学生 ① - 明海大学

学生
①
「8000km先の歯学部生」
メキシコはスペイン語圏であり、英語を話せる人は日本と同様にほんのわずかしかい
ない、と昨年度の先輩方から伺っており、英語が通じないうえに初めての海外、さらに
ホームステイ、と身の引き締まる思いを感じた。また同時に未知なものに対する大きな
期待と好奇心もあり、海外の歯科医療を学べる人生最大のチャンスだという強い思いと
共に、私たちは日本から旅立った。
到着初日、サンフランシスコに荷物が置き去りになるというアクシデン トもあったが
全員無事メキシコへと辿り着いた。到着時は既に午後 11 時をまわっていたが、その後
welcome party をUAEMが開催してくださり、今回お世話してくださるホスト、ホス
トファミリーと初の対面となった。どのホストファミリーも本当に優しく、私のホスト
マザーは「私には 2 人の娘がいるけれど、息子はいないんです。君が私の息子ですよ。」
と言ってくださり、メキシコという国の文化を感じた。ホームステイは違う国の人間を
家に迎えいれるため、生活スタイルや思想、味の好みなどについてホストファミリーに
とって非常に難しい部分があると思われる。そんな中でホストファミリーの方たちは
「無理に日本に合わせるのではなく、メキシコの日常を知ってもらう」という考えを持
っていたようであった。つまり異国の地の者でも家族として受け入れ、メキシコの生活
中に溶け込ませる、といったものである。
後日、私たちはUAEM歯学部の校舎にお邪魔させていただいた。メキシコでは歯科
医師になる為の、日本では歯科医師国家試験にあたる試験が存在しない。5 年間の教育
課程ののち、大学の試験に合格、そして 1 年間の社会奉仕期間を経て歯科医業を生業と
することが可能となる。また驚くべきことに飛び級制度が存在し、努力を続けた学生に
は更に先に進む権利が与えられる。今回の海外研修に参加していたUAEMの学生は皆、
教育課程は既に終了しており社会奉仕期間として大学で勉学に励む歯科医師であった。
しかし彼らの大半は私たちと同い年なのである。非常に高い意識を持って学生生活を送
ってきた彼らは、私たちが 6 年間かけ学び習得する知識と技術を 4 年間で獲得し、現在
はその技術の研鑽、そして自分が目指そうとする歯科医師像に向かってさらに進み続け
ていた。また私たちが訪れた大学病院の診療室ではまるで日本での一般開業医のように、
こちらの診療台では根管形成を行い、こちらの診療台では義歯の調整を行う、といった
ように幅広く診療が行われていた。これは社会奉仕期間後の進路が関係しているとUA
EMの学生は説明してくれた。その期間が終了したのち、専門性を高めるために大学の
診療科に入局を志望する学生は多いがあまりにも狭き門であるために開業を選択する
歯科医師が多いためである、とのことであった。そのとき私は国が変わると歯学部の学
生、歯科医師を取り巻く環境がここまで変わるのかと痛感した。大学の講義内で先生方
が海外の歯科情勢についてお話して下さる機会が何度かあり、知っているつもりにはな
っていたが、いざ現地の様子や真剣な学生の表情を見ると認識の甘さと自分自身の置か
れている状況に気付いた。
メキシコへの研修やUAEM学生の日本での研修も終了し、今回の海外研修で最も私
にとって意義があったことは大学間での教育システムの違い、日本とメキシコの文化の
違いなど様々な事柄について対比させ考える材料を得られたことにあると思う。今後は、
今回の研修で得た大切な仲間たちが約 8000kmも離れた国で毎日を進み続けているこ
と、幅広い視野と強いモチベーションを忘れず国家試験に向けて勉学に励んでいきたい。
終わりに今回の研修にあたって、貴重な機会をくださった先生方、大学の方々には本
当に感謝しています。一生忘れることが出来ない経験をさせていただきました。ありが
とうございました。
学生
②
「メキシコでみつけた将来の目標」
メキシコでの滞在中は全てホストファミリーの自宅にホームステイさせていただく
ということでとても楽しみな半面、メキシコの学生は主にスペイン語を話し、英語が通
じるのかどうかわからない状況で、英語でさえろくに話すことができない私にとっては
コミュニケーションがとれるのか本当に不安でした。
しかし到着した空港でホスト達の熱烈な歓迎を受け、陽気でフレンドリーなホストフ
ァミリーと対面し、 家族の全員が英語を話せる訳ではありませんでしたが、私のつた
ない英語とスペイン語の単語のみを最後まで理解しようとしてくれ、しだいに不安はな
くなっていきました。
メキシコに到着した翌日、メキシコ州立自治大学の見学に行きました。そこで、メキ
シコの歯学部のシステムとしては 5 年制であること、飛び級という制度があること、か
なり早い段階から実習が行われていることなど日本の歯学部のシステムとは大きく異
なっていることに驚きました。また、メキシコ州立自治大学の学生たちは、私たちと同
世代であるにもかかわらず、すでに立派な歯科医として多くの患者さんを治療していま
した。実際の臨床風景を見学させていただき、学生たちの歯学に対する熱意、姿勢を肌
で感じ非常に刺激を受けました。机上の勉学だけでなく、実践力、臨床力というものの
大切さを痛感しました。
その後、トルーカにある大きな植物園にいきました。そこには盆栽や灯篭など多くの
日本文化がありました。理由を聞いてみると 1989 年からメキシコ州と埼玉県が姉妹友
好都市であるとのことでした。ちょうど自分が生まれた年に友好関係が結ばれたことに
縁を感じ、大変うれしく思いました。
そのほかにも、滞在中、テオティワカン遺跡やメキシコシティ市内観光、博物館など
様々なところに連れていっていただきメキシコの歴史や文化を体感することができと
ても興味深く感じました。その中でも一番印象に残っている場所はテオティワカンです。
世界で 3 番目に大きなピラミッドがあり、当時のアメリカ大陸では最大規模を誇ってい
た場所でもあります。高さ 65 メートルもある太陽のピラミッドを登り切ったときの爽
快感、達成感は言葉では表現できないほどのものでした。
最終日はホストやホストファミリー、先生方 とフェアウェルパーティーをしました。
学生はみんな浴衣や甚平に着替え食事を楽しんだりダンスをしたりしました。非常に有
意義な時間を過ごすことができました。
10 日の滞在でしたが、帰国するときはホストの両親が「メキシコの家族に会いに来て
ね。あなたは私達の息子だから」と言って、お互いに泣きながら別れを惜しむほどホス
トファミリーとの絆は深いものとなっていました。またホストの学生とは、「僕たちは
国境を越えた兄弟だ。将来、必ず一緒に歯科医として仕事をしよう」と約束を交わし、
大きな目標もできました。そのことも含めて今回のこの研修では今まで以上に人と人と
の繋がりの大切さを学びました。そしてこの貴重な経験は、今後の私の人生で大きな意
味を持つものとなり、大きな財産になると思います。また歯学に対するモチベーション
を今まで以上に向上させることができました。次にみんなに会うときは胸を張って会え
るような立派な歯科医になりたいと思います。
最後に、この研修に行くにあたり、選考、準備、協力してくださった先生方、また学
事課の方々、家族、友人に心から感謝したいと思います。
本当にありがとうございました。
学生
③
「メキシコでみつけた将来の目標」
メキシコは他の研修先にはないホームステイを経験でき、また今までの自分には到底
縁のないメキシコという国へ訪れ、文化の違いや学生の意識の違いなどを学んできたい
と考え研修先として希望していました。ですが、期待だけではなく大きな不安も持ち合
わせておりました。まず、スペイン語を話せないことによる障害がどれくらいあるのか
ということ、それからホームステイを今までしたことがないということ。いずれにせよ、
大きな期待と不安を背負いつつ出発前日の朝日大学の学生との懇談会を迎えました。そ
こでは、同じ研修先へ向かう仲間たち、そして引率の先生と互いに意識を高め合うこと
が出来ました。そして12日の午後、メキシコへ向かう飛行機に気心知れた友達と乗り
込み、多くの事を学んでこようと決意を固め、同志とかたい握手をしたことを今でも鮮
明に覚えています。長い長い旅路を経て、ようやくメキシコの空港に到着をしました。
途中、エンジントラブルに苛まれ、一時はどうなることかと一同困惑しておりましたが、
無事に上空からメキシコシティの素晴らしい町並みが見えたときには、みな安堵の表情
を浮かべておりました。
空港へ着き、大きな荷物を抱え歩いている私たちへ歓迎の歌のようなものが聞こえて
きました。そこには、受け入れ先の教員、学生たちが「ようこそ、メキシコヘ」と書か
れた旗を持ってこちらへ向かってくる姿がありました。その光景はまさに、疲労困憊で
表情をつくる元気も無かったはずの私を、溢れんばかりの笑顔にさせてくれたのです。
いくら国が違っても、言語が違うとしても、人間には言葉では伝えられない何か直感的
に感じるものがあることを、私はあの時実感しました。その後、バスで大学やホストの
家があるトルーカという街へ向かいました。バスの中では各々が自己紹介をし、ぎこち
ない英語とジェスチャーを駆使して交流を深めようと努めていました。そして、私のホ
ストファミリーのお宅へ行き、親戚の方々の大歓迎の渦に包まれて、まるで家族の一員
のように扱われ、初日は床に就きました。
翌日は、初の登校です。UAEM の学生、教員のみなさんに迎えられ、病院内を見学させ
ていただいたり、実際に治療をしている診療室を見学させていただきました。そこでは、
日本の医療現場では到底目にすることは出来ないであろう光景も拝見させていただく
ことが出来、私にとってとても貴重な体験になったと思っています。実際に異国での歯
科に対する国民の意識の高さを目の当たりにし、いまだにデンタル IQ が諸先進国と呼
ばれる国々に比べ低いと言われている日本に暮らす者として、正直羨ましい気持ちにな
りました。
また、UAEM の学生は既に患者を持ち治療を行っているとの事で、まだ臨床実習も行っ
ていない私たちへ、先生としてではなく同じ学生という立場から沢山のアドバイス、指
導をして頂きました。そして、その日の午後は市内観光に出かけました。博物館に行き、
メキシコの方々の偉業、国の歴史や文化を目で見て聞いて肌で感じることが出来ました。
特に興味深かったことは平日の昼間にもかかわらず町には人が多く、ビールを飲んで談
笑していたりという光景があちらこちらで見れるところでした。そこには、メキシコ人
の穏やかでおおらかな性格が表れていたように思います。
その夜はメキシカンパーティーを開いて頂きました。会場に入ると、そこには伝統的
な衣装をそれぞれのホストファミリーからプレゼントされ、それらを身にまとった同士
たちのにこやかな姿がありました。メキシコといえばやはりテキーラが有名です。彼ら
は終始メキシコの音楽に合わせてダンスを楽しみながら、お酒を飲んでみんなで盛り上
がっていました。そして、彼らの陽気な性格のおかげで僕もとても幸せな時間を過ごす
事ができました。
一晩が過ぎ、この日はテオティワカンとばれる観光地へ行くはずが、ここへきて疲労
と慣れない環境のせいか、高熱によりダウンしてしまい、予定されていた行事へ参加す
ることが出来なくなってしまいました。ですが、一同はテオティワカンへ行っている間、
私はホストファミリーとお互いの家族のこと、日本での習慣やマナーの違いなど、沢山
のことを話しグッとお互いの距離が近づいた気がしました。この研修ではなかなか家族
とゆっくり時間を過ごす時間が用意されていないので、これはこれでとても良かったと
思っています。
次の日の朝、体調も好調とまではいきませんでしたが、回復の兆しも見え、その日は
今回の研修の中でも極めて重要な会が執り行われる為、家族と朝食を一緒に食べ会が行
われる場所へ向かいました。そこは大学の建物で、まるで宮殿や美術館のような造りに
なっており、とてもとても感銘を受けました。そのような由緒ある建物で私たちは UAEM
の理事長、学長へあいさつ、そして記念品を授与させていただきました。
その会が行われた後は、再び市内を観光するはずが、またしても原因不明の大量の汗、
眩暈がしてきて急遽ホテルへ行き休むことになりました。一日たっても良くならず、人
生初のメキシコの病院を訪れることとなりました。自宅で診療も行っている開業医での
受診となり、正直不安だらけでしたが、病院まで同行して頂いた UAEM の久保寺先生、
そしてインストラクターの佐々木会先生に助けてもらいながら、無事に診療を終え薬を
処方されました。ここで私が感じたことは、よくドラマや新聞などに載っている日本の
過疎地や離島の診療所に似たような感じだなということです。まず、大きな机の向こう
にドクターが座り、机を挟んで私がドクターと話をする。その机には、自分の娘の写真
や、その他趣味、娯楽の写真が貼られている。この時点で、日本では医者と患者の位置
関係で机を隔ててというのは不適切であると考えられているため、すごく違和感を感じ
ました。そして、薬の処方の仕方ですが、なにかメモ用紙のような紙にドクターが薬の
名前と服用回数などを記載します。そしてそれを薬剤師がいるドラッグストアへ持って
いきそこで薬を買うという仕組みになっていました。薬も箱に入ったままで、本当に日
本でいう OTC 医薬品を買うような感じでした。
これからの人生で、このような経験をさせていただく事は滅多にないことだと思いま
すので、すごく貴重なものになりました。また、ご迷惑をおかけした方々にはこの場を
お借りして深くお礼申し上げます。
海外研修最後の日は午前中に、大学での講義を受け、臨床体験をしました。とても緊
張しましたが、私のバックアップを担当してくれた学生が優しく教えてくれ、とても有
意義に時間を過ごすことができました。
そして、午後はそれぞれ日本から持ってきた浴衣をホストの子たちにプレゼントし、
自らも甚平を身にまとい、最後のパーティーへ。そこには学長はじめ、多くのお世話に
なった方々が集まっていらっしゃいました。これでみんなと過ごすのは最後になるのか
と思うと、本当に残念で仕方がありませんでした。しかし、メキシコの学生たちは、そ
んな日本学生の姿を見てか、座って食事をしている私たちの手をとり、生演奏されてい
る陽気な音楽にあわせてダンスを踊り始めたのです。そこには、学生だけでなく、それ
ぞれの家族や先生までも参加し、悲しい気持ちを吹き飛ばすかのように互いに目を合わ
せながら笑いあっていました。パーティーの最後に修了証をいただき、みんなで記念撮
影をして会は幕を閉じました。そこから、メキシコ発の飛行機に乗るため、夜中の2時
に集合場所へ集まらなければならず、少しの休息をとり、荷物をまとめ集合場所へ。そ
こでは互いに目に涙を浮かべ抱き合っている姿があちこちで見られました。ついに、空
港でのお別れになりました。また、約ひと月後、彼らが日本に来るまでのしばしの別れ
を惜しみながら、私たちは日本へと帰ってきました。
今回の海外研修では、今までの自分では想像もできないほどの文化の違い、風習の違
い、医療サービスの違い、たくさんの「違い」を目で見て、耳で聞いて、手で触って体
験することができました。ここで経験したことはこれからの自分の血となり肉となるこ
とでしょう。今回このような機会を与えてくださった大学、インストラクターの佐々木
会先生には本当に感謝しております。ありがとうございました。
学生
④
「メキシコでの歯科医療と将来の目標」
メキシコでの海外研修は他の研修先とは異なり、ホームステイであるので、出発前は
希望と不安が入り混じる感情でした。
メキシコまでの道のりは、日本の成田空港を出発し、アメリカのサンフランシスコで
乗り換えをして計 15 時間ほどかかりました。思っていたよりも長時間の移動であり、
時差も大きく生じていたため当時多少の疲れが残っていた印象があります。
空港に到着すると、ホストの方達が大きな声で歌を歌いながらウェルカムボードをも
ち僕たちを歓迎してくれました。ホストの方に出会うまではとても緊張していて、うま
く話すことができるのかどうかさえ不安だったのですが、この熱烈な歓迎が一気にそん
な不安を取り除いてくれました。そこでは初めてホストの方と出会う場面であったため、
皆思い思いに英語で話を始めていました。自分の拙い英語を一所懸命にきいてくれてい
たのを今でもとても印象強く覚えています。その後ホテルへ移動し、その日のうちにそ
れぞれのホストファミリーとあいさつをかわし、ウェルカムパーティーを催していただ
きました。文化が異なる国でのパーティーというものを目の当たりにできることはなか
なかない出来事だと思うので、貴重な体験をしました。
二日目の 8 月 13 日、私たちはメキシコの大学UAEM( Universidad Autonoma del
Estado de Mexico)に向かいました。そこは明海大学と同様に、大学に病院が隣接して
いるものでした。病院内を見学させていただき、メキシコでの歯科医療を自分の目で見
ることができました。そこで受けた印象は、環境が異なっていても日本と行っているこ
とにあまり違いがないというものでした。衛生環境もしっかりしていて、病院内も清潔
な印象でした。そこでは多くの患者さんがいて、歯科医師と患者さんとがとて もフレン
ドリーに話をしていました。そこが唯一日本と違うといった印象を受けました。その日
の夜にはメキシカンパーティーを開いてくれました。それぞれのホストファミリーから
プレゼントされたメキシコの伝統の衣装チャロを着て踊りや歌を教えて もらいながら
楽しく過ごすことができました。
三日目には世界遺産のひとつであるテオティワカンのピラミッドを見に行きました。
そこには太陽のピラミッド、月のピラミッドなど過去の神聖な建造物がありました。私
は今までにピラミッドを見たことがなかったので、こんなにも大きいものなのかととて
も感銘を受けました。また日本人の建造物の解説をしてくださる方がいてとても当時の
宗教観などがわかりやすく学ぶことができました。
四日目には明海大学の小児科で歯科医師としていたことのあるUAEMのロザリア
先生に講義をしていただきました。そこでは歯科医療の歴史を学ぶことができました。
日本では見たこともない写真を多く見させていただきこれもまた貴重な経験をさせて
いただきました。その次にはUAEMの歯学部長や理事長に会いました。笑顔であいさ
つを返してくれるとても優しい方で、とても歓迎してくださりました。明海大学との交
換留学が毎年行えることにとても感謝していました。
五日目にはバスツアーによるメキシコシティの観光をしました。このころにはもうど
のホスト達とも仲が深まり、気兼ねなく過ごすことができるようになっていました。メ
キシコシティにも多くの綺麗な建物が存在し、どれも芸術的であった印象があります。
六日目、七日目はそれぞれのホストファミリーと過ごす自由な日となりました。私の
場合は複数のホストファミリーと合同でトルーカの方へプールにいったりしました。こ
れまで大学にあいさつにいったり、歓迎パーティーなどで忙しかったために思いっきり
遊ぶことができました。
八日目には再び大学の病院内を見学し、間近で歯科医療を見学することができました。
次にUAEMで働く日本人である窪寺先生に矯正科の講義を受けさせていただきまし
た。最後にフェアウェルパーティーをひらいてもらい、UAEMのメモリアルノートに
自分の名前を書き、交換留学をした証を残すことができました。
最後に空港で別れを告げ交換留学が終了しました。メキシコでの海外研修はとても貴
重な経験になりました。多くの歯科医療にふれ、また講義もしていただき、UAEMの
学部長や理事長ともあいさつをすることができ、また多くの友達をつくることができま
した。メキシコで仲良くなった人やホストファミリーとは今でも連絡をとりあっていま
す。今回学んだことは私の将来に多くの影響を与えるでしょう。どういった将来になる
かは自分次第ですが、今回の海外研修のことを思い出し、色々と試行錯誤をしたいと思
っています。明海大学とUAEMの良い関係が続くことを願っています。最後に、研修
期間ともに過ごした 10 人のメンバー、引率の先生方、ホストファミリーにもう一度心
から感謝したいです。
学生
⑤
「同じ夢持つアミーゴとの出会い」
私にとって、この海外研修への参加は入学当初よりの憧れでした。そのため、メキシ
コでの海外研修への参加が決まった際には心より嬉しく思いました。
メキシコの研修生と他国の研修生との最大の違いは、なんと言っても他国での研修生
がホテルに宿泊するのに対して、ホストである学生の自宅にホームステイをさせて頂く
という点でした。そのため、ホームステイが初めての体験で文化も言語も全く異なった
ホストファミリーとの生活は、私には想像するこさえ容易なことではなく、とても不安
でもありました。そんな期待と不安の入り混じった気持ちを抱えたままいよいよ日本を
出発する日がやってきました。私達がメキシコシティーの空港に到着したのは現地時間
で夜の 8 時頃でした。そこで私達がまず目にした光景は、現地の歓迎曲を歌いながら心
から歓迎をしてくれるホストの学生達の温かな姿でした。この大変熱のこもった歓迎は、
メキシコ研修の始まりを私に深く実感させるにはとても十分過ぎるものでした。
また、その夜さっそく Welcome
party を開いてもらったのですが、すぐに感じ取れ
たのはメキシコ人の大変おおらかで明るい性格でした。各ホストの家族や親戚が全員集
まっての暖かな出迎えには感激するのと同時に、空港到着の寸前まで抱えていたメキシ
コ生活への不安が一気に消え去っていきました。またホストや家族はとても優しく、す
ぐに打ち解けることができました。
研修では、UAEM内の学内見学,歓迎パーティー、メキシコシティーの市内観光、
世界遺産テオティワカン散策、キャンパス内での歯科矯正学・メキシコと日本の医療制
度の相違点・メキシコでの歯科医師の現状・メキシコでの過去から現在に至る治療の流
れなどに関する講義、大学病院の外来での臨床見学など数々の素晴らしいプログラムを
体験することができました。どのプログラムも非常に興味深く、とても充実した時間を
過ごすことができました。
すべての研修プログラムを通し、その中で私が最も勉強になったと感じたことは行く
先々でのホスト達とのコミュニケーションでした。というのも、歯科医師を目指すよう
になったきっかけや、勉学に対する態度などを彼らから聞いてみると、とてつもない熱
意を感じとることができたからです。普段一緒に行動しながら観光の時に見せる無邪気
で陽気な雰囲気とは違った一面も持っていたことに驚くと同時に、同世代の学生として
負けてはいられないという気持ちにもなりました。彼らの歯科医師に対する熱意を間近
で感じられたことは、非常に良い刺激となりました。
メキシコでの研修はとても印象深い出来事ばかりで、毎日が新鮮であっという間に過
ぎてしまいました。ただ私と同様、同じ夢を持った異国の歯学部留学生との交流を持て
たということは、私の一生の財産へとなることでしょう。今後はこの良き出会いや経験
を無駄にすることがないように、より良い歯科医師像を目指していきたいと思います。
特に彼らのおおらかで明るい性格を手本にし、また彼らに劣らぬ熱意と向上心を内に秘
めて勉学に励んでいきたいと思っております。
最後になりますが、この海外研修という素晴らしいプログラムへの参加機会をくださ
った明海大学関係者の方々並びに、プログラムへの協力をしてくださった学事課やUA
EMの関係者の皆様には本当に心より感謝しています。