人道的エンドポイントに関する基本方針 (Ver.1.0)

人道的エンドポイントに関する基本方針
(Ver.1.0)
福井大学動物実験委員会
動物実験における人道的配慮を定めた規則(法令、ガイドライン)を遵守し、動物の受ける疼痛
(苦痛)をできるだけ減らすよう努めることは研究者に課せられた義務である。 苦痛度の高い実
験(例えば、致死に至る感染実験や照射実験や毒性試験など)を計画する場合、予め人道的エン
ドポイントを設定し、実験計画書で申請すること。人道的エンドポイントの設定にあたっては最新
版の国際的に受け入れられているガイドラインに基づいて行うこと。
瀕死状態にある動物は、適切な方法により速やかに安楽死処置を行うことを実験実施者に求
める。 動物が死に至るまで実験を継続することが研究目的に欠かせない場合、実験責任者はそ
の必要性についての科学的根拠を実験計画書で提示する必要がある。
実験動物の病的状態および瀕死状態の把握
動物が以下に示すような病的徴候を示し始めたら、実験実施者は少なくとも1日1回(週末と休
みを含む)、もしくは実験計画書で提案したプロトコールに沿い、動物の状態をモニターしなけれ
ばならない。動物が以下に示すような瀕死状態にある場合(あるいは、実験計画書で提示した人
道的エンドポイントに達したなら)、適切な方法により動物を安楽死処置しなければならない。
実験動物の安楽死処置法
動物の安楽死処置は国際的なガイドライン(例えば、アメリカ獣医師会)で許容(あるいは条件
付きで許容)される方法で、かつ実験計画書で申請した方法に従うこと。動物の死骸を処理する
場合は、当委員会による「動物の死亡確認についてのガイドライン」により死亡確認を行うこと。
動物が病的状態にある徴候
・背を丸めた姿勢
・沈んだ眼(分泌物の有無にかかわらず)
・呼吸の増加や減少あるいは困難
・急速な体重減少(1 週間以内で 10%以上の体重減少)
・試験開始時から >20%の体重減少
留意点:幼弱、発育中の動物では成体動物と異なり、体重減少の基準は指標として適さ
ない。これらの動物では、「体重増加の抑制」を基準とし、処置内容と動物種を考慮し、
個々の実験計画を立案する必要がある。
・飼料摂取量の減少あるいは無摂取
・低体温または高体温
・毛並みが悪い、毛が逆立つ、身繕い行動(グルーミング)の減少
・下痢あるいは便秘
・嘔吐
・実験処置と無関係な不安定歩行、跛行
・潰瘍化した腫瘍
・重篤な、あるいは潰瘍性皮膚炎
動物が瀕死状態にある徴候
・運動障害(餌や水を摂取できない)
・正立姿勢を保てない
・48 時間以上、背を丸めた姿勢が持続
・呼吸困難とチアノーゼ(皮膚、粘膜の青色)
・脱水症状/長期間(48 時間以上)にわたる摂餌量の減少
・無気力と身体活動の低下、筋萎縮の徴候
・重篤なヤセ、急速な体重減少(実験開始時から 20%以上)
・48 時間以上の慢性下痢または便秘
・臓器不全を示す、血液学的、生化学的兆候
・開口部からの遷延性出血
・自傷
・意識不明、外部刺激に反応しない