第45号 関節リウマチについての質問

当院でお受けした関節リウマチについて
のご質問事項
Q1.30代の女性ですが、関節リウマチになりますか?
関節リウマチはお年寄りの病気と勘違いされている方がおられますが、決してそうではありません。女性に多くみられ
る、仕事盛りの年代(40歳前後)におこる病気です。ただし、最近は高齢化や治療法の進歩により、比較的高齢の方
も増えております。
Q2.関節リウマチと診断されたら、治療はいつごろから開始した方がよいのですか?
関節リウマチの勢いを厳格にコントロールしないと関節破壊が進行し関節が使えなくなってしまいます。ちょうど関節
リウマチは火事に例えるとわかりやすいと思います。火事ならば、見守ることはしません。まずくすぶっている程度で
あれば消火も比較的簡単で、消火できたとすると少し煤がつく程度で大事には至りません。これに対して全焼となると
取り返しのつかない結果となります。関節リウマチについても同じことが言え、発症してから少なくとも半年以内まで
に厳密な管理のもと治療を開始することが大切です。遅くても2年以内までには治療を開始することが望ましいと考え
られます。
Q3.関節リウマチに影響を与える食品はありますか?
食事が直接影響して関節リウマチを悪化させることはありません。もし、関節リウマチの治療薬としてメトトレキサー
トを服用されている方は、マルチビタミン剤などに含まれている葉酸を多く取りすぎてしまうと薬の効力が弱まり関節
リウマチの勢いが出てしまうことがありますのでご注意ください。なお、関節リウマチの勢いが強いときには栄養が十
分いきわたらないため体重が減ってしまうので、栄養バランスのとれた食事をとり体力をつけることが大切です。
Q4.運動をした方がよいのですか?
関節リウマチの勢いが強いと、痛みのため体を動かすことが困難となります。適切な治療によりリウマチの勢いを抑え
痛みが和らげば、このようなことにはなりにくいのですが、残念ながらすべての方に等しく治療効果がでるわけではあ
りませんので、運動について少しばかりコメントさせていただきます。リウマチの勢いを安定化させるのに安静は必要
ですが、安静ばかりを保ち関節を動かさずにいると、筋力が衰え関節も硬くなり日常生活に支障をきたす可能性があり
ます。だからといって痛みを我慢してまで運動をすると、かえって関節を痛めてしまいます。痛みの程度に合わせて、
とくに入浴後など体が十分温まり痛みが和らいでいる時にリウマチ体操(主治医に方法をお聞きください)など負担の
少ない運動を行ってください。
Q5.お酒は飲んでよいのでしょうか?
アルコールを摂取されると、皆様ご存知のように血流が良くなる結果、炎症が悪化します。つまり、腫れて痛む関節が
余計に腫れてしまう可能性があります。過度の飲酒は控えた方が望ましいです。一般的に関節リウマチの治療は、メト
トレキサートという薬が使われることが多いため、飲酒をすることで副作用としての肝機能障害がおこりやすくなるた
め、飲酒は注意が必要です。
Q6.たばこは吸っても大丈夫でしょうか?
関節リウマチの原因は、いろいろと研究されておりますがまだ原因は不明とされている難病です。しかし、この研究過
程において、特殊な遺伝子をもった方が喫煙をすることで関節リウマチが発症することがわかってきました。喫煙は末
梢の血流も悪くするため、絶対するべきではありません。関節リウマチ以外の病気でも喫煙に関しては因果関係が指摘
されておりますし、是非おやめください。
Q7.リウマトイド因子が陽性と言われました。私は関節リウマチでしょうか?
リウマトイド因子は、関節リウマチ以外の膠原病、慢性感染症、肝臓病、加齢などでも陽性になるため判断は慎重にさ
れるべきです。最近、抗CCP抗体と呼ばれるものが測定できるようになり、まだ研究の余地はありますが、リウマトイ
ド因子よりは関節リウマチに特化した検査とされております。もし、この抗CCP抗体価が高い場合は、3年以内に関節
リウマチになってくる可能性も高くなりますのでリウマトイド因子とあわせてお調べいただくと良いかもしれません。
ただし、関節リウマチは、さまざまな所見を総合的に判断したうえで診断される病気ですので、リウマトイド因子や抗
CCP抗体が陽性のみで診断されるということはありませんのでご注意ください。
せきぐちクリニック通信