分類(農学部) 授業科目:食品化学 担当教員:窄野昌信 農学部 研究室番号:S702 英語名:Food Chemistry 単位数:2 対象学年:2年次生 実施時期:前期 月曜日3~4時限 教室等:L205 <授業のねらい> 教育目的 この講義では、食品を構成している主要成分の化学的性質について、食品の具体例を挙 げて説明し、また、食品成分の加工・貯蔵中の変化について述べる。食品成分がもつ生体機能調節 作用についても触れる。食品学の化学的な基礎知識を身につけることがこの講義の目的である。 教育目標 食品の分類について理解する。食品の一般成分について化学的に理解する。食品の微量 成分について化学的に理解する。食品の加工・貯蔵中の変化について理解する。食品の物性につい て理解する。食品の機能性について理解する。 <授業内容> 授業計画 1. (カッコ内はキーワード) 食品の種類と分類 現在用いられている食品の分類にはどのようなものがあるか概説する。 (6 つの基礎食品群、4 つの食品群、3 色食品群、5 訂日本食品成分表、国民栄養調査) 2. 食品の主要成分の化学と機能 水分 水の化学的性質と、食品中の水がもつ重要な役割について概説する。 (水の構造、凍結、水の状態図、自由水と結合水、水分活性、中間水分食品) 3. 炭水化物その1-単糖類 食品に含まれる炭水化物について、その基本構成単位である単糖の化学的性質について説明すると ともに、食品中に含まれる主な単糖について説明する。 (炭水化物、糖、単糖類、グルコース、フルクトース) 4. 炭水化物その2-少糖類、多糖類 食品に含まれる主な少糖類、多糖類について、構成する糖の構造と結合様式について説明する。ま た、食物繊維の摂取意義等についても併せて説明する。 (二糖類、少糖類、多糖類、グリコシド結合、食物繊維) 5. 脂質その1 脂質は、有機溶媒に溶ける食品中の有機化合物の総称であり、さまざまな化合物が含まれる。脂質 の主要な構成成分である脂肪酸について構造や生理作用について説明する。 (脂質、脂肪、脂肪酸、飽和脂肪酸、モノ不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸) 6. 脂質その2 食品中に含まれる主な脂質として、トリアシルグリセロール、リン脂質、ステロールなどの化学的 構造と機能について説明する。 (トリアシルグリセロール、リン脂質、コレステロール、構造、機能性) 7. タンパク質その1-アミノ酸 食品に含まれるタンパク質の基本構成単位としてのアミノ酸について化学的構造と性質について説 明し、またうまみ調味料や人工甘味料として利用されているアミノ酸やアミノ酸を含む化合物につ いて説明する。 (タンパク質、アミノ酸、両性イオン、等電点、必須アミノ酸、うまみ調味料、人工甘味料) 8. タンパク質その2-食品の主なタンパク質 タンパク質の一次構造や高次構造、変性について説明するとともに、食品に含まれる主なタンパク 質について具体的な例をあげ、その特徴を説明する。 (ペプチド結合、一次構造、高次構造、小麦タンパク質、大豆タンパク質、牛乳タンパク質、畜肉 タンパク質) 9. タンパク質その3-酵素 食品の製造に利用されたり、食品の品質に影響を与えたりする酵素についてその概要を説明する。 (酵素、基質特異性、pH と温度、アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ) 10. 食品の微量成分の化学と機能 ビタミン、ミネラル、色素、呈味化合物、香気物質 水溶性および脂溶性ビタミンの化学的特徴と機能、食品化学的に注目されるビタミンについて説明 する。食品に含まれるミネラルについてその役割を説明する。食品の色に関わる主な色素について 説明する。呈味化合物、香気物質について概説する。 (水溶性ビタミン、脂溶性ビタミン、アスコルビン酸、トコフェロール、抗酸化作用、鉄、銅、酸 化、ヘム色素、クロロフィル、カロテノイド、フラボノイド) 11. 油脂の変敗 油脂の酸化的劣化について、自動酸化を中心に説明する。 (自動酸化、ラジカル連鎖反応、抗酸化作用、光増感酸化、リポキシゲナーゼ) 12. 食品成分の成分間反応 食品の着色に関して、酵素的褐変、非酵素的褐変について説明する。とくにアミノカルボニル反応 を中心に説明する。 (褐変、酵素的褐変、ポリフェノールオキシダーゼ、非酵素的褐変、アミノカルボニル反応) 13. 食品の物性 食品の物性について、具体的な例をあげて説明する。また、物性とおいしさの関係などについても 説明する。 (テクスチャー、レオロジー、乳化、ゲル化、糊化、老化) 14. 特定保健用食品 機能性食品、特定保健用食品とは何か、どのような製品があるかについて概説する。 (機能性食品、特定保健用食品、生活習慣病、大豆タンパク質、ジアシルグリセロール) 文献・教材等:食べ物と健康Ⅰ− 食品と成分− (知地英征 参考図書:食品の機能化学(五十嵐脩、宮澤陽夫 共著 編著 三共出版) 弘学出版) 備考: 1) 履修上の注意:食品化学と栄養化学の両方を履修することが望ましい。 2) 評価方法:定期試験で評価する。 3) 評価基準:履修内規の標準成績評価基準に拠る。 4) 関連する授業科目:食品分析化学、栄養化学 5) その他:オフィスアワー 水曜日 16 時から 17 時 食品化学は、食品衛生監視員・食品衛生管理者の資格を申請するときの B 群(生物化学関係)の 必須科目となっている。
© Copyright 2024 Paperzz