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Press release Sanofi Pasteur
2008 年 11 月 19 日
本資料は、サノフィパスツール社(本社:フランス、リヨン)が 11 月 12 日(現地時間)に発表したプレスリリースを
日本語に翻訳・編集したものです。本資料の正式言語はフランス語・英語であり、その内容および解釈については
両言語が優先します。www.sanofipasteur.com をご参照ください。
ロシアが全乳児を対象とした初回免疫に
サノフィパスツールの不活化ポリオワクチンを採用
―サノフィパスツールとロシア医学アカデミー・チュマコフ研究所がロシア政府の「保健プロジェクト」に
不活化ポリオワクチン(IPV)IMOVAX PolioTMを提供―
2008年11月12日、フランス・パリ - サノフィ・アベンティスグループのワクチン部門であるサノフィパスツー
ルは本日、ロシアが全乳児を対象とした初回免疫にサノフィパスツールの不活化ポリオワクチン(IPV)を採用
したと発表しました。接種用のIPVは、サノフィパスツールとの製造契約を通じて、M.P.チュマコフ・ポリオおよ
びウイルス性脳炎研究所(M.P. Chumakov Institute of Poliomyelitis and Virus Encephalitides)によって提
供されます。
IPV接種は、ロシア政府の「保健プロジェクト」の一環として2008年夏に開始されました。これまでに400万接種
分のIPV IMOVAX PolioTMが供給されており、これにより全出生コホート(ロシアの年間出生児数は約130万
人)が推奨用量である3回分のIPV接種を受けることができます。
ロシア医学アカデミー・M.P.チュマコフ・ポリオおよびウイルス性脳炎研究所の上級科学顧問であり、アカデミ
ー会員でもあるセルゲイ・ドロズドフ(Sergey Drosdov)氏は次のように述べています。「チュマコフ研究所は、
ポリオ撲滅に有効な経口ポリオワクチンをロシアで最初に製造しました。今日では、IPVはポリオ撲滅後の予防
接種プログラムに最適なワクチンであり、ロシアの子供たちにIPVを提供できることは当研究所にとって誇りで
す」。
ロシア連邦は、2002年にポリオフリー(polio-free)国に認定されました。2006年からは、特定のリスク集団に属
する子供たちに対してIPV接種を実施しています。2008年半ばに、1歳未満の乳児全員に対して、初回免疫
としてIPVを3回接種した後に経口ポリオワクチン(OPV)を2回投与するというスケジュールで、予防接種を開
始しました。
ロシア医学アカデミー・小児保健科学センター診断部長兼小児科教授であるウラジーミル・タトチェンコ
(Vladimir Tatochenko)博士は、次のように述べています。「ロシアでは毎年130万人を超える子供がIPV接種
を受け、このワクチンの高い安全性プロファイルが生かされることになるでしょう。IPVは、ロシアの乳幼児の予
防接種スケジュールによく適合しています。DTP(ジフテリア、破傷風、百日咳)ワクチンとIPVは小児科受診時
に同時に接種される予定であり、DTP接種率が高い現状を考えると、IPVについても高い接種率が期待できま
す」。
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50ヵ国を超えるポリオフリー国がIPVを使用
ポリオ予防接種の国際的な保健基準になりつつある国家予防接種プログラムに、IPVを使用するポリオフリー
国が増えています。2007年にはメキシコが、サノフィパスツールの小児用混合ワクチン含有IPV Pentaxim®
(ジフテリア、破傷風、無細胞百日咳、不活化ポリオワクチン、b型インフルエンザ菌結合ワクチン)を、ラテンア
メリカ諸国で初めて国家予防接種プログラムに採用しました。トルコも国家予防接種プログラムにPentaxim®
を採用しています。
インドネシアでは、世界保健機関(WHO)が、熱帯地域でのOPVからIPVへの切替えを評価する試験的プロ
グラムを実施しています。サノフィパスツールは、同プログラムに対して5年間で150万接種分のIPVを寄付して
います。
20年間にわたり世界ポリオ撲滅イニシアチブを支援
サノフィパスツールは、1988年のWHOによる設立以来、世界ポリオ撲滅イニシアチブのパートナーを務めて
います。
・1988年以来、サノフィパスツールはOPV提供企業として主要な位置を占めており、2007年には6億接種
分を超えるワクチンを提供しました。これによりポリオ例数が99%減少し、推定500万人が麻痺を回避する
ことができました 。
・1997年から2005年の間に、サノフィパスツールは1億2,000万接種分の経口ポリオワクチンを寄付しており、
アフリカのポリオ撲滅に寄与しました(現在、アフリカのポリオ流行国はナイジェリアだけです)。
・2005年には、WHOからの緊急依頼を受けて、サノフィパスツールは新しい一価経口ポリオワクチン1型
(mOPV1)を開発しました。5,000万接種分のmOPV 1 がエジプトのポリオ撲滅キャンペーンで使用されま
した。その結果、WHOは2006年2月にエジプトをポリオフリーと宣言しました。
M.P.チュマコフ・ポリオおよびウイルス性脳炎研究所について
初代所長に就任したミハイル・チュマコフ(Michael Chumakov)氏によって、1955年にポリオ研究所が設立さ
れました。
1960年に、同研究所は他の研究機関から複数の研究室や研究部門を吸収し、ポリオおよびウイルス性脳炎
研究所となりました。
1956年から1958年にかけて、M.P.チュマコフ研究所は不活化ポリオワクチンであるソークワクチンを製造しま
した。同研究所が製造した経口弱毒生ポリオワクチン(OPV)は、1959年以降集団予防接種キャンペーンで
使用されています。
M.P.チュマコフ研究所が創始した経口ポリオワクチンの製造技術は、ポリオワクチンの製造および管理法とし
ては初めてWHOから認定を受けました。
1980年代には、ダニ媒介脳炎に対する新しい不活化ワクチンを開発しました。
現在科学者たちは、新しいハイブリッド技術を駆使して、ヒトγ免疫グロブリンの開発に取り組んでいます。
M.P.チュマコフ研究所は、狂犬病ワクチンやA型肝炎ワクチンも開発しており、これらのワクチンはロシアの別
の製造業者が集団予防接種用に製造しています。
同研究所には、研究と生産の緊密な連携という点で、他にない強みがあります。科学者たちは、新しいワクチ
ンを作り出すだけでなく、大量生産のための新技術開発にも携わっています。
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M.P.チュマコフ研究所の研究部門には18の研究室があり、アカデミー会員4人を含む研究員91人が所属して
います。同研究所は、生ポリオワクチンをはじめ、ダニ媒介脳炎、狂犬病、黄熱病、麻疹のワクチンを製造して
います。
ポリオについて
ポリオ(灰白髄炎)は、ウイルスが原因の非常に感染性の高い疾患です。ウイルスは神経系に侵入し、重度の
麻痺を引き起こす場合があります。口から体内に入ったウイルスは腸で増殖します。初期症状は、発熱、疲労、
頭痛、嘔吐、頚部硬直、四肢の疼痛です。感染患者さん200人あたり1人が永久麻痺(通常は脚)に至り、麻
痺患者さんの5~10%は呼吸筋が動かなくなって死亡します。ポリオに感染するのは、主に5歳未満の子供た
ちです。1994年の南北アメリカ地域に続き、2000年に西太平洋地域が、2002年にヨーロッパ地域が、世界保
健機関によってポリオフリーと認定されました。悲惨な伝染病ポリオの世界的な撲滅に向けて、世界規模の取
組みが続けられています。
サノフィ・アベンティスについて
世界をリードする製薬企業の一社であるサノフィ・アベンティスは、医薬品の創薬発見・開発・販売を通じて、
人々の生活の質の向上に取り組んでいます。
サノフィ・アベンティスは、パリ(Euronext: SAN)およびニューヨーク(NYSE:SNY)に上場しています。
サノフィパスツールはサノフィ・アベンティスグループのワクチン事業部門で、2007年には16億接種分以上の
ワクチンを提供しました。これは世界中で5億人以上の人々に対してワクチンを接種したことになります。ワクチ
ン業界における世界的リーダーとして、サノフィパスツールは、20もの感染症から人々を守る多くのワクチンを
提供しています。「命を守る ワクチンを創る」という会社の伝統は、一世紀以上の歴史を有しています。サノフ
ィパスツールはワクチンに特化したメーカーとして世界最大級の企業であり、日々、研究開発に100万ユーロ
以上を投資しています。詳しくはwww.sanofipasteur.com または www.sanofipasteur.us をご覧ください。
今後の見通しに関する記述
このプレスリリースには、1995年民間有価証券訴訟改正法(修正を含む)でいう「今後の見通しに関する記述」が含まれ
ています。今後の見通しに関する記述とは、歴史的事実を述べるものではない記述です。これらの記述には、財務計画
と予測ならびにそれらの根拠となる前提、将来の事象、事業、製品およびサービスに関する計画、目標、意向および期
待に関する記述、ならびに、将来の実績に関する記述が含まれます。一般的に、今後の見通しに関する記述は、「予想」、
「期待」、「見込み」、「予定」、「予測」、「計画」などの表現によって識別されます。サノ フィ・アベンティスの経営陣はその
ような今後の見通しに関する記述に反映された予想を妥当と考えますが、投資家は今後の見通しに関する情報と記述が
さまざまなリスクと不確実性の影響を受けやすく、それらの多くが予測困難であり、通常サノフィ・アベンティスが制御でき
ず、そのために実際の結果と進展が、今後の見通しに関する情報と記述の中で表現された、暗示された、または予測さ
れたものとは大幅に異なる可能性があることに注意して下さい。これらのリスクおよび不確実性には、サノフィ・アベンティ
スの2007年12月31日終了事業年度フォーム20-F年次報告書の「リスク要因」および「今後の見通しに関する記述」項目
を含む、サノフィ・アベンティスが作成したSECおよびAMFに対する公の届け出の中で議論されているかまたは特定され
ているものに付随する不確実性とその他の事項が含まれます。サノフィ・アベンティスは、適用法によって義務付けられて
いる場合を除き、今後の見通しに関する情報または記述の更新または見直しを行う義務を負うものではありません。
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