トピックス : <ラオスのVAT法改正

トピックス :
<ラオスのVAT法改正>
今回はラオスのVAT法改正についてご紹介
をさせて頂きます。今回は、ラオスで現在問題
となっている改正付加価値税法(以下、「改正
VAT法」といいます。)についてご紹介をさせ
て頂きます。
カンボジア法律情報
ラオスでは、2014年7月23日付改正VAT法
‐気をつけて下さい。不動産購入後の注意点‐
(No.52/NA)が官報に掲載されております。掲
載日は、2015年6月18日となっており、これに
より15日後の2015年7月3日から改正VAT法が
施行される運びとなっております。
現在、ラオスで有効な主な税法は、ラオス税
法(2011年改正)、旧付加価値税法(2009年)
しか存在しない状態となっておりますので、今
回の改正VAT法は、ラオスでのビジネスに大き
な影響を与えることが予想されます。今回は、
改正VAT法について確認する中で、気になっ
た点についてご紹介をさせて頂きます。
<VATの源泉徴収>
改正VAT法第35条では、VAT登録者は、ラ
オス国内にて登記されていない者からサービ
スを受けた場合において、当該費用の支払い
時にVATを源泉して、所轄税務署に納付しな
ければならないと規定しています。例えば、ラ
オス国外の法人からサービスを受けた場合に
おいては、ラオス国内の法人が当該取引によ
るVATの納付義務を負うかたちとなります。近
隣国のタイ、カンボジアでは、VATの源泉徴収
は一般的ではありませんが、ベトナム等では
外国者契約税という制度があり、これに類似し
た形態の徴税方式となりますので、注意が必
要となります。
<公式領収書の使用>
改正VAT法では、事業者はラオス政府公
認の領収書を使用しなければならない旨が
規定されております(改正VAT法第33条)。
また、2015年5月11日付領収証管理規則に
関する財務省大臣告示(No.1431/MOF)が
公布されており、事業者はラオス政府公認
の領収書を必ず得る必要があり、公式の領
収書を使用しない場合においては、VATの
還付および控除ができず、引き続き非公式
の領収書を使用する場合は業務停止処分
等が課される可能性があり得ます。但し、ロ
ーカル企業の多くは、ラオス政府公認の領
収書を使用しておらず、支払い等に際し
ては、注意が必要となります。
<罰則強化>
改正VAT法第63条等において、罰則規定
についてより厳格に修正がなされております。
例えば、改正VAT法第63条3項では、「VA
Tに関する申告が遅れた場合については、
月毎もしくは四半期毎に50万キープの罰金
を課す」と規定しています。
また、63条8項では「VATの対象となる商
品販売、サービス提供について、VATを納
付しない、もしくは実際とは異なるVATの算
出を行った場合等、当該取引によって生じた
VATの50%分の罰金が課される」と規定され
ております。実務ではVATの納付システム
が十分に整備されていない状態の中にお
いて、極めて厳しい罰則規定が定められて
おります。現地実務に鑑みると、多くのケー
スでは、会計事務所等を起用したとしても、
VATの納付遅れや計算ミス等が散見されて
おり、同法がどこまで厳格に適用されるかは
未知数ですが、進出企業にとっては、VAT
の取り扱いが税務上のリスクとなり得る可能
性があります。 <注記>
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