フランス語ってどんな外国語?

やっぱりフランス語
フランス語
福田育弘
フ ラ ン ス 人 は 気 取 っ て い る と か 、フ ラ ン ス は な ん と な く お 高 い と い う「 偏 見 」
(?)
を抱いている人は、たとえば『パリのレストラン』あるいは『ルコントの大喝采』
といったちょっとドタバタしながら人情味を感じさせる映画を見てください。
フランス文化の人間味が伝わってくると思います。
映画といえば、
『 ア メ リ 』が 爆 発 的 に ヒ ッ ト し た り し て 、フ ラ ン ス 映 画 が ま た 盛 り
返してきていますよね。スーパーヒーローとスーパーヒロインが登場するハリウッ
ドの映画もいいけれど、それとはちょっと雰囲気の違うフランス映画も捨てられま
せん。
『 ア メ リ 』の 主 要 な 舞 台 の 一 つ は 主 人 公 の 勤 め る パ リ の カ フ ェ で す が 、そ こ で
くり広げられる人間模様には、人間的な暖かみが感じられます。
『アメリ』には主人公がクレーム・ブリュレ(もちろんこれもフランス語!)の
表面のカリカリ部分を割ることに小さな楽しみを見出しているというエピソードが
あ っ て 、こ ん な と こ ろ に も さ り げ な く 飲 食 を 楽 し む フ ラ ン ス 人 気 質 が 現 れ て い ま す 。
というわけで、映画に興味のある人、料理やワインに興味のある人はフランス語
で決まりですね。だって、お菓子をはじめ料理の名前の多くはフランス語だし、ワ
イ ン の 名 前 も 地 方 名 や 村 名 で 、こ れ も フ ラ ン ス 語 、ち ょ っ と フ ラ ン ス 語 が わ か る と 、
その意味がわかって、正しく発音できるようになるからです。
これは、ご存知のようにフランスがヨーロッパ最大の農業国であることからくる土
地に根づいたフランス文化の特徴です。フランス文化の洗練の背景には農民的な職
人気質があるのです。
こうした分野だけでなく、伝統的に強い文学や絵画のほかにも、思想や学問の分
野でも今のフランスはけっこう元気がいい。たとえば、デリダやドゥルーズといっ
た哲学者や精神分析のラカン、社会学者のブルデューやボードリヤール、アナール
派の歴史学者であるアラン・コルバンといった人々の議論を抜きにしては「現代思
想」は語りえません。もちろんこんなこと語らなくたっていいけれど、現代社会が
抱えるアクチュアルな問題を考えている論者の多くは、こうしたフランスの思想家
の議論に影響を受けているということは知っといたほうがいいでしょうね。
こうした人々の著作が読めるようになるのがベストだけれど、彼らのキー概念は
フランス語なので、少しフランス語ができるとかなり見方が違ってきます。
それと今ではフランスだけがフランス語の世界ではありません。アフリカやカリ
ブ海を中心に、フランス語を話す人々がフランスに劣らない活力のある興味深い文
化、多様な要素が複雑に絡まりあう異種混淆的な文化を作りだしています。
フランス語の学習は、こんな多様な文化にふれる機会を与えてくれるはずです。