*布おむつにしようと思ったワケ* 私が初めての子を妊娠した時、当初オムツに紙の選択肢以外ありませんでした。 布おむつってめんどくさそうだし、妊娠中も紙おむつの赤ちゃんしか見ていなかったの で、自分の中にイメージがまったくありませんでした。CMでも布おむつをしている赤ちゃ んなんてみたことがないですよね。 私の母親時代は布がまだ主流だったようで、主人も布と紙併用で育ったそうです。母の昔 の育児日記には、「布おむつを干して風にそよいでいる様子を見ていると幸せ。ずっとお むつを洗っていたい、洗濯も苦にならない」などと書いてありました。 私は面倒なことは元々好きではなく、マメな方でもありません。ですが、どんなものかな とインターネットで調べてみると、なんだか苦労話よりも楽しそうな育児生活がたくさん 綴られていました。見ているだけで、ほんわかするような、そんな生活に見えました。 *布おむつをそろえよう* いざ、必要なものをピックアップして、買い物に出た私は少し驚きました。 紙おむつは1パック1000円ほどで売っているのに対し、布おむつは10枚で1000 円。カバーも二枚で1000円近く。もちろんおむつ10枚で足りるわけがないので、40枚 も買いました。(ちょっとこれは買いすぎでした)カバーも漏れることを考えたら5枚は いるだろうと思ったのですが、お金がかかりすぎると意気消沈し、買いませんでした。 そこで、着古した浴衣をほどいて作る方法があると知り、主人のおばあちゃんにさらし と、着なくなった浴衣を二つ譲ってもらいました。(写真上参照)着古した浴衣ほど柔ら かく、吸水性があるので、新しくない方がいいそうです。浴衣をほどくと、一着から3∼ 4枚のおむつがとれました。余った部分はそのまま布のおしりふきにしてもかわいいと思 います。それから、べたべたウンチがするっと取れるということで、着なくなったフリー スのパジャマを小さく切って、使い捨てでも再利用でもどちらもOKのお尻拭きを準備しま した。 私の初めてのハンドメイドは母に教わりながらオムツを縫うことが始まりでした。「今 時オムツを外に干しているおうちなんてないからやめたら?」とも言われましたが、自分 で作ったものに愛着が湧いたので、これで育ててみたいんだもん!と思っていました。 それにしても、布おむつのカバーってパッとしないイメージが多くないですか?私が見に 行った時、どれも時代を感じるレトロなデザインで、エコバッグのようなポリ防水加工 の、あまり使いたいと感じないものばかりでがっかりしました。しかも高いなんて・・・ ここまで作ったなら、オムツのカバーも作ってみよう!と思い、家にあった布を使いイン ターネットで無料配信されていた型紙を使って作ってみたら、小さくてかわいいこ と・・・ もうすっかり楽しくなってしまい、試行錯誤を重ねて作りました。あるものを使い、100 均でマジックテープなど買ったので、材料費はほとんどかかりませんでした。 もう産まれてくるのがいよいよ楽しみになってきて、母性もメーター振り切っていまし た。 *布おむつ生活のスタート* 子供も無事元気に生まれ、早くつけてみたくて、入院中に紙おむつの上からつけてみた りしていました。(写真参照)白い紙おむつじゃない赤ちゃんてかわいくないですか?! 退院後は10日ほど実家へ帰ったので、その間は紙おむつにしましたが、毎日どっさりおむ つのゴミがでるし、すぐなくなってしまうので、なんだかもったいない。 早く自宅へ帰って布おむつをつけてあげたいなという気持ちでいっぱいでした。 でもここで、私に問題が発生しました。産後って悪露があるからナプキンをずっとつけ ていますよね。夏だったせいもあったのか、すっかりかぶれて、ただでさえ夜中の授乳で 眠れないのに痒みで眠れず、頭もおかしくなってしまい、ムヒを塗ったくって飛び上がっ たりしていました(笑)刺激の少ないナプキンにしたりしてみましたが、効果はなく、とて も不快な産後を過ごしました。苦肉の策で、適当に切ったタオルで悪露の処理をすること にしましたが、これが効果てきめんでした! これが本当にすごい!全然痒くなくなりました。普通のパンツをはいているみたいで快適 ∼!ただでさえ赤ちゃんの皮膚は敏感でたくさんのおしっことウンチで濡れるんだから、 紙より布の方が絶対気持ちよく過ごせるに違いない!と確信しました。 自宅へ帰ってから、すぐに布おむつに。紙と違って、カバーにオムツを敷く手間がありま すが、手間と思ったことはありませんでした。早速浴衣をほどいたオムツや、買ったオム ツ、手作りのカバーや既製品のカバーなど、色々試しました。お尻がかぶれることはな く、オムツ交換が楽しくて楽しくて、これまで何人もの赤ちゃんのオムツを替えてきたの に、この楽しさは初めて知るものでした。 *お洗濯って大変?* 布おむつ生活をしている人は石鹸洗濯をしている方が多いようだったので、子供も生ま れることだしと、出産前に合成洗剤をやめて、見よう見まねで石鹸洗濯に変えてみまし た。柔軟剤のいい匂いや、洗剤入れて後は洗濯機まかせ、という便利さからは離れてしま い、ちょっとさみしく思いました。でも、汚れがきちんと落ちる洗濯ってこれまたすごく 楽しいことにも気づかされました。きちんと汚れが落ちている洗濯ものは、部屋干しして も雑巾くさくならないのです。柔軟剤の匂いでごまかさなくても、正しい洗濯をすれば すっきり汚れが落ちて、なおかつ柔軟剤を入れなくてもふわふわに仕上がるんだと、オム ツの洗濯を重ねるうちに分かりました。ウンチのべっとりついたオムツってどうするのか というと、よく、トイレで振り洗いすると書いてあるのですが、それは抵抗があってでき ず、おしっこオムツと分けて漬け置きし、朝にせっせと風呂場で洗っていました。不思議 とわが子の排泄物を汚いと思わなかったので、毎日じっくり形を変えていくウンチをみて は健康チェックができるのが楽しかったです。毎回ブリブリするわけでもなかったので、 大変なのは本当に数枚でした。 息子は夏生まれだったので洗濯はとても快適でした。お日様の力でウンチの黄ばみも消 えて、2時間も干せばあっという間に乾くオムツを、授乳しながら眺めたり、寝ている間に 畳んだりすることは、面倒くさいどころか、布おむつをする醍醐味でもあり、これこそ母 親の綴った幸せそのものだったんだと実感しました。もちろん、体の辛い時もありました ので、夜は紙にしよう、今日は紙の日でお願いしまーすなどと、臨機応変に紙にもお世話 になりました。よく、布おむつの挫折話も聞きましたが、布一筋で行かないこと、自分の やりやすいようにすることが挫折しないポイントだと思います。面倒な時は紙があります からね♪ そんなわけで、おむつ代はほとんどかからないのに楽しいという経験が、わが子をより愛 しく感じさせてしまい、すっかり布おむつにはまりました。布おむつは大変というイメー ジがあり、抵抗がある方もいるかもしれませんが、自分に合ったやり方でやりやすいよう にやっていくのも布おむつの楽しさです。漏れることも多々ありますが、新生児∼離乳食 が始まるまでのゆるゆるウンチは布でも紙でも漏れる時は漏れるので、同じかなと思いま す。色々なメリットデメリットを天 に感じています。 にかけても布おむつのメリットは大きい!と個人的 *おむつなし育児との出会い* 産休に入る直前、青年海外協力隊で発展途上国に行っていた先輩からこんなことを教え てもらいました。「向こうの人たちは、スリングに赤ちゃんを裸のまま入れて、お母さん にしか分からない赤ちゃんの排泄サインを感知すると、おもむろにそこから出して用を足 させてまたスリングにいれているんだよ。」と。今思うとまさにおむつなし育児ですね。 文化が違いすぎるので、日本でやっていたら皆びっくりしてしまいますが・・・ 日々の抱っこや授乳で首という首(手首、首、乳首!)が痛くなり、色々と布おむつ生活 を試行錯誤しながらやりやすい方法を調べているうちに、おむつなし育児という言葉に出 会いました。なんと小さい赤ちゃんでも、よーく見ていると排泄のサインを出しているそ うなのです。先輩方は、ホーローおまるという物に首の座っていない赤ちゃんをささげ、 上手におしっこやうんちをさせていて、それを見たとき衝撃を受けました。だって、赤 ちゃんは赤ちゃんだから、オムツにするのが当たり前と思っていましたから。我が家は布 おむつをしていたせいか、排尿の大体の間隔や、うんちをする時間帯が分かっていたの で、試しにトイレにやり手水(ちょうず)をしてみました。(私も小さい時におばあちゃ んに畑に連れて行かれて、抱えられながらおしっこした記憶があります。あのやり方をや り手水というそうです。)すると、わが子はなんとおしっことうんちをして、とっても気 持ちがよさそうでした。お尻もおむつも汚れないし、わが子も満足そう。何より、言葉を 話さない赤ちゃんの要求に応えられたことが、母として誇らしい気分を感じさせてくれ、 より愛情も深まるコミュニケーションだったと思います。 ホーローおまるは2000∼4000円位するので、我が家では100均のプラスチックバケツ を買って、そこに私があぐらをかいた状態でバケツとわが子をすぽっとはめてみました。 一か月を過ぎてから、うんちは午後にすることが多かったので、午後を狙ってやってみる と的中率があがり、私も一緒になってほくほくすっきりしていました。離乳食が始まる と、形のあるウンチになり、前よりも回数は減ったため、朝起きがけのおしっこと同時に 一日分のうんちをする、というパターンになったので、うんちオムツを洗うことがほとん どなく、布おむつ生活もとても楽でした。なんて順調なんだろうと思ったら、動きが活発 になる10か月に突入し、バケツおまるも嫌がられたので、一旦我が家のおむつなし育児は 幕を閉じました。 *おむつをはずしてみよう!* 一歳になった頃、ちょうど夏だったので、一日中裸か、オムツか、普通のパンツ一枚に して過ごすことが多くありました。布でも紙でも夏場は蒸れますよね。我が家でもおむつ かぶれに悩まされることがあったので、おむつは最小限にしようと思い、起きている間 は、オムツにヘアバンドをつけてふんどしのようにしたり、トレパンをとばして布のパン ツをはかせていました。お尻はとっても快適でしたし、洗濯もオムツのように干したり畳 む手間がなかったので、ほぼパンツでしたが、この頃はまだ排尿感覚が短く、10枚ではと てもたりませんでした。うんちはというと、する時間が分かっていたので、その時間だけ ベランダにだし、お気に入りの場所につかまってウンチをしているところを適当な容器で サッとフライングキャッチをするということをしていました。 これの何が楽しいのかって、オムツにしたウンチはおしっこと一緒になって、お尻でつ ぶされてわけわからないことになっていますが、つるんとでたウンチにはドラマがあるこ とです。この頃はまだ消化も不十分だったので、先頭集団が昨日の昼の人参、中盤ほうれ ん草、後半はさっき食べた納豆!とか(汚い話ですみません。)今日は「し」の字だ 「い」の字だと盛り上がり、「す」だった日には、でたぞー!と自分もすっきりするほど でした。冬場になりベランダでキャッチなどできなくなり、おむつをつけることもイヤイ ヤの魔の時期がきてしまったため、冬場は赤ちゃん時代に逆戻りしていました。 現在、8月に二歳を迎えますが、5月に入ったあたりからうんこ、おしっこというように なったので、試しにずばっと外して、お兄ちゃんパンツで過ごさせてみました。最初の数 日は漏らしてからの事後報告でしたが、うんちは、お尻を押さえながらうんこ、うんこと いうので容器を下においたところ、すんなりうんちをしてくれて、「おっきーい、く さ!」などと言いながら、その容器を自分で持ってトイレに流してバイバーイと挨拶まで してくれました。そこまでできるならトイレでしたらいいのに、我が家の息子は足がつか ないのは嫌らしく、めっきりこの方法でうんちをするというスタイルになっています。日 中はおでかけとお昼寝以外はパンツで過ごしています。失敗もありますが、以前までオム ツにおしっこしても教えてなどくれなかったのが、やはりパンツだと気持ち悪いようで教 えてくれますし、漏らしたおしっこを自分で拭いたりしています。 長くなりましたが、布おむつやおむつなし育児の楽しさ、少しでも伝わって何かのきっ かけになっていただければ嬉しいです。何せこの便利な時代ですから、私自身の周りに布 おむつをしているお友達が少なくて、すごいね、とか、頑張っているねと言われることが 多かったのですが、私にとってはシャープペンシルより鉛筆を好むとかそういった感覚 だったので褒められるに値することではありませんでした。だって、育児を頑張っていな いママはいないし、愛するわが子を育てるのにすごいもすごくないもないと思いますか ら・・・私にとって、息子とコミュニケーションをとって絆を深めていけるツールが、こ の布おむつとおむつなし育児であったと思います。 二人目も同じようにやってみたいと思いますが、二人の育児って大変そうです。一人だ けを見つめればいいってものではないですしね。だからこそ、じっくり、一人と向き合え るときにこれをやっていてよかったと思いました。 現在我が家では市販のおむつカバーは使っておらず、全部違う柄の、試行錯誤の上出来 上がったとっても使いやすい手作りおむつカバーで過ごしています。内側は着古したフ リースのパジャマを使ったりしていますが、水をはじくし、ウンチの汚れもつるっととれ ますし、フリースは通気性に富んでいるので蒸れにくく乾きやすいです。我が家一押しの おむつカバーもぜひご覧ください。
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