世界同時不況回復期におけるアジア諸国のビジネス

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ビジネス・ホット・レポート
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No.1
名古屋商工会議所で開催された講演会・セミナーの中から
毎回ひとつピックアップし、
ダイジェストでご紹介します!
紙・印刷部会、
木材部会 講演会
「世界同時不況回復期におけるアジア諸国のビジネスの今」
「世界同時不況回復期におけるアジア諸国のビジネスの今」
紙・印刷部会、
印刷部会
刷部
刷
部 、
木材部会
材部
材
部
会 講演会
講演
演会
演会 ・同大学院 ビジネス研究科 教授 真田 幸光 氏
開催日
講師
2010年6月9日
愛知淑徳大学
ビジネス学部
「 と
「鳥」
「虫」
と
「魚」の視点から
ビジネス戦略
・経営戦略をたてる
ビ
世界経済の現状を分析して、
るイギリス、
さらにアメリカへとドミノ倒しのように影響が広がっていく恐れ
があります。
そうなれば景気が二番底に向かうことは避けられません。
なぜアジアが元気がいいのか
な
企 業 戦 略に落とし込んでいく
ためには、
自らが鳥になり、虫に
一番大きな理由は、人口が多いことです。潜在的な労働力の多さだ
なり、魚になることが大切です。
けでなく、
「巨大な消費市場」
としても経済の拡大が期待されています。
鳥瞰図的、複眼的に物事を見
アジア諸国では、年々所得水準が上昇しており、世帯可処分所得5,001
つめ、魚のごとく、世の中の流
ドル以上35,000ドル以下の家計人口は8億8,000万人にも達しています。
れや潮目を読みながら泳ぎ方を
お客様としての価値を見た場合、今後欧米は相対的に落ちていきま
変えていかなければなりません。
すが、
アジアは相対的に上がってくることが予測されますので、今後
リーマン・ショック以降、極端な金融収縮が発生し、世界経済は混
はこれまで以上にアジア諸国の動きをしっかり見つめていくことが
乱に陥っています。米国のGDPの約70%が個人消費で占められてい
必要です。
ると言われますが、その個人消費を後押ししていたのが、
クレジット
カードローンなどの消費者信用でした。
日本は、企業戦略のなかで、
「どこで
(だれが)モノを作り、
どこ
しかし、債務不履行への懸念や自らのバランスシート調整の必要
に(だれに)モノを売っていくの
性から、銀行など金融機関の急激な信用収縮が起こり、その結果、
か」
を考えてビジネスを展開して
米国の個人消費が大きく押し下げられることになりました。結果、
アメ
いかねばなりません。
リカ相手に商売していた日本は大変厳しい状況に置かれています。
企業には、徹底したマーケティングによっていち早く市場の動きを察
知し、
機動的に対応していくことが求められます。
景気の二番底はくるか?
景
「販売」
はマーケティングに優れたエージェントに
アウトソーシング
ア
停滞する国内のマーケットをカバーするべく、いかに海外に進
出するか、そのときに潜在力のあるアジアを注目していくことが重
ヨーロッパの金融機関は、黒字主体から赤字主体へ資金を流し、経済
要です。ただし、販 売はマーケティングに優れたエージェントに
の活力を高める重要な役割を担っていました。
しかし、
リーマン・ショックに
任せることをお勧めします。市場に入っていくことは容易ではありま
よって金融の流れがストップしたことから、総額4000億ユーロもの損失を
せん。
ちなみに、
アウトソーシング先は、
アジアでのマーケティングが
被り、実体経済も回らないという事態となりました。各国政府は財政出動
得意なスイスやシンガポール、
香港の企業がお勧めです。
を伴う景気対策に動きましたが、景気が悪化する中で財政出動した
これからは、
サービス・ノウハウを
「売る方法」
を真剣に考えていくこ
結果、国債が積み上がっていくこととなりました。
とが大切です。世界経済の動きを的確につかんで迅速に行動に反映
ギリシャの財政危機問題が起こったのは、
この国債がユーロ建てで
させ、萎んでしまった経済をぜひ膨らませていきましょう
!
発行されたことが大きな原因といえます。経済水準に格段の差がある
ものの、同一通貨圏にあることから、投資家達は
「ヨーロッパは一枚岩」
とリスクを低く見積もり、利回りが高いギリシャ国債を大量に購入して
いったのです。
この結果、ユーロ全体のシステムが崩壊するかもしれな
いという大変危険な状況へと繋がりました。
今注意すべきは、
「PIGS(ピッグス)」
(ポルトガル、
イタリア、
ギリシャ、
スペイン)
と呼ばれる国々です。
もし倒れれば、国際金融の中核国であ
《講師紹介》
1957年東京都生まれ。81年慶應義塾大学法学部を卒業し東京銀
行(現・東京三菱UFJ銀行)
に入行。
その後ドレスナー銀行(ドイツ)
東京支店企業融資部長等を経て、98年愛知淑徳大学ビジネス・
コミュニケーション研究所助教授に就任。2002年4月同教授、04年
4月より現職。著書に
『日本の国際化と韓国』、
『アジアの国、
日本』
など多数。
また、NHKクローズ・アップ現代などテレビ、
ラジオ出演を
はじめ、中小企業大学校ほか活発な講演活動を展開している。
★ 講演会・セミナーの最新情報はイベントカレンダーから ▷ http://www.nagoya-cci.or.jp/event/
お 問 合 せ 先 秘書・広報グループ 坂野 TEL:052-223-5607
Jul
y 2010 Nagoya Business Hot Press