油断大敵! 食中毒シーズン到来 すこやかファミリーのための健康基礎知識 予防への第一歩 食中毒を理解しよう すこやかファミリーのための 健康基礎知識 協力/松山市保健所 生活衛生課 食品衛生担当 気温が上昇するこの時期、細菌の増殖が盛んになり、食中毒の 発生も増えてきます。 食中毒の発生を防ぐためには、食中毒が起こる原因を知って、 それをガードすること。そのためにも知識をもって具体策を徹底し ましょう。 食中毒の原因の約6割は細菌性食中毒 食中毒の原因は、食中毒を引き起こす細 菌やウイルスのほか、 フグ毒のような自然毒 など様々です(右を参照)。 しかし、発生件数の約6割は細菌性食中毒 によるもの。これは、1個の菌が原因になる のではなく、食中毒菌が増殖している食品 や、食中毒菌が出す毒素を含む食品を食べ ることで起こります。一方、ウイルスは少量 でも感染し、食中毒症状を起こします。 細 菌やウイルスで汚 染された食 品は通 常、味や臭いに変化が見られません。特に食 中毒のリスクが高い食品については、衛生 的な管理を心がけることが大切です。 【 食 中 毒 の 分 類 】 ● 細菌性食中毒 ● 自然毒食中毒 ・食中毒菌の感染による ・食中毒菌の毒素による ・その他 ・フグ毒、 貝など ・毒キノコ、 ジャガイモの芽など ● 感染症による食中毒 ・チフス菌や赤痢菌、 コレラ菌、 腸管出血性大腸菌 (O157) など ● 化学性食中毒 ・化学物質の混入 (殺鼠剤や農薬など) ● ウイルス性食中毒 ● その他の食中毒 ・ノロウイルス ・寄生虫によるもの ・そのほかのウイルス ・アレルギー様食中毒 (ロタウイルス、A型肝炎ウイルスなど) ・その他 細菌、ウイルスによる食中毒のリスクが高い食品の一例 カンピロパクター サルモネラ 食肉(特に鶏肉)やその肉の加 工品など 食肉や生卵など 食肉やその加工品、多量に調理 され、保存されたものなど ウエルシュ菌 000 食肉 (特に 豚肉) や生 乳など エルシニア 病原大腸菌 セレウス菌 黄色ブドウ球菌 加熱不十分な肉 料理など 穀類を用いた食品 など 手指で触って加工した食品など ボツリヌス菌 腸炎ビブリオ 加熱後に真空パッ クされた食品など 海産性の鮮魚介類など ノロウイルス 二枚貝など 細菌性食中毒になる仕組みと対策 すこやかファミリーのための健康基礎知識 細菌は、適度な栄養分と温度、時間のもとで増殖します。増殖の仕組みを理解し、 その過程で有効な予防策を実践すれば、食中毒を防ぐことができます。 原因はこれ ① 細菌がつく 人の手や調理器具などから、 または 食品そのものにすでについている。 ② 細菌が増殖する 適度な温度で時間が経つ。 ③ 細菌が生き残る 加熱が不十分で生き残った 菌がいる食品を食べる。 ④ 食べて、食中毒を発症 予防はこの三原則で ● 食品 (栄養分) に細菌を付けない (清潔) ・調理器具は洗浄後、 熱湯などで殺菌・乾燥する。 ・手をよく洗う。 ・食材を十分に洗浄する。 ・ゴキブリ、 ハエなどの侵入防止や駆除に努める。 ● 細菌を増やさない (迅速・冷却) ・でき上がった食品はすぐに食べる。 ・前日からの調理は厳禁。 ・それぞれの原材料や製品にあった温度管理をする。 ● 細菌を殺す (加熱) ・75℃で1分間以上、 加熱する。 ・温める程度の中途半端な加熱は×。 ・食品は中心部まで十分加熱する。 ノロウイルスによる食中毒の予防は… ノロウイルスは、人の体内でのみ増殖し、食品中で増 殖することはありません。予防には、 ウイルスをつけない こと (清潔)、 ウイルスを殺すこと (加熱)が大切です。 また、細菌とノロウイルスでは有効な対策が異なるの で(右表参照)知っておきましょう。 ●ノロウイルスと細菌性食中毒に 有効な対処の違い 対策 ノロウイルス 一般的な 食中毒菌 加熱による殺菌 有効 有効 殺菌に必要な温度 85.1℃で1分 75.1℃で1分 消毒用 アルコール × 有効 逆性石けん × 有効 次亜塩素酸 ナトリウム 有効 有効 ■実践! 食中毒予防の基本の「き」。手洗いの極意! ① 水で手を濡らし、 石けんを十分に泡立てる。 ② 指、手首を洗う。 ※特に、指の間と指先など、 右の5カ所の ポイントをしっかりと洗う (30秒程度) ③ 石けんをよく流す (20秒程度) 。 ④ ❶〜❸をもう一度繰り返す。 ⑤ 使い捨てペーパータオルなどで拭く。 ※エプロン、共有のタオルで拭くのは厳禁 ※消毒用アルコールは、 ノロウイルスにあまり効 果がないので、 こすり洗いで除去しましょう。 ※石けんには、 ノロウイルスを直接失活化する 効果はありませんが、手の脂肪などの汚れを落と し、 ウイルスが手指からはがれやすくする効果が あります。 ◆5カ所のポイントをしっかり洗おう 手の甲 指の間 親指 手首 指先・ツメの間 000
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