子供に眼帯をしない理由 眼を怪我した場合や、“ものもらい”でまぶたが

子供に
子供に眼帯をしない
眼帯をしない理由
をしない理由
眼を怪我した場合や、“ものもらい”でまぶたが腫れてしまった患者さんが眼科の外
来を訪れた際には、治療の後に眼帯をすることがよくあります。傷口に黴菌が入らない
ようにするために眼帯は大変重要です。しかしそれは患者さんが子供でない場合に限
られます。子供、特に小学校入学よりも低年齢の子供に眼科の外来で眼帯を長期に
わたってすることはまずありません。なぜならば、幼少期に片方の眼に眼帯をすること
で、物を見るつまり眼から入ってくる情報の入力を中断してしまうと、弱視という病気に
なってしまう恐れがあるからです。ここで弱視に関して述べる前に、“人間が物を見る”
という行為を簡単に説明します。物を見るという行為は眼だけで行っているわけではな
く、眼に入ってきた情報が眼球の後ろにある視神経を通じて脳まで届き、そこで初めて
物が見えたと認識することができます。つまり人間が物を見ることができるのは脳の働
きによると言っても過言ではありません。また、人間の眼は生まれた直後から良好な視
力を備えているわけではなく、両方の眼で物を見ることで眼から入った情報が脳に届き、
それが刺激になって徐々に脳が発達し、それに伴って視力も向上していきます。弱視
とは、幼少期に物を正しく見ることで培われる、視力の発達が途中で止まってしまう病
気です。よく“私は眼が悪い”とおっしゃる患者さんがおられますが、もしもめがねをか
けてよく見えれば、眼科的には問題ありません。弱視の場合は、めがねをかけても視
力が不良となってしまいます。視力の発達は小学校に入学するころまでにほぼ完成し
てしまうので、弱視になってしまったことに気づかず、大人になってから治療しようと思
ってもそれはできません。弱視にならないために、小さいお子さんにはたとえ眼を怪我
した場合でも安易に眼帯はせず、まず眼科医の指示に従っていただくことが重要で
す。