平成28年度 学校経営計画 大田区立中富小学校長 杉 達雄 Ⅰ 学校経営の基本方針 大田区立中富小学校は、昭和26年の開校以来、本年で65周年を迎える。新一年生3 4人が入学して全校児童201人7学級、加えて特別支援教室の拠点校として新年度を迎 えた。これらの本校の特色である少人数ならではの良さを前面に打ち出し、地域と共に児 童を育くむ教育を推進していく。 児童が自分の力でたくましく未来を切り開き、世界の人々と共に生きることのできる自 立した人間として成長することを願って、次代を担う中富小学校の目指す学校像を「子ど もたち一人ひとりの夢を育み、信頼と誇りのもてる学校」として学校経営を推進していく。 教育目標 ○「健康な子ども」 ○「よく考え進んで行う子ども」 ○「美しい心の子ども」 の具現化を目指し、思いやりの心と規範意識を育成し、児童一人一人の確かな学力を しっかりと定着させていく。 以上の点を踏まえ、次の3点について教職員の力を結集してよりよい学校を目指してい く。 (1) 子供が主体となる学校 (2) 教職員が切磋琢磨し互いに高め合う学校 (3) 地域・保護者と協力し連携する学校 1 子供が主体となる学校づくりをすすめる。 子供が生涯にわたり力強く生きていくために、知・徳・体の基礎を育成することが小 学校教育における使命である。教育の原点は子供を知ることから始まる。子供一人一人 を深く理解し、子供の個性を見極め、子供の良さを伸ばしていくことが大切であり、子 供が主体となる学校づくりをすすめていく。そして、すべての教育活動を通して子供の 学力を向上させ、生きる力を高めていくことを目的として計画・実践・評価を的確にし て、改善を図りながら学校改革を推進する。 (1)生き生きと活動できる児童の育成 1 ①めあてをもって意欲的・主体的に取り組む児童 ②よく見て、よく聞き、よく考える児童 ③善悪を判断し、勇気をもって行動できる児童 ④友達にやさしく、思いやりのある児童 ⑤美しさに感動し、素直に表現できる児童 ⑥明るく元気に挨拶し、気持ちのよい言葉遣いのできる児童 ⑦友達と協力して最後までやり抜く児童 ⑧自分の夢をもち、自分を大切にできる児童 ⑨運動を楽しみ、体を鍛えられる児童 (2)児童育成のための具体的方策 ① 自ら課題を発見し、主体的に解決する喜びを味わえる授業を展開する。 ② 体験活動、具体的な操作活動等、体感を通した学習活動を重視する。 ③ 児童一人一人がどこかで、誰でも主役になれる場や機会を設定する。 ④ 児童の個性や能力の良さを認め、最大限に発揮できるようにする。 ⑤ 褒めて、認めて、励ます指導と評価を具体的に実践する。 ⑥ 多面的な、見方を通して児童の良いところを見付け、自信をもたせる。 ⑦ 互いに思いやり、協力し、助け合う活動を大切にする。 ⑧ たくましい心や体をつくるため、遊びや運動を奨励する。 ⑨ 児童の生命、健康、安全に十分配慮する。 ⑩ 目をかけ、声かけ、時間をかけ愛情をもって支援する。 ⑪ 豊かな心を育てるために道徳教育を推進する。 ⑫ 命を大切にし、自尊感情を育てる授業を展開する。 ⑬ 言語活動を重視し、思考力・表現力・判断力を育成する。 ⑭ 基礎的・基本的な知識。技能を習得するために、学習習慣を確立する。 2 教職員が切磋琢磨し互いに高め合う学校づくりをすすめる。 児童の教育に携わる学校のすべての教職員が、自らの資質、力量、人格を絶えず高め ながら児童の教育に当たることが使命であり、本分である。また、全体の奉仕者である 公務員としての責務でもある。それぞれの職務において、研究や修養を深めていくこと、 特に専門職である教員にはこのことが強く求められる。 「子供にとって最大の教育環境は、教師自身である」教員は教えることに対して誠実 でなければならない。学ぶことは児童の心に知恵と希望の灯火をともすことである。教 員と児童とのよりよい関係を構築し、学校組織の一員として教職員一人一人が切磋琢磨 し互いに高め合う学校づくりを推進する。 (1)使命感をもって教育に携わる教職員に ①教育公務員としての自覚と誇りをもち、常に児童のことを念頭において職務に励む 2 教職員。 ②共通の目的に向かって学校組織の一員として活動する教職員。 ③互いの良さを認め合い、助け合って活動する教職員。 (2)教職員の実力向上の具体的方策 ①服務の厳正に努め、全体の奉仕者としての自覚を高める。 ②人権尊重の精神を基調に、体罰、いじめ、不登校のない学校づくりに努める。 ③教育公務員としての立場を自覚し、信用失墜行為等の防止に努める。 ④特色ある教育活動への取り組みを意図的・計画的に進める。 ⑤配慮を要する児童に対して、共通理解を図り組織的に指導や支援を行う。 ⑥校務分掌を円滑に遂行するために組織内の報告・連絡・相談を密にして行い、期日、 期限を守る。 ⑦個性を生かし、分かる授業を追求するため研修や研究授業を意欲的に行う。 ⑧家庭・地域との連携を深め、要望を把握し、可能なことは具現化するように努める。 ⑨教職員一人一人が危機管理意識を高め、児童にとって安全・安心な学校づくりを推 進する。 3 地域・保護者と協力し、連携する学校づくりをすすめる。 学校は地域の共有財産であり、児童は、地域発展の人材である。この意味からも学校 と家庭と地域がそれぞれの役割を果たし、協力し連携していくために、学校が中心的役 割を果たすことが重要である。 人を育てるには、よい家庭、よい学校、よい地域でなければならない。保護者・地域 の方々の信託に応える教育を担うことは、公立学校の責務であり、児童の健全育成を推 進する上でも更に連携を密にし、協働していくことが必要である。このことからも、本 校は、保護者・地域・学校が一体となって地域と共に児童を育てる教育を推進していく。 また、近隣の保育園、幼稚園、中学校との連携を深め、幼保小連携、小中一貫教育を 推進する。 (1)生き生きとした家庭・地域社会との連携 ①学校を信頼し協力する。 ②地域社会の教育的役割を果たす。 ③保護者・地域・学校が一つになって教育活動を展開する。 (2)地域社会との連携の具体的方策 ①学級・学年・学校の様子を家庭・地域に知らせ、気軽に相談できる雰囲気づくりを する。 ②児童が意欲的に学校生活をおくり、学習活動に取り組む姿を積極的に発信し、学校 の教育活動を保護者・地域の方々より理解を得る。 ③地域人材、施設、産業などを積極的に活用し教育活動を工夫する。 3 ④家庭・地域社会の教育的役割を明らかにし、その啓発に努める。 ⑤PTA、地域の活動に協力、参加する。 (3)学校環境の整備 ①整備された教室環境、学校環境 ②花や緑、小動物など生命の息吹あふれる環境づくり ③美しい言語環境 ④安全・安心の学校施設 ⑤防災・減災のための学校施設 (4)学校環境整備のための具体的方策 ①教職員と児童とが協力して花いっぱいの美しい学校をつくる。 ②教室や廊下等の掲示を児童とともに工夫する。 ③学級園、花壇の整備、小動物の飼育など自然体験を通して自然や生命の畏敬の念を 養う。 ④挨拶を励行し、気持ちの良い言語環境を整える。 ⑤安全指導の充実と施設・設備の改善、安全点検の徹底に努める。 ⑥災害時への対応を常に意識し、児童と教職員の生命を守るための具体的行動を想定 する。 これまでに示した 1 子供が主体となる学校 2 教職員が切磋琢磨し互いに高め合う学校 3 地域・保護者と協力し、連携する学校 この3つの柱を重点に、児童、保護者、地域、教職員が一体となり「子供一人一人の 夢を育み、信頼され誇りのもてる学校づくり」を目指す。 そして、何より中富小学校の教育を推進するのは教職員である。学校が組織体として 機能し、安定感をもって児童の指導に専念できるよう教職員間の協働の意識を大切にし ていきたい。 『スピード(迅速に) スマイル(笑顔で) スマート(適切に)』 スピード:課題に対し、迅速に対応する。効率よく職務を進める。 スマイル:児童・保護者・地域の方々をはじめ教職員間も笑顔で対応する。 スマート:教職員としての力量向上を目指し、諸問題を適切に解決していく。 「スピード スマイル スマート」を合い言葉に職務にあたる。 4 Ⅱ 今年度取り組むべき課題 ① 学力向上のための教育活動の充実 ② 教員の授業力の向上 ③ 特別支援教室の指導の充実、効果的指導の推進 ④ 体力向上モデル校としての実践 ⑤ 児童一人一人を理解し尊重する教育活動の推進 ⑥ 地域・保護者との連携、参加啓発 ⑦ 開校65周年記念行事の開催 ⑧ ICT 機器を有効活用した授業改善 1 中・長期的目標と方策 (1)学習の基礎・基本の定着と活用 ①「中富スタンダード」の定着と補習教室の充実 ②学習カルテの作成・活用と学習カウンセリングの充実 ③校内研究の充実 ④ステップ学習・東京都ベーシックドリルの活用 ⑤言語活動の重視 ⑥特別支援教室との指導内容の交流 ⑥体育・健康教育授業地区公開講座の開催 ⑦外国語活動ならびに「英語カフェ」の推進 ⑧芝生をはじめとする学校施設、環境を活用した体力づくりを推進 体力向上プログ ラムの活用推進 (2)生活指導の充実 ①基本的な生活習慣の定着と規範意識を高める指導の充実 ②早寝早起き朝ご飯の推進・定着 ③特別支援校内委員会(若草委員会)を中心に児童一人一人に寄り添う教育の推進 ④スクールカウンセラーとの連携、いじめゼロ、不登校ゼロを組織的に推進 ⑤食物アレルギーの特質を理解し、適切な対応で事故防止を図る。 (3)人権教育・道徳教育の充実 ①思いやりの心と規範意識の育成 ②地域の方々とのかかわりの中で自己の生き方を見つめさせ考えを深めさせる。 ③道徳の時間の指導の工夫改善 ④道徳授業地区公開講座の充実、保護者・地域への啓発 ⑤震災被災地 気仙沼大島小学校との交流推進 (4)地域保護者とともに歩む学校 5 ①基本的な生活習慣の定着 「早寝早起き朝ご飯運動」 ②家庭学習・家庭読書の習慣化 ③図書ボランティアなど地域人材の効果的な活用 ④「スクールサポートなかとみ」との連携 地域力の活用 ⑤保護者アンケートによる授業評価の実施 ⑥地域教育連絡協議会委員による学校評価、自己評価結果の公表 ⑦海苔付け体験学習の充実 ⑧運河清掃活動の継続、地域貢献 ⑨ビオトープの活用を通して自然や環境について考え、自然を愛する心を育てる。 ⑪茶道教室、絵手紙教室を実施し、日本の伝統・文化体験から美しい心を育てる。 (5) 「ふるさと浜辺公園」の活用 ①自然体験活動の実施 中富ふるはまマラソン大会の実施 ②造形遊び・浜辺の生き物調べ・自然体験・体力づくり・異学年交流 (6)幼保小連携・小中一貫教育の推進 相互に協議会や授業交流を基盤に指導の連続性をねらい、15年を見通した相互 連携を図る。 (7)服務の厳正 ①教育公務員の職務上・身分上の義務を認識し、全体の奉仕者たる品格ある言動に 努める。 ②信用失墜行為(体罰、交通事故、個人情報流出、汚職・会計事故、わいせつ行為、 セクシャルハラスメント、不正通勤方法および経路等)を本校から絶対に出さな い、起こさない。 ③身だしなみや言動に気を付け、児童の夢を育む職を担う者としての自覚をもち、 指導者としての品格をそなえ、来校者には誠意をもって接する。 ④出勤時から退勤時にいたる公務員としての務め、法規を遵守する。 (出勤簿への押 印、名札の着用、出勤札、週案簿の提出等) (8)その他 ①学校管理備品および、各種消耗品は税金により購入されていることを意識し、適 正な管理および使用に努める。 ②予算編成および、執行に当たっては、校長の指示を受け、教育効果を高めるよう 重点を定めて執行する。 ③物品の購入および、会計処理については、公正かつ適正に行う。規定に基づく入 札が必要な物品以外でも、価格の比較を常に行ったうえで購入する。 ④施設の管理については、事務主事・用務主事と連携をとり安全第一に整備を行う。 異常がある場合は、直ちに校長、または、副校長に報告する。校舎内外の安全点 検は、複数の目視で行い、常に整備を心がける。 6 ⑤備品・消耗品などの物品管理は、教材室や準備室の点検整備を定期的に行い、適 切・有効に活用できるよう管理する。 ⑥給与・人事および厚生に関する事務については、個人情報保護に留意する。また、 就学援助など児童の個人情報にかかわる事務処理も同様に行う。 ⑦文書処理は、迅速に行い、提出期限を守り、適切に処理する。 7
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