(32)性器ヘルペスウイルス感染症 《 定 義 》 単純ヘルペスウイルス(HSV1 型または 2 型)が感染し、性器またはその付近に発症し たものを性器ヘルペスという。 《 臨 床 的 特 徴 》 性器ヘルペスは、外部から入ったウイルスによる初感染の場合と仙髄神経節に潜伏して いるウイルスの再活性化による場合の二つがある。 初感染では、感染後 3∼7 日の潜伏期の後に外陰部に小水疱または浅い潰瘍性病変が数個 ないし集簇的に出現する。発熱などの全身症状を伴うことが多い。2∼4 週間で自然に治癒 するが、治癒後も月経、性交その他の刺激が誘因となって、再発を繰り返す。再発疹は外 陰部のほか、臀部、大腿にも生じる。 病変部位は男性では包皮、冠状溝、亀頭、女性では外陰部や子宮頚部である。HSV2 型に よる場合はより再発しやすい。 《 報告のための基準 》 ○ 診断した医師の判断により、症状や所見から当該疾患が疑われ、かつ、以下の基準 を満たすもの。 ・男女ともに、性器や殿部にヘルペス特有な有痛性の一から多数の小さい水疱性ある いは浅い潰瘍性病変を認めるもの なお、血清抗体のみ陽性のものは除外する。
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