芸術論を読んで、あいちトリエンナーレ2016を見る あなたは日常会話のなかで「これはアートだねぇ」とか「芸術的~!」などと言ったこ とがあるでしょうか。大抵、このような言葉が発せられる時の状況は、何らかの作品やあ るいは落書きやガラクタを見て「今までの視覚的経験を超えた感覚を自らの内に感じた時」 に「とりあえず言ってみた」場合だったりするのではないでしょうか。 ~ 閑話休題 ~ 考えてみる。「美」とはなにか。グローバリゼーションの名の下、富の分配は偏りを強 め、混沌さを極める今世紀においても普遍的なこのテーマを漢字の成り立ちから考えてみ ます。この一文字の成り立ちには諸説ありますが、デザイン的に分解すると「羊」「大」 に分けることができます。上部は「羊=神への生贄(ひつじ)」、下部は「大=おおきい、 おおいに」という意味が含まれているようです。結合させて考えてみれば、「おおいなる 犠牲」といった解釈もできるでしょう。政治、経済活動で求めてきたはずのまだ見ぬユー トピア。SF 映画など空想世界だけで描かれてきたはずのディストピア。この地球において、 美とはおおいなる犠牲となりうるのでしょうか。 今回、事前に「芸術論」のテキストを読み、展覧会鑑賞に備えます。「あいちトリエン ナーレ2016」は国際現代美術展です。作家は日本を始めブラジル、プエルトリコ、モ ンゴル、韓国、シンガポール、英国、インド、フランスなどから集い、ここ愛知県を中心 に作品を展開します。 現代美術は「コンテクスト」なくしては理解できないといいます。つまり、作品鑑賞す るためには時代性、地域性、個人的資質、思想などの知識を総動員することが求められる ようです。「コスモで誘われて行ってみたけど、よく分からない」というのは止めにして、 能動的に知的遊戯を体験する夏にしませんか。 日 時 : 8月27日(土)※芸術論のテキストを読みます。 8月28日(日)展覧会見学 場 所 : アトリエ(C21 教室)、愛知県美術館ほか 対 象 : どなたでも ※現代文/芸術論分野の読解力を深めたい人 参加費 : 900円(交通費/200円 名古屋→栄 地下鉄、入場チケット代/700円) 参加講師: 結城敦司(現代文(基礎) 、現代文(応用)、現代文 AC) 参加フェロー: 榊原 学 参加〆切:8月19日(金)入場チケット購入のため、事前に参加をお申し込みください。 問い 合 わせ : フェ ロ ー榊 原
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