卜の 時期 が 10∼ 14歳 で,男 性 よ り 2∼ 3歳 早 い 従来 ,女 性 アス リー トに対 しては,い わゆ る三 徴 (月 経周期異常 ,食 行動異常 ,骨 量減少 )に 注 (図 la)'。 2)骨 成熟 意 す る指導 が な されて きたが, これ まで女子 サ ッ カー競技 に特化 した医学指導 の成書 はな い。女性 第 2次 性徴 は女性 の方 が早 い。 それ に伴 い,骨 特有 の コンデ ィシ ョンを理解 して,女 子サ ッカ ー 端線 の 閉鎖 は女性 の方 が早 く,骨 密度 の増加 も女 選手の健康管理 を行 うこ とが重要 であ る。 性 の方 がやや早 い (図 lb)'。 3)筋 量 ││111111:│:│││ │:il:│││:│::::│:│:::111:│:11:││:::│:│::::11 。体脂肪 筋量 は約 36%で 男性 と比較 して約 10%低 く , 体脂肪 は 22∼ 26%と 男性 よ り約 10%高 い。 1)身 長 1年 間の身長 の伸びが最大 に達す る成長 スパ ー (cm/年 (△ ) BMD/3カ 月 ) 8 6 4 2 0 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18(1三 歯令 ) 8 10 12 14 16 18 20 22(年 齢 b a 踵□l年 間身長増加率 と骨密度の増加速度 a 標準的な年間身長増加率 b 骨密度 (bone minera densty;BMD)3カ 月あた りの増加率 ) (a)基 礎体温表 月経 (b)下 垂体 ホルモ ン (ml∪ /mL) 40 黄体化 ホルモン (LH) 30 20 卵胞刺激 ホルモ ン (FSH) 10 0 -4 -12 0 +4 LHピ ー クか らの 日数 (c)卵 巣 ホル モ ン P(ng/叩 L) E(pg/mL) 15 ホルモ ン (プ 甲ゲ ステロ ン ) 卵胞 ホルモ ン ス ト回ゲ ン (エ ) -4 0 +4 LHピ ー クか らの 日数 月経周期 とホル モン分泌の変化 排卵を 0日 として排卵前が卵胞期 ,排 卵後が黄体期 [文 献 4)月 7)よ り改 変 ] 経 男性 との最大 の相違 である。 日本産科婦 人科学 会 の定義 では「約 1カ 月 の間隔 で起 こ り,限 られ た 日数 で 自然 に止 まる子宮 内膜 か らの周 期 的 出 血 Jと されて いる。 a.初 経 :初 めて発来 した月経 の こ とで,通 常 は 定 してお り,28日 周期 の場合 ,排 卵 は月経周期 li 日日頃 に生 じる。月経周期 の長 い人 は卵胞期 の │ 数 が長 くな る。 c性 腺 および性 腺刺激 ホル モ ン :月 経 は中ト 性 のホルモ ン分泌 によって コ ン トロール されて t る。 視床下部 ・下垂体 ・卵巣 が それ ぞれ協調 して 主 に下垂体 か ら分泌 され る卵胞刺 「 10∼ 14歳 の間にみ られ,現 在 わ が 国 では平均 ,約 働 く (図 128歳 であ る6。 ホルモ ン (FSH)と 黄体化 ホルモ ン (LH),卵 ,t b.月 経周期 :月 経 の 開始 した 日が 1日 目で,次 3)。 ( か ら分泌 され る卵胞 ホルモ ン (エ ス トログン)と 回の 月経前 日までを月経周期 とい う。正常周期 は 黄体 ホルモ ン (プ ログス テ ロン)が 月経 に関与 ■ 25∼ 38日 であ り,月 経 か ら排卵 までの卵胞 の発育 る (図 2b,c)'。 時期 を卵胞期 ,排 卵以後次回月経 開始 までを黄体 期 とい う (図 2a)'。 黄体期 は 12∼ 16日 とほぼ一 262 正常周期 を有 す る女性 のホルモ ン値 を表 1に よ す。 爽 膜細 胞 コ レステ → ロール 卵 胞刺 激 ホル モ ン 黄体 化 ホル モ ン (LH) テスト テロジ .` (卵 胞期 ) 下垂体 ´t 当 が 判ぃ 去 ぶ じ ξ 排卵 すると (FSH) 黄体期〉 〈 プロゲステ ロン 睡彊l視 床下部― 下垂体― 卵巣系 下垂体から分泌されるのが性腺刺激ホルモン′卵巣から分泌されるのが性腺ホルモン。女性ホルモンは卵巣表面の奏膜 細胞で コ レステ回―ルか ら男性ホルモンであるテス トステロンが合成され′卵胞にてアロマターゼという酵素でエス ト回ゲンに変換される。プロゲステロンは排卵後の黄体で合成され,排 卵が生 じないと分泌されない 日 正常周期 を有する女性の下垂体・ 性腺 ホル モ ン値 の 目安 要 であ る (図 5)・ 。一般 に体脂肪 17%以 上 で初 経 が発来す る とされて いるため,体 脂肪 の測定 も有 2,。 効 であ る 明 らか な痩せ には もちろん注意 が必 要 であ るが,サ ッカー選手 ではあ ま り痩 せがみ ら れな くて も月経異常 が認 め られ る こ とが あ る。 4)採血 などの検査 ネエス トラジオールはエス ト回ゲンの うち約 9割 以上を占 め最も活性が高い 十 ・ プロゲステ回ンは黄体期のイ 直 一般的な血液 ・生化学検査 に加 え,鉄 欠乏の指 標 として,貯 蔵鉄 を表 す フェ リチ ンの測定 が望 ま しい。ホルモ ン検査 は月経周期 によって値 が変化 す るため,診 断 が難 しいが,エ ス トラジオール と , で きれば表 1の その他 の項 日も測定 してお きた いc 骨塩 定量 も行 ってお きた いが,通 常測 定す る腰 ディカル チ ェ ック シー ト 椎 。大腿骨頚部 や踵骨 な ど,荷 重 がかか る部位 は ア ス リー トでは高値 となる こ とが あ り,サ ッカ ー 選手 の場 合 ,撓 骨 な どの非荷 重 骨 で二 重 エ ネ ル 一 般 に成長 スパ ー トの 1年 後 に初経 とされて い るので,1年 ご との 身長 の伸 びを,成 長率 を表 す シー トに記入 す る ことを勧 め る (図 ギ ー X線 吸収 (DEXA)法 による測定 を行 うの が 9。 望 ましい と考 え られ る 5)。 2)月 経の状態 周期 ,持 続 日数,経 血量 ,月 経痛 の有無 につい て調査 す る。 3)体型・ 体格 身長 については成長率 を記録 してお くこ とが重 11章 1女 子サツカー選手の健康 263 」 FA日 本女子代表 女性スポーツメディカルチ エツク表 氏名 ( カテゴリー 日 ) : あなたの月経 ① 初経 月 年 記入日 (初 潮 (生 理)に ついて,お 聞き します。正確に答えてください。 :最 初の生理)は 来ま したか ? はい 〔 ② はい と答えた方 ・周期は順調ですか ? ・はい と答えた方 周期は何 日ですか ? ・いいえ と応えた方 どのように不調ですか ? ( ( )歳 )日 。いいえ〕 はい 。いいえ〕 〔 間隔 ) ( 重い ・ 軽い ・ 時々ある 。 ない〕 〔 りますか ? ・月経痛がある と答えた方 それは練習に影響することがあ りますか ? いつも ・ 時々 ・ ほとんどない 。 まったくない〕 〔 0月 経 (生 理)痛 は,あ ・練習に影響がある場合,薬 を飲みますか ? いつも ・ 時々 ・ ほとんどない 〔 。 まつたくない〕 ・月経痛がひどいのは′何 日目ですか ? 。それ以降〕 〔 月経前 日 ・ 1日 目 。 2日 目 ・ 3日 目 ・ 4日 目 ・月経痛で薬を飲 む場合どの薬を使用 していますか ? また薬以外の対処法をお こなつていますか 薬以外の対応方法〕 〔 薬品名 : ? ことはあ りますか ・試合または練習のため′薬で生理をずらした はい 。 いいえ〕 〔 ④ 最後に生理にな つた日′または′現在生理中の方は′始 まつた日を記入 して ください。 )日 頃 ・ 覚えていない 。( ( )月 ( 年 月頃) ⑤ あなたの生理時の状態で,何 かあつたら教えてください。 ⑥ 次の期間のうち′体調の具合を教えて下さい。 ・ 生理中 〔 非常に良い 。 良い 。 普通 ・ やや悪い・ 非常に悪い〕 ・生理後 1週 間 〔 ブF常 に良い 。 良い 。 普通 。 やや悪い・ 非常に悪い〕 。 非常に悪い〕 。生理前 1週 間 〔 チF常 に良い ・ 良い 。 普通 。 やや悪い はい〕 い 〔 つけて くださ 。 い人はこちらに○を 生理周期が不規則で,よ く分からな ⑦ 下記の症状で当てはまるものを丸で囲 つて下さい。 (複 数可 ) 。疲れやすい 。爪が白い ・ トレーニングです ぐに息切れする ・顔色が悪いといわれる 。 こす ・めまいがする ) 。むくみがある ・冷えがある 時々クラクラする (脳 貧血を起 。コンデイシ ョンが上がつてこない ・体がついていかない 。疲労骨折を したことがある ※(2)に 続 く ③ あなたのライフスタイルについて教えて ください。 だいたいでよいので自分の平均的な内容で答えて ください) (※ ついて】 睡眠に 【 あなたの睡眠状態について答えてください : 平均就寝時間 睡眠の質 〔 深い : 平均起床時間 。 普通 ・ 時間 平均睡眠時間 浅い 〕 【 食事について】 1日 にとる食事の種類と摂取時間を教 えて ください ( ( ( (お や つ)( 朝食 昼食 夕食 間食 サプ リメン ト 食べ る 食べ る 食べ る 食べ る ※ いつ 時頃 ※ いつ 時頃 ・ ・ ※ いつ 時頃 ・ ※ 時頃 ・ ( 取 つている いつ ※何 を 食 べ ない 食べ な い 食 べ ない 食べ ない いつ ・ 取 つていない) : 【 排便 について】 排便 の状況 について教 えて ください 毎日 ・ 2∼ 3日 ・ 不規則 EEl日 本サ ツカー協会 日本女子代表 (※ 状態 : 快便 ・ 軟便 ・ 下痢) ※ (1)の 続き 女性 スポ ーツメディカルチ エツク表 (2) あ る (小 松菜 な どの植物性 の食 品 か ら得 られ る非 ヘ ム鉄 はわず か しか体 内 に摂 り込 まれ な い)D。 偏食 ,減 量 に よる鉄欠乏 が最 も考 え られ るが,全 く食 生活 に問題 がない選手 に も起 こ り得 る。背の 貧 血 は高校生年代 に よ くみ られ るが, スポー ツ 伸 びる時期 に多 くみ られ るが,女 子 の場合 は筋量 選手 では特 に注意 が必要 であ る。血液 中の酸素 を 運搬 す る血色素 (ヘ モ グ ロビン)を 構成 す る鉄 が が増加 す る高校 生年代 に発症 が集 中す る ことに留 1'。 消化管 か らの吸1又 が悪 意 してお く必要 があ る ロビ 不足 した状態 が貧 血 であ るが,筋 肉の ミオ グ い鉄 は 10分 の 1し か体 内 に摂 りこまれ ず, い つ ンに も鉄 が必要 とな り,貯 蔵鉄 か ら鉄欠乏状態 と たん鉄 欠乏状態 に陥 る と食事 のみでは改善す るこ な る 。貯蔵鉄 を表す指標 は フェ リチ ンであ るが これが 12 ng/mL以 下 にな る とパ フォー マ ンスが とは不可能 で,鉄斉J(1カ プセル 50∼ 100 mg)の 1° , l11'。 低下す る スポ _ッ 選手 をあ ま り診察 しな い 医師 の場合 ,血 色素 のみ を測定 して,貧 血 はな い と診 断 され る こ とが あ る。 1° 内服 が必要 であ る 。 2)食 事 代表選手 に対 す るアンケー トで は,食 事制 限 を パ 行 って いる選手 はみ られなか った。 フォーマ ン ,1日 12 mg前 後 の鉄 を含 む食 スが低下 しては じめて食 の重要性 に気付 いて もす パ 事 が必要 で,赤 身の肉, レバ ー な ど動物性 タン ク質 に含 まれ るヘ ム鉄 が十分 に摂取 され る必 要 が でに遅 く,成 長 スパ ー ト前 の小 学 3∼ 4年 生 か ら べ きちん とした食生活 を送 れ るよ うに してお く き i 4動 選手 の場合 艤 11章 1女 子 サ ツカー 選 手 の健 康 265 180 170 最終予測身長 の平均 ― 150 140 EεN畔昼 =ヽ ︵ 130 110 Eε 畔ヘ ︵ 120 100 90 80 70 60 50 2 3 4 5 6 7 8 91011121314151617181920 年齢 (歳 40 ) 踵彊l成 長速度 (成 長率 )曲 線 通常成長に合わせて身長をプロッ トしていくのが成長曲線であるが′1年 毎の身長の伸びをブ ″ ロッ トしたもの。個体差はあるが必ず身長の伸びが最大になる時期があ り′これを 成長ス ″ パー ト と呼ぶ。予想身長は女児の場合′(父 親の身長 +母 親の身長 -13)■ 2+補 正値 2(cm) の式で表される (最 近は補正値を加えないことが多い)。 予想身長 ±8cmの 範囲が最終予測身 長である。なお′男児の場合は両親の身長の和に 13を 加えることになる。 SD=標 準偏差。 ±SDの 範囲に全体の 683%が 含まれ′±2SDの 範囲に 955%が 含まれる であ る。 身長獲得 の意 味 で も成長 スパ ー ト前 に , D。 をため らう選手 も多 い。 しか し明 らかにパ フォー 十分 な摂食 を行 うこ とが重要 であ る マ ンス に影響 が出 る選手 に対 しては,症 状 を回避 3)月 経に伴うコンデイショニングに影響する症 す る手段 が必要 であ る。 わが国では まだワ‖ 染 みが 状 薄 いが,海 外 の教科書 では月経痛 の治療 の第一選 a月 経困難症 択 は低容量 ピ/1/で あ り,選 手 には低容量 ピル を用 月経開始 もし くは開始直前 よ り始 ま り,下 腹部 いる ことを勧 める。 痛 ,腰 痛 な どが生 じる。頭痛 ,不 安感 ,動 悸 ,下 b.月 経前緊張症 痢 な どを伴 うこ ともあ る。 プ ロス タグ ランジン産 一 般 に, コンデ ィシ ョンが悪 い時期 は,月 経前 生過乗1に よって子宮筋 が過収縮 す る こ とによって 1週 間 か ら月経 中 とされ る。代表選手 の ア ンケー 生 じる。 トでは各年代 とも,サ ッカー選手 ではあ ま り気 に 治療 は消炎鎮 痛薬投与 が主 に行 われ るが,内 服 266 して いな い選手 が多 い よ うであ るが,気 にな る選 手 に とっては か な り苦痛 な ものであ る。月経 の 1 週 間前 は黄体 ホルモ ンによる催 眠作用 ,水 分貯留 作用 ,体 温上昇作用 によるイライ ラ,注 意力散漫 , 浮腫 ,乳 房痛 な どの症状 のため,コ ンデ ィシ ョン の不 良 が生 じやす い'。 治療 は抗 アル ドステ ロン作用 を有 す る利尿薬 が 用 い られ るが,利 尿薬 は ドー ピング禁止薬物 に合 a.精 神 的・ 肉体 的 ス トレス まれ るため注意 が必要 であ る。 しか し,2010年 か お)。 プ ロ ス グ ス トレス は,無 月経 の原 因 にな る らパ マ ブ ロムや ドロス ピノ リンな どの利尿薬 を含 テ ロンのみ低下 した1大 態 を第 1度 無 月経 ,エ ス ト む月経前緊張症治療薬 が ドー ピング禁止物 質 では ロ グン も低下 した 態 は重症 で第 2度 無月経 と呼 な くなった 。世 界中 で幅広 く用 い られて いる こ '大 ぶ。6カ 月以 上無 月経 の場合 ,第 2度 の こ とが多 とが うかがわれ る。 日本 では ドロス ピノ リンを含 く,第 1度 と第 2度 の境 は エ ス トラ ジオ ール 28 pg/mL前 後 とされて いるЮ)。 ]・ む低容量 ピル を勧 める。 (体 脂肪 )の 減少 c.過 多月経 b.体 重 装具 であ わ が 国の選手 はタンポ ンではな く,タト 体脂肪 は正常 な性機能の発現 や維持 に必 要 であ r)。 るナ プ キ ン の使 用 が 多 い サ ッカ ー の ユ ニ 旨 る。思春期前 か らの激 しい運動 を行 うこ とで体月 フ ォー ムは 白を基調 に して いるチー ム も多 いが 肪 が十分獲 得 されず,月 経 が発来 しな い こ とが あ ア ンケー トで過多月経 を有 す る場合 , これが憂 う る。近年 では摂 食量 が重要 と考 え られて いる。摂 つ にな る と訴 える選手 がいた。 ユニ フォー ムは濃 食量 が減少す る と成長 を促 す ソマ トメジンが減少 い色 の もの を選択 す るこ とも女子 チー ム には必要 す る。成長 スパ ー ト前 にソマ トメ ジンの減少 が生 か もしれな い。 じる と,成 長 スパ ー トがみ られず,月 経 も発 来 し , d不 正性器 出血 な い (図 6)ma,c スポー ツ選手 では,性 ホルモ ンの分泌 にかかわ る機能 の失調 に よる機 能性 出血 が多 い。婦人 "盈 c.体 質 サ ッカー選手 の場合 ,全 く無月経 ではないが , 計 にて周期 との関連 が簡便 にわか る基礎体温 を記 2∼ 3カ 月 に 1回 の稀発 月経 であ る場合 が意外 に多 録 してお くと,月 経周期 の どの時期 における出血 い。 こ うした場合 は多嚢胞性卵巣症候群 (PCOS) か を確認 で きる。機能性 出血以タトでは,近 年 ,子 であ る と思 われ る。PCOSは 超音波 で卵胞 が小 さ 宮頚 がんの若年発 生 も問題 とされて い る。性交渉 が あ る場合 ,検 診 を受 けてお くと余計 な心配 を し く嚢胞状 に多数認 め られ る。 多 くの場合 ,LH,テ 20。 タンパ ク同化作 ス トステ ロ ンが通常 よ り高 い な いで済 む。 用のあ るテ ス トステ ロンの分泌 は筋 肉 がつ きやす 4)月 経移動 いな どスポー ツに有利 な特徴 が現 れ る。PCOSの 月経期 ,黄 体期 な どの コ ンデ ィシ ョンの悪 い時 場 合,選 手 に とっては 2∼ 3カ 月 に 1回 しか月経 期 を避 け るため,エ ス トログ ン・ プ ログス テ ロ ン が来 な いため,“ 楽 だ"と の誤認 で放置 され るが 合剤 を内服 す る こ とで月経期 間を遅 らせ るこ とが 将来 の不妊症 ,Jり F障 害 の原因で最 も多 いの が本 で きる。 症 であ る。 治 りに くいニ キ ビや競技 をやめる と太 , りやす いの も特徴 である。 授乳期 に上 昇 す るプロ ラクチ ンが高値 の場合 も , 11章 1女 子サツカー選手の健康 267 Ee掛畔悩 ︵ せヽ 10 11 12 13 14 15 16 17 年齢 (歳 ) 腫彊l初 経発来 のみ られな い場合の成長率曲線 実線は正常女児の成長速度曲線 ,点 線は月経初来のみられない女児の成長速度曲 線 (タ ーナー症候群女児)。 成長スパー トがみ られず′ このような曲線をたどる と予想身長よりも低 い身長 となる ことがあり、月経が発来 しないことがある [文 献 20)よ り改変 ] 排卵 が抑市1さ れて無月経 とな るこ とが あ る。汗 を 娠 を防 ぐ意味 で も低容量 ピ/t/の 内服 を考 えた い か きに くい選手 で この高 プ ロ ラクチ ン血 症 がみ ら (低 容量 ピ7L/は 20。 れ る ことがあ る プ ロ ラクチ ンがナ トリウム貯 ドー ピング禁止物質 には含 まれな い)。 留作用 を持 つ こ とと,関 係 して いる と考 え られて い る。 プ ロ ラクチ ン分泌 を抑制 す る薬 はあ るが , a.骨 粗霧症・疲労骨折 29。 d.妊 娠 月経開 疲労骨折 の多発年齢 は 16.7歳 である 始の 1年 後,成 長 スパ ー トの 2年 後 に骨量 の増加 サ ッカーの場合 ,男 女交際 を禁止 して いるケー の ピーク となる (図 放置 され て いるのが現状 であ る。 ス は少 な く,運 動性 無 月経 と考 えて いた ら妊娠 だ った とい うこ とも考 えてお かねばな らな い。緊 急避妊法 で代表 的なヤ ッペ法 (性 交後 72時 間以内 及, その に卵胞 ホルモ ン・黄体 ホ/1/モ ン合剤 を内月 lb)。 骨 の長軸の伸 びに骨密 度の増加 が追 いつかない状態 で,骨 は長 さに比 し い た強度 が得 られ に くい ため,強 度不足 の骨 に持 続的な衝撃 が加わ ることにより,疲労骨折 をきた しやす くな る。初経 がなかった り,エ ス トログン の副作用 はあ る ものの,知 ってお く必要 が あろ う。 の分泌低下 が生 じると,骨 密度 が上昇せず,い つ そう疲労骨折 を起 こしやす い。エス トログ ンが不 また,パ ー トナー を有 す る選手 は,意 図 しな い妊 ンシ ウムの吸収 が 4分 の 1程 度 に低下 足す るとカノ 12時 間後 にさ らに同量 内服 す る)2● は,嘔 気 な ど 268 するとされてお り,治 療 はエス トログン投与 が必 女性 ホルモ ンの関与 も注 目されて いる。膝前十字 要 である。 しか しなが らエス トログン投与 は身長 靭帯 の細胞 にエ ス トログ ンや プ ログス テ ロンの受 の増加 に妨げ となるため月経周期確立前の投与 は 容体 が存在 す るこ とが報告 されて いる。排卵期 に 難 しいが,そ の後は積極的にエス トログン補充 を 行 うべ きと考 える。 前十字靭帯損傷 が発 生 しやす く,黄 体期 では少 な 明 らかにカルシウム摂取 の不足 によると考 えら 解 は一 致 してい な い 。 プ ログス テ ロ ンは妊娠 の れるケース も多 い。米国では 15∼ 18歳 の推奨カ 維持 に必要 で,妊 娠 中 に靭帯 の柔軟性 が増加 す る ルシ ウム摂取量 は 1,300 mgと 提示 されているが こ とか らプ ロ グ ス テ ロ ンの 関与 が推 定 され る。 日本人の平均 カルシウム摂取量 は 1日 550 mg程 PCOSで は プ ログス テ ロ ン分泌低 下 に加 え, , い とい う報告 もあ るが,否 定的 な意見 もあ り,見 2つ テス 度 である。骨粗髪症の予防 と治療 ガイ ドライ ン トス テ ロ ン高値 によ り筋 肉の発達 が先行 して しま 2006年 版 で,治 療 のための摂取 目標量 800 mg以 うこ とで,靭 帯 に過剰 な負担 を与 えるの ではな い 上の記載 に加 え,「 食事 で十分摂取 で きない場合 か と考 えて い るが,PCOsの 定義 も難 しいため実 は 1,000 mgの サプリメ ン トを用 いるJと わざわ 証 が難 しい。 ぎ併記 されてお り,食 事 のみか らのカルシウム摂 3)対応 ・治療 取 はかな り困難であるとの認識を示 している と思 これ まではホルモ ン投与 による消退 出血 を起 こ 骨粗霧症 に適応のあ るのは リン酸水素 すのみ であった。 スポー ツ選手 に とってのエ ス ト カル シ ウム とL― アスパ ラギン酸 カル シウム71c和 ログ ンは重要 であ るが,未 成年 に対 してのエ ス ト 及しに くく,後 者 は 物 であるが,前 者 は粉末 で内月 ログン投与 はホルモ ン剤 に抵抗 あ るわが 国 ではな 錠剤 1錠 20 mg強 しかカルシウムが含 まれていな か なか受容 され に くい もの と考 える。保険適応 の いため',内 月 艮しやす いカル シウム含有量 の高 い 拡大 に伴 い低容量 ピルの利用 を勧 めたい。 20。 われる サプリメン トの利用 も一考 と思われる。骨粗霧症 従 来 ,サ ッカ ー 選 手 の 医学 管 理 としては,外 治療薬 の ビスフォスフォネー ト製剤 は,妊 娠 に対 傷 ・障害 の管理 が 中心 であったが,女 性特有 の コ す る影響 がわかっていないこ とか ら,妊 娠可能年 ンデ ィシ ョンがパ フォー マ ンス と関係 して くる こ 齢女性 には使用 しにくい。 とが分 か り,注 目され るよ うになって きた。選手 そのほか,食 事 の摂取 において塩分 の過剰摂取 のなかには これ ら女性特有 の問題 を抱 えなが ら , は,カ ルシウムの尿中J卜 出をもた らすので留意 が 対処 がわ か らず相談 もで きず に放置 した り,指 導 必要であ る。 リン酸 はカルシウム尿症を促進す る 者 に も認識 されてお らず無視 され るケース も存在 ため, これを多 く含 む清涼飲料水や保存食品な ど している。育成年代 では食 育 にその解決 を求 め る 食指導 は ことも多 いが,栄 養 だけでは解決 しな い状況 は高 重要 と考 えられるが,す でに疲労骨折 を生 じてい 校生年代 では特 に顕著 で,サ ッカー女子 では要注 る場合 は,食 事 でのカルシウム摂取 で事足 りると 意 な年代 であ る とはっ きり認識 すべ きである。 20。 に気 をつ けるこ とはい うまで もない の認識 は疲労骨折 を繰 り返す結果 にな りかねない。 (松 田貴雄 ) b.靭 帯損傷 女性 に多 いスポーツ外傷 ・障害 の 1つ に前十字 靭帯損傷 があげ られる。女子選手は非接触型の損 傷 が多 く,発 生要因 として大 きな Qア ングルによ る大 きなタト 反,高 い関節弛緩性 があげ られるが 文 献 …… … … … …… …… … … …… … … … … … … 1)グ ーブ マーキン,モ ナ シャンゴール ド:女 性版ザ・ス ポーツメディスンブック ブックハウスエイチディ,1987 2)苛 原 稔 編:不 妊症・不育症 医薬ジャーナル社,p7,2009 3)目 崎 登 :女 性スポーツの医学 文光堂,1997 , 鯰 11章 1女 子サ ツカー選手の健康 269 4)岡 田義昭 監 :成 長異常疾患ガイ ドブツク 診断 と治療社 , 1992 5)田 中弘之 :骨 粗髪症予防 ―小児期の重要性 (特 集 骨粗愁症 ― 診 ・治療の最前線)日 本医師会雑誌 136:307311,2007 HI「 6)日 野林俊彦 :わ が国の初潮年齢 産婦人科治療 60:145149, 2010 9)松 田貴雄,秦 祥彦,釘 宮基泰,他 :女 性アス リー トの疲労 骨折 臨床スポーツ医学 27:383388,2010 貴 :ス ポーツと貧血 月刊 スポーツメディシン53:6- 10, 2003 11)豊 岡示朗 :長 距離 ランナーの貧血 とその予防 月刊 スポーツ メディシン 5311115,2003 12)中 堀千香子,松 田貴雄,他 :エ リー ト女子サ ッカー選手 の鉄 欠乏正貧血 に対する食事の影響 第 22回 女性 スポーツ医学 lf究 会学術集会,2008 13)今 川克彦, 中彩 乃,堀 江正樹 :ス ポーツと貧血 日本医師 会雑誌 137:1204,2008 14)杉 本耕一 :貧 血患者へ のアプローチ 鉄剤の使 い方 日本医 師会雑誌 13711220,2008 15)松 田貴雄 :ス ポーツによる拒食症 第 18回 日本臨床 スポー ツ医学会学術集会 シンポジウム :女 性選手のメディカルサ ポー トの最新, 日本臨床 スポーツ医学会誌 161227-233, 270 年 禁止表国際基準 2010 :「 月経期間中の スポーツ活動 に関 日本臨床スポーツ医学会誌 18:148152, 17)松 田貴雄.難 波 聡 ,他 する指針Jの 検討 2010 1990 7)小 堀宏之.武 内裕之 木下勝之 (鈴 木秋悦 編):今 日の不妊 診療 医歯薬出版,p22,2004 8)早 川直樹 :ス ポーツ医療業務 (1)一 身体機能測定 日本サ ッ カー協会 JFAメ ディカルセンター 2009年 次報告書,p1213. 10)川 原 2008 16)世 界 アンチ・ ドーピング機構 :世 界 ドーピング防止規程 2010 18)田 中光造 :女 子サッカー選手の育成管理 選手 と指導者のた めのサ ッカー医学,金 原出版,p359366,2005 19)楢 原久司,有 馬和代, 甲斐謙吾,他 :思 春期の続発無月経 と そのホルモン療法 ―第 1度無月経 と第 2度 無月経の比較から 日産婦九州連合会誌 11:757912000 20)松 田貴雄 :女 性 アスリー ト 無月経 と拒食症 の リスク 画像 言 ,世 F28 :821-829, 2008 21)岡 田義昭 監 :タ ーナー症 ln_群 メデ ィカルレビュー社,1995 22)和 泉俊一郎,布 田孝代 :こ こが知 りたい PCOSの 最新情報 PCOと 多毛 臨床婦人科産科 64:187194.2010 23)楠 原浩二 :も っ と自分の か らだを知ろ うよ,女 性 アス リー ト 1 月刊 スポーツメディシン 52:4547,2003 24)北 村邦夫 :新 しいホルモン製剤の使 い方 低用量経 口避妊薬 と緊急避妊法 産婦人科の実際 59:4552,2010 臨床 スポーツ医学 20:9298 25)内 山英司 :疲 労骨折 の疫学 2003 26)細 井孝之 :食 習慣 と骨粗髯症 2402 日本医師会雑誌 13612398- 2008 27)橋 本 実 陛周期 が膝前十字靭帯 に与える影響 :′ ツ医学 19:9951000,2002 臨床 スポー
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