第1学年 算数科学習指導案 日 時 児 童 指導者 1 単元名 たしざん(2) (啓林館 2 平成26年9月5日(金)1校時 第1学年1組 男子8名 女子10名 計18名 教諭 佐 藤 琢 磨 第1学年) 単元について (1)単元解説 本単元は,(1位数)+(1位数)で,繰り上がりのある場合の加法計算の仕方を理解し,確実に計算がで きるようにすることをねらいとしている。これまで児童は,10の合成・分解, (1位数)+(1位数)で, 繰り上がりのない計算,(十何)+(1位数)=(十何)になる計算について学習をしてきている。本単元で は,既習事項を生かして,(1位数)+(1位数)で,繰り上がりのあるたし算について,10の補数を利用 した計算方法を考えることが大切となる。児童にとって,繰り上がりのある計算は初めてであり,次学年以降 で学習する加法の基礎となる。 (2)児童の実態 本学級の児童は,算数への学習意欲が高く,計算技能が高い児童も多い。これまでの数と計算領域の学習で は,ブロック操作を基にして,視覚的に数量関係を確認したり,図に表したりしてきた。しかし,自分の考え や計算の手順をきちんと整理して伝えることのできる児童は少ない。事前調査の結果からは,10の分解の理 解度が低いことが分かっている。また,単元の学習前にしたプレテストでは,児童は繰り上がりのあるたし算 を数えたししたり,指をおったりして求めており,10の補数の考え方に目が向いていなかった。 (3)指導の手立て 指導に当たっては,単元を通して,ブロック操作の手順を一つずつ確認し,十分に行わせるとともに,ブロ ック操作を基にして,計算の仕方を繰り返し唱えさせたり,補助計算をノートに書かせたりしたい。それによ り,計算の仕方をより明確にさせ,繰り上がりについての理解の定着を図りたい。さらに,ペアで自分の考え (計算の仕方)を交流する場面を設定することで,10のまとまりをより強く意識させるとともに,計算の手 順をきちんと整理して伝える力を付けさせたい。また,事前調査で,10の分解を理解していない児童が多か ったことから,単元を通して,常にいくつといくつで10になるかを意識させながら,指導していきたい。 3 内容系統図 【1年】かずとすうじ ●10までの数の概念 ●4,5の合成・分解 【1年】いくつといくつ ●6,7,8,9,10 の合成・分解 ●0という数 【1年】ふえたりへったり ●数が増減する場面の経験 【1年】20までのかず ●(十何)±(1位数)=(十何) 【1年】たしざん(1) ●たし算の意味(合併,増加) ●(1位数)+(1位数)≦10 【1年】たしざん(2) ●(1位数)+(1位数)>10 1年-1 【1年】ひきざん(2) ●(十何)-(1位数)<10 【1年】0のたしざんとひきざん ●0を含む加減計算 【1年】大きいかず ●(何十)+何=(何十何) ●(何十何)-何=(何十) 4 研究との関わり (1)確かな学びを生み出すノート作り 研究内容2―② 10の補数を意識させるために,補助計算を書かせる 事前調査の結果から,10の分解について,十分に理 解している児童が少ないことがわかった。 そこで,ブロック操作を基にして,補助計算を書かせ ることにより,10の補数を意識させる。この補助計算 を「さくらんぼ計算」として扱う。10の補数を常に意 識させるために,この単元を通して,暗算などでは計算 させずに,さくらんぼ計算をさせる。 さくらんぼ計算 (2)学びへの意欲を生み出す問題の吟味や提示の工夫 研究内容2―① 意識的に学習に取り組ませるために,生活に関連させた問題を提示する 本時の問題は,教科書では,兄弟がくりを拾い,全部でいくつになるかを問う場面を取り上げている。し かし,本学級の児童にとってはこのような経験は少ない。そのため,問題場面を体験的に理解し,問題解決に 向かう意欲をもつことが難しいと予想される。 そこで,あさがおの花の咲く数を数えるという全員が夏休みに経験した場面を,学習問題として取り上げた。 これにより,学習と生活とを関連させながら,児童が意欲的に学習に取り組むことができると考えた。 問題を明確にとらえさせるために,空白のある問題文を提示する これまで,1年生は問題文が単純で,演算決定 も容易に行えることが多かった。しかし,本単元 では問題文が複雑になり,計算の見通しをもつこ とが難しくなってきた。 そこで,問題をそのまま提示するのではなく, あさがおが きのう きょうは こ ぜんぶで なんこ 7こ さきました。 さきました。 さきましたか。 問題文の加数の部分を1マス空けて,後で提示す る工夫を行う。 本時の問題 この1マス空いたところには,いろんな1けた の数が入ることを確認し,2つのパターンで計算していく。1パターン目は,式が7+2となり,既習のたし 算である。2パターン目は,式が7+5となり,答えが「10をこえそう。」「繰り上がりのある計算だ。」と いう見通しをもたせる。入る数によって,答えがどう変わるのか気付かせ,本時の課題が繰り上がりのあるた し算であるという意識をもたせ,本時の課題へとつなげる。 1年-2 5 単元の目標と評価規準 (1)目標 (1位数)+(1位数)で,繰り上がりのある場合の計算の仕方を理解し,計算ができる。 (2)評価規準 関心・意欲・態度 数学的な考え方 技 能 知識・理解 ・繰り上がりのある計算 ・10の補数を意識して, ・ (1位数)+(1位数) ・繰り上がりのある計算 に興味をもち, 「10の 加数を分解してたすこ の繰り上がりのある計 の仕方について理解し 補数」という考えのよ とを考えている。 算を確実にできる。 ている。 さに気付き,進んで計 算しようとしている。 6 単元の指導及び評価計画 (1)指導内容と本単元で重視する算数的活動 指導内容 A 数と計算 (2)加法及び減法の意味について理解し,それらを用いることができるようにする。 ア 加法及び減法が用いられる場合について知ること。 イ 1位数と1位数との加法及びその逆の減法の計算の仕方を考え,それらの計算が確実にできること。 ウ 簡単な場合について,2位数などの加法及び減法の計算の仕方を考えること。 本単元で重視する算数的活動 ○計算の意味や計算の仕方を,具体物を用いたり,言葉,数,式,図を用いたりして表す活動。 (2) 単元の指導及び評価計画(9時間扱い) 学 1 た し ざ ん ⑤ 習 活 動 評 価 計 画 努力を要する児童への手立て ◆8+3のような(1位数)+(1位数)・ブロックの操作を通して, ・いくつといくつで10に で繰り上がりのあるたし算 10の補数を意識して,加 なるかを確認させる。 ・ブロックの操作を通して,10の補数を 数を分解して,10をつく 利用した計算方法を見出すことができ ることを考えている。 る。 《ノート・発言》【考】 (本時) ◆7+5のような(1位数)+(1位数)・加数を分解して,10の補 ・何と何で十,十と何で十 で繰り上がりのあるたし算 数を利用した計算方法を理 何という計算をブロッ ・ブロックの操作を通して,10の補数を 解している。 クで確認させる。 利用した計算方法を作り上げることが 《観察・ノート・発言》【知】 できる。 1年-3 ◆被加数が9のたし算 ・9+□のたし算では,いつ ・9と1で10になること ・9+□の□の部分を変えて,たし算の練 も加数を1と○に分ければ をブロックで確認させ 習をする。 よいことが分かる。 る。 《ノート・発言》【知】 1 た し ざ ん ⑤ 2 た し ざ ん か あ ど ③ ◆被加数が6以上(6,7,8)のたし算 ・被加数が6以上(6,7, ・6,7,8があといくつ ・8+□,7+□,6+□の計算ができる。 8)のたし算を計算するこ で10になるか確認さ とができる。 せる。 《観察・ノート》【技】 ◆被加数が5以下(5,4,3,2)のた ・被加数が5以下(5,4, ・5,4,3,2があとい し算 3,2)のたし算を計算す くつで10になるか確 ・5+□,4+□,3+□,2+□の計算 ることができる。 認させる。 ができる。 《観察・ノート》【技】 ◆たし算カードで繰り上がりのあるたし ・意欲的にたし算カードを使 ・カードの答えが分からな 算の練習 った練習に取り組もうとし い場合は,ブロックを使 ・計算カードを用いて,答えが11になる ている。 って確認させる。 式を見付ける。 《観察・発言》【関】 ・ (1位数)+(1位数)で繰 り上がりのあるたし算が正 確に計算できる。 《観察・ノート》【技】 ◆たし算カードで繰り上がりのあるたし ・ (1位数)+(1位数)で繰 ・カード遊びのルールを1 算の練習 り上がりのあるたし算が正 つずつ確認させる。 ・計算カードを用いて,カード遊びを行う。 確に計算できる。 《観察・ノート》【技】 ◆たし算カードで繰り上がりのあるたし ・ (1位数)+(1位数)で繰 ・カードの答えが分からな 算の練習 り上がりのあるたし算が正 い場合は,ブロックを使 ・計算カードを用いて,学習内容を確実に 確に計算できる。 って確認させる。 身に付ける。 《観察・ノート》【技】 た し か め ど う じ ょ う ① ◆たしかめ道場 ・ (1位数)+(1位数)で繰 ・ブロックを用いて,10 ・練習問題を解き,学習内容を確実に身に り上がりのあるたし算が正 のかたまりを作って計 付ける。 確に計算できる。 算することを確認させ 《観察・ノート》【技】 る。 ・ (1位数)+(1位数)の計 算の仕方を考えたり,活用 したりするよさや楽しさに 気付いている。 《ノート》【関】 1年-4 1年-5 7 本時の指導計画 (1)本時の目標 (1位数)+(1位数)で繰り上がりのあるたし算について,10の補数を利用した計算方法が分かる。 (2)展開(2/9時) 段 児童の活動 階 ◇問題を把握する。 教師のはたらきかけ ・問題を提示する。 あさがおが きのう 7こ さきました。 きょうは こ さきました。 ぜんぶで なんこ さきましたか。 評価・留意点 ※時間を掛けすぎないよう に留意する。 ◇式を立てる。答えを出す。 ・7+2=9 には数字が入ります。はじめに,2 ※児童と今日はいくつ咲い を入れて計算しましょう。 たかなどやりとりしなが ・既習事項なので,口頭で答えを確認す ら,説明を進める。 る。 ◇問題をノートに書く。 ・問題内容を確認する。 ○次に, に5を入れます。ノートに問 題を写します。 つ か む ◇式を立てる。ノートに書く。 ・7+5 ◇前時を想起する。 ・答えが10をこえそう。 ○ ○式を立て,ノートに書きましょう。 ○昨日勉強したたし算と似ているとこ ろは,どこですか。 ・前時と比較して,今日の 学習課題を とらえさせる。 ◇課題を確認する。 答えが10より大きくなるたし算の計算の仕方を考えよう。 ◇ブロックを操作する。 ○まずは,昨日と同じようにブロックを ※10のケースを使って, ・ブロックを操作して,10をつ 使って,計算しよう。 ブロック操作を行う。 くり,答えを導く。 ・ブロック操作の仕方を実物投影機を使 ○操作で困っている児童に って,発表させる。 は,10を作ることと7 ブロック にいくつで10になるか 追 を助言する。 求 し 合 う 1年-6 ◇計算の仕方を声に出して全体で確 ○計算の仕方をみんなで確認しましょ ○7はあといくつで10に 認する。 う。 なるかの理解が十分でな ①7はあと3で10。 い場合は,再度ブロック ①7はあと3で10。 ②5を3と2に分けます。 を使って,確認する。 ②5を3と2に分けます。 ③7に3をたして10。 ③7に3をたして10。 ④10と2で12。 ④10と2で12です。 ・自分で,計算の仕方を確認する。○ブロックを動かして,計算の仕方を言 ○計算の仕方を言うのに困 いましょう。 っている児童には,黒板 を見て言ってもよいこと を伝える。 追 求 し ◇さくらんぼ計算の書き方を知る。 ○計算の仕方が分かる書き方を紹介し 合 ます。さくらんぼ計算と言います。 う ・さくらんぼ計算の仕方をノート ○式を使い,さくらんぼ計算の書き方を ※ブロック操作や計算の仕 に書く。 練習させる。 方とさくらんぼ計算を対 応させながら,児童とや りとりをしながら,確認 していく。 ◇問題の答えを,単位に気を付けて ○最後に,答えを書きましょう。 ノートに書く。 ◇学習のまとめをする。 ○答えが10より大きくなるたし算の ※さくらんぼ計算の式を 計算の仕方をまとめます。 使って,確認する。 ・10をつくる。 ・10とのこりのかずをたす。 ま と め る ・ 広 げ る ◇ 4 6+7の問題を,さくらんぼ計 ○本当にできるようになったかな?教 知 繰 り上 がり のあ るた 科書P814 の問題を解きましょう。 し算について,10の 算を使って解く。 補数を利用した計算方 ◇ペアで計算の仕方を交流する。 ○ペアで計算の仕方を言いましょう。 法を理解したか。 《観察・ノート・発言》 ・計算の方法を確認する。 ・黒板に計算を書いて説明する。 ※説明は書かせないが, さくらんぼ計算は書か せる。 ◇ 6 ①⑥の問題を,さくらんぼ計算 ○ 6 ①⑥の問題を解きましょう。 を使って解く。 ・計算の方法を確認する。 ・黒板に計算を書いて説明する。 1年-7 ※時間に合わせて行う。 ○問題が解けない児童に は,加数をいくつとい くつに分けたらよいか 助言する。 ○ 早 く 終 わ った 児 童 に は,黒板に答えを書か せる。 (3)資料 ①板書計画 ②座席表 黒 板 女M.S 男S.S 女T.H 男A.S 女H.A 男K.A 女H.S 男S.K 女K.Y 男M.E 女S.M 女S.A 女M.K 男U.S 女M.N 男K.K 女O.Y 男S.S 1年-8
© Copyright 2024 Paperzz