231-236 1995.3_音による診断,情報処理学会誌

「o1
ヽ
36
No 3
情
報
理
処
NIar 1995
│││││││││││││││││││││││││││││││││││││││││││││││││
解
音響 と情報
説
│││││││││││││││││││││││││││││││││││││││││││││││││
4.音
に よ る 機 械 診 断│
鈴
英
木
†
男†
徴 と診 断 の実例 を紹 介 す る。
1.は じ め に
診 断 とい う言葉 を辞 書 で 引 くと,「 医者 が患者
を診 察 して病状 を判 断 す る こ とJと あ る。 医者 の
診 断 には間診 や打診 が あ る。素人 で も,電 話 を通
した相 手 の声 の ぐあ いで ,風 邪 をひ いて い るか ど
2.振 動法 と音響 法
振 動 法 と音 響 法 は機器 の診 断 にお いて対比 され
るが ,現 場 で診 断 に用 い られ る方法 は振 動法 が 圧
倒 的 に多 いの。 その 最 大 の理 由 は一般 的 に振 動 法
うか の診 断程度 は可能 で あ る。世 の 中 に機械 な る
ものが生 まれ てか らは,機 械 の診 断 とい う新 しい
の ほ うが使 い や す い し,効 果 も大 き い こ とで あ
業務 が発生 した。 機械 は話 さな い ので 問診 とい う
分 か りに くい た めの不安 感 も音 響 法 を敬遠 す る一
わ けに はいか な いが ,機 械 の場 合 で も打診 や聴診
因 の よ うに思 われ る。 た だ し,音 響 法 には振 動法
にな い特徴 が あ るので , ここで はそれ に重 点 をお
器 に よる診 断 は結構 行 われ る。
ここで,診 断 (対 象 を機械 として)に 関連 す る
る。 それ と機械 系 の一 部 の人 に とって は音放射 が
いて説 明 す る。
diagnosisと な る。 これ と類 似 す る言 葉 が main_
図 -1は 振 動 法 と音 響 法 の違 い を説 明 した もの
で あ る。振 動法 で は,種 々 の加振 力 (不 つ りあ い
tenance(保 全 )で あ る。 plant maintenance(設
軸 受 異常 ,歯 車 の傷 ,ピ ス トンス ラ ップ な どの 異
備診 断 ,保 全 )は よ く使 われ る。診 断 と関連 して
常 要 因 )に よ り生 じる機械 系 の応 答振 動 をセ ンシ
monitoring(監 視 )と い う言 葉 もよ く使 わ れ る。
ング して診 断 を行 う。音 響 法 で は振 動 系 に さ らに
この場 合 は condition monitoring(状 態監視 )と
続 く場 合 が 多 い。 言葉 の 関係 か らい え ば一 般 に
音響 系 が加 わ り,結 果 として生 じる音圧 を測 定 し
監視 → 診 断 → 保 全 とい う順 序 にな る とい え よ う。
定 の箇 所 にお け る振 動 (変 位 ,速 度 ,ま た は加速
診 断技 術 の歴 史 か らい う と,1950年 代 か ら始 ま
度 )の 大 きさを直 接測 定 す るので ,そ の意 味 が 明
ら,現
確 に理解 で きる。 また,異 常要 因 に よ りど この部
在 は予知保 全 (predictive maintenance)の 時代 に
入 って い る.定 期 的 な (dme‐ based)オ ー バ ホー
位 の振動 が 大 き くな るか の判 断 が比 較 的容 易 にで
ル に よる故 障 の予 防 (preventiOn)と 上ヒ較 して,状
の もの を表 す ので はな く,音 放 射 とい う現 象 (音
態 の 監 視 (condition‐ based)に よ り故 障 が 予 想
(prediction)さ れ る ときにのみ,オ ー バ ホール な
響 系 )が 間 に介 在 す るので ,間 接 的 な測 定法 にな
用 語 に つ い て 見 直 して み る。診 断 は英 語 で は
,
,
った予 防保 全 (preventive maintenance)か
,
て診 断 を行 う。 この よ うに,振 動 法 で は機器 の特
きる。一 方 ,音 響 法 で用 い る音 圧 は機器 の振 動 そ
どの対 策 を実施 す るほ うが,経 済 的 に安上 が りと
る。 その分 ,セ ンシ ングの最適位 置 を決 め るのが
多 少 や っか い で あ る。 しか しなが ら,図 1で も
な り, トー タル の生産 効 率 も上 が る と考 え られ る
分 か る よ うにセ ンシ ング後 の処 理 は基 本 的 には同
か らで あ る
じで あ る。 これ は異 常 が 発 生 す る周波数 は振 動 で
1)。
機 械 の 診 断手 法 に は振 動 法 ,音 響 法 ,超 音 波
法 ,AE法
,物 理 化 学 分 析 法 その 他種 々 の方法 が
あ るが ,こ こで は特 に音 響 法 を取 り上 げて その特
I Fault Diagnosis From Machine Radiated Noise by Hideo
SUZUKI(Ontek R&D Co,Ltd)
††オ ンテ ック R&D株 式会社
も音 響 で も同 じ こ とに よ る。 FFTア ナ ラ イザ に
よるスペ ク トル 分析 ,エ ンベ ロー プ処理 な どの振
動 法 の手 法 は音 響 法 で も有効 で あ る。
ここで音響 法 の特徴 を振動 系 に対 す る長所 とし
て あ げて み る。
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ヽ
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Mar 1995
No 3
バ ン ドパ ス
スペクトル
分析
セ ンシ ング
センシング
図-2 診断によ く用 いられる信号処理
プ ロセス③ はバ ン ドパ スフ ィル タを通 してエ ン
ベ ロー プを求 めた後 ,あ る特定 の時 間帯域 の レベ
ルに注 目す る方法である。た とえばエ ンジンの異
常 の場 合 には 1サ イクル (720度 )の 回転 のある特
図-1 振動法 と音響法 の比較
(1)原 理的 に非接触
(リ
定 の時間帯域 に現象が発生する場合 が多 い。特定
の周波数 および時間帯域 の レベル と全体の平均 レ
ベ ル,ま たは同 じ特定帯域 の正常値 との相対比較
モー ト)セ ンシング
であ り,回 転体 や高速 で移動す る物体 ,高 温 の対
象物 な どセ ンサ を取 り付 けに くい ものの診断に有
効 である。逆 に コンベ アのように長 い対象物 を診
により正 常,異 常 の判定 が可能 になる。 プ ロセス
① ,② とプ ロセ ス③ の違 い は前者 は信号 の周波数
断す るときに,診 断装置 自身が移動 す る場 合 もあ
る。 また,生 産 ラインでの製品 の検査 の場 合,セ
ンサ を固定す ることが作業上困難 な場合 な どにも
分析 が基本 であるが,後 者 は信号 を周波数 と時間
の 2軸 か らなる平面上で分析す るい わ ゆる時間/
周波数 (″ )分 析 となることである。特定の狭い
周波数帯域を決めるには振動系の共振がどこにあ
るかの情報が不可欠である。
有効 である。
(2)1個
のセ ンサで一つの機器 の異 なる複数
の部分,ま た は複数 の機器 の監 視 が 可能 である。
ただ し,複 数 の機器 の異 なる現象 を同時 に分離す
4.診 断 の 実例
るには,高 度な信号処理 が必要 となる。
(3)感 性 に対応 した診断が可能 である。聴感
(1)エ
で異常 と判断 された現象 の大 きさと対比 して,音
圧 レベル を診断の基準値 とす る こともで きる。
ンジ ン異打音 の診 断 (音 響 法 )
エ ンジ ンの よ うな多 くの部 品 と複雑 な機構 を も
ち,し か も爆 発音 の よ うな そのつ ど変化 す る機械
系 の診 断 はや っか いで あ る。 η個 の気筒 を もつ エ
3.診 断 の信号処理
ンジ ンで は注 目す る気 筒 に関係 す る特 定 の現 象 は
図 -2は 振動法,音 響法 に共通 な信号処 理 の プ
ロセス を示 した ものである。プ ロセス① は信号 を
η κの割合 で しか 発生 しな い ので,エ ンベ ロー
プの周波数分析 を行 った として も,注 目す る気筒
その まま周波数分析 す る最 も一般 的 な方法で あ
の現象 の大 きさが 1れ に低下 して しまう。 このよ
うな場合 には特定 の時間帯 (ま たは回転 角度 )に
注 目 した分析法 (プ ロセス③ )が 有効 となる。
る。 これ に よ り,卓 越 した振動 が どこにあ るか
(異 常要因 の判定 ),そ の大 きさが正常限界値以下
図 -3に 測定系 のブ ロ ック図 を示 す。 この装置
の特徴 は帯域制限 (フ ィル タ リング),エ ンベロー
プ処理 ,時 間軸 上 の選 択 な どをす べ て DSP上 で
か どうかの判定 がで きる (正 常 か異常 か)。
プロセス② は信号 を帯域制限 した後 に包絡線 を
求め,そ れを周波教分析する方法である。現象が
高 い周波数領域 で存在 し,し か も低 い周波数 の周
期性 をもつ場合 に有効 である。 た とえば転 が り軸
受の診断 において外輪 に傷 がある場合 ,ボ ールが
振する。
当たる ごとに支持部 (ま たはケース)を 力日
支持部 の共振 は比 較的高 い周波数 にあるので,そ
れ を含むバ ン ドパ スフ ィル タを通す。 その後 エ ン
行 う ことで,ハ ー ド上の負担 を軽減す るとともに
多様 な要因に対応で きるようにして い ることであ
る。 また,指 向性 マ イクロホンを用 い る ことで気
筒 ごとの診断が可能 となってい る。音響法 を用 い
ている理 由 は,ラ イ ンで本方式 を使用する場合 に
は振動セ ンサ よ りも非接触のマ イクロホンのほう
が便利 であるか らである.こ の装置 では点火パル
スを用いてそれを時間軸 の基準 としているが,同
ベ ロー プを求 めその周波数分析 をす るとボールが
外輪 を叩 く周波数成分 が明確 に現れ る。
232
│
ヽZo1
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No 3
音 に よ る機 械 診 断
′
価目
指向 性)
マイクロホン
Ⅳ【
ar
アナログ出力
アナログ出力
プ リフィルタ
マイクア ンプ
1995
マイク系
VME
バス
(点 火信号検出器など)
タイ ミング検出器
ア ンプ
波形整形器
異常音検出装置
タイ ミング検出系
ホス ト・ コン ピュー タ
エンジン異打音の計演1・ 解析 システム
21国
□G00叱_鵬 曰選望妥≧
“
吼
図-5 機関室
ク リア ラ ン ス 大
に評価対象が大 きいシス テムの場合 には,エ ンジ
ンの個 々の故障要因 (た とえば弁隙間異常な ど)
0
180
360
回転 角度 (度
540
に関す る診断 と,突 発的 に発生 しその まま運転 を
継続す ると大 きな トラブルに至 るような異常診断
の二つのタイプが ある。 ここで は,後 者 の方法 に
720
)
図 -4 バ ル ブ ク リア ラ ンスの診 断結果
関す る研究 を紹介する。木村 らは船舶 のディーゼ
ルエ ンジンを用 いて,イ ンジケータバル ブを開 く
一気筒 の連続す る 4個 の点火パ ルス間隔 に 3次 曲
線 を用 いた補間法 を適用 し,注 目す る 1周 期 (0°
720°
ことによって発生す るガス噴射音 と,ボ ル ト類 の
緩みな どで往復運動す る物体が周囲の固定物 に当
)内 の回転変動 による回転角度推定 の誤差 を
補 正 す る機能 も備 えて い る。図 -4は バ ル ブク リ
アラ ンス を正常値 か ら増 した ときのタペ ッ ト音 の
大 きさを検出 した ものである。バ ン ドパ スフ ィル
能 か どうか を,図 -5に 示す船 舶 の機関室 内で実
験的 に検討 した。.打 撃音 は実際 に鉄板 を叩 い て
タは 4kHzを 中心 とす る 1/3オ クターブである。
異常 の度合 に対応 して注 目す る周 波数・ 時間領域
での成分 が大 き くなってい ることが分 かる。
発 生 させ て い る。20 kHzま で の周 波 数 帯 域 を
100 Hzご とにスペ ク トル分析す るが,さ らにそ
れ ら の ス ペ ク トル を 20個 束 ね て 最 終 的 に
周波数帯域 は正 常,異 常 の差 が最 も大 き く現れ
20 kHzを 10分 割 して い る。時 間軸 は, 1サ イ
たるな どして発生するであろう打撃音の検出が可
るように選ぶが,場 合 によってはそれで も安定 し
クル
た診断が困難 な場合 もある。 その ような ときには
二つ の異なる帯域 を選 び判定 を 2次 元平面で行 う
領域 に分 け,そ れ ぞれのセ クシ ョンについて正
ようにすることも可能 である。二つ の周 波数帯域
を 自動的 に決める方法 も提案 されているの。
常/異 常 の判定 を行 う。ただ し,爆 発音 は常時変
動 して い るので,セ ク シ ョンご との値 の平均値
ランク角度 で 720° )を 40分 割す る。 この
ようにして時間周波数平面 を計 400セ クションの
(2)デ ィーゼルエ ンジンの診断
(ク
(正 常値 )か らの差 が統計的 にみて異常 と判定 され
て も,必 ず しも異常 が あ るわ けで はな い。図 -6
船舶 用や発電 用 デ ィーゼル エ ンジ ンな どの よ う
233
Vo1 36
No 3
情
Mar 1995
処
0
10
(kHz)
20
0
10
(kHz)
20
5
(a)正 常運転時
X ”
韓 中 鼎 ﹄
螺 蜘
(kHz)
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● X
10
メ 瀬細潮菫燎菫
X
0
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: X
X
x
X XX
20
5
(b)打 撃音発生時
図
6
放射音 に対する異常判定結果
(計 測点② )
(a)は 正 常運転 条件 下 で 6サ イ クル にわ た って各
セ ク シ ョンご とに異常 と診 断 され た箇所 を ×印 で
表 した もので あ る。打 撃音 を加 えた ときの それ を
図 -6(b)に 示 す。 ×印 の数 が は るか に増 えて い
る こ とが 明瞭 で あ る。実 際 に は正 常 時 の ×印 に対
し, どの よ うな増加 を示 した ら異常 と判 定 す るか
の 問題 が あ るが ,そ れ について も検 討 して い る。
本研 究 は突 発 的 に発生 す る異常 を音 で判 定 す る
こ とを 目的 としてい るので,リ ア ル タイムで半」
定
を行 う必要 が あ る。 それ は今後 の課題 として残 さ
れ て い る。
(3)コ
ンベ アの診 断 (音 響 法 )
オ ー ス トラ リア には鉱石 の長距 離 コ ンベ ア に よ
る運 び だ し (数 十 キ ロ),列 車 に よ る長 距 離 運 搬
(数 千 キ ロ)が 珍 し くな い, とい う特 殊 事 情 が あ
る。 オ ー ス トラ リアのバ イパ ック社 で は この よ う
な場 合 に有効 な音響 法 に よる診 断技術 を一 部 実用
化 し,現 在 も開発 を進 めてい る。特 に走 行 中 の列
図-7 パ ラボラ とダイナ ミックマ イクロホンの組合 せ による収
音装置 (オ ース トラ リア バ イパ ック社製)
車 か らの音 を陸上の固定 マ イクロホンアレイで集
音 し,特 殊 な信号処理 によ り車輪の フラ ッ トと車
軸 の傷 の診断 を行 う装置 を開発中である。
ここで は コンベ アの ロー ラの診断 に関 して述 べ
F
I
日
日
日
日
F
I
I
ヽro1 36
No, 3
音 に よ る機 械 診 断
NIar 1995
I
0030
> ︶ヽ分く ヽ
︵
1000
時間 (msec)
(a)正
常品
咄 ︵
> ︶ヽヽクヽゝ
-0001
1000
時間 (msec)
(b)異 常品
図-8 自動車用回転部品の診断例
る。 コンベ アの診 断 で は ロー ラの診 断 が 最 も重 要
で あ る。長距 離 の コ ンベ アの場 合 は数 多 くの ロー
5.ま
ラが あ り,診 断装 置 自身 が 移 動 す る必 要 が あ る。
そのた め には音響 法 に よる非接触 方式 が 有効 で あ
る。図 -7は トラ ックの荷 台 に積 ん で 持 ち運 び可
能 に した パ ラ ボ ラ式 の 指 向性 マ イ ク ロ ホ ンで あ
と
め
振 動 と音響 法 に よる診 断 の例 を示 した 。診 断 と
い って も日常 的 に行 われ る一般 的 な回転 体 の診 断
と,大 きな構 造物 の振 動診 断 の場合 で はアプ ロー
チ の仕 方 がか な り異 な る。 特 に後者 の場 合 には間
るつ。信号処理はプロセス③である。この場合で
題 とな る現象 の振 動 モー ドを理 解 す る こ とが不 可
もバ ン ドパ スフ ィル タの周波数の決定 は,振 動系
と音響系 の特性 を調 べ暗騒音の影響 を最 も受 けに
欠 で あ り,こ の点 にモー ド解析 と診 断 との共通 点
くく,S/Ⅳ 比 の高 い帯域 を選ぶ必要がある。
情報 を最 も含 む観 測 点 と周 波数 の選 定 が重 要 とな
が存在 す る。 また,音 響 法 で は捕 まえた い現 象 の
(4)生 産 ラインでの検査
る。 ここで示 した例 で も分 か る よ うに,振 動 法 で
機械 の診断 とは多少異なるが,振 動や騒音が間
題 となる製品 の製造 ラインでは製品 の検査 を官能
も音響 法 で も対 象物 の振 動 お よび音放射現 象 を十
分理解 して い る こ とが重 要 で あ る。
検査 に頼 る場 合 が多 い。 しか しなが ら,工 場内の
うるさい環境で聴感 に頼 って製品 の検査 を行 う こ
参
考
文
献
1)メ
ンテナ ンス便 覧,日 本 プラン トメ ンテナ ン
ス協会編 (1992)。
2)設 備診断技術 に関す る調査 報告書,社 団法人
日本 プラン トメンテナンス協会 (1993年 7月 )。
3)今 井他 :異 な る周波数帯域成分 間 の定量 的計
測法,日 本音響学会誌,Vo1 49,No 6,pp.389
とは判定 の信頼性 が少 な く,き つい作業 であ り
慣れ た作業者 を育成す ることが 困難 であるとい う
,
問題 もある。 そこで,検 査 を自動化することが行
われ る。図 -8は 自動車 に使 われ る回転 部 品 が 発
生する音 を小型無響室内で記録 し,プ ロセス③ の
処理 を行 い良否判定 を行 っている一例 である。 エ
396(1993)。
4)木 村,水 谷 :異 常音検 査 による機 関室 内 のデ
ィーゼル機関 の監視 システム,船 用機関学会誌
ンベ ロー プ処理 をすることによ り,ク リック的 に
発生する異音 ,フ ロアノイズな どの良否 が明確 に
,
Vo1 25,No ll,pp 712-721(1990).
5) Vipac Engineering&Scientists Ltd:Acous‐
tic Wheel lmpact and Bearing Fault Detection
判定 で きる。官能検査 を自動判定化す る際の難 し
System,Report Doc.No VIPAC― AMS-2692-
さは,基 準 となるべ き主観的な判定 その もの もか
01(1993)
な り不安定 な ものであ り,整 合性 の確認 が容易 で
ない ことで ある。
(平 成
235
6年 9月 26日 受付
)
「o1
ヽ
36
No 3
処
情
鈴木
英男
1967年 三 菱 電 機 入 社 ,1979年
まで ス ピー カの研 究 開発 に従事
.
1972年 ∼ 1974年 お よ び 1979年
1鱗 │■ ■ ■
∼ 1981年 の 2回 ペ ン シル バ ニ ア
州立大学 に留学 ,音 響 工 学 を専攻。 1981年 よ り1985
年 まで アメ リカの CBS研 究所 に勤務 ,主 に ピア ノの
研究 を行 った。 1985年 か ら 1994年 3月 まで (株 )小 野
測器 に在籍 (現 在 は理 事 ),音 響計 測装置 の研 究開発
を担 当。 1992年 10月 か ら音響・ 振動 に関す る コンサ
ル テ ィ ング を主業務 とす るオ ンテ ック R&D(株 )の
経営 に携わ り現在 に至 る。
理
ⅣIar 1995