第3回 FTSE Russell 年次調査

プレスリリース
2016 年 5 月 24 日
アセットオーナーのスマートベータ運用に転
機の兆し − 第 3 回 FTSE Russell 年次調査



アセットオーナーの 72%がスマートベータを利用、あるいは積極的にその検討を行っている 既存のスマートベータアロケーションを持つアセットオーナーの 62%が新たなインデックスの
検討を行っている 5 以上のスマートベータ指数を利用するアセットオーナーの割合は 2 年間で 10 倍に増加
FTSE Russell は今日、世界の機関投資家(アセットオーナー)によるスマートベータ指数の検討と運用に転機
が訪れていることを明らかにしました。FTSE Russell の第 3 回世界機関市場調査「スマートベータ:2016 年
度アセットオーナー調査(Smart Beta: 2016 Global Survey Findings from Asset Owners)」によると、2016
年現在、スマートベータの検討を行っているアセットオーナーの割合は 36%で、2014 年の初回調査時の 15%
から 2 倍以上に増加したことが分かりました。また、既存のスマートベータアロケーションを持つアセットオ
ーナーの 62%が、新たなアロケーションの検討を行っていることも明らかになっています。スマートベータの
採用増加率が一番大きかったのは、資産額 10 億ドル未満のアセットオーナー層でした。
本年度の調査結果には、世界のアセットオーナーのスマートベータの検討の転機が見て取れるのと同時に、ア
セットオーナーの見解とスマートベータ利用における重要な発展傾向が詳しく示されています。5 つ以上のス
マートベータ指数を利用しているアセットオーナーの割合は、2016 年には 21%と、2014 年の 2%から大きく
増加しています。いまだ低ボラティリティおよびバリュー・ファクター指数がアセットオーナーの採用上位を
維持している一方で、マルチファクター指数の採用はここ 1 年間で 2 倍近くに増加し、僅差で 3 位となってい
ます。また、アセットオーナーの 70%近くが長期的視点でスマートベータを検討しており、投資目標の達成を
助ける目的で、5 年以上のスマートベータ指数の運用を計画しています。
FTSE Russell 北米研究マネージングディレクター Rolf Agather より
「本調査は、世界の機関投資家/アセットオーナーの間で急速に高まるスマートベータ指数への関心と、運用
の傾向を示しています。多くのアセットオーナーやコンサルタントがスマートベータの理解を深めている一方
で、その他のアセットクラスやマルチファクターの分野における継続的な革新を考えれば、これまで以上に情
報や教育の必要性が増しているといえます。本調査結果が、スマートベータへの関心を持つ市場関係者の皆さ
まに、何らかのインサイトをもたらしてくれることを願います」
2016 年 1 月と 2 月に実施された第 3 回年次調査では、北米(49%)、ヨーロッパ(33%)、アジア(13%)か
ら 253 名のアセットオーナー(昨年度の 214 名、2014 年の 181 名から増加)が対象となりました。前身事業
である FTSE Group と Russell インデックスを通じてスマートベータを開拓してきた FTSE Russell のグロー
バル調査チームは、企業、政府機関、労働組合や総合型年金制度、および非営利団体を含むさまざまな組織を
対象に調査を行い、これらの知見に到りました。調査回答者の資産運用総額は、全世界で 2 兆ドル以上と推算
されます。
1
Press Release
その他の重要な知見

展望:本調査結果から、スマートベータ指数の運用は、現時点でスマートベータ指数の検討を行って
いるアセットオーナー、および既存のアロケーションがあり、今後徐々にスマートベータ投資手法への
増資を行うアセットオーナーを主軸に、継続的な成長を遂げていくとみられる。

スマートベータを選択する理由:アセットオーナーによるスマートベータの利用においては、運用益
の拡大とリスクの緩和が継続してその主目的となっており、2016 年には、コストの削減がこれまで以
上に重要視されている。

スマートベータ戦略の進化: アセットオーナーが採用するスマートベータ指数に基づいた投資戦略は
、過去と比べて進化してきており、ハイクオリティ、モメンタム、およびマルチファクター戦略が利用
される割合が増加傾向にある。また、スマートベータ指数に基づく投資は、現在アクティブ・アロケー
ションの一部と考えられる傾向が強まっており、これを排他的なアクティブ戦略と捉える人の割合は、
昨年の 22%から 35%に増加している。

戦略的および戦術的運用手段:スマートベータの戦略的運用では、資産額 10 億ドル以上のアセットオ
ーナーの需要が多い、個別勘定での投資(セパレート・アカウント)が最も好まれる手法となっている
。スマートベータの戦術的運用においては、アセットオーナーは資産の自己運用、個別勘定投資、ETF
、CIT(集団投資信託)など幅広い手法を採用している。
進化する外部投資運用業者およびコンサルタントの役割:スマートベータの検討における投資運用業
者、コンサルタント、およびインデックス・プロバイダーの役割は、アセットオーナーの運用資産残高
(AUM)によってさまざまである。運用会社が最も多く受託しているのは、AUM が 10 億ドル未満の
アセットオーナーで、コンサルタントは AUM が 10 億〜100 億ドルのアセットオーナー、インデック
ス・プロバイダーは AUM が 100 億ドル以上のアセットオーナーを主対象としている。

調査の背景と手法について:
回答者の 90%以上が、株式投資に直接的な責任を負うか、この機能を果たすチームの一員としての役割を担っ
ています。この回答者グループは、法人または個人事業(23%)、政府機関(24%)、組合または総合型年金
制度(18%)、非営利団体または大学(14%)と多様な組織に属しています。
残りは、保険会社、政府系投資ファンド、医療団体、およびファミリーオフィスとなっています。調査回答者
の 63%は確定給付年金、45%は確定拠出年金、14%は寄付金や財団資産を管理しています。回答者の中には、
保険一般勘定、政府系投資ファンド、その他の機関・組織のアセットオーナーも含まれます。
回答者の運用資産の内訳では、運用資産額 10 億ドル未満のアセットオーナーが 20%、10 億~100 億ドルが
46%、100 億ドル以上が 34%という割合でした。本年度の調査回答者の運用資産総額は、推算で 2 兆ドル超と
なっています。
– Ends –
2
Press Release
お問い合わせ先
プレス担当者
Lucie Holloway / Ed Clark
Mark Benhard
+44 (0) 20 7797 1222
+1 212 314 1199
[email protected]
地域別連絡先
香港: Fennie Wong
シドニー: Laura McCrackle
+852 2164 3267
+61 2 8823 3526
エディター向け注記:
FTSE Russell グループについて
FTSE Russell は、投資家向けにベンチマーク、 分析およびデータに関連したソリューションを提供する世界的な大手プロバイダーです。
投資家の運用プロセスに必要な市場に関する正確な見解を提供しています。信頼性が高く、正確で包括的な各種インデックスは世界の投資
家にとって、資産クラス、スタイル、戦略の枠を越えて市場を測定し、比較するために必要不可欠なツールとなっています。
FTSE Russell のインデックスに関する高度な専門知識や商品は、 世界の機関投資家および個人投資家に幅広く活用されています。 現在、
10.8 兆ドル超*の資産が FTSE Russell のインデックスをベンチマークとして利用しています。 30 年以上にわたり、 大手年金基金、 資産
運用会社、ETF 提供会社および証券会社は、FTSE Russell の インデックス を運用パフォーマンス 測定のためのベンチマークとして 採用
し、ETF、仕組み商品およびインデックス・ベースのデリバティブ商品の組成を行っています。
インデックスの設計と管理に当たっては、有力な市場参加者で構成される第三者委員会の監督の下に、ルールに基づいた透明性の高い手法
を採用するなど、FTSE Russell は業界最高水準の基準の適用に努めています。FTSE Russell は、 証券監督者国際機構(IOSCO)の原則
を全面的に受け入れており、その準拠表明は第三者からの支持を受けています。インデックスのイノベーションは、顧客ニーズと顧客との
結びつきを原動力にしており、これにより、FTSE Russell は提供商品の幅、 厚み、範囲を絶え間なく拡大させることが可能になっていま
す。
FTSE Russell は London Stock Exchange Group の 100%子会社です。詳しくは www.ftserussell.com をご参照ください。
© 2016 London Stock Exchange Group plc および関連グループ事業体 (「LSE グループ」)。LSE グループには、(1)FTSE International
Limited(「FTSE」)、(2)Frank Russell Company(「Russell」)、(3)FTSE TMX Global Debt Capital Markets Inc および FTSE TMX
Global Debt Capital Markets Limited(合わせて「FTSE TMX」といいます)ならびに(4) MTSNext Limited(「MTSNext」)が含まれます 。
無断複写・転載を禁じます。
FTSE Russell® は、FTSE、Russell、FTSE TMX および MTS Next Limited の商号です。ここで使用される「FTSE® 」、「Russell® 」、
「FTSE Russell® 」、「MTS® 」、「FTSE TMX® 」、 「FTSE4Good® 」、「ICB® 」およびその他の商標ならびにサービスマーク (登
録されているか否かは問いません)はすべて、LSE グループの該当メンバー会社またはそのそれぞれのライセンサーによって所有または
ライセンスを供与されているか、FTSE、Russell、MTSNext、FTSE TMX が所有、またはそのライセンスに基づいて使用されています。
すべての情報は、情報提供のみを目的として提供されています。本刊行物に掲載されているすべての情報の正確性には万全を期しておりま
すが、LSE グループのいかなるメンバー会社、そのそれぞれの取締役、役員、従業員、パートナーまたはライセンサーも、本刊行物また
は本刊行物に含まれるいかなる情報、データの使用による誤りまたは損害に対し一切の責任を負いません。
LSE グループのいかなるメンバー会社、そのそれぞれの取締役、役員、従業員、パートナーまたはライセンサーも、明示・黙示を問わず、
[インデックス]を使用した結果や、[インデックス]が使用されるあらゆる特定目的への[そ][それら]の適合性についていかなる要求、予測、
補償、表明も行いません。
LSE グループのいかなるメンバー会社、そのそれぞれの取締役、役員、従業員、パートナーまたはライセンサーも投資アドバイスを提供
しません。本[コミュニケーション][文書]のいかなる内容も、金融や投資の助言を構成しません。LSE グループのいかなるメンバー会社、
取締役、役員、従業員、パートナーまたはライセンサーも、いかなる資産への投資の推奨度に関しても一切の表明を行いません。このよう
な資産への投資における決定は、ここに記載されるいかなる情報にも依拠すべきではありません。インデックスに直接投資することはでき
3
Press Release
ません。インデックスへのある資産の編入は、その資産の購入、売却または保持を推奨するものではありません。ライセンスされた専門家
から法律、税務、投資についての助言を得ることなく、本刊行物に記載される一般情報を実行しないでください。
この情報のいかなる部分も、LSE グループの該当メンバー会社の書面による事前の許可なく、複製、情報検索システムへの蓄積、電子・
機械・写真複写・録音など何らかの方法による転送を行わないでください。LSE グループのインデックスデータの使用および販売、なら
びに金融商品を作成するためのデータの使用には、FTSE、Russell、FTSE TMX、MTSNext および/ またはそのそれぞれの ライセンサ
ーの ライセンスが必要です。
4