シュレッダー紙を用いたキノコ栽 培とバイオエタノール生産 はじめに(目的) シュレッダー紙は細かく裁断されているため, リサイクルに不向きとされています。 再生紙にすると紙の強度がなくなり、再生紙に する過程で水に流すと紙が流れ出てしまうので そのまま捨てられてしまいます。 そこで私たちはシュレッダー紙を活用したいと 思い、先輩たちの研究を引き継ぎ、バイオエタ ノール生産を実現させるために研究を行いまし た。 キノコの栽培 ・PDA培地の作成 ①PDA粉末を3.9gはかりとりメスシリンダー に入れる。 ②イオン交換水を入れ、100mlにする。 ③パラフィルムをして混ぜる。 ④ビーカーに移し、レンジで溶解する。 ⑤10mlずつ試験管に入れる。 ⑥オートクレーブで殺菌する。 組織培養 ①クリーンベンチ内で、キノコをメスで半分に切 る。 ②内部の新鮮な部分を切り取る。 ③PDA培地に切り取ったものを移植する。 ④インキュベーターで培養する。 シュレッダー紙培地の作成 ①シュレッダー紙培地と米ぬかを5:1の割合で 混合をする。 ②イオン交換水を加え、手でにぎって指の間から 水が少し滴るくらいにする。 ③ビンに詰め、真ん中に2~3cmの深の穴をあ けてアルミホイルでフタをする。 ④オートクレーブで121℃1時間加熱。 菌糸を移植 ①組織培養した菌糸をクリーンベンチ内で白金鍵 でかき出す。 ②ピンセットでシュレッダー紙培地の穴の中に入 れる。 ③インキュベーター内で培養。 菌かき ①薬さじを火炎殺菌する。 ②培地の表面を少し取る。 ③子実体を形成させる。 酵素液の作成 ①培地をオースターブレンダーで粉砕する。 ②イオン交換水を加え、放置する。 ③遠心分離をする。 ④上澄み液をろ過する。 ソモギーの変法によるセルラーゼ活性 の測定 ①三角フラスコに、水5mlを、酵素液入れたもの1ml +CMC4mlを入れたもの、酵素液1ml+CMC4 mlを入れたもの、水1ml+CMC4mlを入れたも のを用意する。 ②決められた温度と時間で保温する。 ③A液5mlと水5mlをホールピペットで加える。 ④加熱して2分以内に沸騰させ、正確に3分間沸騰し続け る。 ⑤流水中で冷却する。 ⑥B液とC液を10mlずつ加える。 ⑦D液で滴定する。 セルラーゼ活性とは? 紙の主成分であるセルロース(多糖類)をグ ルコース(単糖類)に分解することができるセ ルラーゼという酵素の強さを言います。 CMCとは? 本来は水に溶けないセルロースを水に溶け やすくしたもの。 結果 <エリンギを30℃で3時間保温した場合> 試料 結果 酵素液1ml+CMC4ml 0.030% 酵素液1ml+水4ml 0.022% 0.030%-0.022%=0.008% <エリンギを30℃で24時間保温した場合> 試料 結果 酵素液1ml+CMC4ml 0.025% 酵素液1ml+水 0.018% 0.025%-0.018%=0.007% <シメジを30℃で3時間保温した場合> 試料 結果 酵素液1ml+CMC4ml 0.194% 酵素液+水4ml 0.159% 0.0194%-0.159%=0.035% <シメジを30℃で24時間保温した場合> 試料 結果 酵素液1ml+CMC4 ml 酵素液1ml+水4ml 0.190% 0.141% 0.190%-0.141%=0.049% 時間の違いによるセルラーゼ活性の変化 0.06 0.05 % 0.04 3時間 24時間 0.03 0.02 0.01 0 エリンギ シメジ 種類 <シメジを20℃で1時間保温した場合> 試料 結果 酵素液1ml+CMC4ml 酵素液1ml+水4ml 0.190% 0.170% 0.190%-0.170%=0.020% <シメジを30℃で1時間保温した場合> 試料 結果 酵素液1ml+CMC4ml 0.203% 酵素液1ml+水4ml 0.156% 0.203%-0.156%=0.047% <シメジを40℃で1時間保温した場合> 試料 結果 酵素液1ml+CMC4ml 0.180% 酵素液1ml+水4ml 0.144% 0.180%-0.144%=0.036% 温度によるセルラーゼ活性の変化 0.05 % 0.04 0.03 シメジ 0.02 0.01 0 20℃ 30℃ 温度 40℃ 今後の課題 セルラーゼ活性に最適なpHを調べる必要があ る。 実際にアルコール発酵をしてみる。 エリンギやシメジ以外のキノコも調べる必要が ある。特に、私たちが実験途中であるサルノコ シカケの研究を引き継いでもらいたい。 おわり
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