アジアのカジノ事情と常滑商工会議所の取組み

第8回
講演会
「アジアのカジノ事情と常滑商工会議所の取組み」
講師:常滑商工会議所・臨空都市カジノ協議会
会長 井 口 彰 二 氏 / 委員長 伊 藤 譲 一 氏
実施日
平成21年2月6日(金)
場所
伊藤忠商事㈱会議室
参加
38名
数年後には日本にカジノが! 「前島カジノ構想」実現に向け熱く語る。
■カジノ構想のきっかけ
■ゲーミング法立法化への動き
「カジノの経験のない人?やったことのあ
る人?カジノ中毒の人?」と参加者に問い
かける井口氏。常滑商工会議所では2000
年から新空港協議会に前島委員会を立上
げ「前島カジノ構想」の検討を開始。
TKPBが会議所と連携して臨空都市の研
究を始めたのが1993年。97年にはカジノ
&ホテルの提案を行ない、その活動が常
滑で大きくふくらんでいる。
会議所では2003年10月「がんばる協議会・
臨空都市カジノ研究会」に改組し、全国の
活動組織との連携、地元の合意形成活動
に取組んでいる。
2001年12月に自民党に設置された「公営カ
ジノを考える会」は、翌年カジノ議連「国際
観光産業としてのカジノを考える議員連
盟」に改組、2004年6月に「ゲーミング(カジ
ノ)法基本構想(案)が
発表された。
2006年2月には、自民党観光特別委員会
に「カジノエンターテイメント検討小委員会」
が設置され、政府関係省庁をまじえ精力的
に法案作成に向け検討会が開催された。
6月には「我が国におけるカジノエンターテ
イメント導入に向けての基本方針(案)」が
発表された。※詳細は当日配布された勉
強会資料P67参照
この中で、開設場所について「政策ニーズ
の高い地域を優先し、当初は2∼3ヶ所を選
定し、いずれ10ヵ所程度に拡大する」との
方針を出した。2008年10月には自民・民
主・公明が超党派で推進表明を打ち出し、
今後は法案作成に向け「主務官庁決定→
調査予算化・主務官庁による法案作成→
カジノ管理機構等の必要な組織人員・予算
確保を行い、議員立法による法案上程」と
いう手順で立法化される、政局にもよるが
数年以内にカジノ合法化が実現することが
想定される。
■カジノ創設サミット:民間諸団体の活動
2003年度石川県珠洲市を皮切りに、全国
のカジノ誘致団体で「カジノ創設サミット」を
毎年開催、2009年2月には常滑開催が予
定されていたが、政局の流動化で、4月以
降早い時期に開催されることになり、TKPB
会員へも「是非、常滑へ」との呼掛けがあっ
た。
講師の井口会長、伊藤委員長(手前)
■世界のカジノ事情
今や、世界でカジノを禁止している主要
国はイスラム圏(宗教上禁止)以外は、日
本・インド・ブラジルなど少数。アジアでは
シンガポールが2006年に実施へ、タイ・イ
ンドネシア・台湾などで検討中。世界最大
のカジノはラスベガスではなくマカオ。
2007年8月にオープンした「ベネチアン・マ
カオ・リゾートホテル」は客室3000室、カジ
ノのテーブルゲーム700台、マシーン6000
台。訪れるたびに新しいカジノ&ホテル
が増えている状況。アジア各国は、外国
人誘致・外貨獲得・雇用創出を目指して
積極的に導入・開発を進めている。
ただし、昨年秋以降の世界経済低迷はラ
スベガスにも大きな影を落としている、と
のこと。
勉強会参加者:「カジノ経験者は挙手。」
■前島カジノ構想 2009
会議所では2002年1月に「ゲーミングビジ
ネス(カジノ)について考える」で前島構想
を公表。
同年11月のTKPB例会ではTKPBの前島
への提言と「観光振興とカジノ」と題する
大阪商業大学谷岡一郎学長の講演に、
常滑商工会議所から伊奈会頭(前)、杉
江副会頭(現会頭)や井口氏など多数の
関係者が来場された。
2004年2月には「カジノフォーラム イン と
こなめ」を開催し、シンポジウム・模擬カジ
ノを通じて地元への合意形成活動を行っ
てきた。翌年1月には市民向けリーフレッ
ト「STAY OR HIT」を作成し全戸に配布。
2008年1月に研究会から「臨空都市カジノ
協議会」に改組し、アジアを中心としたカ
ジノ視察や、協議会の活動をまとめた小
冊子「カジノコンプレックス実現に向けて
2000−2007 」を発刊、精力的に活動を推進
している。(※小冊子を勉強会当日配布)
■前島カジノ構想 2009
伊藤委員長から、2002年に公表した前島カ
ジノ構想を一新した「2009 」が披露された。
前島地区123haには現在、大型商業複合施
設が計画中。それと隣接するかたちで、大規
模ホテル&カジノ、中・小カジノ、コンベンショ
ンセンター、ショーシアター、ショウ&バイ(商
売)エリア、コンドミニアムから、マリンレ
ジャー、シーサイド遊園地まで、昼はファミ
リー、夜は大人が楽しむ空間を提案。詳細
は近日公開、乞うご期待。
3つのカジノ、テーブルゲーム150台、マシー
ン2150台が生みだす収益は300億円、その
中から税収75億円+地元への助成金45億
円=計120億円が地域へ還元される。教育・
福祉などに活用。さらに、旅行者へは東海4
県の観光地と連携した、2泊3日∼1週間の
パッケージツアーを提供、地域消費の増加、
地域雇用の増も期待したい、と知多半島の
将来を語る。
「前島カジノ構想 2009」を語る伊藤氏
最後に、TKPBの活動経緯を報告しまし
た。詳細は会のHPをご参照ください。
■交流会
講演会のあと、同じフロアにある食堂で
交流会が開催されました。久しぶりのカ
ジノの話題に講師・会員おおいに盛り上
がりました。
2009年度に常滑で開催される「カジノ創
設サミット」が楽しみです。
《レポート》 清水建設㈱ 加藤 春生