発掘!捏造大事件 TVのやらせ事件から見るメディア・リテラシー

早大政友会 ジャーナリズム勉強会
新歓勉強会
07.04.18.Wed
発掘!捏造大事件
TVのやらせ事件から見るメディア・リテラシー
文責:3 年 吉澤 百合子
●はじめに
この現代社会で、私たちは日々浴びるように情報に接しています。
インターネットの普及によって、情報を発信することも容易になりました。
しかしそれに伴い、巷では面白くて単純な論理ばかりがはびこっている気がしませんか?
今回は今年の 1 月に起きた民放の捏造事件を中心に、メディアの落とし穴をチェックします。
その上で、私たちが何をすべきなのかを一緒に考えていきましょう♪
●あるある捏造問題
★「発掘!あるある大事典」
近年の健康ブームにあやかり、数々の健康番組が制作され淘汰されていった中で、96 年秋の放送開始から 10 年以上
にわたってゴールデンタイムの放送を続けてきた人気番組。
(04 年に「Ⅱ」にリニューアル。
)主に生活情報を提供。
関西テレビ東京支社が制作し、FNS(フジテレビ系列)が放送。
スポンサーは花王一社のみ。旧時代の平均視聴率は 14.8%、2004 年以降の II 時代は 15.1%。
【楽してキレイになれる】といったコンセプトが視聴者の心を掴み、わかりやすさ・面白さ・インパクトが揃った同
番組で取り上げられた食材は、スーパーに主婦が殺到することもあった。
一方でその疑似科学的な実験が波紋を呼ぶことも多かった。
【事件のあらまし】
・07 年 1 月 7 日
納豆によるダイエット効果を放送。
番組放映後、全国のスーパーで納豆が売り切れ品薄となる事態が発生。
新聞にお詫び広告を掲載するメーカーもあった。
↓↓↓
・07 年 1 月 20 日
制作の関西テレビが実験データ捏造等を発表し、千草宗一郎社長らが謝罪。
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・07 年 1 月 22 日
花王がスポンサーを降板することを決定。番組は打ち切りへ。
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●捏造が起こった背景・原因
・三段構成による番組制作
→関西テレビ⇒日本テレワーク(子会社)⇒アジト(孫会社)
→予算・時間・労働力の不足
・視聴率第一主義
→制作側にとっての営業成績ともいえる。
視聴率によってスポンサー(広告主)の評価が変わる。
↓↓↓
捏造・やらせが日常化する土壌となる。
*捏造が発覚したきっかけ
⇒番組に疑問を持った『週刊朝日』が質問書を提出。
それを受けて内部調査が行われ捏造が判明した。
●再発防止のために。制作側の反省。
【求められるもの】
・視聴者への説明責任。
・視聴者との回路作り。
・制作者が自由な雰囲気で良識に従って制作に専念できる内部的自由を。
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「放送倫理の確立」
「コンプライアンスの徹底」
→compliance / 法令遵守。企業が経営・活動を行う上で、法令や各種規則などのルール、
さらには社会的規範などを守ること。
(情報マネジメント用語事典 http://www.atmarkit.co.jp/aig/04biz/compliance.html より。
)
●事件を踏まえて・・・
☞今回の事件、皆さんはどう思いますか??
視聴者を騙すなんてゆるせないっ!!
制作側は厳しく再発防止に努めるべきだっ!!!
これらの主張は一理あります。
でも、
情報をそのまま鵜呑みにした視聴者側にはまったく非はなかったでしょうか?
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↓↓↓ 実は・・・
この事件に限らず、世の中にはさらに多くのメディアの落とし穴が隠されているのです。
【例】
・やらせ⇒・朝日新聞サンゴ事件(1989 年)
ある朝日新聞記者が沖縄にある珊瑚礁に自ら【K・Y】という傷をつけ、
自然環境破壊のモラルを問う報道をしたもの。捏造の象徴的な事件として有名。
・NHKドキュメンタリー事件(1993 年)
NHK スペシャル「奥ヒマラヤ 禁断の王国・ムスタン」において、
主要部分にやらせ・虚偽が見つかった事件。
・印象操作⇒・言葉による操作
⇒「まだ半分もある」
「もう半分しかない」に見られるちがい。
情報の一部だけを取り出す報道。 etc…
例:太平洋戦争中の日本のアジア侵略について語ったインドネシアの男性の話。下の
2 つの印象を比べてみて下さい。
◆1「我々が何か一つでもかつぱらつたら、半死半生になるまで(日本の軍人に)ぶん殴られま
した」
◆2「我々が何か一つでもかつぱらつたら、半死半生になるまで(日本の軍人に)ぶん殴られま
した。我々の目の前で日本人がぶん殴られたこともあります。日本のケンペイは手厳しい
ので、インドネシア人の悪いのも許さなかつたが、日本人の悪い奴も絶対に許しませんで
した」
・写真やグラフなどによる視覚に訴える操作
⇒同じ事件でもどの瞬間を切り出したものかによって印象が変わる。
信用しやすい統計データに関しても、その方法は時にいい加減である。
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メディアは嘘をつく。構造上の歪みもある。
だからこそ、
メディアに騙されない力が必要!!!
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●メディア・リテラシーの獲得
★メディア・リテラシー(*リテラシー(literacy):読み書き算の基本能力。識字。)
⇒情報を読み解き、使いこなせる能力のこと。
【メディア・リテラシー:各国の定義】
<カナダ>…アメリカからの情報流入の危機感から、実践的メディア教育の先駆けとなる。
◆メディア・リテラシーとは、メディアはどのように機能するか、メディアはどのように意味をつくりだすか、メディアの企業や産
業はどのように組織されているか、メディアは現実をどのように構成するかなどについて学び、理解と楽しみを促進する目的
で行う教育的な取り組みである。メディア・リテラシーの目的には、市民が自らメディアを創りだす力の獲得も含まれる。
カナダのメディア・リテラシー協会
<アメリカ>…言わずとしれた情報大国。
◆メディア・リテラシーとは、市民がメディアにアクセスし、分析し、評価し、多様な形態でコミュニケーションを創りだす能力を指
す。この力には、文字を中心に考える従来のリテラシー概念を超えて、映像および電子形態のコミュニケーションを理解し、創
りだす力も含まれる。
アメリカのメディア・リテラシー運動全米指導者会議
<日本>…80 年代以降の欧米の動きを踏まえ、日本でも 90 年代初頭から注目されはじめる。
◆メディア・リテラシーとは、市民がメディアを社会的文脈でクリティカルに分析し、評価し、メディアにアクセ
スし、多様な形態でコミュニケーションを創りだす力をさす。また、そのような力の獲得をめざす取り組みもメ
ディア・リテラシーという。
日本のメディアリテラシー第一人者鈴木みどりの定義
Copyright(c) 1996-2005 Forum for Citizens' Television and Media
↓↓
☞ポイント
情報をクリティカル(批判的)に読み解く力が大切。
⇒反応することで相互的なやりとりにつながるから。
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【情報を読み解き、使いこなせる能力とは??】
↓↓↓
情報を選択する力
情報を把握する力
情報を加工し、目的に合わせて利用する力
情報を構成し組み立てる力
情報を効果的に伝達する力
↓↓↓ これらの力を得るために…
◎多角的な視点をもつことが必須!
<新聞の場合> ・新聞を読み比べる
・事件が取り上げられた背景を考える
・気になった記事を要約してみる
ことで多角的に記事を読むことが可能。
・外部から知識を取り入れる
*要は、情報に触れたとき「なぜ」と思うことが大切なのです。
通常勉強会で行っている記事比較もメディアリテラシー向上のよいきっかけになります。
*今回簡単に行ったメディア・リテラシーに関しては、
前期第一回の勉強会でもう少し詳しく扱う予定です★
●参考文献
・ http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%99%BA%E6%8E%98%21%E3%81%82%E3%82%8B%E3%81%82%E3%82%8B%E5%
A4%A7%E4%BA%8B%E5%85%B8
・ http://hemohemo.web.infoseek.co.jp/category/aruaru/
・ http://www.ktv.co.jp/menu.html
・ http://www.asahi.com/culture/tv_radio/TKY200702250139.html
・ http://asahilog.hp.infoseek.co.jp/
・ http://www2u.biglobe.ne.jp/~akiyama/no45.htm
・ 鈴木みどり『メディアリテラシーを学ぶ人のために』世界思想社(1997)
・ カナダ・オンタリオ州教育省編/FCT(市民のテレビの会)訳
『メディアリテラシー マスメディアを読み解く』リベルタ出版(1992)
・谷岡一郎『
「社会調査」のウソ リサーチ・リテラシーのすすめ』文春新書(2000)
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