第3学年・みどり学級特別活動の実践(難聴理解学習)

第3学年・みどり学級特別活動の実践(難聴理解学習)
1
題材名
聞こえにくいってどんなこと?~補聴器って何だろう?~
2
学習の実際(1/2の学習)
(1)ねらい
・補聴器の仕組みや難聴児と接する時に気をつける点などを理解する。
(2)学習過程
学
習
活
動
教
師
の
支
援
1きこえにくさの体験を ・声を出さず,口の形だけで何と言っているのか当てるゲームをし,読話
する。
の難しさを感じる。
①口形ゲームをする。
②きこえにくさを体験す
る。(軽度難聴)
・騒音の中で耳栓を使って会話を聞かせ,話が聞き取りにくいことに気付
くことができるようにする。
・この聞こえにくさがR児童の聞こえと全く同じではないことを補足する。
2本時のめあて,活動内 ・補聴器や聞こえにくい児童について学習することを子どもたちと確認す
容を知る。
る。
(1~2:T1指導)
補聴器について知ろう!
3補聴器について学習す ・補聴器に興味をもって学習に取り組むことができるように,補聴器につ
る。(3~4(1):T2
指導)
いて知っていることを発言するように促したり,実物を提示して大きさ
を確認したりする。
・補聴器はどんなことに使
うのか。
(1)補聴器の仕組み
・マイク,スピーカーの場
所を知る。
(2)補聴器クイズ
① 補聴器一つの値段はDS
何個分か。
(1)声や音をどこから拾って,どこで聞こえるのかが簡単に理解できる
ように,図で補聴器のマイク部分とスピーカー部分を取り上げ,実
際の補聴器と大きさを比較する。
(2)補聴器の特徴について,イメージをもって理解することができるよ
うに,補聴器クイズは3択形式で行う。また一問ずつ回答した後は
図を使って補足の説明をする。
②補聴器が苦手なものは何
か。
③補聴器にやってはいけな
いことは何か。
補聴器クイズの様子
④補聴器をつけた人にどの ・補聴器の学習から,どのように接することが望ましいのかを理解を深め
ように話しかけたらよい
ることができるように,約束カードで一つずつ確認する。
・補聴器や難聴について,より興味を深めることができるように,児童か
か。
4 学習のまとめをする。
らの質問があればその都度回答する。
(1)難聴児童と接する
時の約束
①補聴器にはやさしくしよ
う。
②補聴器のそばで大きな声
を出さない。
補聴器の説明
③分かりやすくお話をする。
④まわりの音も大きくなる
から静かにする。
(2)難聴学級担任の話 ・保護者からも話を聞いておき,小さい時から頑張ってきた様子や教室で
を聞く。
努力しているRさんについて話し,応援したい気持ちにつなげられるよ
うにする。
5
振り返りをする。
※指名,板書は難聴学級担 ・今日学習したことをこれからの生活にいかしていくことができるような
任が行う。
3
言葉かけをし,児童の発言を取り上げるようにする。
実践を振り返って
・「聞こえにくさ」を体験できるように,教師の口形から答えを読み当てるゲームを取り入れた。こ
の活動によって,「口形だけで言葉を読み当てることが難しい」
と感じる子どもたちの姿が多く見られた。
・耳栓を使う体験では,聞こえるけれど,状況(騒音下)によっ
ては聞き取りにくいことに気付き,児童が普段の生活の中で,
どのように聞こえるのかを改めて考えるよい機会になった。
・発達段階を考え,いくつかのゲームを取り入れながら学習を進
めたことで,補聴器の仕組みや価値,約束についてよい雰囲気
の中でじっくり学ぶことができた。
学習の振り返りの様子から
・授業の終末で,担任の話を聞く活動を設定した。子どもたちは,
話の主旨をよく分かっていたが,保護者からも話してもらうこ
とでさらに難聴への理解が深まると思われる。今後も保護者の
協力を得ながら学習を進めていきたいと考えている。
・難聴に関し少しでも理解してもらったことで,安心して学習や
生活に臨む児童Rの姿が見られるようになった。(資料1)学
年に応じた難聴への理解学習を繰り返し行うことで,お互いが
相手の立場を考え,思いやりの気持ちをもって生活することに
つながると感じた。
資料1
児童の感想カード