那覇学園事件について 社会福祉法人「伊集の木会」が設置運営する入所授産施設は、入所授産施設40名、併設通所授産施設40名が利用していた。同学園 の進入路は私有地であることの懸念と、合計80人の利用者が使用するには、敷地及び建物が狭い感がする。 10月1日から新事業体系に移行したが、事前の説明は不十分であり、聞き取りを行った保護者のほとんどがどんな事業を行っている のかを応えられることができない。また、 「障害者自立支援法に基づく指定障害福祉サービス事業等の人員、設備及び運営に関する基 準」の11条『提供拒否の禁止』 や「障害者自立支援法に基づく障害福祉サービス事業の設備及び運営に関する基準」の第30条に規定 されている『苦情解決』の存在すら知らない。 それでも、本事件の本人及び家族は契約を結ぼうとしていたが、法人・施設側から①保護者との仲が悪い、②沖縄県育成会に非協力 的、③施設職員に苦情を言う、の三点の理由を下に、一方的に障害福祉サービスの提供を拒否される。 本家族の父親は、家族会の会長として、施設運営に協力をしてきたが、不透明な運営(法人・施設の決算書はいまだかって開示された ことがない)や基本財産のことなどを心配して、理事長・施設長に問い質したことがあり、意見の対立もあった。 【全施連としての見解】 本件の当事者の家族や他の保護者からの聞き取りから明らかになったことは、当法人理事長は家族会を法人の従属団体としてのとら え方であり、自分の思いどおりにならない家族会は認めない考えであることであった。法人・施設側が契約の代行人(当法人の契約書 は代行人が「保護者」となっている)を母親にすることに固執しているが、これは契約の代行人が母親であれば、父親を家族会から締め 出すことができると考えたことによるものであると思われる。家族会と法人・施設は利用者の福祉向上を目指して両輪のごとく存在する が、その双方は独立した人格を持つ団体であらねばならないことなど、ほとんど理解していないようである。 低次元の事柄であることと、家族会を二分するという古典的な動きを始めている。 一方、那覇市においては9月16日に本事件を承知していながら、10月7日まで放置していた。また、沖縄県は10月7日以降何度かの行 政指導はしているものの、解決に至っていない。沖縄県は事業を指定している責任において、また、運営を管理監督する立場でありな がら特別監査も行わないままである。 2ヶ月を過ぎた現状は、支給決定がされないままの利用となっており、個別支援計画も無く、一方的に作業を変更し、工賃も支給されな いという異常事態である。 当会としては、苦情を言う権利や憲法第14条第1項の法の下での平等を侵害され、一方的に利用の拒否がされる障害者自立支援法 に対して大きな不安を抱くところである。 当会としては、下記の三点を要望するところである。 1 当法人に第三者検証委員会を設置し何故このような事件が発生したかを明確にし、再度このような事件が起こらない方策を講じるこ と。 2 理事会並びに評議員会に家族会から選出された者を入れること。 3 家族会への理事長及び施設からの干渉を行わないこと。(保護者会に録音機を持ち込んだことがある) p1 那覇学園事件のあらまし(家族からの聞き取り) 1 事件の流れ及びその対応 本人の状況 9月15日 入所授産施設「那覇学園」の併設通所の新事業体系移行に伴う契約を口頭により拒否される。 その理由を問いただすと以下の3点であった。 1 保護者との仲が悪い 2 沖縄県育成会に非協力的 3 施設職員に苦情を言う 入所授産施 設「那覇学園 の」併設通所 授産施設に 通所 9月16日 那覇市障がい福祉課に相談。 担当から「民々契約のことであるので、介入ができない」との返答。 通所 10月3日 本人と父親が那覇学園に行くと、施設内に入ることを拒否される。 在宅(利用拒 否のため) 10月4日 全施連に支援要請 同上 10月7日 全施連役員等が沖縄県に入る ○那覇市役所 那覇市障がい福祉課長、副参事 ・ 全施連から「障害者自立支援法に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基 準」の(提供拒否の禁止)第11条 指定居宅介護事業者は、正当な理由がなく、指定居宅介護の提供を拒んで はならない。(全ての障害者福祉サービス事業に準用)に反していると説明。 ・ 市側も問題を把握し、直ちに指導する旨の返答 ○沖縄県庁 沖縄県障がい福祉課長、班長、主査 ・ 全施連から上記基準に反していることを説明し、指定認可権を持つ沖縄県としての善処を要請。 ・ 県側から速やかに指導する旨の返答 同上 p2 那覇学園事件のあらまし(家族からの聞き取り) 2 事件の流れ及びその対応 本人の状況 10月10日 ○沖縄県が伊集の木会(那覇学園)理事長から事情調査。(那覇市も同席) ・ 翌日(12日)から養護学校生と同じ実習生扱いとして受け入れること、支給決定をしないまま、実習生として受け 入れることを了承。 ※沖縄県も那覇市も了承。その日に保護者に連絡あり。 休日 10月11日 ○実習生として通所。(利用拒否されるまでは、植木の苗木の作業であったが、一方的に窓拭き等の清掃作業に変 更となる) ○全施連から日本知的障害者福祉協会及び日本手をつなぐ育成会に調査及び支援の協力を文書にて要請。 ○那覇市から施設側が無契約のままであるという理由で再度受け入れ拒否であるとの連絡。 ・ 契約について施設側からは、利用者及び家族に何らの話はない。 実習生として 通所 10月12日 ○再度受け入れ拒否 ○那覇市から施設側に再度の指導あり。 在宅(利用拒 否のため) 10月13日 ○再度実習生として通所 実習生として 通所 10月20日 ○那覇市が契約をするよう指導 ・ 契約については、施設側からは契約を結ぶが代行人(保護者)を母親にすること、また、付き添いも母親である ことの条件が出される。 ○家族としての見解 ① 代行人は父親とすること。 ② 保護者会の定例会を認め、那覇学園の会議室の利用ができるようにすること。 ③ 保護者会に施設・法人が干渉しないこと。 ※ 父親は那覇学園の保護者会長 同上 10月26日 ○日本知的障害者福祉協会から回答 10月12日に沖縄県による行政指導があり、双方の話し合いの結果、10月13日から利用が再開された。 同上 p3 那覇学園事件のあらまし(家族からの聞き取り) 3 事件の流れ及びその対応 本人の状況 10月27日 ○全施連副会長が再度、沖縄県・那覇市に速やかな解決のため、改善命令等を行うよう要請。 実習生として 通所 11月11日 ○那覇市より、今週中に行政指導をし、必要であれば改善命令を出すとの連絡がある。 同上 11月17日 ○保護者会開催(那覇学園が使えないため、那覇市内の場所)。全施連から副会長が同席。 ・ 11月15日付で理事長、施設長名の「伊集の木会親の会(仮称)」の結成について(お願い)案が、那覇学園で行 うことを記した文書が特定の保護者に送付されていることが分かる。 同上 11月18日 ○那覇市から沖縄県が契約時の保護者(代行人)は施設が指定できるか否かを厚生労働省に問い合わせるとの連 絡がある。 同上 同上 同上 p4
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