CONSULTING for INTERNATIONAL FINANCIAL INFORMATION [email protected] ☆SPECIAL REPORT(ファンドウォッチャー) <No.9323> 2003. 6. 23 (月) 6 月末、ヘッジファンド幹部の来日加速 ―― 1999 年 3 月以来の規模=高度政治情報で日本株買い 23 日の東京株式市場で、外資系証券の寄付前売買注文は 790 万株の買い越し超を記録。 これで 9 営業日連続の買い越し超となり、直近に記録した 8 営業日連続の買い越し超(5 月 23 日∼6 月 3 日)を上回ることとなった。海外勢の日本株買いが長期化している背景と して、あるファンドウォッチャー氏は「6 月末にかけ、大手ヘッジファンド幹部が来日し、 日銀、財務省、自民党代議士らと接触・情報収集を行っている」ことを指摘。グローバル・ マクロ全盛時代には「高度政治情報」を元に、海外投資家の日本株買いが相場を牽引した 経緯が思い出される。彼らの情報収集戦略の行方が、日本株の鍵を握ることになりそうだ。 米系ファンド幹部の来日相次ぐ=政府・自民党から情報収集で ヘッジファンドの契約更改期に当たる 6 月末を迎え、米系の大手グローバル・マ クロファンド、ロング・ショート型の幹部が複数来日しているとの情報がある。フ ァンドウォッチャー氏によると、彼らの来日目的は日本株投資のための情報収集の ようで「自民党幹部、財務省、日銀、大手都銀、ハイテク各社への面談・アナリス ト同伴訪問を行っている」(同)という。 同氏によれば、6 月にヘッジファンドらが日本株買いに出動した背景には、既に 米政府当局者などから「高度政治情報」を入手していたことが影響したとされる。 彼らが今回来日したことは、それを実際に確認することが主目的だったわけだ。例 年、契約更改期に当たる 5 月∼6 月はリサーチシーズンだが、今回のヘッジファン ド幹部の来日には極めて大きな意味があったのだろう。 というのも、彼らが足もとで日本株買いを活発化させた背景には、政府・日銀が 政策転換を図る可能性が急速に高まったことが大きかった。大手金融機関への公的 資金注入、日銀による戦略的な追加緩和策、大型予算編成など、ファンド関係者の 間では改革期待を高める施策が複数取り沙汰されていた。「これだけの規模でヘッ ジファンド幹部が来日したのは、1999 年 3 月以来のこと」(同)との指摘もあり、 海外勢主導で秋・年末に向けて株高に向かった 1999 年の上昇相場の再現も期待さ れている。 参考; モ ーニングオーダーと日経平均の推移 2 ,0 0 0 9200 9000 1 ,5 0 0 8800 1 ,0 0 0 8600 500 8400 0 8200 -500 8000 - 1 ,0 0 0 7800 - 1 ,5 0 0 7600 7400 20030616 20030609 20030602 20030526 5 区間移動平均 (寄り付き前売買・ 左) 20030519 20030512 20030502 20030424 20030417 日経平均・ 右 20030410 寄り付き前売買・ 左 20030403 20030327 20030319 20030312 20030305 20030226 20030219 20030121 20030114 20030106 - 2 ,0 0 0 万株 参考; モーニングオーダーとドル円の推移 2 ,0 0 0 円 122 1 ,5 0 0 121 1 ,0 0 0 120 500 119 0 118 -500 117 - 1 ,0 0 0 116 - 1 ,5 0 0 115 20030616 20030609 20030602 20030526 20030519 5 区間移動平均 (寄り付き前売買・ 左) 20030512 20030502 20030424 20030417 20030410 寄り付き前売買・ 左 ド ル円( 軸逆転) ・ 右 20030403 20030327 20030319 20030312 20030305 20030226 20030219 20030121 20030114 20030106 - 2 ,0 0 0 万株 1999 年・株高直前以来の規模= 高度政治情報もとに日本株買い 円 足もと、外資系証券による寄付前売買注文は買い越し超の状 況が続いており、23 日には 9 営業日連続となる買い越し超を 記録。「プロは全員が株価の底であり、今が買い時と考えてい る。日本経済の実態は言われているほど悪くない」――と小泉 首相が日米首脳会談前に発言したのは 5 月 23 日。それ以降、6 月 3 日まで 9 営業日連続で外資系証券の買い越しが続いたのは 記憶に新しいが、現在はこの記録さえ上回ることとなった。 市場からは「2002 年 5 月 13∼27 日まで続いた 11 営業日連 続の買い越し記録突破が視野に入った」(中堅証券筋)との声 も聞かれるが、従来、海外勢の日本株買いは為替相場での円 高・円安に伴うリバランスが主因とされてきた。しかし、6 月 入り後はその相関性も薄らいできており、別の要因が海外勢の 日本株買いに寄与した可能性が高いと見られている。今回、長 期化している海外勢の日本株投資の背景に高度政治情報が影 響しているのなら、さらなる日本株高を後押ししそうだ。(了) ※本レポートは情報提供のみを目的に作成されたもので、投資・運用に当たっての最終的な判断は、お客様の責任に委ねられま す。全ての著作権は株式会社マネーアンドマネードットコムに帰属します。記事・図表の無断転載を禁止します。 Money and money dot com Ltd. Tel: 03-3523-0321 Fax: 03-3523-0320
© Copyright 2024 Paperzz