第151号 2013.1 市民総合医療センター 薬剤部 医薬品情報(DI)室 Tel. 253-5340(内 2413) Fax. 253-5343(内 1902) <トピックス>・新採用医薬品情報(7品目) ・新採用後発医薬品情報(4品目) 新採用薬情報 以下の医薬品は、11/26 の薬事委員会、12/7 の臨床部長会で承認されました。 薬価 医薬品名・規格 薬効など 備考 1 イムノブラダー 膀注用 80mg 膀胱癌治療薬 18,089 円 2 オーキシス 9μ g タービュヘイラー 28 吸入 COPD 治療薬 1,660 円 3 塩酸メピバカイン注 シリンジ 1%「NP」 局所麻酔薬 213 円 4 キュビシン静注用 350mg 抗菌薬 13,154 円 5 コソプト配合点眼液 緑内障治療薬 668 円 6 20%マンニットール 注射液「YD」/300mL 浸透圧利尿薬 414 円 7 ボナロン点滴静注用 バッグ 900μ g 骨粗鬆症治療薬 4,498 円 市大センター病院 膀胱癌に適応を有する乾燥 BCG 製剤。 同一の適応を有している既採用のイムシ スト膀注用が一時供給停止のため採用。 (代替削除)イムシスト膀注用 81mg COPD に適応を有する長時間作用型β 2 刺激薬の吸入剤。速効性であり、咳嗽の 副作用が少ない。 (代替削除)メプチンミニ錠 25μ g メピバカイン(先発品名:カルボカイン) のプレフィルド製剤。他のシリンジ製剤と 外観が似ていることから、麻酔科外来限 定の条件付き採用。 (代替削除)カルボカインアンプル注 1% /5mL MRSA に適応をもつ環状リポペプチド系 抗生物質。新規作用機序を有し TDM が不 要。腎機能障害時にも使用でき、米国感 染症学会の MRSA 感染症に関するガイド ラインにおいて、菌血症、感染性心内膜 炎、複雑性皮膚・軟部組織感染症でエビ デンス A-Ⅰとされている。 (代替削除)オラペネム小児用細粒 10% 緑内障、高眼圧症に適応を有するドル ゾラミドとチモロールの配合剤。配合剤点 眼液のため、点眼液の種類や点眼回数を 減らすことができる。 (代替削除)トルソプト点眼液 1% 脳圧効果、浸透圧利尿剤。既採用のマ ンニゲン注 20%/200mL が製造中止のた め採用。 ( 代替削除) 20 %マンニ ットール注射液 「 YD 」 500mL 、 マ ン ニ ゲ ン 注 射 液 20 % 200mL 骨粗鬆症治療薬の点滴静注用製剤。 経口投与製剤は服薬方法が複雑だが、本 剤は静注用製剤のため、効果が確実で内 服が困難な患者等にも使用できる。 (代替削除)ソランタール錠 100mg 薬剤部医薬品情報室(内線 2413) 薬報 H25.1 1 <その他>前回の薬事委員会で代替削除が検討されていた医薬品について 前回承認となった医薬品 代替削除となった薬剤医薬品 ミラペックス LA 錠 1.5mg リオレサール錠 10mg *代替削除品目は、原則、院内の在庫がなくなるまでは院内オーダーできます。なお、院外処方は引き続き 処方可能です。 後発品採用情報 ・以下の薬剤は、後発品への切り替えが承認されました。 従来の医薬品 採用になる後発医薬品 1 アイピーディカプセル 100 <大鵬薬品> スプラタストトシル酸塩カプセル 100mg「サワイ」 <沢井> 2 サンリズムカプセル 50mg <第一三共> ピルシカイニド塩酸塩カプセル 50mg「サワイ」 <沢井> 3 サンリズム注射液 50 <第一三共> ピルシカイニド塩酸塩静注 50mg「YD」 <ニプロファーマ> 4 ブレディニン錠 50mg <旭化成ファーマ> ミゾリビン錠 50mg「サワイ」 <沢井> *H24 年 12 月下旬から順次切り替えとなります Drug Safety Update (DSU) <医薬品安全対策情報>No.215 2012.12 より 禁忌・相互作用情報 *一部抜粋ですので詳細は、http://www.info.pmda.go.jp/dsu/dsu_index.html を確認して下さい DSU は、日本製薬団体連合会が厚生労働省監修のもと、添付文書の改訂内容をお知らせしているも のです。以下、採用医薬品について改訂内容の一部を記載しています。 <併用注意> 薬剤名 相互作用をおこす薬剤 ボトックス注用 (A 型ボツリヌス毒素) 他のボツリヌス製剤 (ナーブロック等) マキュエイド硝子体内注用 (トリアムシノロンアセトニド) 経口糖尿病用剤(ジメリン等) インスリン製剤 ネオフィリン(アミノフィリン水和物) テオフィリン製剤 エクジェイド (デフェラシロクス) サムスカ(トルバプタン) テラビック(テラプレビル) ジゴシン、ラニラピッド等 (ジゴキシン、メチルジゴキシン) ジスロマック(アジスロマイシン) セイブル(ミグリトール) タシグナ (ニロチニブ塩酸塩水和物) 市大センター病院 ファモチジン 制酸剤 臨床症状・機序・危険因子等 共に筋弛緩作用を有し、呼吸困難、嚥下障 害等を来たすことがあるため、同時投与は原 則として避けること。 マキュエイドの効果を減弱させることが報告さ れているので、併用する場合には注意するこ と。 テオフィリンの中毒症状があらわれることがあ るため、異常が認められた場合には減量又 は中止するなど適切な処置を行うこと。 P 糖蛋白質を介した排泄の抑制により、ジゴ キシン等の血中濃度が上昇する可能性があ る。 詳細は不明であるが、P 糖蛋白質を介したジ ゴキシン等の輸送が阻害される。 ジゴキシン等の血中濃度の低下が認められ た。 服用時間をずらすことによって(2 時間後に投 与など)、タシグナの Cmax 及び AUC に影響 は無かった。 薬剤部医薬品情報室(内線 2413) 薬報 H25.1 2 安全性情報 医薬品・医療用具等安全性情報 296 号 平成 24 年 11 月厚生労働省 1. 医薬品副作用被害救済制度の支給・不支給決定の状況と適正に使用されていない事例が 多くみられる医薬品について 「医薬品副作用被害救済制度」は、医薬品(一般用医薬品を含む)が適正に使用されたにもかかわらず副作 用が発生し、それによる疾病、障害等の健康被害を受けた方を迅速に救済することを目的として創設されまし た。近年、請求件数や支給件数が増加しています。しかし、医薬品による副作用と考えられる事例でも適正に 使用されていなかったため、給付の対象とされなかった事例が見受けられるので、そういった事例が多くみられ る医薬品を紹介するとともに、一層の適正使用の推進をお願いします。 <支給・不支給決定の状況について> <適正に使用されていない事例が多くみられる医薬品について> 平成23年4月から平成24年9月までの1年半の間に不支給となった事例が多く見られた医薬品は、ラモトリギ ン(ラミクタール)15例、チアマゾール(メルカゾール)6例、ベンズブロマロン(ユリノーム他)5例でした。 ラモトリギン(ラミクタール)…増量までの間隔が短い、開始用量が多すぎた、増加量が多い チアマゾール(メルカゾール)…約7週間血液検査が実施されていなかった ベンズブロマロン(ユリノーム)…約10カ月間肝機能検査が実施されていなかった 2. 重要な副作用等に関する情報(下線部追加改訂部分) 【1】 イマチニブメシル酸塩(グリベック) 肺高血圧症 【2】 セフトリアキソンナトリウム水和物(ロセフィン) 汎血球減少、間質性腎炎、意識障害 【3】 メキシレチン塩酸塩(メキシチール) 房室ブロック 市大センター病院 薬剤部医薬品情報室(内線 2413) 薬報 H25.1 3 3. 使用上の注意の改訂について(禁忌、重大な副作用の追加改訂部分のみ抜粋) ・カロナール、トラムセット:劇症肝炎 ・スピロノラクトン:中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群 ・プラザキサ:アナフィラキシー ・ロタテック内服液:アナフィラキシー 安全性情報 医薬品・医療用具等安全性情報 297 号 平成 24 年 12 月厚生労働省 1. 医療機関における安全性情報の伝達・活用状況に関する調査について PMDAでは、最適な情報のあり方や提供の方法を検討し、適切な情報の入手・伝達・活用のあるべき 姿を提言することを目的とし調査を実施しています。本稿では、平成23年度調査結果のうち、「施設の規 模・実情に応じた医薬品安全管理体制の構築」、「処方時の意識・行動の変化につながる確実な情報伝 達」、「院外採用薬の安全性情報管理の強化」、「持参薬の安全性情報管理の強化」について紹介します。 ① 施設の規模・実情に応じた医薬品安全管理体制の構築 ・<小規模施設>医師と医薬品情報担当者との距離が近く確実に情報伝達を行えるが、安全性情 報を迅速かつ確実に入手するための情報源の確保が課題。 ・<大規模施設>情報源は比較的確保されているものの、全ての医師に対して確実に情報を伝達 するスキームを確立することが課題。 ② 処方時の意識・行動の変化につながる確実な情報伝達 ・継続的な情報伝達により情報を定着化させ、たまに処方する医師の記憶にもとどまるようにする ・複数の手段によって情報伝達を行い、紙面やメールだけでなく、処方医との対話など対面でのコミュ ニケーションを活用した積極的な注意喚起への対策を行う ③ 院外採用薬の安全性情報管理の強化 ・処方する側が最新の安全性情報を適切に把握しておくことは最低限必要なことであり、その上で院 外処方せんを応需する薬局が適切に処方監査を行うことができる仕組みの構築が望まれる ④ 持参薬の安全性情報管理の強化 ・持参薬は80%ほどの施設が使用している ・持参薬の安全性情報の管理は、施設規模に関わらず「十分な安全性の管理が出来ていない」と回 答した施設が50% ・様々な薬品が持参薬として使用されている可能性があるため、常に最新の医薬品情報を管理する ことが重要であり、体制の強化が必要 2. 消化管ステントの適用に当たっての注意について 消化管用ステント(食道用、胃十二指腸用、大腸用)は現在8製品が医療現場で使用されています。これ までに、国内で消化管用ステント留置後に消化管穿孔を生じた、又は消化管穿孔が疑われた事例が53件 報告されています(食道用ステント:5例、胃十二指腸用ステント:19件、大腸用ステント:29件)。このうち16 件が腹膜炎等の発症により死亡の転帰をとっています。 このため、添付文書の警告欄を改訂が指示されました。 <添付文書の改訂内容> 消化管穿孔は、がんの浸潤や、放射線・化学療法等のがん治療で組織に重篤な炎症等を生じることに 伴い起こることが知られていますが、このような状態の患者に対しステント留置を行った場合、リスクが増 加する恐れがあります。消化管用ステントの留置を行う場合には、患者の状態を慎重に確認して、適用の 可否を検討することが必要です。 市大センター病院 薬剤部医薬品情報室(内線 2413) 薬報 H25.1 4
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