2012 年度 卒業式メッセージ 2013 年 3 月 15 日 園長 森高ホサナ そら

2012 年度 卒業式メッセージ
2013 年 3 月 15 日 園長 森高ホサナ
そら組、はやし組のみなさん、ご卒業おめでとうございます。お父さま、お母さま、ご家族の方にもお
喜びを申し上げます。かえで幼稚園は本日 40 回目の卒業式を迎えました。私は、かえで幼稚園が創設
された時から 40 年間ここで生活をしてきました。かえで幼稚園は東洋英和女学院のキリスト教を基盤
とした敬神・奉仕の理念と、地域の子どもたちの幸せを願うというビジョンの中で創られました。その
ビジョンはこの 40 年間、決してぶれることがありませんでした。創設の時に植えられた銀杏の木はひ
ょろひょろでしたが、今ではしっかりと根を張り、子どもたちが木登りできる木に育ちました。今日で
卒業生は 2384 人になりました。今日の卒業式にも、子どもの時をかえで幼稚園で過ごして、お父さん
やお母さんになって、再び幼稚園に戻ってきた方もいます。今、あらためて神さまの御心にかなった願
いが、ここに実現されていると思わされています。
かえで幼稚園で 2 年または 3 年、カンガルークラス(未就園児クラス)に参加した人とは 4 年間も一緒
に過ごせたこと、一人ひとりの成長を近くで見ることができたことは、大きな喜びでした。入園した時
にお母さまから離れるのが不安な子どもには、先生がお母さまの代わりの安心な存在となるまで、お母
さまに幼稚園で過ごして頂きました。入園の頃だけではなく折りに触れ、一人ひとりがその子のあり方
で安心を得、今日の日を迎えられたと思っています。お母さま方も「人と違っても大丈夫」と、我が子
を信じることができるようになられました。
小さい組の時、幼稚園のおやつのおせんべいが「もう一枚欲しい」と泣き「一枚だけ」と言われて、
ひっくり返って怒った人がいました。かえで幼稚園で、泣いても「ダメなものはダメなことがある」と
いうことも知りました。子どもをまん中にして、保護者の方と一緒に子どもの成長を支えられたことを
感謝しています。
特に三学期の生活は穏やかで幸せな日々でした。自分でやりたいことを決め「今日はドールハウスの
続きをする」と木工室に行く子ども、なかまと投げゴマを片手に「コマ回し場を作る」とホールに向か
う子どもなどがいました。投げゴマは 1 月にまわすことを覚え始め、色を塗り替えたり、遊び方の工夫
を重ねて昨日まで遊び続けてきました。やりたいことが実現できる子どもたちの心は自由であったと思
います。
成長に伴って、相手の自由を守ること、してはいけないことを自ら守ることができるようになりまし
た。愛され、安心と信頼を身につけた子どもたちは、してはいけないことに対して、自ら心にブレーキ
をかけることができるようになったと信じています。「してはいけないきまり」は聖書にあります。
東洋英和女学院、そしてかえで幼稚園が大切にしている聖書のことばを言いましょう。
「心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くし、力を尽くして、あなたの神である主を愛しなさい」「隣
人を自分のように愛しなさい」マルコによる福音書 12 章 30 節 31 節
聖書を幼稚園から、贈ります。
ここに子どもたちが作ったお箸があります。ヤマザクラの木を削って作られたお箸の元になる棒は、ご
つごつしていました。お母さまと一緒に始め、その後子どもたちは、何日もかけて、大事に磨いていき
ました。形も色も違う各々にぴったりのお箸が出来上がりました。卒業前の最後の週に自分で作ったお
箸でお弁当や、五目豆を食べましたね。
子どもたちは幼稚園で金づちやのこぎりなどの道具を手の延長としてよく使いました。保護者の方か
ら、卒業の記念として金づちとのこぎりがプレゼントされます。幼稚園でたくさん使った手を、やがて
人のために使うようになりますように願います。
かえで幼稚園を卒業する 53 人の子どもたちの中には、小学校に行くことに、ドキドキしている人も
いるでしょう。イエスさまが共にいて下さいますから、大丈夫です。希望をもって新しい出発をいたし
ましょう。
神さまの祝福が豊かにありますようにお祈りしています。