「32」在パリ繊維会社事務所長 1:PARIS 証券取引所のちかくのレストラン。ことしの PARIS 暖冬。ここは評判のいいレストランだ。 パリでは 2 次会はあまりしない。選んだレストランで時間を使う。あえて 2 次会ならショットバーであ る。部下を連れて、めいわくにならないように配慮する。 2:いまアラブのカネが EU になかれている。€ =157¥。 3:なぜユーロが高いのか? 多分、NY が開放され、EU がクローズだからか。 4:JP・KR は CN に流れる。繊維で儲かる。配当もしている。 5:カーシート(自動車のシート)の材料は「シートファブリック」という。いまや軽自動車でもカ ーシートを選ぶ。「これきれい」それでクルマを買う。クルマはシートで選ぶとさえいわれる。いま X 社は絶好調だ。 6:FR に製品をもっていく。たとえば半導体工場のはなしがあったとき、それが半導体ならそこにク リーンルームガーメントを提案する。これはバイオ系で、これからも EU で伸びる。ダストフリー。要求 される精度は高くなる一方であるその要求に提案可能である。 7:スペックにあった縫製も、生地の選択もできる。だから総合的な提案が可能である。むろん縫製 はチェッコ・ルーマニア・PL・上海を使う。それがゆえにセーレンがミドリ十字のユニフォームを売り 込める。 JP は取引に中間が多い。なんでも直接に取引したほうが健全だ。 8:パリ観光でルーブルの比重がおおい。JP 人は過去の偏った教育のゆえか、たとえばゴッホという。 ゴッホといえば通るという教育をうけてきた。19世紀のシュルレアリズム。あるいは印象派のミレー の「落穂ひろい」。こちらではそれほど評判はない。でもJPは「落穂ひろい」で納得してしまう。バ ルビゾン派に寛大だ。なぜ、そこまで one of them なのか。 9:実は、プラトーも苦しいようだ。いままでニット・織物をパリコレやプルミエに出展してきた。 いま 100%シルクの時代ではない。たとえばシルクウール、シルク&合繊。シルクとなにかを組み合わ せる時代だ。また、撚糸でも絹紡糸でもよい。絹紡糸が撚糸にかわる。そこでは CN が出てくる。絹紡糸 の Y 社も CN に出た。 10:PLA。とうもろこし繊維がある。でもとうもろこし 100%では売れない。プラトーでこれをニット や織物にする。ジョルジュアルマーニが買っていく。それで気に入ればうちしか作っていないからうち でしか買えない。こういう作戦がシルクでも必要だ。 11:新しい繊維を開発する。それをどう染めるのか。そこである様式で染まった。ノウハウ出さなけ れば、マニュアルには書いていないにもかかわらず、たまにパリコレでみかけるという様相になる。そ こでパリコレにでていたらしい・・・となるのだ。 12:ここに金属繊維を発明したとする。Z 工業+ブランドである。この金属繊維を染めるプロジェク トができた。そこでどうするか。染色したければコモよりも JP においでという手がある。 13:あたらしい繊維を開発して、その繊維が世に出た。それをどう染めるか。そのほうが重要だ。場 合によっては、ここにブランドをつくる作戦の基礎があるかもしれない。 14:染色だけをいえば、コモよりも JP のほうが上だ。いまだにコモというのは、捺染業界がエルメス のブランドを高く評価するからだ。 15:A+B+C。この 3 つの会社のアライアンスをここ20年くらいとりくんでいる。パリの彼らのこだ わりはデザインにある。リヨンと長浜ならぜったいに長浜のほうが上である。ラグジュアリブランドは JP でも染めている。ただ口外しないだけだ。 16:本格的に洋装に取り組む意思があれば、シルクは織物の幅に関係はない。問題は量である。パリ コレで採用させたとしてもせいぜい 3000 着。この辺に問題がある。 17:Première Vision Paris は生地の新作展だが非公開。コネが必要だ。アポイントがないと入れな かった。競作と商談の場。確実に買うひとだけが入れる。50€ くらい払えばトレンドだけは見せてくれる。 東レは最近ブースをもちはじめた。 18:FR に縫製工場はもはやない。北アフリカのモロッコやチュニジアあたりだ。あるいは、FR からル ーマニア、IT からスロベニア。そこから中央アジア・東欧。最後の納品が FR。 19:パンストのあみはルーマニア。糸は JP。FR に原糸メーカーは少ない。IT にはある。 英国は高いが、それで haute couture かといいたくなる。 20:パリは繊維都市であろうか。取引所のある・・駅のとなりのサンティエは縫製街だが、半分以上 は CN 人の労働である。小さいのはあるが、本来の FR の縫製はどこにいったのか。
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