○コラム 「埋蔵金論争について」 4月18日、参議院財政金融委員会に参考人として、上程された平 成 20 年度税制改革等についての意見陳述を求められ、特定財源制度の 在り方や、租税特別措置についての透明性の確保、事後的な検証の必 要性について意見を述べました。 私の後に、東洋大学教授の高橋洋一氏が意見を述べ、「埋蔵金はい まや露天掘り状況にある。それをどう使うかは、役人が決めることで はなくて、国民・国会がきめることだ。」と述べ、暫定税率の代替財 源探しをしている政治家から拍手を得ていました。 埋蔵金とは一般的に、特別会計に存在する運用益の累積利益のこと で、大きなものは、19 年度末で、財融資金特会の繰越利益(金利変動 準備金+本年度利益)19.6 兆円、外為資金特会の繰越利益(積立金+ 本年度利益)19.3 兆円があります。財融資金特会からは18年度に、 金利変動準備金24兆円の半分の 12 兆円を、さらに 20 年度に 兆円 を財政健全化のために取り崩し国債整理基金へ繰り入れ借金の返済に 充てました。 埋蔵金というのは、将来の金利リスク、為替リスクに備えて積み立 ててある準備金のことで、それをどう考えるかにより、ある、ともな いともいえるものです。コップに水が半分は言っているのを見て、「 半分も入っているのか」と思う人と、「半分しか入っていない」と思 う人があるように、この問題の本質は、将来のリスクについて、堅く 見積もって利益を一定水準積み立てておくかどうか、という哲学の問 題でしょう。 問題は、埋蔵金があったとしても、それは一回限りの話で、また物 事の性格からして、国家債務の償還に充てるべきだ、ということでは ないでしょうか。法律では一定以上の剰余金は国債償還に使うことが 決められており、基礎年金国庫負担引き上げの財源や、暫定税率分の 穴埋めに使うという性格のものでないでしょう。 徳川埋蔵金のテレビは、毎週息子が見ていたので、私もついつい見 入ってしまって、番組の最後に、ばからしい時間を過ごした、という のが当時の経験でした。それから 30 年たった今、このような議論に時 間をつぶしている自分を息子はどう思っているのでしょうか。 なお、別添に、4月8日、都内ホテルで行われた経済同友会税制改 革シンポジウムの概要を添付しています。自民党、民主党の税制改革 の実質的責任者、経済同友会税制委員長、それと私の4人が意見交換 をしておりますので、ご参照ください。
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