研究開発基金事業 炭素中におけるAl4SiC4の反応機構 研究者:星山 泰宏 平成20年度 研究内容 耐火物の新規原料としてM-C-O-N系化合物の探索を行っている。昨年度までの検討から、Al-Si-C系化 合物であるAl4SiC4を炭素含有耐火物用に添加すると、より高温域まで優れた緻密化効果が得られること がわかっている。本研究では、炭素含有耐火物中におけるAl4SiC4の挙動について、黒鉛にAl4SiC4を組み 合わせた二元系試料を作製して検討し、その反応機構を明らかにした。 平成20年度 研究成果 Al4SiC4-黒鉛系試料の構成内容 No. 800-300μm (中粒) Al4SiC4 300-45μm (細粒) 1 (mass%) 2 30 重量変化を測定 30 鱗状黒鉛 -100M 70 フェノール樹脂 ヘキサミン 5 0.5 反応層 大気雰囲気 アルミナるつぼ 30 -20μm (微粉) Al4SiC4 還元焼成試験の概要 3 電気炉 微構造を観察 (光学顕微鏡, SEM-EDS) Al4SiC4-黒鉛系 試料 黒鉛粉末 黒鉛層 Graphite SEM像 Al2O3+C CO(g) CO(g) C SiC+C Al(g), Al2O(g) Al4SiC4 Al Si 反応層はSi+Cが主体 反応層表面と黒鉛層中に Al+Oが存在する O 1500℃還元焼成後におけるAl4SiC4粒子表面の反応層の SEM-EDS分析結果 Al4SiC4粒子表面からAl(g)やAl2O(g)が蒸発し周辺の 空隙部でCOガスと反応してAl2O3+Cに変化する。 Al4SiC4粒子表面にはSiC+Cが取り残され反応層が 形成される。 炭素中におけるAl4SiC4の反応機構モデル Alを含むガスの蒸発~再凝縮反応によって 耐火物中の気孔が充填され、組織の緻密化 がもたらされると推定できる。
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