マービーミュージカル in 倉敷

ミュージカルを地域文化に定着させる
マービーミュージカル in 倉敷
倉敷市真備町とその周辺地区の子どもから高齢者までの幅
目 的
地元、倉敷・真備にちなんだテーマを取り上げたオリジナ
ルなミュージカルの創造を通して地域文化の興隆に貢献する。
手 段
今後の展開・予定
私どもの団体は、公演の実施に際しては倉敷市から多額の
2年次
助成をいただき、地域の文化施設であるマービーふれあいセ
私どもは2011年度の第10回公演以降、それまで毎年実施し
ンターを練習と本公演の会場として継続して使うことができ
ていた本公演を隔年実施としている。ここで、本公演での盛
る恵まれた環境にある。しかしながら、大ホールでの本格的
り上がりがなかなか次の公演まで持続しないという課題があ
な公演を実現するには、市の助成だけではまだまだ財政的に
り、本公演のない年度にミュージカルの楽しさを体験するワ
不十分なのが現状である。市民参加のミュージカルの意義を
ークショップを開催することで、地域で活動のすそ野を拡げ
地域に PR しつつ、個人会員の会費収入、広告協賛事業所の
ることを計画した。
協力を含め幅広い資金調達にも取り組んでいく必要がある。
今回は、地元の若手演劇家を初めてお招きし、演劇ワーク
広い市民。
継続していく中で、古くからのつながりが復活したり、新し
い出会いやつながりも次々と生まれた。
で総勢28名の多彩なキャストの顔ぶれとなった。
活動のターゲット・対象者
の運営では困難な面が多いが、公演にむけた息の長い活動を
ショップとして開催し、演じることの楽しさや奥の深さを体
3年間の事業
験する機会を作ることができた。また、ここでつながりを作
平成27年度の公演で主役「かぐや姫」を演じた佐藤朱莉は、
った講師が次年度の公演で演出をサポートしていただけるこ
小学校就学前から母親に手をひかれてこのミュージカルの舞
とになった。
台に立ち、今春高校を卒業し舞台芸術の道に進路を定め、将
参加者の中には、介護職のコミュニケーション研修の中に
来の夢を膨らませている。この佐藤は、平成25年度の公演で
演劇的要素を取り入れる取り組みをしている高齢者施設の方
は、ミュージカル学科に進学した高校1年生として学友とと
もあり、私どもが地域でこの活動を持続する意義を改めて感
もにダンスのみでゲスト出演してもらったが、今回の主役作
じることができた。
品では、磨かれた演技や歌唱力を披露するとともに、十数年
3年次
第12回公演として「竹のまち 真備町」にちなんで「かぐ
や姫 まび竹取物語」を上演した。
前の自分の姿に重ねながら、自分で考えたダンスの振り付け
を5歳∼小学低学年の児童たちに指導していた。
このような事例から、地域に根差した息の長い文化活動を
継続していくことで地域文化を担う人材が育つ好循環を作っ
倉敷市真備地区にちなんだテーマとして、横溝正史やかぐ
脚本演出は前回に続き日名真由美が担当し、前年度事業で
や姫を取り上げ、オリジナルの脚本、音楽、ダンスでミュー
つながりのできた地元の若手演出家として実績のある朝松煌
ジカルを創作する。地元倉敷市真備を中心とした子どもから
氏にも支援していただいた。キャストについては、5歳にな
活動の周知方法
高齢者まで幅広い世代の参加を募り、市民参加の手作りの舞
ったばかりの幼児から80歳代の元気高齢者まで多彩な顔ぶれ
1年次・3年次のミュージカル本公演については、チラシ・
台芸術として仕上げていく。
となった。また、地元でミュージカルに興味を持つ若い世代
ポスターを作成して関係各所に掲示・配付するとともに、山
が新しく参加するとともに、朝松氏のご紹介で岡山の演劇界
陽新聞・倉敷ケーブルテレビ・FM くらしきで事前に告知し
で活動するメンバーに応援いただき、良い刺激を受けること
ていただいた。
1年次
ていくことの大切さを実感できた。
第11回公演として「横溝正史ものがたり 金田一耕助が生
ができた。さらに、今回は、地元で活動する吉備真備太鼓・
2年次のワークショップについては、チラシを関係各所に
まれるまで」を上演した。横溝正史一家の疎開生活の中での
日舞のグループ、まきび少年少女合唱団の皆様も参加いただ
配付するとともに、真備地区の山陽新聞にチラシを折り込み
村人との交流とそこから名探偵金田一耕助の人物像が生まれ
き、舞台を盛り上げた。
を入れた。
てきた経緯を、紗幕の向こう台上で展開される劇中劇も組み
込んで、巧みな構成で描き好評を得た。
これまで10年間この団体を中心で支えてきたメンバーが退
3年間の事業内容の傾向
平成23年度の第10回公演を区切りとして団体の中心メンバ
く中で、脚本演出はもちろん、音楽やダンスにも新しいメン
ーが世代交代する中で、10年間の蓄積を受け継ぎながら、新
バーが参画し世代交代が進んだ。
しいメンバーで隔年の2度の本公演を実施できた。これによ
最初はキャストが集まらず苦労したが、倉敷市がこのテー
り、真備地区を舞台とした私どもの手づくりミュージカル創
マを観光資源の一つとして全国発信している中で、毎年恒例
作の活動が引き続き地域文化の興隆に貢献し続ける道筋をつ
になっている「1000人の金田一耕助」イベントの場を借りて
けることができた。
エキストラ募集のチラシを配り、新聞各紙にも取り上げてい
ただいたおかげで、倉敷市の別の地区での創作舞台育成事業
3年間の観客・参加者等の傾向
で舞台に立った演劇好きのメンバーや地元の金田一ファンの
キャストやスタッフの募集、観客の動員、協賛事業所の募
中高年グループが参加。小学6年生から80歳の元気高齢者ま
集など、地元真備町に太いつながりの少ない中心メンバーで
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• 代表者/大熊正喜 • 所在地/倉敷市真備町箭田
• 設立/2000年 • メンバー/35名
• 問い合わせ/ TEL. 090-3639-0993
E-mail. [email protected]
URL / https://www.facebook.com/events/1029927473697004/
3ヵ年継続助成 89