FDA が Lovenox®(エノキサパリンナトリウム注)の ST 上昇心筋梗塞へ

報道関係者各位
2007年2月15日
この資料は、サノフィ・アベンティス社(フランス、パリ)が2月6日(現地時間)に発表したプレスリリースを
日本語に翻訳再編集したものです。この資料の正式言語はフランス語・英語であり、その内容および解釈につい
てはフランス語・英語が優先します。http://www.sanofi-aventis.comをご参照ください。
FDA が Lovenox®(エノキサパリンナトリウム注)の
ST 上昇心筋梗塞への適応追加申請(sNDA)を優先審査の対象に指定
―欧州でも STEMI への適応を申請―
フランス、パリ、2007年2月6日:サノフィ・アベンティスは、米食品医薬品局(FDA)が、急性心臓発作
の一種であるST上昇心筋梗塞(STEMI)患者の治療薬として、抗凝固薬Lovenox ® (一般名:エノキサ
パリンナトリウム注)の適応追加申請を、優先審査の対象として認めたと発表しました。STEMIは、心筋
梗塞の一種で、動脈が完全に閉塞されることにより、心筋に損傷を生じます。この動脈閉塞は、冠状
動脈での血栓形成が原因となっています。
FDAは、既存の治療法や治療薬と比較して著しい改善をもたらすと考えられる追加適応や新薬の申
請を優先審査の対象に設定しています。
また、エノキサパリンは、フランス、ドイツ、イギリス、イタリア、スペインなどの欧州諸国でもST上昇心筋
梗塞を適応として申請されています。
Lovenox ® は、血栓塞栓疾患の予防と治療のために、96カ国で7つの適応*で承認されている低分子
量ヘパリン(LMWH)です。その適応には、不安定狭心症や非Q波(非ST上昇)心筋梗塞による虚血
性合併症の予防、ならびに肺塞栓症(PE)や深部静脈血栓症(DVT)を含む静脈血栓塞栓症(VTE)
の予防などがあります。 *適応は国ごとに異なる場合があります。
FDAへの申請は、New England Journal of Medicineの2006年4月号に掲載され、2006年の米国
心 臓 病 学 会 第 55 回 年 次 総 会 で 発 表 さ れ た 、 画 期 的 な ExTRACT-TIMI 25試 験 ( Enoxaparin and
Thrombosis Reperfusion for Acute Myocardial InfarCtion Treatment, Thrombolysis In
Myocardial Infarction-Study 25)の結果に基づいて行われました。この臨床試験には、線溶療法が
処方される急性STEMI患者2万人超が参加しました。
冠動脈疾患(CAD)と急性冠動脈症候群(ACS)について
CADは、心疾患の中でも最も頻度が高いもので、国際的に重大な健康問題となっています。CADに
よる年間死亡者数は約1,700万人に上り、これは世界中の死亡者の3人に1人に相当します。
ACSは、冠動脈の狭窄が原因の臨床診断全般を指す包括的な名称で、CADにより心筋内で酸素の
需要と供給のバランスが乱れた結果生じる急性心筋梗塞に対応する、一連の臨床症状がこれに当て
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はまります。
ACSの場合、すべての症例で緊急治療が必要です。治療方法は多面的で、病変部の心筋がそれ以上損
傷を受けないように保護し、動脈の血流を回復させると同時に、心臓の酸素需要量を減らす治療を行いま
す。緊急治療室での主な目標は、その他の原因による胸痛を除外することで心筋梗塞(STEMI)患者を迅
速に識別し、患者を低リスク群と高リスク群に階層化することです。
心臓への血流の回復(再潅流)は、血栓を溶解する薬剤(血栓溶解薬)の使用、あるいは外科手術[経皮
的冠動脈インターベンション(PCI)]による機械的な方法のいずれかで行われます。ACSの薬物療法として
は、血小板の接着と血栓の形成を防ぐ抗血小板薬や、血液の凝固を防ぐ抗凝固薬などが使用されていま
す。抗凝固薬により、血栓の成長と新しい血栓の形成は予防できますが、血栓を溶解することはできませ
ん。
静脈血栓塞栓症(VTE)について
VTEは、静脈に生じた血栓の形成を表す用語です。静脈系のどこでも起こる可能性がありますが、最も頻
度が高いのは、深部静脈血栓症(DVT)(通常、脚に発症する)と肺塞栓症(PE)です。
深部静脈血栓症(DVT)および肺塞栓症(PE)について
DVTは下腿部や大腿部の深部静脈内に生じる血栓のことです。DVTは血栓が静脈内の血流を部分的もし
くは完全に止めることで起きます。一方、PEは生命に危険を及ぼす合併症で、血栓の一片が剥がれ肺動
脈を閉塞することで起こります。PEの症状には、息切れ、頻脈、過剰発汗、鋭い胸痛や強度の低血圧があ
ります。
DVTはリスク因子をもつ誰にでも起こりえる疾患です。リスク因子としては、長期臥床、怪我、肥満、喫煙、
経口避妊薬、妊娠、手術および/もしくはがんなどの疾病があります。
DVTの治療には早期離床、間欠的空気圧迫法・弾性ストッキング、抗凝固薬などがあります。
エノキサパリン(製品名:Lovenox ® /Clexane ® )について
エノキサパリンは、抗凝固薬の低分子ヘパリン(LMWH)製剤です。適応は薬剤の抗血栓特性に基づいた
疾患群です。エノキサパリンは、静脈または動脈内の血栓形成を抑制するため、肺塞栓症・心筋梗塞・心
血管死などの急性期あるいは慢性期の静脈・動脈血栓症を予防・治療するために使用されます。他の抗
凝固薬と同様、最も頻度の高い副作用は出血です。エノキサパリンは最も広く研究されているLMWHであ
り、15年間にわたり96カ国で1億3000万人の患者さんに使用されています。なお、日本では、「股関節ま
たは膝関節置換術施行後における深部静脈血栓の防止」を予定する適応症として、現在申請中です。
サノフィ・アベンティスについて
サノフィ ・アベ ンティスは製 薬業界におけ る世 界のリー ディング・カンパニー です。
ワールドクラスの研究開発組織に支えられ、循環器疾患、血栓症、がん、代謝性疾患、中枢神経系疾患、内科
系疾患、ワクチンの主要7治療分野で主導的な地位を占めています。サノフィ・アベンティスは、パリ
(Euronext:SAN)およびニューヨーク(NYSE:SNY)に上場しています。
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