平成24年11月 岬町 四種混合(ジフテリア・百日せき・破傷風・不活化ポリオ)ワクチンの接種について ~予防接種の前に必ずお読みください~ 1.ジフテリア・百日せき・破傷風・不活化ポリオ(急性灰白髄炎)について ①ジフテリア ジフテリア菌の飛沫感染で起こります。現在は予防接種の効果で患者発生数は年間で0~1人程度です。しか し、ジフテリアは感染しても10%程度の人に症状が出るだけで、残りの人は症状がでない保菌者となり、その 人を通じて感染することもあります。感染は主にのどですが鼻にも感染し、高熱、のどの痛み、犬吠様のせき、 嘔吐などです。また、偽膜と呼ばれる膜ができて窒息死することもあります。発病2~3週間後には菌の出す毒 素によって心筋障害や神経麻痺を起こすこともあります。 ②百日せき 百日せき菌の飛沫感染で起こります。百日せきは普通のかぜのような症状で始まります。続いてせきがひどく なり、顔を真っ赤にして連続的にせき込むようになります。せきのあと急に息を吸い込むので、笛を吹くような 音が出ます。熱は通常出ません。乳幼児はせきで呼吸ができず、くちびるが青くなったりけいれんが起きること があります。肺炎や脳症などの重い合併症を起こし、乳児では命を落とすことがあります。 ③破傷風 破傷風菌は、ヒトからヒトへ感染するのではなく、土の中にいる菌が、傷口からヒトの体内に入ることによっ て感染します。菌が体の中で増えると、菌の出す毒素のために、筋肉のけいれんを起こします。最初は口が開か なくなるなどの症状が気付かれ、やがて全身のけいれんを起こすようになり、治療が遅れると死に至ることもあ る病気です。患者の半数は本人や周囲が気づかない程度の軽い刺し傷が原因です。土中に菌がいるため、感染す る機会は常にあります。また、お母さんが抵抗力(免疫)を持っていれば出産時に新生児が破傷風にかかること を防ぐことができます。 ④ポリオ(急性灰白髄炎) 「小児まひ」と呼ばれ、2000 年(平成 12 年)には世界保健機関(WHO)は日本を含む西太平洋地域のポ リオ根絶を宣言しました。しかし、海外では野生ポリオウイルスによるポリオの発生がみられており、日本に野 生ポリオが入ってくる可能性も考慮しておく必要があります。口から入ったポリオウイルスは咽頭や小腸の細胞 で増殖します。増殖したウイルスは便中に排泄され、再びヒトの口に入り抵抗力(免疫)を持っていないヒトの 腸内で増殖し、ヒトからヒトへ感染します。ポリオウイルスに感染しても、ほとんどの場合は症状が出ず、一生 抵抗力(終生免疫)が得られます。症状が出る場合、ウイルスが血液を介して脳・脊髄へ感染が広まり、麻痺を 起こすことがあります。ポリオウイルスに感染するとかぜ症状があり、発熱を認め、続いて頭痛、嘔吐があらわ れます。また、感染した人の中で約 1,000~2,000 人に1人の割合で手足の麻痺を起こします。一部の人には、 その麻痺が永久に残ります。麻痺が進行し、呼吸困難により死亡することもあります。 2.四種混合ワクチンについて 平成24年11月より、四種混合が定期接種に加わりました。 ①ワクチン接種の効果 四種混合ワクチンの接種によって、抗体の産生を誘導し、ジフテリア、百日せき、破傷風及びポリオの発症を 予防します。 ②副反応 国内臨床試験において、接種部位については紅斑、硬結、腫脹が、接種部位以外について、発熱、気分変化、 下痢、鼻漏、せき、発疹、食欲減退、咽頭紅斑、嘔吐が確認されています。また、重大な副反応としてまれに接 種後にショック、アナフィラキシー様症状、血小板減少性紫斑病、けいれん、脳症などがあらわれることもあり ます。このような症状があらわれた場合は、すぐに医師に相談してください。 ③その他の基本的注意 類薬(不活化ポリオワクチン(ソークワクチン))において、因果関係は明確ではないがギラン・バレー症候 群、急性散在性脳脊髄炎の海外報告があります。なお、本剤の臨床試験における報告はありません。 3.四種混合の接種スケジュールについて 対象者は、生後3月~90月に至るまでの者(生後3か月になる前日から7歳 6 か月になる前日まで)のお子 さんです。対象年齢を過ぎると任意接種(有料)となります。 標準的な接種スケジュールは次のとおりです。 ○1 期初回接種は、生後3か月~12か月に達するまでの期間 ○1期追加接種は、初回接種終了後12か月~18か月に達するまでの期間 初回(1 回目) 初回(2 回目) 初回(3 回目) 1→2回目、2→3回目はいずれも、20 日~56 日の間隔をおいて 追 加 初回3回目終了後、6 か月以上おいて(12 か月~18か月の間隔をおくことが望ましい) 4.次の方は、予防接種を受けることができません ①明らかに発熱している方(通常は 37.5℃を超える場合) ②重い急性疾患にかかっている方 ③このワクチンによってアナフィラキシー(通常接種後30分以内に出現する呼吸困難や全身性のじんましんな どを伴う重いアレルギー反応のこと)をおこしたことがある方 ④その他、かかりつけの医師に予防接種を受けないほうがよいといわれた方 5.次の方は、接種前に医師にご相談ください ①心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障がいなどの基礎疾患のある方 ②過去に予防接種で接種後2日以内に発熱、全身性発疹などのアレルギーを疑う症状のみられた方 ③過去にけいれん(ひきつけ)をおこしたことがある方 ④過去に免疫不全の診断がなされたことのある方もしくは近親者に先天性免疫不全症の人がいる方 ⑤このワクチンに対してアレルギーをおこすおそれのある人 6.接種後の注意 ①接種後30分間は、ショックやアナフィラキシーがおこることがごく稀にありますので、医師とすぐに連絡が とれるようにしておきましょう。 ②接種後に高熱やけいれんなどの異常が出現した場合は、速やかに医師の診察を受けてください。 ③接種後1週間は体調に注意しましょう。また、接種後、腫れが目立つときや機嫌が悪くなったときなどは医師 にご相談ください。 ④このワクチンの接種後、違う種類のワクチンを接種する場合には、6日間以上の間隔をあける必要があります。 ただし、医師が特に必要と認めた場合は同時接種が可能です。 ⑤接種部位は清潔に保ちましょう。入浴は問題ありませんが、接種部位をこすることはやめましょう。 ⑥接種当日は激しい運動はさけてください。その他はいつも通りの生活で結構です。 7.予防接種による健康被害救済制度について ①定期接種によって引き起こされた副反応により、医療機関での治療が必要になったり、生活に支障が出るよう な障害を残すなどの健康被害が生じた場合には、予防接種法に基づく給付を受けることができます。 ②健康被害の程度などに応じて、医療費、医療手当、障がい児養育年金、障がい年金、死亡一時金、葬祭料の区 分があり、法律で定められた金額が支給されます。死亡一時金、葬祭料以外については、治療が終了する又は 障がいが治癒する期間まで支給されます。 ③ただし、その健康被害が予防接種によって引き起こされたものか、別の要因(予防接種をする前あるいは後に紛 れ込んだ感染症あるいは別の原因など)によるものなのかの因果関係を、予防接種・感染症医療・法律など、各分 野の専門家からなる国の審査会にて審議し、予防接種によるものと認定された場合に補償を受けることができ ます。 ※ 給付申請の必要が生じた場合には、診察した医師、岬町立保健センターへご相談ください。 【問い合わせ先】 担当:岬町立保健センター 電話:072-492-2424(直通)
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