悠々オーストラリア ~メルボルン子育て日記 ①~ 私たち夫婦がオーストラリアのメルボルンに移住して8年になります。現在7歳と4歳 になる二人の娘がいますが、出産と子育てを通じて育児や教育について感じることがあり ました。日本を離れて気いたことを、このエッセイを通じて皆さんにお伝えできればと思 います。 まずは、オーストラリアの紹介。皆さんご存知のとおり、日本のほぼ真南にあたる南半 球の国です。面積は日本の約20倍ですが、人口わずか2100万人余り。オーストラリ アにどのようなイメージをお持ちでしょうか? コアラ、カンガルー、オペラハウスでし ょうか。観光で訪れる日本人はたくさんいますが、永住している人も少なくありません。 私たちもオーストラリアの自然とライフスタイルに魅せられて、この国に住む決心をしま した。 オーストラリアには、6つの州と2つの特別区があって、それぞれが強い自治権を持っ ています。メルボルンはビクトリア州の州都で、シドニーに次ぐオーストラリア第二の大 都市です。市内には公園がたくさんあって、トラム(市電)がチーン、チーンと音を鳴ら しながらゆっくりと市街地を通り抜け、どこかのんびりとした感じの町です。市内はなか なかの都会ですので、街中をコアラやカンガルーがピョンピョン歩いている訳ではありま せん。でも、私たちの住んでいるすぐそばでは、野生のカンガルーを見ることができます。 我が家はメルボルンから約30キロ離れた郊外で、近くの湿地帯が自然保護区となり、カ ンガルーが住んでいるのです。カンガルーの親子が群れになり、跳ねている姿はかわいい ものですよ。 オーストラリアの国民性を一言で表すと、「イージーゴーイング」でしょうか。「細かい ことは気にせず、気楽にいこう」ということです。とは言っても、オーストラリアは世界 中からの移民が住む多国籍国家です。様々な習慣や考え方の人々が共存していることも、 忘れてはいけません。 週末よく見かけるのが、公園でのバーベキュー。天気のよい日、家族や友人が集まって 公園でバーベキューです。だいたいの公園にはバーベキュー台が設置され、ボタンを押せ ば無料で使用することができます。お父さんが、小さい子供と遊んでいる姿は微笑ましい ものです。日本のお父さんが仕事に疲れて、日曜日に子供たちと公園で遊ぶ余裕がないの はさみしいですね。 メルボルンに住んでいても、私たちはやっぱり日本人。日本食が恋しくなります。最近 は、オーストラリア人の間でも日本食(特に巻きすし)は大変人気があり、普通のスーパ ーマーケットでも醤油、のり、すし酢、味噌、マヨネーズぐらいは手に入るようになりま した。ただ、日本からの輸入品なのでお値段は日本の倍近くします。 ですから、オーストラリアの食材とうまく組み合わせて、日本食に近いものを作って食 べています。手作りは難しいけれど、やっぱり日本人なら食べたくなるのが納豆です。こ ちらで売っているのは、冷凍の納豆。最初に見た時は、どうかなぁと思いましたが、自然 解凍して食べてみれば意外とおいしいものでした。さて、今晩は何を作ろうかしら。 メルボルン・なおこ 2001 年よりオーストラリア メルボルンに住む。四歳、七歳の二女の母。日本語補習校講 師。夫も公立小学校の日本語教師。
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