気になるデータ(01(01-11) Your Financial Brain SMC 豊島 健治 国内銀行貸出平均金利の推移 日本銀行 〈新規貸出〉 月中変化幅 短期 長期 総合(除当貸) 〈ストック〉 月中変化幅 都市銀行 短 地方銀行 期 第2地銀 都市銀行 長 地方銀行 期 第2地銀 都市銀行 当 地方銀行 貸 第2地銀 都市銀行 総 地方銀行 合 第2地銀 4月中 0.110 0.144 0.105 4月中 ▲0.057 ▲0.049 ▲0.015 ▲0.038 ▲0.013 ▲0.009 ▲0.051 ▲0.076 ▲0.015 ▲0.036 ▲0.028 ▲0.008 (単位:%) 7月中 8月中〈平均金利〉 9月中〈平均金利〉 0.134 ▲0.030〈1.623〉 ▲0.223〈1.400〉 0.102 ▲0.142〈1.668〉 ▲0.080〈1.588〉 0.122 ▲0.062〈1.648〉 ▲0.170〈1.478〉 (単位:%) 5月中 6月中 7月中 8月中〈平均金利〉 9月中〈平均金利〉 ▲0.046 ▲0.014 ▲0.006 ▲0.033〈1.467〉 ▲0.053〈1.414〉 ▲0.037 ▲0.020 ▲0.021 ▲0.044〈1.814〉 0.006〈1.858〉 0.034 ▲0.006 ▲0.013 ▲0.017〈2.280〉 ▲0.041〈2.239〉 ▲0.024 ▲0.055 ▲0.016 ▲0.012〈2.010〉 ▲0.014〈1.996〉 ▲0.017 ▲0.025 ▲0.014 ▲0.008〈2.416〉 ▲0.014〈2.402〉 ▲0.017 ▲0.031 ▲0.020 ▲0.006〈2.674〉 ▲0.016〈2.658〉 ▲0.035 ▲0.049 ▲0.009 ▲0.011〈1.241〉 ▲0.023〈1.218〉 ▲0.017 ▲0.020 ▲0.014 ▲0.010〈1.656〉 ▲0.003〈1.653〉 0.015 ▲0.059 ▲0.007 ▲0.066〈2.823〉 0.014〈2.889〉 ▲0.030 ▲0.049 ▲0.012 ▲0.015〈1.734〉 ▲0.027〈1.707〉 ▲0.017 ▲0.023 ▲0.017 ▲0.004〈2.193〉 ▲0.021〈2.172〉 ▲0.003 ▲0.024 ▲0.022 ▲0.006〈2.632〉 ▲0.026〈2.606〉 (新規は月中実行された融資の加重平均、ストックは全体の加重平均) 5月中 ▲0.084 ▲0.140 ▲0.098 6月中 ▲0.019 0.000 ▲0.014 【独断的コメント】 ◆日銀が毎月公表している国内銀行の貸出(加重)平均金利の推移表から、皆さんに関係の深い都銀・ 地銀・第2地銀の3業態分を抜き出してみたのが上記一覧表です。今年上半期の推移だけですが、この 表を見て貴方は何を思うでしょうか。 ◆私は自分の認識が誤っていたと思いました。銀行が盛んに「今後は信用リスクに応じた貸出金利の適 用をして行く」と喧伝していましたので、平均貸出金利は少しずつ上がっているのではないかと考えて いたのですが、現実はそれとは逆に下がっていました。つまりは、銀行は自身が「考えていること」「や りたいこと」を容易に実行できないでいるのです。何故、平均貸出金利は下がっているのでしょうか。 それは貴社の実感からしていかがでしょうか。 ◆貸出金利が下がった背景には8月の金利引下げがあると思いますし、仕入コストである預金金利が限 りなくゼロに近く、個々の貸出レベルでは貸出金利を上げなくとも「充分儲かっている」という現実が あるのだと思います。しかし、それだけでは納得できません。銀行は「総体の意思として」金利引上げ を企図しているからです。 ◆「貸出金利が上がらない、上げられない」という背景には、“銀行の過剰”があることは間違いあり ません。少ない融資対象先をめぐって恒常的に「金利ダンピング」が行われているのです。特に9月な どは、決算期ということもあって短期貸出を積み上げる必要から短期金利が大幅に下がっています。こ のことは銀行が貸出金利を下げて融資残高確保に動いていることを裏付けているように思います。 ◆貴社に銀行が「金利引上げ」要請に来たら、上記一覧表を拡大コピーして銀行員に見せてやって下さ い。自社の借入金利と平均金利との差の「合理的説明」を求める材料に使って下さい。 SMC TEL.0438-53-6092 FAX.0438-53-6096 発行日2001.12.15 ■ 「人間は、自分でなければ出来ない、と錯覚していることが多すぎる」(P・F・ドラッカー) ■
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