理事長所信 一般社団法人伊勢青年会議所 第六十代 理事長 山田 純也 1957年2月9日、戦後の復興期に経済社会の健全な発展を目指した志高い青年たち の揺るぎない意志により、このまちに伊勢青年会議所が誕生した。その後年月は流れて も、志高い青年たちの意志を受け継いだ、その時代に生きる青年たちが時代の流れと共に 変化する地域の問題に向き合い、このまちの為に、このまちに住まうひとの為に、そして 自身の成長の為に、自らの貴重な青年期を青年会議所活動に費やし続けた。一つひとつ着 実に紡がれてきたその揺るぎない意志は創立60周年を迎える本年においても我々会員の 胸に大きく刻まれている。59年という長い年月の中で、その時代その時代に必要とされ るものを見極め、青年会議所活動に邁進してこられた全ての先輩諸兄の皆様に、こころよ り感謝申し上げるともに、その紡がれてきた揺るぎない意志をしっかりと受け継ぎ、今後 もこのまちの為、ひとの為、自分自身の成長の為に青年会議所活動に邁進していくことを ここに誓いたい。 青年会議所の基本理念でもある「明るい豊かな社会」とはどのような社会を指すのか。 それは時代の変化に伴い、常に進化していくものであると考える。60年前に青年たちが 想い描いた社会は今や現実のものとなった一方、現代では当時からみれば思いも寄らなか った新たな問題が浮き彫りとなり、多くの課題を抱えたまま、明るい未来を想い描くこと すら困難な状況に陥っている。しかし、誰もが未来に大きな不安を抱えている今だからこ そ、この時代に生きる我々青年は決して立ち止まることなく、目の前の課題に真っ向から 立ち向かい行動することで、一つずつ確実に解決へと導いていかなければならない。なぜ ならば、時代が大きく変化する中でも何一つ変わることなく紡がれてきた揺るぎない意 志、即ちこのまちを一途に愛し、我々が住まう地域の発展をこころから望んだ強く大きな 想いを我々が伝承する証となるからである。 この地に住まう青年として、このまちをこころから愛する青年として、地域と真っ直ぐ に向き合い、未来のまちのあるべき姿を明確なものとすることで、英知と勇気と情熱をも って目の前に蔓延る課題解決へと行動していく。それは水面に落ちる小さな水滴の一つな のかもしれない。しかしその水滴から生まれる波紋は少しずつではあるが確実に広がりを 見せ、やがては水面全体を包み込む大きな輪となり新たな道を拓くだろう。 そして我々が想い描く理想の社会は地域コミュニティとの連携を無くしては導くことは できないと考える。 「このまちを愛する」という共通の想いを軸とした有機的且つ広域的 な繋がりを構築し、地域に対して広く公益的運動を展開していくことで、この地域に住ま うことへの誇りが満ち溢れ、内部から輝きを放つ希望溢れる社会へと導くことができると 考える。この地を愛する青年たちよ、このような時代だからこそ、この地域の未来につい て語らい、手を取り合いながら行動という大きな一歩を踏み出そう。 青年会議所という団体は、次代を担う青年たちが集い、自らが所属する組織、或いは地 域社会のリーダーとなるべく、自らの修練と互いの切磋琢磨を積み上げ、磨き上げること で成長する場である。 「時間がない」 、 「忙しい」等を言い訳にして、ただ組織に在籍して いるだけでは得られる物は何も無い。むしろ自らの後ろ向きな未熟さを露呈してしまうこ とに繋がるだろう。自らの貴重な青年期を費やし、青年会議所という団体に身を置くなら ば、修練という荒波に足を付け、自らを奮い立たせよう。そうすることが、大きな課題に も真っ向から対峙できる会員としての揺るぎない姿勢を形成することに繋がると確信をし ている。 60年続く伝統ある組織の会員として、自らを律することはもちろんのこと、気品溢れ る青年会議所会員としての誇りを胸に、会員であるからこそ得られた学びと、ぶつかり合 うことで研ぎ澄まされた己の資質の基、未来に対し明るい兆しを探り、仮説を立て実行 し、検証し続けなければならない。もしも未来が見えないのならば、自らで創ればいい。 自らが時代を切り拓くという使命を一人ひとりが常に持ち活動に力強く邁進していただき たい。 一般社団法人伊勢青年会議所は本年で60周年を迎える。60年とは人で言えば還暦の 齡であり、還暦の「還」は「かえる」、「もどる」を意味し、 「暦」は干支を意味する。干 支は本来、十干十二支からなる60通りの組み合わせから成り立つ。つまり還暦とは60 年で十干十二支が一回りし、生まれた年の干支に還ることである。還暦を迎えた人々は、 赤いちゃんちゃんこに赤い帽子を被ってお祝いされる。これは産まれたばかりの赤子を連 想させるものであり、新たな生まれ変わりを意味するものでもある。 我々、一般社団法人伊勢青年会議所は50周年の際に打ち出した「市民創勢」の概念を 基軸に置き、10年間活動に邁進してきた。そしてその成果においても、まちに対して一 定の成果を築き上げることができたと確信をしている。我々は、時代が目まぐるしく変化 する現在において、この60周年を生まれ変わりの節目と位置付け、新たな一歩を力強く 踏み出す為、このまちの明るい未来へ向けた新たな中長期的活動ビジョンを提唱する必要 があると考える。その為にまずは、時代の流れを読むと共に、このまちが辿った歴史や、 伊勢青年会議所が辿った軌跡としっかり向き合うべきであると考える。我々が住まうまち がどのような歴史を辿り、その中で伊勢青年会議所が如何にして新たな道を切り拓き今現 在に至るのか。そしてその過去から読み取った史実と青年経済人ならではの若々しい発想 を基に、理想的発展を現実のものとする為、今後どのような展望が予測できるのかを着実 に見定めながら、それに対応する為の緻密且つ躍動的な未来戦略を打ち出していきたい。 今この国において必要不可欠なものは何なのか。それは、「こころの豊かさ」であると 考える。衣食住は昔に比べれば確実な発展を遂げてはいるが、人のこころに目を向ければ 目の前の課題を直視することができず、上を向いては不平不満を漏らし、決して「当たり 前」ではないことを「当たり前」だと錯覚をしているのではないだろうか。夏がくると 「冬がいい」と言い、冬がくると「夏がいい」と言いという。忙しいと「暇」を求め、暇 になると「忙しさ」を求める。自分自身に都合のいい人は「善い人だ」と言い、逆に都合 の悪い人は「悪い人だ」と言う。一体自分は何故今生きていることができるのか。それは 今まで自分を育ててくれた全ての「人」のおかげであり、そのような環境で育つことがで きた「まち」のおかげである。全ての人が自我妄執を捨て、人に対して、そして地域に対 して思いやりを持って接し、共に助け合いながら行動することができれば、その地域は内 部から輝きを放つ地域となるだろう。 我々の住まうこの地域は神宮がご鎮座することで、人々の交流地として発展してきたか らこその思いやり溢れる素晴らしい精神文化が根付いている。そんな地域に住む我々青年 がまずはその魅力に目を向け、活力的に運動を展開していく中で、地域コミュニティとの 有機的な連携の中から広域的な発信をすることができれば、この地域は更に光り輝くだろ うし、ひいてはこの国を光り輝かすことへの大きな礎に繋がると確信をしている。 経営的視点から物を作り、物を売るという流れの中で何が重要となってくるのか。 おもしろい「もの」 、おいしい「もの」、便利な「もの」が全て売れるといえば、それは決 してそうではないと言える。なぜならば、全ての作り手はそのような「もの」であると確 信をもって作っているからである。その中で「流行るもの」と「流行らないもの」に二分 化されるのは、数ある要素の一つとして、前者が消費者に対し、広報を駆使することで、 おもしろ「そうなもの」 、おいし「そうなもの」、便利「そうなもの」であると予感させる ことに成功したからではないだろうか。 我々青年会議所は自らの活動や、その功績をアピールすることを目的としているのでは ない。しかしながら認知されていないということが、社会から認められていないというこ とに繋がるならば、またそれが会員の減少に少なからずとも結びついているのであれば、 今一度、広報活動を見つめ直す必要があると考える。 青年経済人ならではの経営的視点から広報活動に向上心を持って取り組む中で、今まで 以上に、我々の地域に対する熱い想いを工夫を凝らし発信することで、体内外においての イメージの共有に繋げ、地域全体が予感を感じ取れる有効的且つ魅力的な広報活動を行な っていきたい。 そして今後も地域に対し継続的な活動を展開していく中で、人の集合体が組織である以 上、本年も会員拡大は重要課題の一つであると考える。まちの為に、このまちに住まうひ との為に、そして自身の成長の為に「一緒に活動していきたい」という期待が感じ取れる 拡大活動を未来の同志になりうる青年に対し、全会員一丸となって取り組んでいきたい。 我々がこの地域を想い行なっている活動が、所属会員からの貴重な会費を財源として成 り立っている以上、会計の健全性や透明性に更に磨きをかけなければならないのはもちろ んのこと、地域から信頼される意義溢れる運動を展開し続ける為にも、財務面を見つめ直 すとともに、定款・諸規定の管理を確実に行い、法人格を有する組織としての社会的責任 を果たしていく必要がある。 我々は活動の基盤となる定款・諸規定を遵守することでコンプライアンスを徹底し、運 動の基盤をなす財務面の更なる強化を図る中で、活動を支える財源の将来にわたる安定的 な確保に向けた未来設計を理知的に構築することで青年会議所活動の継続性と運動の連続 性を更に高めて行きたいと考える。 我々が考えるリーダーシップとはどのようなものなのか。 それは神輿の上から引手に対し、指示を出すものを指すのではない。自らが引手の先頭 に立ち、後ろを支える人に指示を出し、時には鼓舞することで士気を高め、混沌という未 知の領域から新たな道を切り拓いていくものであると考える。 近年の法人制度改革において、 「公益」か「一般」が議論され、2012年12月、 我々は一般社団法人伊勢青年会議所として新たな一歩を踏み出した。しかしそれは59年 間という永い歴史の中でのただの通過点でしかないし、 「公益」・ 「一般」どちらを取得し ていたとしても我々の活動はこの先も何も変わることはないだろう。 我々にとって最も重要なのは、何一つ変わることなく紡がれてきた揺るぎない意志、即 ちこのまちを一途に愛し、我々が住まう地域の発展をこころから望んだ強く大きな想いを 我々がしっかりと受け継ぐこと、そして未来を担う会員に着実に継承していくことであ る。この地域に対し、揺るぎない意志の基、リーダーシップを常に発揮し、活動を展開す ることができれば、必ずこの地域は光り輝くだろうし、この地域が光輝けば、それは日本 が光り輝く為の大きな礎となる。 この地域に住まう青年として、歴史ある組織の会員として、今自らを奮い立たせよう。 この地域に住まうことへの誇りが満ち溢れ、内部から輝きを放つ希望溢れる社会の創造へ 向けて。時代の節目となる大きな変化が起こる時、そこにいるのはいつの時代も青年であ る。 スローガン 継承、そして光り輝く未来の創造へ 行動という大きな一歩が新たな次代を切り拓く 基本方針 地域コミュニティとの有機的連携からなる繋がりの構築 仲間との協調を通して自らの成長へと繋げる委員会活動の実践 地域の次代を担う会員の拡大 新年会・卒業式・忘年会の開催 会員委員会 趣味の会への支援 全国大会・三重ブロック大会への対応 会員拡大 60周年特別委員会 60周年記念事業の企画・開催・運営 会員拡大 地域コミュニティとの連携強化 “Ⅰ Love ISE”推進運動 地域力開発委員会 第45回伊勢少年少女合宿講習会の開催 献血運動 会員拡大 予感を感じ取れる広報の調査・研究及び実施 広報拡大委員会 第43回JC青年の船「とうかい号」への対応 会員拡大の取り纏め 事務局及びJC会館の管理・運営 会計業務 渉外業務 総務渉外委員会 京都会議への対応 サマーコンファレンスへの対応 東海フォーラムへの対応 会員拡大
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