ハナタテ岩マルチピッチクライミング ∼『マルチ部、始動。』∼ 【報 告 者】K奈 【日 時】2010年4月25日(日) 【参 加 者】CL かば 1 組 K崎−O森 2 組 F川−K奈 3 組 SY−F田、かば ≪コースタイム≫ 【天 候】快晴 午前中は八女津媛にて第一回沢登り講習会に参加 午後よりハナタテ岩にてマルチピッチクライミング(18:00 下山) ≪ 報 告 ≫ 今日は第一回沢登り講習会 in 八女津媛。募集初めは、参加者がとても少なく、「去 年と違って寂しいな…」と思っていたが、幸い、例会で受講者が増えた。 (とても有意 義な講習会でした、沢に行かない方も、第一回だけは参加されてみてはいかがでしょ うか??)経験に応じて組み分けして、私は、かばさん、F川さんに講習をして頂い た。まずはエイトノットから。正しいエイトノット&末端処理を知っていますか!? 私は…知らなかった。 。「上手い人ほど基本がしっかりしている、そんなら下手っぴは もっとしっかり勉強せねば!」と気が引き締まった。 かばさんはレジュメを作ってきていて、沢登りにおける注意点、具体的な状況に応 じた対処法を紹介して下さった。理路整然としていて、説明がとてもわかりやすい。 見るだけでなく実際にやってみる時間を下さるのは、非常に有り難かった。F川さん は、いったいどれだけの研究と経験を積まれたのだろう。驚くほどの知識をお持ちだ。 お二人とも、とにかく勉強家。尊敬できる先輩がいるのは、とても嬉しい。人に教え よう、伝えよう、と思ったら、それなりの時間と労力を必要とする。習ったことはき っちり復習して、場数を踏んで自分のものにして、次に伝えるサポートができたらい いなと思う。 午後は、奥日向神のハナタテ岩上部に場所を移して、マルチピッチクライミングを 行った。パーティー分けは上記のとおりで、1組→2組→3組の順にダブルロープで 登る。ダブルロープは初めてで、一応勉強はしてきたけど…。実際にやってみると難 しかった。どんなところが慣れなかったかというと、トップをビレイ中、2本のザイ ルをグリップしたまま一本だけを繰り出すこと、トップで登る際に先のルートを読ん で左右にロープを振り分けること(交差させてしまった)、ダブルロープでねじれない ように確保器をセットすること(頭がねじれた)。フリーとは、まるで別物。どこが違 うか?「絶対に、落ちてはいけない。」 (byF川さん)それから、登るだけでないとこ ろ。すべき作業を速やかに行わなくてはならない。F川さんの行動は、終始、smart and speedy であった。おまけに、ド素人が混乱&頭の回線キンク寸前でも、笑顔で「急が なくていいからね」「あわてずいこう」など声掛けして、焦る気持ちをリセットして下 さる。はー、大人の余裕。そんなF川さんなのに、なんと1年ぶりのクライミングだ そうで…。入会1年余の私は、ピナクルにこんなスゴイ人がいらしたのかー、とびっ くりするやら、ご一緒できて嬉しいやら。 (※これより先は、ルートのネタバレになります。 ) 実際の登りはどんな感じだったかというと・・・ K崎−O森パーティー 1ピッチ目K崎さんリード。つるべで登る。乗っ越しが見 える。1ピッチ目の核心かな。。この間にロープを連結して、ダブルロープの理論、ギ ア数、ロープが出やすくなっているか、などをF川さんと確認。K崎さんが1ピッチ 目終了点で支点工作して、ビレイ準備後、O森さんが登る。私も、ザイルをさばいて、 ビレイ準備。 F川−K奈パーティー しばらくして、F川さんが トップで登る。ビレイしな がら、F川さんのダブルロ ープの掛け方を見る。だん だんとダブルロープでの ビレイの要領もわかって きた。1組を待っている間、 F川さんはザイルを引っ 張って遊びだした。 暇なんだろうな。やがて下にいる私たち4人を指さして爆笑し始めた。 ・・・。暇、な んだろう。1組のセカンドが登り出してから、少し登って、違う終了点で支点工作。 ビレイ中も「なんかあっても、絶対止めるっっ」と気合い入りまくりの私に、SYさ んやF田さんが声を掛けて緊張をほぐしてくださる。良い先輩方に恵まれて涙出そう だった(出なかったけど)。かばさんは、つるべで行く場合は、リードは特に慎重に、 と注意を下さる。つるべで行くか否かは、F川さんと終了点で相談して決めることに して、フォローで登り出す。ギアを回収しつつ、登る。ガバがたくさんある。のっこ し前に来て、自分のリーチを考えた。まずもって、前の3人と同じホールドじゃ届か んね、と考えつつ、とりあえずヌンチャク回収。良く見ると、道端エリアのショート ルート『ビギナーズ・ラック』の最後に似てる。同じムーブで行けそう。チョークア ップして、勇気出して左足ハイステップでフリクションを信じて核心通過。怖いとか 何とかより、 「マルチは落ちたらいかん、マルチは落ちたらいかん…」と念仏のように 頭で唱えていた。また会えた…、F川さんに。良かった、なんて言ってる場合じゃな い。さっさとセルフを取る。時間短縮のためにトップはフォローのために、フォロー はトップのために何ができるか、考えることが大切だと教えてもらう。たとえば、ト ップはセルフを取る環ビナをセカンド用に掛けておく、とか。 そして、な、なんと。 「リードで行ってみ る?」とのお言葉が。 「い いんですか!?」「1ピ ッチ目みたいに難しい ところなさそうやし。 」 「・・・(ルートを凝視 ←安全とは何かを冷静 になって考えようとし ている)」「だって、トッ プの練習にならんや ろ?」うーん、どれだけ 度胸があるんだ、この人は。よし。女は度胸だ。せっかくのご厚意に応えねば!!終 了点まで何が何でも絶対落ちずに登り切る決意を固めて、リードで行く。少し登って、 あっさり停車。「落ちたらいかん」と思うとなかなか一歩が出ない・・・。F川さんと SYさんが、ガンバガンバ言ってくれるので、一息吐いて、頑張ってみたら、すんな り行けた。ありがとう。おーっし。あたし、もっとがんばる。ピンの間隔が長いとこ ろがあったので慎重に登りつつ、考えながらロープ掛けたつもりが。あらら、交差し ていた、反省。2ピッチ目終了点で支点工作して、メインロープでセルフビレイを取 り、コールしてザイルアップ。重っ!がんばれ、上腕二頭筋。マルチは腕っ節も強く ないとだめだ。コールを聞いて、ビレイの準備。セカンドのビレイ開始。F川さんは 登るのが速い。おまけに一歩がデカい。私が必死でザイルアップしているのに、追い つかず、途中フリーソロ状態に。セルフ用の環ビナを掛けておく余裕もなく、大変申 し訳なかった。 お、後続の3組が見える。SYさんリードで、2人が時間差で登攀するようだ。ト ップ固定で、尺取り虫方式かなぁ。 次はトップがF川さん。また確保器のセットで混乱するが、丁寧に教えてくださる。 「はー。だめだ。ぜんっぜん、だめだ!こんなんじゃ、だめだ!!」と自分に喝を入 れて、復習を誓った(家に帰って学びなおす、という意味です)F川さんが、藪の中 に消えていく。。だって、終了点が藪の中。まさかの泥土クライミング。フォローで登 って行ったら山ツツジがかわいらしい薄ピンクの花を咲かせていた。ピークを踏んで、 景色を一通り見まわして、寝そべった。空が青い。天が近い。なんて、気持ちいいん だろ。。太陽と風が心地いいな。はー、帰りたくなーい。なんて言ってられない、登っ た分は下らねば。 ザイルをさばいて、怒涛の懸垂開始。「懸垂ほど、 落ち着いてやらんといかんよ」 (byF川さん)の言葉 を肝に銘じて、ザイル担いで懸垂下降。時間短縮のた め、2人が先に下りて、次の懸垂の準備をする。先輩 方は、経験や知識に基づいて如何にすれば早く下りら れるか考えているんだ。やはり、マルチのリーダーを できる人たちって、凄い。凄い人たちと一緒に登った んだ、わたしは。おんぶに抱っこで情けなくもあった けど、努力だけはしっかりやろう、と心に誓った一日 だった。 そしてこの日、ピナクル『マルチ部』が元気に産声 をあげた(なんでもやるって意味じゃない)。夜明け だ。マルチ時代、到来。(なんか、この時期に一年の 計が決まる。去年は傾山でボッカする先輩方を見て、 「ボッカ、頑張って、雪山行こう」 と決意した。 ) 今年度は・・・9mmの50mダブルロープと格闘の一年になるのか!?どんな一 年になるんだろ、楽しみだな。 ≪ 感 想 ≫ 楽しくて、ワクワクして、ヤバかったです。まず開拓者の方に、感謝したいです。 失敗は、底の剥がれたアプローチシューズを持参したことでした。パーティーを組ま せて頂いたF川さん、リーダーのかばさん、K崎さん、SYさん、F田さん、O森さ ・ ・ ・ ん、有難うございました。マルチ部のアタマを決めないと、ですね。
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