電気抵抗変化法って何のためにあるの? 実際に使われているCFRPは,薄いCFRPのシートを積み重ね,圧力をかけて固めた積層板といわれているもの です.この積層板には金属に生じるような亀裂がほとんど発生しません.しかし,工具が落下するなどの軽い衝撃で 層と層の間にすき間が生じてしまいます.このすき間は「層間はく離」といわれています.このはく離が生じると重 ねた層がはがれやすくなり,材料の強さが非常に弱くなります.したがって、層間はく離を発見することがCFRP を使用する上で重要になってくると言えます.ところが、層間はく離は材料内部に生じるため,人間の目では見つけ にくいのです.その目に見えない層間はく離を検知する方法の一つに電気抵抗変化法があります. 電気抵抗変化法はどんな方法? ①測定したいものに電極を付ける ②はく離が入っていないときの電気抵抗値を測る ③はく離を入れる ④はく離が入っているときの電気抵抗値を測る R R+ΔR ⑤はく離を入れる前と後の電気抵抗値を比べて,壊れているかどうか調べる 電気抵抗変化法の良い点・問題点 良い点 問題点 ・現在使われている測定装置を流用できる ⇒非常に安い ・対象物にセンサーを埋め込む必要がない ⇒すでに作られて稼働中の構造物にも利用できる ⇒材料が弱くならない ・運用中や点検時にはく離を検出できる ⇒定期検査にかかる時間とコストを大幅に減らせる ・電極を材料表面に設置する必要がある ⇒手間がかかる ・電気抵抗の変化はとても小さい ⇒精密に測定する必要がある 複合材料ってどんな風に電気が流れるの? ところで, 炭素繊維複合材(CFRP) = 炭素繊維 + エポキシ樹脂 電気をよく通す 繊維方向 流れる電流を1とすると・・ 0° 複雑な電流の流れ方 電気を通しにくい 繊維直交方向 0.0003 板の厚さ方向 0.00026 00° 90° 繊維の接触 繊維の接触
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