MCRコースextension 2015年度年報(PDF 2.1MB)

文部科学省 課題解決型高度医療人材養成プログラム
―京大で臨床研究力/医学教育力を強化する!―
医師のための
臨床研究遠隔学習プログラム
MCRコース extension 年報
2015 年度
京都大学大学院医学研究科 社会健康医学系専攻
目 次
●
ご挨拶 2
●
プログラムの概要・目的 4
●
プログラムの特徴
5
●
年間カリキュラム 必修科目・選択科目
6
月次課題・ワークショップ
8
●
活動報告 開講記念シンポジウム
11
2015 年度ワークショップ
12
●
スタッフ紹介
16
●
受講生紹介
18
●
活動実績
25
●
募集要項
29
1
ご挨拶
京都大学大学院医学研究科 社会健康医学系専攻 健康情報学分野 教授
MCR extension プログラム責任者 中山 健夫 Takeo Nakayama
ようこそ、京都大学 MCR extension へ!
臨床研究の正しい理解は、今日の医療者にとって欠かせない専門的技能です。
本プログラムは、遠隔学習と参加型授業で臨床研究に必要な知識とスキルを修得する2 年間のコー
スです。コースの母体である京都大学の社会健康医学系専攻は平成 12 年 4 月に誕生した日本で最
初、そして最大の “School of Public Health” です。平成 17 年度に開始された臨床研究者養成
コース〈Master of Clinical Research: MCR〉で培われてきた臨床研究教育のエッセンスを提供
する MCR extension は、多くの臨床医の皆さんの期待に応えるものになると信じています。担
当教員一同、「新しい仲間」の参加を心からお待ちしています。
【略歴】 1987 年東京医科歯科大学医学部卒。内科研修後、東京医科歯科大学難治疾患研究所疫学部門 助手、
米国 UCLA フェロー、国立がんセンター研究所がん情報研究部室長を経て京都大学大学院医学研究科社
会健康医学系専攻助教授、2005 年~ 臨床研究者養成(MCR)コース運営委員、2006 年~同教授(健康情
報学)、2010 年~同副専攻長、2012 年度 第 1 回社会健康医学系専攻ベストティーチャー賞
【所属学会など】 日本疫学会、日本薬剤疫学会、日本禁煙科学会などの理事、日本神経学会、日本消化器病
学会などの診療ガイドライン統括委員。公益財団法人日本医療機能評価機構 Minds 委員・診療ガイドライ
ン評価専門部会座長、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)専門委員、認定 NPO 法人 健康医
療評価研究機構(iHope)学術諮問委員、NPO 法人日本メディカルライター協会(JMCA)副理事長、医療ビッ
グデータコンソーシアム代表世話人、他。
【業績・著書】 N Engl J Med 、Lancet 、JAMA はじめ英文論文多数。2001 年~ EBM・診療ガイドラ
インに関する厚生労働科学研究代表者。健康・医療の情報を読み解く:健康情報学への招待(丸善出版)、ヘ
ルスコミュニケーション実践ガイド(日本評論社)、臨床研究と疫学研究のための国際ルール集(ライフサイエ
ンス出版)、トムラングの医学論文「執筆・出版・発表」実践ガイド(シナジー)、医療ビッグデータがもたら
す社会変革(日経 BP)、他。
2
ご挨拶
京都大学医学研究科 社会健康医学系専攻長
MCR プログラムディ㆑クター、医療疫学分野 教授
福原 俊一 Shunichi Fukuhara
2005 年 4 月、京都大学大学院医学研究科 社会医学系専攻は、臨床医に特化した教育プログラム
である MCR を試験的に開講しました。開講当時は試行錯誤でカリキュラムを作り、教育方法を学
生のフィードバックを得ながら徐々に改善していきました。専任教員の配置も予算もない中で、6
分野がチームワークでこの MCR コースを運営してきました。
お陰様で、途中で挫折することなく、このプログラムは続けられ、徐々に学生数が 増え発展して
きました。これまでに138 名 がこのプログラムを修了し、4 名 の 教授を含む多数 の 教員を輩出、
411 篇以上の英文原著論文の発信、と10 年で一定の成果を上げることができました。
MCR 開講後 10 年を経過し、このたび MCR extension が 文部科学省の課題解決型高度人材養
成事業として採択されました。この MCR プログラムがやっと公的に認められたという隔世の感を
覚えます。いみじくも、MCR10 周年記念シンポジウムや記念誌を発行するこのタイミングに、こ
のような慶事に恵まれたことは感慨深いものがあります。
この MCR extension を支える教員は、MCR の修了生です。彼らが、MCR プログラムの 10 年
の歴史と伝統を踏まえ、この MCR プログラムをさらに発展させることを祈っております。
【略歴・所属学会など】 北海道大学医学部、ハーバード大学院卒。米国内科学会専門医、マスター(MACP)
横須賀米海軍病院にてインタ-ン、カリフォルニア大学・サン フランシスコ校内科㆑ジデント、国立病院
東京医療センター循環器科、ハーバード医科大学客員研究員、東京大学医学部講師を経て現職。東京大学
教授併任(2000-02)。2012 年 10 月より福島県立医科大学副学長を兼任。現在、日本プライマリケア連
合学会理事、米国内科学会日本支部 Vice Governor 。第 7 回 World Health Summit(WHS)本会議
2015(ベルリン)President 。専門領域:内科、Clinical Epidemiology 、Outcomes Research
【業績・著書】 近著「臨床研究 の 道標:7つのステップで 学 ぶ 研究 デザイン」(健康医療評価研究機構)が
amazon.co.jp の医学書一般部門で第一位に(2014 年1月)。2008 年に出版した「リサーチ・クエスチョ
(同上)を2015 年改訂
(第 3 版)
。「医療㆑ジリエンス:医学アカデミアの社会的責任」
(医学書院)
ンの作り方」
に世界医学サミット2015 の概要を執筆。
3
プログラムの概要
臨床研究 に 関心 のある臨床医 が、遠隔学習と参加型授業 で 臨床研究 に 必要 な
知識、 スキルを 学 ぶ 2 年間 のコースです。京都大学大学院医学研究科 社会
健康医学系専攻 の 臨床研究者コース *(MCR:Master program for Clinical
Research)のコンテンツを基盤としています。
*臨床研究者コース(MCR):平成 17 年に開設され、平成 20 年に文部科学省より臨床情報疫学分野とし
て正式に承認されたコースです。平成 27 年 3 月の時点で 10 期生 121 名が修了しており、多数の業績
を納めています。詳細は MCR コース website(http://www.mcrkyoto-u.jp/)をご参照ください。
目 的
実験室での基礎研究だけでなく、人や集団を単位とした臨床研究が医療・医学の
向上に大きな役割を担うことは言うまでもありません。そのような臨床研究を正
しく行い、正しく解釈するための知識は、今日の医療者にとって欠かせない専門
的技能の一つと言えます。
京都大学の MCR は、この領域で活躍する医師を育成するための 1 年間の教
育課程として、多くの修了生を送り出してきました。しかし、多くの臨床医にとっ
て臨床現場から離れることが難しく、MCR に参加できる臨床医の数は限られて
いました。
本コースは、医療現場で働く臨床医に、勤務地を離れることなく臨床研究のリ
テラシーと臨床研究デザインを学習していただくためのプログラムです。
教員一同、本プログラムにより、医療の現場で臨床研究に取り組む臨床医が
増え、より良い医療を目指すエビデンスの創出とその活用が進むことを願ってい
ます。
4
プログラムの特徴
1. 基本的な知識の習得と実践 臨床研究についての基本的な知識を、録画講義の視聴と月次課題を通じて
習得します。
参加型授業(Web 会議・ワークショップ)では、復習とともに実践を行います。
2. 遠隔学習システムによる効率的な学習 授業は、録画講義を用いるため、受講生の都合に合わせた効率的な学習が
可能です。
3. コミュニティ形成による学習効果の増強
掲示板、Web 会議、ワークショップなどを通じて受講生同士のコミュニティ
形成を促進します。
習得した知識を、自分の言葉で表現して意見を交 わすことで、学習効果を
増強します。
5
年間カリキュラム
1.必修科目
研究デザイン総論 担当教官:福原 俊一・福間 真悟
社会健康医学領域の研究(実験的研究を除く)を行う際の基本的な理論・知識を学ぶ。また、
疑問の構造化・モデル化、測定概念の変数への変換法の基本についても学ぶ。
第 1 回 研究デザイン 7 つのステップ(福原)
第 5 回 存在・発生・効果の指標(福原)
第 2 回 疑問を構造化する(福原)
(福間)
第 6 回 比較の質を落とす原因(1)
第 3 回 疑問のモデル化(福原)
(福間)
第 7 回 比較の質を落とす原因(2)
第 4 回 測定をデザインする(福原)
第 8 回 比較の質を高める(福間)
疫学基礎 担当教官 :大西 良浩
臨床研究を行う上での基礎となる疫学方法論のうち、疫学研究の種類(研究デザインの型)
とアウトカム発生と効果の測り方(疫学指標)について学ぶ。
第 1 回 研究デザインの型
第 2 回 介入研究
第 3 回 コホート研究・横断研究
第 4 回 ケースコントロール研究
第 5 回 疫学指標:疾病頻度の測定と比較
臨床統計 担当教官 :山本 洋介・福間 真悟・大西 良浩
研究プロトコールを作成する上で必要な統計の基礎に関して、特に具体的な手法に焦
点を当てて講義を行う(予定・内容に掲げる項目を重点的に講義する)。また、臨床研究論
文で示される統計関連の記述(対象者の分布、背景要因の記述、単変量解析、および、多変
量解析など)について系統的な講義を行う。
第 1 回 記述統計(山本)
第 2 回 連続変数の比較(山本)
第 3 回 カテゴリー変数の比較(山本)
第 4 回 相関と回帰・線形回帰分析(山本)
第 5 回 ロジスティック回帰分析(山本)
第 6 回 生存時間分析(福間)
第 7 回 サンプルサイズの設計(大西)
6
年間カリキュラム|必修科目・選択科目
文献検索法・評価法 担当教官 :中山 健夫・耒海 美穂・清水 さやか
臨床研究を含む社会健康医学(パブリックヘルス)領域において、基本的なスキルの1つ
である文献検索の方法論について講義を行う。疫学・EBM(根拠に基づく医療)の知識
をもとに、各種の健康・医療情報を検索する方法を学習する。PubMed 、医学中央雑
誌など代表的な医学文献データベース、有用な Web サイト、基礎的事項を紹介し、そ
の活用法の習得を目指す。
第 1 回 文献検索法(PubMed /医中誌)(耒海・清水)
第 2 回 文献整理法(橋本 剛)
第 3 回 CONSORT 声明/ STROBE 声明(耒海・清水)
医療倫理 担当教官 :川村 孝・中山 健夫・イチロー カワチ
臨床研究を行うためには、対象者の人権を守るとともに、対象者の心情にも配慮する必
要がある。2015年4月から
『人を対象とする医学系研究に関する倫理指針』
が施行される。
本コースでは、研究倫理の考え方や科学研究の公正さの要請、倫理指針の内容と具体
的対処法について概説する。
第 1 回 臨床研究のエシックスとインテグリティ(中山)
第 2 回 新しい倫理指針の概要(川村)
第 3 回 臨床研究における利益相反(COI)(カワチ)
2.選択科目
EBM・診療ガイドライン
臨床試験
調査研究法
診断法の評価
研究の伝え方
系統的㆑ビューを使いこなそう
臨床統計アドバンス
データベース研究基本編
QOL /PRO 評価法
7
年間カリキュラム
1.月次課題
録画講義の視聴、録画講義に基づいた㆑ポート課題および 掲示板を用いたディ
スカッション、さらに Web 会議システムを用いた受講生・教員間のライブディス
カッションから構成されます。
スケジュール
第1回
5 月 研究デザイン総論(1) 臨床研究デザイン7つのステップ
疑問を構造化する
● 疑問をモデル化する
●
●
第2回
6 月 研究デザイン総論(2)
測定をデザインする
● 存在・発生・効果の指標
●
第3回
8 月 研究デザイン総論(3)
●
第4回
9 月 研究デザイン総論(4)
●
第5回
比較の質を落とす原因
比較の質を高める
10 月 疫学基礎
研究デザインの型
介入研究
● ケースコントロール研究
● コホート研究
● 疫学指標:疾病頻度の測定と比較
●
●
第6回
11 月 文献検索法・評価法
PubMed /医中誌
文献整理法
● CONSORT 声明/ STROBE 声明
●
●
特別編
2 月 個別プロトコル発表 会
第7回
3 月 臨床統計
●
●
8
記述統計
連続変数の比較
年間カリキュラム|月次課題
① 録画講義の視聴
学習の基盤となる録画講義は、都合のよい時間帯に視聴できます。
eLearning システムで視聴します。1 个月に扱う講義は、3 ~ 5コマです。
eLearning システムでの録画講義の視聴
② 小㆑ポート
録画講義で学んだことについて、毎月小㆑ポートを提出します。
小㆑ポートは、研究の実例や仮想シナリオを用いた実践問題です。
ライブディスカッションで、フィードバックを行います。
③ 掲示板でのディスカッション
毎月、録画講義に関連したテーマでお題を設け、eLearning システム内の掲示
板で受講生同士のディスカッションを行います。学んだことをもとに、自分の意
見を言葉で表現します。正解は一つではありません。他の受講生と意見を交換し、
深く考察しましょう!
掲示板画面
9
年間カリキュラム|月次課題・ワークショップ
④ ライブディスカッション
Web 会議システムを用いて、月1回1時間、受講者全員と教員で行います。視
聴した録画講義、1カ月かけて取り組んだ課題、掲示板での議論をもとにディス
カッションを行います。
教員側配信風景
ライブディスカッションの風景(Web 会議システム画面)
2.ワークショップ
年に2 回(7 月と12 月)、京都にて1 泊 2 日の合宿形式で行います。遠隔学習で習
得した臨床研究の知識を基盤とし、ミニ講義、グループワーク、発表会を通じて、
実践を学びます。
10
活動報告|開講記念シンポジウム
課題解決型高度医療人材養成プログラム 開講記念シンポジウム
2015 年 3 月 15 日(日)、京都大学基礎医学記念講堂にて、「現場で働く指導医
のための医学教育学プログラム(FCME)」と共催で、課題解決型高度医療人材養
成プログラムの開講記念シンポジウムを開催しました。
医学研究科長上本伸二先生のご挨拶で開会し、本プログラムの説明の後、マー
ストリヒト大学 Cees van der Vleuten 教授、ハーバード医科大学 Ben Illigens
先生に、それぞれ医学教育と臨床研究教育の最新の知見につき、ご講演いただ
きました。
分科会では、本年度受講生および 来年度以降の受講希望者に対し、コース説
明を行いました。
参加者は幅広い年代・地域にわたり、盛況でした。皆様と直接意見交換できる
貴重な機会を得られました。
11
活動報告|2015 年度ワークショップ
2015 年度は 2 回のワークショップを行いました。
第 1 回 ワークショップ
「MCR extension ワークショップ 2015 夏
~グループ PECO で実践する研究デザイン~」
日時:2015 年 7 月 4 日・5 日
北海道から九州まで全 13 名の受講生の方々が参加しました。ワークショップは、
ミニ㆑クチャー、グループワーク、発表会で構成されます。グループワークでは、
シナリオをもとに各グループでリサーチクエスチョンを考え、ワークショップま
でに得た知識の実践を行いました。FIRM2NESS チェック、疑問のモデル化は、
いつも議論が白熱します! たった1つのシナリオから、全く違うクエスチョンが生
まれる驚きと、研究デザインを考えること、さらに皆で議論することの重要性を
実感しました。発表会でも、活発なディスカッションが行われました。
「グループ PECO は考えるたびに新たな発見、修正点が出てきて、どんどん進
化していくのが楽しかった」、
「これまで何となくであった文献検索をシステマチッ
クに学ぶことができ充実していた」などの感想をいただきました!
12
活動報告|2015 年度ワークショップ
1 日目 タイムスケジュール
13:00 ~ 13:15
開会挨拶
13:15 ~ 13:25
アイスブ㆑イク
* GW グループワーク
13:25 ~ 13:45
講義
疑問の構造化、FIRM2NESS チェック おさらい
13:45 ~ 14:25
GW
グループ PECO 確定、FIRM2NESS チェック
14:25 ~ 15:00
発表
グループ PECO 発表とフィードバック
15:00 ~ 15:15
15:15 ~ 16:00
休憩
GW
16:00 ~ 16:15
存在・発生・効果の指標 休憩
16:15 ~ 16:25
講義
概念のモデル化 おさらい
16:25 ~ 17:15
GW
概念のモデル化 17:15 ~ 18:15
発表
発表とフィードバック −PECO ~ FIRM2NESS ~概念のモデル化−
2 日目 タイムスケジュール
9:00 ~ 9:10
講義
測定をデザインする おさらい
9:10 ~ 9:40
GW
測定をデザインする
9:40 ~ 9:50
休憩
9:50 ~ 10:30
GW
文献検索
10:30 ~ 10:50
講義
プロジェクトマネジメント
10:50 ~ 11:00
11:00 ~ 12:00
12:00
休憩
発表
発表とフィードバック
終了
13
活動報告|2015 年度ワークショップ
第2回 ワークショップ
「MCR extension ワークショップ 2015 冬
~論文の批判的(建設的)吟味・Letter を書こう!~」
日時:2015 年 12 月 5 日・6 日
これまでの復習をしながら Letter を書いて実績も挙げよう!という一石二鳥の
ワークショップです。5チームに分かれてチーム毎に論文を選んで吟味をします。
グループワークの成果の発表会です。発表会では、全チー
1日目と2日目の締めは、
ムとスタッフでディスカッションを行います。
毎月ライブディスカッションで対面しているため、受講生の皆様の息もぴった
り合い、終始、活発で建設的なディスカッションが行われました。
グループワークのあとは、臨床を続けながら研究をする苦労とそれを乗り越える
ためのコツについて、MCR 卒業生の先生にお話を伺い、受講生のモチベーショ
ンもアップしました!
受講生の皆様からは、「ここまで深く論文を読んで批判的吟味を体系的にした
ことはなかった」「直接会って議論することで大変良い刺激になった」などの感想
をいただきました。臨床で忙しい中、多くの方がワークショップ 後も取り組み、
Letter として形にしてくださいました。筆者と意見交換できる楽しさを実感でき
ました!
14
活動報告|2015 年度ワークショップ
1 日目 タイムスケジュール
13:00 ~ 13:15
挨拶
13:15 ~ 13:20
アイスブ㆑イク
13:20 ~ 13:50
GW
論文の研究デザインをまとめよう
13:50 ~ 14:10
講義
バイアス・交絡 おさらい
14:10 ~ 14:50
GW
論文のバイアスについて考えよう
14:50 ~ 15:05
休憩
15:05 ~ 16:05
発表
研究デザインのまとめとバイアス①
16:05 ~ 16:15
講義
休憩
16:15 ~ 17:50
発表
研究デザインのまとめとバイアス②
17:50 ~ 18:15
講義
今年の総復習
2日目 タイムスケジュール
8:50 ~ 9:05
講義
バイアスへの対処 おさらい
9:05 ~ 9:45
GW
論文のバイアスに対する対処を考えよう
9:45 ~ 9:55
休憩
9:55 ~ 10:15
講義
Letter の書き方
10:15 ~ 10:35
GW
Letter で取り上げる批判についてまとめよう
10:35 ~ 10:45
10:45 ~ 12:05
12:05
休憩
発表
最終発表会
終了
15
スタッフ紹介
清水 さやか Sayaka Shimizu
徳島県出身
旭中央病院での初期研修医、総合内科、聖マリアンナ医科大学での腎臓内科の経験
を経て、臨床研究について興味を持ち、京都大学で MCR 9 期生として学びました。
MCR で学んだ知識と、同期、諸先輩方との意見を戦わせた経験は、かけがえのない
ものです。臨床や現実に根差した、現場に還元できる臨床研究を目指して、学んだこ
とをみなさんと共有しながら、みなさんとともに成長したいと思います。
略歴
2006 年 東京大学医学部医学科卒業
2006 年 総合病院国保旭中央病院 初期研修
2008 年 総合病院国保旭中央病院 総合診療内科 後期研修医
2010 年 聖マリアンナ医科大学 腎臓・高血圧内科 任期付助教
2013 年 京都大学大学院医学研究科 社会健康医学系専攻 医療疫学分野 後期博士課程
2015 年 京都大学大学院医学研究科 社会健康医学系専攻 医療疫学分野 特定助教
所属学会
日本内科学会 認定内科医、日本腎臓学会 会員、日本透析医学会 会員
業績
●
Makiyama J, Kono M, Shimizu S. Concerns about study on maternal H1N1 influenza vaccination and offspring
mortality. BMJ. 2016;352:i775.
耒海 美穂 Miho Kimachi
北海道札幌市出身
2012 年に私は京都大学社会健康医学系専攻(SPH)に入学し、MCR の講義を受講し
て、臨床研究に対する考え方 が 180 度変 わりました。それまでの私は、“ 何となく”
日常診療をこなし、
珍しい症例を見つけると“それっぽい”学会発表を行っていたのです。
臨床研究は奥の深い学問ですが、本プログラムにご協力くださった SPH の先生方は、
質の高い臨床研究を生み出すための道筋をわかりやすく示してくださいます。皆様に
一つでも多くのことを習得して頂けるよう、私も精一杯お手伝いさせていただきます。
略歴
2004 年 北海道大学医学部卒業
2004 年 北海道大学病院 初期研修医
2005 年 市立札幌病院 初期研修医
2006 年 苫小牧市立病院 一般内科
2007 年 釧路赤十字病院 一般内科・消化器内科
2009 年 北海道大学大学院医学研究科内科学講座 免疫・代謝内科学分野
2012 年 京都大学大学院医学研究科 社会健康医学系専攻 医療疫学分野 博士課程
2015 年 京都大学大学院医学研究科 社会健康医学系専攻 医療疫学分野 特定助教
所属学会
日本内科学会 専門医、日本腎臓学会 認定専門医、日本透析学会 認定専門医、日本プライマリ・ケア連合学会会員
業績
●
●
Kimachi M, Fukuma S, Fukuhara S et al. Minor elevation in C-reactive protein levels predicts incidence of
erythropoiesis-stimulating agent hyporesponsivenss among hemodialysis patients. Nephron 2015; 131(2): 123-30.
Kimachi M, Furukawa TA, Kimachi K, Goto Y, Fukuhara S. New oral anticoagulants versus warfarin for preventing
stroke and systemic embolic events among atrial fibrillation patients with chronic kidney disease. Cochrane
Database of Systematic Reviews 2014, Issue 11. Art. No.: CD011373. DOI: 10.1002/14651858.CD011373.
16
スタッフ紹介
片岡 裕貴 Yuki Kataoka
高知県出身
「臨床を粛々とやっていたらいつの間にか臨床研究をやっていた」とは私に臨床研究を
教えてくださった福原俊一先生の知人の言葉ですが、私もまさに同じでした。卒後 7
年目に飛び込んだ京大の MCR コースで学んだのは、臨床の現場から出てくる疑問を
解決し、より良い診療を患者さんに届けるための方法論としての臨床研究でした。
本コースでは、みなさんが日々の臨床で抱いていらっしゃる疑問を解くのに少しで
もお手伝いができればと思います。一緒に学んでいきましょう。
略歴
2007 年 東北大学医学部医学科 卒業
2007 年 兵庫県立尼崎病院 初期臨床研修医
2009 年 兵庫県立尼崎病院 呼吸器内科専攻医
2013 年 京都大学大学院医学研究科 社会健康医学系専攻 医療疫学分野 専門職学位課程
2014 年 同上修了
2015 年 兵庫県立尼崎総合医療センター 呼吸器内科医長
所属学会
日本内科学会、日本呼吸器学会、日本呼吸器内視鏡学会、日本肺癌学会、日本プライマリ・ケア連合学会、
日本臨床腫瘍学会、American College of Physician 、European Society of Medical Oncology
業績
●
Kataoka Y, Yamamoto Y, Otsuki T, et al. A new prognostic index for overall survival in malignant pleural
mesothelioma: the rPHS (regimen, PS, histology or stage) index. Jpn J Clin Oncol. April 2015:Epub ahead of
print. doi:10.1093/jjco/hyv039.
●
Tsujimoto H, Tsujimoto Y, Nakata Y, Akazawa M, Kataoka Y. Ultrasonography for confirmation of gastric tube
placement (protocol). Cochrane Database of Systematic Reviews. Vol Chichester, UK: John Wiley & Sons, Ltd;
2016. doi:10.1002/14651858.CD012083.
熊澤 淳史 Junji Kumasawa
大阪府出身
臨床経験を積み重ねるにつれ、臨床上の疑問が 増え、その疑問を解決するには臨床
研究を行うしかないと思い、MCR コースの門をたたきました。臨床上湧き上がる疑
問に対する答えを得るためには、疑問を具体的なリサーチクエスチョンに置き換え、
適切な研究デザインを作成する事が 大切です。本コースではそのいろはを学ぶこと
ができました。受講生の皆様の本プログラムにおける学習に、少しでも力になれれば
と思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。
略歴
2006 年 京都大学医学部卒業
2006 年 総合病院国保旭中央病院 初期研修医
2008 年 総合病院国保旭中央病院 救命科後期研修医
2011 年 市立堺病院 集中治療科
2013 年 京都大学大学院医学研究科 社会健康医学系専攻 医療疫学分野 博士後期課程
2016 年 同上修了
2016 年 京都大学大学院医学研究科 医療疫学分野 客員研究員
所属学会
日本内科学会 認定内科医、日本救急医学会 救急科専門医、日本集中治療医学会 集中治療専門医
業績
「ヘパリン起因性血小板減少症が疑われアルガトロバンを用いて経皮的心肺補助を施行した1 症例」日本集中医誌
2011;18:611-615
●
「ICU 各種病態にスタチンは効果があるのか?」-臨床に直結する集中治療のエビデンス- 2013 ●
「心停止・救急蘇生」-腎と透析- 2013. Vol74.
●
●
Kumasawa J, Kurita N, Fukuhara S. Comparative effectiveness of multivessel coronary artery bypass graft
surgery and multivessel percutaneous coronary intervention. Annals of internal medicine. 2013; 159(6): 435.
17
受講生紹介
宇野 浩史(うーやん)
現所属 日本鋼管福山病院
専 門 小児科
受講のきっかけ
地域小児医療に関わる中で、臨床的な疑問を感じることがたびたびありました。これらのことを形に
するために体系的に学習する場を模索していたころ、たまたま本コースの存在を知り応募しました。
受講の感想 いかに臨床的な疑問を構造化して、臨床研究の形にしていくかという過程を学習できるのはもちろ
んのこと、これらの過程を知ることで論文を批判的に吟味する意識が付いたのは非常に良かったと
思っています。
後進へのメッセージ 日常臨床の中での受講は大変だと思いますが、参加して損のないプログラムだと思います。
柏浦 正広(かっしー)
現所属 東京都立墨東病院 救命救急センター
専 門 救急医学・集中治療医学
受講のきっかけ 今まで体系的に臨床研究について学ぶ機会がなく、多施設共同研究に参加した際に研究の計画や
実践に対する理解が不足していることを痛感し、この講座を受講させて頂きました。
受講の感想 半期である1 年間で研究デザインを主に学びました。Web での聴講が主体ですが、Web ディスカッ
ションや京都大学でのワークショップを通して双方向的に学ぶことができ、知識の定着が図れまし
た。また受講以前に比べて、論文の批判的吟味も深くできるようになりました。
後進へのメッセージ 仕事の継続しながら臨床研究のコンピテンシーを体系的に学ぶことができるのが、この講座の最
大の魅力だと思います。仕事と学習の両立が大変な事もありますが、得られるものは大きいです。
年 2 回京都に行く口実ができるのもメリットです(笑)。お互いがんばりましょう!
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受講生紹介
菊池
守(きちっくー)
現所属 佐賀大学医学部
専 門 形成外科
受講のきっかけ 以前より京都大学での MCR の存在は知っていたものの長期に京都に行くことが難しかったが、遠
隔学習ができることを知り申し込みました。
受講の感想 毎月の課題、e ラーニングもさることながらなんと言っても京都で行われるワークショップが 刺激
になります。日常診療を行いながらの臨床研究は孤独になりがちですが、仲間がいると思えると
頑張 れます。特に形成外科医の中にはあまり臨床研究をやられる先生はいないので、こういう場
があることは大変ありがたく勉強になっています。
後進へのメッセージ なかなかハードルの高い臨床研究ですが、MCR extension はもっともハードルの低い勉強の場
だと思います。ぜひぜひ参加してみてください。
河野 通大(だい)
現所属 北海道大学大学院医学研究科 内科学講座免疫・代謝内科学分野
専 門 膠原病
受講のきっかけ
北海道で年一回開催されてきた臨床研究エトピリカに参加させて頂き、福原教授のもとで臨床研
究について学んでみたいと考えたため。
受講の感想
日々の臨床や基礎研究との両立が時に難しいと感じることもありますが、臨床研究のデザイン・論
文の批判的吟味といった独学では身につけることが難しい内容について、じっくり勉強することが
できる大変貴重な機会だと感じています。
後進へのメッセージ
様々な専門分野で活躍されている先生方と一緒に勉強できることを楽しみにしています。 19
受講生紹介
竹内 一文(カツオ)
現所属 公立学校共済組合 中国中央病院
専 門 循環器内科
受講のきっかけ
論文の批判的吟味など臨床研究全般について学んでみたいと思い、京大 MCR への入学を検討し
ている際にホームページで e ラーニングが始まることを知りました。
受講の感想
gacco など e ラーニングの経験はありましたが、一方向性の要素が強く挫折していました。MCR
extension ではチームでの課題検討や京大でのワークショップなど参加型の学習も用意されており、
参加する仲間の助けも借りて勉強が続けられます。
後進へのメッセージ 勉強したくとも、経済的な問題やキャリアや医局との関係で大学院進学を躊躇される医師も多いの
ではないでしょうか。MCR extension はひとつの解決策であると思います。
竹之下 博正(たけちゃん)
現所属 唐津赤十字病院
専 門 糖尿病
受講のきっかけ
地方の病院でも何か情報発信したいと思い、統計の勉強ができるところを探していたところ、佐賀
大学の菊池先生に紹介いただきました。
受講の感想
日常診療の中で大変な部分がありますが、授業をうけるほどに、今までの自分がどれだけ統計の
ことを間違って考えていたかがわかり、嬉しい様な悲しい様な。でも、医師人生の中でたった2 年
間ではありますが統計が勉強できる機会はないんじゃないかと思ってます。
後進へのメッセージ
大変ですが、がんばってください。
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受講生紹介
常森 寛行(つね)
現所属 香川大学医学部泌尿器科
専 門 泌尿器科
受講のきっかけ
医師になり、まず手術がとにかく上手になりたいと思い頑張ってきました。しかし、ある程度経験
を積むと自分のやっていることが本当に正しいのか?今までの常識は正しいのか思い悩むシーンが
増えてきます。そんなときに上司よりこのコースをすすめられました。まさに今自分に足りないも
のはこれだと思い参加しました。
受講の感想
とにかく㆑ベルの高い授業及び 指導を受けられます。日々の診療の中で雑用に追われて追い込ま
れることも多くありますが、何とか他の受講者について行こうと必死な毎日です。これまで学会に
出るためだけに発表する内容を作っていましたが、本当に大事なことは何か? そういうことを学べ
ていると思います。
後進へのメッセージ
一人ではなかなか出来ない事も、みんなで頑張ると出来ることもあります。MCR extension で出
来た仲間はこれからの財産になると思います。一緒に頑張りましょう。
長堀
亘(ほりほり)
現所属 心臓血管センター北海道大野病院
専 門 循環器内科
受講のきっかけ
なかなか臨床研究が実らず、臨床から離れることもためらわれ、遠隔で臨床研究の手法を学べな
いか探していた時にたまたまホームページを見つけ応募しました。
受講の感想
なんといってもわかりやすい講義を受講でき、定期的なグループワーク、ディスカッションを行う
ことができる環境はすばらしいです。普段縁があまりないようなさまざまな診療科、年代の方と一
緒に学べることも魅力的です。同じような意識を持つ仲間がいますので、今後も交流や協力が続く
といいと思います。
後進へのメッセージ
日常の何気ないことにも研究の種は埋もれていると思います。日本から日常診療にインパクトを与
えるような臨床研究を発信するため、皆さん一緒に頑張りましょう。
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受講生紹介
牧山 純也(まっきー)
現所属 国立病院機構 長崎医療センター
専 門 血液内科
受講のきっかけ
日々の 診療 で 生 じる 疑問 を 臨床研究 として 形 にしたいと 考 えていたところに 目 にした MCR
extension 開講のポスターとの出会い。
受講の感想
日々の診療の合間を見つけて毎月の講義、課題に取り組むことは、思いの他大変ですが、月末に
あるライブディスカッションでは理解不足な点をクリアカットに解決することができます。また半
年に1 回ある京都大学でのワークショップは全国各地の受講生と実際に顔を合わせることができ、
モチベーションアップにつながります。
後進へのメッセージ
すぐに募集要項を読んで応募することをお勧めします。
MCR extension の存在を知ったのならば、
日々の診療に対する取り組み方が 確実に変化しますし、また論文や既存のデータに対する見方も
変わります。皆さんと一緒に学べるのを楽しみにしています。
松下 明仁(まつ)
現所属 千葉メディカルセンター
専 門 心臓血管外科
受講のきっかけ
臨床で時間的な余裕が 持てるようになり、これまでの臨床的疑問を研究しようと考えた際に壁を
感じ、勉強の必要性を感じたことです。
受講の感想
実際の勉強内容はやはり難しい部分も多く、どう応用させるのかまだ不明な部分もあります。ワー
クショップでは受講生同士の交流があるのは刺激にもなりますし、モチベーションを高めることが
できます。指導教員の親切な導きで大変有意義な時間となりました。
後進へのメッセージ
研究マインドをもって臨床を行うことで質の向上につながると信じております。一緒に切磋琢磨し
今後も刺激しあえる人のつながりや出会いは素晴らしいものと思います。是非ご一緒に頑張 れま
したら幸いです。
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受講生紹介
茂木 千明(ちあきんぐ)
現所属 飯塚病院 総合診療科
専 門 家庭医療専門医
受講のきっかけ
医師 8 年目、職場では研修医の指導医として、家庭では 1 歳児の母親として多忙な毎日の中、臨
床研究を学びたいという私の熱意は消えかかっておりましたが、京都大学大学院在学中の夫から
本コースの紹介を受け、興味を持ったのがきっかけです。
受講の感想
好きな時間にいつでも、何度でもビデオ講義を受けられるので忙しくても続けられます。自己学習
だけでは三日坊主になりがちな私でも、毎月課題提出があり、月一度 Web 講義・解説があるので(少
しスト㆑スがかかりますが)着実に臨床研究を学んでいけます。
後進へのメッセージ
臨床研究を学びたくても様々な理由で諦めかけていた方が大勢いらっしゃると思います。本コース
は滅多にないチャンスです。ぜひチャ㆑ンジしてください。
山田 直樹(かちにい)
現所属 福井大学 救急部
専 門 救急医学
受講のきっかけ
“うちの林先生と友達の福原先生” AND “無料”とPubmed 検索したらMCR extensionとヒット
(半
分本当で半分ウソ)!
受講の感想
教科書を読むと眠たくなる分野で同じ臨床をしていた先生方の講義ですので「ガッテン」3 回押し!
噂によると来年はビデオ内のギャグが 3 割増しで先生たちは全員コスプ㆑だそうです(あくまで噂)。
後進へのメッセージ
のちのち共同研究などできたら楽しそうですね。まったくアドバイスはできませんが、飲みには行
けます。
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受講生紹介
和田 陽之介(のすけ)
現所属 御蔵島村国民健康保険直営御蔵島診療所
専 門 一般外科・総合診療(家庭医療専門医/指導医 日本内科学会認定内科医)
受講のきっかけ
自治医科大学 東京都卒業で義務年限中の後期研修(都立多摩総合医療センター 外科)の際に、医局に
MCR extention コース募集 のポスターがありました。臨床研究 の 勉強 をしっかりしてみたく、
iHope のコースを離島赴任時に受講しようとも思っていたところでもあり、早速応募したのがきっ
かけです。
受講の感想
離島勤務のある自分にとって、遠隔地にいながら Web で学習できる本コースはまさに求めていた
コースでした。また、体系的な学習に加え、ワークショップやライブディスカッションでの受講生
とのやりとりは、毎回学びが多く、良い刺激を受けています。
後進へのメッセージ
是非受講をオススメします。Low cost High return ですよ。
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活動実績
2015 年冬 のワークショップでは、少人数 のグループに分 かれ、メジャー 雑誌
に掲載された論文について、批判的吟味を行いました。論文の「Methods」や
「Results」の示し方などについて著者に Letter で提案を行ったところ、4つの
グループの Letter が受理されました。
Letter 紹介 1. 投稿者| 柏浦 正広、宇野 浩史、熊澤 淳史
吟味した論文
Farber HJ, Batsell RR, Silveria EA, et al. The Impact of Tobacco
Smoke Exposure on Childhood Asthma in a Medicaid Managed
Care Plan. CHEST. 2016; 149(3): 721-28.
論文の要旨 副流煙曝露と小児喘息の関連を調査した横断研究と前向きコホート研究の両方
の側面をもつ論文である。18 歳未満の小児 22,470 例を対象として、母親が喫煙している家
庭と母親が喫煙していない家庭を比較して喘息の有病割合および 1 年間のβ刺激薬処方や救
急外来受診をアウトカムとしている。結果は母親の喫煙は喘息の有病割合やβ刺激薬の処方と
有意な関連が見られ、複数の交絡因子を調整しても結果は同様であった。
Letter の要旨
第一に小児喘鳴疾患は病態生理学的にいくつかの表現型に分類され、年齢により主要
な表現型が異なる。つまり、年齢により小児喘息に対する副流煙の影響が異なること
が考えられる。本研究では年齢を多変量解析で調整しているが、年齢による層別解析
も行うことを提案した。第二に本研究では小児本人の喫煙を交絡因子として調整して
おらず、本研究の結果を過大評価している恐れがあります。調査した項目に小児本人
の喫煙が分かるのであれば調整すべきであると提案した。
Letter 投稿の感想
恥ずかしながら、
今まで論文を読んでも主要なジャーナルの Abstract と Conclusion
を読んで終わりということが多かったです。MCR extension を受講して今までに学
んだ知識を活かして批判的吟味ができるようになり、さらに Letter のアクセプトのお
まけもついてきて感無量です。
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活動実績
Letter 紹介 2. 投稿者| 和田 陽之介、 菊池 守、常森 寛行、片岡 裕貴
吟味した論文
Li X, Wilson M, Nylander W, et al. Analysis of Morbidity and Mortality
Outcomes in Postoperative Clostridium difficile Infection in the
Veterans Health Administration. JAMA Surg [journal on the Internet].
2015 Nov 25 [cited 2015 Dec 1]. doi: 10.1001/jamasurg.2015.4263.
[Epub ahead of print]
論文の要旨 the Veterans Affairs Surgical Quality Improvement Program database
(以下、VASQIP)に登録された心臓外科以外の外科手術をうけた患者を対象に、臨床診断と、
培養または assay で Clostridium difficile Infection
(以下 CDI)
と診断された患者と CDI でな
い患者を比較して、術後 30日以内の mortality 、complications 、入院期間、術後 CDI 発
生にかかわる risk factors を検討した研究である。
Letter の要旨
Letter では2つの内容を記載した。1 点目は、
missing data についてである。論文では、
“VASQIP のデータベースでの missing data は rare であり、multiple imputation
を使用した” と記載されているのみであり、STROBE 声明 No.12(c) を参考に実際の
missing data の詳細と multiple imputation を使用できる前提条件がそろっていた
かを指摘した。2点目は、研究対象の背景を記載した表に数値の間違いを見つけ、そ
れを指摘した。
Letter 投稿の感想
Letter を書くという一連の流れを通して、論文を批判的に吟味し、ポイントを絞って
Letter の中に凝縮させる難しさを学びました。今回の Letter 作成は、ファシリテーター
の方々のお導きで書く事が出来たご褒美のようなもので、今後自分自身で論文を読む
際には Letter を書くつもりで、日々意識する様に取り組もうと思いました。チームの
皆と一緒に Letter という形を残す事ができ、良い経験をさせていただきました。
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活動実績
Letter 紹介 3. 投稿者| 長堀 亘、竹之下 博正、片岡 裕貴、耒海 美穂
吟味した論文
Gunderson EP, Hurston SR, Ning X, et al. Lactation and Progression
to Type 2 Diabetes Mellitus After Gestational Diabetes Mellitus. Ann
Intern Med. 2015; 163(12 ): 889-98.
論文の要旨 妊娠糖尿病(GDM)が2型糖尿病(DM)発症のリスクであることが知られている
が、本研究は GDM 患者で産後の授乳における母乳の割合とその後の DM 発症に関連がある
かを調査したコホート研究である。GDM 患者 1035 名を対象とした。産後 6 週までの人工乳
の使用量を4 群に分け、その後 2 年間の DM 発生を比較した。結果は人工乳の割合が多いほ
ど DM の発生が多く、母乳割合を増やすことが母親の DM 発症を予防することを示唆した。
Letter の要旨
本研究は GDM 患者が DM 発症予防に母乳栄養を主体とすることを支持する結果であっ
た。しかしながら事前のプロトコール論文には母乳栄養の割合はスケールを用いて推
定すると記載されているものの本研究の結果に記載はなく、人工乳の使用量に関する
4 群の分け方がその後の母乳栄養の割合を適切に反映しているかも不明であったため、
臨床的に妥当であったかどうか授乳日記を活用して調べることを提案した。また栄養
方針が一貫せず初期に除外された83 名も研究に含むべきだった、とも指摘した。
Letter 投稿の感想
自分の専門とは異なる分野であり、Letter を書くために論文の隅々、あるいは関連す
る論文まで読む必要がありました。しかしそうするとあたかも自分がその研究をデザ
インして行ったかのようになり、その研究の不明な点や不備が 見えてきて、今後自分
が研究を行う際にも非常に役に立つと思います。また原著論文はハードルが高くても、
Letter であれば投稿しやすく英語論文作成の訓練にもなると思いました。
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活動実績
Letter 紹介 4. 投稿者| 牧山 純也、河野 通大、清水 さやか
吟味した論文
Ludvigsson JF, Ström P, Lundholm C, et al. Maternal vaccination
against H1N1 influenza and offspring mortality: population based
cohort study and sibling design. BMJ. 2015;351:h5585.
論文の要旨 妊娠中の H1N1インフルエンザワクチン接種と出生後の児の死亡との関連を検
討したスウェーデンのコホート研究。ワクチン接種群と同時期の非接種群で、出生後の児の死
亡を比較した。また、ワクチン接種群から、同胞妊娠時にワクチン非接種であった母を抽出し、
ワクチン接種時、非接種時の出生後の児の死亡についても比較した。妊娠中の H1N1 インフ
ルエンザワクチン接種と出生児の死亡との関連は示されず。
Letter の要旨
(1)妊娠中のワクチン接種のみを要因と定義しているが、妊娠直前の接種が児の死亡
に影響を与える可能性がある。その群を接種群に含めた場合、結果は変わるのか。
(2)同意が得られなかったワクチン接種群の一部が、非接種群に分類されている。こ
の群を接種群として感度解析を行うことで、結果は変わるのか。
(3)死産、新生児死亡、それ以降の死亡をアウトカムとしている。早産、低出生体重児、
自然流産といったアウトカムも切実であり、アウトカムとして含めるのが適切では
ないか。
Letter 投稿の感想
Letter 作成に際して、時間が限られた中での準備となりました。間に合うかどうか大
変不安でしたが、濃密な議論をすることができ、短期間で投稿することができました。
幸いアクセプトされ、紙面として見ることができたのは感慨深かったです。次につな
がる経験として、これからも頑張っていきたいと思います。
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募集要項
出願資格
卒後 4 年目以上の臨床経験のある医師で、
これまでに臨床研究、疫学、統計学の系統的学習を行ったことがない方。
ただし、京都大学在学者、京都大学医学部付属病院勤務者、京都大学関係
病院勤務者は、このプログラムの対象外です。
修了要件(変更になる可能性があります)
● 講義と参加型授業を2 年間で 120 時間以上履修すること
● 試験、掲示板への投稿などで一定以上の評価を受けること
※修了者には履修修了証を授与します(学位は取得できません)。
定員
10 名程度
選考方法
出願書類による選考を行います。
選考時期
11 月初旬頃を予定
資料請求
MCR extension website にて資料請求方法をご確認ください。
http://www.k3kyoto.jp/mcrextension/
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京都大学大学院医学研究科
社会健康医学系専攻
●
お問い合わせ
〒 606-8501 京都市左京区吉田近衛町 G 棟 225 号室
MCR extension 事務局
メールアド㆑ス extension @ mcrkyoto-u.jp