第3学年6組 数学科指導案 平成23年9月15日(木) 第3時限 3年6組教室 指導者 1 単 元 二次方程式(15時間完了) (1)構 想 生徒観 本学級の生徒は、明るく元気がよく、様々なことに真面目に取り組むことができる。数学の授業で も、落ち着いた雰囲気で授業に取り組み、基本的な内容に対する発問には積極的に挙手をすることが できる。また、わからない問題があると、友達や先生に質問し、意欲的に取り組むことができる生徒 が多い。しかし、解法を自分の言葉で説明したり、発展的な活用をしたりする場面では、仲間の発言 に頼ってしまい、受け身になってしまう生徒が多い。 単元観 二次方程式は、1・2年生で学習した一次方程式、連立方程式の計算方法では解決できない課題に 取り組むことになる。また、本単元は「式の展開と因数分解」、 「平方根の意味と計算」の学習を受け て、数と式の領域の総仕上げとして位置づけられている。数の範囲が有理数から無理数も含むように 拡張されたことから、一次方程式に続いて二次方程式を指導する。一次方程式を解く場合は、等式の 性質を適用させればよかったが、二次方程式を指導するには、平方根の意味に基づく解法、平方完成 による解法、解の公式による解法、因数分解による解法と、大きく分けて4つの解法を習得させなけ ればならない。1つの問題を解くのに、より適切な方法で解くことを理解させたい。さらに、具体的 な問題の解決に二次方程式が利用できることを知らせ、これまで以上に、より広く問題解決に方程式 を利用できるようにする。 また、二次方程式は高校で学習する二次関数および数の拡張などの基礎となるものである。したが って、解法の道筋をていねいに指導していく必要がある。 指導観 二次方程式が一次方程式と大きく違うところは、二次方程式は一般的には解を2つもつことである。 二次方程式の意味や必要性を教えるとともに、解が2つあることを平方根の考え方に基づいて考えさ せていく。 2 2 その後、二次方程式の解法を学習する。① ax = b 、 ( x + m) = n の解き方、② x 2 + px + q = 0 ( p は 偶数)の解き方、③解の公式を使った解き方、④因数分解を用いた解き方という順に指導していく。② の平方完成による方法は目的に合うように式を変形していくという、数学では非常に大切な考えを含 んでいる。①の平方根の考え方での解法は、平方根の考え方から平方完成に導く大切なところである ので、自力解決、集団解決、全体解決という学習形態で思考する流れを組み立て、互いに聞き合い、 考えを磨き合う中で、理解を深めるとともに、じっくりと問題に取り組む姿勢を身につけさせたい。 そして、解の公式へとつなげていく。④の因数分解の解法に関しては、2つの因数の積から一次方程 式の解法に導いて解を求める方法であるので、因数のどちらか一方が0になればいいことをきちんと おさえた上で、解を導けるようにしたい。また、ax + bx = 0 の形の式は、x = 0 の場合があるので、 2 x でわってはいけないことをきちんとおさえたい。 最後に、二次方程式の利用を学習する。二次方程式を利用することによって、より広く、問題の解 決に方程式が利用できることをわからせたい。また、ここで大事なのは、方程式の解がすべて問題の 解答であるとは限らない。題意にあった解答を吟味することを身につけさせたい。 二次方程式を学ぶことによって、具体的な問題解決への応用範囲が飛躍的に広げられる。生徒同士 の学び合い・磨き合いの場面を多く取り入れて学習を進めていきたい。 (2)目 標 ① 二次方程式の必要性とその解の意味を理解する。 ② 平方根の考え方での解法、解の公式を使った解法、因数分解の解法の中から、より適切な解法を 選択し、二次方程式を解くことができるようにする。 ③ 二次方程式を問題解決に利用し、適切な解答を求めることができるようにする。 (3)単元計画 学習課題 学習内容 二次方程式 ・二次方程式とその意味 とその解き ・ ax = b 方を知ろう ・ ( x + m) = n x 2 + px + q = 0 ・ x 2 + px + q = 0 ( p は偶数) 2 ・ペア学習で解法を説明し合う時間を設け、 3 2 ( p は偶数)の の変形とその解き方 平方根の意味に基づいて解を求める方法 を定着させる。 ・ ( x + m) = n の m が p の半分であること 2 1 に生徒自らが気付くように、グループ活動 の場を設ける 解こう 解の公式を 学び合い・磨き合い 時間 ・二次方程式 x 2 + px + q = 0 利用して二 ・解の公式を導き出す思考の足がかりとして の解の公式 次 方 程 式 を ・解の公式を用いて二次方 解こう 程式を解くこと 3 ( x + m) 2 = n を使った解法を習熟させる ために、 p が偶数や奇数になる問題と解 答を各自で作り、グループで解き合う。 ・ x 2 + px + q = 0 の解法をもとに、グループで 解の公式を導き、全体で確認する。 因 数 分 解 を ・( x + a )( x + b) = 0 の意味 ・ ( x + a )( x + b) = 0 の解が、 x = - a,-b に とその解 利用して二 次 方 程 式 を ・因数分解を利用して二次 方程式を解くこと 解こう ・式を ax + bx + c = 0 の形に 2 整理してから因数分解 2 本時 1/2 なる理由を、隣同士で考える。 2 ・ ax + bx = 0 の解を、グループでそれぞれ の考え方を出し合い、解の確認やわからな い人にはグループ内で教え合う。 ・整理した式を隣同士で確認してから解く。 を利用して二次方程式 を解くこと 適 切 な 解 法 ・様々な形の二次方程式を で二次方程 解くこと ・個人で解いた問題の解法を、グループ内 1 式を解こう う。 二 次 方 程 式 ・二次方程式を問題解決に を利用して ・方程式を個人で作り、どの数量を文字で置 利用すること 問 題 を 解 こ ・二次方程式の解を、問題 う で発表し、どの解法が適切であるか話し合 いたかなど、グループで各自の解法を検討 3 について吟味すること する。 ・解がはじめの問題の条件にあてはまるか、 隣同士で吟味する。 適用問題を 解こう 2 2 ・わからない生徒が多い問題は、グループ学 習や全体学習に戻す。 本時の学習指導(8/15時間) (1)本時の目標 ① 因数分解を利用して、二次方程式を意欲的に解こうとすることができる。 ② 因数分解を利用した二次方程式の解き方を理解し、様々な形の二次方程式を因数分解を利用して 解くことができる。 (2)本時における学び合い・磨き合い ・二次方程式の因数分解を利用した解き方を理解し、様々な形の二次方程式を因数分解を利用して解 くことができるようにするために、隣同士やグループでの活動の時間を設ける。聞き合ったり、話 し合ったりする中で、因数分解を利用した二次方程式の解き方の習熟を図る。 (3)準 備 ・教師 「計算力アップリント」,解の公式のカード,フラッシュカード、計算プリント (4)展 開 段階 指向 5分 生徒の活動 教師の活動 1 「計算力アップリント」を行う。 を3題出題し、3分計る。 〔心得2〕 ・既習の計算問題 (方程式・式の計算・因数分解など) とつなげる。〔心得3〕 ( ( x + m) 2 = n , ax 2 + bx + c = 0 ( x - 2)( x - 3) = 0 ) 5分 計 10 問 ( x - 2)( x - 3) = 0 を解の公式を使わず 2 ・ ( x + a )( x + b) = 0 の解の公式を使った解き 方を取り上げて解説を行い、本時の課題へ ・前時までの復習問題 究明 ・基礎的な計算を7題、前時までの復習問題 に解く方法を理解する。 ・「計算力アップリント」の中で、解の公式を 使わずに解を求めた生徒のやり方を取り上 ・A×B=0 ならば、A=0 または B=0 を利 用して、解を求める。 げ、隣同士で話し合い、全員に考えさせる。 ・因数分解された方程式から解を求めること を繰り返し行えるように、因数分解された 状態の二次方程式のフラッシュカードを用 意する。 問題 3 本時の学習課題を確認する。 2分 究明 ・本時の学習課題を板書する。 因数分解を利用して二次方程式を解こう。 x2 - x - 6 = 0 , 4 35 分 x 2 + 6 x + 9 = 0 の形 の二次方程式の解き方を考える。 ・ ( x - 2)( x - 3) = 0 の解き方と対比させて、 生徒一人一人に考えさせる。〔心得4〕 ・因数分解を行って、因数が0になるよう ・解が求まった生徒には、解を x に代入して確 な x を考えればいい。 かめをするように指示をする。 ・隣同士で解を確認し、求め方を説明し合う ように指示をする。 〔心得6〕 ・重解のところで 2 つ答えを書いている生徒 がいたら、1つだけ書けばいいことを告げ る。 5 x + (a + b)x + ab = 0 , x + 2ax+ a = 0 の 2 2 形の二次方程式を解く。 2 ・計算プリントを配付する。〔心得9〕 ・全員の取り組みを1通り見て回り、戸惑っ ている生徒が多い場合は、全体指導をする。 〔心得5〕 ax 2 + bx = 0 の形の二次方程式の解き 6 ・戸惑っている生徒が多い場合は、早めにグ 方を個人で考える。 ループ活動に移す。 x 2 - 8x = 0 x( x - 8) = 0 3x 2 - 5 x = 0 x(3x - 5) = 0 ・両辺 x で割っていいのかなあ 7 個人で考えた解法をグループで出し合 ・グループでそれぞれの考え方を出し合い、 い、グループ内で正しいか検討する。 解の確認やわからない人にはグループ内で 聞きあうよう指示する。 〔心得6〕 ・生徒同士で聞き合ったり考えを伝え合った りできているか把握し、話し合いが滞って いるグループを支援する。 8 クラス全体で解法を確認する。 ・各グループからでた意見について、正しい かどうか意見を出し合い、全体で確認させ x ( x - 8) = 0 x = 0,8 3 x 2 - 5 x = 0 x (3 x - 5) = 0 る。 5 x = 0, 3 ・説明の不十分な生徒の発言には、同じグル ープの他の生徒の説明を加えさせる。 〔心得 ・ x = 0 の場合があるので両辺 x で割っては 8〕 いけない 9 様々な形の二次方程式を解く。 整理 ・計算プリントを配付する。〔心得9〕 10 自己評価カードを書く。 3分 (5)評 価 ①二次方程式の問題を意欲的に個人追究したり、グループで話し合ったりしながら、因数分解を利用 して解こうとすることができたか。 (活動4,6,7,8の様子・ノートより) ②個人追究やグループ追究を通して因数分解を利用した二次方程式の解き方の理解を深め、二次方程 式の問題を因数分解を利用して解くことができたか。 (活動5,9の計算プリントより) (6)板書計画 因数分解を利用して二次方程式を解こう A×B=0 の時 A=0 or B=0 ( x - 2)( x - 3) = 0 x2 - x - 6 = 0 ( x - 3)( x + 2) = 0 x = 3,-2 x - 2 = 0 のとき、 x = 2 x - 3 = 0 のとき、 x = 3 よって、 x = 2,3 x 2 + 6x + 9 = 0 x 2 - 8x = 0 x ( x - 8) = 0 x=0 (8) ( x + 3) = 5 2 ÷ x ⇒× x - 8 = 0 のとき、 x = 8 よって、 x = 0,8 ( x + 3) 2 = 0 x = -3 x+3= ± 5 x = -3 ± 5 x =0の場合がある 3x 2 - 5 x = 0 x(3x - 5) = 0 x=0 5 3 x - 5 = 0 のとき、 x = 3 5 よって、 x = 0, 3 (9) 2 x + 5 x + 1 = 0 2 x= -5± 25-8 -5± 17 = 4 4 (10) ( x - 2)( x - 3) = 0 x 2 - 5x + 6 = 0 x= x= - (-5) ± 25 - 24 2 5± 1 6 4 = , = 3,2 2 2 2
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