こころの豊かさを届ける ツーリズム・ビジネス

Japan Marketing Academy
取材レポート ─ マーケティング・エクセレンスを求めて 102
こころの豊かさを届ける
ツーリズム・ビジネス
─
クラブツーリズム株式会社 ─
早稲田大学 商学学術院 助手
早稲田大学 商学学術院 教授
大平 進
恩藏 直人
青森ねぶた祭りでは,クラブツーリズム株式会社が協賛するねぶたが出陣する
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い選択肢が準備されている。クラブツーリズム
1. はじめに
は,顧客が持つ興味や目的をもとにセグメン
テーションを行い,きめ細かいツアーの企画を
「らっせーら,らっせーら。
」
提案し,会報誌を通じてダイレクトに訴求する
太鼓や笛,鈴の音が織り成す迫力あるお囃子
ことでシニア世代から絶大な支持を得ている。
のなか,桟敷席で勇壮な青森ねぶたを楽しむ人
近年,旺盛な消費意欲を持つシニア世代が注
たちがいる。ロゴの入った特製うちわを手にし,
目され,大手旅行会社もシニア層をターゲット
まるでねぶたを皆が応援しているようである。
とするツアーを数多く提供している。また,シ
青森の夜を真っ赤に燃やす巨大なねぶたも,桟
ニア向けツアーを得意とするニッコウトラベル
敷席の間近にまで迫り,
勇壮な「面付け」や「引
やユーラシア旅行社,ゆこゆこなど,専門特化
き回し」を披露してその声援に応えている。
「す
型旅行会社と呼ばれる競合他社の勢いも増して
ごい迫力だね。やっぱり現場に来ないと駄目だ
いる。そのような状況にもかかわらずクラブ
ね。
」年配男性の興奮した声が客席から聞こえ
ツーリズムが強く支持されている裏には,他の
てくる。よく見ると,ねぶたの方にも特製うち
旅行会社が提供するサービスとは異なる,様々
わに描かれたものと同じ企業ロゴが描かれてい
な仕組みが隠されている。本稿では,クラブツー
る。これは,300 万人もの観光客が押し寄せる
リズムの成功を,顧客志向,社会的価値,異業
青森ねぶた祭りを存分に楽しむために,旅行会
種交流,顧客参画といった,ビジネスモデルを
社によって企画されたツアーの一場面である。
支える四つの仕組みを分析し,同社が提供する
このツアーを主催したのが,クラブツーリズム
「こころの豊かさ」の視点から読み解くことで
である。同社は,青森市民ねぶた実行委員会に
エクセレンスを探りたい。
協賛することで,このような迫力あるツアーを
Ⅱ. クラブツーリズムの沿革と概要
実現させた。
クラブツーリズムは,旅行に対してモチベー
ションが高くアクティブに活動するシニア世代
1.沿革
を対象に,顧客どうしの交流の場を作り出し,
クラブツーリズムの創業は,髙橋秀夫氏が
価値ある旅行経験を提供している。クラブツー
1980 年に近畿日本ツーリスト渋谷営業所を運
リズムの企画する旅行には,テーマや明確な目
営母体とし,旅のダイレクトマーケティング事
的が存在する。例えば,登山・ハイキング,音
業をスタートさせたことにはじまる。そして,
楽鑑賞,歴史,写真撮影,ダンス,祭り,バリ
1990 年代初頭より「テーマのある旅」という,
アフリー,社会科見学といった具合である。ま
一般的な観光商品とは異なる独自性の高い商品
た,それらのテーマはレベルやニーズによって,
づくりを行うようになる。共通の趣味や目的を
より細かく分かれてデザインされている。例え
持った顧客どうしの交流の場を「クラブ」と
ば,登山・ハイキングでは,健康のための軽い
表現し,仲間づくりや生涯学習に貢献していこ
ウォーキングから,本格的な登山体験まで幅広
うとする取り組みが強化された。1999 年には,
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2010 年までに 1000 のクラブに発展させようと
を示している。仕事を持たない男性に限ってみ
する「クラブ 1000 構想」が発表された(橋本 ,
ると,国内旅行回数は 2010 年の 2.5 回 / 年から
2009)
。
2012 年には 3.2 回 / 年へ,宿泊回数にいたって
2004 年には,クラブツーリズム事業は近畿
は同期間で 3.9 泊 / 年から 5.6 泊 / 年へと大幅な
日本ツーリストから別れ,新会社として発足し,
増加を示している(ゆこゆこ株式会社 , 2013)。
髙橋氏は自ら会長に就任した。最近では,
「ク
ターゲットの絞り込みと独特のビジネススタ
ラブ1000構想」
と
「テーマのある旅」
を一本化し,
イルが功を奏し,クラブツーリズムは着実に
趣味が深まり仲間づくりができる「テーマのあ
業績を伸ばしてきた。取扱額は 2013 年 3 月期
る旅」を幅広く提供してくことを目指して活動
で 1,495 億円となり,これは,2004 年度の取扱
している。こうした背景には,顧客のニーズが
額と比較して約 13%の増加である。市場全体
「どこに行くか」という「行き先志向型」より
が減少傾向にあるなかでの成長は注目に値する
も「どこで,誰と,何を,どのように楽しむか」
(図表− 1,2)。
という「目的志向型」に移行してきていること
なお,2013 年 1 月には,KNT-CT ホールディ
がある。
ングスのもと近畿日本ツーリストと経営統合し
旅行業界では,旅行代理店・ツアー会社の大
ている。
きな収入源は,法人旅行に代表される団体旅行
販売であると言われていた。クラブツーリズム
2.商品ブランド構成とビジネスモデル
は,その業界の常識を覆し,個人を対象に媒体
クラブツーリズムの取り扱う商品は,大きく
(情報誌や新聞広告など)で旅行を販売する,
海外旅行,国内旅行,バス旅行,そしてテーマ
というビジネススタイルを確立していった。そ
旅行である。取り扱い人員で見るとバス旅行
して,媒体効率を上げ,顧客の要望をより的確
が約 63%と最も多く,ついで国内旅行の 21%,
に吸い上げるための活動を推進していく中で,
テーマ旅行の 10%,海外旅行の 6%となってい
社員による添乗業務や,ターゲットとなる顧客
る(2011 年度実績)。一方,同時期の売上額では,
の囲い込み(コミュニティ化)などの方法論が
海外旅行が 38%,国内旅行が 29%,バス旅行
編み出されてきた。
が 26%,テーマ旅行が 7%で,旅行商品ブラン
クラブツーリズムの大きな特徴のひとつが,
ドの構成は図表− 3 に示すとおりである。
旅行に対する旺盛な消費意欲を持つシニア世代
クラブツーリズムのビジネスは,大きく「量
を顧客ターゲットにしている点である。中高年
販型」と「コミュニティ型」に分けることがで
層向け宿泊予約サービスを提供する株式会社ゆ
きる。量販型ビジネスとは,『旅の友』という
こゆこが,40 ~ 60 代の約 1,200 名の男女を対象
クラブツーリズムの全顧客(会員)向けの旅行
に行った調査によると,2012 年の国内旅行回数
総合情報誌や新聞,インターネットなどの媒体
は全体平均で 2.5 回 / 年となり 2010 年と比較し
に旅行商品を掲載し広く販売を仕掛けていく事
て 0.1 回 / 年の増加。総宿泊数については 4.0 泊
業である。一方,コミュニティ型ビジネスと
/ 年となり,2010 年と比較して 0.3 泊 / 年の増加
は,趣味や嗜好などのカテゴリーで同好の士が
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図表 —— 1 日本旅行業を取り巻く現状:旅行部門別の旅行業取扱額の推移(兆円)
出典:一般社団法人日本旅行業協会「旅行業界の現状と課題―旅行業の役割とJATAの取り組みに
ついて―」,2013 年 4 月 15 日発行 , p.10 をもとに作成
図表 ——2 クラブツーリズムの売上高推移(億円)
出典:観光庁「主要旅行業者取扱状況年度総計(速報)」,ク
ラブツーリズムホームページをもとに作成
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図表 ——3 クラブツーリズムの旅行商品ブランド構成
出典:クラブツーリズム株式会社提供資料より
集まったコミュニティに向けて旅行商品を提供
を持っている。同社が行った調査では,読者の
し,旅仲間のきずなを深めていくことが目的の
79.9%が住宅ローンを「完済」もしくは「利用
事業である。クラブツーリズムはこの二つのビ
していない」。そして,コア顧客がクラブツー
ジネスを巧みに使い分けている。そして,量販
リズムのツアーを購買する量は,同社の全体平
型ビジネスで新規顧客を獲得し,より深いサー
均よりも参加回数にして 2.4 倍,金額にして 2.2
ビスを提供するコミュニティ型事業に顧客を迎
倍の大きさがある。さらに,「『良い』と思った
え入れるという仕組みが成立している。このビ
商品やサービスを何人にすすめますか」という
ジネスモデルの原点ともいえるのが,会員制の
問いに対して,一般の人が平均 2.9 人と回答し
導入である。
ているのに対し,コア顧客は平均 9.2 人にも及
現在,クラブツーリズムの会員数は大都市圏
ぶ。
を中心に 300 万世帯にのぼり,その約 7 割は 50
すなわち,クラブツーリズムは単なる観光旅
歳以上のシニア世代が占めている。クラブツー
行の手配業という枠を超えて,顧客どうしの交
リズムはさらに,300 万世帯のなかでもとりわ
流の場であるクラブを作り出し,親睦を深める
け消費意欲の強い 50 万人に対して,会報誌『ク
ためのコミュニティサービスを,会員のクチコ
ラブツーリズムスタイル』を用いた重点的なプ
ミとネットワーキングを巧みに利用して提供す
ロモーション活動を行っている。これら 50 万
る企業といえる。
人のコア顧客は,幅広いことに興味を持ち,余
暇や旅行にお金を使う余裕がある。そして,良
いと思ったことは他人にすすめる,という特徴
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て,苦情へと発展する前に対応するため,顧客
Ⅲ. 徹底した顧客志向
の満足度向上につながっているのである。また,
クラブツーリズムは,
「旅を通じて,お客様
アー全体の企画品質の改善にもつながる。例え
に『価値ある経験』をして頂き,心豊かに人生
ば,ハイキングツアーでは,ハイキングの距離
を楽しむ喜びを提供する」ことを目指している。
やルート,歩くペースが適切かどうかを顧客の
そして,顧客が望む以上の経験価値を創り出す
顔を見て判断し,次のツアーでそれが調整され
ためには,
「徹底的にお客様と向き合うこと」
る。また,お花見のツアーでは,渋滞を回避す
が大切であるとしている。その一つのあらわれ
る抜け道やお花見の穴場スポットが見つかるこ
が,クラブツーリズム社員による添乗業務であ
ともあり,次の年からそれが正規のルートに
る。
なったりする。
一般的に添乗員は,旅行会社の社員が業務の
顧客と日々接するということは,顧客の新た
合間に務める「社員添乗」と添乗員派遣会社か
なニーズを汲み取る効果も生んでいる。一つひ
ら派遣された専門添乗員が務める「専門添乗」
とつの顧客の声は断片的であっても,そこから
の 2 種類に大きく分類される。かつては,社員
傾向をつかみ,新しいニーズの把握へと発展さ
添乗がほとんどであったが,添乗業務にある程
せるのである。ダンス,サイクリング,スキー
度の専門性が要求されること,添乗員を求める
などの新しいツアー・カテゴリーは,こうした
需要が季節によって差が激しいことから,旅行
手法で生まれた。また,社員による添乗業務は,
会社は固定的に添乗員として社員を確保するこ
社員の問題意識を高めるという副次的な効果も
とを嫌い,派遣添乗員の比率を急激に増やし
生んでいる。顧客の立場になって考えることが
た(橋本 , 2009)
。派遣添乗員の急速な増加に
習慣となり,顧客の発する声からまだ顕在化さ
より新たな課題も浮き彫りとなってきた。最
れていないニーズを発見できるようになるので
大の問題点は,旅行会社の社員が旅行を経験し
ある。顧客と接する状況であれば,どこにでも
なくなったことである。それにより,パッケー
ニーズ発見の機会は存在する。
ジツアーの質が低下したり,顧客との旅行相談
例えば,クラブツーリズムが運営する文化講
に十分対応できなくなったりしている(橋本 ,
座でのことである。ある社員は,講座参加者と
2009)
。
の何気ない会話の中から企画のアイデアを思い
クラブツーリズムの社員は,入社後数年間,
ついた。それは,次のようなプロセスによる。
添乗業務が義務付けられている。それは,多い
たまたま旅行の話題となった時に,一人だけ会
ときに年間60日にものぼる。顧客の立場になっ
話に消極的な受講者がいた。詳しく聞いてみる
て旅行を経験し,時に寝食を共にすることで,
と「家族の介護で遠出できない」という悩みを
必然的に顧客との距離は縮まる。熟練した社員
抱えていることが分かった。そこで当該社員は,
は,顧客が発する小さなサインにも気づくよう
添乗業務で得られた経験と知識は,結果的にツ
「このような悩みを持つお客様に,旅行の楽し
になる。旅行中に生じる様々なトラブルに対し
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さを味わってもらうにはどうすればよいのか」
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と考えた。それが発端となり,都内に現地集合
ひとつの手段として映る。現在,クラブツーリ
し,日帰りで旅行気分を味わえるツアーが企画
ズムは,環境保全活動,ユニーバーサルツーリ
された。
ズム推進活動 ,災害復興支援活動を三本の柱
この企画は神楽坂(東京都新宿区)の歴史
とした社会貢献活動を行っており,それに付随
を学ぶ 3 時間程度のツアーとして現実のものと
して様々な旅行商品が開発されている。旅行を
なった。最初は半信半疑で始めたツアーも,予
通じて社会貢献活動をすることで「文化に親し
想に反して大反響となり,次の新しい企画を求
む」「自然を愛する」「仲間と楽しむ」ことが可
める声が上がった。現地集合型の都市ツアーは,
能となり,より有意義な経験価値を生み出すと
今ではシリーズ化され,本郷,等々力渓谷,両
考えられている。以下に 3 つの例を挙げる。
国,広尾・麻布十番といった都内観光スポット
に,年間のべ 10,000 人が参加するヒット商品に
1.「日本最後の清流 四万十川 3 日間」ツアー
発展している。
クラブツーリズムは,環境問題の重要性を認
識し環境宣言を 2007 年に行った。そして,
「~
1)
Ⅳ. 社会的価値の提供
旅と自然は,もっと仲良くなれる~ まもろう,
クラブツーリズムは,
「旅を通して『出会い』
をスローガンに,環境にやさしく,快適で健康
『感動』
『学び』
『健康』
『やすらぎ』の種をまき,
が増進される観光地づくりを目指して活動して
はつらつたるよろこびに満ちた社会を花開かせ
きた。その取り組みの一つとして,高知県およ
ていく」ことをミッションとして掲げている。
び高知県津野町と「協働の森づくり事業」の協
そして,旅の持つ無限の可能性を引き出す上で
定を 2012 年 3 月に締結している。「日本最後の
重要となるのは「こころの豊かさ」の追求にあ
清流 四万十川 3 日間」ツアーは,同事業から生
るとし,ミッション・ステートメントの序文の
まれた。全長 196 ㎞に及ぶ四万十川の河口域
中で,以下の問いかけを行っている。
から源流域までを巡り,雄大にして美しい景観,
鮎やうなぎといった清流が育んだ四万十川の
「精神の時代を迎えた 21 世紀,クラブツーリ
幸を堪能するだけでなく,「クラブツーリズム
ズムは,
『文化』
『自然』
『仲間』の取り組みを通し,
四万十源流の森」の見学や間伐材の加工体験な
一人ひとりにこころの豊かさについて問いかけ
ども盛り込んだものとなっている。体力が要求
ます」
されるため間伐材の加工体験などはオプション
であるが,問題意識の高い顧客がこのツアーを
元来,旅行とは「贅沢なもの」であり,環境
選択している。
保全や福祉といった社会貢献活動とは縁遠い存
在である。しかしながら,クラブツーリズムが
2.バリアフリーの旅「ドリームフェスティバ
つくろう,伝えよう。にっぽんの美しい風景 」
ル」
掲げるミッションのフィルターを通して見れ
二本目の柱であるユニバーサルツーリズム推
ば,社会貢献活動はこころを豊かにするための
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進活動から派生した旅行商品の具体例として
3.東北復興支援ツアー各種
は,バリアフリーの旅「ドリームフェスティバ
クラブツーリズムは,東日本大震災に対して,
ル」シリーズが挙げられる。諏訪中央病院の名
「こころを旅でとどけよう」というメッセージ
誉院長である鎌田實氏による著書『旅,あき
を掲げ,東北方面への旅やイベントを多く実施
らめない 高齢でも,障がいがあっても』
(講
している。代表的なものをいくつか紹介したい。
談社)が企画のコンセプトとなっており,障が
まず,2011 年 9 月から 2012 年 1 月までの期間
いがある方でも,病気を持っている方でも,車
に実施された「鉄道旅情東北 『絆』でつなぐ
椅子や杖を使っている方でも,誰もが参加でき
三陸路 2 日間」の旅がある。手旗信号で運転を
るツアーとしてデザインされている。バリアフ
再開した「三陸鉄道」への乗車や,津波語り部
リーツアーに精通した添乗員やサポーターが同
ガイドとの被災地視察など,復興し始めた三陸
行し,入浴介助などのサポートを行う。大型リ
の「今」を体感できるツアーとして企画され
フトバスで移動するため車椅子による参加でも
た。このツアーは,2011 年 8 月上旬に企画担当
問題は無い。また,部屋も洋室を確保するなど,
者が三陸地方へ視察に訪れた際に,観光客が皆
15 年以上に渡るバリアフリーツアーの経験が
無だった状況にショックを受けたことがきっか
随所に活かされている。ドリームフェスティバ
けとなった。開始後 3 ヵ月間で 2,000 名以上の
ルには,鎌田氏が同行することが慣例となって
送客を実現し,東北支援に結びついていること
おり,先生との会話を楽しむためにリピート参
が評価され,「鉄旅 OF THE YEAR」(主催:
加する顧客も多い。
鉄旅オブザイヤー実行委員会)の「東北応援賞」
また,このツアーは単なるバリアフリーの旅
を受賞するに至った。
行で終わらない。人生最高の日とする仕掛けも
続いての例は「ふくしま“絆”フェスティ
用意されている。例えば「ドリームフェスティ
バル in スパリゾートハワイアンズ」である。
バル in ハワイ」では,希望者は,ダイヤモン
2012 年 4 月,全面再開して間もないスパリゾー
ドヘッドを望むアラモアナ・ビーチで,リニュー
トハワイアンズを使ったツアーを催行した。当
アル・バウ(renewal vow)という儀式を行う
時は,原発の影響や震災被害の状況から送客が
ことが可能である。リニューアル・バウとは長
厳しいとされたが,地元のパートナー企業の協
年連れ添った夫婦が人生の節目に,改めて二人
力もあり,2 日間で 5,860 名もの集客につながっ
の絆を確かめ合う儀式のことをいう。旅行をす
た。
ることすら難しいと感じていた夫婦が,トロピ
最後の例は「林家たい平氏と行く 石巻応援
カルな雰囲気につつまれて仲間から祝福されれ
ツアー」である。宮城県石巻市に縁のある落語
ば,まさに夢のようなひと時を過ごすことにな
家・林家たい平氏の企画により,2011 年 9 月か
る。また,感動的なシーンを前にして,祝福す
らはじまったこのツアーも7回目を数える。
「ボ
る側の仲間の中にも,いつかこの場でリニュー
ランティアだけが支援の方法ではない。地元の
アル・バウを行いたいと誓う夫婦も多いという。
人たちが本来の経済活動を取り戻すお手伝いを
したい。」という想いから,被災地を見るだけ
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でなく,地元の商店街や道の駅で買い物をする
当然町は観光客で混み合い,本来は優美で静か
ことをツアーの大きな目的としている。また,
な踊りも,混雑の中での鑑賞となる。高齢の方
宿泊先のホテルでは,たい平氏の落語でこころ
ともなると,人ごみの中を移動するだけでも一
もあたためる,そんなツアーとなっている。
苦労である。お祭りに行くことを躊躇する原因
ともなる。そこでクラブツーリズムは,この問
Ⅴ. 異業種との交流
題を解決するために,実際の踊り手と町内を貸
クラブツーリズムは,観光施設,宿泊施設,
ことができるイベント「月見のおわら」ツアー
交通機関,土産物屋や飲食店など,観光地で顧
を企画した。
客に満足を与えるために必要不可欠な関係各所
クラブツーリズムによる完全なオリジナル企
のことをパートナーズと呼んでいる。そして,
画であるため,顧客を楽しませるための,本祭
パートナーズとの連携こそが事業の生命線であ
とは異なる様々な工夫がなされている。例えば,
ると考えている。未知の観光資源を発掘し,観
本祭では地元の方々は自分の町内でしか踊らな
光地そのものの価値を高め,顧客に経験価値を
いが,ツアーでは踊り手が自分の町以外の町で,
届けるのは,クラブツーリズムの社員だけでは
流し踊りや輪踊りを演じる。また,本祭の町流
実現できないという前提に立っているためであ
しは自然発生のため確実に見られる場所と時間
る。クラブツーリズムの利益や顧客の満足だけ
は分からない。一方,ツアーでは踊り子が演じ
を追求するのではなく,パートナーズと共創し
る場所と時間が決められており,配布されるス
て,地元観光地の活性化,経済効果までを視野
ケジュール表に記載されているため,確実に見
に,WIN-WIN のビジネス関係を構築していく。
学できるように配慮がなされている。さらに,
ここで,異業種とのコラボレーションについて
本祭は雨天の場合中止となるが,ツアーでは特
3 つの例を挙げる。
別のステージで雨天でも見学ができる。このツ
アーは評判となり,2013 年 7 月時点で 16 回目
1.「月見のおわら」ツアー
を数え,毎回,約 8,000 名の顧客が参加している。
富山県と岐阜県の県境に位置する八尾(やつ
この企画は,八尾町にとってもメリットが
お)という人口約 2 万人の小さな町で,毎年 9
ある。約 20 万もの人が訪れる「おわら風の盆」
月 1 日から 9 月 3 日の 3 日間「おわら風の盆」と
であるが,観光資源という視点で見ると一過性
いうお祭りが開催される。旧町と呼ばれる「東
のイベントに過ぎない。ひとたびお祭りが終
新町,西新町,諏訪町,上新町,鏡町,東町,
わってしまえば,またいつもの町に戻ってしま
西町,今町,下新町,天満町」と「福島」を合
うため,安定的に人を呼び込むための仕掛けが
わせた合計 11 の町で行われ,町流しと呼ばれ
町には必要となる。クラブツーリズムによる「月
る盆踊りがこれらの町で自然発生的に披露され
見のおわら」ツアーは,イベント以外の時期に
る。お祭り期間中はこの伝統的な民謡行事をひ
も人を呼び込みたいという町の要望も同時に満
と目見ようと,約 20 万人もの観光客が訪れる。
たすイベントなのである。
し切り,優美な踊りを少人数でじっくり楽しむ
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2.異業種法人との連携による商品販促
スストアの間で WIN-WIN-WIN の関係が生ま
クラブツーリズムの異業種法人との連携は,
れるのである。
観光地と直接関係する企業や団体との間だけで
クラブツーリズムには,販促物を配布する際
おこなわれるのではない。クラブツーリズムが
の,守るべきルールが二つ存在する。一つは,
得意とするシニア世代に向けて,企業の情報を
配布物を添乗員が手渡しで一人ひとりに配ると
発信したり,直接プロモーションを行ったりし
いうこと。もう一つは,添乗員が必ず配布する
たいと願う企業も含まれる。
商品の説明を添えるということである。そのた
クラブツーリズムのバス・ツアーでは,ツ
め,渡す商品の特性によって配るタイミングと
アー中に企業による販促物が配布されることが
場所が自然と配慮される。例えば,ビールを配
ある。無料で配布される商品は顧客にとっては
るのはツアーも終盤に差し掛かった帰りの移動
思いがけないプレゼント(お土産)となり,企
中である。お疲れ様の乾杯とともに,楽しい思
業にとってはターゲット顧客にアクセスできる
い出の一部として顧客は販促物を賞味すること
絶好の機会となる。クラブツーリズムのツアー
ができる。また,女性向け尿モレケア商品など
で配布される商品サンプルは単なる旅のおまけ
のデリケートな商品の配布は,高速道路のサー
ではない。ここでポイントとなるのが異業種法
ビスエリアでのトイレ休憩の時間などを利用し
人との「共創」である。
て行われる。タイミングを見計らい,「安心し
例えば,あるツアーでは,ビール会社から提
て旅行するためのお守りですよ」という説明と
供された缶ビールがサンプル商品として配られ
ともに渡されるのである。
た。そして,商品とは別に特定のコンビニエ
ンスストアでのみ引き換え可能なビール 6 缶の
3.大人の社会科見学ツアー
クーポン券も渡された。ビール会社にとっての
「大人の社会科見学ツアー」は,大人だから
メリットは,ターゲットとするシニア世代に自
こそ知りたい「社会の仕組み」を知るため,食
社商品を認知してもらうだけではない。添えら
品工場や製造工場など企業や団体の施設を巡る
れたクーポン券がコンビニエンスストアで交換
ツアーである。過去には,自衛隊基地,国会議
されることで商品が消費され,クーポンを配布
事堂,独立行政法人造幣局,東京証券取引所,
する時期を調整すれば,ビール生産工場の稼働
JAXA 筑波宇宙センターなど,個人では見学が
率を一定に保つ効果を持つ。一方,コンビニエ
難しいユニークな施設がツアーの対象となっ
ンスストアにもメリットがある。昨今,コンビ
た。大人の知的好奇心をくすぐる同ツアーは,
ニエンスストアでは,シニア世代をターゲット
添乗員のサポートのもと,現地の担当者の説明
とするお惣菜などの商品開発が進んでいる。旅
を交え「学べる旅」となっている。男性 1 名に
行帰りにコンビニエンスストアに立ち寄っても
よる参加者が多いのもこのツアーの特徴である
らうことが出来れば,ビール券引き換え以外の
という。
「ついで買い」を誘う効果がある。こうして,
見学に協力する企業や団体側からすると,同
クラブツーリズム,ビール会社,コンビニエン
ツアーは有効な IR 活動の一環として考えられ
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ている。シニア世代は潜在的な投資家であるた
いったことも可能となる。
め,企業や団体の活動内容を理解をしてもらう
前述した消費意欲の強いコア顧客 50 万人に
ことは,重要な広報活動として価値のあるもの
対しては,『旅の友』とは別の会報誌『クラブ
となる。
ツーリズムスタイル』が配布される。『旅の友』
とともに同封され,エコースタッフの手によっ
Ⅵ . 顧客の参画
て届けられる。クラブツーリズムは,過去の購
クラブツーリズムの事業は,シニア層,特に
もっているかを分析し,その結果をもとにセグ
アクティブシニアと呼ばれる年代の方々をター
メンテーションをおこなっている。そして,
『ク
ゲットにビジネス展開を行っている。そうした
ラブツーリズムスタイル』のコンテンツも,セ
シニア層の中には,
「まだまだ社会的に貢献し
グメント別に異なるものが用意され,適切な顧
たい」
,
「自らの力を仲間や社会のために使いた
客へと届けられる。受け取った側はまるで友人
い」と思う方が多い。そこで,同社のミッショ
からクチコミを聞いているような錯覚におちい
ンや活動に共感し意義を感じた顧客に,クラブ
り,気が付いたら毎回届けられる会報誌を楽し
ツーリズムの運営に参画してもらう仕組みが用
みに待っている,といった状態になる。同社が
意されている。その代表的なものが「エコース
行った調査では,会報誌の開封率は 75%を超
タッフ」制度と「フェローフレンドリースタッ
えることもあるという。このようなきめの細か
フ」制度である。
く,確実な情報伝達を可能としているのが,エ
コースタッフによる配送システムなのである。
1.エコースタッフ制度
また,クラブツーリズムはエコースタッフど
エコースタッフとは,クラブツーリズムの会
うしの関係性を深めるためのイベントやツアー
報誌『旅の友』の配送を行うスタッフのことを
も用意している。エコースタッフの努力によっ
いう。1993 年に 54 名でスタートしたこの独自
てクラブツーリズムが共に成長しているという
の配送システムは,
「エコーさん」という愛称
雰囲気が,そこには存在している。
で親しまれ,地域における仲間作りのリーダー
役,クラブツーリズムと会員(顧客)をつなぐ
2.フェローフレンドリースタッフ制度
役割を担っている。現在,全国で約 8,000 名の
フェローフレンドリースタッフとは,全国
スタッフが活躍している。顧客が在宅していれ
300 万世帯の『旅の友』会員の中から,「私も
ば,会報誌を手渡しすることもある。エコース
添乗してみたい」という顧客を募り,余暇を利
タッフと顧客との間でコミュニケーションがと
用して添乗業務をしてもらう,クラブツーリ
られるため,例えば,ご主人が病気療養中と分
ズム専属の添乗員(ツアーディレクター)の
かると,家族向けツアーの案内を止め,一人旅
ことをいう。フェローフレンドリースタッフに
をすすめる冊子へ変更する。そして,体調が回
なるには,説明会への出席,及び同社が主催す
復したら再び家族向けツアーをすすめる,と
る二日間の研修を経て,旅程管理資格を取得す
買履歴から顧客が現在どういったことに興味を
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JAPAN MARKETING JOURNAL Vol.33 No.2(2013)
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取材レポート ─ マーケティング・エクセレンスを求めて 102
る必要がある。また,フェローフレンドリース
出し,親睦を深めるためのコミュニティサービ
タッフが顧客どうしの仲間づくりをよりスムー
スを提供する仕組みを作り上げた。そして,ミッ
ズに進めていくために,顧客と共有できる話題
ションや活動に意義を感じた顧客が運営へ参画
や価値観を持っていることが重要なポイントと
することを通じて,顧客にクラブツーリズムと
なる。余暇の時間を利用し,社会とのつながり
いうブランドの代弁者としての役割を与えてい
を実感できるばかりでなく,条件さえ揃えば趣
る。さらに,異業種との間に共創関係を築き上
味を生かしたツアーに添乗することもできると
げ,地元観光地の活性化,経済効果までを視野
あって,現在フェローフレンドリースタッフの
に入れ,相互発展的な関係性を構築している。
数は,全国各地で約 700 名にものぼっている。
クラブツーリズムは,こうした仕組みや制度
同世代のスタッフが対応することは顧客に
を活用して,旅行を通じて,顧客のみならず,
とっても利点がある。同じ価値観を共有するス
関係機関も含めた人々のこころの豊かさを実現
タッフの心遣いによって,親近感や安心感が生
しようとしているのである。共創と社会的価値
まれる。例えば,
「こまめに声をかけてくれたり,
を上手く取り入れているという点で,クラブ
歩くスピードにも配慮があったので,精神的に
ツーリズムの事例はコトラーのいうマーケティ
ゆとりを持って旅を楽しめた」といった声もあ
ング 3.0 を実践する好事例といえよう。
がっている。
クラブツーリズムの成功の大きな要因のひ
語学の堪能な会員が海外からの旅行者の案内
とつは 300 万人もの会員を有する顧客コミュニ
役を務めたり,会報誌で旅行体験を報告したり,
ティの存在である。さらに,顧客の参画や異業
読者モデルとして異業種法人の商品やサービス
種との共創という組織体を形成することで,事
を報告するなど,顧客参画の仕組みは上述の制
業運営が支えられていることも特筆すべき点で
度以外にも多数用意されている。
ある。これは,長年に渡って築き上げられたも
ので,他の旅行会社が容易に真似することが出
Ⅶ . 結びにかえて
来ない決定的な差別化要因となっている。しか
Kotler, Kartajaya and Setiawan(2010)
は
『コ
同時に背負っている。会員制はリピート購買が
トラーのマーケティング3.0 ソーシャル・メディ
前提となるため,顧客を飽きさせないための新
ア時代の新法則』のなかで,今日の消費者は製
しいアイデアを常に生み出し続けなければなら
品やサービスから機能的,感情的充足だけでは
ない。顧客の発する声からまだ顕在化されてい
なく,精神の充足を求めており,より大きなミッ
ないニーズを掘り起こし,常に顧客より一歩先
ションやビジョンや価値を持ち,社会の問題に
を行く提案が求められている。
対するソリューションを提供しようとする企業
を探している,と述べている。クラブツーリズ
しながら,会員制を採用するからこその宿命を
ムは,単なる観光旅行の手配業という枠を超え
て,顧客どうしの交流の場であるクラブを作り
マーケティングジャーナル Vol.33 No.2(2013)
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Japan Marketing Academy
こころの豊かさを届けるツーリズム・ビジネス
謝辞
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橋本亮一(2009),
『最新《業界の常識》よくわかる旅行
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本稿の作成にあたっては,クラブツーリズム
株式会社テーマ旅行部・セールスプロモーショ
ンチームのアシスタントマネージャーである大
居純人氏に多大なるご協力を頂いた。ここに記
して,心より感謝申し上げたい。
注
1)観光庁観光産業課によると,ユニバーサルツーリズ
ムとは(厳密な定義があるわけではないが),「すべ
ての人が楽しめるよう創られた旅行であり,高齢者
や障がい者等すべての人が制約を感じずに気兼ねな
く参加できる旅行」のことを言う。
参考文献
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直人監訳,藤井清美訳,朝日新聞出版,2010 年).
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ム株式会社プレスリリース)』,2012 年 8 月 14 日発
行.
────(2012c),
「視点を変えれば,新しい魅力が見
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参考サイト
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http://www.yatsuo.net/kazenobon/index.html
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http://recruiting-info.jp/club-t/
────「青森ねぶた祭ツアー・旅行」
http://www.club-t.com/special/japan/nebuta/
────「企業グループ情報」
http://www.club-tourism.co.jp/about/index.htm
────「クラブツーリズムオリジナルイベント『月見
のおわら』」
http://www.club-t.com/special/japan/owara/
────「旅をあきらめない!夢をあきらめない!バリ
アフリーの旅 杖や車いすで旅を楽しむ」
http://www.club-t.com/theme/barrierfree/dreamfestival.htm
読売新聞社(2012),
「70 歳のマーケティング:顧客参画
型の「旅」企画でシニアの細かなニーズをつかむ」,
『読売 AD リポート OJO[ オッホ ]』,2012 年 8 月・9
月号 .
http://adv.yomiuri.co.jp/ojo/tokusyu/20120806/
201208toku5.html
JAPAN MARKETING JOURNAL Vol.33 No.2(2013)
http://www.j-mac.or.jp
Japan Marketing Academy
取材レポート ─ マーケティング・エクセレンスを求めて 102
大平 進(おおひら すすむ)
早稲田大学人間科学部卒業。ペンシルベニア大学大
学院(米国)環境学修士課程修了。ワブコジャパン
株式会社勤務中に早稲田大学大学院商学研究科修士
課程(MBA) を修了し,同研究科博士後期課程に在
学中(マーケティング戦略専攻)。現在,同大学商学
学術院助手。
恩藏 直人(おんぞう なおと)
早稲田大学商学部卒業。同大学大学院商学研究科を
経て,現在,早稲田大学商学学術院教授。専攻はマー
ケティング戦略。
マーケティングジャーナル Vol.33 No.2(2013)
http://www.j-mac.or.jp
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