受け身の態度ではなく積極的に実習に向き合うこ とが要求される。 担当症例について全人格的な把握の仕方、病態解明のための検査計画、治療計画など医療現場 に於ける総合的医療体系について体験する。また実際の検査に立ち会い、当該検査法の適応、実 際の手技、手順、評価、などについて学ぶ、同様に実際の治療現場にも立ち会いその治療法の適応、 意義、手技、治療成績、などについて学ぶ。各グループの症例検討会、全体の手術症例検討会に も参加する。 2. 実習に必要な知識 1)消化器領域における腹部解剖の理解 2)食道、胃、大腸、肝胆膵領域の基本術式の手順の理解 3)外科領域における清潔・不潔の観念の理解 4)外科領域における手洗い・消毒法の理解 5)皮膚縫合法・糸結び法の理解 6)手術器具の使用法の基礎の理解 7)消化器領域における各種検査法の基本の理解 3. 実習内容: 第1週目より、外科の担当患者を受け持ち、実際の診療、実習を行うことで、それぞれの疾患 の病態を理解し、診断治療に必要な検査予定のプランニングを行う。 各グループの症例検討会、全体の手術症例検討会に出席し、消化器疾患の理解を深める。 消化器病に必要な検査を見学する。検査の目的、意義、評価(読影など)にとどまらず、実 際の手技についても理解を深める。切除標本に実際に触れ、病理切り出しを見学する。 消化器疾患を患者さんを基に学び、症例カンファレンスの討議により理解を深める。 手術予定の患者さんを受け持ち、患者と行動を共にする。カルテを作成しスタッフの指導の もと、検査および治療計画を自分で立案し病態の把握のみならず病める患者の人格に触れ、 理解を深める。患者の社会的問題点もリストアップできる。また実際の手術に立ち合うこと により、外科治療の理解を深める。 4. 具体的到達目標 1)コア診療科実習としての到達目標: 病歴の聴取、全身の診察、各種回診における患者の Presentation、POMR チャート作成、一 部の検査(尿検査、血糖測定、ECG、単純 X 線検査、腹部エコー検査) 、プロブレムリスト の作成 − 116 − 2)選択診療科実習としての到達目標: 手術実習への参加、上記以外の検査、治療手技の介助、見学 3)自主選択実習としての到達目標: 上記 1)および 2) 5. 評価方法:教授による口頭試問と評価シート提出 6. 参考図書: 1)Harrison Principle of Internal Medicine 2)Bockus Gastroenterology 3)Sherlock Diseases of the Liver and Biliary System 4)戸田、大原編集 消化器病学 医学書院 5)杉本、小俣編集 内科学 朝倉書店 6)高崎、山本編集 消化器外科手術 へるす出版 7)武藤、幕内監修 新臨床外科学 医学書院 8)山本編集 これだけは知っておきたい消化器外科 医学書院 − 117 − 消化器外科実習表(西 A 病棟) 実 習 係 谷口清章(28579) 連 絡 係 窪田朝子(25214) 集合場所 消化器医局 8:00 第1∼4週 8:00 9:00 10:00 12:00 13:00 15:00 16:00 17:00 18:00 19:00 回診・手術・検査 (笹川 谷口 山田 井上 大木 工藤 太田 成宮 野口) 手術・検査・カンファレンス 抄読会 7:30∼ 8:30∼ 教授 回診 回診・手術・検査 (山本 高橋 大島 羽鳥 樋口 江川 片桐 大森 有泉 山下 小寺 谷澤) 手術・検査・カンファレンス クルズス (大森) (山田) (谷澤) (成宮) クル ズス (江川) (28537) 回診・手術・検査 手術・検査・ カンファレンス クルズス (谷口) (28579) 月 オリエ ンテー ション (谷口) クル ズス (羽鳥) 火 水 手術・検査・カンファレンス 回診・手術・検査 週の まとめ (山本 高橋 江川 (山本 樋口 片桐 大森 28543) 有泉 山下 小寺 谷澤) 手術・検査・カンファレンス 木 回診・手術・検査 ※症例 (笹川 谷口 工藤 検討会 羽鳥 大木 野口 (7:30∼) 井上 成宮 大島 太田 山田) 金 クルズス (小寺) (28564) 各班回診 土 症例カンファレンスに担当症例を持ち寄る。 随時、指導医が学生のカルテをチェックする。 − 118 − ※症例検討会では受け持ち患者を英語で プレゼンテーションする。 消化器外科コア実習表 実 習 係 羽鳥 隆(28549)、谷口清章(28579) 連 絡 係 窪田朝子(25214) 集合場所 消化器医局 8:00 第1∼4週 8:00 16:00 9:00 月 火 第 1 週 オリエンテーション (谷口) 第 2 週 症例カンファ (羽鳥) 回診、病棟、手術実習 (笹川 井上 太田 谷口 大木 成宮 山田 工藤 野口) 抄読会 (7:30∼) 回診、病棟、手術実習 (山本 江川 羽鳥 片桐 有泉 小寺 高橋 樋口 大森 山下 谷澤 大島) 17:00 18:00 (8:30∼) 教授回診 水 木 クルズス 江川 (28537) 回診、病棟、手術実習 症例検討会 (7:30∼) 回診、病棟、手術実習 (笹川 羽鳥 井上 太田 谷口 大木 成宮 山田 工藤 野口 大島) 金 週のまとめ 病理 (山本28543) 実習 主任教授 (山本) 症例カンファ (谷口) 症例カンファ 回診、病棟、手術実習 (山本 江川 片桐 有泉 小寺 (小寺) 高橋 樋口 大森 山下 谷澤) 総括 25211第2週 各班回診 土 症例カンファレンス 各チーム代表者(学生)による症例呈示(1 人 / 日)後現病例提示により診断、治療に必要な 検査項目を抽出し検討する。 担当症例の検査結果を提示(各種画像検査を含む)し検査結果より考えられる疾患、鑑別疾患 の抽出する。これらを元に治療方針を決定し最終的に消化器外科教室が選択した方針を確認す る事で担当症例を幅広く検討する術を身に着ける事を目標とする。 エコー実習 超音波検査を実際に施行、体験する事により腹部臓器の正常解剖を把握し病態を考える力を養 うと共に、検査の実際を体験する事により患者側中心の医療を考える力を養うことを目標とする。 − 119 − 消化器外科選択診療科実習表(西 A 病棟) 実 習 係 谷口清章(28579) 連 絡 係 窪田朝子(25214) 第1週 8:00 9:00 月 オリエンテーション (谷口) 各班回診 火 抄読会 15:00 16:00 17:00 18:00 回診、病棟、手術実習 (笹川 井上 太田 谷口 大木 成宮 山田 野口 工藤) 回診、病棟、手術実習 (山本 江川 羽鳥 片桐 有泉 小寺 高橋 樋口 大森 山下 谷澤 大島) (8:30∼) 教授回診 各班回診 回診、病棟、手術実習 水 クルズス (江川) 病棟、手術実習 (笹川 羽鳥 井上 太田 谷口 大木 成宮 山田 工藤 野口 大島) 週のまとめ 病理 (山本 実習 28543) (山本) 病棟手術実習 (山本 江川 片桐 有泉 小寺 高橋 樋口 大森 山下 谷澤) 木 症例検討会 (7:30∼) 金 各班回診 土 − 120 − クルズス (谷口) 指導医一覧表 所 属 職 名 氏 名 所 属 職 名 氏 名 消 化 器 外 科 主 任 教 授 山 本 雅 一 消 化 器 外 科 准 講 師 大 木 岳 志 〃 助 教 谷 口 清 章 〃 教 授 江 川 裕 人 〃 〃 高 橋 豊 〃 准 教 授 羽 鳥 隆 〃 〃 大 森 亜紀子 〃 講 師 片 桐 聡 〃 〃 山 田 卓 司 〃 〃 笹 川 剛 〃 〃 山 下 信 吾 〃 〃 太 田 正 穂 〃 〃 谷 澤 武 久 〃 〃 井 上 雄 志 〃 〃 工 藤 健 司 〃 〃 有 泉 俊 一 〃 〃 野 口 岳 春 〃 准 講 師 小 寺 由 人 〃 〃 大 島 奈 々 〃 〃 成 宮 孝 祐 〃 〃 樋 口 亮 太 − 121 − 神 経 内 科 神経内科の臨床実習は 2 週間行なわれ、第 1 週の月は画像診断・核医学科が担当する。各科の 到達目標とスケジュール表は以下のとおりである。 1. 一般到達目標 神経内科における臨床実習の目標は、卒後どのような専門領域に進んでも、患者の神経内科学 的診療が要求される場合に必要な基本的な技能・態度を習得することにある。その第一は病歴の 聴取、神経学的診察による症候の把握、局在診断と原因病変の診断、治療法に関する知識の習得を、 第二には難病とされる疾患の多い神経内科領域での医師・患者関係を確立し、全人的医療を習得 せしめるよう配慮する。 2. 実習に必要な知識 神経学的診察法 神経学的補助診断(検査)法 神経疾患の診断 3. 内容 学生 l グループを 3 名の指導医(学生 2 名/指導医 l 名)が直接指導する。当科に於ける実習 期間に l 例の患者を受け持つが、臨床経過、神経所見等を POS に従って記録し、診断、治療まで を学び、週末のカンファランスで検閲を受ける。 実習スケジュールは別表に示す通りである。 POMR の記録、間題点の評価と整理、病像の全人的把握、良き医師対患者(もしくは家族)関 係確立等についての学習に主眼を置く。担当の患者についてその愁訴を詳細に検討することから 始まり、問診、視診の後に神経学的診察を行い、症例に即した 「 種類の診断 」 と 「 病巣の局在診 断 」 についての技法を修得する。さらに、担当症例の 「 神経学的補助診断 」 について検討、前記 の諸項目と合わせて最終診断を明らかにし、次いでその症例に最も適当な 「 治療法 」 を選択する。 可能なら指導者の管理下でそれぞれに参加する。担当する患者について行なった面接で、愁訴、 既往歴、現病歴などの精報を蒐集し、次いで診察により一般理学的所見、神経学的所見を得た後、 それら総てを整理して診断に連なるように検討考察を行い、POS に則って病歴として記載する。 実習期間中は毎日受け持ち患者と面接し、遂次新しい所見、精報を蒐集しつつ経過について考 察し、指導医とともに検討を行なうものとする。また、指導医の日常診療、回診、クルズズ(講義、 検査法)には必ず出席参加し、注意深く見学して知識として吸収するとともに、可能な限り実地 手技をも経験するよう努める。神経学的所見のとり方については第 3 学年で入門が行なわれてい るので、そのレベルを向上せしめる。 教授外来診療の見学。実際の症例により臨床的事項について試問が行なわれる。総回診に参加 し、予め定められた准教授・講師級の教室員について、病棟入院中の各症例の臨床的事項につい てその指導を受ける。 選択診療科実習では病棟入院中の多数例について診断、治療について Problem list を作製し、 指導医と discussion する。 − 122 − 4. 具体的到達目標 神経内科学病院実習の期間中に下記の項目に関して基本的知識・技能・態度を修得し得るもの とする。 1. 臨床的基本技法 l)面接技法 2)病歴聴取法 3)身体診察法…一般理学的診察法(視診、 聴診、 計測法など)4) 臨床検査法…一般検査:血液、尿、便、血液生化学、血液ガス等の検査データの解釈・評価 5)問題指向型患者記録(POMR)の作成 6)治療計画及び手技 2. 神経系基本的技法 1)神経学的診察法…l. 精神機能・知的機能 2. 言語機能 3. 脳神経領域 4. 運動系(脊髄 神経系) 5. 反射 6. 感覚系 7. 共同運動 8. 髄膜刺激症状 9. 歩行 10. 自律神経症候 2)神経学的補助診断(検査)法…l. 神経放射線学的諸検査 a. 単純 X 線検査(頭蓋骨、脊 椎)b. 脳血管撮影、脊髄動脈撮影、脊髄造影 c. CT、MRI:MRA…脳出血、脳梗塞、く も膜下出血、脳動脈瘤、脳動静脈奇形、脳腫瘍、脳膿瘍、脳炎、等主要疾患について。2. 頸 部超音波検査…脳血管障害と頸動脈像 3. 神経生理学的検査…a. 脳波:検査の実際的方法、 正常脳波、代表的疾患でみられる異常脳波の読み方。b. 筋電図:検査の実際的方法、正常 筋電図、代表的疾患の異常電図所見の読み方。c. 末梢神経伝導検査:検査の実際的方法、 測定値の読みと意義。d. 大脳誘発電位(聴性脳幹反応、体性感覚誘発電位、視覚誘発電位) : 検査の実際的方法、測定値の読みと意義。e. 薬物による診断法:テンシロン検査 f. 自律 神経機能検査法 g. 高次機能・神経心理学的検査法 3)クルズスと見学…1. 末梢神経・筋 の生検の方法と組織病理学的観察方法。 2. 神経病理学的事項:神経疾患の脳病理学(光顕・ 電顕を含めて) 。3. 脳血管障害について…脳循環:SPECT 等。4. 免疫性神経疾患の臨床と 免疫学的諸検査の意義 5. 神経化学的検査法と臨床的な役割について 6. 腰推穿刺髄液検 査 7. ボツリヌス毒素療法の見学 8. その他 4)神経疾患の診断 5)治療計画…1. 安静 2. 食事療法 3. 薬物療法 4. 手術療法 5. リハビリテーション 6. 精神療法 7. 救急処置 法 8. 慢性期治療 9. その他 6)入院治療適応の決定 7)手術適応の決定 8)再発予防 選択診療科実習では神経学的診察法や検査法などについての理解を深め習得する。 自主選択実習では病棟の診療チームの一員として回診でのプレゼンテーション他科受診などを 受持医に準じて行う。当直や研究会への出席なども医局員に準じる。より実践的な経験を通して 神経内科の理解を深める。 5. 評価方法 実習中の出席、 指導医による評価と 2 週間終了時のレポート作成および口頭試問により評価する。 6. 参考図書 神経内科 Lewis P. Rowland Merritt’ s textbook of NEUROLOGY Lea & Febiger 2010 12 版 田崎義昭、斉藤佳雄編著 ベッドサイドの神経の診かた 17 版 南山堂 2010 豊倉康夫編 神経内科学書 第 2 版 朝倉書店 2004 Allan Ropper PRINCIPLES of McGraw−Hill 2009 Martin Samuels NEUROLOGY 9 版 Information Services − 123 − 岩田 誠著 神経症候学を学ぶ人のために Wilkinson, I. Lennox, G 著 簡要神経学 第 4 版 (岩田誠、岩田淳・訳) 柴崎 浩著 医学書院 2006 メディカルサイエンス 2006 インターナショナル 神経診断学を学ぶ人のために − 124 − 医学書院 2009 神経内科病院実習表 実 習 係 清水優子(28620) 連 絡 係 (神経内科)濱田(39232) 集合場所 仮研究棟 2F 神経内科医局 第1週 9 11 12 月 8:30∼ 神経内科オリエンテーション 9:00 病棟実習(病棟指導医) 担当患者医療面接 Problem list 作製 火 8:30∼ 総回診 (第一病棟 3 階第 4 会議室) (主任教授) ベッドサイドにおける 症例の見学・討論参加 担当患者紹介 13 15 13:00∼ 画像診断・核医学科 画像診断の基礎(阿部) 病棟実習 (病棟指導医) 15:00∼ 抄読会、症例検討会 水 木 金 土 病棟実習(病棟指導医) 身体診察 病棟実習(病棟指導医) ベッドサイドにおける 症例の見学・討論参加 13:00∼ 外来診療実習(主任教授) 9:00∼ 外来診療実習(主任教授) 病棟実習(病棟指導医) 身体診察 病棟実習(病棟指導医) 指導医と discussion クルズスは以下のうち 1 つを実施 神経病理学的検査法 神経生理学的検査法 神経筋生検 脳血管障害 免疫性神経疾患 不随意運動の鑑別診断 − 125 − 17 第2週 PM AM 月 9:00∼ 外来診療実習(主任教授) 病棟実習(病棟指導医) 身体診察 病棟実習(病棟指導医) 火 8:30∼ 総回診(主任教授) 15:00∼ 抄読会、症例検討会 水 病棟実習(病棟指導医) 追加情報の収集、Problem list 解決方法の再検討 レポート作成 病棟実習(病棟指導医) 病棟実習(病棟指導医) 作成レポートをもとに指導医と discussion 9:00∼ 外来診療実習(主任教授) 症例検討・口頭試問(佐々木) 木 病棟実習(病棟指導医) 身体診察 金 土 症例検討・口頭試問 (主任教授) (清水、飯嶋) レポート提出、グループ討論、 口答試問 症例検討・口答試問は担当者により金曜日または土曜日 選択診療科実習では 1 週間となる。 (第二週のスケジュールに準ずる) − 126 − 口頭試問日程 内 科 時 間 場 所 担 当 者 土: 9:00∼11:00 別館 4F 409 教授室 2 週目土曜日 金:13:30∼15:00 2 号館 2 階神経内科図書・講義室 佐々木 彰 一 (または金曜日) 土: 9:30∼11:30 〃 清 水 優 子 〃 〃 飯 嶋 睦 指導医一覧表 所 属 職 名 氏 名 神 経 内 科 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 主任教授 准 教 授 〃 〃 講 師 准 講 師 〃 〃 佐々木 彰 一 清 水 優 子 飯 嶋 睦 長 尾 毅 彦 中 村 智 実 丸 山 健 二 吉 澤 浩 志 所 属 職 名 氏 名 神 経 内 科 助 教 内 山 由美子 〃 〃 遠 井 素 乃 〃 〃 鈴 木 美 紀 〃 〃 水 野 聡 子 〃 〃 武 田 貴 裕 〃 〃 喜 古 英 一 〃 〃 白 井 優 香 − 127 − 血 液 内 科 1. 一般到達目標 1. 血液疾患患者と良好な人間関係を確立できる。 2. 問題解決に必要な情報を適切に収集できる。 ① 患者から必要な身体的、心理的および社会的情報を聞き出すことができる。 ② 患者の系統的な診察により必要な精神身体所見を得ることができる。 貧血、黄疸、肝脾腫、リンパ節腫脹、出血傾向(点状出血、紫斑、皮下溢血 )、扁桃肥大 3. 収集した情報より問題点を抽出することができる。 4. 各問題解決のための診断および治療計画を優先順位をつけて立案できる。 5. 問題解決に必要なコンサルテーション、文献検索などを活用できる。 6. 症例を適切に要約し、場面に応じた提示ができる。 2. 実習に必要な知識 ・ 病歴を聴取できる。 ・ 内科の診察ができる。 ・ 血球の産生調節機序と正常値を知っている。 ・ 赤血球疾患、白血球疾患、骨髄増殖性疾患、リンパ増殖性疾患、血漿蛋白異常、出血傾向、 についての基本的な病態を理解している。 3. 内容 月曜日に医局に集合し、オリエンテーションをうける。血液疾患患者を一週間単位で受け持つ。 通常 1 人の学生が 1 人の患者を受け持ち、診療録を POMR に基づき記載する。また、その患者 について病歴、現症、診断、治療についてレポートを書き、金曜日に教授と学生全員で症例検討 会を行う。土曜日の回診で症例の経過を報告する。その他、外来での診察、骨髄検査を見学する。 抄読会、症例検討会、クルズス、病理標本実習など病棟での行事に参加する。 4. 具体的到達目標 コア診療科としての具体的到達目標 1. 血液疾患患者と良好な人間関係を確立できる。 2. 患者を診察し、問題解決に必要な検査所見を収集できる。 3. 収集した情報より問題点を抽出することができる。 4. 各問題解決のための診断および治療計画を優先順位をつけて立案できる。 5. 症例を適切に要約し、場面に応じた提示ができる。 選択診療科としての到達目標 1. 血液疾患患者と良好な人間関係を確立できる。 2. 患者を診察し、問題解決に必要な検査所見を収集できる。 3. 収集した情報より問題点を抽出することができる。 4. 診断および治療計画に優先順位をつけて立案できる。 5. 症例を適切に要約し、場面に応じた提示ができる。 − 128 − 6. 問題解決に必要なコンサルテーション、文献検索などを活用できる。 研修医と同様に複数の患者を診察し、同じレベルで診療にあたる。そのうち患者 1 ∼ 2 人 について、その病歴、現症、診断、治療についてレポートを書き、金曜日に教授と学生全 員で症例検討会を行う。 自主選択診療科としての到達目標 1. 血液疾患患者と良好な人間関係を確立できる。 2. 患者を診察し、問題解決に必要な検査所見を収集できる。 3. 収集した情報より問題点を抽出することができる。 4. 診断および治療計画に優先順位をつけて立案できる。 5. 症例を適切に要約し、場面に応じた提示ができる。 6. 問題解決に必要なコンサルテーション、文献検索などを活用できる。 研修医と同様に複数の患者を診察し、同じレベルで診療にあたる。そのうち患者 1 ∼ 2 人 について、その病歴、現症、診断、治療についてレポートを書き、金曜日に教授と学生全 員で症例検討会を行う。 5. 評価方法 指導医との討論、教授との学生症例報告、回診での症例呈示から、指導医および教授が 5 段階 で評価する。 6. 参考図書 溝口秀昭編 イラスト血液内科(第 2 版) 文光堂 2004 溝口秀昭編 血液内科診療ハンドブック(第 2 版) 南江堂 Greer JP et al Wintrobe’ s Clinical Hematology (13th ed)Lippincott Kaushansky K et al Williams Hematology(8th ed) McGraw Hill 2010 浅野茂隆他監修 三輪血液病学(第 3 版) 文光堂 2006 小澤敬也他編 講義録 血液・造血器疾患学 メジカルビュー社 2008 Hoffbrand AV et al Essential Hematology(6th ed) Blackwell 2011 中外医学社 2010 2005 2013 Williams & Wilkins 宮内 潤、泉二登志子編 骨髄疾患診断アトラス 血球形態と骨髄病理 − 129 − 血液内科実習表 実 習 係 森 直樹(28006) 集合場所 血液内科医局 月 オリエンテーション 8:45 9 12 13 15 14 15:30 16:30 16 17 火 病棟実習(森) 病棟実習(志関) ・ 担当患者に対する医療面接、診 察、各種検査所見から学生自身で problem list を作成する。 ・ problem list を仕上げる。 病棟実習(志関) 病棟実習(吉永) ・ 学生同士で担当患者の problem list、到達目標を発表し合い、グ ループ討論する。必要があれば修 正を加える。 ・ problem list、到達目標について診療スタッ フと再度討論し、必要に応じ修正あるいは 追加する。 ・ 到達目標について学生自身で情報検索や分 析を行い、解決方法を考える。 ・ problem list より学生自身で到達目標を設 定する。 クルズス ︵森・志関・今井・吉永︶ 症例検討会 ︵森・志関・今井・吉永︶ 抄読会 ︵森・志関・今井・吉永︶ 病理標本実習 ︵森・志関・今井・吉永︶ ︵吉永︶ 病棟実習 水 教授回診(田中) 木 金 病棟実習(今井) 病棟実習(森) ・ 担当症例の問題点およびその解 決法、解決結果についてレポート を作成する。 ・ 作成したレポートの内容について指導医と 討論する。 ・ 討論後各自必要に応じて補足学習やレポー トの修正を行う。 症例検討・試問(田中) 病棟実習(今井) ・ 担当した症例について各自が作 成したレポートを用いて発表し、 教授や他の学生と討論する。医学 的問題だけでなく心理社会学的 問題についても討論を行う。 ・ 午前の討論時に指摘された事項で追加検討 を行う。 ・ レポートを修正する。 講師回診(森・志関) 土 ・ 通常行われている回診に参加し、 担当患者について報告する。 ・ 回診後に担当症例のレポートを 医局へ提出する。 ・外来や骨髄穿刺等の検査は適宜見学する。 − 130 − 血液内科実習表(選択診療科としての実習表) 実 習 係 森 直樹(28006) 集合場所 血液内科医局 月 オリエンテーション 8:45 9 12 13 14 15 15:30 病棟実習(森) 病棟実習(志関) ・ 担当患者に対する医療面接、診 察、各種検査所見から学生自身で problem list を作成する。 ・ problem list を仕上げる。 16:30 16 17 ・ problem list より学生自身で到達目標を設 定する。 火 クルズス ︵森・志関・今井・吉永︶ 症例検討会 ︵森・志関・今井・吉永︶ 抄読会 病理標本実習 ︵吉永︶ 病棟実習 水 教授回診(田中) ︵森・志関・今井・吉永︶ 病棟実習(吉永) ・ problem list、到達目標について診療スタッ フと再度討論し、必要に応じ修正あるいは 追加する。 ・ 到達目標について学生自身で情報検索や分 析を行い、解決方法を考える。 ︵森・志関・今井・吉永︶ 病棟実習(志関) ・ 学生同士で担当患者の problem list、到達目標を発表し合い、グ ループ討論する。必要があれば修 正を加える。 ・ 作成したレポートの内容について指導医と 討論する。 ・ 討論後各自必要に応じて補足学習やレポー トの修正を行う。 ・ 担当症例の問題点およびその解 決法、解決結果についてレポート を作成する。 症例検討・試問(田中) 病棟実習(今井) 金 病棟実習(森) 木 病棟実習(今井) ・ 担当した症例について各自が作 成したレポートを用いて発表し、 教授や他の学生と討論する。医学 的問題だけでなく心理社会学的 問題についても討論を行う。 ・ 午前の討論時に指摘された事項で追加検討 を行う。 ・ レポートを修正する。 講師回診(森・志関) 土 ・ 通常行われている回診に参加し、 担当患者について報告する。 ・ 回診後に担当症例のレポートを 医局へ提出する。 ・外来や骨髄穿刺等の検査は適宜見学する。 − 131 − 試験日程 金曜日 時 間 場 所 担 当 者 9:00 ∼ 12:00 担当者が適宜指示する 田 中 淳 司 指導医一覧表 所 属 職 名 血 液 内 科 〃 〃 〃 〃 〃 主任教授 講 師 〃 〃 准 講 師 助 教 氏 名 所 属 職 名 氏 名 田 中 淳 司 血 液 内 科 助 教 石 山 みどり 森 直 樹 〃 〃 三 橋 健次郎 志 関 雅 幸 〃 〃 田 中 紀 奈 今 井 陽 一 〃 〃 志 村 華 絵 吉 永 健太郎 〃 〃 兒 玉 聖 子 風 間 啓 至 − 132 − 東医療センター内科(老年内科) 1. 一般目標 高齢者はしばしば一人の患者が様々な疾病を同時に有することや症候が非典型的なことなど壮 年者とは異なった特徴を有する。しかし、高齢患者であっても病態を理解し治療を行っていく上 で、内科的知識や患者への内科的アプローチ方法が重要であることに変わりない。第一の目標は 医師として必要な患者・家族への態度および病歴聴取、身体診察法などの基本的診察技術の習得 である。次に、病歴・検査データ等の情報を整理することにより問題点を抽出できることである。 その上で受持患者を通じて高齢者の特徴や高齢者の持つ問題点に理解を深めていただきたい。 2. 実習に必要な知識 加齢に伴う生理学的変化や高齢者の疾病の特徴について復習しておく。 主な老年症候群とその危険因子について理解しておく。 高齢者総合機能評価を行う意義と主な評価項目について理解しておく。 3. 実習内容 担当医の指導のもとで受持患者の病歴聴取や診察を行い、POMR に即した診療録の記載法を習 得する。さらに生活機能や社会状況といった老年医学的総合的機能評価(CGA)を可能な範囲で 行うことにより、高齢患者の全人的把握に努める。総回診や各診療グループの回診では受持患者 の症例呈示を行い、検査計画・治療法について議論に参加することにより、受持患者の把握や病 態の理解を深める。 クルズスは実際の高齢者医療に必要な項目について実習担当者が行う。 老年内科的観点から担当症例についての問題点を抽出し、その評価・考察を行いレポートにま とめ提出する。症例検討会を通じて他の学生の担当症例についても学ぶことにより、様々な高齢 者特有の問題点について理解を深める。 指導医は講師以上のスタッフならびに助教のうち上級医があたり、受持症例に関しては受持医 が指導する。 4. 具体的到達目標 1) 指導医の指導・監視のもとに学生に実施させるもの (コア診療科実習・選択科実習・自主選択実習共通の到達目標) 病歴聴取、身体的診察法 血液・尿・生化学検査の解釈と評価 胸部・腹部単純 X 線写真の基本的な読影 心電図記録および基本的な判定 POMR に即した診療録の記載 (コア診療科実習独自のもの) 老年医学的総合的機能評価のための情報収集 2) 状況によっては学生が実施できるもの (コア診療科実習・選択科実習・自主選択実習共通の到達目標) 採血等の比較的簡便な手技 − 133 − 患者教育・指導 3) 介助、見学させるもの (コア診療科実習・選択科実習・自主選択実習共通の到達目標) 中心静脈ラインの確保、腰椎穿刺、胸腹腔穿刺、骨髄穿刺、気管内挿管等の手技 (選択科実習・自主選択実習共通の到達目標) 消化管造影検査、心臓・腹部超音波検査、消化管内視鏡検査、気管支鏡検査、肝生検、 腎生検、心臓カテーテル検査等の検査法 心血管、腹部カテーテルインターベンション、血液浄化療法等の治療法 その他受持患者が受ける検査、処置、治療法を見学する 患者・家族への病状の説明とインフォームド・コンセントの実施 (期間中にあれば)剖検に立ち合う。 5. 評価方法 受持症例に関しての問題点の抽出、解釈、対策のたて方について実習指導医と議論し、議論の 内容や知識と実習中の態度を総合し各実習担当医が評価する。最終日に教授による集団試問を行 う。これらにレポートの内容を併せて総合的に評価する。 6. 参考図書 杉本恒明、小俣政男 内科学(第 9 版) 朝倉書店 2007 Harrison's Principles of Internal McGraw − Hill 2008 水野美邦編 Kasper DL et al, ed. Medicine (17th ed.) Goldman L et al, ed. Cecil Textbook of Medicine(23rd ed.) W.B. Saunders 2007 Bickley LS et al, ed. Bates' Guide to Physical Examination Lippincott Williams 2007 and History Taking(9th ed.) & Wilkins 日本老年医学会編 老年医学テキスト(第 3 版) メディカルビュー社 2008 小澤利男編 エッセンシャル老年病学 医歯薬出版 1998 Kane RL et al Essentials of Clinical Geriatrics(5th ed) McGraw − Hill 長寿科学総合研究班 高齢者総合的機能評価ガイドライン 厚生科学研究所 2003 葛谷雅文、秋下雅弘編 ベットサイドの高齢者の診かた 南山堂 2008 − 134 − 2004 東医療センター内科実習表(初期臨床実習) 採血実習 ︵石川︶ オリエン テーション 8:00 12:00 13:00 9:00 月 心電図の 神経所見 とり方、 のとり方 判読の基 ・記載 (柴田/ 本 西村(芳)) (下倉) 頭部 CT・ MRI の基本 (柴田/ 西村(芳) ) 水 木 金 モーニングカンファレンス・当直医からの申し送り 火 POMR 診療録 腹部エコーの 基本 記載の仕方 (木村) (久保) 病棟実習 (中嶋・三橋・病棟担当医) 心臓・血管の所 見のとり方・記 載法 (中岡) 病棟実習 (許山・八反丸・病棟担当医) 胸部(肺)所 胸部 X 線・胸部 CT の 見のとり方、 基本 (林) 記載法 (林) 病棟実習 (小笠原・病棟担当医) 土 血算・生化学 データの基本 (小川) 病棟実習 (興野、山下) 新患呈示・病棟総回診 (佐倉・高橋・小川・中岡) 心エコーの基本 病棟実習 (病棟担当医)(大森) 腹部所見のと り方、記載法 腹部 CT の基 本 (大野・許山) 17:00 病棟実習 (宮脇・石川) − 135 − 病院実習表(コア実習) 実 習 係 久保 豊(PHS7867) 、木村綾子(PHS8823) 連 絡 係 望月 操、松井美穂(4121、4123) 集合場所 月曜日:在宅医療部(4641) その他:病棟 3 階医師記録室(2357) 8:00 8:45 9:00 総論講義(山中崇) 12:00 13:00 病棟実習(久保・石川) 17:00 病棟実習(布田・樋口) 月 老 年 症 候 オリエンテーションを行う。 群・高齢者 担当患者を学生に紹介。医 総 合 機 能 療面接を行う。 評価の概 要を説明* 午前の実習に続き、医療面接・検 査データ閲覧により、内科および 高齢者としての問題点を抽出する。 火 水 木 金 モーニングカンファレンス・当直医からの申し送り 病棟実習・検討会(柴田・西村) 入院報告・回診(佐倉・高橋・中岡・小川) 医局会 医療面接で聴取した病歴・ 身体所見および抽出された Problem を指導医に発表。指 導医や学生間での討論によ りProblem listの整理を行う。 入院報告・回診を通じて、病棟の 症例検討 多くの入院患者に接する。受持患 会・抄読 者の症例呈示を行う。 会ミニレ クチャーが 行われる 病棟実習(久保・山中学・石川) 病棟実習・症例検討会(大森・生沼) 高齢者総合機能評価シート に基づいて認知機能・生活 機能・ADL 等の高齢者総合 機能評価を行う。 前日抽出された内容に加え、新た に聴取された情報や発見された問 題点を指導医に呈示し、レポート にまとめる問題点を確認する。 病棟実習(渡辺・小笠原) 病棟実習(高橋・大野・佐藤) 高齢者総合機能評価を引き 続き行い、問題点の整理を 行う。レポートの作成に取 りかかる。 高齢者総合機能評価を引き続き行 う。可能であれば、患者家族への 医療面接を通じてより包括的な情 報の収集に努める。 病棟実習(中岡・林) 病棟実習(斉藤・生沼) 高齢者総合機能評価シート の完成。レポートの作成。 高齢者総合機能評価シートの完成、 レポートの作成。 症例検討・試問 (佐倉・中岡) 土 *月曜日が休日の場合は火曜日の同時刻に行う。 レポートを提出する。担当 **土曜日が休日の場合は金曜日の同時刻に行う。 患者の症例呈示を行い、指 導医や同じグループ学生と 討論する。** − 136 − 指導医一覧表 所 属 職 名 氏 名 所 属 職 名 氏 名 内 科 教 授 佐 倉 宏 内 科 講 師 大 野 秀 樹 〃 〃 高 橋 良 当 〃 准 講 師 西 村 芳 子 〃 〃 布 田 伸 一 〃 〃 山 中 学 〃 准 教 授 斉 藤 寿 仁 〃 〃 小笠原 壽 恵 〃 〃 柴 田 興 一 〃 助 教 下 倉 和 修 〃 〃 中 岡 隆 志 〃 〃 木 村 綾 子 〃 〃 林 光 俊 〃 〃 石 川 元 直 〃 〃 山 中 崇 〃 〃 許 山 彩 〃 〃 小 川 哲 也 〃 〃 八反丸 美 和 〃 〃 渡 辺 尚 彦 〃 〃 三 橋 哲 也 〃 講 師 樋 口 千恵子 〃 〃 中 嶋 俊 〃 〃 久 保 豊 〃 〃 興 野 藍 〃 〃 生 沼 幸 子 〃 〃 山 下 哲 理 〃 〃 大 森 久 子 〃 〃 宮 脇 佳 世 〃 〃 佐 藤 恭 子 − 137 − 第 二 外 科 1. 一般的到達目標 外科としてのチーム医療を体験し患者への対応を通して外科疾患治療における使命感、責任感 および必須な知識、手技の修得を目標とする。 2. 実習に必要な知識 代表的消化器外科疾患・乳腺疾患・ヘルニア疾患・小児外科疾患の基礎知識(疫学・診断方法・ 治療法) 消化管内視鏡検査の基礎知識 消化管造影検査の基礎知識 腹部・胸部 CT・MRI など画像診断の基礎知識 乳腺画像診断(超音波検査・マンモグラフィーなど)の基礎知識 腹部外科・乳腺外科・小児外科に必要な局所解剖 手術に使用する主な器具の名称・用途・使い方 消化器外科・乳腺疾患に対する化学療法の基礎知識 3. 内容 病棟診療班の 4 グループ(各グループ 1 ∼ 2 名)に配属し、1 週間ずつ 2 グループを廻る。 問診、理学的所見、各種検査所見(血液・生化学検査・尿検査、各種画像検査など)からの診 断の進め方の修得、治療法の選択を経験する。グループの一員として診療方針のカンファレンス にも参加し意見の交換を行い診療に参加する。 選択診療科として実習希望者に対しては 1 人の患者について入院から手術治療・術後管理を含 めて治療のプロセスを組み立て実際の治療を経験する。 消化器グループ 1 ∼ 2 班: 上部・下部消化管、肝胆膵等腹部外科疾患を中心に腹腔鏡下手術・ 肛門疾患・ヘルニアなど一般外科についての外科治療・集学的治療 乳腺グループ:良性・悪性乳腺疾患の診断治療 小児外科グループ:小児に対する外科治療、小児外科疾患の診断・治療 外来として行っている診察・超音波・内視鏡・消化管造影検査の見学、外来小手術なども適宜 参加し研修を行う。 4. 具体的到達目標 1)指導医の指導・監督の下に学生に実施させるもの A)肛門直腸指診、乳房触診 B)ベットサイドにおける外科的処置(包交など) C)鈎引き、糸結び、皮膚縫合 D)単純 X 線・乳房撮影・消化管造影・PTCD・ERCP・MRCP・DIC・CT・MRI・血管撮 影などの読影 E)輸液と栄養法(中心静脈栄養・経腸栄養法)の理解:輸液療法の目的・種類・適応・方 法・管理合併症と対策など 2)状況によっては学生に実施させるもの − 138 − 腹部・乳腺の超音波検査 3)介助、見学させるもの A)腹部・乳腺・ヘルニア・小児外科手術 B)消化管造影検査:胃透視、注腸、イレウス管挿入・PTCD など C)内視鏡検査:食道・胃・十二指腸・大腸・腹腔鏡・ERCP・乳管内視鏡・肛門鏡など D)内視鏡的処置:各種生検・polypectomy・EMR・内視鏡的胃瘻造設術・Aspiration Biopsy Cytology(ABC) E)外来手術:腫瘤摘出術・切開排膿術・リンパ節生検 F)中心静脈栄養カテーテル挿入、ポート造設 選択診療科として実習希望者に対しては上記の 1)∼ 3)について指導医の指導・監督下に できるだけ経験する。 自主選択実習としての到達目標 外科医療チームの一員として参加し、より実践的な診療を通して医師としての使命感・責任 感・知識・手技の修得を目指す。 5. 評価方法 評価は実習態度・知識・レポート・出席状況などを配属グループの担当者が総合的に検討評価し、 最終的には指導医が行う。 6. 参考図書 武藤輝一、田辺達三編集 「 標準外科学 」 医学書院 浜野恭一監修 「 新 IVH マニュアル 南江堂 ―そのこつと実際―」 〃 「EH マニュアル―経腸 南江堂 高カロリー栄養のこつと実際 」 Henry L.Bocku 「GASTROENTEROLOGY」 Ⅰ∼Ⅳ Saunders 社 Michel Adloff 他 「Digestive Surgery」 Ⅰ∼Ⅲ Modern Technics 泉雄 勝、妹尾亘明編集 「 乳腺疾患 」 金原出版社 市川平三郎、山田達也監修 「 乳腺診断アトラス X 線・ 金原出版社 in Surgery 社 超音波と病理 」 亀岡信悟監修 「臨床基本手技実戦マニュアル」 南江堂 鈴木宏志、横山穣太郎監修 「標準小児外科学」 医学書院 岡田 正編著 「系統小児外科学」 永井書店 武藤徹一郎、幕内雅敏 「新臨床外科学」第 4 版 医学書院 日本胃癌学会編 「胃癌取扱い規約」 金原出版社 大腸癌研究会編 「大腸癌取扱い規約」 金原出版社 日本乳癌学会編 「乳癌取扱い規約」 金原出版社 − 139 − 【問題解決型内容について】 月曜日: 午前:手術に参加し外科治療の実際を経験する。 午後:担当患者の紹介。医療面接・問題点リストの作成開始。 火曜日: 教授回診:回診に参加し担当患者の問題点などを手短にプレゼンテーションする。 午前・午後: 担当症例に疾患・患者について検査結果など情報収集を行い、治療の要 点などを検討する。 班回診・カンファレンスに参加し患者病態についての討論を行う。 水曜日: 午前・午後:担当患者の手術に参加し手術治療の実際を経験する。 医局会:症例検討・レクチャーなどに参加し外科治療の要点について学ぶ。 木曜日: 午前・午後:術後経過を観察し外科治療後の病態の変化を考察する。 金曜日: 医局会:術前術後症例報告を通して外科治療後の補助治療などを考察する。 教授回診:担当患者の術後経過についてプレゼンテーションする。 午前・午後:問題点の整理、解決方法の検討を行う。 土曜日: 午前:担当患者について診療グループとの討論・指導医による評価を受ける。 *乳腺・再発癌・大腸癌・小児外科・小外科手技についてのクルズスは適宜行われ、参加す ることにより知識の確認・整理を行う。 *小児外科班に所属したものは手術日の関係で上記月曜日と火曜日の実習内容(午前・午後) が入れ替わる、さらに水曜日・土曜日などは外来診療を通した患児・家族への対応等につ いても実践・学習する。 選択診療科としての実習ではより臨床に近づけるよう担当患者の診断・治療だけでなく IC や 退院後の治療についても検討する。 − 140 − 第二外科実習表(消化器グループ、乳腺グループ) 学生係 成田 徹(内線 28126) (連絡先:医局 内線 39251 ∼ 2) 8 8:30 月 術前術後症例 術前術後症例 班回診 班回診 班回診 検 討 会 検討会 ︵医局︶ オリエンテーション 症例検討︵班別︶ ︵隔週︶ 症例検討︵班別︶ ︵医局︶ 症例検討︵班別︶ ︵医局︶ 水 木 金 土 7:30 9:00 11:00 班紹介 手術実習 (中央 (中央病棟 2 階: 病棟 中央手術室) 4 階: BST) 12 13 14:00 手術実習 火 8:00 ∼ 教授回診 班回診 外来・病棟実習 手術実習 外来・病棟実習 クルズス 乳腺 (西澤) 教授 回診 手術実習 15:00 16:00 17:30 18:00 班回診 班回診 手術実習 班回診 外来・ クルズス クルズス 班回診 再発癌 大腸癌 病棟 実習 (成田) (番場) 手術実習 クルズス 班回診 小外科手技 復習 小児外科 (医局) (比企) (齋藤) 病棟実習 ・ 実際の動きは各配属グループの Dr、クルズス担当 Dr によく確かめて集合時間や場所、連絡方法を把握し て下さい。 ・ 上記のプログラム以外にも各班の指導医と相談の上、総合外来センターでの外来診療にも参加し実りある実 習として下さい。 第 2 外科(外科・小児外科)外来は総合外来センター 1 階です。 亀岡教授外来(火・木の AM9 時より)をはじめ、スタッフの外来がいろいろなブースで行われています。 1 階ケアルーム内での超音波検査・外来手術・外来化学療法や 2 階内視鏡センターでの内視鏡(午前上部 消化管、午後大腸内視鏡)などいろいろ見学できます。 評価シートは所属した班の指導医に記入してもらい、最終日までに成田まで提出して下さい。提出時アセ スメントを行います。 − 141 − 第二外科実習表(小児外科グループ) 学生係 成田 徹(内線 28126) (連絡先:医局 内線 39251 ∼ 2) 8 8:30 月 術前術後症例 術前術後症例 班回診 班回診 班回診 検 討 会 検討会 オリエンテーション ︵医局︶ 症例検討︵班別︶ ︵医局︶ 症例検討︵班別︶ ︵隔週︶ 症例検討︵班別︶ ︵医局︶ 水 木 金 土 7:30 9:00 11:00 班紹介 病棟実習 (医局) 外来実習 火 8:00∼ 班回診 手術実習 教授 (中央病棟 2 階: 回診 中央手術室) 外来・病棟実習 病棟実習 クルズス 乳腺 (西澤) 教授 回診 手術実習 12 13 14:00 15:00 16:00 17:30 18:00 外来実習 病棟実習 班回診 手術実習 班回診 外来・病棟実習 班回診 病棟実習 クルズス クルズス 班回診 再発癌 大腸癌 (成田) (番場) 手術実習 クルズス 班回診 小外科手技 小児外科 復習 (比企) (医局) (齋藤) 外来・病棟実習 ・ 実際の動きは各配属グループの Dr、クルズス担当 Dr によく確かめて集合時間や場所、連絡方法を把握し て下さい。 ・ 上記のプログラム以外にも各班の指導医と相談の上、総合外来センターでの外来診療にも参加し実りある実 習として下さい。 第 2 外科(外科・小児外科)外来は総合外来センター 1 階です。 亀岡教授外来(火・木の AM9 時より)をはじめ、スタッフの外来がいろいろなブースで行われています。 1 階ケアルーム内での超音波検査・外来手術・外来化学療法や 2 階内視鏡センターでの内視鏡(午前上部 消化管、午後大腸内視鏡)などいろいろ見学できます。 評価シートは所属した班の指導医に記入してもらい、最終日までに成田まで提出して下さい。提出時アセ スメントを行います。 − 142 − 第二外科選択科実習表(消化器グループ、乳腺グループ) 学生係 成田 徹(内線 28126) (連絡先:医局 内線 39251 ∼ 2) 8 8:30 月 術前術後症例 術前術後症例 班回診 班回診 班回診 検討会 検討会 オリエンテーション ︵医局︶ ︵班別︶ ︵医局︶ 症例検討︵班別︶ ︵隔週︶ 症例検討︵班別︶ ︵医局︶症例検討 水 木 金 土 7:30 9:00 11:00 班紹介 手術実習 (中央 (中央病棟 2 階: 病棟 中央手術室) 4 階: BST) 12 13 14:00 手術実習 16:00 17:30 18:00 班回診 班回診 火 8:00∼ 教授回診 班回診 外来・病棟実習 教授 回診 15:00 手術実習 手術実習 班回診 外来・病棟実習 外来・ 病棟 実習 班回診 手術実習 手術実習 班回診 病棟実習 ・ 実際の動きは各配属グループの Dr、クルズス担当 Dr によく確かめて集合時間や場所、連絡方法を把握し て下さい。 ・ 上記のプログラム以外にも各班の指導医と相談の上、総合外来センターでの外来診療にも参加し実りある実 習として下さい。 第 2 外科(外科・小児外科)外来は総合外来センター 1 階です。 亀岡教授外来(火・木の AM9 時より)をはじめ、スタッフの外来がいろいろなブースで行われています。 1 階ケアルーム内での超音波検査・外来手術・外来化学療法や 2 階内視鏡センターでの内視鏡(午前上部 消化管、午後大腸内視鏡)などいろいろ見学できます。 評価シートは所属した班の指導医に記入してもらい、最終日までに成田まで提出して下さい。提出時アセ スメントを行います。 − 143 − 第二外科選択科実習表(小児外科グループ) 学生係 成田 徹(内線 28126) (連絡先:医局 内線 39251 ∼ 2) 8 8:30 月 術前術後症例 術前術後症例 班回診 班回診 班回診 検 討 会 検討会 オリエンテーション ︵医局︶ 症例検討︵班別︶ ︵医局︶ 症例検討︵班別︶ ︵隔週︶ 症例検討︵班別︶ ︵医局︶ 水 木 金 土 7:30 9:00 11:00 班紹介 病棟実習 (医局) 外来実習 火 8:00∼ 班回診 手術実習 教授 (中央病棟 2 階: 回診 中央手術室) 外来・病棟実習 病棟実習 教授 回診 手術実習 12 13 14:00 15:00 16:00 17:30 18:00 外来実習 病棟実習 班回診 手術実習 班回診 外来・病棟実習 班回診 病棟実習 手術実習 班回診 班回診 外来・病棟実習 ・ 実際の動きは各配属グループの Dr、クルズス担当 Dr によく確かめて集合時間や場所、連絡方法を把握し て下さい。 ・ 上記のプログラム以外にも各班の指導医と相談の上、総合外来センターでの外来診療にも参加し実りある実 習として下さい。 第 2 外科(外科・小児外科)外来は総合外来センター 1 階です。 亀岡教授外来(火・木の AM9 時より)をはじめ、スタッフの外来がいろいろなブースで行われています。 1 階ケアルーム内での超音波検査・外来手術・外来化学療法や 2 階内視鏡センターでの内視鏡(午前上部 消化管、午後大腸内視鏡)などいろいろ見学できます。 評価シートは所属した班の指導医に記入してもらい、最終日までに成田まで提出して下さい。提出時アセ スメントを行います。 − 144 − 指導医一覧表 所 属 職 名 第 二 外 科 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 主任教授 准 教 授 〃 〃 〃 〃 講 師 准 講 師 〃 助 教 〃 〃 氏 名 所 属 職 名 氏 名 亀 岡 信 悟 第 二 外 科 助 教 野 口 英一郎 瀬 下 明 良 〃 〃 番 場 嘉 子 神 尾 孝 子 〃 〃 西 澤 昌 子 板 橋 道 朗 〃 〃 松 尾 真 吾 世 川 修 〃 〃 木 村 朱 里 齋 藤 登 〃 〃 成 田 徹 小 川 真 平 〃 〃 加 治 早 苗 廣 澤 知一郎 〃 〃 齋 藤 元 伸 三 宅 邦 智 〃 〃 産 形 麻美子 比 企 さおり 〃 〃 山 口 隆 介 大 地 哲 也 〃 〃 八 田 一 葉 天 野 久仁彦 〃 〃 井 原 健 − 145 − 東医療センター外科・乳腺科 1. 一般目標 外科・乳腺科疾患の基本的診療を経験するとともに、医療チームの一員として患者の医学的、 社会的問題点を発見し、解決に至るプロセスを体得する。 2. 実習に必要な知識 ①消化器、乳腺に関する外科的解剖 ②教科書(標準外科学、医学書院) ③系統講義のノートなどを復習すること。 3. 実習内容 ①コア診療科 3 つの臓器別診療班(食道・胃、大腸、肝・胆・膵)および乳腺科に配属し(各班 1 ∼ 2 名) 、 1 週間は医療チームの一員として受け持ちの患者の術前後の診察、POMR 式診療録の作成、 各種検査および画像診断の経験と読影、手術の参加、基本的外科手技の習得などを実習し、 臓器別疾患の基礎的講義を受ける。4 週で 3 つの診療班および乳腺科をローテーションする。 責任指導医は各診療班班長および乳腺診療部部長が担当する。 ②選択診療科 希望する臓器別診療班あるいは乳腺科に配属し、基本的には同様のプログラムで実習する。 4. 具体的到達目標 ①コア診療科 1) 指導医の指導監視のもとに学生に実施させるもの 患者の医療面接、診察を経験し、理学的所見を英文でカルテに記載し、医学的、社会的 問題点を抽出し、POMR 式診療録を作成する。各種画像診断を見学し、指導医とともに 読影する。学生主導の症例検討会での発表および討論、基本的外科手技(ガウンテクニッ ク、手洗い、糸結び、皮膚縫合、抜糸など)の習得。 2) 状況によっては学生が実施できるもの 手術に参加し、鈎ひき、皮膚消毒、皮膚縫合、糸結びなどの簡単な手技を経験する。 医局症例検討会で受け持ち患者のプレゼンテーションを行う。動静脈の採血など。 3) 介助、見学させるもの 病棟での患者に対する処置。患者に対する informed consent に同席する。 内視鏡的治療手技(EMR, ESD, ERCP, EIS, EVL, 止血手技など) IVR による治療手技(TAE, PSE, PTCD, BRTO など) 透視下の治療手技(PTCD, イレウス管挿入、ステント挿入術など) ②選択診療科 希望する臓器別診療班あるいは乳腺科に配属し、基本的な到達目標は同様である。 5. 評価方法 実習態度、出席状況、学生症例検討会での発表内容、口頭試問などで総合的に評価する。 − 146 − 6. 参考図書 標準外科学 医学書院 乳腺疾患 金原出版 新消化器病学 医学書院 大腸疾患の鑑別診断 医学書院 − 147 − 東医療センター外科・乳腺科実習表 実 習 係 島川 武(3810)1111 内 4557 外 科 連 絡 係 塩澤俊一(3810)1111 内 4155 乳腺科連絡係 平野 明(3810)1111 内 4155 集 合 場 所 外科病棟、7:50(月) 月 教授回診に同行 (成高、勝部、吉松、塩澤) 診療班午後の回診に同行 (勝部、島川、山口、塩澤、吉松、碓井、浅香、 久原、島崎) 手術に参加 火 症例検討会に参加 乳腺科午後の回診に同行 (清水、平野、小倉、服部、井上) 術後患者の創処置 術前患者の診察 診療班午後の回診に同行 (山口、吉松、碓井、浅香) 各種画像検査、内視鏡検査の 見学(成高、山口、浅香) 乳腺科午後の外来を見学 (清水、服部) 手術に参加 診療班午後の回診に同行 (勝部、島川、塩澤、吉松、横溝、碓井、久原、島崎) 水 診療班午前の回診に同行 (勝部、塩澤、島川、吉松) 乳腺科午前の回診に同行 (清水、平野、服部) 木 術後患者の創処置 術前患者の診察 乳腺科午後の回診に同行 (清水、平野、小倉、服部、井上) 診療班午後の回診に同行 (勝部、島川、横溝、塩澤、久原、島崎) 乳腺科午後の外来を見学 (平野) 教授回診に同行 (成高、勝部、吉松、塩澤) 診療班午後の回診に同行 (勝部、島川、山口、塩澤、吉松、横溝、碓井、 久原、島崎) 金 各種画像検査、内視鏡検査の見学 (勝部、島川、島崎、塩澤、久原) 手術に参加 症例検討会に参加 乳腺科午後の回診に同行 (清水、平野、小倉、服部、井上) 土 学生症例検討会 講義(成高、清水、勝部、島川、 塩澤、吉松、横溝) 指導医による試問 − 148 − 試験日程 実習の最終日(土曜日)に各学生に試問する。 指導医一覧表 所 属 職 名 外 科 〃 〃 〃 〃 教 授 臨床教授 准 教 授 講 師 〃 氏 名 所 属 職 名 氏 名 成 高 義 彦 外 科 講 師 横 溝 肇 〃 准 講 師 山 口 健太郎 勝 部 隆 男 吉 松 和 彦 島 川 武 乳 腺 科 臨 床 教 授 清 水 忠 夫 〃 講 師 平 野 明 塩 澤 俊 一 − 149 − 麻酔科、東医療センター麻酔科 1. 一般到達目標 現代麻酔科学における周術期管理、ICU での重症患者管理、およびペインクリニックの実際を 理解し、同時に周術期患者の危機管理を学ぶ 2. 実習に必要な知識 麻酔薬(全身麻酔、局所麻酔)の薬理学、呼吸循環管理に必要な生理学、呼吸循環管理に使用 される薬剤、気管挿管に必要な解剖 3. 実習内容 6 日間麻酔指導医と共に麻酔の周術期管理を学ぶ。1 日を ICU の重症患者管理、他の 1 日をペ インクリニック見学に当てる。ベッドサイドでのグループディスカッション、医局の勉強会、症 例検討会に参加し、土曜日は最後のまとめを討議する。 4. 具体的到達目標 (1) 指導医の指導、監視のもとに学生に実施させるもの:術前回診、麻酔リスクの評価、麻酔 チャートの記入、術後回診、麻酔器の点検、モニターの取扱いと監視の仕方 (2) 状況によっては学生が実施できるもの:気道の確保(気管内挿管) 、静脈路の確保、導尿、 胃チューブの挿入、局所麻酔法、痛みの判定法 (3) 介助・見学するもの:麻酔の実際、ペインクリニックの実際、ICU での重症患者管理 5. 評価方法 (1)の 6 項目を実際に行った場合 6 点、他の 4 点を出席回数と(2) 、 (3)およびベッドサイ ドでのグループディスカッションから評価する。 6. 参考図書 吉村 望、他 標準麻酔科学 第 5 版 医学書院 2006/5 後藤文夫、他 新麻酔科ガイドブック 真興交易医書 2006/10 横山和子 脊椎麻酔 診断と治療社 2000 塩谷正弘、他 図説ペインクリニック 真興交易医書 2000 小川節郎、他 ペインクリニシャンのキーワード 100 真興交易医書 2000 症候群辞典 診断と治療社 1998 小川節郎、他 麻酔科学スタンダード Ⅰ 克誠堂出版 2003 小川節郎、他 局所麻酔 その基礎と臨床 克誠堂出版 2004 高崎眞弓 「こだわり」の局所麻酔 メディカルサイエンス 2004 インターナショナル 武田純三監修 ミラー麻酔科学 メディカルサイエンス 2007 インターナショナル − 150 − 麻酔科実習表 8 12 17 13 月 麻酔学実習総論 (尾 眞) ビデオ視聴 (尾 眞) 心研手術室見学 (樋口、黒川 他) 麻酔器取り扱い説明(横川、濱田) 中央手術室見学 (高木、広木 他) 挿管実習 (高木 他) 術前後回診クルズス(深田、濱田 他) 人工呼吸器説明 (小谷 他) 火 麻酔症例 ( 尾 眞、樋口、岩出、高木、黒川、森岡、尾 ICU ( 小谷 他) ペインクリニック( 山縣、服部 他) 恭 他) 水 麻酔症例 ( 野村、深田、髙木、黒川、森岡、北野、横川、濱田、虻川 他) ICU ( 宮崎 他) ペインクリニック( 岩出、山縣 他) 木 麻酔症例 ( 尾 眞、深田、岩出、森岡、尾 ICU ( 小谷 他) ペインクリニック( 樋口、濱田 他) 恭、横川、虻川 金 麻酔症例 ( 尾 眞、野村、樋口、深田、高木、尾 ICU ( 小谷、佐藤 他) ペインクリニック( 岩出、山縣 他) 恭、岩切 他) 他) 土 まとめ (尾 眞、野村、小谷、樋口、深田、岩出、高木、黒川、森岡 − 151 − 他) 試験日程 土曜日 時 間 場 所 担 当 者 9:00 ∼ 10:00 麻酔科学教室 スタッフ、指導医 指導医一覧表 所 属 職 名 麻 酔 科 学 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 主任教授 教 授 准 教 授 〃 講 師 〃 〃 〃 〃 非常勤講師 〃 〃 〃 〃 氏 名 所 属 職 名 氏 名 尾 眞 麻 酔 科 学 助 教 尾 恭 子 野 村 実 〃 〃 横 川 すみれ 小 谷 透 〃 〃 濱 田 啓 子 樋 口 秀 行 〃 〃 庄 司 詩保子 深 田 智 子 〃 〃 清 野 雄 介 岩 出 宗 代 〃 〃 山 縣 克 之 高 木 俊 一 〃 〃 虻 川 有香子 黒 川 智 〃 〃 木 下 真 帆 森 岡 宣 伊 〃 〃 岩 田 志保子 北 野 慎一郎 〃 〃 金 丸 容 子 岩 切 裕 子 〃 〃 古 井 郁 恵 広 木 公 一 〃 〃 久 米 恵 子 服 部 政 治 〃 〃 宮 島 萌 子 入 駒 慎 吾 − 152 − 東医療センター麻酔科実習表 実 習 係 小高光晴 連 絡 係 医局事務(西山圭子) 集合場所 手術室・麻酔科控室 (第一週) 9 月 麻酔学実習総論 麻酔器、麻酔薬、麻酔補助薬 (小森) 火 気道確保、静脈確保、見学 術前回診、術前評価(小高) 12 13 ペインクリニック外来、見学(椋棒、平、北原) 麻酔症例術前カンファレンス(小高) エコーガイド下神経ブロック実習(小高) 救急蘇生法(市川) 症例実習(西山、平山、塚本) 水 症例実習 (小森、小高) ICU 見学(西山) 麻酔症例術前カンファレンス(小森) 心エコー実習、心臓血管麻酔レクチャー(小高) 木 症例実習 (小森、西山) 脊麻、硬麻、術後疼痛管理(安藤) 麻酔症例術前カンファレンス(西山) 金 症例実習 (小森、小高、佐藤) 特殊麻酔(産科、小児、老人)(金子) 中心静脈穿刺実習(小高) 土 実習症例まとめ (小森) 8:15 ∼ 8:30(月、水、金) モーニングレクチャー 抄読会 − 153 − 17 試験日程 土曜日 時 間 場 所 担 当 者 9:00 ∼ 10:30 手術室麻酔控室 小 森 万希子 指導医一覧表 所 属 職 名 東医療センター 麻酔科 〃 〃 〃 〃 教 授 臨床教授 准 教 授 講 師 助 教 〃 氏 名 所 属 職 名 氏 名 小 森 万希子 東医療センター 非常勤講師 佐 藤 啓 子 小 高 光 晴 麻酔科 〃 椋 棒 由紀子 西 山 圭 子 〃 〃 平 久美子 市 川 順 子 〃 〃 塚 本 加奈子 北 原 智 子 〃 〃 平 山 奈々子 安 藤 一 義 − 154 − 小児科、東医療センター小児科 1. 一般目標 小児の正常な成長・発達とその健康とのかかわりあいを学び、共感をもって小児の健康上の問 題点に反応し、知識を習得し、技術を学習し、適切な態度やマナーを身につけることを目標とする。 2. 実習に必要な知識 1. 患者および家族との基本的面談が行えること。 2. 基本的身体診察、小児特有の診察法について学習しておくこと。 3. 小児の主な成長・発達過程について理解しておくこと。 4. 診断に必要な情報を収集し、問題志向型診療録に適切な医学用語を用いて記載ができること。 5. 医療における職業人として基本的な身だしなみや立ち振る舞いができること。 3. 実習内容 病棟と外来において臨床実習を行う。病棟では、指導医に 1 対 1 でつき、担当患者につき問診、 診察、検査などを体験する。指導医の監督下に医療面接、問題抽出、問題点について情報を集め 整理し、患者の持つ医学的問題を明らかにする。問題点を実習指導医に報告し、問題解決の方法、 予想される結果、患者への情報開示・教育について、自分で調査・分析を行い、患者に対して問 題解決を行う計画を立てる。その後、検査結果について開示する。問題点、調査結果、問題解決 計画について指導医と討論する。その結果を翌週までにレポートにして提出する。外来において は、新患患者の予診を取り、ポリクリ担当医はミラールームから診て評価する。態度評価として 服装、身だしなみ、コミュニケーション(適切な言葉使い) 、適切な質問内容であるか、患者家 族へのいたわり(ドアの開け閉め介助、荷物運びの手伝いなど) 、あやし方、おもちゃの選び方 (発達段階がわかっているかどうか)である。次にポリクリ担当医が自分で診療する(ロールモ デルを示す。 )この間学生はポリクリ担当医と患者家族のやりとりを見ながら、 児をあやしながら、 その行為を通してえた所見を述べる。状況が許せば聴診、打診、触診、腱反射、デンバー発達テ ストをして子供の正常値の確認、子供の表情動作の読みとり方(意識レベル、社会性、麻痺の有無、 知的レベル) 、親子関係の判断(過干渉、愛着の確立)について討議する。その結果を翌週まで にレポートで提出する。その他に、全学生は秀回クルズス、週一回総合病棟回診、病棟カンファ レンス、医局のクリニカルカンファレンスに参加する。外来担当は、午後には専門外来について 研修する。毎週月曜日に教授の口頭試問がある。 1)選択診療科の実習内容 病棟において、指導医に 1 対 1 でつき、担当患者につき問診、診察、検査などを体験する。指 導医の監督下に医療面接、問題抽出、問題点について情報を集め整理し、患者の持つ医学的問題 を明らかにする。問題点を実習指導医に報告し、問題解決の方法、予想される結果、患者への情 報開示・教育について、自分で調査・分析を行い、患者に対して問題解決を行う計画を立てる。 その後、検査結果について開示する。問題点、調査結果、問題解決計画について指導医と討論する。 その結果を翌週までにレポートにして提出する。土曜日は一般外来について、担当医の診療を見 学し、一般小児科外来における診療について勉強する。 4. 具体的到達目標 1)指導医の指導・監視のもとに学生に実施させるもの − 155 − ・小児疾患の病歴聴取 ・小児の基本的診察技術: 母子への基本的診察態度の確立 全身の視診・打診・触診・聴診の実施と評価 身体計測の実施と評価 発達の評価 栄養の評価 検温・血圧測定の実施と評価 ・小児の検査と結果の評価 検査計画の立て方 年齢別正常値の理解 心電図・脳波・呼吸機能検査の実施と評価 発達テストの実施と評価 各種のエコー検査の実施と評価 各種の放射線検査(単純写真・CT 像・MRI 像)の評価 ・小児疾患の特徴と診断プロセスの確立 ・小児疾患の鑑別診断の確立 ・小児疾患の治療計画の確立 ・カルテへの記載 ・小児疾患の救急処置と対応の確立 ・母子保健、学校保健へ対応の確立 2)選択診療科の具体的到達目標 指導医の指導・監督のもとに下記について学ぶ。 ・ 小児疾患の病歴聴取、基本的診察を行い、その後に問題抽出、問題点について情報を集め整 理する。 ・ 問題解決の方法、予想される結果、患者への情報開示・教育について、自分で調査・分析できる。 ・ 医学的問題の原因・病態・診断についての検索を、可能範囲で自ら実践し基礎医学および臨 床医学の立場から検証できる。 ・ 指導医と良好なコミュニケーションを保ち、討議できるようになる。 5. 評価方法 病棟医長による口頭試問を行う。問題を発見し解決する能力、診察の仕方、知識などを評価す る岳ではなく、小児の発達段階にみあった接し方ができているかどうか、母親に対する言葉遣い が適切か、小児を診察するのに適した服装か、などの診療態度・身だしなみも評価する。学生用 病歴およびレポートを提出し、医療記録の記載の仕方などが適切かどうかを評価する。学生同士 で各自の症例について検討させ、自己評価する。 6. 参考図書 教科書: 森川昭廣、 原 寿郎、 内山 聖、標準小児科学 (第 7 版) 五十嵐 隆 (編) 小児科学 (第 10 版) 飯沼一宇他 (編) 小児科学・新生児学テキスト 第5版 − 156 − 医学書院 文光堂 診断と治療社 2009 2011 2007 田中敏章 (編) 清野佳紀、 小田 慈 大関武彦他 加藤裕久、 主編集 参考書: 衛藤義勝他編集 RE Behrman & VC Vaughan 前川喜平 (編) 日本人小児骨年令アトラス New小児科学テキスト 小児科学 (第 3 版) ベッドサイドの小児の診かた 医学書院 南江堂 医学書院 南山堂 Martin MB FRACP 他 小川雄之亮(編他) 松尾 理 浅井利夫、 赤坂 徹 (編著) AM Rudolph (ed.) H Taeusch (eds.) Perinatal Medicine : Diseases of the 新生児学(第 2 版) よくわかる病態生理15 小児疾患 医学生のための小児科学写真集 Rudolph's Pediatrics 21th ed. Avery's Diseases of the Newborn 9th ed. Current Pediatric Diagnosis & treatment 20th ed. Care of the high-risk neonate 6th ed. 2011 2005 2008 2001 ネルソン小児科学 17版 エルゼビア・ジャパン 2005 Nelson Textbook of W.B. Saunders 2011 Pediatrics 19th ed. 写真でみる乳児検診の神経学的 南山堂 2007 チェック法 (改訂7版) 桃井真里子、 宮尾益知、 水口雅 ベッドサイドの小児神経発達の診かた 南山堂 2009 佐地 勉、 有坂 治、 講義録 「小児科学」 第1版 メジカルビュー社 2008 大澤真木子ら編 五十嵐 隆 小児科臨床ピクシスシリーズ (全20巻)中山書店 2008 加我牧子、 稲垣真澄 小児神経学 診断と治療社 2008 藤枝憲二 小児内分泌学 診断と治療社 2009 五十嵐 隆 小児腎疾患の臨床(第 4 版) 診断と治療社 2010 岡部信彦 小児感染症学 診断と治療社 2008 田村正徳(編) 日本版救急蘇生ガイドライン 2010 に メディカルビュー社 2010 基づく新生児蘇生法テキスト(第 2 版) Richard J. Fanaroff and Martin's Neonatal− Mosby 2010 Hay W. et. al JM Fanaroff, AA Fanaroff Fetus and Infant(第 9 版) メディカ出版 2000 日本医事新報社 2008 中外医学社 2000 Appleton & Lange 2003 W.B. Saunders 2011 McGraw−Hill Professional W.B. Saunders 2010 2012 本院病院実習表 1)6 人を 2 人ずつ①②③ 3 グループに分ける。 外来 病棟 病棟 1 週目 ① ② ③ 2 週目 ③ ① ② 3 週目 ② ③ ① 2)病棟は (1)急性疾患と慢性疾患を中心に勉強する。 (2)指導医と学生が 1 対 1 で指導をうける。症例のうち少なくとも 1 名については レポートにまとめられるように指導医のもとで学生が診療を担当する。 − 157 − (3)希望により当直をする。 3 週間の間に指導医について 1 回は当直をする。 3)外来 (1)ポリクリは毎回 1 人 1 症例ずつレポートを提出する。 (2)午後は特殊外来の見学 (3)学生は出席表に担当教官の印をもらい最終日に、大澤教授に提出する。東医療センター 小児科は、杉原教授に提出する。 4)小児科の臨床実習の前に準備すべきことを(別紙)を参考に各自実習前に勉強しておくこと。 5)自分の問題解決能力を高めるため別紙病棟実習行動予定表を参考に病棟指導医を討論しなが ら自ら考え、情報収集し担当患者の問題点について勉強していく。 小児科の臨床実習の前に準備すべきこと 1. 正常児の成長・発達について理解し、その知識を使えるようにしてきて下さい。 1) 新生児、生後 3 か月、生後 7 か月、一歳、一歳半、2 歳、3 歳、4 歳、小学校低学年、小学 校高学年、中学生、高校生の特徴は? 2) デンバーの発達スクリーニングが実施できますか? 3) 各年齢の子どもとコミュニケーションを取るためには、どんな玩具を持って来たらよいで しょう。安全ですか? 清潔に保てますか? 喘息の子どもに悪影響はありませんか? 4) 今日一日町中で見かけた子どもの年齢を当てましょう(外に出なかった人はテレビ、ビデ オの人物でも可)その根拠は? 下記に記入して下さい。 推定年齢 根拠: 運動機能 身長 約 cm 体重 約 kg 言語機能 理解と従命行動 発語 態度 振る舞い 遊び その他 2. 病気の子供を持つ保護者の気持ちを理解し、職業人の卵として振る舞うためにはどんな事に注 意すべきか、考えてきて下さい。 貴方の保護者から、貴方が小さかった時に具合が悪くて病院にかかったときの気持ちを伺って きて下さい。そしてそのような状態の保護者と医学生として関わるとき、どんなことに気をつ けるべきか伺って来て下さい。身だしなみ、態度、姿勢など── − 158 − 本院実習表 実習係・連絡係 小国弘量(PHS:28057) 8:25∼ * 月 A 新患カンファレンス 各グループに所属し B 小児科医局集合 外来・診療 C 8:30 NICU 火 9:00∼ A 8:45 児病棟集合 B 12:00∼13:00 14:00∼17:00 12:10 心理室実習 昼休み 各グループに所属し 外来・診療 (中央 3 階 NICU 集合) 各グループに所属し 外来・診療 担当:内山(PHS 28862) 昼休み 各グループに所属し 外来・診療;夕方∼ 病棟カンファレンス C 8:30 NICU A 8:15 児医局カンファレンス病棟回診 B 抄読会(医局) 水 各グループに所属し 外来・診療 (17 時∼クリニカル カンファレンス) C 7:50 循環器小児 (西病棟 B6 医員室集合) 担当:稲井(PHS 28495) 木 A 8:45 児病棟集合 B 各グループに所属し 外来・診療 C 7:50 循環器小児 金 A 9:00 児病棟集合 B 各グループに所属し 外来・診療 昼休み C 8:20 腎臓小児科 (東 5F, BST 集合) 土 A 8:45 児病棟集合 B 外来・診療、 症例発表、 口頭試問(永田教授)、 病棟カンファレンス 担当:石塚(PHS 28750) 各グループに所属し 外来・診療 C 8:20 腎臓小児科 1. 2 ∼ 3 名ずつ 3 つの班に分け、A, B, C それぞれ 3 つのプログラムコースで実習を行う。 どの班も 3 週間のうち 1 週間はいずれかの (月) (火) NICU、 (水) (木) 循環器小児科、 (金) (土) 腎臓小児科をローテーションする。 2. *実習初日は詳細を説明するクルズスを行うので初日のみ 8 時に全員小児科医局に集合。 (担当:平澤 PHS 28060) 3. 小児科をローテーションする班は神経総合、筋肉疾患、てんかん、アレルギー・免疫、代謝 内分泌の 5 つの診療チームのどれかに所属する。 4. 所属チームの疾患を 1 例医療面接も含めた診療を経験し、その症例レポートをまとめ、症例 発表も含めた口頭試問をチームリーダーから受ける。 5. 希望者は当直を経験してもよい。各担当医に申し出ること。 6. 2 回目の小児科実習週の金曜日に永田教授による口頭試問を受ける。 − 159 − 東医療センター実習表 実 習 係 松岡 尚史(PHS8702) 連 絡 係 松岡 尚史(PHS8702) 集合場所 管理棟 1 階小児科医局 (第 1 週目) 9:00 10:30 診察方法 (松岡) 昼食 月 小児科序論 (鈴木葉) 12:00 13:00 [患者紹介] 昼食 水 クルズス (呼吸器) (鈴木悠) 16:00 17:00 病棟実習 (指導医) 人間関係教育 6(多田) 小児科外来 [病歴聴取] 病棟実習 (指導医) グループ カンファ レンス 総合カンファレンス (杉原・鈴木葉・大谷・加藤・本間・松岡) 大会議室 [症例の討論] 病棟実習 (指導医) 昼食 木 総合回診 (杉原) 15:30 [問題点の抽出と解決に必要な 医療資源・文献検索等の情報収集] [診察・検査結果収集] 病棟実習 (指導医) 14:30 病棟回診 (鈴木葉・大谷・本間) 昼食 火 病棟実習 (指導医) 14:00 [問題点の修正、展開] 新生児実習(NICU) (長谷川) 新生児実習(NICU) (長谷川) 昼食 金 [ベッドサイドでの症例提示] 土 病棟実習 (指導医) − 160 − 東医療センター実習表 実 習 係 松岡 尚史(PHS8702) 連 絡 係 松岡 尚史(PHS8702) 集合場所 管理棟 1 階小児科医局 (第 2 週目) 9:00 10:30 クルズス (感染症) (鈴木葉) クルズス (神経筋疾患) (鈴木恵) 16:00 人間関係教育 6(多田) [患者 小児科外来 紹介] [病歴聴取] 外来症例検討 (杉原) 病棟実習 (指導医) [問題点の抽出と解決に必要な医療 資源・文献検索等の情報収集] 昼食 水 病棟実習 (指導医) 15:30 病棟実習 (指導医) 昼食 火 病棟実習(指導医) [診察・検査結果収集] 14:30 病棟 病棟回診 実習 (鈴木葉・大谷・本間) (松岡) [症例提示と 討論] 外来症例検討 (加藤) 14:00 昼食 月 症例検討 (鈴木葉) 12:00 13:00 グループ カンファ レンス 総合カンファレンス (杉原・鈴木葉・大谷・加藤・本間・松岡) 大会議室 [症例の討論] 外来育児相談 昼食 木 総合回診 (杉原) [ベッドサイドでの症例提示] クルズス (アレルギー) (大谷) 昼食 金 症例検討 (大谷) 病棟実習(指導医) クルズス (成長) (松岡) [症例提示と 討論] 病棟実習 (指導医) [問題点の修正・展開] 土 病棟実習 (指導医) − 161 − 東医療センター実習表 実 習 係 松岡 尚史(PHS8702) 連 絡 係 松岡 尚史(PHS8702) 集合場所 管理棟 1 階小児科医局 (第 3 週目) 9:00 10:30 12:00 13:00 病棟実習 (松岡) 昼食 月 クルズス (悪性腫瘍) (加藤) 14:00 [患者紹介] 病棟実習(指導医) [診察・検査結果収集] クルズス (救急) (本間) 15:30 16:00 病棟回診 (鈴木葉・大谷・本間) 病棟実習 (指導医) 人間関係教育 6(多田) 小児科外来 [病歴聴取] 外来症例検討 (杉原) 病棟実習 (指導医) [問題点の抽出と解決に必要な医療 資源・文献検索等の情報収集] 昼食 水 病棟実習 (指導医) 昼食 火 外来症例検討 (加藤) 14:30 グループ カンファ レンス 総合カンファレンス (杉原・鈴木葉・大谷・加藤・本間・松岡) 大会議室 [症例の討論] [問題点の修正・展開] [ベッドサイドでの症例提示] 金 昼食 病棟実習(指導医) 病棟実習 (指導医) 外来育児相談 昼食 木 総合回診 (杉原) 病棟実習 (指導医) 土 病棟実習 (指導医) − 162 − 総合判定 (杉原) 本院選択診療科実習表 8:30∼ 9:00∼ 10:00 12:00 13:00 病棟 昼休み 月 小児科 受持医 紹介 新患 カン (平澤) ファ (医局) 医局 11:00 病棟実習 14:00 15:00 16:00 17:00 18:00 病棟 てんかんカンファ 病棟実習 病棟カファ 火 水 入退院児の 検討会 (医局) 主任教授回診 17:00∼ 抄読会 クリニカル カンファ ランス (昼食) 病棟実習 病棟 木 病棟実習 病棟実習 病棟カンファ 金 土 外来見学 (舟塚、今井) 1)病棟は受持医に 1 対でつくこと。病棟の患者を一緒 に受持つ。 ☆ 希望者は当直をしてもよい。小国実習係まで申し出る事、 病棟の割り振りは下記とする。 − 163 − 東医療センター実習表 (選択診療科としての実習表) 実 習 係 松岡 尚史(PHS8702) 連 絡 係 松岡 尚史(PHS8702) 集合場所 管理棟 1 階小児科医局 9:00 10:30 昼食 月 診察方法 指導医紹介 (松岡) 12:00 13:00 14:00 14:30 15:30 病棟回診 (鈴木葉・大谷・本間) 16:00 病棟実習 (指導医) 人間関係教育(多田) 小児科外来 土 病棟実習 (指導医) 昼食 金 外来症例検討 (本間) グループ カンファ レンス 総合カンファレンス (杉原・鈴木葉・大谷・加藤・本間・松岡) 大会議室 外来育児相談 (外来担当医) 昼食 木 総合回診 (杉原) 昼食 水 病棟実習 (指導医) 外来症例検討 (杉原) 昼食 火 病棟実習 (指導医) 病棟実習 (指導医) 病棟実習 (指導医) 総合判定 (杉原) 病棟は指導医に 1 対 1 でつくこと。そのうち患者 1 名 を受け持つ。 − 164 − 本院自主選択診療科実習表 8:30∼ 9:00∼ 10:00 12:00 13:00 病棟研修 14:00 昼休み 月 小児科 受持医 紹介 新患 カン (医局) ファ 医局 11:00 17:00 18:00 病棟研修 てんかんカンファ 医局 病棟研修 病棟研修 火 病棟研修 ミオパチーカンファ 慢性病棟 カンファ 病棟研修 病棟研修 水 入退院児の検討会 (医局) 8:15∼ 15:00 15:45 16:00 16:00∼ 主任教授 抄読会 回診 (昼食) 木 病棟研修 クリニカル カンファランス 医局 病棟研修 病棟研修 金 病棟研修 病棟研修 病棟研修 病棟研修 土 病棟研修 急性病棟 カンファ ☆ 1 週間に一度は当直につく。希望日を病棟指導医に 申し出ること。 − 165 − 試験日程(本院) 毎週月曜日 時 間 場 所 9:00 ∼ 10:00 小児科医局 担 当 者 試験日程(東医療センター) 3 週目金曜日 時 間 場 所 担 当 者 15:00 ∼ 17:00 管理棟 2 階小児科教授室 杉 原 茂 孝 指導医一覧表(本院) 所 属 職 名 小 児 科 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 主任教授 教 授 准 教 授 〃 講 師 〃 准 講 師 非常勤講師 〃 氏 名 所 属 職 名 氏 名 永 田 智 小 児 科 非常勤講師 村 杉 寛 子 〃 〃 岡 田 和 子 小 国 弘 量 〃 〃 柳 垣 繁 平 澤 恭 子 〃 〃 池 谷 紀代子 舟 塚 真 〃 〃 小 国 美也子 伊 藤 康 〃 〃 中 野 和 俊 石 垣 景 子 〃 〃 小 平 かやの 今 井 薫 〃 助 教 砂 原 真理子 坂 内 優 子 〃 〃 竹 下 暁 子 大 橋 博 文 指導医一覧表(東医療センター) 所 属 職 名 小 児 科 新 生 児 科 小 児 科 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 教 授 臨床教授 准 教 授 講 師 〃 〃 〃 非常勤講師 〃 〃 〃 氏 名 所 属 職 名 氏 名 杉 原 茂 孝 小 児 科 助 教 鈴 木 恵 子 長谷川 久 弥 〃 〃 萩 原 幸 世 鈴 木 葉 子 〃 〃 鈴 木 悠 大 谷 智 子 〃 〃 飯 田 厚 子 加 藤 文 代 〃 〃 安 田 菜穂子 本 間 哲 〃 〃 三 宅 直 香 松 岡 尚 史 〃 〃 志 田 洋 子 原 裕 子 〃 〃 安 田 祐 希 伊 藤 けい子 〃 〃 星 加 将 吾 岡 田 和 子 〃 〃 東 範 彦 多 田 光 − 166 − 整形外科、東医療センター整形外科 1. 一般到達目標 医療の基本として疾患の診断と治療を行うことと同等、あるいはそれ以上に疾患を有する人間 を癒すことが要求される。病院実習において学生は教科書、講義内のみでの疾患から離れ、初め て生きている人間を通して内在する疾患に触れる機会を持つ。ここで患者という black box 内に 潜む疾患を問診、身体所見、各種検査(画像検査など)を駆使し適確に診断する。そして治療方 針は個々の患者さんおよび家族の社会的状況をも配慮し、望むべき治療目標を考えて決定されね ばならない。整形外科が主として診療する運動器は人間が活動するために必要不可欠な臓器であ る。最近の厚生労働省の統計によると、国民の有訴率の上位 3 愁訴は「腰痛」 、 「肩こり」 、 「四肢 関節痛」であり、現代社会における運動器の衰えを浮き彫りにしている。そして WHO は、さま ざまな運動器の障害(特に痛み)から人間を解放する世界運動を展開しており、運動器疾患を理 解することは必要不可欠である。さらに手術はその障害を解決する最も有効な手段であるが、同 時に手術による合併症についても十分に理解しなければならない。 2. 実習に必要な知識 ①病態(病理)の特徴(変性、外傷、炎症、腫瘍、先天性、循環障害など) ②骨・関節・筋・神経の基本的構造と機能および生化学 ③四肢、関節、脊柱などの計測方法(長さ・周径・可動域) ④四肢の神経学的診察法(脊髄・神経根、末梢神経)─反射、MMT、感覚検査 ⑤ X 線のみかた(S, ABCD) 、MRI・CT の読影 3. 実習内容 疾患についての知識をもとに、ベットサイドにて患者さんに初めて接する。すなわち四肢・体 幹などの疼痛、機能不全など種々の愁訴を有する患者さんのつらさと日常生活動作における問題 点を理解し、その中にひそむ疾患を科学的に追求し、正しい診断を行う。また同時に患者さんの 内面性(精神状態など)についても評価する。次いで患者さんの社会、 家庭環境などを考慮に入れ、 病態と治療を説明し、患者さんの合意のもとに治療方針を決定する。例え同一疾患であっても年 令、性、体格、活動性、性格、職業、家庭、社会環境などにより、その治療の目的、方針ならび に方法は異なる場合が少なくない。 これらのプロセスの第一歩としての患者さんとの対話、病歴聴取は非常に重要で、診断の根幹 をなす。訴えの背景を考えつつ、該当する疾患を部位別、臓器別、組織別あるいは病理学的にリ ストアップし、それらの疾患に相当する症状について患者さんに質問し、該当する疾患、鑑別疾 患を絞り込む。その後、確定診断に至る検査を必要順にあげていく。このようにして診断と治療 の考え方を個々の症例より体験する。具体的には学生を病棟内の診療担当医グループに振り分け、 教授および受持医からの紹介に続いて患者さんの問診、診察、検査にあたり、各ステップで想定 すべき疾患をあげ、それを各種検査等で実証、確認あるいは修正し、鑑別すべき疾患を含めての 正しい診断へのプロセス(step by step process)を学ぶ。同時に医師としての態度、心得を体験、 会得する。次いで、「 説明と同意 」(informed concent)に立ち会わせる。すなわち患者さんへの 病態説明、また治療にあたっての患者さんの自己管理の重要性と医療側からの治療設計の説明で ある。平易な言葉を用い、患者さんおよび家族が理解しているか否か表情をみながら疾患の病態、 診断と治療について理解してもらうことの重要性、その実際について認識させる。さらに手術に も積極的に立ち合わせ実際の解剖、手術の目的と手技を理解させる。手術後はその効果また合併 症なども評価させる。 − 167 − 4. 具体的到達目標(学生が指導医の指導・監査のもとに行える医療行為の範囲) 1)指導医の許可のもとに学生に実施させるもの 詳細な病歴聴取と整形外科的診察 ・疾患および全体像把握のための患者さんへの問診 ・骨・関節・筋・腱・靭帯など運動器の整形外科的診察法 ・神経・血管系の診察・診断法 ・X 線、CT、MRI、脊髄腔造影、関節造影、筋電図など特殊検査の実施と結果の判定 ・上記診察・検査所見の総括と診断・治療の考え方 ・回診、カンファレンスなどへの積極的な参加 ・手術、ギプス巻き、理学療法など治療時の助手としての参加 2)状況によっては学生が実施できるもの 手術の手洗い 理学療法への参加 患者介護 3)介助、見学させるもの 脊椎・脊髄および関節の精密検査 手術前のインフォームドコンセント、手術、手術後の管理 (インフォームドコンセントは全検査終了後、患者家族の都合および医師の都合により、多 くは夕方以降に行われる。I.C. の時間を知って積極的に参加すること。 ) 到達目標 ①運動器疾患の問診から考えられ疾患をあげられる。 ②下肢の機能障害と平地歩行、階段歩行、ジャンプなど ADL および QOL への影響を述べら れる。 ③上肢の機能障害と食事、整容、更衣など ADL および QOL への影響を述べられる。 ④神経の障害と ADL および QOL への影響を述べられる(特に脊椎疾患) 。 ⑤上肢・下肢・脊椎の急性期外傷(骨折・脱臼)の特徴・合併症と対策を述べられる。 ⑥加齢による代表的な運動器の機能低下をあげられる(変形性関節症、脊椎症、骨粗鬆症) 。 ⑦見逃してはいけない疾患の特徴をあげられる(感染、悪性骨軟部腫瘍、四肢の循環障害) 。 5. 評価方法 金曜日に、担当した症例の発表を行ない、これを口答にて質疑し評価する。 各グループの指導医による評価と学生自身の自己評価、レポート作成。 6. 参考図書 国分・鳥巣 監修 辻・高橋 編 伊藤・服部・山浦 編 伊藤 編 腰野 編 長野 編 伊藤・大塚・久保 編 田崎・斎藤 著 野嶋・首藤・狩山 監訳 津山 監訳 国分・岩谷・落合・佛淵 標準整形外科(第 11 版) 整形外科診断学(第 3 版) 臨床脊椎脊髄医学 整形外科手術のための解剖学 脊椎・骨盤 整形外科手術のための解剖学 下肢 整形外科手術のための解剖学 上肢 整形外科、術前・術後のマネジメント (第 2 版) ベッドサイドの神経の診かた(改定 6 版) 図解 四肢と脊椎の診かた 整形外科医のための神経学図説 今日の整形外科治療指針(第 6 版) − 168 − 医学書院 金原出版 三輪書店 メジカルビュー社 メジカルビュー社 メジカルビュー社 医学書院 南山堂 医歯薬出版 南江堂 医学書院 2011 1999 1996 1998 1999 1999 2005 2003 2008 2005 2010 整形外科実習表 実 習 係 大鶴任彦(29398)柴 正弘(28138) 連 絡 係 医局事務 髙橋(38333) 集合場所 中央 7F ギプス室 集合 8:15 カンファレンスルーム(ギプス室) 8:15 9:00 9:45 17:00 12:00 13:00 月 オリエンテ 教授総回診 ーション (加藤) 患者割り 当て ガイダンス (加藤) 病例検討・問診 身体所見 (担当医) 抄 読 会、インフォームド コンセントなどあり(担 当患者については必ず参 加) 水 木 モ ー ニ ン グ カ ン フ ァ レ ン ス・抄読会 火 火・水もイン フォームドコ ンセントあり (担当医に日 時を確認する こと) 外来見学 【加藤・和田(圭) (脊 椎)、森田、大鶴(股 関節)、安井(肩)、岩 倉(手の外科)】、村田、 斎藤 検査見学 担当患者の画像などの検討 (担当医) 7:15∼ 総合カンファレンス (病棟) 手術見学(担当患者の みでなく、他の手術も 見学) 手術見学または担当症例の検討 (担当医) 手術見学 (担当患者のみでなく、 他の手術も見学) F 金 手術見学 (担当患者のみでなく、 7 他の手術も見学) 手術見学または担当症例 の検討(担当医) 13:00∼14:00 手術見学または担当症例 クルズス③ の検討(担当医) リハビリ テーション 猪飼 (1号館B1F) レポート作成 土 − 169 − 18:00∼ 術後状態のチ ェック、症例 のまとめ、各 自の担当症例 のまとめ (村田、森田、 大鶴、斎藤) 試験日程 金曜日 時 間 場 所 担 当 者 18:00 ∼ 19:30 7F BST 室 加 藤 義 治 (休日にあたる場合などは適宜変更) 指導医一覧表 所 属 職 名 整 形 外 科 リ ハ ビ リ 整 形 外 科 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 主任教授 教 授 准 教 授 講 師 〃 〃 非常勤講師 〃 〃 〃 〃 助 教 氏 名 所 属 職 名 氏 名 加 藤 義 治 整 形 外 科 助 教 斎 藤 力 猪 飼 哲 夫 〃 〃 島 本 周 治 村 田 泰 章 〃 〃 大 鶴 任 彦 金 谷 幸 一 〃 〃 柴 正 弘 和 田 啓 義 〃 〃 安 井 謙 二 和 田 圭 司 〃 〃 萩 原 洋 子 横 畠 由美子 〃 〃 岩 倉 菜穂子 野 口 昌 彦 〃 〃 伊 藤 匡 史 土 屋 明 弘 〃 〃 寺 山 恭 史 石 井 猛 〃 〃 青 木 千 春 菅 谷 啓 之 〃 〃 篠 晋 久 森 田 裕 司 〃 〃 玉 木 亮 − 170 − 東医療センター整形外科実習表 実 習 係 早田浩一朗(7778)、井上靖雄(7775) 連 絡 係 篠田有衣(8962) 集合場所 整形外科病棟(東 3B) 8 9 11 10 月 オリエンテ ーション ガイダンス (千葉) 12 病棟 13 火 木 金 手術、病棟 (神戸) 土 病棟 (早田) 17 クルズス 膝 (千葉) 病棟 クルズス リウマチ (井上) 肩 (神戸) 手術、病棟 (千葉) 手術、病棟 (神戸) 外来 (千葉) 教授回診 水 手術、病棟 (井上) 16 手術、病棟 (和田) 外来 (井上) 手術、病棟 (千葉) 15 14 クルズス 脊椎 (和田) 股 (早田) 18 症例 検討会 抄読会 クルズス 外傷 (井上) まとめ 口頭試問 (千葉) 注意事項 ・ 月曜日 9:00 より、東 3B 病棟にてオリエンテーショ ンを行い、受け持ち患者を割り当て、出席表を配布 する。 − 171 − 試験日程 外 科 時 間 場 所 担 当 者 1 週目金曜日 16:00 ∼ 17:00 教 授 室 千 葉 純 司 指導医一覧表(東医療センター) 所 属 職 名 氏 名 所 属 職 名 氏 名 整 形 外 科 学 教 授 千 葉 純 司 整 形 外 科 学 助 教 早 田 浩一朗 〃 〃 保 母 香 〃 准 教 授 神 戸 克 明 〃 〃 清 田 毅 〃 講 師 和 田 啓 義 〃 准 講 師 井 上 靖 雄 − 172 − 神 経 精 神 科 1. 一般到達目標 精神障害に対するアプローチは、患者の体験を素直にきくこと、また患者の表現を適切に感じ とることから始まる。この作業には熟練が必要である。しかし基本となるのは人づきあいにおけ る誠実性であり、先入見をすてて他人の立場に立ってみる観得的な姿勢である。このような態度 は、年齢とともに自然に育ってくることが見込まれはするが、根本にある対人的に開かれた姿勢 はそれぞれの世代で磨きうるものである。特に精神医学ではこの姿勢がないと一歩も進まないこ とを学ぶのが実習の前提になる。 一方医学的にみると、精神障害はその主要なものの原因を身体に局在化したり、同定すること は現段階でできていない。その限りにおいて診断はあくまで暫定的なものであり、将来いまの障 害分類とその原因とが一対一に対応する形で決定されるかどうかはわからない。精神医学の診断 名に対して抱きがちな先入見をすてて、診断があらわしている内実と限界、経過の可変性と多様 性、そして治療可能性を学ぶことが第一の目標になる。 ひとりひとりの患者に接するにあたっては、障害をこうむった個人という全体像を正確にとら えることが大事である。また障害というレベルでも、全体像すなわち病像が重要になる。個々人 が生きてきた環境と歴史、いま本人がおかれている状況が病像に多大な影響を及ぼすことも学ぶ ことになる。ひとりひとりの患者のあり方とその可変性が精神科診療の主眼である。 このように、医療の全人的性格が前面にある精神科の実習は、単に精神科という科の内部での み、あるいは精神障害者に対してのみ役立つだけではない。将来医師として患者に接する場合の 基本となるはずである。 2. 実習に必要な知識 1. 主要精神症状 2. 操作的診断(ICD−10, DSM−IV−TR) 3. 薬物療法(効果と副作用) 4. 非薬物療法 5. 脳波、心理検査 6. 精神保健福祉法・利用可能な社会資源 3. 内容 1. 各人に 1 人の受け持ち患者が割り振られるので、現症の把握、診断へのプロセス、治療・社 会復帰の援助の方針の立て方について学習する。 2. グループ内で学生相互が受け持ち患者について発表し、1 つの内容を深める。 3. 外来で初診の診察に陪席し、診察法、治療法について見学、指導を受ける。 4. 各診察日で見学した患者の中から、1 つ以上の臨床問題を抽出・定式化し、グループ内で討 論した結果を指導医に報告しコメントをもらう。 5. 通電療法、脳波検査、心理検査見学の機会がある時は陪席し、手技や効果について学習する。 6. 実習中に行われるクルズスを聴講する。 7. 初診患者の予診に陪席し、医療記録の記載の基礎を学習する。 8. 入院患者の主治医の診察に陪席・補助を行う。 − 173 − 4. 具体的到達目標 1)コア診療科実習としての到達目標 ①主要な精神症状の聴取・把握・記述ができる。 ②操作的診断法に則り、主要な疾患の診断・鑑別診断が適切に行える。 ③主要な疾患について、標準的な介入方針が立てられる。 ④介入後の転帰を適切に予測できる。 ⑤上記②③④に関して、平易に説明することができる。 2)選択診療科実習としての到達目標 コア診療科実習を踏まえ、実習したいことを事前に決め、到達目標に沿って学習する。 3)自主選択実習としての到達目標 医療スタッフの一員として診療に参加し、チームワーク医療を体験。 心理検査・リエゾン・作業療法・集団精神療法等にも参加。 回診ではプレゼンテーションを行い、患者個人の実情に応じたきめ細やかな介入プランを設 定できる。 5. 評価方法 ・ 指導医評価 ・ 教授の試験による最終評価(受け持ち症例についてのプレゼンテーションと、これに基づ く口頭試問) 6. 参考図書 野村総一郎編 標準精神医学 医学書院 2001 大熊輝雄 現代臨床精神医学 金原出版 2008 高橋三郎訳 DSM−Ⅳ−TR:精神障害の分類と診断 医学書院 2000 インフォームド・コンセントガイダンス 先端医学社 1999 星和書店 1997 松下正明他 精神科治療編 久郷敏明 エピレプシー・ガイド ―てんかんの本 亀口憲治 現代家族への臨床的接近 ミネルヴァ書房 1997 岩本隆茂他 認知行動療法の理論と実際 培風館 1997 山中康裕 心理臨床と表現療法 金剛出版 1999 山口 登他 こころの治療薬ハンドブック(第 6 版) 星和書店 2010 − 174 − 神経精神科実習表 実習・連絡係 内出 容子(33205) 集 合 場 所 南病棟 2F 医局 集 合 時 間 8:30 月 火 水 木 金 土 カ ン フ ァ レ ン ス 第一週 第二週 第一週 第二週 第一週 第二週 第一週 第二週 第一週 第二週 第一週 第二週 8:30 9:00 12:00 13:00 オリエンテーション (内出) 初診見学(古城) (西村) 受持患者診察 問題点を抽 出し情報検索 テュートリアル形式で検討 17:00 新患紹介 症例検討 教授回診(石郷岡) 会(西村) 症例割り振り・患者紹介 毎週行う 担当医によるレクチャー及びカルテ閲覧 病棟での多職種カンファレンス 初診見学(石郷岡) (稲田) 問題点抽出 ディスカッション クルズス①(石郷岡) 診断学についてレクチャー 受持患者診察 問題点を抽 出し情報検索 テュートリアル形式で検討 ディスカッション 初診症例 サマリー 提出 受持患者診察 問題点を抽 出し情報検索 テュートリアル形式で検討 初診症例 ディスカッション サマリー クルズス②(坂元) 提出 気分・不安障害についてレクチャー ディスカッション クルズス③(西村) リエゾン・がん緩和についてレクチャー 初診見学(高橋) (川本) 問題点抽出 症例について問題点抽出 ディスカッション 受持患者診察 問題点を抽 出し情報検索 テュートリアル形式で検討 女性生涯健康センターに て外来見学(加茂) 問題点抽出 プレゼンテーション予行 クルズス④(井上) 心理検査についてレクチャー ディスカッション クルズス⑤(加茂) 女性の精神障害についてレクチャー 初診見学(長谷川) (辻) 合同カンファレンス 口頭試問(石郷岡) 担当患者について報告。試問を受ける。 初診見学(坂元) (内出) 問題点抽出 温度板回診(坂元) 温度板回診(坂元) ★ 2 班に分かれ、1 週間ずつ外来実習中心/病棟実習中心と交代する。 温度板回診:10:00 ∼ 4 階、11:00 ∼ 5 階 − 175 − 初診症例 サマリー 提出 初診症例 サマリー 提出 試験日程 2 週目の金曜日 時 間 場 所 担 当 者 14:00 ∼ 16:00 南病棟 2F 小会議室 石郷岡 純 指導医一覧表 所 属 職 名 氏 名 所 属 職 名 氏 名 神 経 精 神 科 主 任 教 授 石郷岡 純 神 経 精 神 科 講 師 西 村 勝 治 〃 〃 高 橋 一 志 〃 教 授 加 茂 登志子 〃 〃 稲 田 健 〃 〃 坂 元 薫 〃 講 師 古 城 慶 子 − 176 − 眼 科 1. 一般到達目標 日常生活や社会生活を行う上で外界からの情報の約 80%は視覚を通して行う。視力の低下や視 力を失うことへの不安、恐怖、苦痛がはかり知れず大きく、失明は死についで、あるいはそれ以 上のものであることを実際に患者に接して理解する。患者の心痛や家族の悩み、悲しみを理解し、 受け入れた上で、医師としての立場から援助と支えが必要なことを学ぶ。 2. 実習のために必要な知識 眼球と附属器の構造と機能 基本的眼科検査 視力障害の原因およびその病態 3. 実習内容 外来診療および手術をとおし、多くの眼疾患を経験させながら、診療上の問題点の解決方法を 学ばせる。また、患者、医師、医療関係者とのコミュニケーションの重要性に気づかせる。指導 医は、学生の能力に応じて、眼科検査、治療を経験させるとともに、学生の問題解決方法につい てフィードバックを行いその過程を評価する。 4. 具体的到達目標(学生が指導医の指導・監督のもとに行える医療行為の範囲) 1)眼科診療技術の修得 (1) 指導医の指導・監視のもとに学生に実施させるもの 視力測定、視野、眼底検査、眼位、眼球運動、瞳孔反応、輻輳と開散、細隙灯顕微鏡検査、 眼脂検査。 (2) 状況によっては学生が実施できるもの 調節と屈折、両眼視機能検査、涙液分泌機能検査、色覚検査、光覚検査。 (3) 介助、見学させるもの 隅角鏡検査、眼圧測定、電気生理学的検査(ERG、EOG、VEP) 、 画像診断(超音波、光干渉断層計) 、蛍光眼底造影。 2)眼科治療技術の修得 (1) 指導医の指導・監視のもとに学生に実施させるもの 点眼。 (2) 状況によっては学生が実施できるもの 涙嚢洗浄、外来手術の手洗い、助手(器械だし) 。 (3) 介助見学にとどめるもの 球結膜下注射、光凝固療法 手術:外来手術としては霰粒腫、麦粒腫の切開摘出、睫毛内反、入院手術としては斜視、 白内障、緑内障、網膜剥離、硝子体手術。 ここにあげた外来および入院手術で実習期間内に見学できなかったものについては VTR で学ぶか、手術書で手順をおぼえること。手術室における態度、マナー、清潔と 不潔の概念、患者との接し方、思いやり、医師と他の医療関係者の役割分担、コミュ ニケーションを学ぶ。 − 177 − 3)重要眼疾患の修得(日常外来で経験できる疾患) 結膜疾患:流行性角結膜炎、急性出血性結膜炎、アレルギー性結膜炎、細菌性結膜炎など 角膜疾患:角膜ヘルペス、コンタクトレンズ障害、乾性角結膜炎、角膜潰瘍、角膜変性症 ぶどう膜疾患:ベーチェット病、サルコイドーシス、原田病など 網膜疾患:網膜細動脈硬化症、高血圧性網膜症、網膜中心動脈閉塞症、網膜中心静脈閉塞症、 糖尿病網膜症、加齢黄斑変性、中心性脈絡網膜症、網膜色素変性、網膜剥離、網膜芽細胞腫、 滲出性網膜炎、未熟児網膜症など 視神経疾患:うっ血乳頭、視神経炎、視神経萎縮 白内障:老人性白内障、先天性白内障、併発白内障、外傷性白内障、放射線白内障など。 緑内障:原発緑内障(閉塞隅角、開放隅角) 、牛眼、ステロイド緑内障、ポスナー・シュロ スマン症候群、続発緑内障、正常眼圧緑内障 眼外傷 選択診療科としての到達目標 コア診療科実習で充分行えなかった到達目標にあげられている検査、治療法を経験する。 自主選択実習科としての到達目標 指導医と研修医で構成される診療チームの一員として眼科診療、手術に参加し、指導医の 監督のもとに実際の医療を体験する。 5. 評価方法 1) 事前テスト:Block4 で tutorial 方式の自学自習を行い、実習もするが、講義時間は大幅に 少いため、眼科的知識の到達度を知る目的で、実習に先立って確認のため簡単なテストを する。 指導医は、これを参考にして不足している所は補ない、1 週間のうちに到達目標に向けて方 策をねる。 2) 実習期間中:指導医のそれぞれが評価を行ない、学生も自己評価表を提出する。実習中に 経験した技能や病名を毎日記載し、指導医の検印をうける。 3) 最終テスト:口答で行ない眼科学講義終了時の卒試に該当した出題を行ない、学生に自分 自身を現実に評価するチャンスを与え、さらに次の目標に向かう参考にさせる。 6. 参考図書 石原 忍 創著、鹿野信一 改訂 小眼科学(改訂第 22 版) 金原出版 大野重昭 監修、木下 茂 他編 標準眼科学(第 11 版) 医学書院 2010 吉田晃敏、谷原秀信 編 現代の眼科学(第 10 版) 金原出版 2009 沖坂重邦 眼病理アトラス 文光堂 1992 丸尾敏夫 他編 眼科学(第 2 版) 文光堂 2011 Naumann, G.O.H. & Apple, D.J. 眼病理学 シュプリンガー 1987 (鹿野信一監訳) 1991 フェアラーク東京 坪田一男、大鹿哲郎 編 TEXT 眼科学(改訂 2 版) 南山堂 2007 眞鍋禮三 監、大橋裕一 他編 眼科学:疾患とその基礎 メディカル葵出版 2001 山本修一、大鹿哲郎 編 講義録 眼・視覚学 メジカルビュー社 2006 − 178 − 眼科実習表 実 習 係:篠崎(28212) 連 絡 係:篠崎(28212)、医局(31512) 集合場所:第 1 病棟 3F 第 3 会議室 外来:総合外来センター 3F 北ブロック 9 10 11 12 眼科手術 11:00∼ クルズス 外来実習 10:30∼ (黄斑外来) (山本・ (飯田・丸子・ 篠崎) 古泉) 月 眼科診断学 9:00∼ (高村) *眼科基礎知識を確認し、眼科診断 学、検査法、手術について解説する。 火 外来・病棟実習 にあたり OCTについて 9:00 (篠崎・古泉) 篠崎・山本・指導医 9:30∼ *外来患者の診察を通し疑問点を抽 出し、Problem list を作製し、解決 方法を指導医と話合う。 水 手術見学 9:30∼ (飯田・丸子・古泉) *手術見学を通し、手術目的、方法 など疑問点を明らかにする。 13 15 神経眼科外来(大平) 専門外来:ドライアイ外来(高村・篠崎) 緑内障外来(小暮俊) 専門外来:未熟児外来(稲用・田村) 15:30∼ NICU 角膜外来(高村・篠崎・島崎・木全) 網膜クルズス 16:30∼ 網膜硝子体外来(飯田・酒田・ (中村) 小暮あ・山本) 色覚外来(中村) 第1病棟3F 14:00∼ 第3会議室 木 東医療センター実習(手術見学) (松原・亀井) 斜視・弱視外来(梶本) 金 *外来患者の診察を通し疑問点を抽 出し、Problem list を作製し、解決 方法を指導医と話合う。 土 *眼科全般 医局抄読会 術前カン ファ 視力検査室 特殊検査見学 14:30 ∼ 外来実習 9:30∼(篠崎・小暮あ) クルズス9:00∼ (栗原) 第一病棟 3F 第 3 会議室 17 13:30∼ 眼底検査実習・視力検査実習 (小暮あ・田村・内村・森永) 東医療センター実習(手術見学) (松原・亀井) 8:30∼9:30 口頭試問 第一病棟 3F 第4会議室(飯田) 16 Problem list にあげ た問題点、 解決方法、 収集した情報につ いてグループ討論・ 眼底スケッチの成 果の確認 10:30∼(篠崎) − 179 − 選択科実習表 指導医とともに行動し、外来および病棟の実習および手術見学をおこなう。 午前 午後 月 火 水 木 神経眼科外来(大平) 黄斑外来(飯田・丸子・古泉・指導医) 外来実習(篠崎・山本・古泉・ 指導医) ドライアイ外来(高村・篠崎) 未熟児外来(稲用・田村) 緑内障外来(小暮俊) 外来実習(高村・山本・小暮・ 指導医) 手術見学(飯田・丸子・古泉・ 指導医) 角膜外来(高村・篠崎・木全・島崎) 網膜硝子体(飯田・山本・小暮あ・酒田) 色覚外来(中村) 外来実習(飯田・加藤・指導医) 手術見学(高村・篠崎・小暮あ・ 加藤・指導医) ぶどう膜外来(豊口・島川) 黄斑外来(飯田・古泉) 外来実習(篠崎・小暮あ・指導医) 斜視弱視外来(梶本) 金 眼科実習オリエンテーション (高村) 黄斑外来(飯田・丸子・古泉・ 指導医) 手術見学(山本・篠崎・指導医) 土 外来実習(高村・指導医) − 180 − 試験日程 外 科 時 間 場 所 担 当 者 1 週目月曜日 9:00 ∼ 第 1 病棟 3F 第 5 会議室 高 村 悦 子 1 週目金曜日 8:30 ∼ 9:30 第 1 病棟 3F 第 3 会議室 飯 田 知 弘 指導医一覧表 所 属 職 名 氏 名 所 属 職 名 氏 名 眼 科 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 主任教授 客員教授 准 教 授 講 師 〃 非常勤講師 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 特任講師 准 講 師 飯 田 知 弘 大 平 明 彦 高 村 悦 子 篠 崎 和 美 須 藤 史 子 加 藤 昌 久 島 川 眞知子 栗 原 泉 中 村 かおる 稲 用 和 也 島 崎 潤 梶 本 美智子 木 全 奈都子 酒 田 久 美 小 暮 俊 介 丸 子 一 朗 豊 口 光 子 眼 科 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 准 講 師 〃 〃 〃 助 教 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 小 暮 朗 子 山 本 香 織 屋 宜 友 子 古 泉 英 貴 田 村 明 子 松 生 寛 子 林 殿 宣 菅 波 由 花 上 村 文 内 村 英 子 森 永 将 弘 小 野 まどか 新 井 歌奈江 荒 川 久 弥 助 村 有 美 出 雲 令 子 − 181 − 東医療センター眼科 1. 一般目標 日常生活や社会生活を行う上で外界からの情報の約 80%は視覚を通して行う。視力の低下や視 力を失うことへの不安、恐怖、苦痛がはかり知れず大きく、失明は死についで、あるいはそれ以 上のものであることを実際に患者に接して理解する。患者の心痛や家族の悩み、悲しみを理解し、 受け入れた上で、医師としての立場から援助と支えが必要なことを学ぶ。 2. 実習に必要な知識 眼の解剖(眼球、外眼部) 屈折(近視、遠視、乱視) 外眼部:流行性角結膜炎、アレルギー性結膜炎、ドライアイ、角膜びらん、角膜潰瘍など 内眼部:白内障、緑内障、加齢性黄斑変性、糖尿病網膜症、網膜静脈分岐閉塞症、ぶどう膜炎 など 3. 実習内容 短い期間であるから、できるだけ多くの実際の外来診療で行う検査(視力検査、視野検査)に ふれてもらい、眼科の特殊性を実感する機会を与える。外来を受診した患者と接する実習をとお して、視覚障害の問題点、必要な検査、さらに診断、治療、予防などについて考える機会をつくり、 自ら解決する能力を養う。 選択実習においては、学生の能力に応じ、指導、監視のもとに医療行為をひろげ、臨床経験を 充実させる。 4. 具体的到達目標(学生が指導医の指導・監督のもとに行える医療行為の範囲) 1)眼科診療技術の修得 (1) 指導医の指導・監視のもとに学生に実施させるもの 視力測定、視野、眼底検査、眼位、眼球運動、瞳孔反応、輻輳と開散、細隙灯顕微鏡検査、 眼脂検査。 (2) 介助、見学させるもの 隅角鏡検査、眼圧測定、電気生理学的検査(ERG、EOG、VEP) 、 画像診断(超音波、CT) 、蛍光眼底造影。 2)眼科治療技術の修得 (1) 指導医の指導・監視のもとに学生に実施させるもの 点眼。 (2) 介助見学にとどめるもの 球結膜下注射、光凝固療法 手術:外来手術としては霰粒腫、麦粒腫の切開摘出、睫毛内反、入院手術としては斜視、 白内障、緑内障、網膜剥離、硝子体手術。 ここにあげた外来および入院手術で実習期間内に見学できなかったものについては VTR で学ぶか、手術書で手順をおぼえること。手術室における態度、マナー、清潔と 不潔の概念、患者との接し方、思いやり、医師と他の医療関係者の役割分担、コミュ − 182 − ニケーションを学ぶ。 3)選択実習科としての具体的到達目標 (1)眼科診療技術の習得 調節と屈折、涙液分泌機能、眼底写真撮影、色覚検査、光覚検査、眼圧、角膜細胞内皮測定、 画像診断(超音波) (2)眼科治療技術の習得 涙嚢洗浄、手術の手洗い助手、洗眼 4)重要眼疾患の修得(日常外来で経験できる疾患) 結膜疾患:流行性角結膜炎、急性出血性結膜炎、アレルギー性結膜炎、細菌性結膜炎など 角膜疾患:角膜ヘルペス、コンタクトレンズ障害、乾性角結膜炎、角膜潰瘍、角膜変性症 ぶどう膜疾患:ベーチェット病、サルコイドーシス、原田病など 網膜疾患:網膜細動脈硬化症、高血圧性網膜症、網膜中心動脈閉塞症、網膜中心静脈閉塞症、 糖尿病網膜症、加齢黄斑変性症、中心性脈絡網膜症、網膜色素変性、網膜剥離、網膜膠腫、 滲出性網膜炎、未熟児網膜症など 視神経疾患:うっ血乳頭、視神経炎、視神経萎縮 白内障:老人性白内障、先天性白内障、後天性白内障、併発白内障、外傷性白内障、放射 線白内障など。 緑内障:原発緑内障(閉塞隅角、開放隅角) 、牛眼、ステロイド緑内障、ポスナー・シュロ スマン症候群、続発緑内障、正常眼圧緑内障 眼外傷 5)自主選択実習到達目標 ・ 診断と検査 眼(視野、瞳孔、眼球運動、結膜、眼底)の診察が出来る。 基本的検査(視力検査、視野検査、細隙灯顕微鏡検査、眼圧検査、眼底検査)の原理 と適応を知り、主要所見を解釈できる。 ・ 症候 眼・視覚系に関する主要症候(視力障害、視野異常、眼球運動障害、眼脂・眼の充血、飛蚊症、 眼痛)を理解し、原因疾患と治療を説明できる。 ・ 疾患 眼科重要疾患の症候、診断と治療を説明できる。 5. 評価方法について 1) 実習期間中:指導医のそれぞれが評価を行ない、学生も自己評価表を提出する。実習中に 経験した技能や病名を毎日記載し、指導医の検印をうける。 2) 最終テスト:眼科学講義終了時の卒試に該当する口答出題を行ない、学生に自分自身を現 実に評価するチャンスを与え、さらに次の目標に向かう参考にさせる。 6. 参考図書 石原忍創著、鹿野信一 改訂小眼科学 金原出版 1990 植村恭夫 ベッドサイドの眼科学 南山堂 1989 野寄喜美春 モダンクリニカルポイント 金原出版 1991 − 183 − 清水弘一、野寄喜美春 標準眼科学 医学書院 1989 所 敬、金井 淳 現代の眼科学 金原出版 1993 沖坂重邦 眼病理アトラス 文光堂 1992 丸尾敏夫他編集 眼科診療プラクティス 1 ∼ 文光堂 1992∼ 丸尾敏夫他編集 眼科学 文光堂 2002 − 184 − 東医療センター眼科実習表 実 習 係 亀井裕子(内線 6141) 連 絡 係 亀井裕子(内線 6141) 集合場所 東医療センター眼科外来 9:00 10:00 11:00 12:00 13:00 17:00 視力、屈折矯正 検査とその実習 眼圧測定、眼底検査の実際についての実習 (松原、亀井、三村、五嶋、武田、杉原、近藤) 手術及び外来見学 (松原、亀井、三村、五嶋、武田、杉原、 近藤) 手術見学(五嶋)又は ぶどう膜(ベーチェット病)外来見学 白内障について 指導医の講義 眼底疾患、ぶどう膜炎についての講義 (松原、亀井、三村、五嶋、武田、杉原、近藤) 各指導医の診療見学 (松原、亀井、三村、五嶋、武田、杉原、 近藤) 指導医の講義 又は 斜視弱視外来見学 ロービジョン外来見学 検査実習(松原、亀井、三村、五嶋、武田、 杉原、近藤) 月 教授外来診療見学 (松原、亀井、三村、五嶋、武田、杉原、 近藤) 指導医の診療見学 火 水 本院教授外来診療見学(飯田) 本院手術見学(飯田) 木 金 日暮里クリニック 外来見学及び検査実習 (松原、亀井、三村、五嶋、武田、杉原、 近藤) 口頭試問 日暮里クリニック (松原、亀井、三村、五嶋、武田、杉原、近藤) 土 外来診療見学 (松原、亀井、三村、五嶋、武田、杉原、 近藤) − 185 − 東医療センター眼科選択診療科実習表 午 前 午 後 月 外来見学 眼科手技の習得 (松原、亀井、三村、五嶋、武田、杉原、近藤)(松原、亀井、三村、五嶋、武田、杉原、近藤) 火 外来実習又はオペ室 外来実習又はオペ室 (松原、亀井、三村、五嶋、武田、杉原、近藤)(松原、亀井、三村、五嶋、武田、杉原、近藤) 水 外来実習 眼科手技の習得 (松原、亀井、三村、五嶋、武田、杉原、近藤)(松原、亀井、三村、五嶋、武田、杉原、近藤) 木 外来実習又はオペ室 外来実習又はオペ室 (松原、亀井、三村、五嶋、武田、杉原、近藤)(松原、亀井、三村、五嶋、武田、杉原、近藤) 金 日暮里クリニック 日暮里クリニック (松原、亀井、三村、五嶋、武田、杉原、近藤)(松原、亀井、三村、五嶋、武田、杉原、近藤) 外来実習 眼科手技の習得 土 外来実習 (松原、亀井、三村、五嶋、武田、杉原、近藤) − 186 − 試験日程 金曜日 時 間 場 所 15:00 ∼ 16:00 日暮里クリニック 担 当 者 指導医一覧表(東医療センター) 所 属 職 名 氏 名 所 属 職 名 氏 名 眼 科 〃 〃 〃 〃 教 授 講 師 〃 非常勤講師 〃 松 原 正 男 亀 井 裕 子 三 村 達 哉 太刀川 貴 子 手 塚 聡 一 眼 科 〃 〃 〃 〃 非常勤講師 准 講 師 助 教 〃 〃 川 本 潔 五 嶋 摩 理 武 田 桜 子 近 藤 亜 紀 杉 原 紀 子 − 187 − 産婦人科、母子総合医療センター 1. 一般目標 婦人科:婦人科実習の中心理念は“患者さんを中心とした医療”にあり、心温かな優れた臨 床医を育てるところにある。そこで当科としては、子宮および卵巣が女性にとっていかに大 切か、またその臓器を摘出しなくてはならなくなった時、患者がその疾患をいかに理解し、 手術を納得するかを、将来医師になるすべての学生に理解してもらうことを目標にしている。 患者との接し方(インフォームドコンセント) 、各種疾患へのアプローチの仕方を通じて全 人的治療を実際に見聞して欲しい。 産科(母子センター) :産科は常に母体及び胎児の関連の中で疾患を見つめなければならない。 また一方で、最近は様々な合併症妊娠が増加しており、単に産科だけに留まらず広い知識お よび判断力が要求される。産科実習の中ではこのような状況に対応できるような柔軟性に富 んだ知識の整理および展開を身に付けて欲しい。 新生児(母子センター) :正常新生児の出生後の適応生理の不思議を学び、新生児の能力の 素晴らしさを知る。母と子のつながりを築く新生児期の重要性を知る。種々の新生児に起こ る疾患の状態とその対応を学ぶ。 2. 実習に必要な知識 婦人科: 良性疾患(子宮・卵巣・腟・外陰など)の診断と治療 悪性疾患(子宮・卵巣・腟・外陰など)の診断と治療 手術療法および術後管理 化学療法の実施手順・副作用 産科(母子センター) : 正常妊娠の経過 正常分娩の経過 帝王切開の方法 おもなハイリスク妊娠に関する知識 新生児(母子センター) : 正常新生児の出生後の変化(子宮内生活から子宮外生活) 新生児の養護 ハイリスク新生児の定義 3. 内容 婦人科: 問題を発見する:婦人科外来、入院患者の医療面接を通してチェックポイントを抽出する。 情報検索/分析(診察、検査)の実際を理解する: 外来:予診(問診)の check point、内診法(双合診) 、経腟超音波法、分泌物検査法、細 胞診採取、子宮鏡診、腟拡大鏡診、精液検査、排卵日推定法、人工授精、癌化学療法、 ホルモン療法、漢方療法 入院:インフォームドコンセントの実際、術前検査、術後管理、癌化学療法の実際、癌患 者の緩和医療 − 188 − 婦人科手術見学および産科、開腹時の婦人科解剖学所見 解決方法を探る: 下記疾患の診断と治療 疾患:子宮筋腫、子宮腺筋症、子宮内膜症、卵巣腫瘍(良性、境界悪性、悪性) 、子宮頸癌、 子宮体癌、子宮奇形、外陰部腫瘍(良性、悪性) 、子宮脱、膀胱瘤、直腸瘤、骨盤 内感染症、繊毛性疾患 婦人科良性・悪性腫瘍の周術期管理 子宮・卵巣摘出後の内分泌・心理的変化と経過 入院患者女性の社会・心理的背景 産科(母子センター) : 問題を発見する:産科外来入院患者の医療面接を通してチェックポイントを抽出する 情報検索/分析(診察、検査)の実際を理解する: 外来:妊婦定期検診(ルーチン検査、分娩予定日算出法、腹部計測、外診、内診法、妊婦指導、 超音波検査、ノンストレステスト) 、不妊症検査、不育症検査 入院:胎児発育と well being の評価(超音波検査、胎児心拍陣痛図) 、羊水穿刺、胎児採血 解決方法を探る: 正常妊娠・分娩介助の観察と取扱い 異常妊娠管理:切迫流早産、胎児異常、妊娠高血圧症候群、多胎妊娠など 合併症妊娠管理:糖尿病、腎疾患、自己免疫疾患、心疾患など 異常分娩の取扱い:帝王切開術、吸引・鉗子分娩 産科救急、母胎搬送の実際 産褥期管理 不妊治療:タイミング指導、配偶者間人工授精、体外受精胚移植など 新生児(母子センター) : 問題を発見する:ペリネイタルカンファレンスを通じて入院患者の背景を抽出する 情報検索/分析(診察、検査)の実際を理解する: 新生児の観察、評価、栄養状態の評価、感染防御 解決方法を探る: NICU ルーチンワーク(採血、血液検査) 、呼吸心拍モニタ、酸素飽和度モニタ 病的新生児の管理(新生児一過性多呼吸、高ビリルビン血症、低血糖、感染症、嘔吐) 低出生体重児の管理(栄養・呼吸・循環管理:呼吸窮迫症候群、低体温、脳室内出血) ハイリスクの予後 4. 具体的到達目標 (1)指導医の指導・監視のもとに学生に実施させるもの 外来 予診(問診)の聴取 外診(Leopold の手技) 内診(双合診) 妊婦腹部計測・外診・胎児心音聴取 − 189 − 顕微鏡診(カンジダ・トリコモナス腟炎など) 細胞診鏡検 各種検査結果の判定 正常新生児の問診と診察 入院 婦人科 入院患者の病歴聴取、一般診察 超音波検査(経腹・経腟) 術前検査の評価 婦人科良性疾患手術への参加(第二・第三助手として参加、糸結び) 術後患者のガーゼ交換、腹腔内ドレーンの管理 産科 (母子センター) 入院時の一般的診察、予診、産科(妊婦)診察:計測、Leopold 手技、 胎児心音聴取など 正常妊婦に対する超音波検査(胎児計測)とその評価 胎児心拍数図の解読、評価 新生児 (母子センター)急性期を過ぎた児の診察 各種検査結果の判定 (2)状況によっては学生が実施できるもの 外来 外来超音波検査 コルポスコピー 妊娠反応検査 入院 婦人科 婦人科診察(内診) 超音波検査(経腟) 、CT、MRI の読影 産科 (母子センター) 正常分娩第一期における産科診察(内診) 胎児心拍陣痛計の装着 正常新生児出生時の処置の観察 正常新生児の一般診察・評価 新生児 (母子センター)すべて指導医の指導・監視のもとに行う。 (3)介助、見学させるもの 外来 実習内容の中で上記に含まれないもの(子宮鏡診、レザー蒸散など) 入院 婦人科 婦人科悪性疾患手術の見学、内視鏡手術の見学、レザー円錐切除術 の介助、良性疾患手術の介助、手術直前の内診・尿道カテーテル留置、 術後の創傷処置、腹腔・胸腔・ダグラス窩穿刺 産科 (母子センター) 超音波検査、胎児心拍モニタリング、骨盤レントゲン読影、羊水検 査、正常分娩、鉗子分娩、吸引分娩、骨盤位分娩、手術(帝王切開術、 子宮内容除去術、頚管縫縮術、子宮外妊娠手術) 、体外受精胚移植 新生児 (母子センター)採血、点滴ルートの確保、外科的処置、超音波検査 その他 − 190 − 診療選択科としての具体的到達目標 婦人科: 病棟では、主治医チームの一員として、入院患者の病歴聴取、処置を行い、手術では、第二、 第三助手として参加。また、悪性腫瘍の化学療法についても指導医とともに、薬物の用量 設定、処方を行う。 患者を担当することにより、婦人科手術前後の女性特有の心理変化について理解する。 産科(母子センター) : 病棟では、受け持ち患者の主治医チームに入り、すべての処置を一緒に行う。 正常分娩の経過を主治医とともに観察し、指導医の指導のもとに、産科診察を積極的に行 う。 帝王切開時には、第二助手として、手術に参加する。 新生児(母子センター) : NICU ルーチンワークの実施が可能。 病的新生児の診断(高ビリルビン血症、低血糖、心疾患、感染症、外科的疾患等)が可能。 低出生体重時の管理を理解。 5. 評価方法 レポートの提出:各自の症例について患者のプレゼンテーション、関連する疾患についての考 察を行う 小テスト:基礎的知識の確認を行う 6. 参考図書 木下勝之、竹田 省 編 「産科 周術期管理のすべて」 メジカルレビュー社 2005 池ノ上克、鈴木秋悦、 「NEW エッセンシャル 医歯薬出版 2004 「NEW 産婦人科学」改訂第 2 版 南江堂 2004 佐藤和雄、藤本征一郎 編 「臨床エビデンス 婦人科学」 メジカルレビュー社 2003 吉村泰典 編 「シリーズ 臨床研修医指導医の手引き メジカルレビュー社 高山雅臣、豊田長康、 産科学・婦人科学」第 3 版 廣井正彦、八重樫伸夫 編 矢嶋 聰、中野仁雄、 武谷雄二 編 2004 産婦人科」 安田 充、田中忠夫 監 「婦人科腫瘍 病理アトラス」 − 191 − 金原出版 2003 産婦人科・母子総合医療センター実習表 実 習 係 橋本和法(婦) (39214) ・牧野康男(産) (39214) 連 絡 係 井上・森野(39214) 集合場所 中央 6F(婦)・中央 3F(母) 目的:学生が能動的に患者の問題を発見し、解決法を見出しそれを医療チームの立場で評価する。 方法:学生が能動的に問題解決に向けて思考できるように、段階的にフィードバックを行い支援 する。そのために、症例について一日数回は学生と discussion する場を設ける。 (第 1 週または第 2 週)(婦人科実習用) 12:00 13:00 8:15 オリエンテーション(橋本、石谷) 月 受持ち患者の設定と学生の患者への紹介 担当患者の診察を通し学習項目設定 15:00 16:00 18:00 手術見学(松井、橋本、石谷) 更年期外来見学(高橋) 手術見学(松井、橋本) 外来見学 火 各症例の問題点を抽出し指導医に伝える 不妊外来見学(木原) 問題解決法を指導医と検討 診察や検査所見などの情報収集 手術見学(松井、橋本、石谷) 水 外来見学(松井) 情報の収集 外来見学(橋本) 手術見学(石谷) KSP 外来見学(平井) 不妊外来(木原、平井) 学生用病歴の作成 教授回診(松井)、画像カンファレンス 16:00 木 problem list の解決方法を検討 金 problem list を完成させる 自分で到達目標を設定する 受け持ち患者の problem list 報告、 問題点を整理 医学的問題、病態の検討 学生用病歴のまとめ 手術見学(松井、橋本、石谷) 腫瘍外来見学(石谷)、更年期外来見学(橋本) 手術見学(松井、橋本、石谷) 症例のまとめ 口頭試問(橋本) 土 レポートの提出、 症例に関する口頭試問 − 192 − 産婦人科・母子総合医療センター実習表 実 習 係 橋本和法(婦) (39214) ・牧野康男(産) (39214) 連 絡 係 井上・森野(39214) 集合場所 中央 6F(婦)・中央 3F(母) (第 1 週または第 2 週)(母子センター実習用) 12:00 13:00 8:15 14:30 オリエンテーション(牧野) 16:00 17:00 月 産科クルズス (小川) 火 症例の割り当てと学生の患者への紹介 problem list を作成 外来見学(小川) 手術見学(牧野) ◎産科クルズス(牧野)周産期 カンファ レンス 帝王切開術の知識を (第二別館 小会議室) 確認 problem list の点検(牧野) NICU 見学(楠田、内山)回診 水 回診前に他の疑問点がないか確認する 回診を実施 木 外来見学(牧野) 手術見学(三谷) ◎新生児クルズス (楠田、内山) 問題点の解決策を 評価する ◎産科クルズス (小川) problem list の解決方法を検討(牧野) 金 外来見学(小川) エコー外来(医員) 外来見学においては正常妊婦と胎児 の評価法を学ぶ 口頭試問(牧野、小川) 土 レポートの提出、 症例に関する口頭試問 − 193 − 教授回診 抄読会 18:00 試験日程 1、2 週目 土曜日 2 週目 土曜日 時 間 場 所 担 当 者 8:00 ∼ 8:30 9:00 ∼ 11:00 医 局 3 階 BST 室 橋本(婦人科) 牧野(産科)、小川 指導医一覧表(産婦人科) 所 属 職 名 氏 名 所 属 職 名 氏 名 産 婦 人 科 主 任 教 授 松 井 英 雄 産 婦 人 科 准 教 授 橋 本 和 法 〃 准 教 授 平 井 康 夫 〃 准 講 師 石 谷 健 指導医一覧表(母子センター) 所 属 職 名 氏 名 所 属 職 名 氏 名 母 子 セ ン タ ー 教 授 楠 田 聡 母 子 セ ン タ ー 准 講 師 戸 津 五 月 〃 〃 三 谷 穣 〃 准 教 授 内 山 温 〃 助 教 増 本 健 一 〃 〃 牧 野 康 男 〃 〃 鷲 尾 洋 介 〃 〃 小 川 正 樹 〃 〃 首 里 京 子 〃 講 師 中 西 秀 彦 − 194 − 耳 鼻 咽 喉 科 1. 一般目標 耳鼻咽喉科学の領域は頸部、頭部、顔面であり、このうち頭蓋内(脳) 、眼窩内、歯牙を除く 全ての分野である。感覚器としては聴覚、嗅覚、味覚、平衡機能に関与し、また鼻、咽頭、喉頭、 気管などの呼吸器(上気道)と口腔、咽頭、上部食道の消化器としての役割を担っている。従っ て疾患としてはこれらの感覚障害と食事摂取(嚥下) 、呼吸などの生命維持の基本的な機能が障 害される疾患について理解を深める。さらに頭頸部領域に発生する良・悪性腫瘍の診断と治療に ついて学習する。以上から、外耳、中耳、内耳、鼻腔、副鼻腔、咽頭、喉頭、気管、頸部につい ての十分な知識を習得する。 2. 実習に必要な知識 ・耳、鼻、口腔、咽頭、喉頭、頸部の基本的な解剖 ・聴覚、平衡覚、臭覚、味覚、嚥下、発声、気道の生理 ・各器官の代表的な炎症性疾患、腫瘍性疾患、機能障害による疾患群の理解 3. 実習内容 Block 4 で既に学習した疾患につきテュートリアル方式で習得した学習態度をもって指導医の もとに実地に患者と接し、診療、検査、診断、治療を行う。 ① 問診 ② 一般診療に必要な外来診療手技(基本診療法)は実習で既に習得しているはずであるが、 再度習得する。 耳鏡検査、鼻鏡検査、口腔咽頭検査、後鼻鏡検査、喉頭鏡検査 ③ 診断に必要な検査 純音聴力検査、語音聴力検査、自記オージオメトリー、音叉検査、ABR、幼児聴力検査、 インピーダンスオージオメトリー(ティンパノグラム、静的コンプライアンス、アブミ骨 筋反射) 、耳音響放射、蝸電図、平衡機能検査(偏倚、立ち直り検査) 、ENG、温度眼振検 査、OKN、ETT、回転検査、重心動揺検査、鼻腔通気度、respinogram、嗅覚検査、味覚 検査(定性、定量) 、唾液腺機能検査(造影、Tc シンチ、唾液腺分泌) 、ストロボスコピー、 画像診断(単純 X 線写真、断層写真、超音波、CT、MRI) 、硬性内視鏡検査(食道鏡、気 管支鏡) 、ファイバースコープ(鼻咽腔・喉頭ファイバースコープ) 、NET、ENoG ④ 保存的治療 外耳道疾患の耳処置(耳垢除去、外耳道炎の治療) 、中耳疾患の治療(顕微鏡下鼓膜穿刺、 切開、チューブ留置) 、内耳疾患の薬物療法、鼻副鼻腔処置、上顎洞穿刺・洗浄、Proetz 置換法、ネブライザー療法、口腔咽頭処置、扁桃周囲膿瘍穿刺・切開、喉頭処置、喉頭注入、 喉頭ネブライザー療法、顔面神経麻痺の薬物療法 ⑤ 手術的治療 外耳道腫瘍摘出(良性) 、先天性耳瘻孔摘出術、鼓室形成術、乳様突起削開術、中耳根治手術、 顔面神経管開放術、耳悪性腫瘍手術、鼻茸切除術、副鼻腔根本手術、術後性上顎洞嚢胞手術、 鼻骨骨折整復術、鼻中隔矯正術、アデノイド切除術、扁桃摘出術、唾石摘出術、口腔底膿 瘍切開、耳下腺良・悪性腫瘍摘出術、喉頭ラリンゴマイクロサージャリー(声帯ポリープ、 − 195 − 声帯結節、ポリープ様声帯など) 、喉頭良性腫瘍摘出術、喉頭癌手術(喉頭全摘出術、喉 頭部分切除術) 、咽喉頭食道摘出術食道形成、頸部郭清術、甲状腺良性腫瘍摘出術、甲状 腺悪性腫瘍摘出術、正中頸嚢胞摘出術、側頸部瘻孔摘出術、外頸動脈結紮、気管切開、食道・ 気管支異物摘出術 ⑥ 正常と病的所見の観察 正常所見は実習生各自の局所所見、つまり鼓膜は手術用顕微鏡下にモニターで観察、鼻咽 喉頭気管についてはファイバースコープでモニター上に観察する。病的所見については各 疾患の当外来入院患者で録画した VTR を見学させる。内耳の形態は模型を提示し立体的 に理解させる。 4. 具体的到達目標 1)選択診療科としての具体的到達目標 ①正常と病的所見の観察 耳鼻咽喉科の正常所見は実習生各自の局所所見、つまり鼓膜は手術用顕微鏡下にモニター で観察、鼻咽喉頭と気管についてはファイバースコープでモニター上に観察する。 病的所見については各疾患の当外来入院患者で録画した VTR を見学させる。内耳の形態 は模型を提示し立体的に理解させる。 純音聴力検査、ティンパノメトリー、自記オージオメトリー、アブミ骨筋反射検査、温度 眼振検査については、学生自身が被験者となることによって検査の方法や意義を理解させる。 1) 指導医の指導・監視のもとに学生に実施させるもの 嗅覚、鼻腔通気度、耳管機能検査、包帯交換、創傷処置 2) 状況によっては学生が実施できるもの 耳鏡、鼻鏡、味覚、重心動揺計、ネブライザー、外耳道処置、鈎引き 3) 介助、見学させるもの 聴力、平衡、ENG、温度眼振、膿瘍切開排膿、抜糸、止血、糸結び 2)自主選択実習としての具体的到達目標 自主選択実習では、これまでの講義や実習で獲得した知識や経験、理解しにくかった事項 を捕捉し疾患全体を捉えるようにする。検査法や手術法などは実技を通してさらに理解を深 め、初期臨床研修に連結できることを目標とする。 このため、選択診療科としての具体的到達目標に加えて、問診の聴取、手術の第二、第三 助手、縫合や糸結び、平衡機能検査は学生自身に実施させる。 5. 評価方法 出席点と口頭試問で評価する 6. 参考図書(著者名、著書名、出版社、発行年の順で記入) 洲崎春海、鈴木 衛、 SUCCESS 耳鼻咽喉科 第 2 版 金原出版 2008 新耳鼻咽喉科学 南山堂 1999 吉原俊雄 切替一郎、野村恭也 − 196 − 野村恭也、小松崎 篤、 21 世紀耳鼻咽喉科(1 − 21 巻) 中山書店 2000 新図説耳鼻咽喉科頭頸部外科講座 メジカルビュー 2000 本庄 巌 森山 寛、八木聰明、 夜陣紘治、山下敏夫、 (1 − 5 巻) 古川 仭 神崎 仁 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 南山堂 1997 今野昭義 頭頸部腫瘍外来 メジカルビュー 2000 日本口腔咽頭科学会編集 口腔咽頭の臨床 第 2 版 医学書院 2009 − 197 − 耳鼻咽喉科実習表 実 習 係 山村 幸江(31315、6) 連 絡 係 いずれの指導医も可 集合場所 耳鼻咽喉科医局(総合外来センター 4 階) 9 12 月 スケジュール 説明 (山村) 外来診察 (吉原・野中) 13 13:30 17:30 めまい外来・クルズス (岡村・広瀬) 頸部エコー実習 手術見学(吉原) 手術見学(野中・西嶋) 火 抄読会 聴力検査実習 水 外来診察 (吉原) 教授回診 病棟 (吉原) カンファ レンス 木 手術見学 (吉原・野中・片橋) 金 鼻・中耳外来あるいは手術見学 (野中) 土 病院実習のまとめ (吉原) 鼻アレルギー外来 (窪田・森田・斉藤・池松) クルズス 手術見学(吉原)あるいは外来 クルズス 見学(野中) クルズス 担当者 外来診療手技 山 村 幸 江 鼻アレルギー 窪 田 市 世 平衡機能検査 岡 村 玲 子 − 198 − 耳鼻咽喉科実習表 〔選択診療科としての実習表(1 週)〕 実 習 係 山村 幸江(31315、6) 連 絡 係 いずれの指導医も可 集合場所 耳鼻咽喉科外来(総合外来センター 4 階) 9 12 月 スケジュール 説明 (山村) 外来診察 (吉原・野中) 手術見学および助手(吉原) 火 17:30 めまい外来・クルズス (岡村) 教授回診 病棟 (吉原) カンファ レンス 手術見学および助手 (野中) 聴力検査実習 抄読会 水 外来診察 (吉原) 13 13:30 木 手術見学および助手 (吉原・野中・片橋) 金 鼻・中耳外来あるいは手術見学 (野中) 土 病院実習のまとめ (吉原) 鼻アレルギー外来 (窪田・森田・斉藤) クルズス 手術見学(吉原)あるいは外来 クルズス 見学(野中) クルズス 担当者 鼻アレルギー 窪田市世・森田 恵 平衡機能検査 − 199 − 岡 村 玲 子 耳鼻咽喉科実習表 〔自主選択実習〕 実 習 係 山村 幸江(31315、6) 連 絡 係 いずれの指導医も可 集合場所 耳鼻咽喉科外来(総合外来センター 4 階) 9 12 月 外来診察 スケジュール (吉原・野中) 説明 (第一週のみ) 問診 問診のとり方説 明 (山村) 手術助手(吉原) 13 13:30 17:30 めまい外来・クルズス (岡村) 教授回診 病棟 (吉原) カンファ レンス 手術助手(野中) 火 頭頸部外来 抄読会 水 外来診察、問診 (吉原) 木 手術助手 (吉原・野中・片橋) 金 鼻・中耳外来見学あるいは手術 助手 (野中) 鼻アレルギー外来 (窪田・森田・斉藤・池松) 手術助手(吉原)あるいは外来 見学(野中) 問診 土 クルズス 担当者 鼻アレルギー 窪田市世・森田 恵 平衡機能検査 岡 村 玲 子 − 200 − 試験日程 1 週目木曜日 時 間 場 所 担 当 者 p.m.17:30 ∼ 18:00 1 号館 3 階臨床研究室 吉 原 俊 雄 指導医一覧表 所 属 職 名 耳 鼻 咽 喉 科 主任教授 〃 臨床教授 〃 講 師 〃 非常勤講師 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 氏 名 所 属 職 名 氏 名 吉 原 俊 雄 耳 鼻 咽 喉 科 非常勤講師 上 田 範 子 野 中 学 〃 〃 佐 内 明 子 山 村 幸 江 〃 〃 長谷川 かおり 永 田 博 史 〃 〃 奥 野 妙 子 川 島 悦 子 〃 助 教 岡 良 和 丹 波 さ 織 〃 〃 一 瀬 和 美 三 橋 敏 雄 〃 〃 草 間 薫 窪 田 市 世 〃 〃 崎 谷 恵 理 片 橋 立 秋 〃 〃 瀬 尾 友佳子 岡 村 玲 子 〃 〃 桑 内 麻也子 篠 昭 男 − 201 − 東医療センター耳鼻咽喉科 1. 一般目標 耳鼻咽喉科が主として、聴覚・嗅覚・味覚など人間の主要な感覚と生命維持に重要な呼吸・嚥 下を扱う科である。耳鼻咽喉科疾患が全身疾患と関連することを認識し、耳鼻咽喉科の基礎的知 識と技術を修得する。 2. 実習に必要な知識 ①外中耳・鼻・副鼻腔・口腔咽頭喉頭の臨床解剖 ②耳・鼻・咽・喉の基本診察法 ③主な耳鼻科疾患の検査法と検査の目的 3. 実習内容 (1)耳鼻咽喉科の診療手技の習得と手術見学:指導医のもとに担当患者について実地に勉強し、 レポート提出する。 (2)初診患者の問診、診療と検査に同席、診断の進み方を学ぶ。 (3)耳鼻科的検査:聴力検査、平衡機能検査、内視鏡検査、菌検査(ぬぐい液採取)の実施、X − P、 CT、MRI 解説(見学および医局員によるクルズス) (4)簡単な処置と手術助手 4. 具体的到達目標 (1)主要疾患を診断することができるような問診をとることができる。 (2)学生相互の診療により耳鼻咽喉科一般検査および内視鏡検査による正常所見を理解する。 (3)聴力、平衡機能、内視鏡、睡眠時無呼吸検査等の理解、CT。 (4)基礎的処置(綿棒、タンポンの作製も含む)を見学する。 (5)検査助手(ぬぐい液採取、鼻汁採取、内視鏡検査)をすることにより、各種検査の意義・ 目的を理解する。 (6)手術助手(扁摘、アデノトミー、鼓室形成術等)を経験することにより、手術を理解する。 5. 評価方法 スタッフによる口頭試問と担当患者についてのレポート提出と発表。 6. 参考図書 須納瀬 弘 中耳側頭骨解剖アトラス (東医療センターにあり) 小松崎篤 耳鼻咽喉手術アトラス (上巻・下巻) (東医療センター分室にあり) 村上 泰 他編 イラスト手術手技のコツ 耳鼻咽喉科・ 頭頸部外科─咽喉頭頸部編 村上 泰 他編 イラスト手術手技のコツ 耳鼻咽喉科・ 頭頸部外科─耳・鼻編 森山 寛 他編 今日の耳鼻咽喉科・頭頸部外科治療指針 (第 3 版) 三宅浩郷 他編 必携・耳鼻咽喉科学 切替一郎、野村恭也 新耳鼻咽喉科学 第 10 版 日本耳鼻咽喉科学会 編 嚥下障害診断ガイドライン ─耳鼻咽喉科における対応 須納瀬 弘 中耳手術アトラス (東医療センターにあり) − 202 − 医学書院 2005 医学書院 1999 東京医学社 2005 東京医学社 2003 医学書院 2008 克誠堂出版 南山堂 金原出版 1993 2004 2008 医学書院 2013 耳鼻咽喉科実習表 実 習 係 余田 敬子 連 絡 係 余田 敬子 集合場所 耳鼻科外来 9 12 月 9:00∼ オリエン テーション (余田) 外来診察 (須納瀬) (余田) (三並) 14:00 13 クルズス (医局員) 15:30 16:30 めまい外来 (1・3・5 週)武井 (2・4 週)三並 中耳炎外来(須納瀬) ENT 診察法 (相互に実施) 外来診察(余田・金子) 火 2 人 1 組で指導医のもとに予診を とり、必要な検査を指示、検査 に同席する。患者診療時にプレ ゼンテーションし、考えられる 診断を述べる。 手術見学 クルズス (医局員) (第2週) 術前回診 扁桃・睡眠時 (第4週) 無呼吸外来(余田) (担当患者 顔面神経外来(金子) 紹介) 手術見学 水 担当患者の手術助手をつとめる。 これがない時間は内視鏡下手術、 顕微鏡下手術をモニターで見学 する。 手術見学 手術見学 木 担当患者の手術助手をつとめる。 これがない時間は内視鏡下手術、 顕微鏡下手術をモニターで見学 する。 金 外来診察(須納瀬・金子・八尾・三並) 2 人 1 組で指導医のもとに予診を とり、必要な検査を指示、検査 に同席する。患者診療時にプレ ゼンテーションし、考えられる 診断を述べる。 クルズス (医局員) 補聴器外来 (新井・三並) 中耳炎外来 (須納瀬・金子) 副鼻腔外来 (八尾) 土 まとめと評価・レポート提出 (須納瀬) 担当患者について報告。 グループ討論。 教授による口頭試問。 特殊外来では長期的に診ている患者の診療録より 疾患の時間経過とそのバラエティーを理解する。 − 203 − 17 試験日程 各金曜日 時 間 場 所 担 当 者 16:00 ∼ 17:00 医 局 金 子 富美恵 指導医一覧表 所 属 職 名 氏 名 所 属 職 名 氏 名 耳 鼻 咽 喉 科 教 授 須納瀬 弘 耳 鼻 咽 喉 科 助 教 金 子 富美恵 〃 〃 三 並 美 香 〃 准 教 授 余 田 敬 子 〃 講 師 八 尾 亨 − 204 − 皮 膚 科 1. 一般到達目標 1) 皮膚の変化を視診および触診により正確にとらえることによって、どれだけの医学的情報 が得られるものかを実際に体験すること。 2) 皮膚病をもつ患者の苦しみを理解すること。 2. 実習に必要な知識 1)原発疹、続発疹の呼称、皮疹の記載方法 2)皮膚の構造 3)基本的な皮膚検査法 4)主要な皮膚疾患の病態 3. 実習内容 学生の自主的研修を基礎とし、これに指導医の指導を加味して、皮膚科診療の実際を学習する。 4. 具体的到達目標 1) 指導医の指導・監視のもとに学生に実施させるもの 問診、視診、触診、真菌直接鏡検(病変からの検体採取および顕微鏡検査)を実際に行う。 2) 状況によっては学生が実施できるもの (1)外用療法: 主として入院患者について行う。主治医、看護師と共同して外用処置を体 験する。経過を観察することにより、 外用療法の実際的な効果も体験できる。 この間に患者との対話も自然に行え、患者心理の理解を深める。 (2)手術療法:入院および外来手術の助手を務める。 3)介助、見学させるもの (1)乾癬、膠原病、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹、にきびの専門外来を見学し、慢性で難治 な皮膚疾患の経過を知り、その管理の仕方を把握する。 (2)皮膚科処置を見学し、特に多くみられるウイルス性疣贅に対する液体窒素療法の手技、 治療効果などを知る。 (3)生検検査を見学し、場合によっては介助を務めることによって、まじかで皮膚の採取 法を観察する。また、生検した皮膚病理組織像がどれだけの情報を提供するかを、皮 膚病理組織カンファレンスで学習する。主要疾患の病理組織像については、教室保存 の標本を用い学習する。 4)自主選択実習としての到達目標 (1)上記 1)∼ 3)の到達目標を十分に達成する。 (2)チーム医療の一員としての役割を体験する。 5. 評価方法 外来実習時については、担当した外来患者について病歴を聴取させ、臨床診断名および鑑別診 断を所定の用紙に記入して提出させ、診療能力の向上を評価する。病棟実習では担当した入院患 者について指導医とともに診察し、サマリーを作成し、グループ討論を行う。最終的には、病院 − 205 − 実習評価シートにより、学識評価、問題解決能力、実習態度などについて評価したものと合せて、 総合的に評価する。 6. 参考図書 瀧川雅浩監修 標準皮膚科学(第 9 版) 医学書院 2010 上野賢一、大塚藤男 皮膚科学(第 9 版) 金芳堂 2011 Tony Burns et al ROOK’ s Textbook of Dermatology WILEY−BLACKWELL 2010 (8th ed) 肥田野 信 David E. Elder 清水 宏 図説小児皮膚科 日本医事新報社 1989 2009 LEVER’ s Histopathology of the skin Lippincott Williams (10th ed) & Wilkins あたらしい皮膚科学(第 2 版) 中山書店 − 206 − 2011 皮膚科実習表 実 習 係 石黒直子・常深祐一郎(31220) 連 絡 係 竹中祐子(28180)、宇戸由起子(31220) 集合場所 1 号館 2 階皮膚科医局 目的: 病棟では学生自らが患者のもつ診療上の問題点(社会医学的な面も含め)を抽出し、その解決を試み るように促す。 外来では学生が知識の整理のほか、患者への対応を含めた実地医療の緊張感を体験できるようにする。 方法: 病棟患者については学生が自主的に検討課題の設定、解決方法を考えることができるように、設定時 と報告時にグループ討論を行わせ、それに対して指導医によるフィードバックを行う。外来患者につ いては、患者と 1 対 1 で向き合い、病歴を聴取させた後、鑑別診断を列記させ、その後初診医による 診察を見学することで診断に至るプロセスを学ばせる。その後、初診医によるフィードバックを行う。 9:00 12:00 13:00 14:00 月 オリエンテーション(講義係) 病棟実習(指導医) 乾癬外来 見学 (常深) 病棟担当患者紹介 担当患者の医療面接を行い、問題点 の抽出を行う。 1 班:外来実習(川島) 火 初診患者問診、鑑別診断の列記とフィ ードバック 2 班:病棟実習(指導医) 担当患者の情報検索・学生同士での 分析内容の検討 15:00 16:00 17:00 グループ討論 (竹中) 病棟担当患者に ついての検討課 題の設定 病棟 カンファ 皮膚病理 総回診 生検実習 レンス 組織 (川島) (川島) 担当患者 カンファ の検討に レンス 加わる 1 班:病棟実習(指導医) 水 膠原病外来見学 (石黒) 担当患者の情報検索・学生同士での 分析内容の検討 2 班:外来実習(石黒) アトピー外来見学 (檜垣) 初診患者問診、鑑別診断の列記とフィ ードバック 1 班:病棟実習(指導医) 木 担当患者の情報検索・学生同士での 分析内容の検討 生検実習 (川島) 2 班:外来実習(川島) 初診患者問診、鑑別診断の列記とフィ ードバック 蕁麻疹外来見学 (石黒) 外来手術見学 (手術係) 1 班:外来実習(福屋) 金 初診患者問診、鑑別診断の列記とフィ ードバック アクネ外来見学 (竹中) 2 班:病棟実習(指導医) 担当患者の情報検索・学生同士での 分析内容の検討 病棟実習 土 グループ討論の内容をふまえ、検討 内容について、その過程も含め、レ ポート作成する。 − 207 − グループ 討論 (石黒) 病棟担当患 者について の検討結果 の報告と討 論、 フ ィ ー ドバック グループ討論のまとめ 金曜日 時 間 場 所 担 当 者 16:00 ∼ 医 局 石 黒 直 子 指導医一覧表 所 属 職 名 氏 名 所 属 職 名 氏 名 皮 膚 科 主 任 教 授 川 島 眞 皮 膚 科 助 教 福 屋 泰 子 〃 准 教 授 石 黒 直 子 〃 〃 竹 中 祐 子 〃 講 師 常 深 祐一郎 〃 〃 前 田 梓 − 208 − 東医療センター皮膚科 1. 一般到達目標 皮膚科における臨床診断、検査、治療および病理組織学を実習する。 2. 実習に必要な知識(予習事項) 1)発疹の種類(原発疹、続発疹および特定の皮膚病変) 2)皮膚の基本構造、主要な構成成分および細胞 3)他科の実習においてこれまでに経験した皮膚病変 3. 実習内容 1)外来実習 2)病棟実習 3)病理組織学実習 4)クルズス 5)口頭試問 6)ダーモスコピー実習 4. 具体的到達目標 1)外来・入院患者の診察、外用療法 2)外来・入院手術、皮膚生検 3)病理組織学実習 4)真菌学的検査(直接鏡検、培養) 5)アレルギー検査(薬疹検査、パッチテスト) 6)外用療法 7)ダーモスコピー実習 8)その他(冷凍療法、光線療法) 上記を通して、皮疹を出発点として臨床的鑑別診断を考え、さらにいかなる検査、方法によれ ば最終診断に到達できるか計画を立て、それらの結果により確定診断に至る過程をシミュレー ションできるようになること。さらに皮膚科的病状のみならず全身的・心理的背景および社会的 背景をも考慮することができるようになること。 <選択診療科実習(1 週間)としての到達目標> 初診患者の予診を通じて、指導医から皮疹の記載法、考えられる疾患、検査法、治療につい て学ぶ。 <自主選択実習(3 ∼ 4 週)としての到達目標> 上記に加え、病棟担当患者を毎日主治医と診察し、皮疹の経過の記載や病勢の把握に努め、 必要な検査や治療について提案することができる。 5. 評価方法 1)実習態度 − 209 − 2)口頭試問 6. 参考図書 瀧川雅浩監修 標準皮膚科学 第 9 版 医学書院 2010 大塚藤男 皮膚科学 第 9 版 金芳堂 2011 玉置邦彦総編集 最新皮膚科学大系 中山書店 2003 − 4 Rook et al Textbook of Dermatology Blackwell 2010 清水 宏 新しい皮膚科学 第 2 版 中山書店 2011 − 210 − 7. 東医療センター皮膚科実習表 実 習 係 石崎純子(外来2231、医局4161) 連 絡 係 石崎・澤田(外来2231、医局4161) 集合場所 初日 8:45AM 皮膚科外来 9:00 12:00 13:00 15:30 17:00 総回診(田中、石崎、 クルズス 出来尾、澤田、洲崎) (田中) 回診を通して、病棟担 当症例の問題点を把握 し、自分の知識で不足 する点を確認、学習す べき項目をリストアッ プする。 外来実習(田中、出来尾、澤田) 病棟実習:初日のリストに従い不明 な知識を学習、確認。外用療法、検査、 手術など患者の診療予定に立会う。 クルズス 生検・手術実習 (出来尾) 病棟実習:同左 (田中、石崎、出来尾、 澤田) 外来実習(田中、石崎、洲崎) 病棟実習:同上 生検・手術実習 病棟実習:同上 (田中、石崎、出来尾、 澤田、洲崎) 外来実習(中島、石崎、出来尾) 病棟実習:同上 生検・手術実習 病棟実習:同上 (木本、澤田、洲崎) 外来実習(二宮、出来尾) 病棟実習:同上 カンファレンス 生検・手術実習 (田中、石崎、出来尾、 病棟実習:同上 (田中、 石崎、 出来尾、 澤田) 澤田) 口頭試問:レポートを 提出し担当患者につい て報告、討論 月 ・8:45 オリエンテーション ・外来実習: (小林、石崎、澤田、洲崎) 初診患者の予診あるいは病棟担当 患者の診察を通して皮疹の記載法、 考えられる疾患、検査法、治療を学ぶ。 外来では診察終了後初診医、主治医 からのフィードバックを受ける。病棟 では各自プロブレムリストを作製する。 火 水 木 金 土 外来実習(田中、石崎、出来尾、 澤田、洲崎) 病棟実習 − 211 − クルズス(石崎) 病 理 組 織 学: 事 前 に 配布された症例アトラ スを予習しておく。臨 床と病理を対比させ所 見を発表。指導医より フィードバックを行う。 クルズス (木本、洲崎) 8. 試験日程 時 間 金曜日 午後 場 所 担 当 者 医局棟 1 階大会議室 田 中 勝 石 崎 純 子 出来尾 格 澤 田 美 月 9. 指導医一覧表 所 属 職 名 氏 名 所 属 職 名 氏 名 東医療センター 教 授 田 中 勝 東医療センター 助 教 澤 田 美 月 皮膚科 講 師 石 崎 純 子 皮膚科 〃 洲 崎 玲 子 〃 〃 出来尾 格 − 212 − 放射線腫瘍科 1. 病院実習の目的 放射線腫瘍科で施行している以下のことに関して、医学生として必要最低限の知識と理解を得 るために、現場で実習を行う。1)放射線治療の実習:問診、診察、血液検査、各種画像診断な どから腫瘍の自然史を理解するとともに、病期分類を行い、治療法を選択することを理解する。 更に、指導医について患者を担当し放射線治療計画にも参加する。 2. 実習に必要な知識 1)放射線の種類と特性 2)放射線の人体への影響 3)放射線の生物学的効果 4)腫瘍画像診断 5)主な悪性腫瘍の特徴 6)放射線治療の適応 7)集学的治療の選択 3. 実習内容 1)腫瘍画像診断の実習 2)放射線治療の実習 4. 具体的到達目標 1)指導医の指導・監視のもとに学生に実施させるもの a. 放射線腫瘍学の実習 腫瘍の自然史を理解するとともに、問診、診察、血液検査、画像診断などの所見から病 期分類を行うための知識と手順を習得する。また、病期、患者の年令、全身状態を考慮 して、治療法を選択することを理解する。さらに、放射線治療を行うための治療計画作 成に参加し、各々の患者に行った照射方法や照射範囲、線量ならびに有害事象について 学ぶ。 選択診療科実習としての到達目標 放射線治療患者の病状や治療内容を理解して外来管理ができる。 自主選択実習としての到達目標 代表的な放射線治療適応患者の病期決定ができる。病期決定、治療法選択、治療計画、 治療反応や有害事象の評価、経過観察までのがん患者の診察のプロセスを理解する。 2)状況によっては学生が実施できるもの a. 腫瘍画像診断の実習 腫瘍の病期決定や効果判定に必要な画像診断を経験する。 b. 治療計画の実習 受け持ち患者の治療計画や線量分布図の作成を体験する。 選択診療科実習および、自主選択実習としての到達目標 放射線治療計画の一部に実際に参加して、経験する。 c. 腫瘍画像診断の実習 − 213 − 腫瘍の病期決定や効果判定に必要な画像診断を経験する。 3)介助、見学させるもの a. 小線源治療の実習 子宮頸癌や前立腺癌に対する腔内照射や組織内照射の介助を行う。 5. 評価方法 病院実習指導医用の放射線腫瘍科病院実習評価シートにしたがって、担当した指導医が 5 段階 評価を行う。学識評価(基礎的知識、臨床的知識) 、問題解決能力(知識の活用、技能の習得) 、 実習態度(基本的態度、社会性)について評価する。また、欠席回数、遅刻・早退回数について も評価の対象となる。 6. 参考図書 三橋紀夫 がんをどう考えるか:放射線治療医からの提言 新潮新書 2009 大西 洋、他編 がん放射線療法 2010 篠原出版新社 2010 日本臨床腫瘍学会編 新臨床腫瘍学 南紅堂 2009 平岡真寛、他編著 放射線治療マニュアル 中外医学社 2006 井上俊彦編 放射線治療学 南山堂 2001 菅原 努編 放射線基礎医学 金芳堂 2001 大西武雄監修 放射線医科学 学会出版センター 2007 青木 学、秋元哲夫 前立腺癌:放射線治療のすべて 金原出版 2006 がん取扱い規約(疾患別に出版) 金原出版 2009 診療ガイドライン(疾患別に出版) 金原出版 2010 日本放射線腫瘍学会、 放射線治療計画ガイドライン 2012 年版 金原出版 2012 南江堂 2012 2010 他編 日本放射線腫瘍学会、 臨床放射線腫瘍学 他編 L.Sobin TNM Classification of Malignant Tumor Wiley−Blackwell E.J.Hall Radiobiology for the Radiologist Lippincott Williams 2000 Cox and Ang Radiation Oncology Mosby Perez and Brady Principles and Practice of Radiation Oncology Lippincott Williams 2008 Lu・Brady Levitt, et al. 2002 Radiation Oncology An Evidence-Based Approach Springer 2008 Technical Basis of Radiation Therapy Springer 2008 日本放射線腫瘍学会 コアカリキュラム http://www/jastro.or.jp/edication/core curriculum.htm/ http://www.jastro.or.jp/juniordoctor/slide.php がん情報サイト PDQ 日本語版 http://mex-cancerinfo.tri-kobe.org/index.html 日本癌治療学会がん 診療ガイドライン http://jsco-cpg.jp/ − 214 − 放射線腫瘍科実習表 放射線腫瘍科 実 習 係 泉佐知子(28272) 集合場所 2 号館 2 階 医局(32212) 9 12 13 月 8:40∼ 9:00∼12:30 オリエ (腫)組織内照射 ンテー (泉・橋本) ション 医局 総合外来センター B3F 火 9:00∼12:30 (腫)放射線治療実習 (前林・泉) 総合外来センター B3F 水 →画像診断・核医学科 実習 表参照のこと 13:30∼17:00 (腫)外来診察 (前林) 総合外来センター 4F 13:30∼17:00 (腫)治療計画 (前林・泉) 総合外来センター B3F 13:30∼17:00 (腫)腔内照射 総括・討論 (前林・泉・橋本) 総合外来センター B3F 木 →画像診断・核医学科 実習表参照のこと 金 →画像診断・核医学科 実習表参照のこと 土 →画像診断・核医学科 実習 表参照のこと →放射線腫瘍科での実習 →画像診断・核医学科での実習 − 215 − 試験日程 時 間 水曜日 場 所 担 当 者 外来センター B3 15:30 ∼ 16:30 前 林 勝 也 放射線腫瘍部 指導医一覧表 所 属 職 名 氏 名 所 属 職 名 氏 名 放射線腫瘍科 主 任 教 授 放 射 線 腫 瘍 科 助 教 泉 佐知子 〃 講 師 前 林 勝 也 〃 〃 橋 本 弥一郎 − 216 − 画像診断・核医学科 1. 病院実習の目的 画像診断・核医学科で施行している以下のことに関して、医学生として必要最低限の知識と理 解を得るために、現場で実習を行う。 1)画像診断の実習 : 単純 X 線撮影、消化管造影、尿路造影、CT、US、MRI、血管造影、胆・ 膵管造影等の検査の意義、方法を理解し、現場で実習する。 2)核医学の実習:核医学診断および治療に関する放射線医薬品、核医学検出器、検査技術、 読影法の実習を行う。 2. 実習に必要な知識 1)主要な臓器ならびに血管の解剖 2)X 線、CT、MR ならびに超音波診断の原理 3)核医学診断の原理 4)主な疾患の特徴 3. 実習内容 画像診断や核医学の実践的臨床実習 4. 具体的到達目標 1)指導医の指導・監視のもとに学生に実施させるもの a. 画像診断学の実習 X 線の原理、単純撮影の成り立ち、CT、MR の原理について理解する。胸部および腹部 単純 X 線写真の読影法を習得する。CT 画像の作成法、ウィンドウ幅、ウィンドウレベ ルについて理解する。MR 画像の基本的読影法を習得する。超音波における画像の解釈 ができ、実際に操作する。 選択診療科実習としての到達目標 テーマを決め、選択した病変について所見を述べ診断ができる。 自主選択実習としての到達目標 各臓器の代表的疾患について画像所見を述べ、診断ができる。胸部単純撮影の画像所 見を説明できる。救急患者の画像について異常部位を指摘できる。 2)状況によっては学生が実施できるもの a. 画像診断の実習 US、MRI などの X 線被曝を伴わない検査は、学生が被検者として実際に体験する。 選択診療科実習および、自主選択実習としての到達目標 CT、MR、血管撮影、IVR などの一部に実際に参加、経験する。 b. 核医学診断の実習 放射性医薬品の取扱い。 3)介助、見学させるもの a. 画像診断の実習 種々の検査 ・・・1. 単純 X 線検査 2. 上部消化管造影 3. 注腸 4. 排泄性尿路造影 5. CT 6. US 7. MRI 8. 血管造影等の検査方法を理解し、現場で実習を行う。 選択診療科実習および、自主選択実習としての到達目標 典型的所見を示すものだけではなく、鑑別に多くの疾患を含む画像を実習する。 − 217 − b. 核医学診断の実習 核医学(主として in vivo 検査)診断および治療の原理を理解した上で、放射性医薬品、 核医学検出器、検査技術、読影法の実習を行う。 5. 評価方法 病院実習指導医用の画像診断・核医学科病院実習評価シートにしたがって、担当した指導医が 5 段階評価を行う。学識評価(基礎的知識、 臨床的知識) 、 問題解決能力(知識の活用、 技能の習得) 、 実習態度(基本的態度、社会性)について評価する。また、欠席回数、遅刻・早退回数について も評価の対象となる。 6. 参考図書 西谷弘、遠藤啓吾、 標準放射線医学 第 7 版 医学書院 松井修、伊藤久夫 編集 日本医学放射線学会 画像診断ガイドライン2013年版 (第 1 版) 金原出版 日本放射線科専門医会・医会 河野 敦 他 河野 敦 他 久田欣一 監修 林 邦昭、中田 肇 編 村田喜代史、上甲剛、 村山貞行 編 福田国彦、上谷雅孝、 杉本永治、江原 茂 編 細谷貴亮、宮坂和男 佐々木真理、 百島裕貴 監修 R.A.NOVELLINE 著 藤原卓哉 訳 久保敦司、木下文雄 著 西桂直彦 編 Dahnert 2011 2013 新版・ポケット CT 解剖アトラス 新版・ポケット MRI 解剖アトラス 最新臨床核医学 第 3 版 新版胸部単純 X 線診断 第 2 版 胸部の CT 中外医学社 中外医学社 金原出版 秀潤社 MEDSI 2006 2008 1999 2000 2011 関節の MRI 第 2 版 MEDSI 2013 脳脊髄の MRI 第 2 版 クリニカル PET MEDSI 先端医療技術研究所 2009 1997 スクワイヤ放射線診断学 羊土社 2005 核医学ノート(第 5 版) 金原出版 核医学 南山堂 Radiology Review Manual(7th Edition) Lippincott Williams & Wnkins 高橋昭喜 編 脳 MRI 1. 正常解剖 第 2 版 秀潤社 高橋昭喜 編 脳 MRI 2. 代謝・脱髄・変性・外傷・他 秀潤社 高橋昭喜 編 脳 MRI 3. 血管障害・腫瘍・感染症・他 秀潤社 青木茂樹、他編 よくわかる脳 MRI 第 3 版 秀潤社 土屋一洋 こうして進める頭部画像の鑑別診断 秀潤杜 山田章吾、 高橋昭喜 監修 改訂版 IVR 手技、合併症とその対策 MEDSI 荒木 力 編 腹部の MRI(第 2 版) MEDSI 平松京一 監修 腹部の CT(第 2 版) MEDSI 多田信平 監修、 頭頸部の CT・MRI(第 2 版) MEDSI 尾尻博也、酒井 修 編 日本医学放射線学会 放射線画像集とティーチングファイル http://www/radiologyjp/modules/formember/index.php?id=8/ − 218 − 2009 2001 2011 2005 2008 2010 2012 2005 2005 2008 2010 2012 東京女子医大画像診断・核医学科実習表 実 習 係 坂井修二 集 合 時 間 水曜日 8 時 55 分 集合場所・連絡先 画像診断・核医学科医局(MR検査棟2階) (39966) 9 17 12 13 月 火 水 9:00∼12:00 坂井、山田 オリエンテーション、症例検討 MR 棟 2 階医局 木 金 9:00∼12:00 福島、阿部 (香) 心臓・大血管、神経 13:00∼17:00 河野、森田 マンモグラフィー、腹部・骨盤/ IVR 9:00∼12:00 阿部(光)、百瀬 一般核医学、腫瘍核医学 13:00∼17:00 鈴木、近藤 CT・MR の検査、心臓核医学 土 9:00∼12:00 坂井 総括 − 219 − 試験日程 土曜日 時 間 場 所 担 当 者 9:00 ∼ 11:00 医局(MR 検査棟 2 階) 坂 井 修 二 指導医一覧表 所 属 職 名 氏 名 所 属 職 名 氏 名 画像診断・核医学科 主 任 教 授 坂 井 修 二 画像診断・核医学科 助 教 木 村 健 〃 〃 仁 品 祐 〃 客 員 教 授 桑 鶴 良 平 〃 〃 米 山 寛 子 〃 准 教 授 阿 部 光一郎 〃 非常勤講師 井 田 正 博 〃 講 師 近 藤 千 里 〃 〃 大久保 康 雄 〃 〃 百 瀬 満 〃 〃 京 藤 幸 重 〃 准 講 師 早 野 敏 郎 〃 〃 田 嶋 強 〃 〃 福 島 賢 慈 〃 〃 原 澤 有 美 〃 〃 森 田 賢 〃 〃 高 田 ゆかり 〃 助 教 河 野 真 理 〃 〃 原 裕 子 〃 〃 阿 部 香代子 〃 〃 村 上 康 二 〃 〃 鈴 木 一 史 〃 〃 山 田 泉 − 220 − 東医療センター放射線科 1. 一般目標 放射線科で施行している以下のことに関して、医学生として必要な知識と理解を得るために、 現場で実習を行う。1)画像診断の実習:単純 X 線撮影、CT、MRI、消化管造影、尿路造影、 US、血管造影、胆・膵管造影等の検査の意義、方法手技を理解し、各種造影剤の使用法と共に画 像診断法を現場で実習する。2)放射線安全取扱いの基本の習得:放射線被曝について測定器を 用いて実測する。3)核医学の実習:核医学診断および治療に関する放射線医薬品、核医学検出器、 検査技術、読影法の実習を行う。4)放射線治療の実習:問診、診察、血液検査、各種画像診断 などから腫瘍の自然史を理解するとともに、病期分類を行い、治療法を選択することを理解する。 更に、指導医について患者を担当し照射計画等にも参加する。 なお、東医療センター放射線科は診断部門のみであるため、放射線基礎医学、核医学、放射線 腫瘍学については本院放射線科で実習する。 2. 実習に必要な知識 1)放射線の種類と特性 2)放射線の人体への影響 3)主要な臓器ならびに血管の解剖 4)X 線、MR ならびに超音波診断の原理 5)核医学診断の原理 6)主な悪性腫瘍の特徴 3. 実習内容 1)画像診断の実習 2)放射線の安全取扱いの基本の習得 3)核医学診断の実習 4)放射線治療の実習 4. 具体的到達目標 1)指導医の指導・監視のもとに学生に実施させるもの a. 画像診断の実習 解剖、先天的および後天的な変化と正常範囲の変化、病変のとらえ方、病変の時間的変化、 病態に対する各画像診断の特徴と各診断法の組み合わせによる確定診断法、各種造影剤 の性質、使用法および副作用と処置法などについて学ぶ。 b. 放射線の安全取扱いの基本の習得 医学生として、必要最低限の放射線管理(環境管理、患者管理、自己管理、その他)に 対する正しい知識と理解が出来るよう、被曝について測定器を用いて実測し、安全取扱 いの基本を修得させる。人体模型を用いての被曝線量の実測、測定計器の取扱いも含め て、透視時間の短縮の重要性などを学ぶ。 c. 放射線腫瘍学の実習 問診、診察、血圧測定、心電図、採血など、各種検査所見から腫瘍の自然史を理解する とともに、病期分類を行うための知識を養う。又、病期、患者の年令、全身状態を考慮 − 221 − して、治療法を選択することを理解する。さらに、照射計画に参加し、各々の患者に行っ た照射野、照射法について学ぶ。 2)状況によっては学生が実施できるもの a. X 線診断の実習 US、MRI などの X 線被曝を伴わない検査は、学生が被検者として実際に体験する。 b. 核医学診断の実習 放射性医薬品の取扱い。 3)介助、見学させるもの a. X 線診断の実習 種々の検査…1. 単純 X 線検査 (断層撮影を含む) 2. CT 3. MRI 4. 上部消化管造影 5. 注腸 6. 排泄性尿路造影 7. US 8. 血管造影 9. 胆・膵管造影等の意義、検査方法 を理解し、現場で実習を行う。 b. 核医学診断の実習 核医学(主として in vivo 検査)診断および治療の原理を理解させた上で、 放射性医薬品、 核医学検出器、検査技術、読影法の実習を行う。 5. 評価方法 病院実習指導医用の放射線科病院実習評価シートにしたがって、担当した指導医が 5 段階評価 を行う。学識評価(基礎的知識、臨床的知識) 、問題解決能力(知識の活用、技能の習得) 、実習 態度(基本的態度、社会性)について評価する。また、欠席回数、遅刻・早退回数についても評 価の対象となる。 6. 参考図書 中田 肇、増田康治編集 標準放射線医学 第 6 版 医学書院 2001 蜂屋順一他 Text 放射線医学 第 2 版 南山堂 2000 蜂屋順一監修 MRI 準備体操 メジカルビュー社 2000 高原太郎編著 荒木 力 MRI「再」入門―臨床からみた基本原理 南江堂 1999 荒木 力 腹部 CT 診断 120 ステップ 中外医学社 2002 酒井文和 すぐ身につく胸部 CT 第 2 版 秀潤社 2002 吉沢康雄著 実施医家に必要な放射線防護の知識 日経メディカル編集 1992 日本臨床腫瘍研究会編 臨床腫瘍学 癌と化学療法社 1999 久田欣一監修 最新臨床核医学 第 3 版 金原出版 1999 久保敦司、木下文雄 核医学ノート(改訂 4 版) 金原出版 2001 大川智彦、田中良明 癌・放射線療法 2002 篠原出版新社 2002 平岡真寛他編 放射線治療マニュアル 中外医学社 2001 井上俊彦編 放射線治療学 南山堂 2001 菅原 努監修 放射線基礎医学 金芳堂 2001 Radiobiology for the Radiologist Lippincott Williams 2000 佐々木武仁編 E. J. Hall (5th Edition) 平松京一監修 腹部の CT 第 2 版 & Wilkins メディカル・サイエンス・2010 インターナショナル − 222 − 放射線科実習表(東医療センターグループ用) 放射線腫瘍科 実 習 係 泉佐知子(28272) 集合場所 2 号館 2 階 医局(32212) 東医療センター放射線科 実 習 係 町田治彦(7846)、医局(2118) 集合場所 東医療センター 1 号館 1 階放射線科読影室 画像診断・核医学科 実 習 係 坂井修二、医局(39966) 集合場所 外来センター B1 核医学・PET 検査室 9 12 13 月 →(腫)放射線腫瘍科 実習表参照のこと 火 →(腫)放射線腫瘍科 実習表参照のこと 水 9:00∼12:00 東医療センター放射線科 →(腫)放射線腫瘍科 実習表参照のこと 木 9:00∼12:00 東医療センター放射線科 金 9:00∼12:30 (画・核) 近藤、百瀬 心臓核医学、腫瘍核医学 13:30∼16:00 東医療センター放射線科 13:30∼17:00 (画・核) 坂井、澤本 総合実習、一般核医学 土 9:00∼12:00 東医療センター放射線科 →本院 放射線腫瘍科での実習 →東医療センター放射線科、 (金)本院 画像診断・核医学科での実習 − 223 − 試験日程 木曜日 時 間 場 所 担 当 者 3:30 ∼ 4:00 東医療センター 放射線科 上 野 惠 子 指導医一覧表 所 属 職 名 東医療センター 放射線科 〃 〃 〃 〃 〃 〃 教 授 講 師 助 教 非常勤講師 〃 〃 〃 〃 氏 名 所 属 職 名 氏 名 上 野 惠 子 東医療センター 非常勤講師 大久保 裕 雄 町 田 治 彦 放射線科 〃 大 淵 眞 男 館 悦 子 〃 〃 鈴 木 滋 古 川 顕 〃 〃 佐々木 真 弓 山 田 恵 子 〃 〃 喜 多 和 代 原 裕 子 〃 〃 福 留 美 夏 木 村 文 子 〃 〃 沈 雲 唐 澤 久美子 〃 〃 竹 内 均 − 224 − 救命救急センター 1. 一般目標 救命救急センター ICU および救急外来において実際に患者を受け持ち、その中から重症患者に 対する全身管理と同時に患者に対する使命感、責任感を習得することを目的とする。 2. 実習に必要な知識 (1)心肺停止状態の判断法 (2)意識異常の重症度判断(JCS、GCS) (3)ショックの診断法と初療 (4)毒薬物中毒の診断と初療 ※いずれも講義で解説済みである。講義資料を再確認すること。 3. 実習内容 救命救急センター ICU、救命救急センター外来、中央手術室、東病棟 2 階において、救急患者 の理学的所見のとりかた、初療(救命処置を含む) 、検査計画、具体的治療方法、集中治療につ いて修得する。 4. 具体的到達目標 外科、内科の基本的な実習はすでに終了しているとみなし、救命センターの特色を生かして以 下の項目を習得していただきたい。 (1)指導医の指導、監視のもとに学生に実施させるもの 1)心肺蘇生法(胸骨圧迫心マッサージ) 2)一般処置法(胃管挿入法、胃洗浄法、導尿法) 3)人工呼吸器管理 4)画像診断(X − P、US、CT、MRI、ECG) (2)状況によっては学生が実施できるもの 1)病歴の聴取 (3)介助、見学させるもの 1)心肺蘇生法(開胸心マッサージ、気道確保) 2)外科的治療法(術前処置、手術助手、止血法、縫合) 3)緊急手術(手術助手、止血法、縫合、術後管理) 4)急性血液浄化法 5)内視鏡検査(上部下部消化管、気管支鏡) 6)救急車同乗実習 5. 評価方法 (1)出席日数による評価 (2)個別指導医による実習態度、及び積極性等の評価 (3)提出レポートによる評価 (4)総括指導医による総合評価 − 225 − 付記評価については 5 段階評価を検討中 6. 参考図書 吉岡守正、 浜野恭一、 藤田昌雄、 鈴木 忠 救急医学 ドクターズレビュー版 1989 日本救急医学会監修 標準救急医学 医学書院 鈴木 忠、石川雅健、今 眞人 救命 ICU 管理マニュアル へるす出版 − 226 − 1991 1995 救命救急センター実習表 実 習 係 原田知幸(36085) 連 絡 係 原田知幸(36085) 集合場所 東病棟地下 1F 救命救急センター医局 8 月 モーニング カンファレ ンス 9 12 オリエンテーション 病室 ICU 実習 (原田) 火 モーニング カンファレ ンス 病室 ICU 実習 (武田) 水 モーニング カンファレ ンス 病室 ICU 実習 病室 ICU 実習 木 (武田) 金 モーニング カンファレ ンス 病室 ICU 実習 (矢口) 土 モーニング カンファレ ンス 16 病室 ICU 実習 17 22 イブニング カンファレンス 当直実習 イブニング カンファレンス 当直実習 イブニング カンファレンス 当直実習 救急車実習 イブニング カンファレンス 当直実習 イブニング カンファレンス 当直実習 救急車実習 (原田) 病室 ICU 実習 (武田) 病室 ICU 実習 AED・BLS 実習 (矢口) モーニング カンファレ ンス 13 (武田) 病室 ICU 実習 (武田) 病室 ICU 実習 (原田) 症例検討会 (矢口) 尚、緊急手術に関しては、事例発生に応じて適宜実習を行う。 − 227 − 試験日程 最終土曜日 時 間 場 所 担 当 者 11:00 ∼ 12:30 救命救急センター医局 矢 口 有 乃 指導医一覧表 所 属 職 名 氏 名 所 属 職 名 氏 名 救 急 医 学 准 教 授 矢 口 有 乃 東医療センター 教 授 磯 谷 栄 二 〃 講 師 原 田 知 幸 救命救急センター 〃 〃 武 田 宗 和 〃 助 教 諸 井 隆 一 〃 〃 並 木 みずほ 〃 〃 秋 月 登 − 228 − 膠原病リウマチ痛風センター 1. 一般到達目標 リウマチ性疾患の診断過程および治療方法を「問題解決型実習」を通して理解する。実習では リウマチ性疾患の診断法を学び、主要なリウマチ性疾患についての理解を深めることを目標とす る。 2. 実習に必要な知識 ブロック 5 免疫系の講義内容が中心である。実習中にもクルズスなどで知識を補足するが、最 低限ブロック 5 の講義内容を確認の上で実習に臨むことを勧める。 3. 内容 リウマチ性疾患は、関節、筋、骨、靭帯、腱などの運動器に疼痛・こわばりなどの症状を生じ る疾患の総称であり、内科学的アプローチと整形外科的アプローチの両方が必要な疾患群である。 当センターでは内科医と整形外科医が協力して学生の指導を行う。 1) 初日にクルズスを通じて、病棟実習に必要な知識の整理、確認を行う。 2) 病棟実習では、累進型テュートリアルの第 5 段階として診療問題解決型実習を実施する。 リウマチ性疾患患者(内科系)を担当し、問診・診察を行うが、あらかじめ診断名や治療 内容などの患者に対する情報が与えられない状況下で、学生は担当患者と医療面接を行い、 身体所見をとり、 problem list を作成する。そして木曜日の回診時に簡潔にプレゼンテーショ ンして、評価を受ける。指導医により検査成績、画像診断、組織検査などが与えられ、さ らに症例に関する理解を深める。この実習により、診断および治療計画を考え、検査成績 を通じて臨床免疫学の臨床応用を学ぶことを期待する。 3) リウマチ性疾患患者の手術見学を行うことで、整形外科的治療法について学ぶ。 4) 回診では、膠原病患者・リウマチ患者の特徴的な皮膚所見、関節所見、呼吸器所見などに 実地に触れることで理解を深める。 4. 具体的到達目標 4−1)コア診療科実習としての到達目標 1. 診療問題発見解決型テュートリアルとして、患者情報が全くない状態から入院患者の問 診、診察を通して問題点を発見し、抽出し、解決する技術を習得する。 2. 多くの症例に接することにより、多彩なリウマチ性疾患についての理解を深める。 3. 内科的治療と外科的治療の連携について学ぶ。 4−2)選択診療科実習としての到達目標(原則としてリウマチ科病棟部門:リウマチ内科およ びリウマチ整形外科) 1. 指導医のもとでリウマチ性疾患の診療に触れることにより、リウマチ性疾患の臨床と、 それを支える臨床免疫学や筋骨格系の知識を復習する。さらに、医療を支える周辺知識 についての理解を深める。 4−3)自主選択実習としての到達目標(原則としてリウマチ科病棟部門:リウマチ内科および リウマチ整形外科) 1. 指導医のもとで診療チームの一員としてリウマチ性疾患の臨床を実際に体験することに より、リウマチ性疾患に対する理解を深めるとともに、コミュニケーション能力をはじめと − 229 − する医師としての必要な技量の必要性を理解する。 5. 評価方法 1)診療時に担当症例のプレゼンテーションを行う。症例についての理解や疾患に関する知識 をもとに、問題抽出に至る過程、実習に対する取り組み方、患者に対する接し方を含めて 評価する。 2)土曜日(第 3 週は金曜日)にスタッフが試問を行い、診療問題解決に関してどのように取 り組めたかを評価する。 3)担当症例について課題を与え、簡潔なレポートを提出させ、その内容も評価の対象に含める。 6. 参考図書 山中 寿(責任編集) EBM を活かす膠原病・リウマチ診療 メジカルビュー社 改訂第 3 版 Koopman 他 Arthritis and allied Conditions Lea & Febiger Kelly 他 Textbook of Rheumatology W.B. Saunders Co. Wallace 他 Duboi's Lupus Erythematosus Williams & Wilkins 上野征夫 リウマチ・膠原病診療ビジュアルテキスト 医学書院 三森明夫 膠原病診療ノート 第 2 版 竹原和彦 よくわかる強皮症のすべて 永井書店 松井宜夫他 図説関節リウマチの手術 メジカルビュー社 ─基本手技の展開とポイント − 230 − 日本医事新報社 リウマチ科診療科実習表 実 習 係 内科:勝又康弘(29821)整形外科:猪狩勝則(29804) 連 絡 係 中島亜矢子(34321、29809) 8 9 10 11 15 14 12 13 月 整形外科 整形外科 内科オリ クルズス 1 クルズス カンファ オリエンテ エンテー リウマチ性疾 2 教授回診 ーション ション 患に対する手 小児リ 担当患者 担当患者 術 (上肢・下肢) ウマチ (桃原・猪狩)に学生を に学生を (越智・矢野・ (布村) 紹介 紹介 (矢野) (市田) 佐久間) 16 17 18 (時 病棟実習または手術見学 Problem list 作成を開始する。 Problem list 作成を仕上げ、到達目標を設定。 (小橋川/桃原・猪狩) 中央病棟10F BST 中央病棟10F BST センター2F会議室 センター2F会議室 中央病棟10F 火 病棟実習または手術見学 病棟実習または手術見学 病棟実習:Problem list 作成を仕上げ、 到達目標を設定 手術見学:担当患者の手術立ち会い 病棟実習:Problem list 作成を仕上げ、到 達目標を設定 手術見学:担当患者の手術立ち会い (花岡/桃原・猪狩・越智) (牟田/桃原・猪狩・越智) 中央病棟10F 中央病棟10F 病棟実習 水 検査所見などを含めて Problem list を再 構成し、再度到達目標を設定する 病棟長回診 (勝又) (市田・五野) 中央病棟10F 中央病棟10F BST センター3F RoomA 病棟実習 Problem list を報告し、到達目標の評価を受ける 担当医と症例の discussionをする (山中・谷口・川口) 中央病棟10F BST 金 病棟 実習 中央病棟10F 内科症例のまとめ 土 担当スタッフに 症例プレゼンテーション 手術症例 指導医に対す るプレゼン (田中・小竹) (矢野・石田) 中央病棟10F 病棟実習 内科クル ズス 4 膠原病 追加情報の収集により、Pro診断治療 blem list と解決方法を再検討 など し、担当医と discussion する (南家・古 谷・市川) センター2F会議室 内科クルズス 3 関節リウマチ X 線の見方 最新治療など 医局会 木 内科教授回診 内科症例検討 センター2F会議室 病棟実習 中央病棟10F センター 中央病棟10F 実習場所等 注意事項 ※今回の試問担当は 先生です。 実習初日に連絡を取ってください(PHS ) ※月曜日 (谷口・川口・中島・古谷) 朝 7:45 ∼ 中央病棟 10F BST 整形外科 回診(資料を受け取る) 中央病棟10F センター3階Room B ※場所等の詳細は配布される資料を確認のこと ※月曜日が祝日の場合 火曜日朝 7:45 までに中央病棟 10F BST へ集合、資料を受け取る 月曜日分の予定は木曜日などに変更されます。 場所などの詳細は配布される資料をご覧ください。 ※土曜日が休みの場合、内科症例のまとめは金曜日 15 時からに繰り上 げとなります。 − 231 − リウマチ科選択診療科実習・自主選択実習表 実 習 係 内科:勝又康弘(29821)整形外科:猪狩勝則(29804) 連 絡 先 中島亜矢子(34321、29809) 8 9 10 12 病棟実習 13 15 14 16 17 18 病棟実習、クルズス(手術実習) 月 整形 オリエン 外科 手術カ テーショ ンファ ン 教授 (市田・ 回診 (桃原、 矢野) 猪狩) 11 (桃原・猪狩) 病棟実習、クルズス(手術実習) 病棟実習、クルズス 病棟長回診 火 病棟実習(手術実習) 病棟実習 水 (勝又) 内科教授回診 木 (山中・谷口・川口) 病棟実習 病棟実習(手術実習)、クルズス 医局会 *膠原病リウマチ痛風センターの外来見学 に振替可 (古谷・田中・勝又・五野・越智・石田・矢野)センター 病棟実習(第 3 土曜日前は総括) 金 (高木・市川) 病棟回診及び病棟実習総括 土 (谷口・小竹・川口・中島・ 南家・田中・勝又) − 232 − 試問日程 時 間 土曜日 9:30 ∼ 11:30 場 所 担 当 者 センター 3 階 Room B 谷 口 敦 夫 小 竹 茂 川 口 鎮 司 中 島 亜矢子 南 家 由 紀 指導医一覧表 所 属 職 名 内 科 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 教 授 〃 臨床教授 准 教 授 〃 講 師 〃 〃 〃 〃 〃 〃 准 講 師 助 教 氏 名 所 属 職 名 氏 名 山 中 寿 内 科 助 教 五 野 貴 久 谷 口 敦 夫 〃 〃 岡 本 明 子 川 口 鎮 司 〃 〃 小橋川 剛 小 竹 茂 〃 〃 大 澤 彦 太 中 島 亜矢子 〃 〃 星 大 介 南 家 由 紀 〃 〃 設 楽 久 美 古 谷 武 文 〃 〃 杉 本 直 樹 田 中 栄 一 〃 〃 牟 田 さゆみ 勝 又 康 弘 〃 〃 花 岡 成 典 布 村 多佳子 〃 〃 小 林 晶 子 瀬 戸 洋 平 〃 〃 岡 本 祐 子 高 木 香 恵 〃 〃 片 岡 さゆり 市 川 奈緒美 〃 〃 若 松 裕 子 市 田 久 恵 指導医一覧表 所 属 職 名 整 形 外 科 〃 〃 〃 教 授 准 教 授 准 講 師 助 教 氏 名 所 属 職 名 氏 名 桃 原 茂 樹 整 形 外 科 助 教 佐久間 悠 〃 〃 吉 田 進 二 猪 狩 勝 則 〃 〃 小 山 卓 摩 越 智 健 介 矢 野 紘一郎 − 233 − 総 合 診 療 科 1. 一般目標 総合診療科は現在は主に外来診療を担当しており、初診患者や紹介患者などを診療している。 実習も初診患者の診察を一から始め、治療に至るまでの外来診療の全経過を体験する。 病気の 80%は医療面接で診断が可能であり、身体診察を加えると 90%が可能となるといわれ ている。総合診療科では頻度の高い病気(日常的な病気)の患者が多く、医療面接と身体診察の 重要さを実習で学んでほしい。学生はすでに多くの病気の診断をするに必要な知識、技能は学ん でいる。総合診療科という現場で、さらに実際的な問題解決能力を身につけることを目標とする。 そのために、学生は医療面接、身体診察、検査計画などを指導医のもとで自らすすめていき、 診断、 治療計画をまとめる (SNAPPS) 。各診察段階で指導医の確認をうける。毎日のフィードバッ クを mini CEX で評価する。さらに毎夕の症例検討会で各自の担当患者についてプレゼンテーショ ンを行うことで形成的評価を受ける。検査治療にあたっては処置室で研修医、看護師などとの連 携で行うチーム医療の楽しさを学ぶ。さらに患者の検査、他科受診にも立会い、患者への共感も 学んでほしい。 2. 実習に必要な知識 総合診療科では小児科以外の疾患を対象とするので、今までの学んできた知識、技能をすべて 動員して初診患者に対応する。特別に準備することはないが、総合診療科マニュアル(事前配布) を読み、決まり事など理解する。 3. 実習内容 毎日、初診患者の診察を行い、夕方の検討会で提示する。その繰り返しで実践的学習を行うの が基本です。 1) 総合外来センター 1 階の総合診療科の診察室、ケアルームで行う。 2) 診察室で医療面接、身体診察を行う。 3) ケアルームでは検査、治療を行う。また研修医および看護師、ヘルパーなどとのコメディ カルとのチーム医療を学習する。 4) 症例検討会での症例提示を毎日行う。 5) 外来手技実習(齋藤准教授担当) 6) 画像診断(CT、超音波など) 、生理検査(肺機能、内視鏡など)見学、他科受診に積極的 に立ちあうことで学習を深化させ、患者の気持ちを理解する。 7) 感染症対策、予防策を学び説明できる。 4. 具体的到達目標 1)指導医の監督・指導のもとに学生ができること 医療面接: ①診断に必要な情報収集、②患者医師間の信頼関係を構築、③患者教育もでき ればすばらしい。 身体診察: 全身を診察する。更に症状に応じた診察ができる。 検 査: 医療面接、身体診察で得られた情報から、確定診断・除外診断にはどの検査が 必要か判断できる。また検査結果を解釈できる。 − 234 − 治 療: 治療方針を述べることができる。 症例提示ができる。 コメディカルとのチーム医療ができる。 2)状況によっては学生ができること 採血、注射、点滴セットの準備、肛門鏡、超音波検査 3)介助、見学ができるもの 中央検査室での画像診断(CT、エコーなど) 、生理検査(内視鏡) 他科紹介への付き添い 5. 評価方法 毎日の症例検討会での形成的評価 最終日に口頭試験 6. 参考図書 John Noble Textbook of Primary Care Medicine 3rd Ed. Up To Date Web Mosby 社 Braunwald et al. Harrison’ s Principles of Internal Medicine 15th Ed. McGraw Hill 社 日本プライマリ・ 日本プライマリ・ケア連合学会 南山堂 ケア連合学会編 基本研修ハンドブック − 235 − 総合診療科実習表 実 習 係 齋藤 登(28095) 連 絡 係 齋藤 登(28095) 集合場所 総合外来センター 1 階 総合診療外来 8:30 8:50 16:30 12:00 13:00 18:30 外来実習(齋藤) 症例検討会(齋藤) 外来実習 外来実習 症例検討会 外来実習 外来実習 症例検討会 外来実習(齋藤) 外来実習(齋藤) 症例検討会(齋藤) 外来実習(大久保) 外来実習 症例検討会 月 外来実習(大久保) 火 水 木 金 14:00∼ 外来手技 (齋藤) 外来実習 土 外来実習は診察室、ケアルームで行う。症例検討会は診察室または医局(第 2 別館 1 階)で行う。 外来手技は日時変更することあり。 − 236 − 試験日程 最終土曜日 時 間 場 所 担 当 者 8:00 ∼ 8:50 外来診察室 齋 藤 指導医一覧表 所 属 職 名 氏 名 所 属 職 名 氏 名 総 合 診 療 科 准 教 授 齋 藤 登 医 学 教 育 学 講 師 大久保 由美子 (総合診療科兼任) − 237 − 成人医学センター・青山病院 1. 到達目標 (1)一般目標 近年、医療はますます専門分化される傾向が強いが、その一方で患者の医療は、総合的視 点に基づくものでなくてはならないことも繰り返し指摘されているところである。成人医学 センターおよび青山病院においては、生活習慣病予防のための健診を行っているが、ここで 得られた個人の情報を総合的に整理し、予防医学という立場に立って問題を解決していく習 慣を身につける。また日常診療を通して患者への接し方、疾患の理解、各種検査の解釈と評 価などを学ぶことを目標とする。 (2)内容 生活習慣病予防健診、循環器内科、消化器内科、糖尿病内科、神経内科、呼吸器内科、一 般内科を中心に臨床実習(外来、病棟)を行うが、心臓病センター、消化器病センターと重 複するものが多いので、生活習慣病と関連のある疾患に重点をおく。 具体的目標 必須項目… 1. 病歴聴取法 2. 一般診察(視診、触診、打診、聴診、直腸診) 3. 一般検査(血 液、血清生化学、尿、便などの検査データーの解釈と評価) 4. 血圧測定:実施 と評価 5. 心電図:実施と評価 6. 胸部 X 線写真、腹部単純写真:解釈と評価 7. 腹部超音波検査:見学、解釈と評価 8. 心臓超音波検査:見学、解釈と評価 9. 上 部消化管および下部消化管造影:見学、解釈と評価 10. 上部消化管および下部 消化管内視鏡:見学、解釈と評価 11. 生活習慣病について学ぶ(定期検診の成 績を通して生活習慣病を理解し、その予防、早期発見、早期治療について学ぶ。 ) 1 − 10 については、心臓病センターおよび消化器センターで十分実習していれば、 省くか簡略化する。 許容範囲 特殊検査… 1. 運動負荷試験(トレッドミルなど) :見学、解釈と評価 2. ホルター心電図: 解釈と評価 3. 24 時間血圧測定検査:解釈と評価 4. CT スキャン:見学、解 釈と評価 5. 経内視鏡的膵胆管造影:ERCP 見学、解釈と評価 6. 上下内視鏡 的治療:治療適応、解釈と評価 7. 小腸カプセル内視鏡:治療の適応、解釈と 評価 8. 腹腔鏡検査、肝生検:見学、解釈と評価 9. MRI:見学、解釈と評価 10. 終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG) 1 および 5 ∼ 10 は青山病院で行う。 2. 実習に必要な知識 ①循環器系・消化器系の臓器の解剖学的・生理学的知識 ②正常心電図の理解 ③正常消化管画像、実質臓器画像の理解 ④循環器・消化器疾患の基本的病態生理の理解 ⑤生活習慣病の一般的知識 − 238 − 3. 実習内容 1. 実習は、成人医学センター及び青山病院で行う。 2. 成人医学センターでは生活習慣病健診症例を中心とし、1 個人を総合的視点から診断するこ とを学ぶ。 3. 青山病院では入院症例を中心に実習する。 検査や講義に関しては成人医学センターと重複しないように配慮する。 特殊検査のうち 1、5、6、7、8、9、10 は、青山病院でのみ実習可能である。 注:症例の割り当て、検査見学、講義、症例検討などの具体的内容に関しては、実習第 1 日目 の午前中に説明する。 4. 指導医 成人医学センター:三坂亮一、宇治原典子、土谷まり子 青山病院:川名正敏、長原 光、島本 健 4. 学生の評価方法 実習、tutorial、レポート提出などから、問題への取り組み方と自発学習を評価する。 実 習 係 成人医学センター:三坂亮一、宇治原典子(2208) 青山病院:島本 健(2105) 連 絡 係 成人医学センター:企画室(2267) 青山病院:田沼(1307) 集合場所 成人医学センター 21F 医局 青山病院 4F BST − 239 − 青山病院実習表 目的:学生が能動的に患者の問題を発見し、解決法を見出し、それを医療チームの立場で評価する。 方法:既存の学習カリキュラムの中に、学生が能動的に問題発見・解決を行い、その結果を評価 する場を挿入し、学生と 1 日 1 回∼ 2 回は discussion する場を設ける。 8:30 9:00 12:00 13:00 月 担当患者の設定・学生に 紹介 (島本、長原) 消化器抄読会 院長回診 (長原) 1)Problem list から取り組む問題を選定 2)身体診察と基本検査情報の確認 3)申し送り (島本、長原) 循環器抄読会 水 木 モーニング モーニング モーニング カンファレンス カンファレンス カンファレンス ︵長原、川名、島本、 ︵長原、川名、島本、 ︵長原、島本、 担当医︶ 担当医︶ 担当医︶ 火 1)Problem list から医学的問題と心理・ 社会的問題を選択し、患者基本情報を 中心にアプローチ 2)申し送り (島本、担当医) (泌尿器)手術見学(橋本) 1)作成した Problem list から到達目標を指導医に 報告 (島本) (泌尿器)手術見学(橋本) 1)医学的問題に関して 病態∼臨床所見について 検討 2)次の医学的問題を選択 (循環器)教授回診(川名) (泌尿器)手術見学(前田、橋本) 17:30 1)前日の問題について short presentation と討論、次の問題設定 2)申し送り (島本、担当医) (泌尿器)手術見学(前田、橋本) モーニング カンファレンス ︵川名、担当医︶ 金 土 モーニング カンファレンス ︵島本、担当医︶ 1)医学的問題に関して 病態∼臨床所見について 検討 2)次の医学的問題を選択 (泌尿器) 検査見学(前田) 1)前日の問題について short presen- (消化器) 教授回診 tation と討論、次の問題設定 (長原) 2)申し送り (島本、担当医) (泌尿器)検査見学(前田) 1)医学的問題のみなら ず心理・社会的問題につ いても討論 2)症例のまとめ (泌尿器)手術・検査見学 (前田、橋本) 1)前日の問題について short presen- (消化器) 症例 tation と討論、終日問題について担当 検討会 症例のまとめレポートを作成 (長原) 2)申し送り (長原) (泌尿器)手術・検査見学(前田、橋本) 学生用診療録の作成・提 出・問題を中心にプレゼ ン テ ー シ ョ ン、 教 育 ス タッフがコメントする (島本) 病棟実習担当医表 月 院長回診 午前 午後 火 循:関口・高橋 消:藤田・中村 循:関口・高橋 循:渡邉・巽・ 消:藤田 高橋 (笠島) ・中村 消:藤田・笠島・ 中村 水 循環器回診 木 金 循:関口 循:巽 消:藤田・笠島 消:笠島 循:渡邉・巽・ 循:巽 循:巽・高橋 高橋 消:藤田・笠島・ 消:藤田・笠島・ 消:藤田・笠島・ 中村 中村 中村 − 240 − 土 循:島本 消:藤田・笠島・ 中村 成人センター実習表 目的:学生が能動的に健診受診者のデータより問題点を発見し、それを予防医学の立場で評価する。 方法:健診に必要な検査の見学・結果より、学生が能動的に問題発見・解決を行い、その結果を 評価する場を設け、学生と discussion する場を設ける。 9:00 月 オリエンテー ション・症例 の説明 (宇治原) 10:00 胃内視鏡 (土谷) CT・造影 大腸内視鏡 17:30 一日の まとめ (三坂) 頸動脈エコー 火 健診問診 心臓エコー (藤田) 17:00 12:00 13:00 糖尿病外来 (長谷・大澤) 腹部エコー (土谷) 神経内科学検査 (松村) 水 健診 (坂井) 腹部エコー読影会 一日の まとめ (宇治原) 木 X−P 読影会 (土谷) 心臓エコー読影会 (石塚・渡邉絵) 金 胃内視鏡 (三坂) 大腸内視鏡 (伊賀) 土 まとめ (宇治原・三坂) − 241 − X−P 読影会 (石川雅) 症例の まとめ (宇治原) 指導医一覧表 所 属 職 名 成人医学センター 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 教 授 准 教 授 〃 講 師 〃 准 講 師 非常勤講師 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 助 教 〃 〃 〃 〃 〃 〃 氏 名 所 属 職 名 氏 名 三 坂 亮 一 青 山 病 院 教 授 川 名 正 敏 宇治原 典 子 〃 〃 長 原 光 土 谷 まり子 〃 准 教 授 島 本 健 石 塚 尚 子 〃 講 師 前 田 佳 子 松 村 美由起 〃 〃 橋 本 恭 伸 東 舘 紀 子 〃 〃 坂 井 理映子 石 川 雅 枝 〃 准 講 師 渡 邉 絵 里 大 江 麻里子 〃 非常勤講師 新 見 晶 子 川 島 悦 子 〃 〃 中 村 正 志 岡 村 玲 子 〃 〃 石 黒 久 貴 坂 井 典 孝 〃 〃 伊 賀 陽 子 馬場園 由美子 〃 〃 古 川 真依子 高 野 泰 子 〃 〃 酒 井 吉 郎 市 村 有紀子 〃 〃 市 村 有紀子 渡 邉 裕 太 〃 〃 大 圃 研 〃 〃 大 熊 京 子 水 野 弘 美 〃 〃 瀬 下 由美子 堀 田 順 子 〃 〃 石 川 尚 之 古 川 みどり 〃 〃 山 田 暁 輝 足 立 ヒトミ 〃 〃 酒 井 直 隆 田 中 純 子 〃 〃 小 暮 晃 子 伊 賀 陽 子 〃 〃 板 橋 聖 子 小 池 夏 葉 〃 〃 鬼 澤 重 光 長 谷 美智代 〃 助 教 巽 藤 緒 高 良 綾 子 〃 〃 竹 内 英津子 河 合 千 里 〃 〃 藤 田 美貴子 藤 田 悦 子 〃 〃 関 口 治 樹 大 澤 真 理 〃 〃 高 橋 夕芙子 三 宮 曜 香 〃 〃 本 間 美 穂 小 林 理 土 〃 〃 石 橋 あゆみ 〃 〃 笠 島 冴 子 〃 〃 中 村 友 里 − 242 − 内分泌疾患総合医療センター外科 1. 一般目標 1)内分泌外科実習では、テュートリアルと講義で学習したことを病院実習に応用し、患者の 有する身体的・心理的・社会的な問題を解決するための診断・治療の基本を修得する。また、 実際の診療にあたり、診療チームの一員として行動する能力を身につける。 2)とくに、外科的内分泌疾患(甲状腺・副甲状腺・副腎・乳腺が中心)の患者について診療 の実際を体験し、それぞれの疾患について術前病態・手術適応・手術の適期・術前準備・ 手術の実際・術後の病態の変化を学習する。将来、外科的内分泌疾患の患者に臨床医とし て適切に対処できる知識を身につける。 2. 実習に必要な知識 1)外科的内分泌疾患の病態 ①甲状腺:バセドウ病、甲状腺良性腫瘍、甲状腺悪性腫瘍 ②副甲状腺:原発性副甲状腺機能亢進症、続発性副甲状腺機能亢進症 ③副腎:原発性アルドステロン症、クッシング症候群、褐色細胞腫などのホルモン産生腫瘍 ④乳腺:乳癌、乳腺線維腺腫、葉状腫瘍 2)頸部∼腹部の局所解剖 3)手洗い・ガウンテクニック等の手術室で必要な清潔手技とマナー 3. 実習の内容 1)実習初日に担当患者を決め、その診療実習を基盤とした 1 週間の学習項目を指導医と相談 しながら学生各自が設定する。 2)担当患者の術前・術後経過について 1 日ごとに問題点を抽出し、それを解決する方法まで を自ら考えて指導医からフィードバックを受ける。 3)実習担当者ならびに病棟担当医の指導のもとに病棟の患者について診断・治療の過程を見 学し、学生としてできる範囲で診療の一部を治療チームの一員として実践する。 3)担当患者について病状を把握し、かつ病態についての知識を整理し、術前・術後検討会、 教授回診で報告・発表する。 4. 具体的到達目標 1)指導医の指導のもとに学生に実施させるもの 身体所見の診察(とくに甲状腺・乳腺の触診) 臨床検査(採血検査、超音波検査など) 臨床検査の評価(内分泌検査の評価、超音波検査・CT 検査・MRI 検査の読影) 治療計画の立て方(手術適応の検討、術前検査計画、術後検査計画) 患者やその家族に対する診断・治療計画の説明の立会い見学 術前・術後の経過観察 手術助手(第 3 助手) 基本手術手技(止血法、皮膚縫合など) 術前・術後検討会および各種カンファランスでの症例呈示 − 243 − 2)状況によって学生が実施できるもの 病歴聴取、導尿・消毒などの手術準備。 身体所見の診察 3)介助、見学するもの 診断検査(X 線検査、超音波検査、穿刺吸引細胞診、内視鏡検査) 手術療法(甲状腺、副甲状腺、副腎、乳腺の手術) 緊急処置(気管内挿管、気管切開など) 4)選択実習としての到達目標 主に担当の患者について行う ①身体所見の診察ができる(特に甲状腺・乳腺) ②臨床検査の評価ができる(血液検査、内分泌学的検査、超音波検査、そのほかの画像検査、 病理学的検査など) ③病歴聴取ができる(現病歴、既往歴、家族歴、嗜好など) ④手術に参加し手術の準備(導尿など)ができる ⑤担当患者の手術に参加し、手洗い、ガウンテクニック、縫合ができる ⑥術後の創部の観察ができる、また、消毒などの処置ができる ⑦術後の検査所見の評価ができる 5)自主選択実習としての到達目標 病棟担当チームの一員として行う ①身体所見の診察ができる(特に甲状腺・乳腺) ②臨床検査を指導医などと共に行うことができる(採血・抗生剤皮内テスト・超音波検査 など) ③臨床検査の評価ができる(血液検査、内分泌学的検査、超音波検査、そのほかの画像検査、 病理学的検査など) ④臨床検査の評価の結果から治療計画の立て方を考えることができる(手術適応の検討、 手術法の検討など診療ガイドラインなどを参考に考えることができる) ⑤病歴聴取ができる(現病歴、既往歴、家族歴、嗜好など必要な情報をきちんと収集できる) ⑥術前検討会で症例提示ができる ⑦チームの一員として手術に参加し手洗い、ガウンテクニック、縫合ができる ⑧チームの一員として手術に参加し周術期管理ができる(術前の準備としての導尿や体位 変換、術後の創部の確認、バイタルサインの確認、摘出標本の処理など) ⑨術後創部の確認や消毒などができる ⑩術後の血液検査など各種検査の予定が立てられ、結果の評価ができる ⑪抜糸ができる 5. 評価方法 担当患者について学んだことのまとめやフィードバックを、実習担当者もしくは指導医により 行う。 個々の病棟及び手術室での学習内容・態度については指導医により逐次評価を受ける。 実習期間の終わりにグループ全員で診療部長の試問を受ける。 − 244 − 6. 参考図書 藤本吉秀 編著 内分泌疾患 概念から外科治療まで 中外医学社 1989 小柳 仁、松野正紀 標準外科学(第 9 版) 医学書院 2001 New 外科学(第 2 版) 南江堂 1995 泉雄 勝 編著 最新 乳癌の診断と治療 永井書店 1990 小原孝男 編 内分泌外科の要点と盲点(第 2 版) 文光堂 2007 村井 勝 ら編 内分泌外科 標準テキスト 医学書院 2006 島津久明 編 出月康夫、古瀬 彰、 杉町圭蔵 編 日本内分泌外科学会 編 内分泌外科 標準手術アトラス 改訂版 インターメルク 2003 日本内分泌外科学会 編 甲状腺腫瘍診療ガイドライン 金原出版 2010 科学的根拠に基づく乳癌診療ガイドライン 金原出版 2011 日本乳癌学会 編 治療編 2010 版 − 245 − 内分泌外科実習表 (選択診療科実習及び自主選択実習) 実 習 係 堀内喜代美(PHS28854) 、坂本明子(PHS28849) 連 絡 係 医局事務 藤巻知美(内線31131) 集合場所 中央病棟 5 階 8:00 12 18:00 13 木 金 手術実習(岡本、指導医) 術前術後検討会 (岡本、堀内、 第 3 助手または見学 坂本) 病棟実習(指導医) 担当患者の診察と学生用カルテの 記載 検査見学(坂本) 病棟実習(指導医) 担当患者の診察と学生用 カルテの記載(堀内、坂本) 学生グループでの症例検 討(堀内、坂本) 病棟回診 水 手術実習(岡本、指導医) 第 3 助手または見学 病棟回診 病棟実習 (指導医) 担当患者の診察と学生用 カルテの記載 検査見学 外来実習(岡本) 検査見学(指導医) 病棟回診 担当患者 術前術後検討会 手術実習 紹介 (岡本、堀内、 (岡本) 第 3 助手また (指導医) 坂本) (堀内、 は見学 検査(超音波) 坂本) 見学(指導医) 病棟回診 火 病棟回診 月 オリエン 手術実習(岡本) テーション 第 3 助手または見学 手術実習(指導医) 第 3 助手または見学 手術実習(指導医) 第 3 助手または見学 病棟回診 土 8:30 学生による術後経過検討会 (指導医) 教授による口答試問 (時間は不定) 土曜日は朝 8 時 30 分に集合 − 246 − 術前術後検討会 (岡本、堀内、 坂本) 試験日程 内分泌外科 時 間 場 所 担 当 者 実習週の土曜 適 宜 内分泌外科教授室 (別館・4 階 411 号室) 診療部長 指導医一覧表(内分泌外科) 所 属 職 名 氏 名 所 属 職 名 氏 名 内 分 泌 外 科 教 授 岡 本 高 宏 内 分 泌 外 科 准 講 師 坂 本 明 子 〃 准 講 師 堀 内 喜代美 − 247 − 腎臓病総合医療センター 腎臓外科 1. 一般目標 腎臓外科における臨床実習の目標は、腎疾患、腎不全を中心とした臓器不全についてブロック 6 までに学んできた知識を系統的に整理、理解し、受け持ち患者を通して、病態の把握に際し、 それらをどのように応用するかを実践的に学ぶことにある。患者の全人的把握とともに、 医療チー ムの一員として行動する態度、習慣を身につける。 2. 実習に必要な知識 1. 臨床診断学総論 1) 問診(主訴、病歴、出生・発達歴、既往歴、社会歴、家族歴、生活歴) 2) 全身の診察 理学的所見 3) 腎・尿路系の診察 4) 肝・胆道系・消化管の診察 5) 膵疾患の診察 6) 呼吸器系の診察 7) 心・脈管系の診察 8) 神経系の診察 2. 臓器の構造・機能 1) 腎・尿路系 2) 肝・胆道系 3) 膵臓 4) 甲状腺・上皮小体 5) 血管系 3. 臓器不全の原因と病態・合併症および治療 1) 腎不全 2) 糖尿病性腎不全 3) 肝不全 4) 呼吸不全 5) 心不全 6) 末梢循環不全 7) 播種性血管内凝固症候群 8) 敗血症 4. 免疫学 1) 免疫学の解剖学 2) リンパ球の分類と機能 3) 抗体の構造と機能 4) 補体の機能と制御 5) サイトカインの機能と制御 6) 免疫応答 − 248 − 7) 移植免疫 8) 組織適合性 9) 拒絶反応の機序とその制御 10) 感染防御免疫 11) アレルギー 12) 自己免疫疾患 13) 免疫抑制剤の種類と機序および副作用 14) 免疫学的検査 5. 臓器移植 1) 臓器移植の適応疾患(腎移植、肝移植、膵移植) 2) 移植法 3) 免疫抑制法 4) 拒絶反応の診断と治療 5) 合併症 6) 臓器移植のシステム 7) 臓器移植に関する法律、法令、規則、指針 8) 生命倫理 6. 血液浄化法 1) 血液浄化法の種類と特徴 2) 各血液浄化法の適応と方法 3) バスキュラー・アクセス 4) 体外循環 5) 抗凝固法 6) 合併症 7. 血管手術の基礎知識 8. 再生医療の基礎知識 3. 実習内容 腎臓外科においては、診療問題解決型実習により病院臨床実習の教育にあたる。実習では腎・ 尿路系疾患のみならず、人工臓器、臓器移植などの診療に必要な基本的知識と技能を習得すると 共に、病像、病態の全人的把握、問題点の整理と評価ならびに患者および家族との人間関係の形 成などに関する学習を基本とする。 実習期間は選択診療実習では 1 週間、自主選択実習では 4 週間とし、別表の時間割に従って行 う。学生各人がそれぞれ 1 名以上の患者を担当し、患者の主観的情報と客観的情報(主訴、病歴、 理学所見および検査所見)を収集する。情報を整理して検査、診断および治療について考察し、 POS に則って記録する。実習期間中、毎日担当患者と指導医に面接し、遂次新しい情報を収集す ると共に、積極的に検査、診断、治療の実際に参加する。臨床の場で指導医の指導に基づき、そ れぞれの症例について互いに討論、検討する。指導医の日常診療に陪席し、さらに回診、講義、 セミナーなどに参加し、診察法と検査法を見学あるいは実施する。 外科的手技に関しては、見学および直接参加して基本的技法を体得する。 − 249 − 4. 具体的到達目標 1)指導医の指導・監視のもと 2)状況によっては学生が実施 3)介助、見学させるもの に学生に実施させるもの できるもの 1. 診察 ・ 血圧測定 ・ 胸部診察(打診聴診) ・ 腹部診察 (触診、 打聴診) ・ 四肢および頚動脈触診 ・ 全身リンパ節触診 ・ 直腸指診、双手診 2. 検査 (尿検査) ・ 採尿法 ・ 尿蛋白、 潜血、 尿糖、 膿尿、 混濁尿 ・ 尿沈渣検査法(鏡検) ・ 細菌検査 (腎機能検査法) ・ クレアチニンクリアランス ・ 標準クリアランス 酸・塩基負荷試験 ・ HLA 検査 ・ リンパ球クロスマッチ ・ フローサイトメトリー (放射線学的検査) ・ 単純 X 線撮影(胸部、 ・ 排泄性腎盂造影(IVP) KUB) (介助) ・ 尿道造影、膀胱造影 (排尿時) ・ 逆行性腎盂造影 ・ 血管造影検査(大動脈、四 肢・腹部動脈、腎動脈) ・ 腹部 CT ・ レノグラム、レノシンチ (画像診断) ・ 腹部超音波検査(副腎、 ・ MRI(介助) 腎、尿路、膀胱、前立腺、 ・ 超音波ドップラー検査 移植腎、移植肝、移植膵) 移植腎、移植肝、移植膵 ブラッドアクセス 血管系 甲状腺、上皮小体 (内視鏡検査) ・ 上部・下部消化管内視鏡検査 − 250 − 1)指導医の指導・監視のもと に学生に実施させるもの 2)状況によっては学生が実施 3)介助、見学させるもの できるもの (生検) ・ 腎 ・ 移植腎、移植肝、移植膵 (その他) ・導尿法 ・ 尿管カテーテル法 ・ 組織適合性検査 ・ 動脈穿刺術 ・ 深部静脈穿刺およびカテー テル挿入術 3. 治療 (食事療法) ・ 病態に応じた食事の処方 (薬物療法) ・ 降圧薬、利尿薬、ステロイ ドおよびその他の免疫抑制 剤の使用法 (血液浄化療法) ・ 急性、慢性腎不全に対する 血液透析、腹膜透析、血液濾 過、血 液 濾 過 透 析( 原 理、 適応、実際) ・ その他の血液浄化法(血漿 交 換、 免 疫 吸 着、LDL 吸 着など) (原理、適応、実際) (手術療法) 皮膚縫合、抜糸、創処置 ・ 腎不全の外科 手洗実習 ・ バスキュラーアクセス (臓器移植) ・ 腎移植、肝移植、膵移植 ・ 免疫抑制法 ・ 拒絶反応の診断 ・ 拒絶反応の治療 (再生医療) 4. 救急処置 ・ 急性腎不全、高 K 血症、 肺水腫に対する処置 ・ 緊急バスキュラーアクセ ス、緊急透析 ・ 血尿、 尿閉、 外傷(腎・骨盤 ・尿道など) に対する処置 選択実習ではコア実習での実践を再度確認し、さらに高度な技術が習得できるよう病棟実習を 組む。 − 251 − 5. 評価方法 受け持ち患者に関し、担当医との討論を通じて、問題点の抽出、解釈、対策の立て方などの一 般的な strategy についての理解度、診療態度、グループ医療の一員としての態度について担当医 による評価を行う。さらに最終日にクルズスを行い、その他に自由討論を行ってこれらをあわせ て最終評価とする。 6. 参考図書 東京女子医大第 4 内科 図説腎臓病学第 3 版 日本医事新報社 2005 佐中 孜、秋葉 隆編 血液浄化療法スタッフマニュアル 医学書院 2005 黒川 清、松澤佑次 内科学第 2 版 文光堂 2003 寺岡 慧ほか編 腎不全の外科 南江堂 2000 腎と透析編集委員会 腎・尿路疾患の診療指針 東京医学社 1999 日本腎臓学会・ 腎移植の進歩 東京医学社 2006 免疫の進化 医薬ジャーナル社 2006 高橋公太編 腎移植のすべて メジカルビュー社 2009 伊藤壽記、寺岡 慧編 膵臓移植 シュプリンガー 2009 清澤研道、市田隆文編 肝移植診療ガイドブック アークメディア 2007 Poitt, Brostoff ほか 免疫学イラストレイテッド(第 5 版) 南江堂 2000 矢田純一 医系免疫学 中外医学社 2007 Paul, WE. Fundamental Immunology Lippincott 2003 Starzl TE, Shapiro R, Atlas of Organ Transplantation Gower 1992 Transplantation Biology Lippincott 1996 シグナル伝達 メディカル・ 2002 腎移植推進委員会編 シクロスポリン学術 国際シンポジウム編 多田富雄監訳 Simmons R Tilhey NL, Strow TB, Paul LC Gomperts BD, Kramer I JM, Tatham PER サイエンス・インターナショナル (上代淑人) 寺本民生、秋葉 隆編 診察の技法と考え方 − 252 − 中外医学社 2001 腎臓外科(1 週間) AM PM 月 7:45∼ 9:00∼ 病棟カンファレンス・回診 回診(渕之上)中央病棟8階BST前 病棟実習(廣谷、村上、三宮、甲斐) 病棟実習(廣谷、村上、三宮、甲斐) 手術見学(渕之上、廣谷、村上、三宮、 甲斐) 火 8:00∼ 9:00∼ 抄読会:第2別館2階会議室 手術見学(渕之上、中島、廣谷、小山、 三宮、村上、甲斐) 病棟実習(廣谷、小山、 三宮、村上) 手術見学(廣谷、小山、三宮、甲斐) 病棟実習(廣谷、小山、三宮) 手術見学(中島、廣谷、小山、三宮、 村上、甲斐) 水 木 8:00∼ 9:00∼ 勉強会:第2別館4階会議室 手術見学(渕之上、中島、廣谷、三宮、 小山、村上、甲斐) 手術見学(渕之上、中島、 廣谷、小山、 村上、三宮、甲斐) 金 7:30∼ 9:00∼ 回診(中島)中央病棟8階BST前 病棟実習(小山、三宮) 病棟実習(小山、三宮) 手術見学(渕之上、中島、廣谷、三宮、 小山、村上、甲斐) 土 9:00∼ 外来実習(村上、三宮、甲斐) 12:30∼ クルズス:再生医療/臓器移植(渕之上) 検査、処置 AM 月 PM 移植臓器超音波ドップラー検査 血管造影:PTA 手術:腹部一般外科、シャント 火 手術:上皮小体 手術:シャント、 人工血管移植 水 手術 手術:腹部一般外科 木 金 手術:腎移植 血管造影:PTA 手術:腎移植 手術 移植臓器超音波ドップラー検査 手術:シャント手術、人工血管移植術 土 外来処置(腎臓外科) *:総合外来センター地下 1 階 レントゲン透視室 #1 腹部エコー: 月∼金 9:00∼17:00、土 9:00∼13:00 総合外来センター 3 階南ブロック H6 ルーム #2 ブラッドアクセス手術、手根管手術:月∼金 午後 総合外来センター 3 階南ブロック 手術室 #3 PTA, Angio, IVUS:月 10:30∼12:00、13:30∼17:00 木 13:30∼17:00、金 9:00∼10:30 中央病棟 1 階 血管造影室 〈クルズス〉 外 科 ・臓器移植 ・再生医療 〈学生実習担当〉 外 科→廣谷 〈オリエンテーション〉 各科担当 (渕之上) (渕之上) − 253 − 試問日程 内 科 時 間 場 所 腎臓外科 土曜日 12:30 ∼ 14:00 医局隣会議室 担 当 者 渕之上 昌 平 指導医一覧表 所 属 職 名 氏 名 所 属 職 名 氏 名 腎 臓 外 科 学 准 教 授 渕之上 昌 平 腎 臓 外 科 学 助 教 村 上 徹 〃 講 師 中 島 一 朗 〃 〃 三 宮 彰 仁 〃 准 講 師 廣 谷 紗千子 〃 〃 甲 斐 耕太郎 〃 助 教 小 山 一 郎 〃 〃 岩 藤 和 広 − 254 − 心 臓 血 管 外 科 1. 一般目標 本診療科は、先天性心疾患、冠動脈疾患、後天性弁膜症、大動脈瘤などの血管疾患などの多 岐にわたる心臓血管疾患に対する外科治療の臨床と教育と研究を行っています。本診療科の病 棟実習カリキュラムは、選択実習として 1 週間行われ、手術、病棟回診に参加することに拠り、 その内容を病態生理、手術法を中心に直接見て認識することを目的とします。 1) 心臓・血管系の発生、構造と機能を理解し、心臓・血管疾患の病因、病理病態、疫学に関 する十分な知識を持つ。 2) 心臓疾患・血管疾患の診断に必要な問診および身体診察を行い、必要な基本的検査法、特 殊検査法を選択し、その結果から疾患の診断と病態生理の評価ができる。 3) 診断に基づき、個々の症例の治療方針および手術方法を理解出来る。 4) 患者様に対する病状と外科治療に関するインフォームドコンセントに参加し、その内容に ついてまとめる。 2. 実習に必要な知識 1)心臓血管系の発生、構造と機能、心臓血管疾患の病態生理 2)心臓血管疾患の診断に必要な問診、身体診察の方法 3)心臓血管疾患の診断に必要な検査法とその意義 4)心臓血管疾患に対する治療方針(内科的治療法、外科的治療法)について 5)外科的治療に関するインフォームドコンセントについて 3. 内容 1) 希望により小児グループあるいは成人グループに 1 ∼ 2 名参加し、手術、ICU および病棟 管理を見学する。 2) 実習は月曜から土曜日までとし、表のごとく毎朝カンファレンスに参加する。その後は担 当指導医と行動を共にするが、なるべく手術室で手術見学を行うことを優先する。 3) 金曜日にまとめを行い、実習内容について試問する。 4. 具体的到達目標 《選択診療科》 ・ 手術及び外科診療上必要な局所解剖について述べることが出来る。 ・ 外科手術における清潔と不潔を理解している。 ・ 胸部レントゲンで無気肺、気胸、肺炎、胸水貯留、心不全の診断が出来る。 ・ 出血に対する治療方針について述べることが出来る。 ・ レスピエーターの基本的な管理について述べることが出来る。 ・ 血栓症の予防、診断および治療の方法について述べることが出来る。 ・ 抗生物質による副作用を理解する。 ・ アナフィラキシーショックを理解する。 ・ 画像検査(CT、MRI、超音波検査)、生理学的検査(心電図、呼吸機能検査)、虚血肢無 侵襲的循環動態評価法(足関節、足趾収縮期血圧測定、トレッドミルテストなど)などの − 255 − 基本的検査法の他に、心臓血管造影法、心臓血管カテーテル検査法、経食道超音波検査法、 心筋シンチグラム、肺換気、血流シンチグラム、RI アンギオグラフィー、プレチスモグラ フィーなどの特殊検査の検査結果を理解出来る。 ・ 一般状態、加齢、他臓器機能、合併疾患を理解し、手術適応と術式について理解出来る。 《自主選択実習》 ・ 周術期管理などに必要な病態生理、循環呼吸管理の基本を理解出来る。 ・ 血液ガス分析を実施し、病態を診断出来る。 ・ 周術期の輸液・輸血について述べることが出来る。 ・ DIC、ショックについて理解出来る。 ・ 人工心肺法と心筋保護を現場で理解し、回路の組み立てやバランス計算方法など体外循環 技術の基本について述べることが出来る。 ・ 病態や疾患、年齢に応じた必要熱量を計算し、適切な経腸・経静脈栄養の投与と管理につ いて述べることが出来る。 ・ 臓器や疾患特有の細菌の知識をもち、抗生物質を適切に選択することが出来る。 5. 評価方法 指導医によって一般及び具体的到達目標をどの程度達成されたかが評価される。 6. 参考図書 Leonard S. Lilly 著 心臓病の病態生理:ハーバード大学テキスト メディカル・サイエンス・ (医学生と医学部教官による共同プロジェクト) インターナショナル社 黒川 清・松沢佑次編 内科学 文光堂 細田瑳一・杉本恒明編 心臓病学 南江堂 石川恭三編 心臓病学 医学書院 − 256 − 心臓血管外科実習表 実 習 係 齋藤 聡(23111) 連 絡 係 大澤とも子・鶴野晃代(23111) 集合場所 心臓病センター 1F 会議室(大) 8 9 10 11 12 月 オリエン 実習 テーション (長嶋・平松・齋藤聡・ 1 (齋藤) 松村・西中・冨岡・ 8:00∼ 津久井) 13 14 15 16 実習 (長嶋・平松・齋藤聡・松村・西中・冨岡・津久井) 火 水 木 金 実習 :20 カン (長嶋・平松・齋藤聡・ ファ 松村・西中・冨岡・ レン 津久井) ス1 小児科・ 実習 (長嶋・平松・齋藤聡・松村・西中・冨岡・ 外科手術 症例検討 津久井) 会1 16:30∼ (松村) 実習 :20 カン (長嶋・平松・齋藤聡・ ファ 松村・西中・冨岡・ レン 津久井) ス1 実習 (長嶋・平松・齋藤聡・松村・西中・冨岡・津久井) :20 外科教授回診 カン ファ レン ス1 内科・ 実習 (長嶋・平松・齋藤聡・松村・西中・冨岡・ 外科手 術症例 津久井) 検討会 1 17:00∼ (齋藤聡) :20 実習 カン (長嶋・平松・齋藤聡・ ファ 松村・西中・冨岡・ レン 津久井) ス1 まとめ 実習 (長嶋・平松・齋藤聡・松村・西中・ (齋藤聡)2 冨岡・ 津久井) 16:00∼ 土 実習 (長嶋・平松・齋藤聡・ 松村・西中・冨岡・ 津久井) 場所: 1 心臓病センター 1F 会議室(大) 2 OP 室コーヒールーム − 257 − 試験日程 心臓血管外科 金曜日 時 間 16:00 ∼ 場 所 担 当 者 OP 室コーヒールーム 齋 藤 聡 指導医一覧表 所 属 職 名 氏 名 心 臓 血 管 外 科 主 任 教 授 山 崎 健 二 〃 准 教 授 青 見 茂 之 所 属 職 名 氏 名 心 臓 血 管 外 科 准 教 授 長 嶋 光 樹 〃 講 師 齋 藤 聡 − 258 − 東医療センター心臓血管外科 1. 一般目標 循環器病外科診療のために必要な基本的知識と技能を習得し、周術期の病態の変化とそれに応 じた全身管理の治療法、及びその後の回復の過程での治療法を習得する。 2. 実習に必要な知識 1)正常な心臓の解剖、特に各房室弁、冠動脈の解剖 2)血行動態のモニターの仕方と心内圧の正常値 3)基礎的心電図 4)虚血性心疾患、各種弁膜症、大動脈疾患、不整脈の病態と治療 3. 実習内容 問診、理学的所見から診断に至るための検査方法を選択し各検査の手技を見学にて研修する。 その後、各検査所見から、診断を行い各疾患ごとに治療法の選択を学習する。その治療法に基づ いた外科治療がどのように行われるかを体験する。また術後の ICU での治療及び回復過程の臨 床を体験し、心機能、循環動態の変化に応じた治療方法を学習する。 4. 具体的到着目標 1) 選択診療科実習 指導医の指導、監視のもとに次のことを実施する 病歴聴取法、身体診察法(聴視診、聴打診、触診) 、血液、生化学、血液ガス、尿、便等の 一般検査データの評価。 脈拍、心音、心雑音、呼吸音、血圧の測定と評価。心電図測定と評価、レントゲン、CT 等 の画像の評価。負荷心電図、Holter 心電図、心エコー図の評価。ICU での各モニター情報 の評価。 開心術手術、末梢血管手術の見学をする。 2) 自主選択実習 次のことの見学ならびに介助を行う 負荷心電図検査、心カテーテル検査、超音波エコー検査、静脈造影検査、中心静脈ライン の確保、ペースメーカー挿入、開心術手術、大血管手術、末梢血管手術、呼吸器外科手術、 IABP の挿入、ICU での呼吸器管理、循環動態の薬物管理、除細動器の操作 5. 評価方法 実習態度及び口頭試問で評価する。 6. 参考図書 小柳 仁、他 新心臓カテーテル法 南江堂 稲田英一、他 ICU ブック メディカル・サイエンス・ Kirklin Cardiac Surgery インターナショナル − 259 − Churchill Livingstone Goldman 図解心電図学 金芳堂 標準外科学 医学書院 Wind 他 重要血管へのアプローチ メディカルサイエンス 川嶋康生、編 心臓血管外科 朝倉書店 小柳 仁(日本語版監修) 心臓外科ハンドブック シュプリンガー Wilcox Anderson Surgical Anatomy of the Heart Gower インターナショナル − 260 − 東医療センター心臓血管外科実習表 8:00 9:00 12:00 13:00 月 教授回診 病棟 手術見学 東 5A 病棟 (中野、小寺、前) 実習 火 東 5A 病棟 実習 17:00 手術見学 術後 ICU 実習 (中野、小寺) 生理検査実習 (片岡) 心臓カテーテル検査 心臓カテーテル検査 (佐藤、浅野、立石) ペースメーカー手術 (佐藤、浅野、立石) 水 抄読会 会議室 木 教授回診 シネカンファ レンス 東 5A 病棟 実習 16:00 手術見学 (中野、小寺) 手術見学 術後 ICU 実習 (中野、小寺) 末梢血管造影検査実習 (片岡) 気管支鏡(清水、青島) ICU 実習(佐藤、片岡) ICU 実習 (片岡、浅野) 外来見学 (中野) 金 内科、 放射線科 手術見学 合同カンファ (中野、小寺、前) レンス 手術見学 術後 ICU 実習 (中野、小寺) 手術症例 心臓カテーテル検査 カンファレンス(佐藤、浅野、立石) 手術前説明 (中野) 土 病棟実習 ICU 実習 (片岡、浅野) − 261 − 18:00 病棟回診 (小寺、 浅野、 片岡、 立石) 病棟回診 (小寺、 浅野、 片岡、 立石) 病棟回診 (小寺、 浅野、 片岡、 立石) 病棟回診 (小寺、 浅野、 片岡、 立石) 病棟回診 (小寺、 浅野、 片岡、 立石) 試験日程 心臓血管外科 時 間 場 所 担 当 者 土曜日 10:30 ∼ 12:00 東 5A 病棟 中 野 清 治 指導医一覧表 所 属 職 名 氏 名 所 属 職 名 氏 名 心 臓 血 管 外 科 教 授 中 野 清 治 心 臓 血 管 外 科 助 教 片 岡 豪 〃 准 教 授 前 昌 宏 〃 〃 清 水 俊 榮 〃 〃 小 寺 孝治郎 〃 〃 青 島 宏 枝 〃 助 教 浅 野 竜 太 〃 〃 立 石 渉 〃 〃 佐 藤 敦 彦 − 262 − 脳 神 経 外 科 1. 一般到達目標 脳神経外科実習の目標は、日頃学生が講義、テュートリアルで学んだ知識を基礎に臨床研修 を行い、脳神経外科に対する学習意欲を鼓吹することである。 2. 実習のために必要な知識 脳神経外科での実習を有意義なものにするために、以下の項目について予習を行っておくこ とが望ましい。 ・脳血管、脳の解剖 ・意識障害患者の診方 ・画像診断と生理学的診断 ・脳血管障害の種類、診断、治療法 ・脳腫瘍の種類、診断、治療法 ・脊椎疾患、脊髄腫瘍 ・機能的疾患、定位脳手術 ・定位放射線治療 ・頭部外傷の診断、治療 ・先天性奇形の診断、治療 3. 実習内容 臨床実習期間は 1 週間と短いが、当科では週平均 20 件の手術が行われているので、期間内に 脳神経外科のほぼ全ての領域が網羅できる。脳神経外科疾患の実際を理解するために毎朝 7:30 から行われる術前・術後カンファレンスには必ず出席し、各疾患の病態、各患者さんの背景を 把握する。実習期間中に脳腫瘍(悪性、良性、下垂体)摘出術、脳動脈瘤クリッピング術、血 行再建術、定位脳手術、脊髄・脊椎手術などを見学し、その中の最低 1 例では実際に手洗いを 行い、手術に参加する。また術後には、CT、神経所見の観察、創部の観察を主治医とともに行い、 術後の流れを体験する。実習期間中に疑問が生じた場合には、学生担当スタッフ、医局員が適 宜質問に応じて指導する。また、医局内には学生用の図書などを準備し積極的な自習環境も整 えている。 4. 具体的到達目標 脳神経外科領域の疾患とその診断、治療を理解すること。 5. 評価方法 短い 1 週間の間に個人の能力について評価することは困難である。原則として実習内容をす べて履修したものには、合格の評価を行う。脳神経外科では各自が自ら学ぶ姿勢を、評価した いと考えており、また学生が脳神経外科学への興味を少しでも持つような臨床実習を行いたい。 実習スケジュール 月曜日朝 7 時 20 分脳神経外科医局集合、学生担当スタッフである天野耕作から簡単なオリエ − 263 − ンテーションを受ける。 6. 参考図書 山浦 晶ほか 標準脳神経外科学 宝金清博著 脳血行再建術 太田富雄ほか 脳神経外科学 Mark S. Greenberg ほか グリーンバーグ脳神経外科ハンドブック 端 和夫ほか 脳神経外科マニュアル 橋本信夫著 脳神経外科臨床指針 斉藤 勇著 脳神経外科エッセンス Nelson M. Oyesiku 著 脳神経外科チームのための患者管理の実際 浅野孝雄ほか 脳虚血の病態学 堀 智勝ほか 脳神経外科手術のための解剖学 教育担当スタッフ 学 生 担 当 医 師:天野耕作、田村徳子 脳 神 経 外 科 一 般:岡田芳和 脳 腫 瘍:川俣貴一、丸山隆志、新田雅之、天野耕作 脳 血 管 障 害:岡田芳和、山口浩司、田中雅彦、松岡 剛 小 児 脳 神 経 外 科:藍原康雄、江口盛一郎 脊 髄 外 科:佐々木寿之、光山哲滝 血 管 内 外 科:石川達也、山口浩司 ガンマナイフ治療:林 基弘、田村徳子、小西孝典 機能的脳神経外科:平 孝臣、光山哲滝、竹田信彦 − 264 − 7. 実習表 実 習 係 天野耕作(PHS28655) 、山口浩司、田村徳子 集合場所 脳神経外科医局 9:00 7:30∼8:30 術前術後 カンファ 参加 9:30∼ CT scan、MRI、angiography 等の読み方と手術 適 応 の 解 説、 そ の 後 手 術見学(glioma surgery using open MRI) 昼 食 火 7:30∼8:30 9:30∼ 術前術後 手術見学 カンファ (aneurysm clipping) 参加 8:30∼ 9:00 教授回診 参加 昼 食 水 7:30∼8:30 9:30∼ 術前術後 手術見学 カンファ (pituitary adenoma) 参加 13:00∼ 17:00∼ 手術見学 (髄膜腫摘出術) ★希望者は脳神経外科医 または講義(血管障害、 局に宿泊し夜間救急勤務 脳腫瘍病理) の体験または夜間の緊急 手術への参加が可能 13:00∼ 手 術 見 学(CEA) ま た は講義(外傷、先天奇形) 13:00∼ 手術見学 (posterior fossa tumor) または講義(下垂 体腫瘍、てんかん外科) 13:00∼ 手術見学(deep brain stimulation)または講義 (血管内外科、ガンマナ イフの実際の治療現場見 学) 昼 食 金 9:30∼ 若手研修医との雑談、脳 外科での苦労話、興味あ ることを質問する時間、 手術見学(metastatic brain tumor) 17:00 昼 食 木 7:30∼8:30 9:30∼ 術前術後 手術見学 カンファ (STA−MCA anastomosis) 参加 (英語) 8:30∼9:00 教授回診 参加 7:30∼8:30 術前術後 カンファ 参加 8:30∼9:00 教授回診 参加 昼 食 月 7:20 集合 学生担 当から オリエ ンテー ション 12:00 13:00 13:00∼ 手術見学(神経内視鏡手 術)または自習 土 病棟実習 − 265 − 8. 試験日程 特に定めず、実習期間中に口頭質問を行う。 9. 指導医一覧表 所 属 職 名 氏 名 所 属 職 名 氏 名 脳 神 経 外 科 主 任 教 授 岡 田 芳 和 東医療センター 教 授 糟 谷 英 俊 〃 教 授 川 俣 貴 一 脳神経外科 〃 臨 床 教 授 平 孝 臣 〃 講 師 林 基 弘 〃 〃 丸 山 隆 志 〃 〃 藍 原 康 雄 〃 〃 佐々木 寿 之 〃 准 講 師 光 山 哲 滝 − 266 − 東医療センター脳神経外科 1. 一般目標 東医療センター脳神経外科の大きな特徴として、第三次救命救急センターが活躍しているため、 脳神経外科の対象となる疾患も急性期脳卒中や頭部外傷が中心となる。上記の急性期疾患の初療 における脳神経外科の基礎を修得する。 2. 実習に必要な知識 脳神経外科で扱う疾患の理解は困難な場合が多いので、実習で、直接疾患患者の診断、治療の 実際を通して脳神経外科の基礎知識を深めるように指導する。脳神経外科の授業の内容を簡単に 整理する程度でよい。 1)脳(大脳、小脳、脳幹)の基礎的解剖生理 2)脳神経外科で扱う疾患、特に脳卒中、外傷、腫瘍の基礎知識 3)頭部の画像診断(頭部単純 X 線撮影、CT、MRI)の基礎知識 4)神経学的検査の基礎知識 3. 研修内容 1)急性期搬送患者状態の把握 a. 意識障害の評価 b. 四肢の麻痺の有無 c. 瞳孔不同、対光反射の有無 d. 多臓器不全の有無 2)初療の基本研修 a. ABC の確保 3)画像診断の基礎研修 a. 頭部単純撮影の読影 b. CT の基本的読影(出血、脳挫傷、くも膜下出血、梗塞の鑑別) 4)手術見学を通してそれぞれの疾患の病態と治療方針を学ぶ。 5)症例検討会と回診を通してさらに研修の内容を高める。 6)外来診療で患者、家族への対応を学ぶ。 7)特殊外来でガンマナイフ治療に関する知識を高める。 4. 具体的到達目標 1) 急性期脳神経外科疾患における初療の基本を指導医の下で実際に行う a. 神経学的検査 b. 気道確保、点滴ライン確保、呼吸、心肺機能の管理 c. 頭皮、顔面の裂傷の処置(止血、縫合、消毒等) 2) 画像診断の基礎研修 a. 画像診断室への患者搬送上の注意点(心肺機能監視装置と共に) b. 頭部単純撮影での頭蓋骨骨折(線状骨折、陥没骨折の有無) c. CT の画像診断の基本(出血、脳挫傷、くも膜下出血、梗塞の鑑別ができる) − 267 − d. 以上の修得が終了したら、MRI および脳血管撮影の読影 3) 外来診療の見学を通して、脳神経外科疾患患者および家族への対応を研修する(高次機能 障害のため意志の疎通が十分でない患者など、どのようにするか) 4) 毎週月曜日のγナイフ外来でγナイフ治療の対象となる疾患とその治療効果などに関する 知識を習得する 5. 評価方法 1)指導医と face to face で研修するので、その都度研修医による評価 2)症例検討会や回診時に、研修内容が十分理解できているか質問し評価 3)特に典型的な疾患の CT 画像読影をレポートにして提出し評価 6. 参考図書 1)標準脳神経外科 山浦 昌 他 2)脳神経外科 太田富雄 3)脳神経外科マニュアル 端 和夫 4)脳神経外科手術のための解剖 堀 智勝 他 教育担当 糟谷 英俊 教 授 脳神経外科総論と患者、家族との対応など 山本 昌昭 客員教授 γナイフ治療等 笹原 篤 講 師 脳血管障害、水頭症 谷 茂 助 教 脳腫瘍、機能性疾患 萩原 信司 助 教 脳血管内治療等 広田 健吾 助 教 脳神経外科手術 以上各指導医の専門分野を表記したが、実際の研修指導は医局員全員が参加し、常に face to face での研修に努める。 − 268 − 東医療センター脳神経外科実習表 実 習 係 萩原 信司(6135、6136) 連 絡 係 小原小奈枝(6135、6136) 集合場所 脳神経外科医局 月 回 診 症例検討会 8:00 8:30 9:00 12:00 13:00 病院実習 (笹原) 担当患者に学生を紹介 病状の把握とリスト作製 回 診 症例検討会 水 回 診 症例検討会 火 CT、MRI、 お よ び 脳 血 管撮影の見学。それぞれ の検査の意義を学ぶ 回 診 勉強会 金 回 診 勉強会 木 手術見学 (広田) 病院実習 (笹原) 手術見学 (広田) 病院実習 (笹原) problem list の整理と問 題解決方法の検討 18:00 20:00 イブニ ング回 診 学生担当患者の画像診断のポイン 症例検 トを理解する 討会後 検査見学 (脳血管撮影) (萩原) 病院実習 (萩原) 17:00 画像診断研修 (笹原) 手術見学 (谷) 手術見学 (谷) 16:00 病院実習 (谷) 学習到達度のチェック (病棟および手術) 回 診 土 症例検討試験 (糟谷) グループ討論 教授による口頭試験 − 269 − イブニ ング回 担当患者の病 診 状・病態の報 告、回診を通 して脳外患者 の特色を学ぶ 症例 検討会 イブニ ング回 診 形成外科、東医療センター形成外科 1. 一般目標 形成外科とは、身体表面を修復することにより、整容面のみならず、機能面での回復を図る 外科学である。社会復帰後の QOL を重視して治療していくことの重要性を理解する。 形成外科領域で扱う患者は全身の多領域にわたるため、できるだけ数多くの患者に接し且つ 理解することが求められる。外来では、患者の病歴聴取より始まり指導医のもと数十人の患者 の診察に立ち会い、病棟では、翌日の手術患者を担当し現在の状態の把握、適切な手術法の選 択等、指導医とのカンファレンスという形で知識を修得してゆく。 2. 実習に必要な知識 1)皮膚の基本構造を述べることができる。 2)創傷治癒過程について述べることができる。 3)植皮術について説明できる。 4)皮弁移植術(有茎皮弁、遊離皮弁)について説明できる。 5)ケロイドと肥厚性瘢痕の違いを説明でき、また治療法を述べることができる。 6)顔面骨骨折の種類と診断・治療を述べることができる。 3. 実習内容 実習初日に、形成外科における実習スケジュールの説明が行われる。 1)回診:術前術後の入院患者を見学することにより、形成外科で取り扱う疾患を把握し、形 成外科的な考え方および対処を理解する。 2)外来:形成外科は外来で治療を行う患者も多く、術後の後療法も重要である。初診患者の 病歴を聴取することにより、患者の心理状態まで含め把握できるように心掛ける。 3)病棟:原則として手術患者を担当する。術前の問題点を把握し、適切な手術法の決定を指 導医とともに検討し、実際に手術見学あるいは手術手洗いを行う。 4)熱傷:初期治療における診断、救急治療、輸液療法、局所療法、感染対策および抗菌剤の選択、 栄養管理、植皮手術等を実習し、さらに指導医よりクルズス等を受けこの分野の知識を確 認する。 4. 具体的到達目標 形成外科病院実習が終了すると、下記の項目に関して基本的技能と基礎的知識を体得理解できる。 1)基本的技術…①病歴聴取:特に形成外科では患者が何を悩み、どのような結果を医師側に期 待しているのか。②診察法:視診、触診、計測等 ③検査…a. 一般臨床検査、b. 画像診断 2)形成外科的技術・知識…①形成外科の歴史 ②創傷治癒について ③縫合法について ④植皮について ⑤皮弁について ⑥瘢痕拘縮について ⑦熱傷について 3)重要形成外科疾患…①顔面の先天異常・後天性変形 ②耳介:小耳症・副耳、外傷後の 変形等 ③唇顎口蓋裂 ④胸郭変形(漏斗胸、鳩胸、他) ⑤四肢・指趾の外傷(切断、 腱断裂、神経断裂、等)および瘢痕拘縮 ⑥顔面骨骨折 ⑦熱傷(熱傷ショック、感染、 皮膚移植)⑧母斑(血管腫、太田母斑、扁平母斑、白斑症、等)⑨再建外科:悪性腫瘍 摘出後の再建等 − 270 − 1)指導医の指導・監視のもとに学生に実施させるもの 形成外科領域の病歴聴取、視診・触診等、手術時の手洗い、全身麻酔症例の病歴把握 2)状況によって学生が実施できるもの 形成外科領域の画像診断、手術時の手技一部の実際 3)介助、見学させるもの 重症熱傷患者の熱傷浴ならびに包交、再建外科の手術見学、レーザー治療見学 5. 評価方法 臨床実習の一環として一人の入院患者を一週間を通して担当し、その経時的変化過程を観察、 最終的にはレポートを作成提出することにより知識を整理してゆく。最終日に一週間の実習を 通じて修得した知識を口頭試問形式で確認する。 6. 参考図書 波利井監修 Text 形成外科学 南山堂 2004 秦・野 標準形成外科学 第 5 版 医学書院 2008 新外科学大系 形成外科Ⅰ∼Ⅳ 中山書店 1988 S.J. Mathes Ed. Plastic Surgery, Vol. 1 − 8 第 2 版 Saunders Co. 2005 Smith, Aston Eds. Grabb and Smith's Plastic Surgery Little Brown Co. 2007 編 和田達雄監修 第 6 版 安瀬正紀監修 外傷形成外科 克誠堂 2007 波利井清紀監修 熱傷の治療最近の進歩 克誠堂 2003 − 271 − 形成外科学実習表 実 習 係 菊池雄二(31424)、此枝央人(31424) 連 絡 係 医局秘書(31424) 集合場所 中央病棟 6 階 7:30 8 9 10 12 9:00 初診外来の見学(3F) 手術見学 (中央OP室) 担当患者の手術見学 に先立って手術に関 する知識、疑問点を 整理しておくこと。 7:15 術前検討会 (1 号館 4F 医局) (菊池) 9:00 手術見学 (中央OP室) (山本) 月 7:20 教授回診 (学生 8:00、 中央 6F、ナース ステーション前) 火 担当患者の手術見学 に先立って手術に関 する知識、疑問点を 整理しておくこと。 9:00 手術見学 (中央OP室) (片平) 担当患者の手術見学 担当患者の処置につ に先立って手術に関 する知識、疑問点を く。 整理しておくこと。 水 8:00 病棟(中央 6F) (山本) 木 7:30 9:00 病棟回診(中央 6F) 初診外来の見学(3F) (櫻井) 手術見学 (中央OP室) 担当患者の Problem 担当患者の手術見学 list 解決方法などを報 に先立って手術に関 告する。回診後に問 する知識、疑問点を 整理しておくこと。 題点を整理する。 金 9:00 外来 (櫻井) 15 13 13:30 手術見学(中央OP室) 担当患者の手術見学に 先立って手術に関する 知識、疑問点を整理して おくこと。 17 18 17:00 以降 術前症例検討会・回診 (中央6F、 BST) (八巻) 担当患者の医療面接を行い、 Problem list の作成にと りかかる。回診終了後に Problem list を仕上げる。 13:30 17:00 以降 手術見学(中央OP室) 術前症例検討会・回診 history taking (中央 6F、BST) (片平) (片平) 担当患者の手術見学に 先立って手術に関する 知 識、 疑 問 点 を 整 理 し ておくこと。 13:30 17:00 以降 手術見学(中央OP室) 術前症例検討会・回診 history taking (中央6F、 BST) (片平) (山本) 担当患者の手術見学に 先立って手術に関する 知識、疑問点を整理して おくこと。 13:30 17:00 以降 手術見学(中央OP室) 術前症例検討会 (菊池) (中央 6F、BST) 担 当 患 者 の 手 術 見 学 に 18:30 抄読会 先 立 っ て 手 術 に 関 す る (1 号館 4F 医局) 知識、疑問点を整理して おくこと。 午後 外来手術見学と 1 週間の まとめ、レポート提出 (菊池) *クルズス(各 1.5hrs/1week)は以下のとおり、日時はそれぞれの担当者に聞くこと。 菊池────先天奇形、京成概論(1 週間のまとめ) 八巻─血管外科 長谷川(雅)─顔面外傷 後藤─レーザー治療 片平────再建、植皮、皮弁 堀──熱傷、再建 #何らかの理由で出席できないときは、前もって医局秘書または実習係に文書で提出すること。 #予定 10 分前には集合すること。 #手術には必ず入ること。 − 272 − 試験日程 金曜日 時 間 場 所 担 当 者 17:00 ∼ 18:00 形成外科医局 菊 池 雄 二 指導医一覧表 所 属 職 名 氏 名 所 属 職 名 氏 名 形 成 外 科 主 任 教 授 櫻 井 裕 之 形 成 外 科 講 師 八 巻 隆 〃 〃 片 平 次 郎 〃 准 教 授 菊 池 雄 二 − 273 − 東医療センター形成外科実習表 実 習 係 伊東 大(7740) 連 絡 係 医局秘書(4111) 集合場所 3F 東病棟ナースステーション 8:00 9 12 月 外来見学 教授回診 (3F 東病棟) 形成外科外来 (井砂・伊東・ 7:30∼ 菱山・末澤) 13 17 手術見学(中央 OP 室) 手術解説(井砂・伊東・菱山) レーザー治療(中央 OP 室) 第 1・3・5 レーザー外来(末澤) 火 水 処置回診 外来見学 日暮里クリニック (本田) 手術見学(伊東・末澤) 創傷外来、エコー外来(菱山) 処置回診 外来見学 (井砂・伊東) 手術見学(外来) (井砂・伊東) 手術解説・クルズス 木 外来見学 7:30∼ 症例検討会 (伊東・末澤) (3F 東病棟) 金 処置回診 外来見学 (井砂・菱山・末澤) 18 手術見学(中央 OP 室) 教授回診 (井砂・伊東・菱山) (3F 東病棟) 手術解説・クルズス(本田) レーザー治療(外来)(末澤) 手術見学(中央OP室) PM5:00 手術解説・クルズス 口頭試問(井砂) (井砂・菱山) 土 東医療センター形成外科病院実習注意書き 手術見学(中央 OP 室)、病棟回診、外来手術見学、術前症例検討会、クルズスが実習内容です。 月曜日に最初に出席表をお渡しいたしますので受取り、逐次担当者からサインをもらって下さい。 ★クルズスは以下の如く行う。時間、場所については各担当者に聞くこと。 井砂教授────── 再建外科、熱傷、その他一般 本田准教授───── 美容医療、乳房再建、その他一般 伊東講師────── 手の外科(外傷/先天異常)、先天異常、その他一般 菱山助教────── 顔面外傷、皮膚腫瘍 末澤助教────── 創傷治癒、あざレーザー治療 ★金曜日に実習のまとめとして、口頭試問を行う。 ★ 回診、見学クルズス等に出席したときには、担当者にサインをもらい金曜日の口頭試問終了後、井砂教授 に提出すること。 ★ なんらかの理由で出席できないときには、前もって医局秘書に文書で提出すること。 − 274 − 試験日程 外 来 時 間 場 所 担 当 者 金曜日 17:00 ∼ 18:00 形成外科医局 井 砂 司 指導医一覧表 所 属 職 名 氏 名 所 属 職 名 氏 名 形 成 外 科 教 授 井 砂 司 形 成 外 科 助 教 菱 山 潤 二 〃 〃 末 澤 絵 美 〃 准 教 授 本 田 隆 司 〃 講 師 伊 東 大 − 275 − 東医療センター産婦人科・周産期センター 1. 一般到達目標 婦人科:生殖に必要な器官に生ずる異常や機能失調を扱うため、特に生殖機能を中心に捉 えた疾患の理解を通して、患者さんの身体的、心理的な問題を把握するように努める。実 習にあたっては、医療チームの一員として医師だけでなく、パラメディカルのスタッフと の連携を踏まえて、行動する。 産科:妊娠・分娩は女性にとって生理的なイベントであるが、あたかも胎児が主役であるが ごとく、女性は心身ともに大きな変化を経験する。妊娠・分娩、産褥に伴う生理的な変化を 理解するとともに、妊娠に特異的な疾患や妊娠偶発合併症が、母児双方にどのような影響を 与えるのかを実習を通して学んで欲しい。正常新生児の出生後の適応生理の不思議を学び、 新生児の能力の素晴らしさを知る。母と子のつながりを築く新生児期の重要性を知る。種々 の新生児に起こる疾患の状態とその対応を学ぶ。また、新生児の管理、未熟児の治療を通じ、 胎児及び新生児を一個の人間として捉え、生命の尊厳を認識して欲しい。 2. 実習に必要な知識 1) 骨盤臓器の解剖・生理 2) 性機能の調節機構(視床下部・下垂体・卵巣系) 3) 月経の異常とそれに関する疾患 4) 子宮筋腫、卵巣嚢腫、子宮卵巣悪性腫瘍の症候、診断、治療 5) 不妊症の原因と検査法 6) 妊娠の診断法、分娩予定日の算出法 7) 妊娠に伴う諸機能の生理的な変化 8) 異常妊娠の徴候と鑑別診断 9) 正常分娩機転 10) 産科手術(帝王切開、鉗子・吸引手術)の適応、要約 11) 正常新生児の生理と取り扱い 3. 実習内容 外来実習 新患外来 指導医とともに初診患者の問診を行い、診断必要な検査、鑑別疾患について、指導医と discussion を行う。内診法(双合診) 、経腟超音波検査の結果の評価を行う。 産科外来 腹部計測、外診法(Leopold 手技)、内診法の指導を受け、その結果の評価を行う。 婦人科外来 問診、内診、婦人科超音波、術前検査、病期及び術式の決定、精液検査、排卵日推定法、 人工授精、ホルモン療法および補充療法(HRT)を理解する。 専門外来(午後) 腫瘍・不妊・内分泌等各専門外来における特殊検査、診断・治療法の実際を理解する:コ ルポスコープ、卵胞計測、基礎体温表の判読、通気通水検査、子宮卵管造影、合併症妊娠、 − 276 − 子宮奇形、婦人内分泌異常(原発無月経、続発無月経、体重減少性無月経、ターナー症候 群、高プロラクチン血症)、不妊症、不育症など 病棟実習 婦人科 担当患者につき、問診、内診を行い、problem list を作製し、到達目標を設定する。術前 患者については、指導医を患者とみなして、手術のインフォームドコンセントをとるため の知識、態度のチェックを受ける。手術患者については、その手術を行うにあたっての局 所解剖が説明でき、助手として積極的に手術に参加する。 周産期センター(産科) 分娩の開始から分娩まで、継続的に産婦を観察し、陣痛の時間的推移や分娩機転を理解す る。担当患者(妊娠高血圧症候群、合併症妊娠など)について、problem list を作製し、 検査データを収集して、指導医と検討する。分娩シミュレータを用いて、正常・異常分娩 を体験する。 周産期センター(新生児部門) NICU ルーチンワークの実際 出生直後の新生児管理:観察項目、身体所見のとり方、評価、蘇生の実際など 低体重出生児の管理:栄養・呼吸・循環管理、神経学的評価法など 新生児モニタリングの実際:観察項目、モニター法、採血法など 病的新生児の管理:高ビリルビン血症、低血糖、RDS、心疾患、感染症、外科的疾患 4. 具体的到達目標 ①指導医の指導・監視のもとに学生に実施させるもの 外来 予診(問診)の聴取 外診(Leopold の手技) 内診(双合診) 妊婦腹部計測・外診・胎児心音聴取 顕微鏡診(カンジダ・トリコモナス腟炎など) 各種検査結果の判定 正常新生児の問診と診察 入院 婦人科 入院患者の病歴聴取・一般診察 超音波検査(経腹) 術前検査の評価 婦人科良性疾患手術への参加(第二・第三助手として参加、 糸結び) 術後患者のガーゼ交換 産科 入院時の一般的診察、予診、産科(妊婦)診察:計測・Leopold 手技・胎児 心音聴取など 正常妊婦に対する超音波検査(胎児計測)とその評価 胎児心拍数図の解読・評価 骨盤レントゲン撮影の判読 − 277 − 5. 評価方法 担当患者についてのレポート提出と、レポートに基づく口頭試問 6. 参考図書 プリンシプル産婦人科学(産科、婦人科) NEW エッセンシャル産婦人科学・婦人科学 Williams Obstetrics, Novak’ s Textbook of Gynecology Averys Diseases of the newborn 新生児学入門(仁志田博司著) 改訂版 超未熟児超低出生体重児の管理指針 − 278 − 東医療センター産婦人科実習表 目的:学生が産科・婦人科患者の特性、問題点を理解し、医療チームの一員として積極的に治療 方針の立案や経過の判断に加わらせ、その過程を評価する。 方法:学生を朝の meeting における治療方針確認に積極的に参加させ、意見を求める。担当患者 の経過と病態について、指導医と discussion する。 13:00 16:00 病室実習(森田) 病室実習(森田) 担当患者を学生に紹介。 問診、診察を行う。 Problem list の作製・到達目標の 設定。 手術実習(髙木/長野) 手術実習(髙木/長野) 担当患者の手術に入り、助手を つとめる。 担当患者の手術に入り、助手を つとめる。 外来実習(髙木/村岡) 新来患者の問診を行い、産婦人 科疾患の特徴を学ぶ。 昼 食 周産期カンファ モ ー ニ ン グ カ ン フ ァ 月 火 水 木 金 8:15 9:00 病棟実習(村岡) 担当患者の診察を行い、指導医 に報告し、discussion を行う。 病室実習(森田) 手術実習(髙木/長野) 担当患者の手術に入り、助手を つとめる。 妊娠外来 カルテ チェック 医局会 担当患者の診察を行い、指導医 抄 読 会 な ど が行われる。 に報告し、discussion を行う。 教授回診(髙木) NICU 実習(長谷川/邉見/鶴田) 9:00∼ 10:00 担当患者のプレゼンテー 口頭 ションを行い、問題点を 試問 整理する。 新生児の観察、NICU 管理の概要 を学ぶ。 NICU 実習(長谷川/邊見/鶴田) 土 回診、まとめ − 279 − 指導医一覧表(東医療センター) 所 属 職 名 氏 名 所 属 職 名 氏 名 産 婦 人 科 教 授 髙 木 耕一郎 産 婦 人 科 講 師 村 岡 光 恵 〃 准 教 授 長 野 浩 明 〃 助 教 森 田 吉 洋 所 属 職 名 氏 名 所 属 職 名 氏 名 周 産 期 新 生 児 臨 床 教 授 長谷川 久 弥 周 産 期 新 生 児 助 教 鶴 田 志 緒 診療部・新生児科 准 講 師 邉 見 伸 英 診療部・新生児科 − 280 − 歯科口腔外科 1. 一般到達目標 口腔の機能と構造を学び、医師として必要な口腔に発生する疾患の検査法と診断法を修得する。 口腔ケアの意義を知り、その方法・手技を学ぶ。 2. 実習に必要な知識 口腔の構造と機能 3. 内容 指導医のもとに実際に患者に接し、患者の訴えを聞き適切な診断のための診査、検査の方法 を考える。 4. 具体的到達目標 選択診療科実習としての到達目標 1)口腔、顎、顎関節の診査ができる。 2)顎顔面のエックス線写真、CT の読影ができる。 3)口腔内細菌が原因となる疾患がわかる。 4)口腔ケアを理解し、方法がわかる。 自主選択実習としての到達目標 上記 1)∼ 4)および口腔癌の診断と治療を説明できる。 5. 評 価 自己評価および実習態度の観察記録 6. 参考文献 高木 實監 口腔病理アトラス 第 2 版 文光社 2006 道 健一ら編 口腔顎顔面外科学 総論 医歯薬出版 2003 道 健一ら編 口腔学顔面外科学 各論 医歯薬出版 2000 野間弘康、瀬戸晥一編 標準口腔外科学 第 3 版 医学書院 2004 高木 實 口腔の構造と機能 医歯薬出版 2004 Crispian Scully ら ORAL AND MAXILLOFACIAL Taylor & Francis 2004 DISEASES 3rd Ed − 281 − 歯科口腔外科学実習表 実 習 係 岡本俊宏(28361) 連 絡 係 岡本俊宏(28361) 集合場所 歯科口腔外科外来 9:00 12 月 オリエンテーション 外来実習(岡本) 15 13 口腔外科クルズス(岡本) 17 准教授回診 病棟実習(桃木) 初診患者の医療面談 外来実習(桃木) 火 外来実習 (安藤) 初診患者の医療面談 外来見学 歯科矯正クルズス 頚部エコー実習(岡本) 病棟・手術実習(片岡) 歯科疾患クルズス (佐々木) 摂食嚥下・口腔クルズス (熊坂) 水 病棟・手術実習(片岡) 木 金 8:10 症例 検討 病棟・外来実習 教授回診 実 習 土 − 282 − 口腔ケア実習(深田) 指導医一覧表 所 属 職 名 歯科口腔外科 主 任 教 授 〃 准 教 授 〃 講 師 〃 〃 氏 名 所 属 職 名 氏 名 安 藤 智 博 歯 科 口 腔 外 科 助 教 片 岡 利 之 岡 本 俊 宏 〃 〃 熊 坂 士 深 田 健 治 〃 〃 桃 木 裕美子 佐々木 亮 〃 〃 福 澤 智 − 283 − 東医療センター歯科口腔外科 1. 一般目標 歯科口腔外科における歯牙疾患、良悪性腫瘍、外傷、嚢胞、炎症などの検査、診断、治療およ び病理組織学を実習する。 2. 実習に必要な知識 1)口腔領域の解剖学 2)口腔および周囲組織の単純 X 線写真、オルソパントモ写真、CT、MRI の正常像 3)歯科口腔外科領域に発生する病変 4)口腔の正常組織像、および典型的症例の病理組織像 3. 内容 目的:学生が患者の心理、社会的側面も含めた問題点を発見し、解決方法を見出すことができ るようにする。 方法:学生が能動的に問題解決へ向けて思考過程を積み上げられるように、段階的にフィード バックを行って指導する。そのために症例に関しては外来、病棟実習ともに 1 日 1 回は 学生と検討会を行い、診査、検査、成績、所見、病理組織像などから診断し、心理、社 会的側面を含めて総合的に治療法を検討する。 4. ●選択診療科としての具体的到達目標 1)歯科口腔外科領域の診査ができる。 2)歯科口腔外科領域に関連する X 線写真、CT を理解できる。 3)歯科口腔外科領域に発生する疾患の治療法が理解できる。 ●自主選択実習としての具体的到達目標 上記の項目の具体的内容に関して、基本的技能、態度を体得し、またその理論と意義に関 して十分に理解して述べることができる。 5. 評価方法 1)自己評価および実習態度 2)口頭試問 6. 参考文献 道 健一、野間弘康、 口腔顎顔面外科学 医歯薬出版 2000 図説 口腔外科手術学 上中下巻 医歯薬出版 1988 標準口腔外科学 医学書院 1995 工藤逸郎、内田 稔編 大谷隆俊、園山 昇、 高橋庄二郎編 高橋庄二郎、園山 昇、 河合 幹、高井 宏編 清水正嗣、小浜源都編 口腔癌 診断と治療 デンタルダイヤモンド社 1989 石川梧郎、秋吉正豊共著 口腔病理学Ⅰ、Ⅱ 永末書店 1980 − 284 − 東医療センター歯科口腔外科学実習表 実 習 係 金子裕之(4525) 連 絡 係 金子裕之(4525) 集合場所 歯科口腔外科医局 8:30 9:00 12:00 13:00 15:00 17:00 外来実習(小野沢) 担当患者に学生を紹介。医療面接を 行い problem list を作製。到達目標 を設定する。 再来患者の治療見学。 検査結果などから診断、治療法の検討。 教授 外来実習(金子) 回診 初診外来患者の見学。 検査、診断、治療法の検討。 病棟実習(金子) 手術見学(金子) 病理実習(小野沢) 手術見学。治療法の確認。 病棟患者の臨床所見、病態、必要な情報につ いて再確認。必要に応じて追加情報を要求。 外来実習(割田) 病理実習(金子) 初診、外来患者の治療見学。 検査、診断、治療法の検討。 病棟、外来患者の病理組織所見について検討。 外来実習(小野沢) 外来実習(金子) 初診、再診患者の治療見学。 検査、診断、治療法の検討。 Problem list の解決方法などを再検討。 月 病棟実習(小野沢) 火 Problem list、到達目標を指導医に報告。目標 到達達成のための段階を確認。 翌日の手術法の検討。 水 木 金 症例検討、試問(金子) 土 レポートを提出し、担当患者につい て報告。グループ討論にて問題点の 解決をはかる。 − 285 − 試験日程 必要に応じて最終土曜日 指導医一覧表 所 属 職 名 氏 名 所 属 職 名 氏 名 東医療センター 教 授 東医療センター 非常勤講師 割 田 雄 司 歯科口腔外科 准 教 授 金 子 裕 之 歯科口腔外科 助 教 小野沢 基太郎 − 286 − 東医療センター精神科 1. 一般目標 今後の医療では、身体的側面のみに留まらず全人的な医療の実践が求められており、患者を生 物・心理・社会・倫理的に捉える基本的姿勢を身につける。そのために、基本的な面接技法、医 師患者関係のあり方、精神症状の捉え方、精神症状に対する初期対応、代表的な精神疾患に関す る基本的知識、心身相関について理解する。 2. 実習に必要な知識 ・気分障害(うつ病、双極性障害)の定義と主な症状の把握。 ・不安障害(パニック障害など)の定義と主な症状の把握。 ・身体表現性障害、適応障害、せん妄の定義。 3. 内容 当院は無床精神科であるため、外来診療およびリエゾン精神医学実習を中心に行う。 (1) 外来:初診患者の病歴聴取を行い、患者の心理状態、精神症状を把握できるようになり、 鑑別診断を想定する。初診を見学して精神疾患の診断、治療について学び、適切なイン フォームド・コンセントのあり方を考える。 (2) リエゾン:一般科入院患者の精神科コンサルテーション・リエゾンに同行して病歴聴取を 行い、身体疾患に伴う精神症状について理解し、心理社会的側面からの適切な対応を学ぶ。 4. 具体的到達目標(選択診療科・自主選択実習共通) (1) 面接および良好な医師患者関係の形成の仕方 言語的・非言語的コミュニケーション、傾聴、共感の実践 (2) 精神症状の評価 抑うつ、不安、焦燥感、不眠、心気、意識障害などの的確な把握 (3) 精神科診断および治療に関する基本的知識の習得 うつ病、不安障害、適応障害、せん妄などの診断と薬物療法、精神療法の習得 5. 評価方法 臨床実習中に診察に加わった患者を中心に、一週間の実習を通じて習得した精神科医療に関す る知識を口頭試問形式で確認する。 − 287 − 東医療センター精神科実習表 9:00 12:00 13:00 17:00 コンサルテーション・リエゾン実習(山田) 初診患者の予診をとり、診察を 見学して症例について検討する。 リエゾン患者の病歴聴取を行い、一般科入院患者に 対する心理社会的援助のあり方について検討する。 外来実習(山田) コンサルテーション・リエゾン実習(山田) 初診患者の予診をとり、診察を 見学して症例について検討する。 リエゾン患者の病歴聴取を行い、一般科入院患者に 対する心理社会的援助のあり方について検討する。 外来実習(山田) コンサルテーション・リエゾン実習(鎌形) 初診患者の予診をとり、診察を 見学して症例について検討する。 リエゾン患者の病歴聴取を行い、一般科入院患者に 対する心理社会的援助のあり方について検討する。 外来実習(原田) コンサルテーション・リエゾン実習(原田) 初診患者の予診をとり、診察を 見学して症例について検討する。 リエゾン患者の病歴聴取を行い、一般科入院患者に 対する心理社会的援助のあり方について検討する。 月 外来実習(山田) 火 水 木 外来実習(鎌形) 金 初診患者の予診をとり、診察を 見学して症例について検討する。 リエゾン (原田) − 288 − 口頭試問(16:00) (山田) 指導医一覧表 所 属 職 名 氏 名 所 属 職 名 氏 名 精 神 科 教 授 山 田 和 男 精 神 科 助 教 鎌 形 英一郎 〃 原 田 豪 人 − 289 − 東医療センター泌尿器科 1. 一般目標 腎尿路・男性生殖器の疾患を実際の患者の診療を通して、これまでに学んだ知識を整理・統合し、 病態を理解する。また、医療チームの一員としての自覚を持ち行動する習慣を身につける。 2. 事前に復習すべき必要最低限の知識 ①腎尿路の基本的な構造と機能を理解している。 ②男性生殖器の基本的な構造と機能を理解している。 ③尿性状の異常、排尿機能の異常の主要な病因および病態。 ④腹部画像検査(KUB、CT、超音波検査、ほか)の基本知識。 ⑤外科的手技の基本的な態度(技能)を理解している。 ⑥胸部、腹部の身体所見の基本的な診察ができる。 3. 実習内容 実際に医療チームの一員として腎尿路・男性生殖器の疾患を有する患者を受け持ち、指導医の 元で、患者・家族への対応、患者の抱える問題点の抽出、解決のための情報の収集、疾患診断の プロセス、治療計画の立案、などを学習する。その過程で、必要な検査、手術治療、などに積極 的に参加し、基本的技能を見学、修得する。 実習の具体的な方法は実習表に示すように、手術治療を必要とする患者を最低 1 名担当し、医 療面接、術前の身体所見の診察、術前検査所見の評価(とくに画像検査) 、などを行い、担当患 者の持つ問題点と解決法を主治医と議論し、実習における到達目標を設定する。ほとんどの症例 では入院時すでに術前検査が行われているので、泌尿器科的検査は外来実習において学習する。 手術前の患者の心理、必要な処置を理解し、主治医による手術の必要性、手術法の説明と施術の 同意の席に必ず立ち会う。手術にチームの一員として参加し、実際の手術の流れ、外科手術の基 本的な態度、手技について学習する。担当患者の術後診察、処置を行い、手術後の経過における 疑問点・問題点を整理し、各自、到達目標を設定し、情報収集を行い、解決法を指導医と議論、 検討する。 4. 具体的到達目標 1)指導医の指導・監視のもとに学生に実施させるもの ・ 診察:問診、腹部診察、性器診察(直腸診、双手診、陰嚢内容、ほか) ・ 尿検査:採尿法、一般定性検査尿沈渣検査(鏡検) ・ 腹部超音波検査:副腎、腎、膀胱、前立腺、陰嚢内容、超音波ドプラー検査、ほか ・ 処置:創部消毒・包交、抜糸、導尿法 ・ 手術治療:手術手洗い、結紮、皮膚縫合 2)状況によっては学生に実施させるもの ・ 排尿機能検査:尿流測定、膀胱内圧測定、ほか 3)介助、見学させるもの ・ 各種尿路造影検査:排泄性腎盂撮影、膀胱尿道造影(排尿時) 、逆行性腎盂造影 ・ 画像検査:腹部 CT 検査、腹部 MRI 検査、血管造影検査 − 290 − ・ 経直腸的前立腺超音波検査(前立腺生検を含む) ・ 尿路内視鏡検査:膀胱尿道鏡、尿管鏡、尿管カテーテル法 ・ 生検:腎、膀胱、前立腺、精巣 ・ 手術:泌尿器外科手術、婦人泌尿器科手術、腹腔鏡下手術、尿路内視鏡手術 ・ 救急処置:血尿、尿閉、急性腹症(尿路結石症) 、外傷に対する処置 5. 評価方法 受け持ち患者の抱える問題点、その解釈、解決法、などを指導医との討論を通じて評価する。 患者および家族に対する診療態度、コメディカルスタッフも含めたグループ医療の一員としての 態度について指導医が評価する。 受け持ち患者の疾患について、基本的な病因、病態、診断、治療に対する理解度をレポートお よび最終日に行う診療部長の総括的な討論により評価する。 6. 参考図書 Wein AJ(ed.) Campbell−Walsh(10th ed.) Elsevier Saunders 2012 Gillenwater(ed.) Adult and Pediatric Urology(3rd ed.) Year Book Pub. 1996 Tango EA(ed.) Smith’ s General Urology McGraw−Hill 2004 Graham Jr(ed.) Glenn’ s Urological Surgery(3rd ed.) Williams & Wilkins 2004 Novick AC(ed.) Stewart’ s Operative Urology(2nd ed.) Williams & Wilkins 1998 Hinman F, Jr Atlas of Urosurgical Anatomy W.B. Saunders 1993 吉田 修(編) ベッドサイド泌尿器科学(第 3 版) 南江堂 2000 東間 紘(編) Nursing Selection 8 腎泌尿器疾患 学研 2003 東間 紘(編) 腎癌のすべて Mecical View 2003 北川龍一(編) 標準泌尿器科学(第 7 版) 医学書院 2005 − 291 − 東医療センター泌尿器科実習表 実 習 係 伊藤文夫、力石浩介(6155) 連 絡 係 小出 集合場所 東医療センター東 3A 病棟 12:00 13:00 8:00 9:00 17:00 症例検討 検査見学(水谷、力石) 患者紹介、病室実習(伊藤) 月 火 各種泌尿器科検査を見学、介助する。 到達目標を設定し、指導医と検討する。 病室実習、手術参加(中澤) 手術参加(中澤、巴、伊藤、合谷ほか) problem list、到達目標に従って 患者情報を収集する。術前検査 情報の取捨選択を行う。 術前準備、麻酔、手術体位の設定、など手術治 療の基本的な流れを学習する。 実際に手洗いして手術に参加する。 外来実習(伊藤)、病棟 初診外来、外来検査・処置に参 加する。術後患者の診察、処置 を行い、problem list を追加作成 する。 外来実習(中澤、伊藤)、手術参加 昼 食 水 木 金 入 退 院 報 告 ・ モ ー ニ ン グ カ ン フ ァ レ ン ス ・ 病 棟 回 診 担当患者に学生を紹介。医療面 接、診察を行い、problem list を 作成する。 泌尿器放射線検査実習(水谷ほか) 尿路内視鏡、各種尿路造影検査に参加し、実習 を行う。 手術参加(巴、伊藤、力石ほか) 症例検討 初診外来、外来検査・処置に参 加する。担当患者の診察、術後 処置を行い、必要な情報を収集 する。 スタッフの一員として手術に参加する。担当患 者の手術治療術後の問題点について、指導医と 議論、検討を行う。 病室実習(巴、伊藤、力石ほか) 泌尿器科検査実習(力石) 担当患者の術後診察、処置を行 い、問題点を整理し、指導医と 解決法を議論する。 担当患者を通して、泌尿器科実習のまとめを行 い、提出用レポートを作成し、疑問点を指導医 と検討する。 実習のまとめ(中澤、巴) 土 レポート提出、診療部長の司会 による担当患者の報告、討論。 − 292 − 症例検討 指導医一覧表 所 属 職 名 泌 尿 器 科 臨 床 教 授 〃 講 師 〃 助 教 〃 〃 氏 名 所 属 職 名 氏 名 中 澤 速 和 骨盤底機能診療部 教 授 巴 ひかる 伊 藤 文 夫 力 石 浩 介 水 谷 一 夫 − 293 − リハビリテーション科 1. 一般到達目標 リハビリテーション医学は、神経、運動器、内部疾患などにより障害を来たした患者さんに対 して、診断・機能評価を行い、適切なリハプログラムを作成し、機能障害や能力低下などの回復 を促し、日常生活の自立や社会復帰を目指す医学の一分野である。患者さんの障害を診断・評価 する方法を習得し、リハビリテーションの処方・技術を見学して理解することを到達目標とする。 2. 実習のために必要な知識 1)運動器、中枢神経、末梢神経の解剖と生理機能の知識がある。 2)基本的な診察技術を有する。 3)神経学的(中枢神経と末梢神経)診察法の知識がある。 4)運動器(骨・関節、筋)の診察法(関節可動域や徒手筋力テストを含む)の知識がある。 5)ADL(日常生活動作)についての知識がある。 6)X 線フィルム、CT、MRI(中枢神経、骨・関節)読影の知識がある。 7)乳幼児の正常発達の知識がある。 3. 実習内容 1)指導医の外来または往診について、診察手法、リハビリに必要な評価、リハ処方の出し方 などを学習する。 2)訓練室のリハビリ場面(PT、OT、ST)を見学し、リハビリテーション手技を理解する。 3)ベッドサイドで行っているリハビリを見学する。 4)小児訓練室でのリハビリテーションを見学する。 5)他科(神経内科、脳外科、救命救急科など)とのカンファレンスに参加する。 6)嚥下機能障害患者に対する嚥下造影検査(VF)を見学する。 7)装具外来を見学し、装具の種類や必要性を理解する。 8)心臓・呼吸リハビリテーションを見学する。 9)実習は、診察、リハ評価、検査、リハビリ場面の見学から、学生自身が疑問点や問題点を挙げ、 自主的に解決する方法を見出すことを重視する。 4. 具体的到達目標 1)リハビリテーションに必要な診察法、評価法を理解する。 2)障害の概念(機能障害、能力低下、社会的不利)を理解する。 3)リハビリテーション処方、プログラム作成の技術を学ぶ。 4)実際に施行されるリハビリテーション技術の知識を深める。 5)急性期リハビリテーションの意義と重要性を認識する。 6)装具、歩行補助具、車椅子の知識を学ぶ。 7)カンファレンスの重要性を認識する。 8)嚥下機能障害および訓練法についての知識を学ぶ。 9)小児の発達障害、神経障害の知識および訓練法を理解する。 10)心臓・呼吸リハビリテーションの知識を学ぶ。 − 294 − 5. 評価方法 自己評価、実習態度、口頭試問により総合的に評価する。 6. 参考図書 石田 暉、宮野佐年監修 リハビリテーション科臨床マニュアル 医歯薬出版 2003 米本恭三監修 最新リハビリテーション医学 第 2 版 医歯薬出版 2005 千野直一編 現代リハビリテーション医学 改訂第 2 版 金原出版 2004 − 295 − リハビリテーション科実習表 実 習 係 猪飼哲夫(29701) 連 絡 係 猪飼哲夫 集合場所 第 1 病棟 1 階リハビリ訓練室 9:00 12:00 13:00 17:00 救命救急科カンファレンス(13:00∼) (上久保) 装具外来(小児 13:00∼) (猪飼) 嚥下造影(15:00∼) (猪飼) 訓練室(猪飼) 外来、訓練室(上久保) 訓練室(猪飼) 外来、訓練室(水野) 神経内科カンファレンス(13:00∼)(水野) 装具外来(14:30∼)(猪飼) 訓練室(猪飼) 外来、訓練室(上久保) 訓練室(百瀬) 外来、訓練室(猪飼) 脳外科カンファレンス(13:00∼)(百瀬) 訓練室(猪飼) 口頭試問(猪飼) 月 外来、訓練室(猪飼) 火 水 木 金 予備日 土 診察の見学は外来診察室だけでなく病棟の往診も含む。 訓練室での見学は小児リハビリテーション、心臓リハビリテーション、呼吸リハビリテーション も含む。 − 296 − 指導医一覧表 所 属 職 名 氏 名 所 属 職 名 氏 名 リ ハ ビ リ 科 教 授 猪 飼 哲 夫 リ ハ ビ リ 科 非常勤講師 横 畠 由美子 〃 講 師 上久保 毅 〃 〃 市 川 久 恵 〃 助 教 百 瀬 由 佳 〃 〃 西 将 則 〃 〃 水 野 真由子 〃 〃 武 原 格 〃 〃 岡 田 真 明 − 297 − 化学療法・緩和ケア科 1. 一般到達目標 化学療法に関する理論やエビデンス、早期からの緩和医療の重要性を深く学び、全人的がん医 療の実現に必要な真の EBM を理解し、実践していくための心構えを習得する。 2. 実習に必要な知識 ●腫瘍生物学概論 ●化学療法の基本理論 ●生物統計学 ●臨床試験 ●緩和医療概論 ●がんをとりまく社会情勢 ●地域医療連携の仕組み 3. 実習内容 ●学生の自主性と熱意に応じて指導内容を適時変更する。 ●外来化学療法室、第 1 病棟化学療法病棟・南 3 階緩和病棟での実習を必須とする。 ●実習初日に受け持ち患者を 1 名を決め、指導医とともに治療計画を作成する。 4. 具体的到達目標 ①正常細胞の生物学と基本的な発がん過程を知り、遺伝子の構造、構成、発現、制御について 理解を深める。 ②主な抗がん剤の作用機序、薬物動態、対象疾患、毒性、支持療法について述べることができる。 ③消化器がん、肺がん、乳がんを中心とする固形がんに対する標準的化学療法を述べることが できる。 ④臨床試験のデザインおよび具体的な実施方法について述べることができる。 ⑤がん患者のトータルペインについて述べることができる。 ⑥がん告知、化学療法を行う際のインフォームドコンセント、終末期への対応など、患者との コミュニケーション技術を理解する。 ⑦がん性疼痛の分類、評価について述べることができる。 ⑧がん性疼痛やその他の苦痛の症状緩和のための薬物療法について述べることができる。 ⑨中心静脈栄養カテーテル挿入、胸腔・腹腔ドレーン挿入、腹腔神経叢ブロックなど、がん緩 和ケアに必要な手技を理解する。 ⑩患者に必要な精神的・社会的援助やスピリチュアルケアについて述べることができる。 ⑪看護師、薬剤師などとの協力によるチーム医療の意義と実際の業務について述べることがで きる。 5. 評価方法 指導医による実習態度、知識の評価と、実習最終時に受け持ち症例に対して指導医による口頭 試問を行い総合評価する。 − 298 − 6. 参考図書 国立がんセンター がん診療レジデントマニュアル (第 5 版) 医学書院 2010 日本臨床腫瘍学会編 新臨床腫瘍学 南江堂 2009 小川朝生・内富庸介編 精神腫瘍学クイックリファレンス 創造出版 2009 日本緩和医療学会編 在宅緩和ケアのための実践ガイド 日本緩和医療学会 2009 内科レジデント編 緩和ケア普及のための地域プロジェクト「ステップ緩和ケア」http://www.gankanwa.jp − 299 − 化学療法・緩和ケア科実習表 実習・連絡係 竹下信啓(28595) 集 合 場 所 化学療法・緩和ケア科医局 集 合 時 間 初日 9 時 AM PM 入院患者診療の実習 (中島) 外来患者診療の見学 月 教授回診 (林) 症例検討会 火 外来患者診療の見学 (兼村) 入院患者診療の実習 (中島) 外来患者診療の見学 (兼村) 入院患者診療の実習 (竹下) 水 外来患者診療の見学 (竹下) 木 化学療法病棟カンファレンス見学 (竹下) 緩和ケアチーム カンファレンス・回診 金 外来患者診療の見学 (中島) (兼村) 口頭試問(林) 土 研究カンファレンス ・外来化学療法室における研修:月∼金 ・カンファレンス:毎朝回診前にミニカンファレンス ・回診:化学療法・緩和ケア科スタッフと 1 日 2 回 − 300 − 試験日程 土曜日 時 間 場 所 担 当 者 11:00 ∼ 化学療法・緩和ケア科医局 林 和 彦 指導医一覧表 所 属 職 名 氏 名 所 属 職 名 氏 名 化学療法・緩和ケア科 教 授 林 和 彦 化学療法・緩和ケア科 准 講 師 竹 下 信 啓 〃 助 教 星 野 奈 月 〃 准 教 授 川 上 和 之 〃 〃 中 島 豪 〃 講 師 兼 村 俊 範 − 301 − 中 央 検 査 部 近年の臨床検査医学は、著しい検査技術の発展に伴って高度化された膨大な医学情報を提供す ることによって臨床部門を支える重要な役割を担っている。 このような観点から、中央検査部各科で最も基本的な検査項目について研修する。 1. 免疫血清 1 一般到達目標 臨床検査における免疫血清学の業務の内容を理解し、検査の適応、検査方法を学び、免疫血 清検査から得られるデータの解析について学ぶ。 2 実習に必要な知識 (1)免疫血清検査の測定原理が説明できる。 (2)免疫血清検査にて測定される臨床検査項目にはどのようなものがあるかが答えられる。 (3)免疫血清検査の臨床応用とその判定はどのようになされるかが答えられる。 3 実習内容 (1)免疫血清学の概要の説明 (2)症例(5 ∼ 6 例)を用いてケーススタディーを行うことにより免疫血清検査の理解を深める (3)POCT として患者試料を用いて、数項目 CRP、梅毒、インフルエンザなど)の免疫血清 検査の実習を行う 4 具体的到達目標 (1)指導医の指導、監察のもとに学生に実施させるもの 症例を用いたケーススタディー、患者試料を用いた POCT による実習 (2)状況によって学生が実施できるもの 蛍光顕微鏡によって自己抗体の蛍光像を供覧 (3)介助、見学させるもの 外来棟検査室における日常業務としての免疫検査のながれを見学 5 評価方法 試問を行い評価する 6 参考図書 (1)金井泉、金井正光 臨床検査法提要 金原出版 (2)大久保昭行、中井利昭、渡辺清明 実践臨床検査医学 文光堂 (3)Medical Practice 編集委員会編 臨床検査ガイド 2009∼2010 文光堂 2. 寄生虫(含便潜血検査) 1 一般到達目標 寄生虫感染の診断に必要な知識を体得する。 2 実習に必要な知識 (1) 寄生虫感染症の病態について説明できる。 (2) 寄生虫検査法の意義と結果の解釈ができる。 (3) 便潜血検査の意義について説明できる。 3 実習内容 − 302 − 寄生虫検査や便潜血検査を実施するにあたっては、検査材料の取り扱いに習熟し、適切な検 査法を確実に実施することが重要である。本実習では、寄生虫検査と便潜血検査の意義、検 査の進め方、その解釈について理解を深める。 (1) 検査材料の選択と取り扱い方 (2) 寄生虫検査法の実施 (3) 寄生虫標本(蠕虫、原虫)の検鏡と同定 (4) 問診および臨床症状と検査の進め方、ケーススタディー (5) 便潜血検査の実施、自動便潜血免疫分析機器の見学 4 具体的到達目標 (1)指導医の指導、監督のもとに学生に実施させるもの 1)寄生虫の観察と基本構造の理解 (a)蠕虫類(蛔虫、アニサキス、日本海裂頭条虫、肝吸虫等) (b)原虫類(赤痢アメーバ、マラリア原虫、クリプトスポリジウム) 2)感染組織標本の観察および評価(アメーバ赤痢) 3)寄生虫症の検査・同定法の実際(検査材料と検査法の選択等) 4)便潜血検査(化学法・免疫法)の実際と検査結果の解釈および評価 (2) 状況によって学生が実施できるもの 1)糞便内寄生虫検査法(ホルマリン・エーテル法等) (3)介助・見学させるもの 1)日和見感染原虫類の染色法(ギムザ染色、抗酸染色、蛍光抗体染色) 5 評価方法 口頭試問 6 参考図書 戸塚恭一・山浦 常『ニューチャート内科 8 感染症』 医学評論社 3. 病理診断科 1 一般到達目標 病理部門における診断業務を体験し、検査の方法、適応と解釈を学ぶ。 2 実習に必要な知識 (1)正常臓器の肉眼所見と組織像の特徴を説明できる。 (2)基本的染色と免疫組織化学の原理と意義、解釈ができる。 (3)基本的病変(細胞傷害、代謝障害、循環障害、炎症と創傷治癒、腫瘍)を理解し、それ ぞれの病因と病態について説明できる。 3 実習内容 複雑な人体の機能と疾病の機序を理解し、正確な診断を行うためには総合的な医学的知識が 必要となる。この実習においては、病理検査の意義、診断過程、病変の解釈について理解を 深める。 (1)病理標本の作製過程の見学 (2)手術材料の肉眼監察と切り出し (3)病理組織標本と細胞診標本の検鏡と診断 (4)ケーススタディー − 303 − 4 具体的到達目標 (1)指導医の指導、監督のもとに学生に実施させるもの 病理組織標本、細胞診標本を用いたケーススタディー (2)状況によって学生が実施できるもの 特殊染色、特に免疫染色標本の適応、観察と評価、電顕写真の観察 (3)介助・見学させるもの 手術標本の切り出し、組織標本の作製過程、剖検 5 評価方法 試問を行い評価する。 6 参考図書 (1)山口和克監訳 アンダーソン病理学カラーアトラス (2)真鍋俊明 外科病理学入門 (3)長村義之 外科病理マニュアル 文光堂 (4)石川栄世、遠城寺宗知編 外科病理学 メディカル・サイエンス・インターナショナル 医学書院 文光堂 4. 細菌 1 一般到達目標 感染症科における細菌検査業務に必要な知識を体得する。 2 実習に必要な知識 (1)ヒトの常在菌の分布、役割について説明できる。 (2)感染症の診断の流れを理解している。 (3)臨床微生物検査の検体の提出方法、解釈、注意点について説明できる。 3 実習内容 (1)感染症診断、治療の流れと感染対策(CPC) (2)学生の常在菌存在場所(鼻腔、 咽頭、 皮膚、 外耳道など)からの常在菌の培養とグラム染色、 簡易同定(実習) (3)健常人と入院患者の常在菌存在場所の菌構成の違いを観察(実習) (4)臨床微生物検査の概要説明、見学(実習) 4 具体的到達目標 (1)指導医の指導、監督のもとに学生に実施させるもの (a)ケーススタディー (b)鼻腔、咽頭、手指培養 (c)染色法(グラム、チールネルセン) (d)喀痰、髄液よりの分離菌の観察 (2)状況によって学生が実施できるもの (a)検体採取 (b)感受性試験の判定 (3)介助・見学させるもの (a)喀痰、尿、膿、便、血液培養法 (b)各種培地 − 304 − (c)各種分離菌 (d)薬剤感受性試験 5 評価方法 口頭試問 6 参考図書 北村元仕他編 『臨床検査マニュアル』 文光堂 小野豊子編 『臨床微生物ハンドブック』 三輪書店 5. 検査の基礎 1 一般到達目標 (1)血中成分検査の精密さと正確さの管理法を考察し、医師としての診断や治療等における 検査値の医学的意志決定水準(medical decision level)について評価をすること。 (2)健常者における基準値の概念とアメリカ臨床検査標準委員会(NCCLS, 1995)指針に準 じた基準値について評価すること。 2 実習に必要な知識 血液検査、生化学検査の各項目についておおまかな基準値がわかる。 3 実習内容 簡易機器を用いたベッドサイド検査法の意義および血中成分値の精度と基準値について評価 すること。 4 具体的到達目標 (1)指導医の指導、監督のもとに学生に実施させるもの 簡易検査(ドライケミストリー法)による成分定量と測定精度の評価法および基準範囲 の求め方。 (2)状況によって学生が実施できるもの 検体保存法、血中アンモニア検体の取り扱い方と測定法。 (3)介助・見学させるもの 緊急検査と検査システムの現状。 5 評価方法 実際に簡易機器を使った測定を行って基準範囲を求め提出する。 6 参考図書 定量検査の精密さ・正確さの評価法指針:医学検査 46:1130, 1997 血清蛋白 13 項目の日本成人基準範囲:臨床病理増刊[特集 101 号] , 1996 6. 一般検査 1 一般到達目標 一般検査を実際に行い、その結果の解釈と評価法について学ぶ。 2 実習に必要な知識 一般検査(血液検査、生化学検査、血液凝固検査、検尿)につき、各項目の意味および基準 値を理解している。 3 実習内容 (1)採血法、検体の取扱い方 − 305 − (2)一般検査(血液検査、生化学検査、血液凝固検査、検尿)の実際 (3)reversed CPC による検査結果の解釈と評価 4 具体的到達目標 (1)指導医の指導、監督のもとに学生に実施させるもの (a)採血法 (b)一般検査の実施(血液検査、生化学検査、血液凝固検査、検尿) (c)基本的臨床検査の選択、検査結果の解釈と評価(reversed CPC) (2)介助・見学させるもの (a)自動血球計数器による血液検査の実際 (b)自動分析装置による生化学検査の実際 5 評価方法 reversed CPC を行い、その後の試問により評価する。 6 参考図書 金井正光 編著 臨床検査法提要 金原出版 2005 高木 康、山田俊幸 編 標準臨床検査医学(第 4 版) 医学書院 2013 大久保昭行 他編 実践臨床検査医学 文光堂 1998 アラン・ゴー 他編 カラー図解 臨床生化学 医学書院 MYW 1998 7. 輸血 1 一般到達目標 安全な輸血療法と適正な輸血実施に必要な知識を習得する。 2 実習に必要な知識 (1)適正な輸血療法に必要な各血液製剤の使用基準 (2)血漿分画製剤の使用基準 (3)輸血副作用−輸血後感染症と非溶血性副作用 (4)血液型検査と交差適合試験の結果の解釈 3 実習内容 (1)ABO 血液型、Rho(D)型、不規則抗体スクリーニング、クロスマッチ (2)輸血前検査、輸血後検査 (3)輸血実施症例における適応基準の検討 (4)輸血副作用症例の検討 4 具体的到達目標 (1)輸血を実施する際に必要な最低限の検査法を習得 (2)実際の輸血症例について検討し、適正な輸血療法を理解する 5 評価方法 口頭試問 6 参考図書 (第 15 版) (1)Vengelen − Tyler, V. 編 『Technical Manual』 AABB 2005 (2)三輪史朗編 文光堂 2005 『三輪 血液病学』 (第 3 版) − 306 − 中央検査部実習表 12 9 13 14 月 火 水 木 金 免疫血清 (佐藤) 病理診断科 (増田 他) 細菌 (平井 他) 検査の基礎 (佐藤 他) 細菌 (平井 他) 一般検査 (佐藤 他) 一般検査 (佐藤 他) 輸血 (菅野 他) 輸血 (菅野 他) 予備日 予備日 土 寄生虫(含便潜血検査) (平井 他) 実習日が祝日等と重なった場合、振替実習を行うこととする。 振替日時については、各担当教官に確認すること。 (原則として、その週の土曜日が望ましい) − 307 − 指導医一覧表 所 属 感 染 職 名 氏 名 所 属 職 名 氏 名 症 科 教 授 輸 血 ・ 細 胞 教 授 菅 野 仁 准 講 師 平 井 由 児 プロセシング科 講 師 小 林 博 人 准 講 師 槍 澤 大 樹 臨 床 検 査 科 教 授 佐 藤 麻 子 〃 助 教 菅 野 宙 子 〃 非常勤講師 小 山 祐 康 病 理 診 断 科 教 授 准 教 授 増 田 昭 博 〃 〃 山 本 智 子 各科目 連絡係・集合場所等 科 目 名 連 絡 係 寄 生 虫 平井 由児 准講師 (含便潜血検査) 内線番号 集 合 場 所 時 間 39321 感染症科学生実習室 (仮研究棟 3 階) 9時 免疫血清 佐藤 麻子 教 授 35035 28769 臨床検査科 (中央病棟地下 1 階) 13 時 病理診断 増田 昭博 准教授 29611 病理検査室 (西病棟 A2 階) 9時 細 菌 平井 由児 准講師 39321 感染症科学生実習室 (仮研究棟 3 階) (火)13 時 (水)13 時 検査の基礎 一般検査 佐藤 麻子 教 授 35035 28769 臨床検査科 (中央病棟地下 1 階) 9時 輸 血 槍澤 大樹 准講師 23021 輸血・細胞プロセシング部 (西 B 病棟地下 1 階) 9時 − 308 − 産業保健(事業所) 1. 一般到達目標 職場における健康管理は、職業性疾病のみならず、年々増加する生活習慣病への対策としても 重要な意義を有する。さらに、健康保持増進事業や快適職場環境の形成等の予防を目的とした対 策も講じられている。本実習では、労働衛生対策の基本となる健康管理、作業環境管理、作業管 理や衛生教育に関する知識や技能を学び、予防医学的役割を担う産業保健を理解する。 2. 実習のために必要な知識 (1)産業医の職務と労働安全衛生管理 (2)環境と健康 (3)化学物質による健康障害(金属・粉じん・職業癌・有機溶剤・ガス・酸欠) (4)物理的要因による健康障害(騒音・振動・温熱・気圧) 3. 実習内容 1 週間の実習期間中、学生 2 名で 1 例の事例(教室にて作成)を担当する。具体的な実習内容 は各事業所に一任するが、具体的到達目標の各項目について、担当産業医の指導のもと、見学・ 実習・事例検討を行う。学生が事例から抽出した問題点の解決について、能動的に学習できるよ う、担当産業医のほか指導教員が実習に同行し、毎日学生と検討・討論する場を設ける。学生は、 各施設における実習内容を記録し、担当者の検印を受ける。最終日は担当事例について簡潔に発 表を行い、グループ討論を行う。また実習の記録とレポートを提出し、口頭による試験を受ける。 4. 具体的到達目標 (1)産業保健スタッフ 産業保健スタッフには、産業医、産業看護師・保健師、衛生管理者、作業環境測定士、総 括安全衛生管理者等が含まれ、衛生委員会を構成している。各スタッフの役割と産業医と の連携について理解する。 (2)健康管理 健康管理は産業医の主要な業務の一つである。定期健康診断や特殊健康診断の目的、内容、 手技、意義を学ぶ。また、近年、問題となっている過重労働、メンタルストレス、腰痛症、 VDT 障害、女性就労者の健康障害に対する職場での対策を学ぶ。 (3)作業環境管理 有害物質を取り扱う事業場で行う作業環境測定と管理濃度・管理区分、化学物質の許容濃 度やバイオロジカルモニタリング、騒音・振動・高温・寒冷等の許容基準の意義について 理解する。 (4)作業管理 有害業務の種類、作業方法や条件が健康に及ぼす影響、保護具の使用方法等について学ぶ。 (5)職場巡視 実際に職場巡視に同行し、作業環境、作業方法や作業条件の問題点を抽出し、解決策を考 える。 (6)労働衛生教育 − 309 − 労働者のライフスタイルの改善を図るための健康教育へ参画する。また、運動指導、保健 指導、心理相談、栄養指導等の total health promotion plan(THP)の実際を学ぶ。 5. 評価方法 各実習施設における担当者の評価、自己評価、レポートおよび口頭試問等により評価する。 6. 参考図書 厚生労働省労働基準局編 労働衛生のしおり 中央労働災害防止協会 年刊 森 晃爾編 産業保健マニュアル 南山堂 2013 厚生労働省労働衛生課監修 産業医の職務 Q and A 産業医学振興財団 2009 日本産業衛生学会産業医部会編 産業医活動をする人のために 産業医学振興財団 2005 − 310 − 実習表 実 習 係 松岡雅人 連 絡 係 野原理子 集合場所 各事業所 12 9 13 17:00 月 オリエンテーション(松岡・野原) 事業所 1 での実習(野原・宮崎) 産業保健に関わる事例を学生に提示。担 当する事例について、労働衛生上の問題 点を抽出する。 産業保健のアプローチ法を理解し、抽出 した問題点解決のために必要な学習到達 目標を設定する。 事業所 2 での実習(野原・蒋池) 職業性疾患症例検討(松岡・野原) 火 健康管理室での実習を行い、健康管理業 務、健康教育および産業保健スタッフの 役割について学習する。 事業所 3 での実習(野原・藤木) じん肺やその他の職業性疾患の症例検討 を行う。担当事例について、健康管理、 作業環境管理、作業管理の観点から総合 的に問題点を見直す。 事業所 4 での実習(野原・藤木) 水 異なる作業場の職場巡視に同行し、学生 自らが作業環境管理および作業管理上の 問題点を挙げ、産業医の指導を受ける。 産業医の職場巡視に同行し、作業環境管 理および作業管理について学習する。そ の上で、担当事例について再度問題の抽 出を行う。 木 金 実習のまとめ(松岡・野原) 事業所 5 での実習(山本・野原) 担当課題について、実習から学んだ内容 をグループで討議し、各自レポートを作 成する。 騒音職場の巡視に同行し、とられている 対策について学習し、管理の必要性につ いて考察する。 事業所 6 での実習(宮山・蒋池) 事業所 7 での実習(宮山・蒋池) 産業医による工場内の職場巡視に同行し、 安全と衛生の両面から職場環境について 学習する。 職場巡視の結果に基づいて担当事例につ いて考察し、産業医の助言を受ける。 口頭試問(松岡) 土 レポートを提出し、担当事例について報 告、グループ討論。主任教授による口頭 試問。 受け入れ学生数:6 名 受け入れ期間:1 週間 2 月 16 日∼ 2 月 21 日 集合場所:初日は衛生学公衆衛生学(一)教室(中央校舎 9 階) 実習期間:6 日間(月曜日∼金曜日 9:00 ∼ 17:00)(土曜日 9:00 ∼ 12:00) 実習内容:オリエンテーション時に説明 オリエンテーション: 実習開始 2 週間前までに、衛生学公衆衛生学(一)教室に連絡すること。 実習に関する全般的な説明を行う。 − 311 − 8. 試験日程 日 程 時 間 最終日 午 前 場 所 担 当 者 中央校舎 9F 衛生学公衆衛生学(一) 松 岡 雅 人 9. 指導医一覧表 所 属 職 名 衛生学公衆衛生学 (一) 〃 〃 主任教授 非常勤講師 講 師 准 講 師 氏 名 所 属 職 名 氏 名 松 岡 雅 人 衛生学公衆衛生学 助 教 藤 木 恒 太 山 本 健 也 (一) 〃 宮 山 貴 光 野 原 理 子 〃 特 任 助 教 宮 崎 智 史 蒋 池 勇 太 − 312 − 公衆衛生関連施設 1. 一般到達目標 住民の健康保持・増進・疾病の予防としての公衆衛生学の重要性を理解する。本実習の目標は、 高齢者介護と乳幼児の複合施設又は保健所の実践現場を見学し、高齢者の疫学的特徴、介護保険・ 母子保健・地域保健に関する制度・組織を知り、これらの重要性について理解を深めることである。 2. 実習に必要な知識 高齢者の特徴 介護保健法 老年症候群 母子保健 地域保健 3. 実習内容 実習を行う施設は、介護複合施設又は保健所を予定している。 実習の内容は、各施設の業務予定に沿うが、特に希望がある場合は考慮できる場合もあるので 相談のこと。 4. 具体的到達目標 ①高齢者介護と乳幼児の複合施設において包括医療を行うシステムが社会の中でどのように実 践されているかを学ぶ。 ②地域保健あるいは医療のあり方を考察する。 5. 評価方法 施設における担当者の評価(評価シートによる)とレポートをあわせて評価する。 6. 参考図書 厚生の指標・臨時増刊 国民衛生の動向 厚生統計協会 年刊 岡崎 勲他編集 標準公衆衛生・社会学 医学書院 2009 − 313 − 公衆衛生関連施設実習表 実 習 係 山口 直人 連 絡 係 清原 康介(22121) 集合場所 各施設 9 12 月 施設実習 17:00 13 施設実習 (施設担当者) 火 施設実習 施設実習 (施設担当者) 水 施設実習 施設実習 (施設担当者) 木 施設実習 施設実習 (施設担当者) 金 施設実習 施設実習 (施設担当者) 土 受入れ学生数:1 週間あたり 3 名。 集合時間・場所:介護施設又は保健所に 8:50 に集合。 実習期間:5 日間(月曜日∼金曜日)、9:00 ∼ 17:00 実習内容:基本的には各施設に一任 オリエンテーション:事前に実習を行う施設および実習に関する全般的な説明を行う。 − 314 − 八千代医療センター内科 1. 一般到達目標 八千代医療センター内科における臨床実習の目標は、卒後どの専門領域に進んでも、患者の内 科学的診療が要求される場合に必要な基本的な技能・態度を習得することである。具体的には患 者および家族などの関係者から多くの情報を集め、問題点を抽出・解釈し、問題解決のための診断・ 治療・教育の計画をたてる。また医療チームの一員として、患者や医療関係者との良き人間関係 を構築する。 2. 実習に必要な知識 1)医療面接法 2)病歴聴取 3)身体診察法 一般診察(視診、打診、聴診、触診、計測法) 4)臨床検査法 一般検査(血液、尿、便、血液生化学、血液ガスなど)のデータ解釈・評価 生理機能検査、内視鏡検査、画像診断・放射線学的検査の解釈・評価 5)問題指向型診療記録(POMR)の作成 3. 内容 八千代医療センター内科の各診療科(呼吸器内科、消化器内科、循環器内科、血液・腫瘍内科、 腎臓内科、神経内科、内分泌代謝内科、リウマチ膠原病内科)の患者 1 名を担当し、臨床経過、 診察所見等を POS に従って記録し、診断、治療までを学ぶ。POMR の記録、問題点の評価と整理、 病像の全人的把握、よき医師対患者(または家族)関係の確立等についてを学習の主眼を置く。 各診療科の検査、 治療等を見学する。呼吸器内科(気管支鏡) 、 消化器内科(内視鏡、 超音波検査) 、 血液・腫瘍内科(化学療法、骨髄検査) 、腎臓内科(腎生検、血液透析) 、神経内科(神経生理検査) などを見学し、一部可能なものについては介助を行う。 各診療科の外来、病棟回診に立会い、実際の医療面接技法、病歴聴取、身体診察法、臨床検査 のデータ解釈・評価、問題指向型診療記録(POMR)の作成について実際に学ぶ。 4. 具体的到達目標 1)コア診療科としての到達目標 (1)成人の医療面接が行える。 (2)成人の診察を適切に行える。 (3)臨床検査のデータ解釈・評価が行える。 (4)問題指向型診療記録(POMR)の作成が行える。 (5)簡潔な患者サマリーを作成できる。 (6)守秘義務を果たし、患者、家族の人権・プライバシーへの配慮ができる。 2)選択診療科としての到達目標 (1)適切な治療法を選択できる。 − 315 − (2)疾患の最新情報を学習できる。 (3)科学的根拠にもとづいた医療(EBM)を行える。 3)自主選択実習としての到達目標 (1)医療チームの一員として実際の診療に参加する。 (2)許容された医療行為を適切に行う。 (3)受け持ち患者の最新情報を医療チームと共有する。 5. 評価方法 1)自己評価 2)実習態度 3)出席の状態 4)症例検討会での発表 6. 参考図書 福井、奈良ほか 内科診断学 第 2 版 医学書院 2008 垂井、河田、松澤ほか 総合内科診断学 朝倉書店 2007 武内ほか 内科診断学 改訂第 17 版 南江堂 2011 高久、黒川、尾形、矢崎ほか 新臨床内科学 第 9 版 医学書院 2009 ハリソン 内科学 第 3 版 メディカルサイエンス 2009 東京女子医科大学 ヒューマンリレーションズ学習 インターナショナル ヒューマンリレーションズ委員会 − 316 − 篠原出版社 2003 八千代医療センター内科病院実習表 実 習 係 西野隆義(PHS7010) 連 絡 係 西野隆義(PHS7010) 集合場所 外来棟 4 階医師スタッフルーム 午前 午後 月 火 水 オリエンテーション(西野隆義) 病棟患者の紹介(西野隆義) 神経内科病棟回診(大橋高志・ 井口正寛) 血液・腫瘍内科病棟回診(増田道彦・浅野千尋) 消化器内科病棟回診(西野隆義・白戸美穂・白戸泉・ 島田昌彦・吉田周平) 内分泌・代謝内科病棟回診(橋本尚武・荻野淳・ 福島清香・米田千裕) 神経内科 リハビリ・カンファ(大橋高志・井口正寛) 血液・腫瘍内科 外来実習 化学療法、輸血(増田道彦) 呼吸器内科 気管支鏡検査(桂秀樹) 消化器内科 内視鏡検査(西野隆義・光永篤・ 濱野徹也) 自己血採血(増田道彦・浅野千尋) 内科病棟回診(増田道彦・橋本尚武・桂秀樹・ 春田昭二・西野隆義・大橋高志・ 小池美菜子・瀬戸洋平) 木 循環器内科 心臓カテーテル検査 (春田昭二・河原井浩孝・ 山田雄一郎・本田淳) 金 腎臓内科 透析室(小池美菜子・臼井亮介) 呼吸器内科病棟回診(桂秀樹) 呼吸器内科 胸部レントゲンクルズス(桂秀樹) 病棟実習 生検カンファレンス(廣島健三・河村俊治) 土 症例検討会・総括 (増田道彦・橋本尚武・桂秀樹・ 春田昭二・西野隆義・大橋高志・ 小池美菜子・廣島健三・河村俊治・ 瀬戸洋平) − 317 − 指導医一覧表 所 属 職 名 氏 名 所 属 職 名 氏 名 血液・腫瘍内科 教 授 増 田 道 彦 消 化 器 内 科 講 師 西 野 隆 義 〃 助 教 浅 野 千 尋 〃 糖尿病・内分泌代謝内科 教 授 橋 本 尚 武 〃 准 講 師 荻 野 淳 〃 助 教 福 嶋 清 香 〃 〃 米 田 千 裕 神 助 教 白 戸 泉 〃 〃 白 戸 美 穂 〃 〃 島 田 昌 彦 〃 〃 吉 田 周 平 経 内 〃 科 講 師 大 橋 高 志 〃 井 口 正 寛 呼 吸 器 内 科 教 授 桂 秀 樹 腎 内 視 鏡 〃 科 臨 床 教 授 光 永 篤 臓 内 〃 科 准 講 師 小 池 美菜子 助 教 臼 井 亮 介 助 教 濱 野 徹 也 病 理 診 断 科 教 授 廣 島 健 三 循 環 器 内 科 講 師 春 田 昭 二 〃 〃 講 師 河 村 俊 治 助 教 河原井 浩 孝 〃 〃 山 田 雄一郎 リウマチ膠原病内科 講 師 瀬 戸 洋 平 〃 〃 本 田 淳 − 318 − 八千代医療センター外科 1. 一般到達目標 外科的診療についての基本的知識、手技を習得し、医療チームの一員としての外科医の役割を 体得する。 2. 実習に必要な知識 1)外科学総論、各論についての基礎知識 2)胸部外科、腹部外科、乳腺外科、小児外科に必要な局所解剖 3)内視鏡、透視、CT、MRI などの画像診断についての基礎知識 3. 内容 外科診療部の 5 グループ(消化器外科、呼吸器外科、乳腺内分泌外科、小児外科、心臓血管外 科)のうち希望のグループを 1 週間ずつローテートする。その際、 1 ∼ 2 名の担当患者を受け持ち、 診断の進め方、治療法の選択を経験する。手術は月∼金まで毎日行われており、可能な限り手術 に参加し、基本的外科手技(ガウンテクニック、手洗い、糸結び、皮膚縫合、抜糸など)を習得 する。 4. 具体的到達目標 将来医師として周術期患者や担癌患者に接した時、その病態のみならず、精神的、社会的問題 を理解し適切にサポートできるための知識、技術を身につける。 5. 評価方法 実習態度、出席状況、口頭試問、レポートなどで総合的に評価する。 6. 参考図書 標準外科学 医学書院 外科学 へるす出版 乳腺疾患 金原出版社 標準小児外科学 医学書院 − 319 − 八千代医療センター外科選択診療科実習表 実 習 係 平井(PHS7041) 連 絡 係 平井(PHS7041) 集合場所 八千代医療センター医局 午前 午後 担当患者紹介、手術(平井) 病棟カンファレンス、回診、手術 (新井田) (寺本) 手術(濱野) 病棟カンファレンス、回診、手術 (幸地) (倉持) 手術、術前カンファレンス(中村) (清水) 病棟カンファレンス、回診、手術 (新井田) (寺本) 手術(鬼澤)(齋藤)(久米) 病棟カンファレンス、回診、手術 (関根) 手術(関根)(黄) 月 病棟カンファレンス、回診、手術 (大石) 火 水 木 金 土 病棟カンファレンス、回診、 口頭試問 (大石) − 320 − 指導医一覧表 所 属 職 名 氏 名 消 化 器 外 科 教 授 新井田 達 雄 小 所 属 児 外 職 名 氏 名 科 准 教 授 幸 地 克 憲 〃 准 教 授 中 村 努 〃 講 師 大 石 英 人 乳腺内分泌外科 臨 床 教 授 清 水 忠 夫 〃 〃 倉 持 英 和 〃 講 師 寺 本 穂 波 〃 准 講 師 平 井 栄 一 〃 助 教 地 曳 典 恵 〃 助 教 濱 野 美 枝 〃 〃 宮 本 礼 子 〃 〃 鬼 澤 俊 輔 〃 〃 飯 野 高 之 心 臓 血 管 外 科 准 講 師 齋 藤 博 之 〃 〃 佐 藤 拓 也 呼 吸 器 外 科 教 授 関 根 康 雄 〃 准 講 師 黄 英 哲 − 321 − 〃 助 教 久 米 悠 太 八千代医療センター総合周産期母子医療センター新生児科 1. 一般到達目標 新生児の診療内容は、新生児医療施設の設備、スタッフ、地域などを含めた医療、社会環境に より大きく異なる。当周産期センターの新生児部門は総合周産期母子医療センター内にあり、産 科と連携して周辺地域のみならず、千葉県の周産期医療の中核として機能している。新生児部門 の研修においては、地域における当センターのこのような役割を理解し、新生児医療や周産期医 療に対する知識と理解を深めることを目的とする。 研修内容としては ① 総合周産期母子医療センターの設立背景と果たすべき役割について理解する。 ② 出生直後の新生児のルーチンケアを学ぶ。 正常分娩に立ち会うことにより、出生時の生理的変動を観察し、適切な全身チェック法を学 ぶ。機会があれば、ハイリスク分娩に立ち会い、低出生体重児、仮死児の病態を把握し、適 切な心肺蘇生術法を学ぶ。 ③ 新生児の身体的特徴を学ぶ。 正常新生児の診察を通して、新生児の身体的特徴について理解する。 ④ 新生児の診療の特性を学ぶ。 体格が小さく脆弱な新生児では、侵襲的検査は行いにくい。ミニマルハンドリングの実際を 理解する。また、家族関係において、早期の母子分離は将来の家族関係にさまざまな悪影響 を及ぼす。家族に対する精神的なサポート、早期からの積極的な母子接触の支援などの実際 について学習する。また、新生児は、体重だけでなく在胎週数や日令により薬用量、補液量 は大きく変動する。このため薬用量の考え方、補液量の計算法について学ぶ。さらに、新生 児期に頻用される検査の正常値の範囲も成人とは異なることから、新生児薬用量補液量、検 査値に関する知識の習得、新生児の検査に不可欠な鎮静法、診療の基本でもある採血や血管 確保などの実際を見学する。最後に、母親を始めとする家族の心肺などに十分配慮した新生 児医療全体を把握する。 2. 実習に必要な知識 胎児期から新生児期への移行期における適応過程 正常新生児の身体的、生理的特徴 出生直後の新生児の評価法 3. 実習内容 ① 分娩立ち会い (正常分娩・ハイリスク分娩の見学、母児関係への配慮) 出生は、胎内生活から胎外生活への移行期であり、その最も重篤な適応障害である仮死は全 分娩の 5 ∼ 10%に発生する。すべての臨床医は仮死の病態把握とその適切な対処法を体得 しておくべきである。 研修期間中に、正常分娩とハイリスク分娩の両者に参画し、仮死児の診察方法、病態の把握、 対処法を学ぶ。 分娩前後の母親に接しながら、母親の心配・不安はどこにあるのかを推察し、心配・不安を − 322 − 解消する方法についての理解を深める。 ② 正常新生児の診察 正常新生児の胸部所見(呼気・吸気の雑音、心音・心雑音とリズムの聴診) 、腹部所見(実 質臓器および管腔臓器の聴診と触診) 、神経所見(筋緊張、原始反射、大泉門の張り) 、頭頚 部所見(眼瞼・結膜、外耳道・鼓膜、鼻腔口腔、咽頭・口腔粘膜) 、四肢(筋、関節)につ いて記載ができる。 ③ 新生児心肺蘇生法 蘇生モデルを用いた実習で、新生児蘇生の実際を体験する。 ④ 外来実習 乳児健診・フォローアップ外来で、乳児の正常発達と異常の診断について実習をとおして理 解する。乳児健診の場面における母親の具体的な育児不安・育児不満の中から「育児支援」 の方法を学ぶ。 「予防接種」の種類、接種時期、実際の接種方法、接種後の観察方法、副反応、禁忌などを学ぶ。 4. 具体的到達目標 ① 総合周産期母子医療センターの周産期医療における役割を説明できる。 ② 胎児から新生児への移行過程における生理的変化について説明できる。 ③ 出生直後の新生児のルーチンケアについて説明できる。 ④ 新生児心肺蘇生の原則について説明できる。 ⑤ 蘇生人形において、用手換気と胸骨圧迫ができる。 ⑥ 正常新生児を診察して、身体所見を記録することができる。 5. 評価方法 研修の終了時に到達度を評価する。評価は原則として新生児指導医が行う。原則として研修医 による自己評価と、指導医による新生児医療に対する知識、診療態度の評価を目的とする。 − 323 − 八千代総合医療センター新生児部門実習表 8:30 9:00 10:00 NICU Drs. meeting 新生児心肺 蘇生法 新生児 診察 8:30 NICU 病棟実習 ∼ (帝王切開立会 回診 い) (大村) 新生児 診察 昼休み 金 8:30 予防接種外来 ∼ 回診 発達外来 NICU 病棟実習 (佐藤) 昼休み 木 新生児 診察 15:00 16:00 17:00 NICU 病棟実習 昼休み 水 8:30 NICU 病棟実習 ∼ (佐藤) 回診 14:00 1 ヶ月健診 (谷本) NICU 病棟実習 予備日 土 − 324 − 病棟 実習 18:00 回診 ペリネ イタル カンファ レンス 眼底検査 回診 新生児 診察 昼休み 火 8:30 NICU ∼ 病棟実習 回診 (帝王切開 立会い) 12:00 13:00 昼休み 月 8:30 オリエン ∼ テーション 回診 患者紹介 (近藤) 11:00 抄読会 回診 指導医一覧表 所 属 新 生 児 〃 〃 〃 〃 〃 職 名 科 教 授 助 教 〃 〃 〃 医療練士 氏 名 所 属 職 名 氏 名 近 藤 乾 母 胎 ・ 胎 児 科 教 授 正 岡 直 樹 佐 藤 雅 彦 〃 准 教 授 坂 井 昌 人 大 村 葉 谷 本 愛 子 齋 藤 可 奈 大 塚 直 哉 − 325 − 八千代医療センター小児科(選択診療科実習) 1. 一般目標 小児の急性疾患の救急医療と入院治療を特色とする八千代医療センター小児科の学生実習にお いては、代表的な急性疾患の治療のために入院する病児およびその家族と良好な人間関係を確立 し、小児の診察技術、小児医療の特性を学ぶ機会とする。 2. 実習に必要な知識 1) 小児の診察技術 乳幼児の理学所見の取り方 2) 気管支喘息、肺炎、川崎病、急性胃腸炎など、小児の代表的急性期疾患の病態、診断、標 準治療 3) 小児救急外来時におけるトリアージ 3. 内容 目的: 急性期疾患の治療のために入院した病児、その家族と良好な人間関係を確立し、病歴や 理学所見から診断・治療に必要な情報を収集することができる。また、具体的な治療計 画を考えることができる。 方法: 病棟実習を基本とする。上記に挙げた代表的な小児疾患の治療のために入院する小児患 者を 1 人∼ 2 人担当し、担当医および指導医と診療チームの一員として、学生が主体的 に下記の到達目標を達成できるように指導する。 4. 具体的到達目標 1)守秘義務を果たし、病児・家族の人権・プライバシーへの配慮ができる。 2)病歴を適切に聴取できる。 3)小児の診察を適切に実践できる。 4)検査結果や治療計画について指導医と話し合うことができる。 5)病児のかかえる問題点を的確に把握し、解決のための情報収集ができる。 6)得られた情報をもとに治療計画を考えることができる。 7)小児救急医療の現場におけるトリアージの実際を説明することができる。 8)節度と礼儀を守り、無断遅刻・無断欠席なく実習に参加できる。 5. 評価方法 1)自己評価 2)実習態度 3)口頭試問 6. 参考文献 森川昭広、内山 聖、 標準小児科学 第 6 版 医学書院 2006 年 ベッドサイドの小児の診かた 第 2 版 南山堂 2001 年 原 寿郎 著 加藤裕久(主編) − 326 − 市川光太郎、 小児科外来診療のコツと落とし穴 5 中山書店 2004 年 小児診療のコツ 羊土社 2004 年 市川光太郎(編) 小児診療基本手技マニュアル 中学医学社 総合診療ブックス 外来小児科初診の心得 21 か条 Current Pediatric Therapy, 18th ed. Saunders 2006 Nelson Textbook of Pediatrics, 17th ed. Saunders 2006 柳沢正義 著 倉辻忠俊 著 − 327 − 2006 年 2003 年 八千代医療センター小児科学選択診療科実習表 実 習 係 寺井 勝(PHS7017) 連 絡 係 寺井 勝(PHS7017) 集合場所 外来棟 4 階医師スタッフルーム 8:30 12:00 13:00 月 火 オリエンテーション(寺井) 病棟実習 担当患者の紹介、患者が抱える問題 点を把握 イブニングカンファレンス 早朝拡大カンファレンス(7:30 ∼) 病棟実習 回診、病棟実習(寺井) (前田) 小児成長・発達(林) 17:15 18:00∼19:00 イブニングカンファレンス 水 モーニングカンファレンス(8:30 ∼) 病棟実習 回診、病棟実習(平井) (白戸) 小児の診察法(武藤) 救急トリ アージ 実習 (安川) イブニングカンファレンス 木 金 モーニングカンファレンス(8:30 ∼) 病棟実習(武藤) 回診、病棟実習(本田) (安川) イブニングカンファレンス モーニングカンファレンス(8:30 ∼) 病棟実習(幸地) 回診、病棟実習(濱田) (松井) イブニングカンファレンス モーニングカンファレンス(8:30 ∼) 土 総括、討議(濱田) − 328 − 救急トリ アージ 実習 (本田) 試験日程 土曜日 時 間 場 所 担 当 者 10:00 ∼ 11:00 小児科カンファレンス室 寺 井 勝 指導医一覧表 所 属 職 名 小 児 科 発 達 小 児 科 小 児 外 科 小 児 科 〃 〃 小児集中治療科 教 授 准 教 授 〃 〃 〃 講 師 助 教 氏 名 所 属 職 名 氏 名 寺 井 勝 発 達 小 児 科 助 教 白 戸 由 理 林 北 見 小児集中治療科 講 師 安 川 久 美 幸 地 克 憲 〃 助 教 平 井 希 濱 田 洋 通 小 児 科 〃 吉 田 雅 樹 高 梨 潤 一 〃 〃 前 田 泰 宏 武 藤 順 子 〃 〃 松 井 拓 也 本 田 隆 文 − 329 − 八千代医療センター小児科(自主選択実習) 1. 一般目標 小児の急性疾患の入院治療と救急医療を特色とする八千代医療センター小児科のクラークシッ プにおいては、診療チームの一員として主体的に日常診療に参加し、小児の診察技術のみならず、 臨床現場での思考法、病児や家族との接遇も含めた医師としての臨床能力を総合的に学ぶ機会と する。 2. 実習に必要な知識 1)小児の病歴聴取法の実際 2)小児の診察技術 とくに、乳幼児の理学所見の取り方 3)小児の気管支喘息の症状、診断、治療ガイドライン 4)小児の肺炎の種類、症状、検査データ、診断、抗菌治療 5)川崎病の主要症状、診断、検査データ、標準治療 6)急性胃腸炎の原因、症状、診断、治療 7)インフルエンザ、RS 感染症など、小児の呼吸器疾患の病態、診断、標準治療 8)小児科外来における発熱、嘔吐、下痢、腹痛などを主訴とする疾患の病態と鑑別 9)小児救急外来時におけるトリアージ 3. 内容 目的: 小児の代表的な急性疾患を発症した病児、その家族と良好な人間関係と確立し、診断・ 治療に必要な情報を収集することができる。また、具体的な治療計画を提示することが できる。 特徴: 小児の救急外来で、トリアージを体験することができる。 方法: 入院棟 4 階の病棟実習および外来棟 1 階の「やちよ夜間小児急病センター」での実習を 基本とする。入院患者においては、学生と担当医および指導医が医療チームを構成し、 学生が主体的にチームの一員として、後述する到達目標を達成できるように指導する。 救急外来の現場では、トリアージ室において、小児の救急疾患の初期診療でよく遭遇す る発熱や嘔吐、下痢、腹痛を主訴に受診する小児救急疾患のトリアージを指導医ととも に実践し、トリアージ結果をフィードバックさせることで、救急現場での病歴聴取や視 診の重要性を体験する。 4. 具体的到達目標 1) 守秘義務を果たし、病児・家族の人権・プライバシーへの配慮ができる。 2) 小児の診察を適切に実践できる。 3) 検査結果について指導医に提示することができる。 4) 病児のかかえる問題点を的確に把握し、解決のための情報収集をし、指導医に提示するこ とができる。 5) 得られた情報をもとに治療計画を立案できる。 6) 小児救急医療の現場にて、適切な病歴聴取と視診をとることができる。 − 330 − 7) 上記の情報をもとに、緊急性疾患かどうかのトリアージをすることができる。 8) 節度と礼儀を守り、無断遅刻・無断欠席なく実習に参加できる。 5. 評価方法 1)自己評価 2)実習態度 3)口頭試問 6. 参考文献 森川昭広、内山 聖、 標準小児科学 第 6 版 医学書院 2006 年 原 寿郎 著 加藤裕久(主編) ベッドサイドの小児の診かた 第 2 版 南山堂 2001 年 市川光太郎、 小児科外来診療のコツと落とし穴 5 中山書店 2004 年 倉辻忠俊 著 小児診療のコツ 羊土社 2004 年 市川光太郎(編) 小児診療基本手技マニュアル 中学医学社 2006 年 総合診療ブックス 外来小児科初診の心得 21 か条 Current Pediatric Therapy, 18th ed. Saunders 2006 Nelson Textbook of Pediatrics, 17th ed. Saunders 2006 柳沢正義 著 − 331 − 2003 年 八千代医療センター小児科実習表 (自主選択実習) 実 習 係 寺井 勝(PHS7017) 連 絡 係 寺井 勝(PHS7017) 集合場所 外来棟 4 階医師スタッフルーム 1 週目 8:30 12:00 13:00 月 オリエンテーション(寺井) 病棟実習(寺井) 回診、担当患者の紹介、患者の病態、 問題点を把握 イブニングカンファレンス 18:00∼19:00 病棟実習(林) 火 早朝拡大カンファレンス (7:30 ∼ 9:00) 17:15 回診、病棟実習(寺井) 水 モーニングカンファレンス (8:30 ∼ 9:00) イブニングカンファレンス 病棟実習(林) イブニングカンファレンス 回診、病棟実習(武藤) 木 モーニングカンファレンス (8:30 ∼ 9:00) 病棟実習(安川) イブニングカンファレンス 回診、病棟実習(本田) 金 モーニングカンファレンス (8:30 ∼ 9:00) 病棟実習(幸地) イブニングカンファレンス 回診、病棟実習(濱田) 土 モーニングカンファレンス (8:30 ∼ 9:00) 回診、病棟実習(寺井、林) − 332 − 救急トリ アージ 実習 (武藤) 救急トリ アージ 実習 (本田) 救急トリ アージ 実習 (濱田) 実 習 係 寺井 勝(PHS7017) 連 絡 係 寺井 勝(PHS7017) 集合場所 外来棟 4 階医師スタッフルーム 2 週目 8:30 月 モーニングカンファレンス (8:30 ∼ 9:00) 12:00 13:00 17:15 18:00∼19:00 病棟実習(寺井) イブニングカンファレンス 回診、病棟実習(林) 病棟実習(濱田) 火 早朝拡大カンファレンス (7:30 ∼ 9:00) 回診、病棟実習(平井) 水 モーニングカンファレンス (8:30 ∼ 9:00) イブニングカンファレンス 病棟実習(林) イブニングカンファレンス 回診、病棟実習(武藤) 木 モーニングカンファレンス (8:30 ∼ 9:00) 病棟実習(安川) イブニングカンファレンス 回診、病棟実習(本田) 金 モーニングカンファレンス (8:30 ∼ 9:00) 病棟実習(幸地) イブニングカンファレンス 回診、病棟実習(濱田) 土 モーニングカンファレンス (8:30 ∼ 9:00) 回診、病棟実習(寺井、林) − 333 − 救急トリ アージ 実習 (武藤) 救急トリ アージ 実習 (白戸) 救急トリ アージ 実習 (本田) 実 習 係 寺井 勝(PHS7017) 連 絡 係 寺井 勝(PHS7017) 集合場所 外来棟 4 階医師スタッフルーム 3 週目 8:30 月 モーニングカンファレンス (8:30 ∼ 9:00) 12:00 13:00 17:15 18:00∼19:00 病棟実習(寺井) イブニングカンファレンス 回診、病棟実習(林) 病棟実習(林) 火 早朝拡大カンファレンス (7:30 ∼ 9:00) 回診、病棟実習(平井) (前田) 水 モーニングカンファレンス (8:30 ∼ 9:00) イブニングカンファレンス 病棟実習(林) イブニングカンファレンス 回診、病棟実習(武藤) (白戸) 木 モーニングカンファレンス (8:30 ∼ 9:00) 病棟実習(武藤) イブニングカンファレンス 回診、病棟実習(本田) (安川) 金 モーニングカンファレンス (8:30 ∼ 9:00) 病棟実習(幸地) イブニングカンファレンス 回診、病棟実習(濱田) (松井) 総括・討議(寺井) 土 − 334 − 救急トリ アージ 実習 (安川) 救急トリ アージ 実習 (本田) 救急トリ アージ 実習 (濱田) 試験日程 最終金曜日 時 間 場 所 担 当 者 17:00 ∼ 18:00 小児科カンファレンス室 寺 井 勝 指導医一覧表 所 属 職 名 小 児 科 発 達 小 児 科 小 児 外 科 小 児 科 〃 〃 小児集中治療科 教 授 准 教 授 〃 〃 〃 講 師 助 教 氏 名 所 属 職 名 氏 名 寺 井 勝 発 達 小 児 科 助 教 白 戸 由 理 林 北 見 小児集中治療科 講 師 安 川 久 美 幸 地 克 憲 〃 助 教 平 井 希 濱 田 洋 通 小 児 科 〃 吉 田 雅 樹 高 梨 潤 一 〃 〃 前 田 泰 宏 武 藤 順 子 〃 〃 松 井 拓 也 本 田 隆 文 − 335 − 八千代医療センター救急科・集中治療部 1. 一般到達目標 救急患者に対して、医師として必須の態度と知識を持ってチーム医療を行い、かつ治療の基本 的手技を遂行することができる。そして医療チームの一員として基本的患者管理を実践し、治療 経過を説明、記録することができる。 2. 実習のために必要な知識 ①呼吸・循環に関する生理学 ②心肺蘇生法 ③バイタルサインおよび症候からの診断学 ④外傷初療 ⑤大災害におけるトリアージ 3. 実習内容 ①救急患者診療について 1)ガイダンス ガイダンスにて日本版救急蘇生ガイドライン、外傷初期診療ガイドラインを提示し、これ らの自主学習を促す。 2)シミュレーション実習 a. 気道確保…レサシアンなどを用いて、用手気道確保、バッグバルブマスクを用いた人工 呼吸、気管挿管を行う。 b. BLS、ACLS、外傷初療…患者シミュレーターを用い、モニター、除細動器を使用する ことで実践的な実習を行う。リーダー医師、看護師、救急救命士などの役割分担を通し て、チーム医療の中での各自の役割を理解し、特にリーダー医師として的確な指示を出 すことができるようにする。外傷初療においては、primary survey、secondary survey を確実に施行できるようにする。 3)実地 a. 救急外来において救急患者の診療に参加する。救急外来担当医の指導の下、CPA 患者 に対して人工呼吸や胸骨圧迫、薬剤投与などを行う。また外傷患者に対しては、担当医 の指示に従う。 b. 朝 8 時からの救急カンファレンスに参加し、前日夜間の救急患者の振り返りを通して、 様々な対応法について理解を深める。 ② ICU 患者管理について 1)ガイダンス ガイダンスにて ICU での受け持ち患者を決定する。血液ガス分析、輸液栄養管理、人工呼 吸管理などに関する参考書を提示し、自主学習を促す。 2)実地 a. 担当患者の全身状態を把握し内容を記録、また日々の輸液オーダーや各種検査オーダー などをカンファレンスで提案する。必要に応じて ICU 担当医の指導のもと受け持ち患 者の動脈ラインからの採血を行い、同時に血液ガス分析器での測定を行う。その他身体 − 336 − 診察、血液ガス分析などの結果を総合して呼吸状態の把握を行い、投与酸素濃度や人工 呼吸器の条件を検討する。同時に循環動態の把握を行い、ICU 担当医の指導のもと循 環管理を実践する。理学的所見を取る際などにおいて、患者に対し医師としての必須の 態度を持って臨むことを実践させる。また家族への病状説明に同席し、終了後に内容に 対するディスカッションを行う。 b. ナーシングケアに参加し、ICU 看護師の指導のもと全身清拭、体位変換、肺理学療法 を介助する。これによりチーム医療を実践し、他職種とのコミュニケーションを円滑に 行うことができるようにする。 c. 原則 16 時から educational round を行い、そこで受け持ち患者の呼吸状態、循環動態、 重症度を報告する。これを全員でディスカッションすることで受け持ち以外の患者の病 態についても理解を深める。指導医は記録内容をチェックし、理解を深めるべき内容に ついて助言、その後の自主学習を促す。また前日までに課された自主学習内容について 発表することで、全員で理解を深める。 d. 朝・夕の ICU カンファレンスに出席し ICU 入室患者の治療方針について把握するとと もに、他科とのかかわりや他職種との連携について見学する。 4. 具体的到達目標 ①救急医療におけるチーム医療の重要性を理解し、他職種のスタッフとも良好なコミュニケー ションを図ることができる。 ②心肺蘇生法が実戦出来、またリーダー医師として的確な指示を出すことができる。 ③外傷初療の流れを理解し、実戦出来る。 ④重症患者の全身状態を把握し、的確に報告できる。 5. 評価方法 ①救急患者診療について 1)心肺蘇生、外傷初療:患者シミュレーターを用いて CPA 患者の治療や外傷初療を行い、 これを評価表を用いて総合的に評価する。 (20%) 2)救急外来:医療チームの一員として適切な役割を果たしたかどうか、最終日に 5 段階で 評価する。 (20%) ② ICU 患者管理について 1)Educational Round:呼吸状態、循環動態、重症度の把握が的確に行われ、適切な記録、 適切な輸液・検査オーダーの提案ができたかどうか、的確なプレゼンテーションができ たかどうかなどを、指導医が 5 段階で評価する。 (20%) 3)チーム医療:受け持ち患者の担当看護師とも協議の上、 医師として適切な態度を持ってチー ム医療に参加していたかどうかを最終日に 5 段階で評価する。 (20%) 4)レポート提出:実習における経験、感想をまとめて提出する。 (20%) 6. 参考図書 教科書 「標準救急医学」日本救急医学会監修、医学書院 「集中治療医学」日本集中治療医学会編、秀潤社 参考書 「Intensive Care Medicine 5th ed.」Rippe JM, et.al eds. Little, Brown and Company, − 337 − Boston 「AHA 心肺蘇生と救急心血管治療のためのガイドライン 2010 日本語版」American Heart Association, Inc., 中山書店 「救急蘇生法の指針(医療従事者用) 」日本救急医療財団心肺蘇生法委員会監修、へ るす出版 「 [改訂第 4 版]外傷初期診療ガイドライン JATEC」日本外傷学会・日本救急医学会 監修、へるす出版 − 338 − 八千代医療センター救急科実習表 実 習 係 貞廣智仁(PHS7710) 連 絡 係 廣瀬陽介(PHS7024) 集合場所 入院棟 2 階 ICU カンファレンスルーム 8:00∼12:00 月 救急カンファ、ICU 朝カンファ (全スタッフ) ガイダンス(貞廣、桑澤) 救急外来、ICU 実習(当日担当医) 13:00∼17:00 救急外来、ICU 実習(当日担当医) ICU 夕カンファ(全スタッフ) 救急外来、ICU 実習 Educational round(貞廣) ICU 夕カンファ 救急カンファ、ICU 朝カンファ シミュレーション(心肺蘇生)実習 (湯澤) 救急外来、ICU 実習 救急外来、ICU 実習 Educational round(桑澤) ICU 夕カンファ 救急カンファ、ICU 朝カンファ シミュレーション(外傷初療)実習 (貞廣) 救急外来、ICU 実習 救急外来、ICU 実習 Educational round(貞廣) ICU 夕カンファ 火 救急カンファ、ICU 朝カンファ 気道確保、気管挿管実習(廣瀬) 救急外来、ICU 実習 水 木 金 救急カンファ、ICU 朝カンファ 救急外来、ICU 実習 17:00∼23:00 救急外来、ICU 実習 Educational round(桑澤) ICU 夕カンファ 希望により 夜間実習 *期間中、希望に応じて金曜日(救急 2 次当番日)に夜間実習を行います。主に救急外来の患者 に対応します。さらに希望があれば土曜日、 日曜日(ともに救急 2 次当番日)の自主参加(日中、 夜間どちらでも)も歓迎します。 − 339 − 指導医一覧表 所 属 救 急 〃 〃 〃 〃 職 名 科 准 教 授 助 教 医 員 〃 〃 氏 名 所 属 職 名 氏 名 貞 廣 智 仁 歯 科 口 腔 外 科 准 教 授 桑 澤 隆 補 廣 瀬 陽 介 木 村 友 則 河 野 貴 史 小 口 萌 − 340 − 八千代医療センター眼科 1. 一般到達目標 八千代医療センター眼科における実習の目標の第一は、医師として要求される最も基本的な知 識、技能、態度を習得して、全人的診療を行う習慣を身につけることです。これは全ての診療科 に共通する重要な目標であると考えられます。 第二の目標は、眼疾患に慣れ親しみ、眼科に興味を持ってもらうことです。眼科では目に特有 な眼疾患を対象とするとともに、全身疾患に関連する疾患も少なくありません。また、内科や外 科などと異なり、眼科特有の自科検査が多数あり、複雑でわかりにくいという印象があるかもし れません。実習を通じて、さまざまな眼疾患の病態を理解し、検査の意義や治療の適応や方法に ついて知ってもらいたいと考えています。 第三の目標は患者の気持ちを理解して、眼科医としての使命を認識することです。日常生活や 社会生活を行う上で、外界からの情報収集の約 80%は視覚を通して行なわれています。視力低下 や視覚を失うことへの恐怖、不安、苦痛は大変大きいことを、実際に患者に接して理解してもら いたいと考えています。患者の心痛、家族の悩みや悲しみを理解して、受け入れた上で、医師と しての立場から援助と支援が必要なことを学びましょう。 2. 実習に必要な知識 実習を開始する前に、ブロック 4 で学んだ講義ノートをおさらいすることをお勧めします。全 身疾患と異なり眼に特有の疾患や検査が多いので、以下の事項について学習して下さい。 眼球と眼球付属器の構造と機能 基本的眼科検査:視力、屈折、細隙灯顕微鏡、眼圧、眼底、視野など 眼疾患の種類と病態:眼瞼、角膜、結膜、ぶどう膜、網膜、視神経、眼窩、眼球運動など 眼疾患の治療:薬物治療(点眼、内服) 、レーザー治療、手術など 3. 実習内容 眼科は独自の自科検査が多いため、出来るだけ多くの眼科検査を見てもらうとともに、実際に 検査する機会を与えます。外来診療を通して診療の実際に触れるとともに、視覚障害の問題点、 必要な検査、さらに診断や治療などについて考える機会を設け、自ら解決する能力を養います。 また、レーザー治療や手術の実際について直接見てもらって、治療の意義や具体的な方法につい て学びます。さらに、患者と医療スタッフとのコミュニケーションの重要性について認識して、 チーム医療の重要性やそのシステムについて理解します。 自主選択実習(クラークシップ)においては、学生の能力に応じて、指導、監視のもとに医療 行為を拡大して、臨床経験を充実させます。学生からの意見や希望を取り入れ、有意義な臨床実 習が行なえるように、真摯な指導を行ないます。 4. 具体的到達目標(学生が指導医の指導・監督の下に行える医療行為の範囲) 1)眼科診療技術の習得 (1) 指導医の指導・監視の下に学生に実施させるもの 視力検査、細隙灯顕微鏡検査、眼底検査、眼位・眼球運動検査、瞳孔反応、輻輳と開散、 眼脂検査。 − 341 − (2) 状況によっては学生が実施できるもの 眼底撮影、視野検査、調節と屈折検査、角膜形状解析。 (3) 介助、見学させるもの 眼圧検査、隅角鏡検査、画像診断(超音波検査、光干渉断層計) 、蛍光眼底造影、電気 。 生理学的検査(ERG) 、網膜閾値検査(MP−1) 2)眼科治療技術の習得 (1) 指導医の指導・監視の下に学生に実施させるもの 点眼。 (2) 状況によっては学生が実施できるもの 手術の手洗い・助手。 (3) 介助見学にとどめるもの 睫毛抜去、球結膜下注射、テノン嚢下注射、光凝固療法。 手術:外来手術として霰粒腫、麦粒腫の切開摘出、睫毛内反、結膜弛緩症、翼状片。 入院手術としては白内障、斜視、緑内障、網膜剥離、硝子体手術。 ここにあげた外来および入院手術で実習期間内に見学できなかったものについては DVD で学ぶか、手術書で手順をおぼえることになります。 手術室における態度、マナー清潔と不潔の概念、患者との接し方や思いやり、医師と 他の医療スタッフとの役割分担・コミュニケーションなどについて学びます。 3)重要眼疾患の習得(日常外来で経験できる疾患) 結膜疾患:結膜弛緩症、翼状片、流行性角結膜炎、アレルギー性結膜炎、細菌性結膜炎など 角膜疾患:乾性角結膜炎、細菌性角膜炎、角膜ヘルペス、コンタクトレンズ障害、角膜潰瘍、 角膜変性症、角膜異物など ぶどう膜疾患:ベーチェット病、サルコイドーシス、原田病など 網膜疾患:糖尿病網膜症、網膜静脈閉塞症、網膜動脈閉塞症、高血圧眼底、加齢黄斑変性、 未熟児網膜症、中心性脈絡網膜症、網膜色素変性、網膜剥離など 視神経疾患:うっ血乳頭、視神経炎、視神経萎縮など 白内障:老人性白内障、先天性白内障、後天性白内障、併発白内障、外傷性白内障、放射 線白内障など 緑内障:原発緑内障(閉塞隅角、開放隅角) 、正常眼圧緑内障、ステロイド緑内障、ポスナー・ シュロスマン症候群、続発緑内障など 眼外傷 選択科実習としての到達目標 コア診療科実習では十分に行えなかった到達目標にあげられている疾患、検査、治療など を経験します。 自主選択実習としての到達目標 診療・医療チームの一員として眼科診療や手術に参加して、指導医の監督の下に実際の医 療を幅広く経験します。 眼科重要疾患の症候、診断と治療を十分に説明できるようにします。 興味のある疾患を最新情報まで踏み込んで深く学習します。 全身疾患との関連性について、内科などとの連携を含んで学習します。 − 342 − 5. 評価方法について 1)実習期間中:指導医のそれぞれが評価を行い、学生も自己評価表を提出します。実習中に 経験した技能や病名を毎日記載し、指導医の検印を受けます。 2)最終テスト:眼科学講義終了時の卒試に該当する口答出題を行い、学生に自分自身を現実 に評価するチャンスを与え、さらに次の目標に向かう参考にさせます。 6. 参考図書 丸尾敏夫他編集 眼科学 文光堂 2002 田野保雄他編集 眼科プラクティス 文光堂 2006 田野保雄他編集 今日の眼疾患治療指針 医学書院 2007 小口芳久他編集 眼科検査法ハンドブック 医学書院 2005 松村美代他編集 眼科マイクロサージェリー エルセビア・ジャパン 2005 眼科診療プラクティス編集委員会 眼科診療ガイド 文光堂 2004 眼科診療プラクティス編集委員会 眼科検査ガイド 文光堂 2004 眼科診療プラクティス編集委員会 眼科薬物治療ガイド 文光堂 2004 大野重昭他編集 ぶどう膜炎 医学書院 1999 井上幸次他編集 角膜クリニック 医学書院 2005 小口芳久編集 小児眼科 ABC 日本医事新報社 2003 丸尾敏夫他編集 斜視と眼球運動異常 文光堂 2002 − 343 − 八千代医療センター眼科選択診療科実習表 実 習 係 舩津英陽(PHS7037) 集合場所 八千代医療センター外来棟 4 階医療局 集合時間 月曜日午前 8 時 20 分 外 来 八千代医療センター外来棟 3 階 手 術 室 八千代医療センター入院棟 2 階 8:30 12:00 13:00 14:00 17:00 眼科検査とその実習(青木、高橋、川上) 蛍光眼底造影(青木、高橋、川上) 手術見学(舩津) 手術見学(舩津) 視野検査、電気生理学的検査(青木) 黄斑機能検査(高橋) 未熟児網膜症の診療見学(豊口) 月 教授の診療見学(舩津) 火 斜視弱視外来の診療見学 (青木、高橋、川上) 各指導医の診療見学(茂田) 蛍光眼底造影(高橋、青木、川上) 画像診断、電気生理学的検査 (青木、高橋、川上) 教授の診療見学(舩津) 各指導医の診療見学(茂田) 手術見学(舩津) 視野検査、電気生理学的検査 (青木、高橋、川上) 黄斑機能検査(青木、高橋、川上) 水 クルズス(10:00 ∼)(舩津) 木 金 テスト(9:30 ∼ 10:30)(舩津) 土 − 344 − 八千代医療センター眼科実習表 (自主選択実習) 実 習 係 舩津英陽(PHS7037) 集合場所 八千代医療センター外来棟 4 階医療局 集合時間 月曜日午前 8 時 20 分 外 来 八千代医療センター外来棟 3 階 手 術 室 八千代医療センター入院棟 2 階 8:30 12:00 13:00 14:00 17:00 眼科検査とその実習(青木、高橋、川上) 蛍光眼底造影(青木、高橋、川上) 手術見学(舩津) 手術見学(舩津) 視野検査、電気生理学的検査(青木) 黄斑機能検査(高橋) 未熟児網膜症の診療見学(豊口) 月 教授の診療見学(舩津) 火 斜視弱視外来の診療見学 (青木、高橋、川上) 各指導医の診療見学(茂田) 蛍光眼底造影(高橋、青木、川上) 画像診断、電気生理学的検査 (青木、高橋、川上) 教授の診療見学(舩津) 各指導医の診療見学(茂田) 手術見学(舩津) 視野検査、電気生理学的検査 (青木、高橋、川上) 黄斑機能検査(青木、高橋、川上) 水 クルズス(10:00 ∼)(舩津) 木 金 クルズス(10:00 ∼ 12:00)(舩津) 土 − 345 − 試験日程 土曜日 時 間 場 所 担 当 者 9:30 ∼ 10:30 眼科カンファレンス室 舩 津 英 陽 指導医一覧表 所 属 眼 〃 職 名 氏 名 科 教 授 舩 津 英 陽 眼 准 講 師 豊 口 光 子 − 346 − 所 属 職 名 氏 名 科 助 教 茂 田 今日子 八千代医療センター母体胎児科・婦人科 1. 一般到達目標 母体胎児科(産科) :妊娠、分娩は女性特有の生理的営みであり、妊娠期間を通して、あるい は分娩時に起こるダイナミックな変化を把握する。母体とともにもう一方の主役である胎児の発 育、生理、疾病を学ぶ。周産期母子医療センターでの実習により、様々な産科異常や妊娠合併症 に触れ、分娩は生命の危険を伴う異常事態へ常に移行するかもしれない現象で産科医療は救急医 療でもあることを体感する。母体や新生児の観察から、母と子の絆に触れる。 婦人科:女性性機能の発達と加齢による変化を学ぶ。内外女性器の機能的、器質的異常を学び、 それを抱える患者さんの身になった治療方法の選択肢を考える。女性の生涯にわたる健康を支持 する婦人科の役割を認識する。 2. 実習に必要な知識 以下の各項目の概要を復習しておく。 1) 下腹部・骨盤内の臓器、動静脈・神経の走行などの解剖学的知識 2) 正常妊娠に伴う母体の変化、正常分娩の経過 3) おもな異常妊娠の診断と管理(流早産、子宮外妊娠、胞状奇胎、妊娠高血圧症候群、常位 胎盤早期剥離、前置胎盤、羊水過多・過少、多胎妊娠、胎児発育異常、胎児形態異常など) 4) おもな合併症妊娠の管理と治療(子宮筋腫、卵巣嚢腫、心疾患、糖尿病、血液疾患、甲状 腺疾患、腎疾患など) 5) 帝王切開術、鉗子分娩・吸引分娩の適応と要約 6) おもな産科異常の管理と処置(前期破水、分娩時出血、微弱陣痛、胎児機能不全、出血性 ショック、DIC など) 7) 産婦人科感染症の診断と治療 8) 月経異常の診断と治療 9) 不妊症の検査 10) 良性・悪性婦人科腫瘍の診断と治療 11) 性器の位置異常(子宮下垂・脱、腟脱)の治療 12) 避妊法 13) 更年期障害 3. 内容 外来実習 1)母体胎児科外来 妊娠週数、分娩予定日の確認をおこなう。 妊婦健診・産褥健診の見学をする。経過が正常であるか確認する。 既往歴、現病歴などから問題点を指摘し、またハイリスク妊娠を抽出し、必要な検査を計画 する。他科依頼を含めて管理計画を立てる。 指導医の指導・監視の下で腹囲・子宮底長計測、胎児心拍確認、外診、経腹・経腟超音波検査、 腟分泌物鏡検、ノンストレステストなどを行い、結果を評価する。 血液、他検体検査の結果を評価する。X 線骨盤計測の結果を評価する。 − 347 − 診察の結果を指導医とともに妊婦に説明する。 2)婦人科外来 指導医とともに問診を行い、診断に必要な検査、鑑別診断をあげ、指導医と協議して検査計 画を立てる。 診察結果の評価を行い、その後の検査、治療の計画を立てる。治療の選択肢を検討する。 妊娠週数の推定、経腹経腟超音波検査、MRI・CT 検査、血液尿検査、細菌学的検査、細胞診・ 組織診結果等の解釈を行う。 入院申し込み、術前検査、手術申し込み、手術内容の概要説明、入院期間の説明などを指導 医とともに行う。 指導医とともに診察の結果を患者にわかりやすく説明する。 3)超音波外来 超音波胎児スクリーニングを見学する。 羊水、胎盤、臍帯、胎児諸臓器の正常所見を確認する。 胎児異常疑い例の異常所見を確認する。必要により新生児科医、循環器小児科医、小児外科 医とともに超音波所見を確認する。 病棟実習 1)MFICU 救急母体搬送症例の受け入れを指導医とともに行う。 既往歴、現病歴を問診または書面より得て、問題点を抽出し、検査・管理・治療計画を立てる。 指導医とともに経腹経腟超音波検査を行う。 胎児状況、母体状況の変化から、適切な分娩の時期と方法について指導医と協議する。 2)LDR 分娩進行を把握し、見通しを立てる。正常経過であるか評価する。 必要時指導医とともに内診し、分娩進行の評価を行う。 胎児心拍数陣痛図モニタリングの正常所見を確認する。異常の有無を評価する。 産科異常を見い出し、対処法を計画し、指導医とともに対処する。 分娩時裂傷縫合などの助手を行う。 産婦と良好なコンタクトを得る。 3)産褥診察 産褥期の子宮復古、悪露、乳汁分泌、会陰創部の状態を観察する。 4)新生児診察 正常新生児の新生児科医師による診察を見学する。指導医とともに一部を行う。 5)NICU NICU(neonatal ICU) 、GCU(growing care unit)の見学を通し、新生児未熟児医療の実際 に触れる。 6)婦人科 入院時の一般病歴問診、一般診察、入院目的・問題点の整理を行う。 指導医とともに術前診察を行う。指導医とともに超音波検査を行う。 手術目的の患者については、選択術式の確認、術前検査結果の確認を指導医とともに行う。 手術のインフォームド・コンセントを得るために必要な情報をそろえる。指導医とインフォー − 348 − ムド・コンセントの場に同席する。 手術にあたり必要な解剖学的知識を復習し、手術には助手として参加する。 術後経過を観察し異常がないか評価する。 化学療法など薬物治療の患者については、使用薬剤の種類と量、投与期間について指導医と 協議する。 7)手術室 指導医とともに術前の診察(内診)を行う。 担当する患者の手術には助手として積極的に参加する。 摘出臓器の部位、病変部位の指摘を行う。指導医による患者家族への説明に同席する。 8)カンファレンス、症例検討会、勉強会 病棟症例検討会、ペリネイタルカンファレンスに参加し、担当患者の問題点、治療法、今後 の方針につき要領よくまとめたプレゼンテーションを行う。 勉強会・抄読会に参加する。 4 具体的到達目標 外来実習 4)母体胎児科外来 妊娠週数、分娩予定日の確認法を理解している。 妊婦健診を通して経過が正常であるか評価できる。 問題点を指摘し、またハイリスク妊娠を抽出し、必要な検査を計画できる。妊娠娩管理計画 を立てられる。 腹囲・子宮底長計測、胎児心拍確認、外診、経腹・経腟超音波検査、腟分泌物鏡検、ノンス トレステストが行える。 診察結果を妊婦に説明できる。 助産師の行う妊婦褥婦への保健指導を理解する。 5)婦人科外来 問診を行い、診断に必要な検査、鑑別診断をあげ、検査計画を立てることができる。 診察結果の評価を行い、その後の検査、治療の計画を立て、治療の選択肢を検討することが できる。 妊娠週数の推定、経腹・経腟超音波検査、MRI・CT 検査、血液尿検査、細菌学的検査、細胞診・ 組織診、内分泌・不妊症検査、不育症検査などの結果の評価ができる。 ホルモン療法(HRT 含む)を理解する。 6)超音波外来 超音波胎児スクリーニングの意義、出生前の診断の意義、検査の性質、わかることの限界な どにつき理解する。 先天性胎児異常の超音波診断上の所見などを理解する。 胎児異常が発見された妊婦への説明、診断後の管理計画などのフォローの重要性を理解する。 病棟実習 9)MFICU 既往歴、現病歴を問診または書面より得て、問題点を抽出し、検査・管理・治療計画を立て − 349 − ることができる。 胎児状況、母体状況の変化から、何を指標にして、分娩の時期と方法を考えたらよいか考え られる。 適切な分娩の時期について検討できる。 NICU、手術室麻酔科、小児外科などとの相互状況連絡の重要性につき理解する。 10)LDR 分娩進行を把握し、見通しをたてられる。正常経過であるか判断できる。 胎児心拍数陣痛図モニタリングの正常所見が言える。異常を指摘できる。 産科異常を見い出し、対処法を計画できる。 助産師の役割につき認識する。 産婦と良好なコミュニケーションがとれる。 11)産褥診察 正常な産褥期の子宮復古、悪露、乳汁分泌、会陰創部の状態、母体の変化について理解する。 母児同室、母乳育児の推奨の方針を通して母児の愛着形成の過程を理解する。 12)新生児診察 正常新生児の示す正常診察所見を理解する。 正常であることをチェックするための診察法の minimum requirement を身につける。 13)NICU 早産未熟児のもつ特性を理解し、新生児医療の必要性を認識する。 14)婦人科 入院目的・問題点の整理ができる。 手術目的の患者については、選択術式の確認、術前検査結果の確認ができる。 手術のインフォームド・コンセントを得るために必要な情報をそろえることができる。 手術にあたり必要な解剖学的知識を復習し、手術には助手として参加する。 術後経過を観察し異常がないか評価できる。 化学療法など薬物治療の患者については、適切な使用薬剤の種類と量、投与期間について述 べることができる。 15)手術室 担当した患者の手術に助手として積極的に参加する。 摘出臓器の部位、病変部位の指摘を行える。病変の肉眼所見を理解する。 16)カンファレンス、症例検討会、勉強会 担当患者の問題点、治療法、今後の方針につき要領よくまとめたプレゼンテーションを行える。 ディスカッションに参加できる。 勉強会・抄読会に参加する。 5. 評価方法 ・実習態度 ・担当した患者のレポートを作成し症例提示を行い、その内容、その他についての口頭試問を 受ける。 − 350 − 6. 参考図書 NEW 産婦人科学(矢嶋 聰、中野仁雄 編) 臨床エビデンス産科学(佐藤和雄、藤本征一郎 編) NEW エッセンシャル産科学・婦人科学(池ノ上 克、鈴木秋悦 編) プリンシプル産科婦人科学(産科編、婦人科編) など − 351 − 八千代医療センター母体胎児科・婦人科実習表 実習連絡係 正岡直樹(PHS7123) 学生 A(1, 3 週) 、学生 B(2, 4 週) 午前 8:45∼ 12:00 13:00 午後 病棟、LDR、MFICU 超音波外来 月 モーニ ングカ ンファ レンス 火 モーニ ングカ ンファ レンス 手術/ 病棟、LDR、MFICU 手術/ 病棟、LDR、MFICU 婦人科外来 病棟、LDR、MFICU 水 モーニ ングカ ンファ レンス 母胎科外来 木 モーニ ングカ ンファ レンス 金 モーニ ングカ ンファ レンス 手術/ 病棟、LDR、MFICU NICU (近藤) 手術/ 病棟、LDR、MFICU 病棟、LDR、MFICU 土 − 352 − 17:00∼ ペリネイタル カンファレンス 症例検討会、 勉強会 八千代医療センター母体胎児科・婦人科実習表 実習連絡係 正岡直樹(PHS7123) 、坂井昌人(PHS7057) 学生 A(2, 4 週) 、学生 B(1, 3 週) 午前 8:45∼ 12:00 13:00 午後 婦人科外来 病棟、LDR、MFICU 月 モーニ ングカ ンファ レンス 火 モーニ ングカ ンファ レンス 手術/ 病棟、LDR、MFICU 手術/ 病棟、LDR、MFICU 母胎科外来 病棟、LDR、MFICU 水 モーニ ングカ ンファ レンス 病棟、LDR、MFICU 母胎科外来 木 モーニ ングカ ンファ レンス 金 モーニ ングカ ンファ レンス 手術/ 病棟、LDR、MFICU 手術/ 病棟、LDR、MFICU 病棟、LDR、MFICU 土 − 353 − 17:00∼ ペリネイタル カンファレンス 症例検討会、 勉強会 試験日程 日 時 間 場 所 担 当 者 最終週の土曜日 9:00 ∼ 10:00 母体胎児科カンファレンスルーム 正岡直樹または 中島義之 指導医一覧表 所 属 職 名 氏 名 所 属 職 名 氏 名 母体胎児科・婦人科 教 授 正 岡 直 樹 母体胎児科・婦人科 准 講 師 中 島 義 之 指導医一覧表 所 属 新 生 児 職 名 氏 名 所 属 職 名 氏 名 科 教 授 近 藤 乾 初日集合 八千代医療センター入院棟守衛室で入構許可を得た後 8:30 に入院棟 3 階 MFICU スタッフス テーションに集合 連絡先 母体胎児科 正岡直樹(PHS7123) − 354 − 八千代医療センター麻酔科 1. 一般到達目標 1)麻酔および周術期全身管理、ICU での重症患者管理、産科麻酔および周産期母胎管理、お よびがん患者の緩和医療の実際を理解できる。 2)看護師、助産師、臨床工学技士、放射線技師、薬剤師、事務員などのコメディカルと良好 な関係を築くことができる。 3)周術期、集中治療など比較的短期間の患者との関わりの中で、医学生として患者および家 族から信頼を得ることができる。 4)周辺領域として、新生児重症治療、放射線血管内治療の実際を理解する。 2. 実習に必要な知識 1)麻酔関連薬(循環作動薬を含む)の薬理学、麻酔器の構造、麻酔モニターの種類 2)集中治療におけるモニタリング 3)呼吸循環生理 4)重症患者の全身管理法(中枢神経、呼吸、循環、代謝) 5)妊娠に伴う生理的変化、帝王切開術の適応、無痛分娩法 6)がんに伴う心理状態と生理的変化、がん苦痛緩和に用いられる薬剤と療法 3. 実習内容 1)麻酔管理(周術期管理を含む) 2)ICU での重症患者全身管理 3)ハイリスク妊婦管理と帝王切開術、無痛分娩 4)がん患者の緩和医療 5)周辺領域(新生児重症治療、放射線血管内治療) 4. 具体的到達目標 4−3)自主選択実習としての到達目標 a. 手術室での麻酔 (1)術前回診でカルテおよび患者から麻酔計画に必要な情報を得ることができる。 (2)得られた情報から麻酔計画を立て、提示することができる。 (3)基本的な麻酔法(全身麻酔、硬膜外麻酔、くも膜下脊椎麻酔、末梢神経ブロック法) の適応を説明できる。 (4)麻酔の基本的手技(気管挿管、静脈路確保、動脈ライン、中心静脈圧測定など)のや り方と意味を説明できる。 (5)麻酔中に起こる全身状態(中枢神経、呼吸、循環、代謝)の変動に対して適切な対処 法を挙げることができる。 (6)術後回診でカルテおよび患者から術後全身状態の変動を把握し、説明できる。 b. 集中治療 (1)ICU 患者の全身状態(中枢神経、呼吸、循環、内分泌、代謝)の問題を把握し、説明 することができる。 − 355 − (2)ICU 患者の全身状態の問題に対する治療法を挙げることができる。 (3)ICU 患者で行われているモニタリングの意味を説明できる。 c. 産科麻酔 (1)ハイリスク妊婦の問題点を回診(カルテ、患者)から得ることができる。 (2)ハイリスク妊婦の問題点に対する治療法を提示できる。 (3)帝王切開術(予定、緊急)の適応と、麻酔法の選択を提示できる。 (4)無痛分娩の適応と方法を説明できる。 d. 緩和医療 (1)関係スタッフと共に同席し緩和医療を行っている患者とコミュニケーションを取るこ とができる。 (2)緩和医療を必要とするがん患者の問題点(肉体的、心理的、社会的)を把握し、指導 医と関係スタッフに提示できる。 (3)問題点に対する対処法を関係スタッフと議論することができる。 e. 周辺領域 (1)低出生体重児、未熟児における問題点を提示できる。 (2)放射線血管内治療が必要な急性または慢性疾患あるいは病態を説明できる。 5. 評価方法 自己評価 実習態度(出席率を含む) 口頭試問 6. 参考図書 熊澤光生、他 標準麻酔科学 第 5 版 医学書院 2006/6 日本集中治療学会 集中治療医学 秀潤社 2001/5 照井克生 硬膜外無痛分娩 南山堂 2006/5 日本緩和医療学会 がん疼痛治療ガイドライン 真興交易 2007/7 − 356 − 八千代医療センター麻酔科実習表 (自主選択実習) 実 習 係 佐藤二郎(7033) 連 絡 係 齊藤祐司(7572) 集合場所 入院棟 2 階、中央手術室内麻酔科医室 第1週 月 麻酔科学実習総論(佐藤) 院内説明(手術室、ICU、 総合周産期センター、病棟) 麻酔症例、ICU、産科麻酔、緩和医療 perinatal conference (佐藤、齊藤) 麻酔症例、ICU、産科麻酔、緩和医療(佐藤、齊藤) 火 麻酔症例、ICU、産科麻酔、緩和医療(佐藤、齊藤) 水 麻酔症例、ICU、産科麻酔、緩和医療(佐藤、齊藤) 木 麻酔症例、ICU、産科麻酔、緩和医療(佐藤、齊藤) 金 第 1 週のまとめ(佐藤、齊藤) 土 − 357 − journal club 八千代医療センター麻酔科実習表 (自主選択実習) 実 習 係 佐藤二郎(7033) 連 絡 係 齊藤祐司(7572) 集合場所 入院棟 2 階、中央手術室内麻酔科医室 第2週 麻酔症例、ICU、産科麻酔、緩和医療(佐藤、齊藤) 月 perinatal conference 麻酔症例、ICU、産科麻酔、緩和医療(佐藤、齊藤) 火 麻酔症例、ICU、産科麻酔、緩和医療(佐藤、齊藤) 水 木 麻酔症例、ICU、産科麻酔、緩和医療(佐藤、齊藤) NICU または IVR(NICU または IVR 医師) 金 麻酔症例、ICU、産科麻酔、緩和医療(佐藤、齊藤) NICU または IVR(NICU または IVR 医師) 第 2 週のまとめ(佐藤、齊藤) 土 − 358 − journal club 八千代医療センター麻酔科実習表 (自主選択実習) 実 習 係 佐藤二郎(7033) 連 絡 係 齊藤祐司(7572) 集合場所 入院棟 2 階、中央手術室内麻酔科医室 第3週 月 麻酔症例、ICU、産科麻酔、緩和医療(佐藤、齊藤) NICU または IVR(NICU または IVR 医師) 火 麻酔症例、ICU、産科麻酔、緩和医療(佐藤、齊藤) NICU または IVR(NICU または IVR 医師) perinatal conference 水 麻酔症例、ICU、産科麻酔、緩和医療(佐藤、齊藤 NICU または IVR(NICU または IVR 医師) 木 麻酔症例、ICU、産科麻酔、緩和医療(佐藤、齊藤) NICU または IVR(NICU または IVR 医師) 金 麻酔症例、ICU、産科麻酔、緩和医療(佐藤、齊藤) NICU または IVR(NICU または IVR 医師) 第 3 週のまとめと試験(佐藤、齊藤) 土 − 359 − journal club 試験日程 日 時 間 場 所 担 当 者 第 3 週土曜日 9:00 ∼ 10:30 手術室カンファレンス室 佐藤、齊藤 指導医一覧表 所 属 麻 酔 〃 職 名 氏 名 科 教 授 佐 藤 二 郎 麻 准 教 授 齊 藤 祐 司 − 360 − 所 属 酔 〃 職 名 氏 名 科 助 教 篠 原 彩 子 〃 田 中 敦 子 八千代医療センター麻酔科選択診療科 1. 一般到達目標 1)麻酔および周術期全身管理、ICU での重症患者管理、産科麻酔および周産期母胎管理、お よびがん患者の緩和医療の実際を理解できる。 2)看護師、助産師、臨床工学技士、放射線技師、薬剤師、事務員などのコメディカルと良好 な関係を築くことができる。 3)周術期、集中治療、周産期など短期間の患者との関わりの中で、医学生として患者および 家族から信頼を得ることができる。 2. 実習に必要な知識 1)麻酔関連薬(循環作動薬を含む)の薬理学、麻酔器の構造、麻酔モニターの種類 2)集中治療におけるモニタリング 3)呼吸循環生理 4)重症患者の全身管理法(中枢神経、呼吸、循環、代謝) 5)妊娠に伴う生理的変化、帝王切開術の適応、無痛分娩法 6)がんに伴う心理状態と生理的変化、がん苦痛緩和に用いられる薬剤と療法 3. 実習内容 1)麻酔管理(周術期管理を含む) 2)ICU での重症患者全身管理 3)参加麻酔(ハイリスク妊婦管理と帝王切開術、無痛分娩) 4)がん患者の緩和医療 4. 具体的到達目標 4−2)選択診療科実習としての到達目標 a. 手術室での麻酔 (1)術前回診でカルテおよび患者から麻酔計画に必要な情報を得ることができる。 (2)得られた情報から麻酔計画を立て、提示することができる。 (3)基本的な麻酔法(全身麻酔、硬膜外麻酔、くも膜下脊椎麻酔、末梢神経ブロック法) の適応を説明できる。 (4)麻酔の基本的手技(気管挿管、静脈路確保、動脈ライン、中心静脈圧測定など)のや り方と意味を説明できる。 (5)麻酔中に起こる全身状態(中枢神経、呼吸、循環、代謝)の変動に対して適切な対処 法を挙げることができる。 (6)術後回診でカルテおよび患者から術後全身状態の変動を把握し、説明できる。 b. 集中治療 (1)ICU 患者の全身状態(中枢神経、呼吸、循環、内分泌、代謝)の問題を把握し、説明 することができる。 (2)ICU 患者の全身状態の問題に対する治療法を挙げることができる。 (3)ICU 患者で行われているモニタリングの意味を説明できる。 − 361 − c. 産科麻酔 (1)ハイリスク妊婦の問題点を回診(カルテ、患者)から得ることができる。 (2)ハイリスク妊婦の問題点に対する治療法を提示できる。 (3)帝王切開術(予定、緊急)の適応と、麻酔法の選択を提示できる。 (4)無痛分娩の適応と方法を説明できる。 d. 緩和医療 (1)関係スタッフと共に同席し緩和医療を行っている患者とコミュニケーションを取るこ とができる。 (2)緩和医療を必要とするがん患者の問題点(肉体的、心理的、社会的)を把握し、指導 医と関係スタッフに提示できる。 (3)問題点に対する対処法を関係スタッフと議論することができる。 5. 評価方法 自己評価 実習態度(出席率を含む) 口頭試問 6. 参考図書 熊澤光生、他 標準麻酔科学 第 5 版 医学書院 2006/6 日本集中治療学会 集中治療医学 秀潤社 2001/5 照井克生 硬膜外無痛分娩 南山堂 2006/5 日本緩和医療学会 がん疼痛治療ガイドライン 真興交易 2007/7 − 362 − 八千代医療センター麻酔科選択診療科実習表 実 習 係 佐藤二郎(7033) 連 絡 係 齊藤祐司(7572) 集合場所 入院棟 2 階、中央手術室内麻酔科医室 月 麻酔科学実習総論(佐藤) 院内説明(手術室、ICU、 総合周産期センター、病棟) 麻酔症例、ICU、産科麻酔、緩和医療 perinatal conference (佐藤、齊藤) 麻酔症例、ICU、産科麻酔、緩和医療(佐藤、齊藤) 火 麻酔症例、ICU、産科麻酔、緩和医療(佐藤、齊藤) 水 麻酔症例、ICU、産科麻酔、緩和医療(佐藤、齊藤) 木 麻酔症例、ICU、産科麻酔、緩和医療(佐藤、齊藤) 金 まとめと試験(佐藤、齊藤) 土 − 363 − journal club 試験日程 日 時 間 場 所 担 当 者 土曜日 9:00 ∼ 10:30 手術室カンファレンス室 佐藤、齊藤 指導医一覧表 所 属 麻 酔 〃 職 名 氏 名 科 教 授 佐 藤 二 郎 麻 准 教 授 齊 藤 祐 司 − 364 − 所 属 酔 〃 職 名 氏 名 科 助 教 篠 原 彩 子 〃 田 中 敦 子 八千代医療センター整形外科 1. 一般到達目標 医療の基本として疾患の診断と治療を行うことと同等、あるいはそれ以上に疾患を有する人間 を癒すことが要求される。病院実習において学生は教科書、講義内のみでの疾患から離れ、初め て生きている人間を通して内在する疾患に触れる機会を持つ。ここで患者という black box 内に 潜む疾患を問診、身体所見、検査を駆使し適確に診断する。そして治療方針は個々の患者さんお よび家族の状況を配慮し、望むべき治療目標も考えて決定されねばならない。整形外科が主体と して診療する運動器は人間が活動するために必要不可欠な臓器である。最近の厚生労働省の統 計によると、国民の有訴率の上位 3 愁訴は「腰痛」 、 「肩こり」 、 「四肢関節痛」であり、現代社会 における運動器の衰えを浮き彫りにしている。そして WHO は 2000 ∼ 2010 年を bone and joint decade として、さまざまな運動器の障害から人間を解放する世界運動を展開している。 2. 実習に必要な知識 ①病態(病理)の特徴(変形、外傷、炎症、腫瘍、先天性、循環障害など) ②骨・関節・筋・神経の基本的構造と機能 ③四肢、関節、脊柱、などの計測方法(長さ・周径・可動域) ④四肢の神経学的診察法(脊髄・神経根、末梢神経) ⑤ X 線のみかた(S, ABCD) 、MR 読影 3. 実習内容 疾患についての知識をもとに、ベットサイドにて患者さんに初めて接する。すなわち四肢・体 幹などの疼痛、機能不全など種々の愁訴を有する患者さんのつらさと日常生活動作における問題 点を理解し、その中にひそむ疾患を科学的に追求し、正しい診断を行う。次いで患者さんの社会、 家庭環境などを考慮に入れ、病態と治療を説明し、患者さんの合意のもとに治療方針を決定する。 例え同一疾患であっても年令、性、体格、活動性、性格、職業、家庭、社会環境などにより、そ の治療の目的、方針ならびに方法は異なる場合が少なくない。 これらのプロセスの第一歩としての患者さんとの対話、病歴聴取は非常に重要で、診断の根幹 をなす。訴えの背景を考えつつ、該当する疾患を部位別、臓器別、組織別あるいは病理学的にリ ストアップし、それらの疾患に相当する症状について患者さんに質問し、該当する疾患、鑑別疾 患を絞り込む。その後、確定診断に至る検査を必要順にあげてゆく。このようにして診断と治療 の考え方を個々の症例より体験する。具体的には学生を病棟内の診療担当医グループに振り分け、 受持医からの紹介に続いて患者さんの問診、診察、検査にあたり、各ステップで想定すべき疾患 をあげ、それを検査等で実証、確認あるいは修正し、鑑別すべき疾患を含めての正しい診断への プロセス(step by step process)を学ぶ。同時に医師としての態度、心得を体験、会得する。次 いで、「 説明と同意 」(informed concent)に立ち会わせる。すなわち患者さんへの病態説明、ま た治療にあたっての患者さんの自己管理の重要性と医療側からの治療設計の説明である。平易な 言葉を用い、患者さんおよび家族が理解しているか否か表情をみながら疾患と治療について理解 してもらうことの重要性、その実際について認識させる。 − 365 − 4. 具体的到達目標(学生が指導医の指導・監査のもとに行える医療行為の範囲) 1)指導医の許可のもとに学生に実施させるもの 詳細な病歴聴取と整形外科的診察 ・疾患および全体像把握のための患者さんへの問診 ・骨・関節・筋・腱・靭帯など運動器の整形外科的診療法 ・神経・血管系の診察・診断法 ・X 線、CT、MRI、脊髄腔造影、関節造影、筋電図など特殊検査の実施と結果の判定 ・上記診察・検査所見の総括と診断・治療の考え方 ・回診、カンファレンスなどへの積極的な参加 ・手術、ギプス巻き、理学療法など治療時の助手としての参加 2)状況によっては学生が実施できるもの 簡単な手術の手洗い 理学療法への参加 患者介護 3)介助、見学させるもの 脊椎・脊髄および関節の精密検査 手術前のインフォームドコンセント、手術 (インフォームドコンセントは全検査終了後、患者家族の都合および医師の都合により、多 くは夕方以降に行われる。I.C. の時間を知って積極的に参加すること。 ) 到達目標 ①運動器疾患の問診から考えられ疾患をあげられる。 ②下肢の機能障害と平地歩行、階段歩行、ジャンプなど ADL への影響を述べられる。 ③上肢の機能障害と食事、整容、更衣など ADL への影響を述べられる。 ④神経の障害と ADL への影響を述べられる(特に頚髄症) 。 ⑤上肢・下肢・脊椎の急性期外傷(骨折・脱臼)の特徴・合併症と対策を述べられる。 ⑥加齢による代表的な運動器の機能低下をあげられる(変形性関節症、脊椎症、骨粗鬆症) 。 ⑦見逃してはいけない疾患の特徴をあげられる(感染、悪性骨軟部腫瘍、四肢の循環障害) 。 5. 評価方法 金曜日に、担当した症例の発表を行い、これを口答にて質疑し評価する。 各グループの指導医による評価と学生自身の自己評価、レポート作成。 6. 参考図書 石井、平澤 監修 標準整形外科(第 8 版) 医学書院 2002 辻・高橋 編 整形外科診断学(第 3 版) 金原出版 1999 1996 伊藤・服部・山浦 編 臨床脊椎脊髄医学 三輪書店 伊藤 編 整形外科手術のための解剖学 脊椎・骨盤 メジカルビュー社 1998 腰野 編 整形外科手術のための解剖学 下肢 メジカルビュー社 1999 長野 編 整形外科手術のための解剖学 上肢 メジカルビュー社 1999 伊藤・大塚・久保 編 整形外科、術前・術後のマネジメント (第 2 版) 医学書院 − 366 − 2005 八千代医療センター整形外科実習表 実 習 係 山本直也(PHS7050) 、玉木 亮(PHS7716) 谷口浩人(PHS7150) 連 絡 係 山本直也(PHS7050) 集合場所 外来棟 4F 医局 8 9 10 11 12 13 14 月 オリエン 担当患者 把握 回診 テーション (谷口) (玉木) 火 回診 水 回診 木 OPE (山本・谷口) 回診 病棟 (玉木・谷口) 金 回診 17 18 カンファ レンス (山本) 検査 病棟 (玉木) OPE (山本・玉木) OPE (山本・玉木) 病棟外来 (谷口) 16 検査 OPE (谷口・玉木) 病棟外来 (玉木) 回診 15 リハ カンファ レンス (山本) 検査病棟 (山本・谷口) OPE (山本・谷口・玉木) 土 − 367 − まとめ (山本) 試験日程 日 時 間 場 所 担 当 者 金曜日 17:00 ∼ 18:00 病棟カンファレンスルーム 山 本 直 也 指導医一覧表 所 属 整 形 外 〃 〃 職 名 氏 名 科 名 誉 教 授 伊 藤 達 雄 整 准 教 授 山 本 直 也 助 教 谷 口 浩 人 − 368 − 所 属 形 外 〃 職 名 氏 名 科 助 教 玉 木 亮 〃 駒 場 泉 恵 八千代医療センター形成外科 1. 一般到達目標 形成外科とは、身体表面の形態、機能を修復する外科の一つである。実際に患者に接して、社 会復帰には QOL が重視されるべきで、それには、より機能的により整容的に治療していくこと の重要性を理解する。形成外科領域で扱う疾患は、全身の多領域にわたるため、できるだけ数多 くの患者に接しつつ理解することが求められる。外来では、患者の病歴聴取より始まり指導医の もと患者の診察に立ち会い、病棟では、手術患者を担当し、現在の状態の把握、適切な手術法の 選択など、指導医とのカンファレンスという形で知識を修得していく。 2. 実習に必要な知識 1)皮膚の基本構造を述べることができる。 2)創傷治癒過程について述べることができる。 3)形成外科縫合法について説明できる。 4)植皮術について説明できる。 5)皮弁移植術(有茎皮弁、遊離皮弁)について説明できる。 6)ケロイドと肥厚性瘢痕の違いを説明でき、また治療法を述べることができる。 7)顔面骨骨折の種類と診断・治療を述べることができる。 3. 実習内容 1)回診:術前、術後の入院患者を見学することにより、形成外科で取り扱う患者を把握し、 形成外科的な考え方および対処法を理解する。 2)外来:形成外科は外来で治療を行う患者も多く、術後の後療法の重要性も高い。初診患者 の病歴を取ることにより、患者の述べることのほかに心理状態まで含めた理解に努 める。外来創傷処置や外来小手術および皮膚レーザー治療の見学・介助を行う。 3)病棟:原則として手術患者を担当する。術前の問題点を把握し、適切な手術法の決定を指 導医とともに検討し、実際に創傷処置・手術の見学および介助を行う。 4. 具体的到達目標 1)基本的診療技術を修得する。 ①病歴聴取 ②診察法:視診、触診、計測等 ③画像診断(特に顔面骨骨折) 2)形成外科的基本技術・知識を修得する。 ①形成外科の歴史 ②創傷治癒 ③縫合法 ④植皮術 ⑤皮弁移植術 ⑥瘢痕拘縮 ⑦熱傷 選択診療科実習(1 週間)では、①②③を到達目標とする。 − 369 − 3)主な形成外科疾患の治療法(手術)の適応と選択基準を学ぶ。 ①顔面の先天異常・後天的変形 ②唇顎口蓋裂 ③顔面軟部組織損傷 ④顔面骨骨折 ⑤手・足の外傷(切断、腱断裂、神経断裂など) ⑥熱傷 ⑦母斑、血管腫 ⑧皮膚腫瘍(良性、悪性) 5. 評価方法 実習最終日に 1 週間の実習を通じて修得した知識を口頭試問形式で確認し、出席状況と臨床実 習態度を合わせて、総合的に評価する。 6. 参考図書 秦 維郎・野崎幹弘 編 標準形成外科学 医学書院 波利井清紀 監修 TEXT 形成外科学 南山堂 S. J. Mathes Ed. Plastic Surgery, Vol. 1∼8 Saunders Co. − 370 − 八千代医療センター形成外科実習表 実 習 係 竹内正樹(PHS7066) 連 絡 係 竹内正樹(PHS7066) 集合場所 外来棟 3F 形成外科外来 8:30 月 週間連絡 火 水 症例検討会 木 金 症例検討会 9 12 13 16 17 手術見学 (入院棟 2F) 手術見学(入院棟 2F) 手術解説・クルズス(竹内) 外来見学 (外来棟 3F) 手術見学(外来) 手術解説・クルズス(中野) 外来見学 (外来棟 3F) 手術見学(外来) 手術解説・クルズス(新美) 手術見学 (入院棟 2F) 手術見学(入院棟 2F) 症例検討会 手術解説・クルズス(森) レーザー治療見学 外来見学 (外来棟 3F) 手術見学(外来) 土 八千代医療センター形成外科病院実習手引き 実習内容:手術見学、外来見学、レーザー見学、回診、症例検討会、クルズス ★月曜日集合時に出席表をお渡しします。週によっては病院の朝礼終了後になります。 各見学、回診、クルズスが終了したときに、担当者に押印してもらってください。 ★クルズス分担。時間、場所については各担当者にご確認下さい。 竹内教授──── 頭蓋顎顔面外科など 森助教───── 皮膚腫瘍、アザ・シミ、レーザー治療など 中野助教──── 皮弁、熱傷など 新美助教──── 手の外傷、先天異常など ★金曜日に実習のまとめとして口頭試問を行います。出席表を竹内教授にご提出下さい。 ★ やむを得ない理由で欠席されるときは、事前に竹内教授宛に文書でご提出下さい。 − 371 − 口頭試問 (外来) 試験日程 外 来 時 間 場 所 担 当 者 金曜日 16:00 ∼ 17:00 形成外科外来 竹 内 正 樹 指導医一覧表 所 属 職 名 氏 名 所 属 職 名 氏 名 形 成 外 科 教 授 竹 内 正 樹 形 成 外 科 助 教 新 美 陽 介 〃 〃 森 怜 子 〃 助 教 中 野 貴 光 − 372 − 八千代医療センター泌尿器科 1. 一般到達目標 医師として望ましい診療態度を学習するとともに、講義等で学んだ泌尿器科疾患の知識を病態 への理解へと進展させる。外来・病棟診療ならびに手術に参加し、泌尿器科特有の基本的検査・ 治療手技・診断知識、病態に対する治療方針を理解する。 2. 実習のために必要な知識 ①腎尿路・生殖器の構造・機能を理解している。 ②問診のための基本的態度を身につけており、身体所見の診察が可能な知識を有している。 ③泌尿器科疾患の病態に対する基礎的知識を学んでいる。 ④診断のために必要な検査(超音波検査、画像診断検査)の知識を有している。 3. 実習内容 泌尿器科疾患を有する入院患者を受け持ち、患者・家族との良好な人間関係を確立するコミュ ニケーションの意義を理解し、患者に不安を与えずに接する技法を身につける。適切な問診、診 察を行い、疾患の治療計画、治療立案に必要な検査、処置を学習する。治療法として手術の基本 的知識・手技を見学、習得する。 実習表に示すように、手術治療を要する患者の担当とし、医療面接、身体所見の診察、術前検 査所見の評価を行う。手術に参加し、外科手術の基本的態度・手技について学習する。術後患者 の診察・処置を通して、施行された手術の問題点についての情報を収集する。指導医との討論を 通し、治療方針の疑問点、問題点を整理し、各自の目標へ到達できるよう知識を深める。 4. 具体的到達目標 1)指導医のもとに実施させるもの 診察:問診、腹部・外性器の診察(直腸診など) 。 検査、処置:尿路超音波検査。創部処置、抜糸、導尿。留置カテーテル交換、膀胱洗浄。 手術:手洗い、結紮・縫合。 2)介助・見学させるもの 内視鏡検査:膀胱鏡、尿管鏡。 画像診断検査:CT、MRI 検査。 泌尿器科検査:尿路造影検査、前立腺生検、尿流動態検査。 処置:尿路結石症への対応、尿管カテーテル留置。尿閉処置。 手術:泌尿器科手術全般。 5. 評価方法 実習最終日に診療科長の口頭試問を行い、受け持ち患者の病態、診断、治療に対するレポート 報告により評価する。医療従事者としての態度も検討する。 − 373 − 6. 参考図書 Wein AJ(ed.) Campbell−Walsh Urology(10th ed.) Elsevier Saunders 2012 Novick AC(ed.) Operative Urology at the Cleveland Clinic Humana Press 2006 折笠精一(監修) 標準泌尿器科学(第 7 版) 医学書院 2007 吉田 修(監修) 新 泌尿器科手術のための解剖学 メジカルビュー 2006 − 374 − 八千代医療センター泌尿器科実習表 実 習 係 金光 泉(7827) 連 絡 係 集合場所 八千代医療センター医局 8:15 9:00 12:00 13:00 17:00 病棟実習及び検査見学(鬼塚・金光・斉藤) 一般的術前準備、切開・縫合など手術治療の基 本を学習する。 火 手術見学、参加(乾・金光) 実際に手洗いを行い、清潔操作 を学び手術に参加する。 手術見学、参加 症例検討 (午後に続く) (午前より続く) 外来実習(乾) 外来診察、処置を見学する。 初診患者の問診、診察を学ぶ。 手術見学、参加 昼 食 水 木 金 モ ー ニ ン グ カ ン フ ァ レ ン ス ・ 病 棟 回 診 月 患者紹介、病棟実習(金光) 担当患者に学生を紹介。医療面 接、診察を行い、到達目標、問 題点につき立案する。 病棟実習及び検査見学(乾・八木澤) 泌尿器科検査(尿路内視鏡検査、尿流動体検査 など)を見学、介助する。 手術見学、参加(乾・金光) 担当患者の術後の問題点、起こりうる合併症に つき指導医と検討する。 症例検討 外来実習(金光) 受け持ち患者と同様の手術を受 けた術後外来患者の診察を行う ことにより、手術による問題点 を収集する。 病室実習(金光) 実習のまとめ・口頭試問 担当患者を通じて、実習のまとめを行い、疑問 点を指導医と討論する。 土 − 375 − 指導医一覧表 所 属 泌 尿 器 〃 職 名 氏 名 科 准 教 授 乾 政 志 泌 助 教 金 光 泉 − 376 − 所 属 尿 器 〃 職 名 氏 名 科 医 員 斉 藤 大 学 院 生 八木澤 八千代医療センター脳神経外科 1. 一般到達目標 脳腫瘍、脳血管障害をはじめとする脳神経外科領域の症例を経験し、教科書だけの知識から脱 却する。また、脳卒中、頭部外傷をはじめとする救急医療の実際を体験する。具体的には意識障 害を含めた神経症状の把握、CT・MR を中心とした神経放射線学的診断などを自ら行い、初期 治療およびその判断を身につける。 2. 実習のために必要な知識 実習を進めながら知識の確認も行っていくが、これまでの脳神経外科の授業を簡単に再確認す る程度の知識整理はあらかじめ行っておく。 1)神経解剖(大脳、小脳、脳幹)の基礎的知識 2)神経所見のとり方、意義 3)頭部画像診断(X 線撮影、頭部 CT、頭部 MRI)の基礎知識 4)脳神経外科領域の主たる疾患の概要 3. 実習内容 実際の患者さんを受け持ちながら、必要な検査、診断、治療について考える。これらに関して 実際の主治医から指導を受ける。 1)基本的な診察法 正確な問診と病状の把握 全身の理学的診察及び神経学的診察 緊急性が求められる場合の的確な対応 2)基本的な臨床検査 病態と臨床経過を把握し、必要な検査を判断する。 神経放射線学的検査 神経生理学的検査 超音波検査 内分泌学的検査 髄液検査 3)基本的治療 脳神経外科患者の特性を理解し実施する 基本的脳神経外科手術の見学 保存的治療及び周術期管理 神経救急患者の診断・治療 リハビリテーション 4. 具体的到達目標 正確な神経学的所見の把握(神経所見のとりかた)および病態生理、必要な検査、治療方法を 学ぶ。 脳神経外科診療の特性を学ぶ。緊急性を要する場合も少なくなく、総合的な知識を必要とされ − 377 − ることがあり、その際の的確な診断と迅速な対応を学ぶ。 神経放射線学的検査を学ぶ。CT、MRI、脳血管撮影などの検査の診断・治療上での意義を学ぶ。 本人及び家族への病状説明・今後のリハビリへの転院などを通して、脳神経外科患者への対応 を理解する。 周術期管理を通して、頭蓋内圧亢進・麻痺・失語などの神経症状の有無の把握、また高血圧・ 糖尿病などに関する全身管理を学ぶ。 5. 評価方法 脳神経外科研修期間を担当した脳神経外科指導医・科長により総合評価が行われる。 指導医により、各到達度目標に対する評価が行われる。研修終了前に研修報告会を行う。 6. 参考図書 1)標準脳神経外科学 山浦 晶 他 2)脳神経外科 太田富雄 3)脳神経外科マニュアル 端 和夫 − 378 − 八千代医療センター脳神経外科実習表 実 習 係 川島明次(7007) 集合場所 医局 午後 午前 月 火 水 木 回診(8:15) 画像診断・検査:脳血管撮影など(小林) 病院実習:病棟あるいは外来(小林) 回診(夕方) 回診(8:15) 手術見学(川島)、症例カンファレンス (川島) 手術見学(川島) 回診(夕方) 回診(8:15) 画像診断・検査:脳血管撮影など(船津) 病院実習:病棟あるいは外来(船津) 回診(夕方) 回診(8:15) 手術見学(川島) リハビリテーション・病棟カンファレンス (船津) 手術見学(川島) 回診(夕方) 金 回診(8:15) 画像診断・検査、学習到達度のチェック (小林) 病院実習:病棟あるいは外来(船津) 回診(夕方) 回診(8:15) 土 症例検討試験(研修報告会) − 379 − 指導医一覧表 所 属 職 名 氏 名 所 属 職 名 氏 名 脳 神 経 外 科 講 師 川 島 明 次 脳 神 経 外 科 助 教 船 津 尭 之 〃 助 教 小 林 智 範 − 380 − 八千代医療センター病理診断科 1. 一般到達目標 病理学は疾患の本質を扱う医学の一分野であり、疾患の成り立ちを科学的に解明すると同時に、 臨床医学において生検診断、手術標本の診断、病理解剖を行い、疾患の最終診断を行う。手術標 本の切り出し方法、組織標本作製方法、組織診断方法、病理解剖についての基本的知識、手技を 習得することにより、病因とこれにより引き起こされる生体の器官や組織の機能的変化、器質的 変化を学ぶ。また、医療チームの一員としての病理医の役割を体得する。 2. 実習に必要な知識 1)病理学総論、各論についての基礎知識 2)病理診断、病理解剖を行う上に必要な解剖の知識 3)病理診断、病理解剖を行う上に必要な疾患の知識 4)病理標本を作製する上に必要な知識 3. 内容 指導医とともに、前日に行われた手術標本の肉眼所見を観察し、病変から組織片を切り出す。 組織標本をパラフィン包埋し、薄切切片の作成、HE 染色を行う。出来上がった HE 染色標本を 顕微鏡で観察し、病理所見を電子カルテに記載し、指導医のチェックを受ける。 病理解剖が行われる場合には、指導医の執刀の補助を行う。 最新の論文を一編読み、抄読会で発表する。 生検カンファランス、症例検討会に参加する。 4. 具体的到達目標 1)細胞障害、変性の病因と形態像を理解する。また、組織修復の機構、転帰について理解する。 2)細胞増殖、増殖分化異常状態について理解する。 3)循環障害の成因と病態を理解する。 4)炎症の概念を理解する。 5)腫瘍の定義、発生機構と病態を理解する。 6)代表的な消化管疾患の病理組織像を理解する。 7)代表的な呼吸器疾患の病理組織像を理解する。 8)代表的な腎、泌尿器系疾患の病理組織像を理解する。 9)代表的な婦人科疾患、乳腺疾患の病理組織像を理解する。 10)代表的な心、血管系疾患の病理組織像を理解する。 5. 評価方法 担当した症例の病理所見の記載内容を評価する。また、抄読会での発表内容を評価する。 6. 参考図書 組織病理学アトラス Kumar, Cotran, Robbins. 文光堂 Robins Basic Pathology. − 381 − Saunders. 八千代医療センター病理診断科選択診療科実習表 実 習 係 廣島健三(PHS7063) 連 絡 係 河村俊治(PHS7035) 集合場所 外来棟 4 階病理診断科 午後 午前 オリエンテーション(廣島健三) 解剖標本切り出し(廣島健三) 月 手術標本切り出し(郭 風) 組織診断(河村俊治) 手術標本切り出し(郭 風) 組織診断(廣島健三) 手術標本切り出し(河村俊治) 抄読会(廣島健三) 手術標本切り出し(郭 風) 生検カンファレンス(廣島健三・河村俊治) 火 手術標本切り出し(河村俊治) 水 木 金 土 症例検討会・総括 (廣島健三・河村俊治) − 382 − 八千代医療センター病理診断科実習表 (自主選択実習) 実 習 係 廣島健三(PHS7063) 連 絡 係 河村俊治(PHS7035) 集合場所 外来棟 4 階病理診断科 午後 午前 オリエンテーション(廣島健三) 解剖標本切り出し(廣島健三) 月 手術標本切り出し(郭 風) 組織診断(河村俊治) 手術標本切り出し(郭 風) 組織診断(廣島健三) 手術標本切り出し(河村俊治) 抄読会(廣島健三) 手術標本切り出し(郭 風) 組織診断(河村俊治) 火 手術標本切り出し(河村俊治) 水 木 金 土 症例検討会・総括 (廣島健三・河村俊治) − 383 − 指導医一覧表 所 属 職 名 氏 名 所 属 職 名 氏 名 病 理 診 断 科 教 授 廣 島 健 三 病 理 診 断 科 非常勤講師 郭 風 〃 講 師 河 村 俊 治 − 384 − 八千代医療センター皮膚科 1. 一般到達目標 1)皮膚疾患の原発疹、続発疹から視診、触診の力を身につける。 2)日常よくみる皮膚疾患の診断、検査を学ぶ。 2. 実習に必要な知識 1)原発疹、続発疹の種類 2)皮膚の基本構造、構成される細胞らの知識 3)皮膚の基本的検査法 4)よくみる皮膚疾患の病態 3. 実習内容 1)外来実習 2)病棟実習 3)外来小手術の見学 4)レーザー治療の見学 5)皮膚病理組織像を学ぶ 4. 具体的到達目標 1)外来、入院患者の視診、触診による診察 2)真菌を同定するための直接鏡検 3)皮膚生検 4)病理組織学的検査の実習 5)外用療法 6)薬疹、接触皮膚炎の原因を探るパッチテスト 7)液体窒素凍結療法 小児から成人まで幅広い年齢層にみられる皮膚疾患を視診、触診、病理組織学的検査で実習し、 内科、外科疾患を包含した体系的な学習を行う。 5. 評価方法 実習評価シートにより、知識評価、実習態度、問題解決能力などについて総合的に評価する。 6. 参考図書 大塚藤男 皮膚科学 第 9 版 金芳堂 2010 滝川雅浩監修 標準皮膚科学 第 9 版 医学書院 2011 玉置邦彦総編集 最新皮膚科学体系 中山書店 2003−4 清水 宏 新しい皮膚科学 第 2 版 中山書店 2011 肥田野 信 図説小児皮膚科 日本医事新報社 1989 − 385 − 八千代医療センター皮膚科実習表 実 習 係 三石 剛(PHS7145) 連 絡 係 三石 剛(PHS7145) 集合場所 八千代医療センター外来棟 4 階医局 9:00 12:00 13:00 14:00 月 火 8:45 オリエンテーション 外来実習:初診患者の問診と考 えられる疾患を列記。生検を必 要とする患者は随時見学。 外来実習担当(三石) 専門外来見学 外来実習担当(丸山) 病棟実習(指導医) 病棟実習(指導医) 水 外来実習担当(藤田) 病棟実習(指導医) 外来実習担当 (藤田) 症例検討・ 皮膚病理カンファレンス 木 金 外来実習担当(三石) 病棟実習(指導医) 小手術、レーザー治療の見学 外来実習担当(三石) 病棟実習(指導医) 病棟実習(指導医) 外来実習のあと諮問 土 指導医:三 石 剛 藤 田 優 丸 山 智 恵 − 386 − 17:00 指導医一覧表 所 属 皮 膚 〃 職 名 氏 名 科 准 教 授 三 石 剛 皮 医 員 岸 本 英 樹 − 387 − 所 属 膚 〃 職 名 氏 名 科 登 録 医 藤 田 優 〃 丸 山 智 恵 東洋医学研究所 1. 一般到達目標 東洋医学の生命観・疾病観、病態把握、治療などその全体像を把握する。同じ患者を近代医学と は異なった視点から考えることにより、問題の発見や解決の得られることがあることを実体験する。 2. 実習に必要な知識 病態把握に必要な、基本的生理病理概念である、八鋼(陰陽虚実表裏寒熱) 、気血水、臓腑経 路の概要を理解している。 3. 内容 1)漢方外来実習 指導医師の診察を見学し、東洋医学の治療を求める患者像、医師の対応の仕方を学ぶ。ま た患者の愁訴あるいは疾患に対し、東洋医学的ばかりではなく、近代医学的にも診断および 治療を考え、総合的に患者をみる視点を養う。初診患者の診察を行い、漢方医学的病態につ いて診断する。できうれば、処方まで考える。 選択診療科実習も基本的に自主選択実習と変わりないが、実際の診療までは行わない。 2)鍼灸実習 経路経穴の働きを知り、自分自身で灸や鍼を体験してみる。 鍼灸の練習キットを用いて練習する。 3)生薬・漢方薬実習 漢方薬を構成している主な生薬について、その形状、効能について学習する。 実際に漢方薬を生薬から作成してみる。 五苓散:薬研を用いて、散薬である漢方薬を作成してみる。また、実際に煎じて、煎じ薬 を作成してみる。 漢方薬の試飲:色・香り・味を比較し、効能を調べてみる。 4)古典・医史学実習 中国から本邦に伝来し、現在に至る日本の伝統医学である漢方医学を、われわれの先人たち がどのように受け入れ、伝承・発展してきたかを、当研究所所蔵の文献を通して、その一端 に触れてみる。 4. 具体的到達目標 患者の主訴・愁訴・身体所見から、漢方医学的病態概念である八鋼(陰陽虚実表裏寒熱) 、気血水、 臓腑経路のどこに主たる病変があるかを述べることができる。 可能性のある治療薬を列挙できる。 さらに 生命観・疾病観・医療観などについても理解できることが望ましい。 学生諸君と話し合い有意義な実習となるよう可能な限り努力します。 − 388 − 5. 評価方法 医師および社会人としての態度、東洋医学の基本的知識、担当症例に関する病態・治療への理 解を口頭諮問の形で評価する。 各自の課題に対するレポートを提出させ、評価を行う。 6. 参考図書 著書・編著 本題名 出版社 出版年 佐藤 弘 漢方薬治療ハンドブック 南江堂 1999 長濱善夫 東洋医学概説(第 1 版、22 刷) 創元社 1991 「新版漢方医学」 編集委員会 編 (財)日本漢方医学研究所(第 1 版、1 刷) 1990 松田邦夫、稲木一元、 佐藤 弘 編 漢方治療の ABC(第 1 版、1 刷) 松田邦夫 臨床医のための漢方(基礎編) (9 刷) 1990 大塚敬節 症候による漢方治療の実際(第 4 版、12 刷) 1990 大塚敬節、矢数道明、 清水藤太郎 漢方診療医典(第 5 版、3 刷) 南山堂 1990 矢数道明 臨床応用漢方処方解説(増補改訂 7 刷) 創元社 1991 大塚敬節 傷寒論解説(第 1 版、18 刷) 創元社 1990 大塚敬節 金匱要略講話(第 1 版、6 刷) 創元社 1992 大塚敬節、矢数道明 責任(編) 近世漢方医学書集成 全 116 巻 名著出版 1984 完結 小曽戸洋、真柳 誠 編 和刻漢籍医書集成 全 16 巻 エンタプライズ社 1992 完結 日本東洋医学会 学術教育委員会 編 入門漢方医学 南江堂 2003 日本東洋医学会 学術教育委員会 編 学生のための漢方医学テキスト 南江堂 2007 松田邦夫、稲木一元 漢方治療のファーストステップ 南山堂 1998 − 389 − 医学書院 1992 東洋医学研究所実習表 実 習 係 近藤亨子、山 麻由子(TEL 6864 − 0824) 連 絡 係 近藤亨子(TEL 6864 − 0824) 集合場所 東洋医学研究所医局(田端 NSK ビル 3 階) (第 1 週) 9 12 17 13 月 症例カンファレンス 外来見学・クルズス(藤井) 導入(木村) EVENING LECTURE 症例検討会 外来(木村) 外来見学(木村) 外来見学(木村) 症例検討会 火 EVENING LECTURE 診察法・脈診・舌診について 外来見学(木村) 外来見学(木村) 症例検討会 水 EVENING LECTURE 木 外来見学 (木村) 症例検討会 (木村) EVENING LECTURE 金 鍼灸カンファレンス 外来見学(藤井) 外来見学(木村) EVENING LECTURE 土 − 390 − 症例検討会 東洋医学研究所実習表 実 習 係 近藤亨子、山 麻由子(TEL 6864 − 0824) 連 絡 係 近藤亨子(TEL 6864 − 0824) 集合場所 東洋医学研究所医局(田端 NSK ビル 3 階) (第 2 週) 9 12 17 13 月 症例カンファレンス 外来見学・クルズス(藤井) 総括 1(木村) EVENING LECTURE 症例検討会 外来(木村) 外来見学(木村) 外来見学(木村) 症例検討会 火 EVENING LECTURE 外来見学(木村) 外来見学(木村) 症例検討会 水 EVENING LECTURE 外来見学(木村) 外来見学(藤井) 症例検討会 木 EVENING LECTURE 金 鍼灸カンファレンス 外来見学(藤井) 外来見学(木村) EVENING LECTURE 土 − 391 − 症例検討会 東洋医学研究所実習表 実 習 係 近藤亨子、山 麻由子(TEL 6864 − 0824) 連 絡 係 近藤亨子(TEL 6864 − 0824) 集合場所 東洋医学研究所医局(田端 NSK ビル 3 階) (第 3 週) 9 12 17 13 月 症例カンファレンス 外来見学・クルズス(藤井) 総括 1(木村) EVENING LECTURE 症例検討会 外来(木村) 外来見学(木村) 外来見学(木村) 症例検討会 火 EVENING LECTURE 外来見学(木村) 外来見学(木村) 症例検討会 水 EVENING LECTURE 外来見学(木村) 外来見学(藤井) 症例検討会 木 EVENING LECTURE 金 鍼灸カンファレンス レポート作成 外来見学(木村) EVENING LECTURE レポート作成・提出 土 − 392 − 症例検討会 試験日程 金曜日 時 間 場 所 担 当 者 13:00 ∼ 15:00 東洋医学研究所医局 木 村 容 子 指導医一覧表 所 属 職 名 氏 名 所 属 職 名 氏 名 東洋医学研究所 准 教 授 木 村 容 子 東洋医学研究所 助 教 川 島 春 佳 〃 助 教 近 藤 亨 子 〃 鍼 灸 師 蛯 子 慶 三 〃 〃 山 麻由子 〃 〃 吉 川 信 〃 〃 大 谷 かほり 〃 〃 髙 田 久実子 − 393 − 女性生涯健康センター 1. 一般到達目標 女性生涯健康センターは性差医療としての女性医療、および健康な加齢に関する診療・研究を 通じて、女性の抱える身体的・心理社会的問題に対処し、女性の生涯にわたる心身の健康に貢献 することを目指している。病院実習においては、女性医療と健康加齢についての知識を習得し、 女性患者の診療を実践していくための基本的な診療技術を学ぶことで、身体的のみならず、心理・ 社会的な性差を学び、女性のライフ・サイクルについての理解を深める。さらに実習を通じて学 んだことを、女性医師として将来この分野に関わる際に役立ててほしい。また女性医師としての キャリア開発に実習での体験を生かしてほしい。 2. 実習に必要な知識 これまで学習した各科の基礎的な知識、および相手の立場に立った医療面接の技術が必要であ る。 3. 実習内容 1)外来施設であるため、外来診療のなかで実習を行う。 2)メンタルケア科、婦人科、皮膚科、内科の各診療科の外来診療を見学し、おのおのの患者 の抱える問題に対する横断的、統合的な診療方法を学ぶ。 3)心理士、ソーシャルワーカーとの連携による有機的な診療について理解する。 4. 具体的到達目標 4−1)選択診療科実習としての到達目標 1)女性医療に必要な基礎知識を習得し、性差を考慮した診療を学ぶ。 2)女性のライフサイクルに沿った多様な問題を受け止め、メンタルヘルスにも配慮した病 歴聴取を理解する。 3)女性の心身の健康に深い関連をもつ女性の社会問題(ドメスティック・バイオレンス被害、 性犯罪被害など)について概要を知り、プライマリ・ケアの方法を理解する。 4)心身医学的なアプローチの方法を理解する。 5)女性の加齢に伴う心身の変化と加齢に起因する問題を理解する。 6)各診療科のエキスパート、コメディカル等と協力し、患者の問題点を解決する診療に触 れる。 4−2)自主選択実習としての到達目標 1)女性医療に必要な基礎知識を習得し、性差を考慮した診療を学ぶ。 2)女性のライフサイクルに沿った多様な問題を受け止め、メンタルヘルスにも配慮した病 歴聴取ができる。 3)女性の心身の健康に深い関連をもつ女性の社会問題(ドメスティック・バイオレンス被害、 性犯罪被害など)について概要を知り、プライマリ・ケアの方法を理解する。 4)心身医学的なアプローチの方法を理解する。 5)女性の加齢に伴う心身の変化と加齢に起因する問題、およびその問題解決のための方法 − 394 − についてを理解する。 6)各診療科のエキスパート、コメディカル等と協力し、患者の問題点を解決する診療に触 れる。 7)グループ療法(ミドルエイジ・リラクゼーション)に触れる。 5. 評価方法 自己評価および担当患者についてのレポート提出。 6. 参考図書 標準精神医学(医学書院) DSM−Ⅳ−TR:精神障害の分類と診断(医学書院) ICD−10:精神および行動の障害(医学書院) 実践・女性精神医学(創造出版) ウーマンズヘルス―女性のライフステージとヘルスケア(医歯薬出版) 皮膚科学(金芳堂) NEW エッセンシャル産科学・婦人科学(医歯薬出版) 更年期外来診療マネージメント(南江堂) 女性心身医学(永井書店) 女性外来ハンドブック(女性医療ネットワーク) 抗老化および抗加齢を目的とした最先端治療(日本医療企画) − 395 − 女性生涯健康センター実習表 実 習 係 檜垣祐子(39921) 連 絡 係 三上由里(39922) 集合場所 女性生涯健康センタークリニック 8:30 9:00 12:00 13:00 土 外来見学(ソーシャルワー カー:井上) 女性の自立のための社会支 援 朝連絡 会 外来見学(皮膚科:檜垣) 女性皮膚科学、皮膚心身医 学 朝連絡 会 外来見学(内科:村上) 女性と内分泌疾患 朝連絡 会 外来見学(内科:松村/健 康加齢:檜垣) 自律神経系の問題と対処 健康加齢のための美容皮膚 科 昼 食 金 朝連絡 会 昼 食 木 女性のトラウマに関連する クルズス 外来見学(リハビリメイク: 内田・檜垣) 容貌の問題とその対処 昼 食 水 朝連絡 会 昼 食 火 外来見学(メンタル:加茂) 女性のメンタルヘルス 昼 食 月 朝連絡 会 オリエ ンテー ション 17:00 外来見学(メンタル:宮岡) 月経関連症状とメンタルヘルス 外来見学(内科:鈴木) 摂食障害の心身医学的診療 外来見学(婦人科:上田) 月経および更年期関連の診療 外来見学(メンタル:三上) 女性のメンタルヘルス 外来見学(禁煙:阿部) 女性の禁煙 グループ療法見学 (心理:小原、渡辺) − 396 − 医局 カンファ 試験日程 実習の最終日に指導医による試問を行う。 指導医一覧表 所 属 職 名 女性生涯健康 センター 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 所長・教授 副所長・教授 客員教授 〃 講 師 准 講 師 非常勤講師 〃 〃 氏 名 所 属 職 名 氏 名 加 茂 登志子 女 性 生 涯 健 康 非常勤講師 鈴 木 眞 理 檜 垣 祐 子 センター 〃 須 藤 み か 安 達 知 子 〃 鈴 木 有美子 金 吉 晴 〃 〃 盛 岡 頼 子 横 田 仁 子 〃 〃 尾 崎 友 美 上 田 嘉代子 〃 〃 佐 野 陽 子 亀 谷 真知子 〃 〃 内 田 加寿子 宮 岡 佳 子 〃 助 教 村 上 祐 子 有 川 順 子 〃 〃 三 上 由 里 − 397 − 青山女性・自然医療研究所自然医療部門 1. 一般到達目標 統合医療とは「個人の年齢や性別、性格、生活環境さらに個人が人生をどう歩み、どう死んで いくかまで考え、西洋医学、相補(補完) ・代替医療を問わず、あらゆる療法からその個人にあっ たものを見つけ、提供する受診側主導医療」である。この理念に基づき、わが国唯一の大学にお ける統合医療外来を実体験し、他では学ぶことのできない統合医療の本質を理解して、今後のキャ リアに生かす。 2. 実習のために必要な知識 西洋医学に関する知識全般。相補・代替医療に関する一般的な知識。 3. 実習内容 1)外来診療見学が主体。 2)統合医療外来を見学し、一般の西洋医学の保険診療とは異なった診療を体験、理解する。 3)西洋医学についての全科にわたる知識の必要性を理解する。 4)様々な相補・代替医療を見学、体験する。 5) (タイミングがあえば)統合医療に関する講演会、研究会、学会に同行し、学習する。 6)個々の患者に関する、自分なりの考え方を指導医と討論する。 7)最終的に統合医療の本質を理解する。 4. 具体的到達目標 1)統合医療の定義を述べることができる。 2)相補・代替医療を説明できる。 3)患者の統合医療的な理解ができる。 4)患者への統合医療的指導ができる。 5)統合医療の本質を理解する。 5. 評価方法 自己評価 口頭試問 レポート提出 6. 参考図書 川嶋 朗 ヘルシーエイジングのための自然医療 日本統合医療学会 編集 統合医療基礎と臨床 第 2 版 医学と看護社 2014 日本統合医療学会 2012 川嶋 朗 編集 治療増刊号(相補代替医療の現況をみる) 南山堂 2007 川嶋 朗 編集 冷え外来 医歯薬出版 2010 Abrahams D, Weil A Integrative Oncology Oxford University 2009 Press − 398 − 青山女性・自然医療研究所自然医療部門実習表 実 習 係 川嶋 連 絡 係 川嶋 03−5411−7192 集合場所 自然医療研究所クリニック 9 12 外来見学(川嶋) 17 13 外来見学(川嶋) 症例検討会 月 アロマセラピー体験 外来見学(川嶋) 外来見学(大野) 症例検討会 火 ホメオパシー体験 外来見学(川嶋、水上) 外来見学(川嶋、細田) 症例検討会 水 鍼体験 外来見学(間山) 症例検討会 外来見学(板津) 外来見学(板津) 症例検討会 木 外来見学(川嶋) 金 土 外来見学(川嶋) 口頭試問 − 399 − 試験日程 実習の最終日に指導医による試問を行う。 指導医一覧表 所 属 職 名 氏 名 所 属 職 名 氏 名 青山女性・自然医療研究所 准 教 授 川 嶋 朗 青山女性・自然医療研究所 非常勤講師 間 山 真美子 自然医療部門 非常勤講師 大 野 真 実 自然医療部門 〃 水 上 治 〃 〃 板 津 寿美江 〃 〃 細 田 俊 樹 − 400 − 遺伝子医療センター 1. 一般到達目標 近年の分子遺伝学の進歩によって多くの疾患の病因が遺伝子レベルで解明されてきている。 DNA の配列によって疾患の発症を予測し、予防・治療に役立てていく新しい医療が始まろうと している。医療の場で遺伝子情報を活用していくためには患者・家族に対する遺伝カウンセリン グが必須である。また、遺伝子情報の漏洩や遺伝的差別が起こらないような倫理的問題に対応で きる先端医療の診療への応用、患者・家族への情報提供と自己決定の支援、心理専門職による心理・ 精神的支援を行っている。病院実習においては、遺伝カウンセリングや遺伝性疾患の診療の現場 に接し、家系図を聴取することにより患者・家族の状況を理解する。また、遺伝子医療における コメディカルとのチーム医療を体験する。 2. 実習に必要な知識 ・B1 から B6 までに学んだ遺伝学および遺伝性疾患に関する基礎的知識 3. 実習内容 1)遺伝子医療センター(膠原病リウマチ痛風センターの建物の 2 階) における外来診療を中 心とした実習を行う。 2)遺伝性疾患の外来診療、遺伝カウンセリングを見学し、患者・家族が抱える遺伝や遺伝子 に関わる問題に対する医学的、心理的、社会的なサポートの現場を体験する。 3)家系図を聴取することによって、疾患の遺伝形式を推定する。 4)遺伝子変異と疾患の病因、病態、臨床症状との関連を体験する。 5)遺伝子医療に関わる倫理的問題を理解する。 6)遺伝学的検査の現場を見学し、DNA を用いた遺伝子診断の流れを理解する。 7)遺伝子医療を支える職種を理解し、チーム医療の一員として患者・家族の抱える問題を解 決する診療を体験する。 4. 具体的到達目標 1)遺伝・遺伝子の基礎的知識を述べることができる。 2)遺伝や家族関係を考慮して予診を取ることができる。 3)家系図の聴取ができる。 4)患者が有する遺伝性疾患において、その病因、病態、遺伝形式、臨床所見、遺伝的問題を 述べることが出来る。 5)遺伝学的検査の方法について説明できる。 6)遺伝性疾患の診療、検査における個人情報保護を理解して実践できる。 5. 評価方法 自己評価 実習態度 レポート提出 口頭試問 − 401 − 6. 参考図書 監修 新川詔夫 遺伝カウンセリングマニュアル改訂第 2 版 南光堂 1996 Peter S. Harper Practical Genetic Counseling 6th Edition Arnold 2004 Robert L. Nussbaum Thompson & Thompson Genetics in Medicine Saunders 2007 監修 宇都宮譲二 家族性腫瘍遺伝カウンセリング 金原出版 2000 監訳 福嶋義光 トンプソン&トンプソン遺伝医学 メディカル 2009 サイエンスインターナショナル − 402 − 遺伝子医療センター実習表 8:30 9:00 10:00 11:00 12:00 水 ミニレク 外来見学 チャー ・症例の 神経皮膚 まとめ 症候群 (山内) 15:00 16:00 17:00 ミニレク チャー 家系図の 描き方 (斎藤) 外来見学 ミニレク ミニレク (松尾、 チャー チャー 浦野) 細胞遺伝学 糖尿病の遺 入門 伝と遺伝子 (山本) (岩 ) 外来見学 ミニレク ミニレク (斎藤、松尾、チャー チャー 浦野) 遺伝性神 筋ジストロ 経筋疾患 フィーの遺 (荒川) 伝と遺伝子 (近藤) 外来見学 (斎藤、山内、浦野) 昼 食 金 外来見学 (斎藤、松尾、浦野) 昼 食 木 ミニレク チャー 遺伝子医 療と心理 (浦野) 昼 食 外来見学(斎藤、松尾、浦野) ミニレク チャー 遺伝性 血液疾患 (菅野) 昼 食 火 外来見学 (斎藤、菅野、松尾、浦野) 14:00 外来見学(斎藤、松尾、浦野) 昼 食 ミーティング 月 オリエンテーション、 外来見学(斎藤、松尾、浦野) 13:00 外来見学 (松尾、浦野) ミニレク チャー 脊髄性 筋萎縮症 の臨床 (伊藤) ミニレク チャー 染色体と 疾患 (松尾) 予備日 口答試問 (斎藤) 口答試問 (斎藤) 土 外来見学(斎藤、松尾、浦野) 予備日 口答 試問 (斎藤) 月曜日 8:30 に遺伝子医療センター医局(膠原病リウマチ痛風センター 2 階)に集合すること。 ミニレクチャーは遺伝子医療センターの外来または TWIns の 1 階カウンセリング室で行います。 口答試問は、原則として金曜日の 15:00 からですが、都合によって予備日(木曜 16:00 または 土曜 12:00)となります。 月、火、水に外来で見学した 1 症例をレポートにまとめて土曜日 12:00 までに提出すること。 − 403 − 指導医一覧表 所 属 遺 伝 子 医 療 センター 〃 〃 〃 職 名 氏 名 所 属 職 名 氏 名 所長・教授 斎 藤 加代子 遺 伝 子 医 療 非常勤講師 山 内 あけみ 副所長・教授(兼) 菅 野 仁 センター 〃 近 藤 恵 里 准教授 (兼) 岩 直 子 〃 助 教 荒 川 玲 子 〃 山 本 俊 至 〃 臨床心理士 浦 野 真 理 講 師 松 尾 真 理 − 404 − 解剖学自主選択実習 1. 目的 臨床に必要な解剖学の知識を深める。 2.「必要な知識」または「前提となる知識」 下位ブロックで学習した系統解剖学・局所解剖学の知識を整理・復習しておく。 3. 実習内容 ①自らの興味に従って学習項目を設定、実習計画書を作成し、それに基づき実習を行う。実習 書は特に指定しないが、教室作成のセグメント 3 実習書を配布するので、参考にする。必要 に応じて教室員の指導を受ける。 ②セグメント 3 解剖学実習に指導スタッフとして参加し、教育指導の体験を通して解剖学の理 解を深める。 4. 具体的行動目標 ①自ら学習項目を設定、実習計画書を作成し、それを実行する。 ②人体の局所解剖について理解し、他人に分かりやすく説明できる。 5. 評価方法 出席、実習態度、レポート等を総合的に評価する。 6. 参考図書 ・解剖実習の手引き(寺田・藤田)南山堂 ・プロメテウス解剖学アトラス(坂井建雄監訳)医学書院 ・ソボッタ図説人体解剖学(岡本道雄監訳)医学書院 ・解剖学カラーアトラス(Rohen ら)医学書院 7. 指導教官 ・教 授 藤枝 弘樹 ・講 師 本多 祥子 ・助 教 芝田 高志 ・助 教 早川 亨 − 405 − 解剖学・発生生物学自主選択実習 1. 目的 形態学は、基礎・臨床を問わずほとんど全ての医学領域において、その基盤となる学問の一つ である。近年、形態学的イメージ解析技術の急速な進歩とともに、画像診断学をはじめ、形態学 はますます広範囲の研究分野に応用されている。本実習では、それらの最先端の技術を用いなが ら、生体のもつ形態の美しさ、精巧さ、多様性を学生自らが自分の目で発見する機会を提供し、 形態学の魅力を味わってもらうとともに、将来の医学研修への応用の一助となる事を目的とする。 2. 実習内容 実習はあくまで学生の自主性に基づいて行う。研究対象も学生自らが学習してみたいテーマ (※) と材料を選び、指導者と協議の上に必要かつ実習可能なアプローチ方法を決定する。基本的 には以下の様なアプローチが体験可能である。 (学生の希望により、 異なるアプローチもあり得る) 1)一般的細胞・組織化学的染色を用いた観察 2)免疫組織化学的手法 ① 酵素抗体法 ② 蛍光抗体法(共焦点レーザー顕微鏡による三次元的形態観察、FACS による細胞表 面のマーカー解析などを含む) 3)分子生物学的手法(In situ hybridization 法、その他) 4)透過型電子顕微鏡による超微形態観察 5)走査型電子顕微鏡による三次元的(立体的)形態観察 実習では、実験動物の扱い方・手術法、固定から染色、包埋に至る標本作製法、観察方法、 記録方法、画像解析法、結果の解釈法までを一貫して体験する。最後に記録としてレポー トを作成する。 ※ 例えば、細胞生物学、発生生物学、人体発生、ホルモン学、再生医学、リンパ管を含む 脈管学、免疫生物学、腫瘍生物学などに関して知りたいこと、興味のあることは何でも 実習対象とすることができる。 3. 具体的到達目標 生体構造の観察を通し、まず発見の喜びを味わう。さらに形態学の研究領域で用いられる研究 方法の基本原理を理解し、実体験を通してそのアプローチのしかたを習得する。また、生体の三 次元的構造を把握し、機能との関連性を自ら考察できるようにする。 4. 評価方法 学生の自主性と意欲、生命に対する心構えを含む実習態度、レポートならびに実習前と後の自 己評価などをもとに評価する。 5. 参考図書 野島 博編集 顕微鏡の使い方 羊土社 1996 阿部達夫監修 臨床 FISH プロトコール 秀潤社 1996 月刊メディカル ・ テクノロジー編 染色法のすべて 医歯薬出版 1990 − 406 − 渡辺慶一、中根一穂編集 酵素抗体法 学際企画 1992 渡辺陽之輔他編集 病理組織標本の作り方 医学書院 1986 佐野 豊 組織化学研究法 南江堂 1977 実習実施要項 受け入れ学生数:2 ∼ 4 名程度まで 期間:3 ∼ 4 週間(希望があれば、実習期間後も、継続可能) 日程:全期間を通じて、指導者と共同で実習を行う。 原則として、毎朝の打ち合わせ、毎週金曜日の午後の教室全体での検討会、第 4 週末に まとめの討論会を行う。 第一週:ガイダンスと実習の計画 研究材料と研究方法の検討と準備 第二週:試料作製(固定、切片作製、染色、包埋など) 第三週:観察と記録(写真の撮り方、現像法、コンピュータへの入力法など) 第四週:データの解析(画像解析、統計処理など)と考察及びまとめの討論、レポート 作成 指導者一覧表 所 属 職 名 氏 名 所 属 職 名 氏 名 解剖学・発生生物学 主 任 教 授 江 太 一 解剖学・発生生物学 助 教 菊 田 幸 子 〃 講 師 森 川 俊 一 〃 〃 北 原 秀 治 〃 助 教 清 水 一 彦 〃 〃 森 島 正 恵 集合場所・連絡先:解剖学・発生生物学教室(内線 22332) 連絡係:清水一彦 − 407 − 第一生理学自主選択実習 1. 目的 神経生理学的研究において、基礎医学的研究計画を倫理的な側面も含め立案する方法、および 結果の解析方法について知識を獲得し、将来の臨床および基礎研究を自らが行う時に必要となる 基礎を習得する。 2. 実習のための必要な知識 3. 実習内容 Ⅰ. 動物実験による基礎医学研究への参加 げっ歯類(ラット、マウス)を用いて、発達期および難治性慢性疼痛時の中枢神経系におけ る神経回路の機能的変化を解剖学的・生理学的に解析するプロジェクトに参加する。近年盛ん に用いられている遺伝子工学的な研究ツールを実験に応用することにより、これらを用いる科 学的な意義を考察する。また、これらのプロジェクトを通して、自閉症などの発達障害や幻肢 痛などの難治性疼痛の病態生理を学ぶ。 4. 具体的到達目標 Ⅰ. 臨床神経生理学研究の方法について調べる。 Ⅱ. 動物を対象とした研究における倫理的配慮について知識を得る。 Ⅲ. 基礎実験から得られた神経生理記録の解析を教室の研究者とともに行い、解析方法について 学ぶ。 Ⅳ. 関連する学術論文を読む。教室セミナーなどに参加し、発表する。 5. 評価方法 各担当者との質疑応答とレポートの提出を求め、出席状況と合わせて総合評価する。 6. 参考図書 実習表 【一週目】担当:宮田 ・ NIH(National Institute of Health)および本学の動物倫理委員会の規定を参考に実験動物 に必要な倫理について調べる。 ・ 研究プロジェクトに関する論文を調べ、実験内容を理解する。 ・ 指導教員のもとで実験に参加し、実験手技を学ぶ。動物の扱い方から標本の扱い方など基 本的な科学的手技を習得する。 ・ 短期間で行える実験計画を指導教員のもと自ら実験計画を立てる。 ・ 教室セミナーへの参加および、共同セミナーを行っている東京大学・医学部・神経生理学 教室のセミナーに参加し、最新の科学論文について学ぶ。 【二週目】担当:宮田 ・ 実験に参加し、自ら出した実験結果に対し解析することにより、電気生理学・神経解剖学 − 408 − の解析方法の原理と結果について考察する。 ・ 研究に関連する論文または総説を読み、機会があればセミナーで発表する。 ・ 教室セミナーへの参加および、共同セミナーを行っている東京大学・医学部・神経生理学 教室のセミナーに参加し、最新の科学論文について学ぶ。 8. 試験日程 9. 指導医一覧 所 属 職 名 氏 名 第一生理学教室 教 授 宮 田 麻理子 − 409 − 所 属 職 名 氏 名 第二生理学自主選択実習 1. 一般目標 1 ∼ 4 学年のカリキュラム中の基礎医学教室担当の実習は、学生実習用に決まったテーマを、 すべて準備された実験系で行うものである。6 学年の自主選択実習では、現在研究室で研究者が 実際に行っている研究に触れ、どのような考えで、どのような手法で、どのようなことを明らか にしようとしているかを体験するとともに、最先端の実験技術の手ほどきを受けることを目的と する。現在最も進歩しつつある分子遺伝学的手法、 画像解析法、 バイオテクノロジーを対象とする。 2. 実習のために必要な知識 主に神経筋での信号伝達についての知識が必要である。例えば、神経筋接合部での伝達物質の 放出から筋収縮までの一連の流れを理解していること。分子生物学の基礎知識が必要である。遺 伝子がどのような化合物で構成されており、どのように働くか(セントラル・ドグマなど) 、遺 伝子の変異によって疾患が起こる事実と、その解析の方法についての基礎知識が必要である。 3. 実習内容 (1)医学のための分子遺伝学的な基礎的実験 学生と面談の上、興味ある分子遺伝学的解析を選び、その技術がどのように医学に関わっ ているかを学ぶ。例えば、核酸のハイブリダイゼーションによる検出、PCR 法による DNA の増幅とベクターへのクローニング、塩基配列決定法、人工的点突然変異の導入法 などの手法を学ぶ。 (2)細胞内 Ca2+ 画像解析 培養細胞あるいは卵細胞の実験標本作成手法を習得し、顕微鏡下の細胞に生理活性物質を 投与した際の細胞内 Ca2+ 濃度増加の時空間的変化を画像解析装置で記録し、コンピュー タで画像記録を作成する。 (3)生きた細胞内での機能蛋白質の動態の観察 機能蛋白質に蛍光蛋白質を結合した cDNA を作製し、これをモデル動物に導入し、発現し た蛋白質の蛍光を生きた細胞でレーザー顕微鏡を用いて観察記録する。 4. 具体的到達目標 (1)実験目標を理解できる (2)実験手法の原理、得られる結果とその問題点や限界を理解できる (3)実験を指導のもとに行うことができる (4)データを整理し、解釈することができる (5)レポートとしてまとめることができる (6)教室員とディスカッションすることができる 5. 評価方法 積極的に実習に取り組む態度とレポートから評価する。 − 410 − 6. 参考図書 Alberts B 他著、中村桂子・松原謙一監訳「細胞の分子生物学」 教育社 2010 増刊 「見る技術―分子・細胞のバイオイメージング―」蛋白質核酸酵素 42 巻 7 号 1997 村松正實・谷口惟紹編集「医科分子生物学」 1997 南江堂 実習実施要項 受け入れ学生数:2 名 期間:3 週間 第 1 週 医学のための分子遺伝学的な基礎的実験 月 オリエンテーション 火 点変異導入のための遺伝子設計 水 in vitro 点変異導入と形質転換 木 DNA の回収と変異体クローンの選別 金 塩基配列決定の理論と手法 第 2 週 トランスジェニック解析 月 オリエンテーション 火 マイクロインジェクション 水 変異体行動観察 木 変異体形態観察 金 トランスジェニック株蛍光観察 第 3 週 生きた細胞での機能蛋白質の動態の観察 月 オリエンテーション 火 蛋白質の cDNA の作製 水 培養細胞への遺伝子導入 木 発現した蛋白質のレーザー顕微鏡観察 金 結果検討・討論、まとめ 指導教員一覧表 所 属 職 名 氏 名 所 属 職 名 氏 名 第 二 生 理 学 主 任 教 授 三 谷 昌 平 第 二 生 理 学 助 教 若 林 沙耶香 〃 〃 末 廣 勇 司 〃 講 師 榊 建二郎 〃 助 教 茂 泉 佐和子 − 411 − 生化学自主選択実習 1. 一般到達目標 教室スタッフとともに、研究テーマの設定、実験計画、実際の測定・解析、結果のまとめ方と解釈、 論文の作成などの研究の流れを体験することによって、生体における未知の事項を解明するプロ セスを学ぶ。 2. 実習における必要な知識 4 年生までの基本的知識 3. 実習内容 当教室の研究テーマのうち、膜骨格に関する構造と機能の解析を行う。原則として、学生一名 に指導者一名が対応し、指導者のテーマに則って行動する。抄読会・研究検討会を週一回行う。 4. 具体的到達目標 1)基本的知識 細胞の構成について、図解できる。 生体膜の構成成分を列挙できる。 生体膜の機能を列挙し、説明できる。 細胞骨格および膜骨格の構成蛋白質と機能について、説明できる。 遺伝子と蛋白質の関係を理解し、説明できる。 細胞膜を介する情報伝達機構の概略を図解できる。 2)基本的技術 膜蛋白質の定性分析(電気泳動など)と定量測定ができる。 以下の実験手法の原理を理解し、説明できる(指導者とともに実施する) 。 蛋白質精製(遠心分画、クロマトなど) 、蛋白質解析(イムノブロット、アミノ酸配列な 、遺伝子関連手法(PCR、遺伝子組み換えなど) 、ペプ ど) 、質量分析(TOF−MS など) チド合成、 脂質分析(薄層クロマトなど) 、 分子間相互作用解析(IAsys 装置、 遠心法など) 、 一分子動態観察(FCS) 、赤血球膜機能測定、細胞培養など 文献検索(図書館、インターネットなど)ができる。 3)基本的態度 未知の事項に関心がもてる。 実験結果を客観的に記載できる。 疑問、意見などを科学的に表現できる。 正常と異常を対比させて考察できる。 指導者の指示を理解し、従える。 遺伝子技術の進歩と社会の関係に関心がもてる。 5. 評価方法 関心、意欲、取り組み方、理解度などについて評価する。 − 412 − 6. 参考図書 1)Alberts Molecular Biology of the Cell(第 5 版) Garland 2008 2)中村桂子他監訳 Essential 細胞生物学(第 3 版) 南江堂 2011 3)村松正實他訳 ストライヤー生化学(第 7 版) 東京化学同人 2013 4)堀尾武一 蛋白質・酵素の基礎実験法 南山堂 1994 5)堀尾武一 分子細胞生物学基礎実験法 南江堂 2004 6)三輪史朗監修 赤血球 医学書院 1998 7)浅野茂隆他監修 三輪血液病学 文光堂 2006 8)山科郁男監修 レーニンジャーの新生化学(第 5 版)上下 廣川書店 2010 9)竹縄忠臣編 タンパク質科学 イラストレイテッド 羊土社 2005 イラストレイテッド ハーパー・生化学 丸善 2013 10)上代淑人監訳 (第 29 版) − 413 − 生化学実習表 実 習 係 越野一朗(22812) 連 絡 係 越野一朗(22812) 集合場所 中央校舎 8 階生化学教室 (第一週∼四週) 9 12 13 16 実験・実習 (越野・田中・新敷・斎藤) 抄読会 (高桑・越野・田中・新敷・斎藤) 実験・実習 (越野・田中・新敷・斎藤) 実験・実習 (越野・田中・新敷・斎藤) 実験・実習 (越野・田中・新敷・斎藤) 実験・実習 (越野・田中・新敷・斎藤) 実験・実習 (越野・田中・新敷・斎藤) 実験・実習 (越野・田中・新敷・斎藤) 実験・実習 (越野・田中・新敷・斎藤) 月 実験・実習 (越野・田中・新敷・斎藤) 火 水 木 金 土 カンファレンス (高桑) − 414 − 試験日程 第 4 週土曜日 時 間 場 所 担 当 者 am9:00 ∼ 12:00 中央校舎 8 階 生化学教室 高 桑 雄 一 指導教員一覧表 所 属 職 名 氏 名 所 属 職 名 氏 名 生 化 学 主 任 教 授 高 桑 雄 一 生 化 学 助 教 新 敷 信 人 〃 講 師 越 野 一 朗 〃 〃 斎 藤 将 樹 〃 助 教 田 中 正太郎 − 415 − 薬理学自主選択実習 1. 一般到達目標 臨床的に重要な薬物の作用について基礎実験をベースに学習し、臨床医として患者の体内で生 じる分子生物学的事象を常に意識する姿勢を修得する。 本選択実習では、ステロイドと抗癌剤に焦点をあてる。 2. 実習内容 下記のテーマの一つを選び、実験計画立案実施・解析・考察・研究報告書作製を実践する。 1) 遺伝子導入技術を応用した薬物相互作用の分子薬理学的解析:ステロイドによる遺伝子応 答をレポーター遺伝子により解析し、ステロイド応答性を変化させる薬物を検索する。 2) 抗癌剤効果の分子生物学的検証:細胞死、増殖抑制をみる。 3. 具体的到達目標 1) 個人が責任を持ち計画を立て、効率的に実験を行う態度を身につける。 2) 薬物治療についてのそれぞれの課題の深い知識を得る。 3) 科学的態度に基づく薬物投与について学ぶ。 4. 評価 以下の 3 項目について評価を行う。 1) 指導教官との討論を通して個人の選択実習に対する基本的態度の評価。 2) 課題について自ら得た実験結果への文献検索を含む十分な考察をレポートした上で、その 内容についての主任教授による試問。 5. 参考図書 1)臨床遺伝子医学ガイダンス、分子医学へのアプローチ、南山堂、東京、2000 2)医科薬理学、南山堂、東京、2005 3)医系薬理学、中外医学社、東京、2004 受け入れ学生数:2 名 − 416 − 薬理学実習表 実 習 係 塚原富士子 連 絡 係 塚原富士子(22513) 集合場所 中央校舎 5 階薬理学教室 (第一週∼四週) 9 12 13 17 実験的研修 指導教官との討論 (丸・塚原・富田) 課題研究 実験的研修 指導教官との討論 (平塚) 課題研究 実験的研修 指導教官との討論 (塚原) 課題研究 実験的研修 指導教官との討論 (富田) 課題研究 実験的研修 指導教官との討論 (平塚) 月 課題研究 注 1 火 水 木 金 土 主任教授との討論 (丸) 注2 カンファレンス 注 1 但し一週目はオリエンテーション、課題設定、研究計画立案 注 2 第三週は学生が担当、但し第四週は試問のみ − 417 − 試験日程 第 4 週土曜日 時 間 場 所 担 当 者 am9:30 ∼ 11:00 中央校舎 5 階 薬理学教室図書室 塚 原 富士子 指導医一覧表 所 属 職 名 氏 名 薬 理 学 主 任 教 授 丸 義 朗 〃 准 教 授 平 塚 佐千枝 所 属 職 名 氏 名 薬 理 学 講 師 塚 原 富士子 〃 助 教 富 田 毅 − 418 − 病理学(第一)自主選択実習 病理学第一講座 コース 1 診断病理学(Diagnostic Pathology) 1. 一般行動目標 病理診断科における、検体の取り扱いから診断までのプロセスを自ら体験することにより、臨 床医学における病理診断学の役割を理解し、また、剖検の臨床医学における役割の大きさを学ぶ。 2. 具体的行動目標 1. 病理診断科における検体の流れを説明できる。 2. 通常の病理組織標本の作製について説明できる。 3. 免疫組織化学について簡単に説明できる。 4. 細胞診の形態学的検査における役割について簡単に説明できる。 5. 手術材料の肉眼診断、および切り出しを指導医とともに行うことができる。 6. 病理診断書を指導医とともに作成することができる。 7. 迅速診断の適応およびその限界を説明できる。 8. 病理解剖の必要性と臨床医学における役割について簡単に説明できる。 9. 指導医とともに病理解剖を行うことができる。 10. 剖検材料の肉眼診断、および切り出しを指導医とともに作成することができる。 11. 最終診断書を指導医とともに作成することができる。 12. Conference で症例を提示し、討論することが出来る。 Time Table 第 1 週目 月 Orientation 細胞診に関する基礎知識に関する講義 火 免疫組織化学の理論と実際(病理学教室) 水∼金 指導医の許で実際の診断業務を体験学習する。 第 1 週目に病理解剖があれば、指導医とともに体験する。 第 2 週目 指導医の許で実際の診断業務を体験学習する。 第 3 週目 指導医の許で実際の診断業務を体験学習する。 第 4 週目 指導医の許で実際の診断業務を体験学習する。 指導医とともに剖検診断書の作成を行う。 第 1 ∼ 4 週の火曜日午前に行われる病理診断科症例検討会、及び午後に行われる剖検症例検討 会に参加する。 実習場所は原則として、病理診断科で行う。指導医とともに行動し、毎日手術例 1 例と、 生検材料 1 − 2 例を指導医が選択し、手術材料に関しては肉眼診断と顕微鏡標本作成の為の切 り出しを行う。標本の観察は学生が行い、指導医と discussion を行い病理診断書を一緒に作 − 419 − 成する。 第 1 週目に剖検があった場合は、剖検を優先して行う。 第 1 週目に剖検がない場合は、あらかじめ用意した症例を用いて剖検診断書の作成を行う。 剖検の体験学習は 2 週目以降に行うが、診断書の作成の必要はない。 評価方法 病理部内の剖検例検討会において、症例を提示し病理医および主治医を含めて discussion を行 う。 指導医一覧表 所 属 職 名 氏 名 所 属 職 名 氏 名 病理学第一講座 主 任 教 授 柴 田 亮 行 病 理 診 断 科 教 授 〃 准 教 授 増 田 昭 博 〃 教 授 澤 田 達 男 〃 〃 山 本 智 子 − 420 − コース 2 分子病理学の基礎(Basic Molecular Pathology) 1. 一般行動目標 分子生物学的検索は、現在の医学研究には不可欠となっている。形態学的検索における基礎的 な分子生物学的技法を理解し、また実際に行うことにより、形態学的検索法におけるその重要性 を理解する。 2. 具体的行動目標 1. 文献を読んで、実験法の原理を理解する。 2. 通常の組織切片作成を行い、HE 染色を行う。 3. 免疫組織化学の原理を理解し、実際に染色を行う。 4. in situ hybridization の原理を理解し、それに関連する分子生物学的技術を学ぶ。 Time Table 第 1 週目 学術論文を読み実験法の原理を理解する。 通常の組織標本作成を体験する。 免疫組織化学の理論と実際を体験する。 第 2 週目 組織より RNA を抽出し、逆転写反応を行い cDNA を合成する。cDNA を鋳型とし て RT − PCR を行い、in situ hybridization のプロープを作成する。 第 3 週目 in situ hybridization を実際に体験学習する。 第 4 週目 1 ∼ 3 週目に行った結果をまとめ、報告書を作成する。 第 1 ∼ 4 週の火曜日午後に行われる抄読会に参加する。 評価方法 作成した報告書を許に、指導医または病理学教室のスタッフとともに discussion を行う。 指導医一覧表 所 属 職 名 氏 名 所 属 職 名 氏 名 病理学第一講座 主 任 教 授 柴 田 亮 行 病理学第一講座 助 教 新井田 素 子 〃 教 授 澤 田 達 男 〃 〃 宮 川 敦 子 〃 准 講 師 加 藤 陽一郎 − 421 − 病理学(第二)自主選択実習 1. 一般目標 医学に関する講義と実習を終えた時点で病理学に再度触れ、病気を病理形態学的に見直す作業 は大変意義あることと考えます。病理学教室のなかで実習期間を過ごすことにより、どの様に外 科材料が標本になり診断に到るのか、病理解剖はどの様に行われ病理医はどの様に最終診断を下 すのか、病気の解明のためにどの様な研究が行われているのかを体験し、 「人が病気になる」と いうことはどういうことかを考える姿勢を身につけることがこの選択学習の目標です。 2. 実習内容 1. 教室プローベ(外科材料)を指導者と共に切り出し、検鏡して病理所見を書き診断を行う。 2. 解剖例を各自 1 症例担当し、その症例のマクロ、ミクロをまとめ、最終週に発表する。 3. 期間中の病理解剖には全て着替えをして解剖に参加する。 4. 病理学の復習を兼ねた講義・検鏡に参加する。 予定している講義:消化管・肝臓・肺・血液・腎・男性生殖器・細胞診など (上記の日程は後程提示します。希望があれば他の領域の復習講義も随時行います) 5. 指導者および教室員の研究には随時参加・手伝いをする。 6. 毎週火曜日の抄読会・医局会に参加し、実習期間中に抄読会で各自一編の論文を紹介する。 7. 毎週火曜日に行われる病理学教室合同剖検カンファレンスに参加する。 3. 具体的到達目標 1. 外科材料が病理標本となる過程を理解し、染色法(免疫組織化学を含む)の知識を身につ ける。 2. 消化器や乳腺の生検診断をする過程で外科病理学の基本を身につける。 3. 病理解剖を体験し、最終診断に到るまでの過程・問題点を理解する。 4. 病理解剖の診断を通してその病態生理を再確認する。 5. 病理学のまとめの講義に参加し、病気の病理形態学的側面を理解する。 6. 病理学教室で行われている研究に参加し、病理学的研究の考え方を身につける。 7. 病理学教室で行われている研究に参加し、形態学的手法(免疫組織化学、電子顕微鏡)の みならず分子生物学的解析方法を体験する。 4. 評 価 実習態度、意欲、理解度を随時行われるディスカッションにより評価する。 5. 参考図書 Robbins Pathologic Basis of Disease, 8th ed. Saunders 2010 指導医一覧表 所 属 職 名 氏 名 所 属 職 名 氏 名 病 理 学(第二)主 任 教 授 小 田 秀 明 病 理 学(第二)助 教 吉 澤 佐恵子 〃 〃 板 垣 裕 子 〃 准 教 授 本 田 一 穂 〃 〃 川 西 邦 雄 〃 助 教 宇 都 健 太 − 422 − 微生物学免疫学自主選択実習 1. 一般到達目標 微生物学や免疫学は臨床医学において重要な位置を占める。最近は、生命を脅かすほどの新し い感染症(新興感染症)やかつて脅威であった感染症(再興感染症)が多く発生している。本実 習では、実験を行いながら、免疫学、微生物学、感染免疫学について習得する。 2. 実習に必要な知識 (1)感染症の成立機序の概略。 (2)自然免疫と獲得免疫による基本的な異物排除機構。 (3)異物が生体に侵入してから排除されるまでの一連の反応をイメージできる。 3. 実習内容 ヒトやマウスのリンパ球を用いて、in vitro 組織培養、サイトカイン測定、フローサイトメーター を用いた解析について学習する。さらに時間があれば PCR を用いたリンパ球遺伝子の解析も行う。 実験のあいだには、原著英語論文の解読、文献検索法についても学習する。データーの処理につ いてはパソコンを用いて図の作成、統計処理等について学習する。ヒトのリンパ球の実験では自 らの末梢血を利用することがある。 4. 具体的到達目標 (1)ヒトやマウスのリンパ球を取り出して組織培養ができる。 (2)フローサイトメーターの原理を理解し操作することができる。 (3)免疫学全般について十分な知識を持つ。 (4)感染症について十分な知識をもつ。 (5)英文原著論文を解読、批評することができる。 (6)パソコンを用いて図の作成や統計処理、文献検索をすることができる。 5. 評価方法 指導教員を付け、到達目標が達せられているかをチェックしながら実験を進める。最後に報告 文の作成(英語抄録付き) 、データーの報告と質疑を教室員全員の前で行い、実験に関する理解 度を全体的に評価する。 6. 参考書 図書館備え付け免疫学および微生物学教科書、教室が掲示する英語原著論文 − 423 − 実習日程 第1週 月 オリエンテーション(八木) 、テーマ決定(八木) 、免疫学と微生物学の教科書レベルの 知識の習得(八木) 、教室のデーター検討会に参加。論文紹介(教室の抄読会に参会) 。 火 マウスやヒトリンパ球の分離および組織培養の基本的手法の習得(加藤、ミヤケ、柳沢) 、 論文解読(多くの場合は自宅作業) (春田) 水 実験(組織培養やフローサイトメーターを用いた解析等を含む。以降の実験でも同じ) (加 藤、ミヤケ、柳沢) 、論文解読(春田) 木 実験(加藤、ミヤケ、柳沢) 、論文解読(春田) 金 実験(加藤、ミヤケ、柳沢) 、論文解読(春田) 土 データー検討(八木) 第 2、3 週 基本的に第 1 週と同じ(月の項目は実験、データー検討会および抄読会に参会、論文解読、 火の項目は実験(加藤、ミヤケ、柳沢) 、論文解読(春田)となる) この間、データーの検討を常時行い、不足データーを補う。 第4週 月 実験(加藤、ミヤケ、柳沢) 、データー検討会および抄読会に参会、論文解読(春田) 火 実験(加藤、ミヤケ、柳沢) 、報告書作成の準備(英文抄録付き) (柳沢) 水 実験(加藤、ミヤケ、柳沢) 、報告書作成の準備(柳沢) 木 報告書作成の準備 金 報告書作成、提出(八木) 土 発表会(指導医全員) 臨床感染症にも興味があれば、一定の時間感染症科に出向することも可能である。 試験日程 第 4 週土曜日に行う。 指導医一覧表 所 属 職 名 氏 名 所 属 職 名 氏 名 (大森)深雪 微生物学免疫学 主 任 教 授 八 木 淳 二 微生物学免疫学 助 教 ミヤケ 〃 〃 柳 沢 直 子 〃 講 師 春 田 郁 子 〃 特 任 助 教 芦 野 滋 〃 助 教 加 藤 秀 人 − 424 − 衛生学公衆衛生学(第一)自主選択実習 1. 一般到達目標 近年、日常の生活の中でも暴露されうる多様な化学物質の健康影響が問題となっている。本実 習では、化学物質暴露による細胞機能障害やその修復過程に関わる遺伝子群の発現調節機構につ いての実験を行うとともに、生活および労働環境中に存在する様々な有害要因と疾病や障害との 関わりを学習する。 2. 実習のために必要な知識 有害物質の吸収・分布・代謝・排泄 環境基準 許容濃度 生物学的モニタリング 3. 実習内容 健康に影響を及ぼしうる環境問題の動向について概説した後、実習の対象とする有害化学物質 や金属類を選定する。選定した化学物質についての暴露状況、代謝機構、標的臓器、毒性発現機序、 バイオロジカルモニタリング等に関する最新の知見を調べ(参考資料は教室にて準備) 、指導教 員と相談の上、実習可能な研究課題の設定、実験計画の立案を行う。細胞培養、細胞毒性、逆転 写 PCR、免疫沈降、イムノブロット等の基本的な実験手技を習得した上で、実験の実施、解析、 考察を行う。最終的に、実習報告書を作成し、口頭発表を行う。また、実験と並行して、環境医 学関連図書や雑誌の抄読会を行う。 4. 具体的到達目標 (1)化学物質を始めとする有害環境要因による健康影響を説明できる。 (2)環境・産業衛生学についての全般的な知識を持つ。 (3)文献検索および化学物質の毒性情報の収集ができる。 (4)細胞培養や基本的な毒性学実験に関わる手技を習得する。 (5)一連の実習を通して、論理的思考ができる。 5. 評価方法 学生の積極性、実習態度、実習報告書、口頭発表および試問等で評価する。 6. 参考図書 岸 玲子他編集 NEW 予防医学・公衆衛生学 南江堂 2012 荒記俊一編集 中毒学─基礎・臨床・社会医学─ 朝倉書店 2002 日本トキシコロジー トキシコロジー 朝倉書店 2009 松島網治編集 分子予防医学 医学書院 1999 岡 標準公衆衛生・社会医学 医学書院 2009 学会教育委員会編集 勲他編集 − 425 − 7. 衛生学公衆衛生学(第一)実習表 実 習 係 松岡雅人(22912) 連 絡 係 蒋池勇太(22912) 集合場所 中央校舎 9 階衛生学公衆衛生学(一)教室 9 12 13 17 月 火 水 木 金 実習課題設定・調整 (松岡) 実験実習 (宮山) 実験手技指導 (蒋池) 抄読会・カンファレンス (松岡) 実習課題調査・検討 (野原) 実験実習 (藤木) 実験手技指導 (宮崎) 実験実習 (蒋池) 実験実習 (藤木) 週間報告・検討 (松岡) 土 報告書作成 (松岡) 受け入れ学生数:2 名 受け入れ期間:3 週間 第 1 週は、実習課題設定および実験計画立案を主に行う。 − 426 − 8. 試験日程 第 3 週金曜日 14:00 ∼ 16:00 9. 指導医一覧表 所 属 職 名 氏 名 所 属 職 名 氏 名 衛生学公衆衛生学 主 任 教 授 松 岡 雅 人 衛生学公衆衛生学 助 教 藤 木 恒 太 〃 宮 山 貴 光 (一) 講 師 野 原 理 子 (一) 〃 特 任 助 教 宮 崎 智 史 〃 准 講 師 蒋 池 勇 太 集合場所・連絡先:衛生学公衆衛生学(一)教室(内線 22912) − 427 − 衛生学公衆衛生学(第二)自主選択実習 1. 一般到達目標 疫学とは「人間集団における健康状態とそれに関連する要因を明らかにする学問」であって、 最終的には疾病の予防、寿命の延長、QOL(quality of life)の向上を目的としている。本実習の 目標は、将来、臨床の現場あるいは研究において必ず必要になる「疫学の視点」にふれて理解を 深めることである。 2. 実習に必要な知識 疫学における統計手法 誤差、偏りとその制御 臨床疫学 EBM(evidence − based medicine) 3. 内容 ①、②のうち学生の希望でいずれかを選択。 ① 実際の疫学データを用いて、データの統計解析、評価、結果のプレゼンテーションの方法を 習得する。 ② 臨床の現場あるいは社会で問題となっているヘルスケアに関する課題の中から興味あるもの を選び、EBM の手法を用いた問題解決方法を習得する。 4. 具体的到達目標 ① 統計ソフトウェアを用いてデータの解析を行うことができる。 解析結果をまとめて、プレゼンテーションすることができる。 ②ヘルスケアにおいて何が問題なのか、問題設定ができる。 情報検索を行い、文献を批判的に吟味することができる。 検討結果をまとめて、プレゼンテーションすることができる。 5. 評価方法 学習した内容を、プレゼンテーションし、抄録にまとめる。 (40%) 学生の実習への取り組みを評価する。 (60%) 6. 参考図書 日本疫学会編 疫学:基礎から学ぶために 中村好一 基礎から学ぶ楽しい疫学 医学書院 2002 福井次矢編 EBM 実践ガイド 医学書院 1999 − 428 − 南江堂 1996 指導医一覧表 所 属 職 名 衛生学公衆衛生学 主 任 教 授 (二) 教 授 〃 〃 〃 准 教 授 氏 名 所 属 職 名 氏 名 山 口 直 人 衛生学公衆衛生学 講 師 佐 藤 康 仁 上 塚 芳 郎 (二) 助 教 清 原 康 介 〃 〃 古 島 大 資 岡 本 高 宏 〃 〃 福 島 教 照 小島原 典 子 − 429 − 法医学自主選択実習 1. 一般到達目標 法医学は法律上の医学的問題を解決することを目的とする社会医学である。法医学の知識は臨 床医にも必要であり、医療において法医学的判断を要する場合に有用である。 法医学の実務的側面および基礎的側面の双方から、将来臨床医として応用可能な課題を選択し、 問題解決の為のプロセスを経験することを本クリニカルクラークシップの目的とする。 2. 実習内容 実習は 3 つの分野から構成される。即ち、法医病理学、法医中毒学、法医血清学の 3 分野である。 法医病理学においては、実務的側面から死体検案・法医解剖実習及び医事法実習を行う。法医 中毒学においては、 未知検体中に含有される中毒物質(臨床例と剖検例で多い物質)の分析を行う。 高速液体クロマトグラフ質量分析計等の分析機器を用いた中毒物質の定性・定量分析を実習する。 法医血清学においては、血液、毛髪および爪からの血液型判定や精液検査等を行う。 3. 具体的到達目標 本クラークシップでは、学生が、5 学年までに行ってきたカリキュラムから得た知識と経験と を用い、未知の状況において如何に判断すべきかについて、その法医学的プロセスを経験する。 これらの研修において、法医病理学、法医中毒学、法医血清学の各分野を通じ 1) 未知の状況において、問題点を適切に指摘する態度を身につける。 2) 問題点を解決するための手段を見出す為の知識を得る。 3) 問題点を解決するための手段を具体化する方法を実習し手技を学ぶ。 4) 結果を検証するために必要な事項について学ぶ。 5) 上記 1)∼ 4)のプロセスにおいて、自らの法医学的判断が適切であったかどうかについて 自覚する。 4. 評価 指導教員との討論、課題についてのレポート、主任教授による諮問を通じて、以下の 4 点につ いて、評価する。 1)死体検案、死体検案書、法医解剖に関する知識。 2)法医中毒学、法医血清学に関する実技。 3)医療における法医学的課題の解決方法に関する知識。 4)1)∼ 3)を総合し、未知の状況における医師としての基本的態度と問題解決能力。 5. 参考図書 1) 田中宣幸・他 学生のための法医学 南山堂 2006 2) 金川琢雄・他 実践医事法学 金原出版 2008 − 430 − 法医学実習日程 集合場所 北校舎 2 階法医学教室集会室 実習日程 2 日間:検案実習、解剖実習 3 日間:法医病理学実習 2 日間:医事法実習 2 日間:法中毒学実習 2 日間:法医血清学実習 3 日間:学外関連施設見学実習 試験日程 第 3 週金曜日 11:00 ∼ 12:00 指導医一覧表 所 属 職 名 氏 名 法 医 学 主 任 教 授 木 林 和 彦 〃 講 師 呂 彩 子 〃 准 講 師 多 木 崇 所 属 氏 名 法 医 学 助 教 島 田 亮 〃 特 任 助 教 中 尾 賢一朗 〃 〃 町 田 光 世 連 絡 東京女子医科大学法医学教室 tel 職 名 3353 − 8111 内線 22242 fax 5269 − 7300 − 431 − 国際環境・熱帯医学自主選択実習 1. 一般到達目標 ・ 国際保健医療協力/熱帯感染症(以下「国際保健」 )分野から課題を選択し、その背景と現 状を理解する。 ・ スタッフとともにその課題についての調査・研究を実施する。 ・ 課題について考察し、自分の言葉でプレゼンテーションできるようになる。 2. 実習のために必要な知識 国際保健に関する基礎知識があることが望ましいが、それ以上に主体的で積極的な参加姿勢を 重視する。 3. 実習内容 当教室の研究対象は国際保健に関するものであり、国外での活動のみならず、国外で収集した サンプル、データの分析は研究環境等の理由から持ち帰って国内で実施している。 学生の幅広いニーズに対応すべく、当教室で受け入れ可能と思われる課題のオプションを以下 に列記する。尚、全コースを毎年実施可能ということではないので、関心の高い課題がある学生 は早期に教室まで直接連絡し、詳細について問い合わせること。また、国内、国外実習に関して は外部条件(渡航先の治安状況や実習受け入れ先の都合等)によって中止せざるを得ないことも ある。従って内容について大幅な変更の可能性もあるため、各コースとも必ず事前に担当者と連 絡を取り確認すること。 3−1 フィールドワークを通じて医療人類学を学ぶ(国内実習 時期未定 2 名) 国際保健医療協力の実践では、 「生活習慣、衛生観念、病気観が異なる人々にどのように介入 していけば、かれらの生活の質を改善することができるのか」が問題となる。そこで、人々の病 気観や治療行動を文化全体とのかかわりから理解する医療人類学の貢献が期待されている。人類 学は、自分にとって「あたりまえ」の生活からはなれて、他者にとっての「あたりまえ」の生活 のただなかに身を置くことによって、 「人間とは何か」 に答えていこうとする学問である。このコー スでは、医療人類学の手法を学び、医学生にとっての「あたりまえの医療」である「大学病院で の医療」から離れ、今まで経験したことのない医療現場(在宅医療、地域医療、補完代替医療など) や地域社会で観察とインタビューを主体とした 1 − 2 週間のフィールドワークを行う。その経験 を通じて、自分がよりどころとしてきた価値判断の文化的前提を明らかにすることをめざす。 3−2 開発途上国実習コース(国外実習 時期未定 2 名) 開発途上国で実施されている国際保健医療協力について学ぶ 1 週間前後の国外活動を中心とし た 3 週間の実習を予定している。日常会話レベルの英語能力 (TOEIC600 点以上) が望ましい。また、 開発途上国への渡航経験があることが望ましい。 実習テーマや渡航先は受け入れ先との調整が必要であり、渡航国の治安状況にも影響されるた め、現時点では詳細未定である。興味のある学生は希望を提出する前(第 5 学年の 9−10 月頃) に必ず担当者と連絡を取ること。 − 432 − 3−3 世界保健機関(WHO)研修(国外実習 1 期を予定 2 名) WHO 本部(ジュネーブ)において国際保健に関する WHO の政策立案の課程を体験する。主 に感染症関連部署において会議の傍聴、担当スタッフとのディスカッション、資料の収集分析 等を行い、グローバルレベルにおいて疾病対策がどのようにして形成され、実施されてゆくか を理解する。このため会議の内容を理解でき、またスタッフとの日常会話レベルの英語の能力 (TOEIC600 点以上)は必要となる。なお、受け入れ先との調整が必要となり、場合によっては 中止となる場合もあるため興味のある学生は希望を提出する前(第 5 学年の 9−10 月頃)に必ず 担当者と連絡を取ること。 4. 具体的到達目標 取り組む課題により異なる。 5. 評価方法 最終日にプレゼンテーションを実施し、教員との質疑応答を通じて、課題に対する理解度、関心、 取り組み方を評価する。 6. 参考図書・文献 共通 −中村安秀編 国際保健医療のお仕事 南山堂 −小早川隆敏編 国際保健医療協力入門:理論から実践へ 国際協力出版会 − Paul F. Basch(PHC 開発研究会訳) バッシュ国際保健学講座 じほう −日本国際保健医療学会編 国際保健医療学第 3 版 杏林書院 フィールドワークを通じて医療人類学を学ぶ −波平恵美子編 文化人類学カレッジ版(第 2 版)医学書院 2002 −佐藤郁哉 フィールドワーク:書を持って街に出よう 増訂版 新曜社 2006 開発途上国実習コース −戸田律子訳 WHO の 59 カ条 お産のケア実践ガイド 農山魚村文化協会 1997 − Managing Complications in Pregnancy and Childbirth ; A guide for midwives and doctors World Health Organization 2003 −三砂ちづる、コミットメントの力:人と人がかかわるとき、NTT 出版 2007 世界保健機関(WHO)本部研修 −江浪武志他:大きな疾病負荷をもたらす感染症対策の地球規模での現状と日本への期待 . 日 本医事新報 No4363:69−74 7. 実習表 集合場所:中央校舎 6F 実習日程:取り組む課題により異なる 8. 試験日程 試験の有無については取り組む課題により異なる − 433 − 9. 指導一覧表 所 属 職 名 氏 名 所 属 職 名 氏 名 国際環境・熱帯医学 主 任 教 授 遠 藤 弘 良 国際環境・熱帯医学 助 教 櫻 井 美 樹 〃 講 師 塚 原 高 広 〃 〃 本 間 一 連 絡:国際環境・熱帯医学教室(中央校舎 6F)内線 22612 − 434 − 夏季特別診療所実習(4 年、5 年) 〔目的と内容〕 1. 診療所での医師と患者の one − to − one の触れ合いを体得する。 2. 限られた facility を最大限に生かした効率の良い診療の実際に触れる。 3. 頻度の高い患者との接触による疾患の時間的推移と治療効果の評価を観察する。 4. 診療所と病院の連係と機能分担について理解を深める。 〔実施要項〕 1. 希望参加である。ただし、このような機会は個人では得難いので参加を薦める。 2. 新宿区医師会所属医師の診療所(主として内科、小児科系)で行う。 3. 原則として 1 診療所に 1 学生、1 週間とする。 4. 時期は夏期休暇中とする。 − 435 − 学生休暇中の特別臨床実習について(4 ∼ 6 年) 〔目的と内容〕 1. 各施設、診療科の特徴に応じた診療に接し、学年に応じた診療内容の実習を行う。 2. 外来診療を主体とした臨床実習においては患者との interview、臨床経過の follow − up につい て理解を深める。 3. 各科の検査、治療などの診療技術を学ぶ。 4. 臨床所見、検査成績、治療に対する反応性などの意義と評価を学ぶ。 〔実施要項〕 1. 自主的に参加できる。 2. 人数の分配、実習期間等は各施設、診療科責任者の意見を聞き、実習の効率を上げるため出来 るだけ少人数に分かれて実習を行う。 1. 附属病院 各診療科毎に実施される。希望者は、当該診療科の医局長宛に学年単位で申込み、人数、期間、 実習方法などについて具体的に打合わせること。 対象学年 主として 4 年、5 年 期 間 夏期または春期休暇中 − 436 − 英 語 課 外 授 業 英語研究室 責任者 鈴 木 光 代 3 学年以上の学生の希望者のために、医学英語講読のクラスと会話のクラスを設ける。曜日、 時間、及び内容は、希望者が集まった時点で担当者と決める。いままでは、Harrison’ s Principles of Internal Medicine や、The New England Journal of Medicine などからの抜粋を読んでいる。 会話のクラスは Listening や Speaking の練習。希望者は学年度の初めに英語研究室まで申し出る こと。 − 437 −
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