3学期始業式 校長講話

りんご花咲く
3学期始業式
……浅川小学校 校長室だより……
校長講話
2016/01/07(木)
新しい年、西暦 2016 年、平成28年が明けました。では、全校の皆さんで元気に新年のあ
いさつをしましょう。新しい年が明けました。おめでとうございます。
みなさんは、お正月は楽しく過ごせましたか? 私は自宅で、普段は家にいない子どもたちや、
孫、親戚の人たちと会って、とてもにぎやかな楽しいお正月 を過ごしました。皆さんは、終業
式にお話をしたお正月のご馳走、おせち 料理をたくさん食べましたか? きっと、縁起のいいお
せち料理をたくさん食べたと思いますので、今年はきっといい年になりますよ 。
今年の干支は申、今年は猿の年です。6年生の1月から3月までに生まれた人と、5年生の
4月から12月に生まれた人は、申年の生まれですよね。実は私も申年の生まれです。申年生
まれの人たちは、今年は「年男」
「年女」と言って、縁起がいいのです。2月の節分の豆まきで
も、この「年男」
「年女」の人たちが豆をまくと、たくさんの福の神が来て 、たくさんの鬼が逃
げ出すそうです。「年男」「年女」の申年のお友だちはもちろんですが、全校の児童の 皆さんや
先生方、ご家族の皆さんが 、元気で幸せに過ごせる1年間になればうれしいですね。
さて、今年は申年なので、猿のお話をしようと思いました。 でも、どうも人間と猿は昔から
仲がよくないようで、猿の出てくる昔話やことわざなどの古い言葉では、猿は悪く言われてい
ることが多いので、申年の私としてはとても残念です。たとえば、猿は動物の中でも頭がいい
はずなのに、「間抜けな考え」のことを 「猿知恵」と言って、悪く言われます。
し か し 、 い つ も悪 く 言わ れ が ち な 猿 の知 恵 の中 に も 、「 三 猿の 教 え 」、 3 匹 の 猿 の教 え と いう
言葉があります。実はこの言葉もあまり良くない意味で使われることがあるのですが、調べて
みると、皆さんのような子どもを立派に育てるための大切な知恵だ、と
いう考え方もありますので、今日はその 「子どもを立派に育てるための
大切な知恵」という見方でお話しします。
この3匹の猿、何をしているのか分かりますか? 1匹は両手で目を隠
して見ないようにしています。これが「見ざる」です。2匹目は 両手で
耳をふさいで聞こえないようにしています。これが「聞かざる」です。
3匹目は両手で口を押さえて言わないようにしています。これが「言わ
ざる」です。この3匹の猿が「見ざる・聞かざる・言わざる」の3匹の
猿です。
「見ざる・聞かざる・言わざる」というのは、古い日本語の言い
方で、今の言葉に直すと「見ない・聞かない・言わない」ということに
なります。この3匹の猿の「見ない・聞かない・言わない」という教え
が、なぜ「子どもを立派に育てるための 大切な知恵」だと言われている
のか、お話しします。
皆さんは今、子ども時代を過ごしています。 この浅川小学校や、みな
さんのそれぞれのお家、そして浅川地区などで 毎日生活し、いろいろな
ことを勉強したり体験したりして、だんだん大人に近づい ていきます。
今のみなさんは、柔らかな心でいろいろなことを吸収して、 グングン成
長しています。いろいろなことをどんどん吸収して身につけることで、
人と人との温かな関係を作ることができたり、人の気持ちが分かったりする一人前の立派な大
人に成長しているのです 。そういう人生の大切な「土台」にあたる子ども時代には、悪いこと
を見たり、聞いたり、言ったりしないで、本当に良いものだけを受け入れて 身につけ、素直な
心でまっすぐに成長してほしい、というのがこの「三猿の教え」なのです。
たとえば、悪いことをしている人を見て「自分もやってみようかな 。」と考えることは、良く
ないことです。また、悪いことをした話を聞いて「なるぼど、それはおもしろそうだ な。」と思
うことも、良くないことです。 人の気持ちも考えずに、汚い言葉や人の悪口、トゲトゲ言葉を
言ったりするのも、良くないことです。皆さんたち子どもにとって、悪いことを見たり、聞い
たり、言ったりすることはとても良くないことなので、子どもの時には特に気をつけなければ
いけない、という教えがこの「三猿の教え」です。
この「三猿の教え」について いろいろと調べていて、実はとてもびっくりしたことがありま
した。私はこの「見ざる・聞かざる・言わざる」 というのは、昔の日本の人々が考え出した古
い教えだ、と思っていたのですが、実はそうでは なかったのです。この「三猿の教え」は、 今
から 1300 年ほど前に中国から日本に伝わってきたそうです。そしてまた、この「三猿の教え」
は、実は古くから世界中の国々に伝わっている教えで、 昔のエジプトやインド、ヨーロッパに
もこの「見ざる・聞かざる・言わざる」の3匹の猿の教えがあったよう なのです。アメリカで
は今でも、「Three wise monkeys」(3匹の賢い猿)という言葉があって、 子どもを育てる上で
の大切な教えとして使われ ているそうです。
「見ざる・聞かざる・言わざる」の3匹の猿は、今
も世界中で有名な猿たちだ、ということが分かってびっくりしま した。
さて、今日から3学期がスタートしました。3学期は48日間の、1年間で一番短い学期で
す。元気に1年間のよいまとめをするのが、この3学期です。 桜が咲く4月の青空の下、1学
年上のお兄さんお姉さんになっている自分の姿を思い浮かべてみましょう。 1年生の皆さん、
4月になるとかわいい新1年生が入学してきますよ 。2年生のお兄さん,お姉さんになるための
準備をするのが、この3学期です。5年生の皆さんは、4月から最上級生として全校の先頭に
立ちます。今の6年生のように、立派な最上級生になってほしいと思います。 立派な最上級生
になるための準備をするのが、この3学期です。それぞれの学年のみなさん、ひとまわり大き
く成長する自分の姿を思い浮かべながら、悪いことを見たり、聞いたり、言ったりしないよう
に自分から気をつけて、良いものだけを身につけ て、素直な心でまっすぐに成長していく3学
期にしてほしいと思います。
6年生のみなさんは、春になれば浅川 小学校を巣立って中学
校へ大きく羽ばたく、卒業・進学の春を迎えます。中学校生活
は、気力と体力、心と体の強さが勝負です。3学期は 、立派な
中学生になるための力を、体と心にしっかりと蓄えて 、中学校
に向けて浅川小学校を立派に巣立っていってほしいと思います。
全校の皆さん、寒さに負けず、風邪やインフルエンザにかか
らないように気をつけて、学校を休まないように、健康に過ごしましょう。全校の皆さんが元
気にニコニコ笑顔で毎日学校へ来てくれると、私はとてもうれしいです。 進級・進学のうれし
い春に向けて、素直な心でまっすぐに伸びていける3学期にしましょう。終わります。
ご家庭の皆様、地域の皆様、明けましておめでとうございます。 皆様方にとりまして新しい
年がますますよい1年になりますよう、 心よりお祈り申し上げます。本年も、 お世話になりま
す。どうぞよろしくお願い申し上げます。
(文責
浅川小学校長
大久保 英幸)