水道事業ガイ ライン 基 く業 指標 算出 成 度版 算出結果 い

「水道事業ガイドライン」に基づく業務指標を算出しました 【平成27年度版】
平成 29年 3月
「水道事業ガイドライン」は,水道事業の多岐にわたる業務を一定の算式により求めた業務指標により
定量化することで,事業者による評価を促し,サービス水準の向上を図ることを目的として,日本水道協会
が平成17年1月に制定したものです。仙台市では,経営の情報公開の一環として公表しており,今回は平
成27年度の業務指標の算出結果をとりまとめましたので,お知らせします。
なお,この「水道事業ガイドライン」は,東日本大震災を受けた耐震対策の強化や水道関係法令の改正
等を踏まえ,平成28年3月に改正が行われました。改正後の 「水道事業ガイドライン」では,「安全で良質
な水」,「安定した水の供給」「健全な事業経営」という3つの目標のもと,119の業務指標が設定されていま
す。今回からは,新たな規格により算出した結果をお知らせします。
算出結果
○ 全体の算出結果は,「水道事業ガイドライン」に基づく業務指標の算出結果【平成27年度実績版】
(PDF:187 KB)をご覧ください。
○ 主な業務指標の算出結果からみた本市の概況は次のとおりです。
※番号 :(旧番号)は規格改正前の番号です。(新規)は,今回の改正で新たに追加となったものです。
※望ましい値:「↑」は高い方が望ましく,「↓」は低い方が望ましいことを指しています。また,「-」の場
合はいずれとも示せないことを指しています。
※各年度の値:規格改正などにより過去の数値と比較できない場合及び新規項目の過去数値は,「-」
としています。
《 おいしい水への取組み 》
カルキ臭,カビ臭対策など,おいしい水対策に関わる業務指標
番号
(旧番号)
望ましい値
業 務 指 標 (単位)
A101
(1106)
平均残留塩素濃度 (mg/L)
A102
(1105)
最大カビ臭物質濃度水質基準比率 (%)
A201
(1101)
原水水質監視度 (項目)
残留塩素濃度合計/残留塩素測定回数
(最大カビ臭物質濃度/水質基準値)×100
原水水質監視項目数
平成
23年度
平成
24年度
平成
25年度
平成
26年度
平成
27年度
-
-
-
-
0.57
-
-
-
-
53
53
53
54
40.0
ジェオスミン
54
◇ 「平均残留塩素濃度(A101)」は水道水中の残留塩素濃度の平均値を示す指標です。水道水の安全と塩素臭
(カルキ臭)発生に与える影響を表しており,水質基準(0.1mg/L以上)を確保したうえで,なるべく小さな値に
抑える必要があります。仙台市では,安心でおいしい水道水をお届けするため,独自の水質目標(0.2 mg/L以
上、0.8 mg/L以下)を設定しています。
◇ 「最大カビ臭物質濃度水質基準比率(A102)」は水道水のカビ臭を引き起こす物質の最大値が,水質基準に
-対してどのくらいの割合かを表すもので,カビ臭対策についての取組み状況を表しています。仙台市では,カ
ビ臭物質のうち2-メチルイソボルネオールについて,国の水質基準よりも厳しい独自の目標(2ng/L以下)を
設定し,水質管理の強化に取り組んでいます。
◇ 「原水水質監視度(A201)」は原水(水道水のもととなる水)の水質検査を実施している項目数です。原水・河
川の特質にもよるため,必ずしも項目数が多いことがよいとは限りません。
1
《 漏水防止対策 》
番号
(旧番号)
業 務 指 標 (単位)
A401
(1117)
鉛製給水管率 (%)
B108
(5111)
管路点検率 (%)
B109
(新規)
バルブ点検率 (%)
B110
(5107)
漏水率 (%)
B112
(3018)
有収率 (%)
B503
(2103)
B504
(2104)
漏 水 防 止 対 策 の推 進 に関 わる業 務 指 標
望ましい値
(鉛製給水管使用件数/給水件数)×100
(点検した管路延長/管路延長)×100
(点検したバルブ数/バルブ設置数) ×100
(年間漏水量/年間配水量)×100
(年間有収水量/年間配水量)×100
平成
23年度
平成
24年度
平成
25年度
平成
26年度
平成
27年度
20.7
18.5
16.6
15.0
13.7
46
51
32
43
37.8
-
-
-
-
2.5
7.2
4.1
3.2
3.3
3.3
88.7
93.2
94.1
94.2
94.2
3.6
5.1
7.3
9.9
11.0
0.34
0.77
0.60
0.61
0.64
法定耐用年数超過管路率 (%)
(法定耐用年数を超えている管路延長/管路延長)
×100
管路の更新率 (%)
(更新された管路延長/管路延長)×100
◇ 「鉛製給水管率(A401)」は,給水件数に対する鉛製給水管使用件数の割合であり,鉛製給水管の解消に向
けた取組みの進捗度合いを表しています。仙台市では,漏水修繕・配水管工事に伴う解消に加え,道路下部
の鉛製給水管の計画的な解消工事を行っているほか,早期解消を望むお客さまの鉛製給水管布設替工事に
対する助成金制度の実施などにより着実に解消を進めています。
◇ 「管路点検率(B108)」は,管路の総延長に対し,1年間に点検した管路延長の割合を示しており,「バルブ点
検率(B109)」は,バルブの総数に対し,1年間に点検したバルブ数の割合を示しています。いずれも管路の健
全性確保に対する取り組み状況を表しています。
◇ 「漏水率(B110)」は,配水量に対する漏水量の割合です。漏水が発生すると修繕費用の増加やエネルギー
の損失につながるため,この指標は施設の健全性や事業効率を表します。仙台市では,配水支管の更新や
鉛製給水管の解消などによる予防的対策のほか,年間約2,000kmに及ぶ計画的な漏水調査により地下漏
水の早期発見・修繕に取り組んでいます。今後も,引き続き効果的な漏水防止対策を推進していきます。
◇ 「有収率(B112)」は,浄水場から配水された水量のうち,料金収入のもととなった水量の割合であり,水道施
設を通して供給された水量がどの程度収益につながっているかどうかや,施設の効率性を表しています。一
般に100%に近いほどよいとされています。
◇ 「法定耐用年数超過管路率(B503)」は,管路の総延長に対し,法定耐用年数(40年)を超えている管路延長
の占める割合であり,管路の老朽化度を表しています。また,「管路の更新率(B504)」は,管路の総延長に対
し,更新された管路延長の占める割合を示しています。仙台市では,法定耐用年数で一律に更新するのでは
なく,継続使用できるものを見極めながら,限られた財源の中で計画的に更新を行っています。
2
《 耐 震 化 対 策 》
番号
(旧番号)
B602
(2207)
業 務 指 標 (単位)
水 道 施 設 などの耐 震 化 対 策 に関 わる業 務 指 標
望ましい値
平成
23年度
平成
24年度
平成
25年度
平成
26年度
平成
27年度
-
-
-
-
0.0
-
-
-
-
24.7
37.8
40.9
39.5
39.5
39.5
-
-
-
-
23.4
27.8
28.8
29.7
30.4
31.3
-
-
-
-
46.3
-
-
-
-
69.9
-
-
-
-
99.5
-
-
-
-
11.6
浄水施設の耐震化率 (%)
(耐震対策の施された浄水施設能力/全浄水施
設能力)×100
浄水施設の主要構造物耐震化率(%)
B602-2
(新規)
B603
(2208)
B604
(2209)
B605
(2210)
B606
(新規)
B607
(新規)
B608
(2216)
B611
(2205)
(沈でん・ろ過を有する施設の耐震化浄水施設能
力+ろ過のみ施設の耐震化浄水施設能力/全浄
水施設能力)×100
ポンプ所の耐震化率 (%)
(耐震対策の施されたポンプ所能力/耐震化対象
ポンプ所能力)×100
配水池の耐震化率 (%)
(耐震対策の施された配水池有効容量/配水池
等有効容量)×100
管路の耐震管率 (%)
(耐震管延長/管路延長)×100
基幹管路の耐震管率 (%)
(基幹管路のうち耐震管延長/基幹管路延長)
×100
重要給水施設配水管路の耐震管率 (%)
(重要給水施設配水管路のうち耐震管延長/重
要給水施設配水管路延長)×100
停電時配水量確保率(%)
(全施設停電時に確保できる配水能力/一日平
均配水量)×100
応急給水施設密度(箇所/100km2)
応急給水施設数/現在給水面積/100)
◇ 「浄水施設の耐震化率(B602)」は浄水施設全体について,「浄水施設の主要構造物耐震化率(B602-2)」
は,浄水場の主要施設である沈でん池・ろ過池について,耐震化された施設の能力が施設能力全体に占め
る割合を示す指標で,いずれも浄水施設の耐震化の状況を表しています。現時点で施設全体の耐震化が完
了した浄水場はありませんが,今後も浄水施設の耐震化を計画的に進めていきます。
◇ 「ポンプ所の耐震化率(B603)」は,耐震化されたポンプ所の能力が全体に占める割合,「配水池の耐震化
率(B604)」は,耐震化された配水池の容量が全体に占める割合を表しています。これらの施設についても,
引き続き優先度の高いものから耐震化を実施していきます。
◇ 「管路の耐震管率(B605)」は,管路の総延長のうち耐震管が占める割合,「基幹管路の耐震管率(B606)」
は基幹管路の総延長のうち耐震管が占める割合,「重要給水施設配水管路の耐震管率(B607)」は,災害拠
点病院など重要給水施設への配水管のうち耐震管が占める割合であり,いずれも管路の耐震化の状況を表
しています。仙台市では,管路の新設・更新を行う際,耐震性に優れた管種・継手を採用しており,今後も計
画的に管路の耐震化を進め,災害に強い水道づくりを推進していきます。
◇ 「停電時配水量確保率(B608)」は,一日平均配水量に対し,全施設が停電した場合に確保できる配水能力
の割合です。仙台市では,配水の大部分を地形の特性を活かした自然流下により行っていること,非常用自
家発電装置の燃料タンク増設などの対策を行っていることから,高い指標値となっています。
◇ 「応急給水施設密度(B611)」は,100 km2当たりの応急給水施設数(非常用飲料水貯水槽や応急給水ができ
る配水池など)を示し,緊急時の飲料水の確保しやすさを表しています。仙台市ではこれらに加え,市立小学
校への災害時給水栓の設置を進めており,今後も更に応急給水能力を向上させていきます。
3
《 環
番号
(旧番号)
B301
(4001)
B302
(4002)
B303
(4006)
B304
(4003)
B305
(4004)
B306
(4005)
境
対
策 》
二 酸 化 炭 素 の削 減 など環 境 対 策 に関 わる業 務 指 標
業 務 指 標 (単位)
望ましい値
配水量1㎥当たり電力消費量(kWh/㎥)
電力使用量の合計/年間配水量
配水量1㎥当たり消費エネルギー
(MJ/㎥)
平成
23年度
平成
24年度
平成
25年度
平成
26年度
平成
27年度
0.15
0.15
0.14
0.14
0.14
0.61
0.60
0.59
0.58
0.57
68
84
91
88
84
0.038
0.15
0.14
0.16
0.15
71.2
36.2
74.0
87.4
100.0
50.6
66.9
78.4
92.0
94.0
エネルギー消費量/年間配水量
配水量1㎥当たり二酸化炭素(CO2)排出量
(g・CO2/㎥)
(二酸化炭素(CO2)排出量/年間配水量)×106
再生可能エネルギー利用率(%)
(再生可能エネルギー設備の電力使用量/全施設の
電力使用量) ×100
浄水発生土の有効利用率(%)
(有効利用土量/浄水発生土量) ×100
建設副産物のリサイクル率(%)
(リサイクルされた建設副産物量/建設副産物
発生量)×100
◇ 「配水量1㎥当たり電力消費量(B301)」,「配水量1㎥当たり消費エネルギー(B302)」及び「配水量1㎥当た
り二酸化炭素(CO2)排出量(B303)」は,省エネルギー対策・環境保全への取組み度合いを表す指標です。
仙台市では,浄水場などの施設を北部・西部の高台に配置し,その高低差を利用した自然流下による配水を
行っていることから,配水量1㎥当たりの電力消費量が少なく,環境に配慮した事業運営が可能となっていま
す。また,水道施設や水道局本庁舎の設備更新に合わせ,省エネルギー型の照明・機器への切り替えや,公
用車の更新の際に環境負荷の少ない次世代自動車等を導入するなどの取組みを行っています。今後も一層
の電力消費量・エネルギー消費量及び二酸化炭素排出量の削減を図ります。
「再生可能エネルギー利用率(B304)」は,全施設の電力使用量のうち,太陽光発電などの再生可能エネルギ
ー設備により自ら発電した電力で賄った割合を示しており,環境負荷低減に対する取組みの度合いを表す指
標の一つです。仙台市では,太陽光発電設備や小水力発電設備を導入しており,この指標の対象となってい
る発電電力の自己消費以外にも,余剰電力の売電等により社会全体のCO2削減に取り組んでいます。今後も
水道局庁舎への太陽光発電設備設置等,環境負荷低減の取り組みを進めていきます。
◇ 「浄水発生土の有効利用率(B305)」は,浄水発生土量のうち,有効利用されている土量の割合を示してお
り,環境保全への取組み度合いを表しています。東日本大震災以降,原発事故の影響により有効利用率は
下がっていましたが,放射性物質濃度の低下に伴い,有効利用率は100%となりました。
◇ 「建設副産物のリサイクル率(B306)」は,水道事業における工事などで発生する建設副産物のうち,リサイ
クルされたものの割合を示しており,環境保全への取組み度合いを表しています。仙台市の水道工事で発生
した建設副産物のうち,建設発生土は改良土(建設発生土と石灰等を混ぜた土)となり,埋め戻し材として再
利用されているほか,アスファルト塊やコンクリート塊は再生アスファルト材や再生砕石などとして様々な公共
工事で再利用されるなど,可能な限りリサイクルを推進しており,指標値は着実に向上しています。
4
《 事 業 経 営 の健 全 化 》
番号
(旧番号)
C103
(3003)
C112
(3012)
C113
(3013)
業 務 指 標 (単位)
経 営 の効 率 化 ,健 全 化 に関 わる業 務 指 標
望ましい値
総収支比率(%)
(総収益/総費用)×100
給水収益に対する企業債残高の割合
(%)
平成
23年度
平成
24年度
平成
25年度
平成
26年度
平成
27年度
102.9
110.1
108.7
*97.1
112.3
336.9
303.3
294.7
286.9
283.8
92.8
99.6
97.5
*103.1
102.5
223.8
211.1
214.9
*203.2
203.8
56.1
58.0
59.9
*58.8
59.5
76.8
75.1
69.4
69.6
66.1
-
-
-
-
331,000
(企業債残高/給水収益)×100
料金回収率(%)
(供給単価/給水原価)×100
給水原価(円/㎥)
C115
(3015)
C119
(3023)
C121
(3025)
C124
(3109)
(経常費用-(受託工事費+材料及び不用品売
却原価+附帯事業費+長期前受金戻入))/年
間有収水量
自己資本構成比率(%)
〔(資本金+剰余金+評価差額など+繰延収
益)/負債・資本合計〕×100
企業債償還元金対減価償却費比率(%)
(建設改良のための企業債償還元金/当年度
減価償却費)×100
職員一人当たり有収水量(㎥/人)
年間総有収水量/損益勘定所属職員数
*平成26年度の地方公営企業会計制度見直しにより,算出方法や根拠となる数値に変動があったもの。
◇ 「総収支比率(C103)」は,総費用が総収益によってどの程度賄われているかを示しており,数値が100%を
下回ると収益で費用を賄えないこととなります。平成26年度は,地方公営企業会計制度見直しの影響により,
一時的に指標値が悪化しましたが,平成27年度は従来の水準に戻っています。また,「料金回収率(C113)」
は,給水原価(1㎥の水道水を作り,供給するのに必要な費用)に対する供給単価(供給された水道水1㎥当
たりの収益)の割合を示しており,100%を下回ると,給水にかかる費用が料金収入以外の収入で補填されて
いることを意味します。両者とも経営状況の健全性を表しており,現在は概ね健全な状況といえますが,長期
的には給水収益の減少や老朽化施設の修繕・更新費用の増加により経営環境は厳しさを増すと予想される
ことから,今後も引き続き経営効率化に取り組んでいきます。
◇ 「給水原価(C115)」は,1㎥の水道水を作り,供給するのに必要な費用であり,この値は低い方が望ましい
とされています。給水にかかる経費は,水源,水質や地形などの違いにより事業体ごと差があるため,この水
準のみから経営の優劣を判断することはできませんが,引き続き業務効率化やコスト削減により費用の抑制
を図っていきます。
◇ 「給水収益に対する企業債残高の割合(C112)」,「自己資本構成比率(C119)」(総資本に対する自己資本
の割合)は,財務状況の安全性を表しています。また,「企業債償還元金対減価償却費比率(C121)」(当年度
減価償却費に対する企業債償還元金の返済額の割合)は,投資の健全性を表しています。これは,企業債償
還金の大部分は減価償却費で賄われていることから,この指標が100%を超えると不足分を純利益や新たな
借入などで補う必要があります。これらの指標は,主に企業債(長期借入金)が経営に与える影響を示してお
り,いずれの指標値も着実に改善している状況ですが,今後も事業運営の効率化やコスト削減により企業債
の発行を抑制しながら,企業債残高の圧縮を図っていきます。
◇ 「職員一人当たり有収水量(C124)」は,職員一人当たりの生産性を示しており,水道サービスの効率性を
表す指標の一つです。今後も経営の効率化を進め,さらなる生産性の向上に努めます。
5
お問い合わせ先 企画財務課
電話 022-304-0010(直通)