第 1 章 Ⅰ 力 学 運 動 学 m1x1 + m2x2 + m3x3 + ⋯ m1 + m2 + m3 + ⋯ 質点系の重心: xG = [位置,速度,加速度の定義] 時間変化率という概念 (1) 剛体は無数の質点の集合として考えられる 数式で定義が言えることより,各概念を直感的に把 (2) 剛体を重心で支えると静止する 握できることが大事 (1) 位置: r = (x , y , z ) (3) 系に外力が加わらないとき,その系の重心は運 動状態を保持する dr dx dy dz ) (2) 速度: v = (v x , vy , vz ) = =( , , dt dt dt dt dv dvx dvy dvz ) (3) 加速度: a = (ax , ay , az ) = =( , , dt dt dt dt [等加速度直線運動の公式] [モーメントの定義] 回転運動を引き起こす性能,原因 物体にはたらく個々の力が持つ,回転運動に対する 影響度である モーメントの定義:M = ℓ × f ⊥ (うでの長さ×力の垂直成分) 丸暗記は時間の無駄 一定の割合で加速する(等加速度である)ことそれ [剛体のつり合い] 有形物体は回転運動の可能性を考えよ だけから導き出せる 剛体(大きさ,形を有し変形しない物体)が静止, (1) v = v 0 + at ないしは等速直線運動をし続けるための力学条件は, 1 (2) x = x0 + v 0 t + at 2 2 以下の 2 つ (3) v 2 − v0 2 = 2as (1) 運動しうる各方向に力のつり合いが成立 (並進運動をしないための力学条件) Ⅱ (2) ある定点まわりのモーメントのつり合いが成立 並進運動の記述 (回転運動をしないための力学条件) [種々の基本的な力] 力とは加速を生む原因,運動の原動力 (1) 重力: f = mg (質量に比例し鉛直下向き) (2) 垂直抗力: N Ⅳ エネルギーと仕事 [仕事の定義] (接面が変形しないように支える力) 日常的な仕事の概念との対応を考えよ (3) 張力: T , S (糸やひもが張ることで支える力) 仕事とは力の空間的総和,累積である (4) 弾性力: f = kx (伸び縮みに比例し自然長に戻る向き) (1) 一定力の場合: W = f ⋅ s (力の変位方向成分×変位) (5) 静止摩擦力: f ≤ µ N (6) 動摩擦力: f = µ ′N (接面が滑らないように働く力) (2) 一定力でない場合: W = ∫f [エネルギーの定義] (7) 浮力: f = ρ Vg (上下面の圧力差による力として導出) 外界に対して仕事をする能力 運動エネルギー K は運動の激しさの指標であり,ポ (8) 慣性力: f = ma (加速系で加速と逆向きに発生している テンシャルエネルギー U とは保存力(重力のように ように見える見かけの力,数学的補正項) [ニュートンの運動の3法則] ⋅ ds (仕事は面積) C (生じている滑りに逆らう向き) 仕事が経路に依らない力)が将来するであろう仕事 力学原理と運動の記述 古典力学の運動の記述は,以下3法則に従い,力の を予め見積もったもの 図示 → 各力直交分解 → 各成分に力学条件を立式 (1) 力学的エネルギーの定義: E = K + U 1 (2) 運動エネルギー: K = mv 2 2 (1) 慣性の法則:物体には慣性がある (2) 運動の法則: ma = F (運動方程式 equation of motion) (3) 重力ポテンシャル: U = mgh (3) 相互作用 (作用・反作用)の法則:力は対等である Ⅲ (4) 弾性力ポテンシャル: U = 質点系の運動と剛体のつり合い [重心の定義] [エネルギーと仕事の関係] 1 kx 2 2 仕事をするとエネルギーが変化する ニュートンの運動方程式から数学的に導出可能 一体と見なす場合の並進・回転運動の分岐点 重心とは質量平均位置のようなものであり,その系 (1) 現金主義: ∆K = W ( W は全外力のする仕事の総和) に働く重力の合力の作用点となる (2) 発生主義: ∆E = W ( W は非保存力のする仕事の総和) 1 [力学的エネルギー保存則] dx = Aω cos(ω t + θ 0 ) dt dv = −Aω 2 sin(ω t + θ 0 ) (3) 加速度: a = dt (2) 速度: v = 自然界の均衡と調和 非保存力(摩擦のように仕事が経路によって異なる 力)が仕事をしない系では,力学的エネルギーは一 [円運動・単振動の周辺知識] 定に保たれる. (2) 円運動の回転数,単振動の振動数: f = 運動量と力積 [力積の定義] 衝撃の強さ,運動に対する影響の大きさ Ⅶ 力積とは力の時間的総和,累積である (2) 一定力でない場合: I = ∫ t2 f ⋅ dt (力積は面積) t1 1 T 天体の運動 [ニュートンの万有引力の法則] GMm (1) 万有引力: f = r2 (1) 一定力の場合: I = f ⋅ ∆t (力×作用時間) [運動量の定義] 2π ω (1) 円運動の周期,単振動の周期: T = E = K + U = Const. Ⅴ 考えればわかるので暗記しない 質量あるものは互いに引き合う (引きあう向き) (2) 万有引力ポテンシャル:U = − GMm r (無限遠基準) 外界に対して力積を及ぼす能力 [ケプラーの法則] 運動量 p は運動の激しさの指標であり,運動の止め 史上最高の観測屋さんの成果 ニュートンの運動方程式から数学的に導出可能 にくさとして体感される (1) 惑星は恒星を焦点の一つとする楕円軌道を描く 運動量の定義: p = mv [運動量と力積の関係] (2) 惑星と恒星を結ぶ線分が単位時間に掃過する領 力積を及ぼすと運動量が変化する 域面積(面積速度)は常に等しい(面積速度一定 ニュートンの運動方程式から数学的に導出可能 の法則) 1 rv sin θ = Const. 2 ∆p = I [運動量保存則] 2 人だけの世界が実現するとき, I を及ぼし合う (3) 惑星軌道の半長軸の長さ a と周期 T において 2 人の間では,いつ何時も変わらないものがある a3 = Const. T2 外力が力積を及ぼさない系では,運動量は一定に保 たれる. p = Const. [はね返り係数(反発係数)の定義] 衝突し,はね返る割合 (衝突後の互いに遠ざかる速さ) = e × (衝突前の互いに近づく速さ) Ⅵ 円運動・単振動 [向心加速度] 曲がるために必要な加速度 円運動するための必要条件として数学的に導出 v2 a= = rω 2 (向心方向の加速度の大きさ) r [単振動の方程式] 単振動するのに必要な加速度 単振動するための必要条件として数学的に導出 a = −ω 2 ( x − x 0 ) [単振動の一般解] ( x 方向の加速度の大きさ) 時刻の関数として表す (1) 位置: x = x0 + A sin(ω t + θ 0 ) 2 第 2 章 Ⅰ 波 動 正弦進行波 [波動の基本公式] (4) 媒質の気体分子が軽いほど速い 説明できるように波動の概念を徹底する 1 (2) f = T (1) V = fλ [横波・縦波] (3) 音は高温であるほど速い (5) 水中では極端に速い (6) 振動数は音の高さに相当する 縦波の横波表示をよく把握しておく (7) 振幅は音の大きさに相当する (1) 横波:波動の進行方向に対し媒質の振動が横(垂直) (8) 振動数が可聴域を越えるものを超音波という (2) 縦波:波動の進行方向に対し媒質の振動が縦(平行) [反射] [弦の共振] (1) 弦の全長 ℓ には定常波の腹が整数個入る (1) 入射角と反射角は等しい 基本振動の波長: λ1 = 2ℓ ,2 倍振動の波長: λ2 = ℓ (2) 自由端反射:線対称に反射,位相の変化はない (2) 弦を伝う波の伝播速度: V = (3) 固定端反射:点対称に反射,位相が π ずれる [定常波] 腹と節の繰り返す進行しない波 [気柱の共鳴] 波形が等しく進行方向が互いに異なる2つの波の干 (2) 開管の管長 ℓ には定常波の腹が整数個入る 基本音の波長: λ1 = 2ℓ , 2 倍音の波長: λ2 = ℓ 一般に波長が長いほうがよく回りこむ (3) 管口付近に定常波の腹が生じ,管口と腹の位置 重ね合わせを考える波動特有の現象 のズレは開口端補正という 2つ以上の波がある点で重ね合わさり,同位相で強 (4) 管底には定常波の節が生じる めあったり,逆位相で弱めあったりする現象 [ドップラー効果] (1) 強め合いの条件:経路差が波長の整数倍 [ホイヘンスの原理] 媒質に対する波源,観測者の相対運動で生じる 伝播速度が媒質に対して一定であることから導出 V f (1) 波源が運動する場合: f ′ = V −u V −v (2) 観測者が運動する場合: f ′ = f V V −v (3) 両者が運動する場合: f ′ = f V −u V −v+w (4) さらに風がある場合: f ′ = f V −u+w (2) 弱め合いの条件:経路差が波長の半整数倍 波の最小構成要素は何か ある時刻の波面上から生じる素元波の重ねあわせに よって,次の時刻の波面が作られる [屈折] 管楽器の原理 スリットの向こうにも拡がる波動特有の現象 波が障害物の向こうに回りこむ現象を回折といい, [干渉] S ρ (1) 閉管の管長 ℓ には定常波の腹が半整数個入る 4ℓ 基本音の波長: λ1 = 4ℓ , 3 倍音の波長: λ3 = 3 渉によって生じる進行しない波 [回折] 弦楽器の原理 媒質があれば常に,波動はある程度反射する 伝播速度が変わるから折れ曲がる 媒質による波動の伝播速度の違いから導出 (1) 伝播速度比: n1c1 = n 2c 2 Ⅲ (2) 屈折で振動数は変わらない [光波の性質] (3) 波長比: n1λ1 = n 2 λ2 波 光とは何か (1) 媒質は存在しない,または空間 (4) スネルの法則: n1 sin θ1 = n 2 sin θ 2 [散乱] 光 (2) 横波であり偏光する 夕日が赤く,空が青い理由 (3) 同じ媒質の光速度は観測者によらず一定 粒子などで波動が乱反射し,拡がる現象 (4) おおよそ,媒質が密であればあるほど,遅い Ⅱ 音 [音波の性質] 波 (5) 屈折率が高い媒質から低い媒質への入射におい 音とは何か ては自由端反射,低い媒質から高い媒質への入射 (1) 媒質は主に空気 においては固定端反射 (2) 縦波(疎密波)であり,壁では固定端反射する (6) 波長は色に相当し,可視光最短波長は紫,最長 3 波長は赤 と色づいた干渉環を見る (7) 光は電磁波の1種 (8) 屈折率 n の媒質中の厚み d の領域は,光が進む にあたり,外界の n 倍の時間がかかるので,外界 換算で nd の厚みに相当(光学的距離) [見かけの深さ] お風呂で腕が折れて見える理由 スネルの法則,幾何条件,近似条件から導く d 見かけの深さ: D = (ほぼ真上から見た場合) n [分散] プリズムと虹の原理 媒質の屈折率が光の波長により異なる(紫に近いほ ど屈折率が高い)ことから,媒質に入射した光が波 長(色)ごとに別れ,拡がる現象 (1) スペクトル:分散された輝線 (2) 連続スペクトル:分散が連続的に起こる場合の 輝線 (3) 線スペクトル:分散が離散的に起こる場合の輝 線 [フェルマーの原理] 光はめんどくさがり屋である 光は最短時間で到達する経路を選ぶ [レンズ公式] 望遠鏡,光学式レーザー,眼球の原理等は頻出 フェルマーの原理からレンズの結像条件を得,幾何 条件からレンズ公式を導く 1 1 1 b レンズ公式: + = ,レンズ倍率: n = a b f a (1) 凸レンズの倒立実像: a > f ならば b > 0 (2) 凸レンズの正立虚像: a < f ならば b < 0 (3) 凹レンズの正立虚像: f < 0 であり b < 0 [光学干渉] 干渉条件と色づき 光の経路において反射,透明物質がある場合はその 位相変化,光学的距離に注意し,干渉条件を求める (1) ヤングの実験:2スリットによる回折と干渉 (2) 回折格子の実験:多重スリットによる分光 (3) 薄膜干渉:見る角度によって干渉条件が異なる ので,色づいた干渉縞が生じる (4) くさび形干渉:ガラス板に挟んだものの厚みを, 干渉縞の間隔から間接測定する (5) ニュートンリング:ガラス板上にレンズを置く 4 第 3 章 Ⅰ [電場] 電 磁 気 電 場 学 (2) 並列接続: C = C1 + C 2 クーロン相互作用を仲介する空間の流れ Ⅲ ガウスの法則と電場の湧き出し(電気力線の本数) Q = 4π kQ から導出 ε Q (1) 点電荷起源: E = k 2 r Q (2) 面電荷起源: E = 2ε S Q (3) 線電荷起源: E = 2πε ℓr [電流定義] 電 流 理 論 単位時間に断面を通過する電気量 単位時間の通過自由電子群掃過領域体積から導出 (1) 電流定義: I = enSv [オームの法則] 抵抗における電流と電圧降下の比例関係 自由電子の受ける速度抵抗または平均自由行程から 導出 [クーロン力] (作用)=(影響の受けやすさ)×(場の強さ) (1) 電圧降下: V = RI , R = ρ (1) クーロン力(静電気力): f C = qE [電位] ℓ S (2) 消費電力: P = RI 2 ( = IV ) 電場の流れを作る電気空間の隆起 電場は電位の勾配( E = − dV )から導出 dr Q (1) 点電荷起源: V = k r (無限遠基準) [抵抗合成] 複数の抵抗を一つの抵抗と見なす 端子間電流と電圧降下を変えないように,見なし抵 抗値を定める (2) 一様電場起源: V = Ed (1) 直列接続: R = R1 + R2 Q r (3) 線電荷起源: V = − log 2πε ℓ r0 (2) 並列接続: R = [クーロンポテンシャル] R1R2 R1 + R2 電位に応じた位置エネルギー [起電力] (1) クーロンポテンシャル: U = qV 自由電子の流れを引き起こす電位差 自由電子が受ける外力を非クーロン電場として評価 Ⅱ し,これに応じた電位を導出 W (1) 起電力: V = e コ ン デ ン サ [平行平板コンデンサ原理] 対向する極板間に電場が生じる 生じる電場から極板間電圧,極板間引力,静電エネ (2) 供給電力: P = IV (電源がした仕事) ルギーを導出 (1) 極板間電場: E = (2) 極板間電圧: Q = CV , C = (3) 極板間引力: F = Ⅳ Q εS [電流のつくる磁場] εS d ローレンツ相互作用を仲介する空間の流れ ビオ・サヴァールの法則から積分し導出する µI (1) 直線電流起源: B = 2π a µI (2) 円形電流起源: B = 2a 1 QE 2 (4) クーロンポテンシャル: 1 1 Q 2 U = QV = CV 2 = 2 2C 2 [コンデンサ合成] 磁 場 (3) ソレノイドコイル起源: B = µ nI [ローレンツ力] 複数のコンデンサを一つと見なす 運動する荷電粒子が磁場から受ける力 蓄えられた電気量と端子間電圧を変えないように, (1) 荷電粒子: f L = qvB sin θ 見なし静電容量を定める (2) 直線電流: FL = ℓIB sin θ (1) 直列接続: C = C1C 2 C1 + C 2 5 Ⅴ 電 磁 誘 導 [電磁誘導] (4) RLC 直列回路のインピーダンス 2 1 Z = R 2 + Lω − ωC 磁場変化は電場を生むという,磁場空間の調和の現れ (1) 磁束定義: φ = BS ⊥ = B⊥S (5) LC 共振回路の共振角周波数: ω = dφ (2) 誘導起電力: V = dt [自己誘導] ソレノイドコイルの調和能力 コイルを流れる電流の作る磁場の変化によって,コ イル自らが電流の変化を妨げる向きに誘導起電力を 受けることから導出 (1) 自己誘導起電力: V = L dI dt (2) コイルの磁場のエネルギー: U = [相互誘導・変圧器] 1 LI 2 2 磁場による他回路への電力供給 複数のコイルを貫く共通の磁束の変化によって, 各々のコイルが誘導起電力を受けることから導出 (1) 相互誘導起電力: V = M dI dt (2) 変圧比: V1 : V 2 = N1 : N 2 (3) 供給・消費電力関係: I1V1 = I 2V 2 Ⅵ 交 流 回 路 [端子間電圧] 電流と電圧に対する回路素子の特性 (1) 交流電源の起電力: V = V 0 sin(ω t + θ 0 ) (2) 抵抗での電圧降下: V = RI Q C dQ (4) コンデンサの連続方程式: I = dt dI (5) コイルの自己誘導起電力: V = L dt (3) コンデンサの極板間電圧: V = [回路特性] 各素子の端子間電圧を回路方程式(キルヒホフの第 2 法則)でつないで導出 V0 I0 (1) 実効値: V e = , Ie = 2 2 (直流換算値) (2) コンデンサのリアクタンス: Z = 1 ωC (3) ソレノイドコイルのリアクタンス: Z = Lω 6 1 LC 第 4 章 Ⅰ 熱 力 学 固体・液体の温度変化と相転移 [熱容量の定義] [気体のする仕事] 膨張するなら外部に仕事をする (1) 定圧過程: W = P∆V 単位温度上昇に必要な熱 Q [ J/K ] (1) 熱容量の定義: C = ∆T (2) 一般過程: W = ∫ ( = nR∆ T ) [ J] V2 P dV [J ] (仕事は PV 図の面積) V1 [比熱の定義] 単位質量・単位温度上昇に必要な熱 (1) 比熱の定義: c = [潜熱の定義] [気体の内部エネルギー] Q [ J/g K ] m∆ T 物質の状態変化(相転移)に必要な熱 (2) 一般分子: U = nC V T [ J] (1) 融解熱:単位体積を融解するのに必要な熱 [J/g ] [熱力学第1法則] (2) 蒸発熱:単位体積を蒸発するのに必要な熱 [J/g ] Ⅱ 気体の状態変化 [理想気体の定義] は気体が外部にする仕事) (2) ∆ U = Q + W [J] ( W は気体が外部からされた仕事) [モル比熱に関するマイヤーの関係] 導出過程必須 定積および定圧過程において,モル比熱の定義と熱 力学第1法則を利用し導出する (1) 高温・低圧下で実現する (1) マイヤーの関係式: C P = C V + R [J/mol K ] (2) 理想気体の状態方程式が成立する [断熱変化に関するポワソンの公式] 状態方程式: PV = nRT [J] (equation of state) する だし熱平衡のための分子衝突は無視しない) (1) PV γ = Const. , TV γ −1 = Const. (比熱比: γ 温度とは分子の平均運動エネルギー 無数の気体分子の壁面への衝突が圧力を生む [熱サイクルの熱効率] (1) エネルギー等分配則 1 1 1 1 m v x 2 = m v y 2 = m v z 2 = kB T [ J ] 2 2 2 2 3+ f (2) 内部エネルギーの定義: U = nRT [ J ] 2 e= = Q [ J/mol K ] n∆ T 気体は状態変化の過程によってモル比熱が異なる モル比熱は気体の分子構成によって定まり,その値 は分子運動論から導出 (2) 定積モル比熱: C V (定積過程でのモル比熱) 3 R [ J/mol K ] 2 5 (b) 2原子分子: C V = R [ J/mol K ] 2 (a) 単原子分子: C V = (3) 定圧モル比熱: C P = 熱効率とは熱機関の効率である (1) 熱効率の定義 単位物質量・単位温度上昇に必要な熱 (1) モル比熱の定義: C = 断熱曲線を支配する 微小断熱過程におけるエネルギー収支を積分し導出 (3) 分子間力(分子間の相互作用)が無視できる(た [モル比熱の定義] 熱力学のエネルギー保存則 (1) Q = ∆ U + W [J] ( W 結構世の中は理想気体だらけ 分子直径に比べて,分子間隔が十分に大きい気体 [気体の分子運動論] 内部エネルギーは温度に比例する 3 (1) 単原子分子: U = nRT [ J ] 2 (定圧過程でのモル比熱) 5 R [J/mol K ] 2 7 (b) 2原子分子: C P = R [J/mol K ] 2 (a) 単原子分子: C P = 7 (サイクルが外界に対してした正味の仕事) (サイクルを回すのに外界から利用した熱 ) Wcycle Qout [−] = 1− Qin Qin CP CV ) 第 5 章 量 Ⅰ 原 子 物 子 理 [放射能・放射線量] 光は波動性のみならず粒子性を併せ持つ (1) 放射能の単位:Bq (ベクレル) 1 秒間に崩壊する原子の個数 逆に電子は粒子性のみならず波動性を併せ持つ [光量子仮説] (2) 吸収線量の単位:Gy (グレイ) 光は光子(フォトン)と呼ばれる粒子性をもつ 光電効果とコンプトン散乱現象から説明される hc [ J] (1) 光子のエネルギー: ε = hν = λ hν h [ J s/m ] (2) 光子の運動量: p = = c λ [物質波] 核崩壊を起こす能力と被曝の大きさ 1kg あたりが吸収した放射線のエネルギー[J] (3) 線量当量の単位:Sv(シーベルト) 吸収線量[Gy]に修正係数(人体への影響度のよう なもの)を乗じたもの 素 粒 子 Ⅲ 質量の小さい粒子は波動性をもつ 電子線(陰極線)の回折現象から説明される 分解不能な物質の最小構成単位を素粒子という 光子との運動量の対応から物質波の波長 λ を得る 1 (1) 電子のエネルギー: K = mv 2 [J ] 2 h [ kg m/s ] (2) 電子の運動量: p = mv = λ 標準理論によって様々な素粒子が予測され,観測された [フェルミ粒子] (1) クォーク 物質粒子と呼ばれる素粒子たち ― 質量あり,電荷あり 陽子や中性子などのハドロン(質量が大きい粒 [ボーアモデル] 原子核が纏う電子は存在確率の雲である 子)を構成している素粒子 量子条件と運動方程式からリュードベリ定数を導く 陽子はアップクォーク( u )2 つ,ダウンクォー (1) ボーアの量子条件: 2π r = nλ (n = 1, 2,3⋯) 1 1 1 = R 2 − 2 (2) リュードベリ定数: m λ n ク( d )1 つから構成される 中性子はアップクォーク( u )1 つ,ダウンクォ ーク( d )2 つから構成される 核 反 応 Ⅱ [核崩壊] (2) レプトン 崩壊で生じる代表的な放射線の種類と性質 崩壊で減少した質量分だけエネルギーが生じる トリノ( ν )の仲間など軽い粒子 α 粒子は正電荷,ヘリウムの原子核( 42 He ) [ボーズ粒子] 質量数と原子番号減少,透過度が低い ― 質量なし,電荷なし 万有引力を仲介する素粒子(未発見) β 粒子は負電荷,電子( e − : −01 e ) (2) 光子(フォトン): γ 原子番号増加,透過度はそこそこ ― 質量なし,電荷なし 電磁気力を仲介する素粒子 (3) γ 崩壊: γ 線(光子)を放出する崩壊 (3) グルーオン: g γ 線は波長の極端に短い電磁波( γ ) ― 質量なし,電荷なし 強い相互作用(核力)を仲介する素粒子 原子核が励起から定常状態へ,透過度が高い ハドロン内のクォークをつなぐ糊粒子 質量とエネルギーは等価である (4) ウィークボソン: W + , Z 0 核反応で減少した質量分だけエネルギーが生じる ― 質量あり 弱い相互作用( β 崩壊の力)を仲介する素粒子 (1) 質量エネルギー: E = mc 2 正電荷の W ボソンと無電荷の Z ボソンがある 核崩壊は確率的 (5) ヒッグス粒子: H 放射性同位体が崩壊で半減する周期を半減期と呼ぶ 1 (1) 放射性同位体数: N = N 0 2 場を仲介するゲージ粒子など (1) グラビトン: ? (2) β 崩壊: β 線( β 粒子)を放出する崩壊 [半減期] 質量あり タウ粒子( τ − ),および,電荷を持たないニュー (1) α 崩壊: α 線( α 粒子)を放出する崩壊 [質量欠損] ― 負の電荷をもつ電子( e − ),ミュー粒子( µ − ), t T 質量を与えるヒッグス機構を説明するための素 ( T は半減期) 粒子 8
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