蛋白質はどんな栄養素? たんぱく質の働き タンパク質の代謝 栄養素が

蛋白質はどんな栄養素?
3大栄養素の1つ
蛋白質の特徴
*
蛋白質ってなんでしょう
~糖尿病との関係~3 たんぱく質
*
H25
第4回
糖尿病教室
管理栄養士
約20種類のアミノ酸から作られる高分子化合物
英語では『プロテイン』です。
構成成分に必ず『窒素』を含んでいます。
公立南丹病院
畑
千栄子
たんぱく質の過剰と欠乏
たんぱく質の働き
* 体内で常に分解と合成を繰り返し、生命を
維持するための重要な働きをします。
毎日、食事からたんぱく質を取る必要があります。
*摂り過ぎ・・・
:
肝臓で分解され、グリコーゲン(ブドウ糖の集合体)や
脂肪に変換されエネルギー源になり、長期の過剰摂取は
肥満になります。
:
成人で体重1kg当り2g以上を取り続けると腎臓が余
分な窒素化合物(老廃物)を絶えず排泄しなければなら
なくなり腎機能低下を引き起こします。
*摂取不足・・・
:
体力や免疫力が低下し、感染症や合併症を誘発します。
:
:
:
:
筋肉や内臓、皮膚、つめ、髪まで生体すべてを
作ります。
酵素やホルモン、免疫体などとして様々な
生理機能にかかわっています。
血液中ではリポたんぱく質として脂質を運搬します。
エネルギー源としても利用されます(1g・4kcal)
タンパク質の代謝
栄養素が血糖に代わる割合
* タンパク質は体の中でアミノ酸に分解され、体を作る材料になり
ます。
* アミノ酸からは『脂肪酸』『糖』『グリセロール』が作られるが、
摂取後
時間を経て『糖』になるので食後に血糖を上げることはありま
せん
* 1部のアミノ酸は肝臓で糖に合成(糖新生)され、空腹時の血糖
維持や
脳への糖の供給も行う
資料
国立循環器病情報サービス
糖尿病の食事
肥満・糖尿病
循環器病あれこれ
食品に入って入るたんぱ
タンパク質の適正量・・・
く質の量・・
主菜となる食品とは・・・?
:主菜= 魚 肉 大豆製品 卵
主にタンパク質を多く含む食品です。
総エネルギー量
エネルギー量
糖尿病には適正エネルギー量があり
ます。糖尿病食事交換表の単位を利
用しましょう
1単位は80Kcalが基本です。
タンパク質は表1の主食類にもあり
ますが今回は表3の単位を利用しま
す。
タンパク質量
タンパク質量*
質量*
1200Kcal
45~60g
1400Kcal
52~70g
1600Kcal
60~80g
1800Kcal
67~90g
1単位で約9gのタンパク量とします。
(9gは平均・食材による増減あ
り)
*エネルギー比率(15~20%)で算出
表3の簡単な目安量・・・ 1単位量
エネルギー量の基本の単位と表3の内訳
エネル 1日の
ギー量
ギー量 単位
Kca
l
1200
15
表1
表2
主食系 果物
P 2
表3
主菜系
P 9
表4
表5
油脂系
牛乳
P 4
表6
調味料
野菜系 味噌
P 5
7
1
3
1.5
1
1
0.5
1400
18
9
1
4
1.5
1
1
0.5
1600
20
11
1
4
1.5
1
1
0.5
1800
23
12
1
5
1.5
2
1
0.5
総エネルギー 表3 主菜系 朝
量 Kcal 1日合計
昼
夕
1200
3
1
1
1400
4
1
1
2
1600
4
1
1
2
1800
5
1
2
2
かれい・・80g(手のひら1枚)
サバ・・40g(手のひら1/2枚)
アジ(骨付き)・・110g(中1匹)
ウナギのかば焼き・・30g(中1/4串)
イカ・・100g
ちくわ・・60g(1本と1/2)
ぶり・・30g(中1/3切れ)
カキ・・140g(8~9個)
さんま・・30g(中1/3尾)
肉
牛・豚ロース・・40g
ロースハム・・40g(普通切2枚)
鶏ささみ ・・80g(中2本)
ウインナーソーセージ・・30g(中2本)
1
表3主菜系のタンパク質量は約27~45gになります。
後は主食系14~24gや牛乳で6g野菜系などのタンパク質量になります。
主菜を上手にとるには・・
魚
たんぱく質を多く含む食品には『動物性食品』が多く
油脂類が多い物もあります。
大豆類 豆腐・・もめん100g
絹ごし140g 納豆・・40g
凍り豆腐・・20g(1個)
干しゆば・・30g
豆乳・・180g(未調整)
糖尿病
卵・チーズ 卵・・50g(中1個)
プロセスチーズ・・20g(約1枚)
腎症のある方の食事
腎臓をいたわる食事療法を始めます。
:腎症の進行を防ぐには、糖尿病の治療(血糖コント
**上手に摂取するコツ**
:
:
同じ肉でも、脂肪の少ない部分を選ぶ。
(ロースやバラよりヒレやモモなど)
調理法でカロリーダウンの工夫をする。
:
(油なしの調理、脂分の湯通しなど)
たっぷりの野菜と組み合わせ、少量でもボリュームを持たせる。
:
:
ローカロリーの大豆製品や魚(不飽和脂肪酸が豊富)を使用
良質のタンパク質を選びましょう。
ロール)の
為の食事療法に加えタンパク質や食塩の摂取を控えて
腎臓の負担を少なくする、腎症治療のための
食事療法が重要になります。
糖尿病性腎症の食事療法
(体重は標準体重)
*たんぱく質の制限
: タンパク質の摂取制限などにより、腎臓の負担を軽くして、
残っている
腎機能をできるだけ長く保ち腎不全への進行を防ぐことが目的です。
:動物性たんぱく質は、腎臓の血流をふやして腎臓に負担を掛けます。
負担の少ない植物性たんぱく質の比率を増やすことがすすめられま
す。
*
炭水化物・脂質を増やします。
: タンパク質を減らすと指示エネルギー量を満たせません
人の体はエネルギーの補給を最優先させますので、タンパク質が
本来の目的に使われずにエネルギー源として利用されます。
それを防ぐために、必要な炭水化物・脂肪は十分にとります。
*塩分を制限し血圧をコントロールします。
:腎症が起きると身体に塩分が溜り易くなります。
その結果、血圧が上昇します。高血圧は腎症の進行を
加速させる重大な原因の一つです。
このため、塩分は制限します。
*カリウム摂取にも注意は必要です。
:腎症が進行するとカリウムが尿中へ排泄されにくく、
血液内のカリウム濃度が高くなります。
カリウムが多すぎると頻脈や心不全が起こりやすく
なります。
摂り過ぎに注意しましょう。
本日のまとめ
* 漬物は控えめに・汁物の量は少なくする。
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調味料は小皿にとって
新鮮な食材を使う・酸味や香辛料を上手に使う
油を使っての料理(エネルギー確保にもつながる)
加工品を減らす・焼き味、こげ味を作る。
料理の表面に味をつける・うまみを利用
献立にメリハリをつける。
煮物にはとろみをつけて、塩分のむだをなくす。
ご清聴、ありがとうございました。
*
タンパク質の摂りすぎは肥満をまねく。
*
タンパク質は食後血糖にはならないが
数時間後には血糖になる。
*
腎症予防には糖尿病治療(血糖コントロール)を
しっかりと行う
* 高血圧のコントロールも行う
に・・)
糖尿病性腎症の減塩ポイント
(減塩を忘れず
資料
糖尿病セミナー食事療法のコツ
糖尿病」教室・食事療法・主菜
腎症のある人の食事
糖尿病性腎症患者の食事療法