第5章 都市計画マスタープランの推進に向けて

第5章
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都市計画マスタープランの推進に向けて
協働のまちづくりに向けて
市民ニーズや地域特性に合わせた、きめ細かく柔軟なサービスを提供していくため、全国的に市
民参加によるまちづくりに向けた動きが活発化しています。
青梅市においては、平成 20 年に「青梅市における市民活動団体等との協働事業に関する指針」
を策定、平成 23 年には「青梅市協働実践マニュアル」を市民と協働で作成し、青梅ボランティア・
市民活動センターと連携して協働のまちづくりを進めています。
(1) 協働のまちづくりの推進
都市計画マスタープランの実現に向け、行政のみならず、市民や開発事業者が主体となり、
信頼と協調のもと、まちづくりに取り組む、協働のまちづくりを進めます。
このため、市民、開発事業者、行政が都市計画マスタープランやまちづくりに関する情報を
共有し、それぞれが果たすべき役割を認識し、協力しながらまちづくりを進めます。
●市民の役割
・まちづくりの主体としての意識を持ち、良好なまちづくりの実現に努めます。
・自分たちのまちや地域のことを考え、まちづくりへの参加、実践、提案を行います。
●開発事業者の役割
・都市計画マスタープランを共有し、技術や専門性を生かして、まちづくりに関する施策に
協力します。
・周辺環境に与える影響に配慮し、良好な環境を確保します。
・紛争予防と解決に努めます。
●行政の役割
・都市計画マスタープランなど、まちづくりに関する計画にもとづく施策を実施します。
・市民、開発事業者に対し、都市計画マスタープランなど、まちづくりに関する情報を提供
し、市民などの意見がまちづくりに反映されるように努めます。
・市民や開発事業者との協働によるまちづくりのしくみを整えます。
(2) 都市計画マスタープランの共有化
都市計画マスタープランにもとづき、協働のまちづくりを進めていくためには、都市計画マ
スタープランの内容や、都市計画に関する情報発信を積極的に行い、市民、開発事業者、行政
が都市計画マスタープランを共有し、まちづくりの方針として活用していくことが重要となり
ます。そのため、広報紙やホームページなどにより情報提供に努めるとともに、発信手法の工
夫に努めます。
また、市民や開発事業者などによるまちづくり活動や地域の情報を収集、公開し、市民同士
がお互いのまちづくり情報を知ることができる環境づくりを進めます。
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(3) 市民や開発事業者との協働によるまちづくり
ア
市民との協働によるまちづくり
協働のまちづくりを進めるためには、幅広く市民の意見を求め計画に反映させることが
重要です。本市では、これまでも市民と市長との懇談会や審議会などへの市民参加、パブリ
ックコメント※などを実施してきました。
今後は、インターネットなどを活用した市民との情報交換や、市民意見の反映過程の透
明化を図るとともに、ワークショップ※などの多様な参加手法の導入による市民参加機会の
充実を図り、市民意見の反映・合意形成を図るしくみを整えます。
イ
開発事業者との協働によるまちづくり
良好な市街地を保全・形成していくためには、開発事業者との協働も必要となります。
そのため、都市計画マスタープランなどで示される地域の将来像や市の施策と整合を図り、
周辺住民や環境に与える影響に配慮した、良好な都市環境が確保されるようなしくみを検討
します。
(4) 地域の特性に合わせたまちづくりの推進
地域の特性を生かしたまちづくりを進めるためには、地区の住民自らが地域のことを考え活
動することが重要となります。
市民が主体的に取り組むまちづくりを実効性のあるものにするためには、地区計画や都市計
画の提案制度 ※ を
活用していくこと
が考えられます。
このため、市民の
まちづくり提案の
■青梅市におけるまちづくり課題の例
(主として東部地域の課題)
●密集市街地の改善
●景観形成や緑の環境形成
●都市農地の保全
●良好な住宅地の生活環境保全
●青梅宿や中心市街地のまちづくり
●住工混在市街地の環境改善
(主として西・北部地域の課題)
●農山村集落地の活性化
●里山や山林の保全・活用
●歴史資産の活用
●自然資源の活用
●農林業と調和したまちづくり
●鉱山・採石場の跡地活用
位置づけや、都市
計画手続きへの移
行のしくみづくり
を検討します。
このような市
民主体のまちづく
りの推進や支援施
策、また、市民参
行政の役割
まちづくりの発意
・地区の問題や課題についての
話し合い、問題意識の共有
・出前講座や勉強会の講師派遣、
資料提供などの支援
自主的な勉強会グループ
など組織化
・まちづくりグループへの参加
呼びかけ、仲間づくり
・地区の基礎的調査やアンケー
ト調査などの支援
・資料提供や専門家派遣など
まちの調査や学習
・地区の将来像やあるべき姿
・問題課題解決の方法などの話
し合い
まちづくり計画の作成
・まちづくりの方法やルールづ
くりに向けた話し合い
・まちづくりの手法、制度等の
適用や実現性のアドバイス
・ルール化の支援
まちづくり計画やルール
の合意形成
・住民の協働や協力できる計画
内容やルールについての合意
・都市計画等の手続きや関係機
関との協議・調整
都市計画提案や実践に向
けた取組
・行政と協力しながら、まちづ
くり計画を具体化
きを明確化した、
・専門家派遣などの支援
制度化について検
討します。
・学習会、勉強会、講習会
・まちあるきやマップづくり
・話し合いの場づくり
まちづくりの素案の検討
・素案づくりのアドバイス
く り条 例」 など の
住民の役割
・住民の問題意識の掘り起こし
・行政主導で進めるべき地区の
まちづくりの呼びかけ
加や都市計画手続
市 独自 の「 まち づ
まちづくりの流れ
・意向調査などの支援
地区計画策定手続き
都市計画の変更など
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建築協定・緑地協定・ま
ちづくり協定など
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これからの時代の都市経営について
人口減少と高齢化が同時に進行し、これまでのような経済成長が見込めない時代になり、財政事
情はますます厳しさを増しています。このような時代にあっては、都市の運営や維持管理面での効
率化、市民や民間との協働などの考え方を取り入れていくことが重要となります。
(1) 新たな公共サービスを担う地域協働、公民連携のしくみづくり
厳しさを増す財政事情の中で、多様化・高度化する市民ニーズに対応するため、新たな公共
サービスの提供を行うシステムとして、地域の市民や企業などが行政と連携して、まちづくり
の計画・設計・建設・運営・管理というプロジェクト全般に携わるPPP※(パブリック・プラ
イベート・パートナーシップ:公民連携)への取り組みが全国的に広まりつつあります。
具体的には、PFI※、指定管理者制度※、公設民営(DBO)※方式、さらに包括的民間委
託、自治体業務のアウトソーシング※など多様な手法を活用した、財政削減や行政のスリム化だ
けではなく、そもそも行政では生み出せなかった、新しい機能や価値を持った「新しい公共」
の形成が展開されています。
青梅市では、福祉センター、東青梅駅北口自転車等駐車場などの公共施設の指定管理、下水
道施設の維持管理における包括的民間委託、市民窓口業務の一部外部委託などPPP※への取り
組みも実施していますが、さらなる充実に向けて次のような取り組みについても検討していき
ます。
●アダプト制度※などの、市民が主体的に市と協働で、公共的な空間の維持管理に取り組むこ
とのできる制度の導入
●エリアマネジメント※などの、市民や事業者がまちの維持管理、運営などに係ることのでき
るしくみづくり
(2) ストックマネジメント※手法の導入による公共施設全般の計画的な維持管理と長寿命化
これまで、人口増加や経済成長に伴う都市化と増大する社会資本整備需要に応えるため、青
梅市においても道路、橋梁、公共下水道、公園、公営住宅、公共建築物など多くの社会資本が
ストックされています。今後、これらの施設の老朽化が進むにつれ、維持管理や修繕および更
新に関する費用の増大が予想されます。
青梅市においては、公共建築の計画的な修繕・改修を進めるため、平成 23 年に「青梅市公共
建築物保全整備計画」を策定しています。また、橋りょうなどの都市施設についても長寿命化
計画※にもとづき、計画的な維持管理と費用の効率化を図ろうとしています。
今後は、公共施設全般にわたり、長期的なコスト縮減などを考慮した、維持管理を進めてい
くため、ストックマネジメント※手法を導入し、的確な施設の把握・評価とこれにもとづく予防
保全的な維持管理、修繕や長寿命化対策を実施し、既存施設の有効活用を図るとともに、ライ
フサイクルコスト※の低減を図っていきます。
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都市計画マスタープランの適切な見直し
都市計画マスタープランは、計画期間が長期にわたることから、社会経済状況や市民意識の変化
などに伴い、必要に応じて見直しを行います。
特に、上位計画である「青梅市総合長期計画」の改定や「都市計画区域の整備、開発及び保全の
方針※」などの改定が行われた際には、都市計画マスタープランの内容や進捗状況を点検し、必要
な修正や改定を行います。
また、新たな計画やまちづくりの方向性に大きな変化が生じた際は、部分的な見直しを含め、適
宜、柔軟な見直しを行うものとします。
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